JP7590646B2 - プレス機の剛性予測方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来の方法は、特定のプレス金型を使用した場合の、その特定のプレス金型の局所の変形を実測する方法であるので、プレス機が同じであっても、形状の異なるプレス金型を使用する場合、プレス機の剛性を予測するには、その異なるプレス金型毎にプレス金型の変形を実測する必要があった。
また、従来、プレス機の面方向に沿って連続的な剛性分布を予測する方法はなかった。
代表金型を介して前記プレス機に荷重を載荷して、前記荷重と前記プレス機における複数の測定点での実変位との関係を実測する実測ステップと、前記プレス機の長辺長さ及び短辺長さを反映したプレス機モデルを用意する解析モデル作成ステップと、前記プレス機モデルのたわみと、前記荷重との関係を、前記プレス機の剛性を示す剛性係数を用いた関数で表す理論計算モデル作成ステップと、前記実変位及び前記荷重に基づいて、前記剛性係数を導出する剛性係数導出ステップと、を含み、
前記代表金型の載荷面積と、指定のプレス金型の載荷面積との比に基づいて、前記剛性係数を補正し、前記指定のプレス金型を備えた前記プレス機の補正剛性係数を算出する補正ステップを含む、プレス機の剛性予測方法。
(2)上記(1)において、前記代表金型の載荷面積と、指定のプレス金型の載荷面積との比に基づいて、前記剛性係数を補正し、前記指定のプレス金型を備えた前記プレス機の補正剛性係数を算出する補正ステップを含んでよい。
(3)上記(1)又は(2)において、前記関数は、二次元フーリエ級数展開されたものであってよい。
(4)上記(3)において、前記関数は、正弦関数によって二次元フーリエ級数展開されたものであってよい。
(5)上記(3)において、前記関数は、ルジャンドル多項式によって二次元フーリエ級数展開されたものであってよい。
(6)上記(3)において、前記関数は、ラゲール多項式によって二次元フーリエ級数展開されたものであってよい。
(7)上記(3)において、前記関数は、エルミート多項式によって二次元フーリエ級数展開されたものであってよい。
(8)上記(4)において、前記関数は、式(A)で表されてよい。
ここで、F:荷重
x:測定点における長辺方向の座標
y:測定点における短辺方向の座標
Amn:剛性係数
a:長辺長さ
b:短辺長さ
rm a:長辺方向スケーリングパラメータ(m=1,3,...)
rn b:短辺方向スケーリングパラメータ(n=1,3,...)
(9)上記(5)において、前記関数は、式(B)で表されてよい。
ここで、Pm:m次のルジャンドル多項式
Pn:n次のルジャンドル多項式
F:荷重
x:測定点における長辺方向の座標
y:測定点における短辺方向の座標
Amn:剛性係数
a:長辺長さ
b:短辺長さ
rm a:長辺方向スケーリングパラメータ(m=0,1,...)
rn b:短辺方向スケーリングパラメータ(n=0,1,...)
(10)上記(6)において、前記関数は、式(C)で表されてよい。
ここで、Lm:m次のラゲール多項式
Ln:n次のラゲール多項式
F:荷重
x:測定点における長辺方向の座標
y:測定点における短辺方向の座標
Amnは、剛性係数
a:長辺長さ
b:短辺長さ
rm a:長辺方向スケーリングパラメータ(m=0,1,...)
rn b:短辺方向スケーリングパラメータ(n=0,1,...)
(11)上記(7)において、前記関数は、式(D)で表されてよい。
ここで、Hm:m次のエルミート多項式
Hn:n次のエルミート多項式
F:荷重
x:測定点における長辺方向の座標
y:測定点における短辺方向の座標
Amn:剛性係数
a:長辺長さ
b:短辺長さ
rm a:長辺方向スケーリングパラメータ(m=0,1,...)
rn b:短辺方向スケーリングパラメータ(n=0,1,...)
