(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して本発明に係る画像形成システムの実施の形態について説明する。
図1は、第一の実施形態に係る画像形成システムのシステム構成の一例を示す図である。
画像形成システム1は、画像形成装置10と、検査装置20と、DFE(Digital Front End)30と、端末装置40と、ジョブ管理サーバ50と、を備える。
画像形成装置10、検査装置20、DFE30、端末装置40およびジョブ管理サーバ50は、互いに通信ネットワーク60を介して通信可能に接続されている。
画像形成装置10は、画像を形成する装置であって、例えば、カラープロダクションプリンタである。画像形成装置10は、DFE30から画像データを受信して、受信した画像データに基づいて、用紙に画像を印刷する。
また、画像形成装置10は、読取装置を備える。読取装置は、画像の印刷された用紙を読み取って読取画像データを生成する。そして、画像形成装置10は、読取装置によって生成された読取画像データを検査装置20に送信する。
検査装置20は、画像形成装置10から受信した読取画像データに基づいて、画像形成装置10の用紙に「しわ」が発生しているか否かを検査する。また、検査装置20は、検査結果を示す情報を画像形成装置10に送信する。画像形成装置10は、受信した検査結果を示す情報を、操作パネルに表示する。
なお、用紙は記録媒体の一例であって、フィルム、プラスチック等の他のシート状の材料であっても良い。また、「しわ」は記録媒体の状態不良の一例である。記録媒体の状態不良は他でも良く、例えば、破れ、欠損、汚損等であっても良い。記録媒体に状態不良が発生している場合、その記録媒体を読み取った読取画像データは、印刷によって形成された画像だけではなく、記録媒体の状態不良の影響を受けた画素値を含むデータとなっている。したがって、検査装置20は、読取画像データに与えられた記録媒体の状態不良の影響を受けた画素値を抽出することによって、状態不良が発生しているか否かを検査する。
DFE30は、端末装置40から画像の印刷を指示する信号とともに画像データを受信すると、内蔵するRIP(Raster Image Processor)エンジンによって、受信した画像データを、画像形成装置10による処理が可能な形式のRIP画像データに変換し、RIP画像データを画像形成装置10に送信する。
端末装置40は、ユーザの操作を受けて、画像の印刷を指示する端末である。具体的には、端末装置40は、画像データを含むジョブデータを、DFE30またはジョブ管理サーバ50に送信する。
ジョブ管理サーバ50は、端末装置40からジョブデータを受信すると、印刷待ちのジョブデータを格納する記憶部に、待ち行列として追加する。そして、ジョブ管理サーバ50は、待ち行列に追加された順に、または適宜設定された優先度にしたがって、待ち行列からジョブデータを抽出して、DFE30に送信する。
次に、画像形成システム1が備える装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像形成装置10は、プリンタ101と、スタッカ102と、操作装置103と、を備える。
プリンタ101は、DFE30からRIP画像データを受信して、受信したRIP画像データに基づいて、用紙に画像を形成する。
プリンタ101は、無端状移動手段である搬送ベルト111に沿って各色の感光体ドラム112Y、112M、112C、112K(以降、総じて感光体ドラム112とする)が並べられた構成を備える。
具体的には、プリンタ101は、搬送ベルト111の搬送方向の上流側から順に配列された、感光体ドラム112Y、112M、112Cおよび112Kを備える。搬送ベルト111は、給紙トレイ113から搬送ベルト111に沿って給紙される用紙に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである。
プリンタ101は、各色の感光体ドラム112の表面においてトナーにより現像されたK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)およびY(イエロー)のトナー像を、搬送ベルト111に重ね合わせて転写することにより、フルカラーの画像を形成する。そして、プリンタ101は、搬送ベルト111上に形成されたフルカラー画像を、図中に破線で示す用紙の搬送経路と最も接近する位置において、転写ローラ114の機能により、経路上を搬送されてきた用紙の紙面上に転写する。
プリンタ101は、紙面上に画像が形成された用紙を更に搬送して、定着ローラ115にて画像を定着した後、読取装置131に搬送する。読取装置131は、定着ローラ115を経由して搬送される用紙を読み取り、読取画像データを生成する。
プリンタ101は、片面印刷の場合、読取装置131によって読み取られた用紙をそのままスタッカ102に排紙する。また、プリンタ101は、両面印刷の場合、読取装置131によって読み取られた用紙を、反転パス116によって反転した上で、再度転写ローラ114の転写位置に搬送する。
続いて、プリンタ101は、片面に印刷された用紙の反対側の面にトナー像を転写し、定着する。そして、読取装置131は、印刷された面を読み取る。プリンタ101は、その後、両面印刷された用紙を、スタッカ102に排紙する。
スタッカ102は、プリンタ101から排出された用紙を、トレイ141に積み上げて格納する。
