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JP7589112B2 - セラミック接合体およびその製造方法 - Google Patents
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JP7589112B2 - セラミック接合体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、セラミック接合体およびその製造方法に関する。
半導体製品の製造工程において、製膜、加工、配線形成、検査などの工程で、被吸着体を吸着して保持するために真空チャックが使用されている。真空チャックは、例えば特許文献1に示すように、基板や素子などの被吸着体を吸着して保持する吸着面を有する多孔質体からなる吸着部と、多孔質体を収納する凹部を有する緻密質体からなる支持部とを接合して形成される。
凹部の平面度が大きいと、吸着部を挿入した際に吸着部裏面との間隔が大きくなり、接合不良の空間が生じやすい。接合不良が存在すると、接合強度の低下、吸着力や温度分布のばらつきなどの原因となる。真空チャックが研削装置や熱圧着装置などに使用されると、押圧時の負荷で吸着部が変形する。その結果、加工精度が低下したり、圧着不良の原因となったりする。ウエハーなどの被吸着体の加工精度などを向上させるためには、凹部の底面の平面度は高い方がよい。
一方、接合強度を向上させるためには、凹部の底面は、アンカー効果を期待して、適度に荒れているのがよい。吸着部の裏面のようにラップ加工が可能な面は、適度に荒れた平坦な面を形成しやすい。しかし、凹部の底面は、平坦化加工(例えば、研削加工)により表面粗さが小さくなりやすい。平坦化加工後に粗面化加工(例えば、ブラスト加工)を行うと、平面度が大きくなりやすい。
特開2012-140257号公報
本開示の課題は、接合層裏面と凹部との接合不良が低減されて、接合層裏面と凹部とが強固に接合され、優れた熱伝導性を有するセラミック接合体を提供することである。
本開示に係るセラミック接合体は、平坦な表面および表面の反対側に位置する裏面を有する第1セラミック部材と、第1セラミック部材を収納する凹部を有する第2セラミック部材と、第1セラミック部材の裏面と第2セラミック部材の凹部の底面とを接合するガラス質の接合層とを含む。第2セラミック部材の凹部の底面は、溝部と溝部以外の平坦部とを含む。溝部表面の算術平均粗さは、平坦部表面の算術平均粗さよりも大きい。接合層は、少なくとも溝部と裏面とを接合している。
本開示に係るセラミック接合体の製造方法は、平坦な表面および表面の反対側に位置する裏面を有する第1セラミック部材を準備する工程と;第1セラミック部材を収納する凹部を有する第2セラミック部材を準備する工程と;第2セラミック部材の凹部の底面を平坦化加工する工程と;第2セラミック部材の凹部の底面に、レーザ加工によって溝部を形成する工程と;第1セラミック部材の裏面および第2セラミック部材の凹部の少なくとも一方にガラスペーストを塗布し、貼り合わせて焼成し、少なくとも溝部と裏面とをガラス質の接合層で接合する工程とを含む。
本開示に係るセラミック接合体によれば、第2セラミック部材の凹部の底面は、溝部と溝部以外の平坦部とを含み、溝部表面の算術平均粗さは、平坦部表面の算術平均粗さよりも大きい。したがって、本開示に係るセラミック接合体は、接合層裏面と凹部との接合不良が低減されて、接合層裏面と凹部とが強固に接合され、優れた熱伝導性を有する。
さらに、本開示に係るセラミック接合体の製造方法によれば、接合層裏面と凹部との接合不良が低減されて、接合層裏面と凹部とが強固に接合され、優れた熱伝導性を有するセラミック接合体を提供することができる。