(12)上記(3)から(11)のいずれかにおいて、前記二次元フーリエ級数展開の級数は、有限であってよい。
しかしながら、プレス機10の剛性を把握するため、プレス機10のたわみωを精度良く実測するには、測定点が多くなるので、相応の設備等のコストを要する。また、プレス機10の剛性を、FEM等により計算しても、実際の剛性との乖離があったり、計算の負荷が過大となったりする。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、プレス機10とプレス金型20とを備えたプレス成形装置1の説明図である。図2は、プレス機モデル100の説明図である。図3は、図1におけるA矢視断面図であり、平面視におけるプレス機10及びプレス金型20の外形状の説明図である。図4は、プレス機剛性の予測方法のフロー図である。
以下、本実施形態に係るプレス機剛性の予測方法を、図4に示すフロー図に沿って説明する。
図4に示すように、本実施形態に係るプレス機剛性の予測方法は、実測ステップS1と、解析モデル作成ステップS2と、理論計算モデル作成ステップS3と、剛性係数導出ステップS4と、を含んでいる。
スライド12は、上金型22を着脱自在な実質的に平坦な下面を有している。ボルスタ11は、下金型21を着脱自在な実質的に平坦な上面を有している。すなわち、スライド12の下面は、平面視において長辺長さa及び短辺長さbを有する矩形状である。
同様に、ボルスタ11の上面は、平面視において長辺長さa及び短辺長さbを有する矩形状である。
代表金型は、スライド12に取り付けられる上金型22と、ボルスタ11に取り付けられる下金型21とを備えている。
なお、通常、プレス機10のスライド12とボルスタ11とは、板厚、補強構造等が異なり、剛性係数Amn(剛性の分布)が異なるので、この実測は、プレス機10のスライド12と、ボルスタ11とで、個別に実施する。以下の説明においても、特に説明のない限り、「プレス機」は、スライド12又はボルスタ11のいずれかを意味する場合がある。
荷重Fは、鉛直方向に作用する力である。
複数の測定点の座標(xi,yj)は、長辺方向(x方向)にi箇所、短辺方向(y方向)にj箇所設けられる。例えば、長辺方向に2つのラインに沿ってそれぞれ10箇所と、短辺方向に2つのラインに沿ってそれぞれ10箇所であれば、合計40箇所の測定点である。測定点は、図心を含む図心近傍の1点と、図心を通る長辺方向に沿う2点と、図心を通る短辺方向に沿う2点と、を含む、少なくとも5点以上である。現実的には、測定点は、長辺と短辺の近傍付近と、代表金型と対向するプレス機10(スライド12又はボルスタ11)の面を含むように長辺方向及び短辺方向に沿って複数箇所のように、比較的大きな変形が見込まれる箇所を含み、プレス機10の面の変形がわかるように、プレス機10の面上で偏在することなくバランスよく対称的に設ける。
実変位ωijは、測定点の座標(xi,yj)において、鉛直方向の変位を測定可能な変位計で測定する。変位計は、例えば、ばねを利用した接触型又はレーザを利用した非接触型の変位計であってよく、撮像装置で撮像した撮像画像の変化をコンピュータプログラムで解析することによって変位を算出するものであってもよい。
ここで、プレス機モデル100は、上述のように長辺長さa及び短辺長さbを有する、一様断面(厚さ一定)の、中実な直方体であって、四辺(二つの長辺及び二つの短辺)を支持されたものである。ここで、プレス金型におけるプレス機10と対向する取付面は、実際、比較的単純な放物面形状であることから、プレス金型からプレス機10への荷重の伝達にサンヴナンの原理を適用し、プレス機モデル100にその原理を反映して計算したほうがより実際に近いたわみωを計算できると考えられる。プレス機モデル100のような矩形状の版状体のたわみは、長辺方向及び短辺方向の直交する2方向への対称性がある。したがって、長辺方向及び短辺方向のそれぞれに対して、長辺長さa又は短辺長さbを奇数で除した値が半周期となる波を重ね合わせたような形状になることが明らかであることから、式(1)のような、二次元フーリエ級数展開された関数である、一様断面四辺支持平板たわみの解析解により、たわみωを計算することができる。
ここで、t:プレス機の版厚
E:プレス機のヤング係数
ν:ポワソン比
x/a → rm a・x/a,
y/b → rn b・y/b
すると、式(2)は、式(A)で表すことができる。
このように、たわみωは、正弦関数によって二次元フーリエ級数展開された関数で表すことができる。これにより、解析解を基本とし、スケーリングパラメータが一定の場合、代数的解法で計算できるので、短い解析時間で、実際に近いたわみωを算出でき、実際に近い剛性係数Amnを予測できる。