操作装置103は、操作パネル等を有し、印刷設定、印刷実行等のユーザの操作を受ける。具体的には、操作装置103は、検査装置20による検査結果を示す情報を表示する。
なお、図2では、画像形成装置10が電子写真方式の画像形成機構を有する例を示したが、インクジェット方式など他の画像形成機構を有していても良い。
図3は、画像形成装置の電気系統の構成の一例を示す図である。
画像形成装置10は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940およびネットワークI/F950を備えている。
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有する。
また、NB903とASIC906との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続されている。
これらのうち、CPU901は、画像形成装置10の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902aと、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bと、を含む。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
ASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェース、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)等のインターフェースによって接続するようにしてもよい。
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積等を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。
AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。AGPバス921は、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路920は、近距離通信アンテナ920aを備える。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940aと、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作キー940bと、を備える。
コントローラ910は、画像形成装置10の全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932は、誤差拡散、ガンマ変換などの画像処理を実行する。
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク60を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
図4は、検査装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
検査装置20は、コンピュータによって構成され、CPU201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、HDD/SSD(Solid State Drive)204と、I/F205と、を備える。
CPU201は、ROM202またはHDD/SSD204に格納されたプログラムを読み出して、RAM203に格納する。そして、CPU201は、RAM203に格納されたプログラムに従って、後述する各種の処理を実行する。
ROM202は、不揮発性の補助記憶装置である。ROM202には、BIOS等の検査装置20の基本的な動作を規定したプログラムが格納される。
RAM203は、揮発性の主記憶装置である。RAM203は、CPU201の作業領域として使用される。
HDD/SSD204は、大容量の不揮発性の補助記憶装置である。HDD/SSD204には、受信した読取画像データ、後述する各種処理のプログラム、設定情報等が格納される。
I/F205は、例えばLAN(Local Area Network)カード等であり、通信ネットワーク60と通信するための中継器である。
次に、画像形成システム1が備える装置の機能について説明する。
図5は、第一の実施形態に係る画像形成装置および検査装置の機能の一例を示す図である。
画像形成装置10は、RIP画像受信部11と、RIP画像送信部12と、画像形成部13と、読取部14と、操作部15と、を備える。
RIP画像受信部11は、DFE30からRIP画像データ801を受信する。RIP画像データ801は、CMYK形式の画像データである。RIP画像送信部12は、受信したRIP画像データ801を画像形成部13に送信するとともに、検査装置20にも送信する。RIP画像受信部11およびRIP画像送信部12は、ネットワークI/F950によって実現される。
画像形成部13は、RIP画像データ801に基づいて、記録媒体に画像を印刷する。画像形成部13は、プリンタ101によって実現される。
読取部14は、画像が印刷された記録媒体(印刷物802)を読み取って、読取画像データ803を生成し、生成された読取画像データ803を検査装置20に送信する。読取部14は、読取装置131によって実現される。