(A)は、本開示の一実施形態に係るセラミック接合体を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示すセラミック接合体に含まれる第2セラミック部材を示す斜視図である。 (A)は、図1(A)に示すX-X線で切断した際の断面を示す断面図であり、(B)は、(A)に示す領域Yの拡大図である。 本開示の一実施形態に係るセラミック接合体において、第2セラミック部材の凹部の底面に形成された溝部を示す電子顕微鏡写真である。 (A)は、図3に示す矢印A方向に切断した場合の溝の断面形状、幅および深さを示すグラフであり、(B)は、図3に示す矢印B方向に切断した場合の溝底面の起伏を示すグラフである。
本開示に係るセラミック接合体は、上記のように、平坦な表面および平坦な表面の反対側に位置する裏面を有する第1セラミック部材と、第1セラミック部材を収納する凹部を有する第2セラミック部材と、第1セラミック部材の裏面と第2セラミック部材の凹部の底面とを接合するガラス質の接合層とを含む。本開示に係るセラミック接合体を、図1および2に基づいて説明する。
本開示の一実施形態に係るセラミック接合体1は真空チャックであり、図1(A)および図2(A)に示すように、第1セラミック部材11が、第2セラミック部材12の凹部12aに収納され、第1セラミック部材11の裏面11bと第2セラミック部材12の凹部12aの底面とが、接合層13で接合されている。図1(A)は、一実施形態に係るセラミック接合体1を示す斜視図である。図2(A)は、図1(A)に示すX-X線で切断した際の断面を示す断面図である。
第1セラミック部材11は、セラミックで形成されていれば限定されない。第1セラミック部材11は、例えば、セラミック粒子をガラスなどの結合剤で連結した多孔質セラミックからなる。第1セラミック部材11を形成しているセラミックとしては、例えば、炭化ケイ素などの炭化物、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの窒化物、酸化アルミニウムなどの酸化物が挙げられる。本開示において、多孔質とは、セラミック部材の断面における閉気孔の面積比率が10%より大きい状態を意味する。
第1セラミック部材11の形状および大きさは限定されず、得られるセラミック接合体1の用途や被吸着体の形状に応じて適宜設定される。第1セラミック部材11は、平面視した場合、図1(A)に示すように円形状を有している。しかし、第1セラミック部材11の形状は円形状に限定されず、例えば、楕円形状または多角形状(三角形状、四角形状、五角形状、六角形状など)を有していてもよい。多角形状の場合、正多角形でもよく、不等辺多角形であってもよい。
第1セラミック部材11の大きさは限定されず、例えば、直径が10mm以上500mm以下であってもよい。第1セラミック部材11が楕円形状の場合、長径および短径のいずれもが、このような範囲であればよい。第1セラミック部材11が多角形状の場合、1辺の長さは、例えば10mm以上500mm以下である。第1セラミック部材11の厚みは、例えば、1mm以上50mm以下である。
第1セラミック部材11は、平坦な表面11aおよび表面11aの反対側に位置する裏面11bを有する。第1セラミック部材11が図1に示すように真空チャックである場合、表面11aが基板などの被吸着体を吸着する吸着面となる。一方、裏面11bは、第1セラミック部材11を、後述する第2セラミック部材12の凹部12aに収納した際に、凹部12aと対向する面となる。
第2セラミック部材12は、第1セラミック部材11を収納するための部材である。第2セラミック部材12は、セラミックで形成されていれば限定されない。第2セラミック部材12は、例えば、緻密質セラミックからなる。緻密質セラミックは、多孔質セラミックと比べて、機械的強度、熱伝導、気密性などに優れ、真空チャック1の主体となる基部に好適である。第2セラミック部材12を形成しているセラミックとしては、例えば、炭化ケイ素などの炭化物、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの窒化物などが挙げられる。第2セラミック部材12を形成しているセラミックは、第1セラミック部材11を形成しているセラミックと同じでもよく、異なっていてもよい。本開示において、緻密質とは、セラミック部材の断面における閉気孔の面積比率が10%より小さい状態をいう。