操作部15は、検査装置20から検査結果情報808を受信して、受信した検査結果情報808を表示する。検査結果情報808は、用紙にしわが存在するかの判定結果、存在する場合のしわの形状、大きさ等を含む。操作部15は、操作装置103によって実現される。
検査装置20は、マスター画像生成部21と、読取画像取得部22と、位置合わせ処理部23と、差分画像生成部24と、画像処理部25と、しわ判定部26と、出力部27と、を備える。
マスター画像生成部21は、画像形成装置10から受信したRIP画像データ801に基づいて、マスター画像データ804を生成する。具体的には、マスター画像生成部21は、CMYK形式のRIP画像データ801をRGB形式のマスター画像データ804に変換する。マスター画像生成部21は、CPU201等によって実現される。
なお、マスター画像データ804は、読取画像データ803との比較の基準となるデータであって、正しく印刷された場合の正解データとして機能する。また、マスター画像データ804は、位置合わせ処理の際に比較の基準となる特徴点(以下、基準点という)を示すデータを含む。マスター画像生成部21は、用紙サイズ、画像パターン等によって、ページごとの基準点の個数を決定し、決定された個数の基準点を示すデータをマスター画像データ804に埋め込む。
読取画像取得部22は、画像形成装置10から読取画像データ803を受信する。読取画像取得部22は、I/F205によって実現される。
位置合わせ処理部23は、マスター画像データ804と読取画像データ803とを比較するために位置を合わせる。具体的には、搬送や印刷などの状況によって、用紙ごとに印刷される画像の位置が異なる。そこで、位置合わせ処理部23は、マスター画像データ804に含まれる基準点に対応する点を読取画像データ803から探すことによって、マスター画像データ804と読取画像データ803とに含まれる同一の画素として評価する画素の相対的な位置のずれの大きさを算出する。
そして、位置合わせ処理部23は、位置のずれの大きさを示す位置ずれ情報805を生成する。例えば、位置ずれ情報805は、マスター画像データ804と読取画像データ803とのX座標値およびY座標値の差分を含む。
差分画像生成部24は、差分画像データ806を生成する。具体的には、差分画像生成部24は、位置ずれ情報805に基づいて、マスター画像データ804と読取画像データ803との画素値の差分を画素ごとに算出する。ここで、差分画像生成部24は、RGB形式のデータを比較するため、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の色ごとに、画素値の差分を算出し、色ごとに算出された差分を示す差分画像データ806を生成する。
画像処理部25は、差分画像データ806にフィルタリング処理を施して、差分画像データ806に含まれるエッジが強調されたエッジ強調画像データ807を生成する。
なお、エッジは、明るさ(画素値)が不連続に変化している境界を示す画像処理の用語である。エッジが線状に伸びている場合には、エッジが境界線を形成していると言える。
また、強調とは、フィルタリング処理等によって、差分画像データ806内の画素値の差分のうち、一定の傾向を持つ画素値の差分を、元の値より大きい値に変換する処理を言う。あるいは一定の傾向を持つ画素値を大きな値として際立たせるために、その傾向から外れる値を小さい値に変換する処理であってもよい。
これによって、しわに起因する画素値の差分が小さい場合でも、しわ判定部26によるしわの有無の判定が容易になる。すなわち、しわなどの記録媒体に生じた状態不良が色に与える影響が小さく、差分画像データ806に含まれる画素値の差分が小さい箇所が含まれていても、エッジを強調することによって、記録媒体の状態不良が生じた領域全体を際立たせることができる。これによって、記録媒体の状態不良が発生している領域全体を、記録媒体の状態不良として判定しやすくすることができる。
しわ判定部26は、画像処理部25が生成したエッジ強調画像データ807に基づいて、用紙にしわが有るか否かを判定する。
出力部27は、しわ判定部26の判定結果に基づく検査結果を示す検査結果情報808を、画像形成装置10に送信する。
次に、画像形成システム1の動作について説明する。
図6は、第一の実施形態に係る検査処理のフローの一例を示す図である。
検査装置20は、画像形成装置10が用紙に1ページ印刷するごとに、検査処理を実行する。検査装置20が検査処理を開始すると、マスター画像生成部21は、マスター画像データ804を生成する(ステップS11)。
次に、読取画像取得部22は、読取画像データ803を取得する(ステップS12)。なお、ステップS11とステップS12の処理の順番は逆でも良く、また検査装置20がこれらの処理を並列に実行しても良い。
次に、位置合わせ処理部23は、位置合わせ処理を実行する(ステップS13)。位置合わせ処理の詳細については後述する。
次に、差分画像生成部24は、マスター画像データ804と読取画像データ803との差分を示す差分画像データ806を生成する(ステップS14)。
続いて、画像処理部25は、差分画像データ806に画像処理を施し(ステップS15)、エッジ強調画像データ807を生成する。画像処理の詳細については後述する。
次に、しわ判定部26は、エッジ強調画像データ807に基づいて、しわ判定処理を実行する(ステップS16)。しわ判定処理の詳細については後述する。
出力部27は、しわの有無を示す検査結果情報808を出力する(ステップS17)。画像形成装置10の操作部15は、受信した検査結果情報808を表示する。これによって、ユーザは、印刷後に用紙にしわがあったか否かを確認し、場合によっては印刷を停止させることができる。
図7は、位置合わせ処理のフローの一例を示す図である。
検査処理の位置合わせ処理(ステップS13)において、位置合わせ処理部23は、読取画像データ803の中からマスター画像データ804の基準点に対応する点を検出する(ステップS131)。
具体的には、位置合わせ処理部23は、マスター画像データ804に設定された基準点の座標に対して、読取画像データ803上でその基準点を中心とした一定範囲の領域とパターンマッチングを行う。そして、位置合わせ処理部23は、パターンマッチングの結果より、マスター画像データ804の基準点を中心として一定範囲の領域の画像と一致度が一番高い領域を読取画像データ803から検索し、領域の中心点を読取画像データ803での対応する点とする。ただし、探索手法はこの方法に限られず、他の方法でも良い。
次に、位置合わせ処理部23は、マスター画像データ804の基準点の位置と、読取画像データ803の対応する点の位置とを比較して、位置ずれ量を算出する(ステップS132)。具体的には、マスター画像データ804での基準点の座標と、読取画像データ803の対応する点の座標との位置ずれ量をX座標値(主走査方向)およびY座標値(副走査方向)のそれぞれについて算出し、算出した位置ずれ量を示す位置ずれ情報805を生成する。
図8は、位置合わせ方法について説明するための図である。
位置合わせ処理部23は、例えばHarrisオペレータでのコーナーの検出のようなアルゴリズムを適用して、マスター画像データ804の特徴的な箇所に基準点を設定する。また、位置合わせ処理部23は、搬送における用紙の動きを判定するために、副走査方向に任意の間隔で十分な個数の基準点を設定する。
例えば、図8に示すように、位置合わせ処理部23は、画像を6個の領域に分割し、基準点を(a)から(f)までの6点を設定しても良い。また、分割された領域内に画像の特徴が少なく、その領域に設定可能な基準点が存在しない場合は、位置合わせ処理部23は、設定可能な領域のみ基準点を設定しても良い。
なお、画像を複数の領域に分割して基準点を設定する方法を例示したが、搬送や印刷などで位置のずれを判定するための基準点を取得することができれば、他の方法でも良い。
図9は、差分画像の生成方法について説明するための図である。
検査処理のステップS14において、差分画像生成部24は、読取画像データ803とマスター画像データ804との差分を算出する。その際、差分画像生成部24は、位置ずれ情報805を参照して、マスター画像データ804の画素と比較する画素の位置を決定する。
例えば、差分画像生成部24は、マスター画像データの基準点804aの座標値と、読取画像データの点803aの座標値との位置ずれ量に基づいて、どの画素の差分を比較するかを決定する。生成される差分画像データ806は、比較対象の各色(R、G、B)の画素値の差分を示す画像データである。
なお、仮に用紙にしわが発生していると、しわの部分において、読取画像データ803とマスター画像データ804の画素値に差分として現れると考えられる。ただし、しわの折れ方や対応する画像の内容によって、しわが発生している方が、画素値が大きくなる場合もあれば、画素値が小さくなる場合も考えらえる。
そこで、差分画像データ806は、各色の画素値の差分の絶対値とする。例えば、比較対象の画素について、マスター画像データ804の画素値が(R,G,B)=(233,222,10)、読取画像データ803の画素値が(R,G,B)=(230,240,30)である場合、差分画像データ806の画素値は、(R,G,B)=(|233-230|,|222-240|,|10-30|)=(3,20,20)となる。
図10は、画像処理のフローの一例を示す図である。
検査処理の画像処理(ステップS15)において、画像処理部25は、差分画像データ806に、0度のフィルタAを適用した画像データを生成する(ステップS151)。0度とは、印刷における主走査方向(X方向)と副走査方向(Y方向)からなるXY平面上のX軸正方向を基準とする角度である。0度のフィルタAは、0度の角度の境界線に沿ったエッジを強調するフィルタである。
次に、画像処理部25は、差分画像データ806に、45度のフィルタBを適用した画像データを生成する(ステップS152)。45度のフィルタBは、X軸正方向を基準とする45度の角度の境界線に沿ったエッジを強調するフィルタである。
次に、画像処理部25は、差分画像データ806に、90度のフィルタCを適用した画像データを生成する(ステップS153)。90度のフィルタCは、X軸正方向を基準とする90度の角度の境界線に沿ったエッジを強調するフィルタである。
次に、画像処理部25は、差分画像データ806に、135度のフィルタDを適用した画像データを生成する(ステップS154)。135度のフィルタDは、X軸正方向を基準とする135度の角度の境界線に沿ったエッジを強調するフィルタである。
なお、ステップS151からS154までの各処理の順番は他でも良く、また、画像処理部25は、4つの処理を並列に処理しても良い。
次に、画像処理部25は、生成された4つの画像データを合成する(ステップS155)。このようにして、画像処理部25は、エッジ強調画像データ807を生成する。