第2セラミック部材12の形状および大きさは限定されず、得られるセラミック接合体1の用途や、第1セラミック部材11の形状に応じて適宜設定される。第2セラミック部材12は、平面視した場合、図1(A)に示すように円形状を有している。しかし、第2セラミック部材12の形状は円形状に限定されず、例えば、楕円形状または多角形状(三角形状、四角形状、五角形状、六角形状など)を有していてもよい。多角形状の場合、正多角形でもよく、不等辺多角形であってもよい。
第2セラミック部材12には、第1セラミック部材11を収納するための凹部12aが形成されている。凹部12aは、第1セラミック部材11の形状および大きさに応じて形成されている。凹部12aの底面、すなわち、第1セラミック部材11の裏面11bと対向する面は、図1(B)に示すように、溝部12bと溝部12b以外の平坦部12cとを含む。図1(B)は、図1(A)に示すセラミック接合体1に含まれる第2セラミック部材12を示す斜視図である。セラミック接合体が、セラミック接合体1のように真空チャックの場合、第2セラミック部材12の凹部12aの底面には、吸引溝14が設けられ、吸引溝14と第2セラミック部材12の下面とを接続する吸引孔(不図示)が設けられる。吸引溝14および吸引孔は、空気を吸引するための経路となり、第1セラミック部材11を介して被吸着体を吸着保持する。
溝部12bは、図1(B)に示すように直線状に形成されている。しかし、溝部12bは直線状に限定されず、渦巻き状や蛇行状など曲線状に形成されていてもよい。直線状の場合、図1(B)に示すように、溝部12bは交差していてもよく、一方向に平行に形成されていてもよい。溝部12bのピッチ(溝部12b間の幅)は、凹部12aの底面の大きさに応じて適宜設定され、例えば、100μm以上5000μm以下であってもよい。
溝部12bの幅および深さは限定されない。溝部12bは、例えば100μm以下の幅を有していてもよく、30μm以上50μm以下の幅を有していてもよい。さらに、溝部12bは、例えば50μ以下の深さを有していてもよく、5μm以上15μm以下の深さを有していてもよい。
溝部12bは深さよりも幅の方が長く、溝部12b表面の傾斜は緩やかな方がよい。溝部12bは浅くてなだらかな方が接合層13との隙間が生じにくく、接合不良がより生じにくくなる。溝部12b表面は、例えば、溝部12b表面を幅方向に5μm間隔でプロットした場合に、隣接する2点を結ぶ直線と幅方向に水平な面とのなす角が45°以下となるような傾斜を有しているのがよい。
溝部12bは底部において、溝部12bの延伸方向にうねりを有していてもよい。このようなうねりが存在していると、より強固なアンカー効果が発揮され、接合強度がより向上する。うねりの高さは限定されず、例えば、うねり曲線における最大高さ(最底部と最頂部との差)は1μm以上6μm以下である。さらに、うねりは、溝部12bの幅よりも小さい周期で存在しているのがよい。
溝部12b表面(溝部12bの内周面および底面)の算術平均粗さは、平坦部12c表面の算術平均粗さよりも大きい。すなわち、溝部12b表面は粗く、平坦部12c表面は溝部12b表面よりも滑らかである。
このように、溝部12b表面の算術平均粗さが、平坦部12c表面の算術平均粗さよりも大きいと、後述する接合層13の接合強度が向上する。具体的には、溝部12b表面が粗いと、溝部12bに流れ込んだ接合層13がアンカー効果によって強固に接合される。一方、平坦部12c表面は溝部12b表面よりも滑らかであると、平坦部12cと接合層13の裏面との間に隙間が生じにくくなる。その結果、接合不良の空間が生じにくくなる。さらに、平坦部12cに位置している接合層13の厚みは、溝部12b流れ込んでいる接合層13の厚みよりも薄い。その結果、平坦部12cに位置している厚みの薄い接合層13によって、熱伝導性が向上する。