図11は、画像処理の方法について説明するための第一の図である。
画像処理部25は、図11に示す(a)0度のフィルタAを(b)差分画像データ806に適用して、フィルタAの画素値aと、差分画像データ806の画素値bによって、以下の式1のように注目画素の値cを算出する。
c=Σa×b=(-1)×0+(-1)×1+(-1)×1+・・・+(-1)×3+(-1)×0=-21 (式1)
この場合、(b)差分画像データ806の画素値が0度の角度に沿ったエッジを形成していないために、注目画素が強調されず、画素値が低い値となっている。
図12は、画像処理の方法について説明するための第二の図である。
画像処理部25は、図12に示す(a)45度のフィルタBを(b)差分画像データ806に適用して、フィルタBの画素値aと、差分画像データ806の画素値bによって、以下の式2のように注目画素の値cを算出する。
c=Σa×b=(-1)×0+(-1)×1+0×1+・・・+(-1)×3+(-1)×0=56 (式2)
この場合、(b)差分画像データ806の画素値が45度の角度に沿ったエッジを形成しているために、注目画素が強調され、画素値が高い値となっている。
なお、図11および図12に示したフィルタは縦横それぞれ5画素ずつの大きさを有するフィルタである。この大きさは一例であって、印刷環境、画像形成装置10の特性、形成される頻度の高いしわの特徴等を考慮して、画像形成システム1の管理者があらかじめ決定する。
図13は、画像処理の結果の一例を示す図である。
(a)0度のフィルタAを適用した画像データは、0度の角度に沿ったエッジが強調された画像データである。(b)45度のフィルタBを適用した画像データは、45度の角度に沿ったエッジが強調された画像データである。
(c)90度のフィルタCを適用した画像データは、90度の角度に沿ったエッジが強調された画像データである。(d)135度のフィルタDを適用した画像データは、135度の角度に沿ったエッジが強調された画像データである。
画像処理部25は、画像処理のステップS155において、これらの4つの画像データを合成して、(e)エッジ強調画像データ807を生成する。具体的には、画像処理部25は、4つの画像データの色ごとの各画素値の最大値を画素値とする画像データを、エッジ強調画像データ807として生成する。
しわは、さまざまな角度に沿ったエッジを形成することが多いため、エッジ強調画像データ807は、しわによる差分が強調された画像データとなる。
図14は、しわ判定処理のフローの一例を示す図である。
検査処理のステップS16のしわ判定処理において、しわ判定部26は、エッジ強調画像データ807のページ内のすべての画素から、画素値が第一閾値Th1以上の画素を抽出する(ステップS161)。なお、第一閾値Th1は、読取装置の精度、しわの発生状況等を考慮して、あらかじめ設定されている。
次に、しわ判定部26は、抽出された複数の画素のうち、互いの距離が第二閾値Th2以下の画素をまとめた一群の画素集合として区分する(ステップS162)。第二閾値Th2は、しわの発生状況等に応じて、あらかじめ設定されている。なお、第二閾値Th2が大きすぎると、しわではない欠陥をしわと判定する確率が高くなり、逆に、第二閾値Th2が小さすぎると、実際はしわであるのに、しわと判定できない確率が高くなるため、両者のトレードオフを考慮して決定する。
続いて、しわ判定部26は、画素集合ごとに、水平方向の長さと垂直方向の長さを算出する(ステップS163)。
次に、しわ判定部26は、水平方向の長さまたは垂直方向の長さが第三閾値Th3以上であるか否かを判定する(ステップS164)。しわ判定部26は、水平方向の長さまたは垂直方向の長さが第三閾値Th3以上であると判定すると(ステップS164:Yes)、画素集合をしわによる差分と判定する(ステップS165)。
また、しわ判定部26は、水平方向の長さまたは垂直方向の長さが第三閾値Th3以上でないと判定すると(ステップS164:No)、画素集合をしわ以外の欠陥による差分と判定する(ステップS166)。
そして、しわ判定部26は、すべての画素集合を処理したか否かを判定する(ステップS167)。しわ判定部26は、処理していない画素集合が存在すると判定すると(ステップS167:No)、ステップS163に戻り、処理していない画素集合について処理を実行する。
しわ判定部26は、すべての画素集合を処理したと判定すると(ステップS167:Yes)、しわ判定処理を終了する。
図15は、しわ判定処理の結果の一例を示す図である。
画素集合601は、一見して少し隙間がありすべての画素が接しているわけではない。しかし、しわ判定部26は、各画素の互いの距離が第二閾値Th2以下の距離であると判定すると、一群の画素集合601として区分する。
また、しわ判定部26は、画素集合601の水平方向の長さx1または垂直方向の長さy1が、第三閾値Th3以上であれば、画素集合601をしわによる差分と判定する。
画素集合601のように、しわの画素値を画像処理によって強調したとしても、しわが画素値に与える影響が必ずしも大きくないことから、差分が第一閾値Th1未満となる部分を含むことがある。したがって、互いの距離が第二閾値Th2以下の距離であると判定すると、一群の画素集合として区分し、各画素集合単位で長さを判定する方法は、有用な判定方法であると言える。