溝部12b表面の算術平均粗さは、例えば0.4μm以上であり、0.8μm以上であってもよい。溝部12b表面がこのような算術平均粗さを有していると、より強固なアンカー効果が発揮される。溝部12b表面の算術平均粗さの上限は、例えば3μm程度である。
平坦部12c表面の算術平均粗さは、例えば0.8μm以下であり、0.4μm以下であってもよい。平坦部12c表面がこのような算術平均粗さを有していると、平坦部12cの平面度を小さくでき、平坦部12cと接合層13の裏面との間に隙間がより生じにくくなる。その結果、接合不良の空間がより生じにくくなる。
第2セラミック部材12が、炭化物または窒化物からなる場合、凹部12aの底面において、溝部12b表面は平坦部12c表面よりも、炭素および窒素の少なくとも一方の割合が少ない方がよい。炭化物および窒化物を大気中などの酸化雰囲気で加熱して接合すると、酸化反応による脱ガスが発生して、接合層13中に気泡が生じることがある。気泡は接合強度低下の原因となりうる。凹部12aの底面において、炭素および窒素の割合が少ないと、接合時に脱ガスの発生が抑制され、気泡が減少し、接合強度が向上する。溝部12b表面において、炭素および窒素の少なくとも一方の割合が少ないと、活性なダングリングボンドが増加する。その結果、後述する接合層13に含まれる酸素と結合しやすくなり、接合強度をより向上させることができる。
第1セラミック部材11と第2セラミック部材12とは、第1セラミック部材11の裏面11bと第2セラミック部材12の凹部12aの底面とにおいて、接合層13を介して接合されている。接合層13は、少なくとも凹部12aの溝部12bと第1セラミック部材11の裏面11とを接合していればよい。さらに、接合層13は、凹部12aの平坦部12cおよび凹部12aの側面に位置していてもよい。接合層13が凹部12aの溝部12bに加えて、平坦部12cおよび側面に位置していると、より接合強度を向上させることができる。
接合層13はガラス質であれば限定されない。接合層13の厚みについても限定されず、接合層13は、第1セラミック部材11の裏面11bと第2セラミック部材12の凹部12aの底面とを接合し得る厚みを有していればよい。例えば、凹部12aの平坦部12cに接合層13が存在する場合、接合層13の厚みは、凹部12aの平坦部12cの平面度と第1セラミック部材11の裏面11bの平面度の和よりも大きいのがよい。接合層13の厚みは、具体的には10μm以上30μm以下程度であるのがよい。
次に、本開示のセラミック接合体を製造する方法を説明する。本開示に係るセラミック接合体の製造方法は、下記の工程(a)~(e)を含む。
(a)平坦な表面および表面の反対側に位置する裏面を有する第1セラミック部材を準備する工程。
(b)第1セラミック部材を収納する凹部を有する第2セラミック部材を準備する工程。
(c)第2セラミック部材の凹部の底面を平坦化加工する工程。
(d)第2セラミック部材の凹部の底面に溝部を形成する工程。
(e)第1セラミック部材の裏面および第2セラミック部材の凹部の少なくとも一方にガラスペーストを塗布し、貼り合わせて焼成し、少なくとも溝部と裏面とをガラス質の接合層で接合する工程。
工程(a)は、平坦な表面および表面の反対側に位置する裏面を有する第1セラミック部材を準備する工程である。第1セラミック部材11の材質、形状および大きさについては上述の通りであり、詳細な説明は省略する。
工程(b)は、第1セラミック部材を収納する凹部を有する第2セラミック部材を準備する工程である。第2セラミック部材12の材質、形状および大きさについては上述の通りであり、詳細な説明は省略する。
工程(c)は、第2セラミック部材の凹部の底面を平坦化加工する工程である。第2セラミック部材12の凹部12aの底面を平坦化する方法は、限定されない。例えば、砥石などを用いた研磨、研削などによって、第2セラミック部材12の凹部12aの底面は平坦化される。