しわ判定部26は、画素集合602の水平方向の長さx2および垂直方向の長さy2が、いずれも第三閾値Th3未満であれば、画素集合602をしわ以外の欠陥による差分と判定する。
画素集合602のように、しわ以外の欠陥の場合には、しわに比べて長さが短いことが多いため、長さが短い画素集合をしわ以外の欠陥による差分と判定する方法は、しわが通常ある程度の長さを有するという特性を生かして評価する方法であると言える。
しわ判定部26は、画素集合603の水平方向の長さx3または垂直方向の長さy3が、第三閾値Th3以上であれば、画素集合603をしわによる差分と判定する。画素集合603のように、しわが枝分かれし、必ずしも単純な線形状になっていない場合があるため、しわの長さを単純に計測することは困難である。したがって、しわが通常ある程度の長さを有するという特性を生かして評価する方法として、水平方向の長さと垂直方向の長さを基準に判定する方法は実用性が高い判定方法であると言える。
本実施形態に係る画像形成システム1によれば、差分画像データの画像の一部が強調された画像データに変換する。これによって、用紙等の記録媒体に形成されたしわ等の状態不良によって発生する画素値の差分が小さい場合であっても差分を検出することが可能となるため、記録媒体の状態不良の検出精度を向上させることができる。
本実施形態において示した画像処理のフィルタは一例であって、他でも良い。例えば、エッジを強調するフィルタとして、ガボールフィルタを用いても良い。ガボールフィルタは、特定の周波数成分を抽出する線形フィルタである。具体的には、印刷における副走査方向(X方向)と主走査方向(Y方向)からなるXY平面上のX軸正方向を基準とする角度が0度、45度、90度、135度の周波数成分をそれぞれ抽出するためのガボールフィルタを用いる。
画像処理のフィルタを4つ使用する例を示したが、フィルタの数は他でも良い。このように、画像処理部25は、特定の向きの境界線に沿ったエッジを強調するための複数のフィルタであって、強調される境界線の向きが互いに異なる複数のフィルタのそれぞれに基づいて画像を処理する。これによって、画像処理部25は、さまざまな方向の境界線に沿ったエッジを形成する「しわ」の特徴を捉えた画像処理を行うことができる。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、記録媒体の状態不良の有無の判定に加えて、部品の故障または消耗品の劣化等の画像形成装置の状態不良による画像の欠陥の有無の判定を行う点と、検査結果を端末に表示する点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図16は、第二の実施形態に係る画像形成システムのシステム構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る画像形成システム1は、検査結果管理サーバ70を備える。検査結果管理サーバ70は、通信ネットワーク60を介して、端末装置40、検査装置20等と通信可能に接続されている。
検査結果管理サーバ70は、検査装置20による検査結果を管理する。具体的には、検査結果管理サーバ70は、検査結果情報を記憶し、端末装置40からの検索要求に応じて、検査結果情報を検索して端末装置40に送信する。
図17は、第二の実施形態に係る画像形成装置および検査装置の機能の一例を示す図である。
本実施形態に係る検査装置20は、欠陥判定部28を備える。欠陥判定部28は、差分画像生成部24が生成した差分画像データ806に基づいて、画像形成装置10の状態不良による画像の欠陥の有無を判定する。
また、出力部27は、しわ判定部26および欠陥判定部28の判定結果を含む検査結果情報808を、画像形成装置10および検査結果管理サーバ70に送信する。
また、本実施形態に係る画像形成装置10の操作部15は、受信した検査結果情報808に基づいて、印刷を一時的に停止するか否かを判定して、一時的に停止すると判定した場合には、後述する印刷停止部16に印刷の一時的な停止を行わせる。また、操作部15は、ユーザから印刷を停止するか継続するかの選択操作を受ける。
本実施形態に係る画像形成装置10は、印刷停止部16を備える。印刷停止部16は、操作部15から印刷を一時的に停止する指示を受けると、印刷を一時的に停止するように画像形成部13を制御する。また、操作部15がユーザから印刷を停止するか継続するかの操作を受けると、印刷停止部16は、操作にしたがって印刷を停止するかまたは印刷を継続する。
図18は、第二の実施形態に係る検査処理のフローの一例を示す図である。
本実施形態に係る検査処理において、ステップS16のしわ判定処理に続いて、欠陥判定部28は、欠陥を判定する(ステップS21)。具体的には、欠陥の種類(ドット汚れ、白抜け、主走査有色スジ、主走査白スジ、副走査有色スジ、副走査白スジなど)のそれぞれに該当する条件と、設定されている係数(欠陥のレベル)とがあらかじめ設定されている。
欠陥判定部28は、ステップS14において生成された差分画像データ806に基づいて、差分の画像領域の全体のなかから、設定された条件に合致する一部の領域を、欠陥部分として判定する。なお、欠陥に該当する条件は、画素の濃度差分閾値、面積閾値に基づいて、予め定められている。また、各閾値、係数等は、ユーザによって適宜、変更が可能である。
なお、ステップS16のしわ判定処理とステップS21とは、順番が逆でも良い。また、検査装置20は、ステップS16およびステップS21の処理を並列に実行しても良い。
ステップS17で出力される検査結果情報は、しわ判定結果と欠陥判定結果とを含む。欠陥判定結果は、欠陥の種類およびレベルを示す情報を含む。
図19は、第二の実施形態に係る検査結果表示画面の一例を示す図である。
端末装置40は、ユーザの操作に応じて検索要求を検査結果管理サーバ70に送信し、応答として検査結果情報を受信すると、図19に示す検査結果表示画面を表示する。なお、端末装置40は、検査装置20の出力部27によって出力された情報を表示する表示部の一例である。
検査結果表示画面700には、画面の左側の一覧表示領域D1に、ジョブ単位で集約された情報として、ジョブID、印刷日時、閾値名、ページ総数、欠陥ページ数、しわ発生ページ数、既読/未読フラグ等のジョブに関する情報が一覧表示される。また、端末装置40は、どのジョブで印刷物にページ識別情報が印刷されているのか、または、印刷されていないのかを示す情報を表示してもよい。
しわ発生ページ数は、各ジョブの中で、しわが発生しているページの数である。一覧表示領域D1は、各項目について、昇順および降順でのソートが可能となっている。
さらに、端末装置40は、ページ識別情報を印刷する設定となっているジョブを特定する情報、用紙に裁断される余白が設定されその余白にページ識別情報が印字されているジョブを特定する情報等を表示してもよい。未読フラグ706は、各ジョブの行の端部に表示される。未読フラグ706は、欠陥が有る場合と欠陥が無い場合とで、異なる色であっても良い。
また、一覧表示領域D1の上方には、「すべてのジョブ」タブ701と、「欠陥ありジョブ」タブ702と、更新ボタン703と、エクスポートボタン704と、検索ボタン705と、が表示されている。
「すべてのジョブ」タブ701は、すべての印刷ジョブの検査結果情報を印刷ジョブごとに表示するためのタブである。「欠陥ありジョブ」タブ702は、欠陥が含まれている印刷ジョブを表示するためのタブである。
ユーザが更新ボタン703を押下すると、端末装置40は、最新の検査結果情報を検査結果管理サーバ70から取得して、一覧表示領域D1に表示する。また、ユーザが一覧表示されているジョブ単位の欠陥検査情報を選択して、エクスポートボタン704を押下すると、検査結果管理サーバ70は、HTML等のファイル形式でジョブ毎の詳細情報を生成して端末装置40に送信する。
また、ユーザが検索ボタン705を押下すると、端末装置40は、検索条件を指定するためのダイアログを表示して、ユーザの操作を受けて、指定された検索条件を検査結果管理サーバ70に送信し、検査結果管理サーバ70による検索結果を取得する。
検査結果表示画面700は、画面の右側の詳細表示領域D2およびプレビュー表示領域D3を有する。
詳細表示領域D2には、欠陥のあるページの印刷日時、欠陥又はしわのあるページの部数番号(1ジョブで、複数部同じ文書を印刷した際の、欠陥ページまたはしわ発生ページが含まれる部数番号)、欠陥又はしわのあるページのページ番号、含まれる欠陥またはしわの種類を示すアイコンが表示される。アイコンの種類は、例えば、ドット汚れ、白抜け、主走査有色スジ、主走査白スジ、副走査有色スジ、副走査白スジまたは、しわである。
端末装置40は、詳細表示領域D2に表示される、欠陥詳細の欠陥またはしわの有るページの行の選択を受けると、プレビュー表示領域D3に、欠陥またはしわの有るページの読取画像データを表示する。この読取画像データに含まれる欠陥またはしわの発生個所は、対応する欠陥の種類またはしわを示すアイコンと同じ色の色枠で囲まれている。
例えば、色枠707は、副走査有色スジを示す色枠の一例であり、色枠708は、しわを示す色枠の一例である。
ユーザは、検査結果表示画面700により、しわ等の記録媒体の状態不良と、部品の故障、消耗品の劣化等の画像形成装置10の状態不良による画像の欠陥とが、過去のジョブでどのように発生したかを容易に確認することができる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置10の動作について説明する。
図20は、第二の実施形態に係る印刷停止処理のフローの一例を示す図である。
画像形成装置10は、印刷を実行すると、ジョブに含まれるページごとに、検査装置20から検査結果情報808を受信する(ステップS301)。操作部15は、検査結果情報808がしわ「あり」を示すか否かを判定する(ステップS302)。操作部15は、検査結果情報808がしわ「あり」を示すと判定すると(ステップS302:Yes)、しわ「あり」の場合に実行中の印刷ジョブを一時停止する設定であるか否かを判定する(ステップS303)。
操作部15は、しわ「あり」の場合にジョブを一時停止する設定であると判定すると(ステップS303:Yes)、印刷停止確認画面を表示する(ステップS306)。印刷停止確認画面については後述する。
操作部15は、検査結果情報808がしわ「なし」を示すと判定するか(ステップS302:No)、または、しわ「あり」の場合にジョブを一時停止する設定でないと判定すると(ステップS303:No)、検査結果情報808が欠陥「あり」を示すか否かを判定する(ステップS304)。
操作部15は、検査結果情報808が欠陥「あり」を示すか否かを判定する(ステップS304)。操作部15は、検査結果情報808が欠陥「あり」を示すと判定すると(ステップS304:Yes)、閾値を超えるレベルの欠陥であるか、または特定の種類の欠陥であるか否かを判定する(ステップS305)。閾値および欠陥の特定の種類は、あらかじめ設定されている。