工程(d)は、第2セラミック部材の凹部の底面に、溝部を形成する工程である。凹部12aの底面の溝部12b以外の領域は平坦部12cとなる。第2セラミック部材12の凹部12aの底面に、レーザ加工によって溝部12bを形成すると、平坦部12cよりも表面粗さ(算術平均粗さ)が大きくなるとともに、溝部12溝部12bの底面にうねりが形成されやすくなる。溝部12bの底面にうねりが形成されると、より強固なアンカー効果が発揮され、接合強度がより向上するセラミック接合体1が得られる。うねりの高さは限定されず、例えば、うねり曲線における最大高さは1μm以上6μm以下である。さらに、うねりは、溝部12bの幅よりも小さい周期で存在しているのがよい。表面粗さとうねりは、レーザのスポット径や走査ピッチ、照射強度などで調節できる。溝部12bの形成は、レーザ加工に限らず、電子線加工、ドライエッチング加工、ブラスト加工など各種加工方法を用いて、平坦部12cよりも溝部12bの方が、表面粗さが大きくなるように加工してもよい。
さらに、第2セラミック部材12が、上述のように炭化物や窒化物で形成されていると、大気などの酸化雰囲気でのレーザ加工によって溝部12bを形成する際に、溝部12b表面に存在する炭素や窒素が酸化されて気化する。そのため、溝部12b表面において、炭素および窒素の少なくとも一方の割合が少なくなる。溝部12b表面において、炭素および窒素の少なくとも一方の割合が少ないと、酸化雰囲気で加熱して接合層13を形成する際に、セラミックからの脱ガスによる接合層13中の気泡が減少する。その結果、上述のように接合強度がより向上させることができる。
溝部12bは、上述のように直線状に形成されていてもよく、渦巻き状や蛇行状など曲線状に形成されていてもよい。さらに、溝部12bは、表面が0.4μm以上の算術平均粗さを有するように加工され、0.8μm以上の算術平均粗さを有するように加工されていてもよい。溝部12b表面がこのような算術平均粗さを有するように加工されると、より強固なアンカー効果が発揮されるセラミック接合体1が得られる。溝部12b表面の算術平均粗さの上限は、上記のように3μm程度である。
上述のように、溝部12bは深さよりも幅の方が長く、溝部12b表面の傾斜は緩やかな方がよい。溝部12bは浅くてなだらかな方が、接合不良がより生じにくくなる。溝部12bは、例えば、溝部12b表面を幅方向に5μm間隔でプロットした場合に、隣接する2点を結ぶ直線と幅方向に水平な面とのなす角が45°以下となるような傾斜を有するように形成されるのがよい。
第2セラミック部材12の凹部12aの底面において、溝部12b以外の部分は平坦部12cである。平坦部12cは、表面が0.8μm以下の算術平均粗さを有するように加工され、0.4μm以下の算術平均粗さを有するように加工されていてもよい。平坦部12c表面がこのような算術平均粗さを有するように加工されると、平坦部12cと接合層13の裏面との間に隙間がより生じにくいセラミック接合体1が得られる。その結果、接合不良の空間がより生じにくいセラミック接合体1が得られる。平坦部12cの表面を0.8μm以下の算術平均粗さにするには、工程(c)において凹部12aの底面を平坦化加工する際に、0.8μm以下の算術平均粗さとなるように加工すればよい。
図1に示すように、セラミック接合体1を真空チャックとして使用する場合、工程(b)~(d)のいずれかにおいて、第2セラミック部材12の凹部12aの底面に、吸引溝14を形成する。吸引溝14は、例えば、切削加工や研削加工によって形成する。さらに、吸引溝14と第2セラミック部材12の下面とを接続する吸引孔(不図示)をドリル加工などによって形成する。
工程(e)は、第1セラミック部材の裏面および第2セラミック部材の凹部の少なくとも一方にガラスペーストを塗布し、貼り合わせて焼成し、少なくとも溝部と裏面とをガラス質の接合層13で接合する工程である。
具体的には、第1セラミック部材11の裏面11bおよび第2セラミック部材12の凹部12aの少なくとも一方にガラスペーストを塗布する。その後、ガラスの軟化点以上セラミック部材の焼成温度以下の温度で接合面同士を加圧しながら焼成することによって、接合層13が形成され、第1セラミック部材11の裏面11bと第2セラミック部材12の凹部12aの少なくとも溝部12bとが接合される。ガラスペーストの塗布量は、焼成後に形成される接合層13の厚みを考慮して、適宜設定すればよい。
このように、工程(a)~工程(e)によって、本開示に係るセラミック接合体1が得られる。このようにして得られた本開示に係るセラミック接合体1は、例えば、真空チャック、ガス供給部材などに使用される。
次に、本開示の一実施形態に係るセラミック接合体1の具体的な製造方法について説明する。まず、α型炭化珪素粉末、珪素粉末および成形助剤(フェノール樹脂)を混合し、混合物を得た。次いで、得られた混合物を転動造粒機に投入して顆粒状にした後、乾式加圧成形によって成形体を得た。
次いで、得られた成形体を窒素雰囲気下、500℃で脱脂処理を施した後、窒素雰囲気下、1420℃で熱処理を行い、気孔率約31%および平均気孔径が55μmの多孔質体を得た。この多孔質体が第1セラミック部材11に相当する。
次に、炭化珪素を主成分とし、中央部に円形状の凹部12aを有する略円盤状の緻密質体である第2セラミック部材12を準備する。この凹部12aの底面は、例えば平面度が50μm以下、算術平均粗さが0.2μm程度となるように、砥石などで平坦化加工した。平坦化加工後、レーザ加工によって溝部12bを形成した。溝部12bは、図3に示すように、交差するように縦および横に形成されている。図3は、一実施形態に係るセラミック接合体1において、第2セラミック部材12の凹部12aの底面に形成された溝部11bを示す電子顕微鏡写真である。
図4(A)に示すように、溝部12bの幅は50μm程度であり、溝部12bの深さは6~10μm程度であった。図4(A)は、図3に示す矢印A方向に切断した場合の溝の幅および深さを示すグラフである。さらに、図4(B)に示すように、溝部12bの底部において、溝部12bの延伸方向にうねりが存在している。図4(B)は、図3に示す矢印B方向に切断した場合の溝底面の起伏を示すグラフである。図4(B)に示すように、うねりは、5μm程度の最大高さ(最底部と最頂部との差)を有し、周期的に形成されている。溝部12b以外の平坦部12cにおいて、表面の算術平均粗さは0.16μmであった。一方、溝部12bの表面の算術平均粗さは0.85μmであった。
得られた第2セラミック部材12の凹部12aの底面において、エネルギー分散型X線分析(EDS)によって、溝部12b表面および平坦部12c表面における元素のカウント数の比率(Si/C)を算出した。結果は、溝部12b表面が12であり、平坦部12c表面が10であった。この結果から、溝部12b表面の方が平坦部12c表面よりも炭素の割合が少ないことがわかる。
次いで、得られた第1セラミック部材11と第2セラミック部材12とを接合した。具体的には、第1セラミック部材11の裏面11bと側面、第2セラミック部材12の凹部12aの底面の吸引溝14以外の領域および凹部12aの内周面にガラスペーストを塗布し、第1セラミック部材11の裏面11bと第2セラミック部材12の凹部12aの底面とが対向するように、第2セラミック部材12の凹部12aに第1セラミック部材11を挿入した。その後、接合面を加圧しながら980℃程度で焼成してガラス質の接合層13を形成し、第1セラミック部材11の裏面11bと第2セラミック部材12の凹部12aの底面とを接合した。このようにして、真空チャックであるセラミック接合体1を得た。
試験用試料として、第1セラミック部材11と、凹部12aのない板状の第2セラミック部材12に対して同様の加工および接合を行い、得られたセラミック接合体について、ねじりせん断強度試験を行った。具体的には、セラミック接合体をバイスで固定し、トルクレンチでねじって破壊し、破壊時のトルクを測定した。セラミック接合体1を3つ準備し、3回試験を行った。第1セラミック部材11と第2セラミック部材12との接合界面では破断しておらず、第1セラミック部材11部分から破断していた。さらに、ガラス質の接合層13も剥離していなかった。