操作部15は、閾値を超えるレベルの欠陥であるか、または特定の種類の欠陥であると判定すると(ステップS305:Yes)、印刷停止確認画面を表示する(ステップS306)。
図21は、第二の実施形態に係る印刷停止確認画面の一例を示す図である。
印刷停止確認画面710は、エラー種別コード、一時停止された印刷ジョブのID、印刷中の部数、ページ数等を示す情報と、印刷継続ボタン711とジョブ停止ボタン712とを含む。
図20に戻り、操作部15は、ジョブの実行を停止する操作を受けたか否かを判定する(ステップS307)。ジョブの実行を停止する操作とは、印刷停止確認画面710のジョブ停止ボタン712を押下する操作である。
操作部15が、ジョブの実行を停止する操作を受けたと判定すると(ステップS307:Yes)、印刷停止部16は、ジョブの実行を停止する(ステップS308)。
また、操作部15は、ジョブの実行を停止する操作を受けていないと判定すると(ステップS307:No)、ジョブの実行を継続する操作を受けたか否かを判定する(ステップS309)。ジョブの実行を継続する操作とは、印刷停止確認画面710の印刷継続ボタン711を押下する操作である。
操作部15は、ジョブの実行を継続する操作を受けていないと判定すると(ステップS309:No)、ステップS307の処理に戻る。また、操作部15が、ジョブの実行を継続する操作を受けたと判定すると(ステップS309:Yes)、印刷停止部16は、ジョブの実行を継続する(ステップS310)。
また、操作部15が、検査結果情報808が欠陥「なし」を示すと判定するか(ステップS304:No)、または、閾値を超えるレベルの欠陥ではなく、かつ特定の種類の欠陥でもないと判定すると(ステップS305:No)、印刷停止部16は、一時停止を行うことなく、印刷ジョブの実行を継続する(ステップS310)。
しわ等の記録媒体の状態不良は、最終成果物としては致命的な欠陥であるため、通常は破棄して再印刷が必要である。また、しわ等の記録媒体の状態不良は一度発生するとその後も連続して発生することが多い。そこで、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、印刷中にしわ等の記録媒体の状態不良が有ると判定されると、実行中の印刷ジョブを一時停止して、ユーザの操作を受けてジョブの実行を停止または継続する。したがって、しわ等の記録媒体の状態不良の発生を検知して印刷を止めることによって、ユーザは、再印刷等の無駄を回避して、用紙の入れ直し等の機会を得ることができる。
記録媒体の状態不良が致命的なものであることに対して、画像形成装置10の状態不良による画像の欠陥は、微細なものから致命的な欠陥まで幅広い。そこで、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、欠陥の種類、レベル等に応じて、ジョブを停止せずに全て印刷出力し、ユーザが目視で確認した上で、欠陥を含む画像を印刷した用紙を再印刷するかどうかを決定することができる。
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、しわ等の記録媒体の状態不良と、画像形成装置10の状態不良による画像の欠陥とが、ともに発生しうる場合であっても、それぞれ適切な制御を行うことができる。
上述したマスター画像データ804の生成方法は、一例であって他でも良い。例えば、マスター画像データ804は、読取画像データ803との比較の基準となる画像であれば、ジョブに用いたデータとは別のデータ(別のファイル)であっても良い。例えば、画像形成装置10または他の装置が、CMYK形式またはRGB形式の画像データを生成し、検査装置20に入力しても良い。その場合、マスター画像生成部21は、入力された画像データがCMYK形式であれば、RGB形式に変換し、入力された画像データがRGB形式であれば、入力された画像データをそのままマスター画像データ804としても良い。
また、画像形成装置10が、あらかじめ画像を記録媒体に印刷し、印刷された記録媒体をスキャンして得られた画像データを検査装置20に入力しても良い。その場合、画像形成装置10または検査装置20は、マスター画像データの確認のためのプレビュー表示機能などにより、スキャンして得られた画像データを表示しても良い。そして、操作者によってしわなどが映り込んでいないかを確認された画像データを、マスター画像データ804として使用することが望ましい。
さらに、画像形成装置10および検査装置20は、開示された処理ステップ、例えば図6、図7、図10、図14、図18または図20に開示されたフローの処理ステップを、様々な組み合わせで共有するように構成できる。また、画像形成装置10と検査装置20の各要素は、1つの装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
ある実施形態では、検査装置20は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む情報処理システムとして構成されても良い。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施しても良い。
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。