比較用試料として、凹部12aのない板状の第2セラミック部材12の表面(凹部12aの底面に相当)に溝部12bを設けずに、研削加工したセラミック接合体、およびラップ加工して第1セラミック部材11と接合したセラミック接合体を得た。溝部12bを設けない以外は、セラミック接合体1と同様の条件で製造した。研削面としたセラミック接合体およびラップ面としたセラミック接合体について、試験用試料と同様、ねじりせん断強度試験を3回行った。測定されたせん断応力の平均は、いずれも試験用試料よりも低かった。さらに、いずれのセラミック接合体も、接合界面で破断しており、ガラス質の接合層13が剥離していた。
1 セラミック接合体(真空チャック)
11 第1セラミック部材
11a 表面
11b 裏面
12 第2セラミック部材
12a 凹部
12b 溝部
12c 平坦部
13 接合層
14 吸引溝

Claims (12)

  1. 平坦な表面および該表面の反対側に位置する裏面を有する第1セラミック部材と、
    前記第1セラミック部材を収納する凹部を有する第2セラミック部材と、
    前記第1セラミック部材の裏面と前記第2セラミック部材の凹部の底面とを接合するガラス質の接合層と、
    を含み、
    前記第2セラミック部材の凹部の底面は、溝部と該溝部以外の平坦部とを含み、
    前記溝部表面の算術平均粗さは、前記平坦部表面の算術平均粗さよりも大きく、
    前記接合層は、少なくとも前記溝部および前記平坦部と前記裏面とを接合しており
    前記平坦部に位置している前記接合層の厚みは、前記溝部に流れ込んでいる前記接合層の厚みよりも薄い、
    セラミック接合体。
  2. 前記溝部が、直線状の溝および曲線状の溝の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のセラミック接合体。
  3. 前記溝部表面の算術平均粗さは、0.4μm以上である、請求項1または2に記載のセラミック接合体。
  4. 前記溝部表面の算術平均粗さは、0.8μm以上である、請求項1~3のいずれかに記載のセラミック接合体。
  5. 前記平坦部表面の算術平均粗さは、0.8μmより小さい、請求項1、2または4に記載のセラミック接合体。
  6. 前記平坦部表面の算術平均粗さは、0.4μmより小さい、請求項1~5のいずれかに記載のセラミック接合体。
  7. 前記溝部は、深さよりも幅の方が長く、前記溝部表面を前記幅方向に5μm間隔でプロットした場合に、隣接する2点を結ぶ直線と前記幅方向に水平な面とのなす角が45°以下である、請求項1~6のいずれかに記載のセラミック接合体。
  8. 前記溝部は、底部において、前記溝部の延伸方向にうねりを有する、請求項1~7のいずれかに記載のセラミック接合体。
  9. 前記うねりは、前記溝部の幅よりも小さい周期で存在している、請求項8に記載のセラミック接合体。
  10. 前記第2セラミック部材は炭化物または窒化物からなり、前記溝部の表面は、前記平坦部の表面よりも炭素および窒素の少なくとも一方の割合が小さい、請求項1~9のいずれかに記載のセラミック接合体。
  11. 真空チャックである、請求項1~10のいずれかに記載のセラミック接合体。
  12. 平坦な表面および該表面の反対側に位置する裏面を有する第1セラミック部材を準備する工程と、
    前記第1セラミック部材を収納する凹部を有する第2セラミック部材を準備する工程と、
    前記第2セラミック部材の凹部の底面を平坦化加工する工程と、
    前記第2セラミック部材の凹部の底面に、レーザ加工によって溝部を形成する工程と、
    前記第1セラミック部材の裏面および前記第2セラミック部材の凹部の少なくとも一方にガラスペーストを塗布し、貼り合わせて焼成し、少なくとも前記溝部および前記溝部以外の平坦部と前記裏面とをガラス質の接合層で接合する工程と、
    を含
    前記平坦部に位置している前記接合層の厚みは、前記溝部に流れ込んでいる前記接合層の厚みよりも薄い、
    セラミック接合体の製造方法。
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