例えば、スケーリングパラメータが一定の場合、式(A)の代わりに、各座標(xi,yj)におけるたわみωを表す行列を、剛性係数、x方向の変形モード及びy方向の変形モードの各行列の積と荷重Fとの積の形式で表現し、特異値分解を用いて剛性係数Amnを導出できる。
(4-1)まず、式(4)に示すような仮剛性係数Amnt、仮長辺方向スケーリングパラメータrmt a及び仮短辺方向スケーリングパラメータrnt bを設定する。そして、初期値として、仮剛性係数Amntの初期パラメータAmn0と、初期長辺方向スケーリングパラメータrm0 aと、初期短辺方向スケーリングパラメータrn0 bと、を設定する。
残差eは、式(6)の第1項のように、実変位ωijと仮想変位ωωijとの差の二乗である二乗誤差として求められる。また、式(5)算出される仮想変位ωωijと荷重Fとの関係は、比較的強い非線形性を有するため、残差eは、計算の再現性及び安定性を高めるため、式(6)の第2項のような、係数ペナルティ項を含んでもよい。
ここで、λは、ペナルティ係数である。
一方、式(6)で計算された残差eが、所定値tol未満となる場合、計算を終了する。このときの仮剛性係数Amntを剛性係数Amnとする。
このようにして、剛性係数Amnを導出できる。
ところで、上述の式(A)は、正弦関数によって二次元フーリエ級数展開された関数であったが、これに換えて、式(B)のような、ルジャンドル多項式によって二次元フーリエ級数展開された関数を用いてもよい。
これにより、放物線を示す項の多項式でたわみωを表すことができるので、比較的少ないパラメータで、実際に近いたわみωを算出でき、実際に近い剛性係数Amnを予測できる。
ところで、上述の式(A)又は式(B)の関数に換えて、式(C)のような、ラゲール多項式によって二次元フーリエ級数展開された関数を用いてもよい。
これにより、指数曲線を示す項の多項式でたわみωを表すことができるので、プレス機10の中心から周縁部に向かって離れるに連れて指数関数的にたわみ難く、変形し難くなるような、プレス機10の剛性の分布を算出できる。よって、実際に近いたわみωを算出でき、実際に近い剛性係数Amnを予測できる。
ところで、上述の式(A)、式(B)又は式(C)の関数に換えて、式(D)のような、エルミート多項式によって二次元フーリエ級数展開された関数を用いてもよい。
これにより、二次の指数曲線を示す項の多項式でたわみωを表すことができるので、プレス機10の中心から周縁部に向かって離れるに連れて指数関数的にたわみ難く、変形し難くなるような、プレス機10の剛性の分布を算出できる。よって、実際に近いたわみωを算出でき、実際に近い剛性係数Amnを予測できる。
次に、上述のプレス機剛性の予測方法を、コンピュータに実行させるプレス機剛性の予測プログラムについて説明する。
プレス機剛性の予測プログラムは、コンピュータに、代表金型を介してプレス機10に荷重Fを載荷して、荷重Fとプレス機10における複数の測定点での実変位ωijとの関係を入力する実測値入力ステップと、プレス機10の長辺長さa及び短辺長さbを反映したプレス機モデル100を用意する解析モデル作成ステップと、プレス機モデル100のたわみωωと、荷重Fとの関係を、プレス機10の剛性を示す剛性係数Amnを用いた関数で表す理論計算モデル作成ステップと、実変位ωij及び荷重Fに基づいて、剛性係数Amnを導出する剛性係数導出ステップと、剛性係数Amnを出力する剛性係数出力ステップと、を実行させるものである。
ここで、プレス機剛性の予測プログラムによって出力された剛性係数Amnは、コンピュータと連携するメモリに保存される。メモリに保存された剛性係数Amnは、モニタに表示してもよく、プリンタに印刷することでもよい。剛性係数Amnは、ユーザが視覚的に捉えられるように、例えば、荷重Fの増減に応じたプレス機10のたわみ(変形)の変化を三次元的に表した図を、モニタに表示できる。
このように、プレス機剛性の予測プログラムは、剛性係数Amnを出力できるので、CAEに利用でき、プレス機10の変形を見込んでプレス金型20を設計できる。よって、プレス機10の変形を見込んで設計されたプレス金型20により、プレス成形品を精度良く製造できる。
次に、上述のプレス機剛性の予測プログラムを搭載した、プレス機剛性の予測装置について説明する。
プレス機剛性の予測装置は、一般的なコンピュータと同様に、ストレージ、プロセッサ、メモリ、インタフェース及び出力装置を備えている。
詳細には、プレス機剛性の予測装置は、代表金型を介してプレス機10に荷重Fを載荷して、荷重Fとプレス機10における複数の測定点での実変位ωijとの関係を入力する実測値入力部と、プレス機10の長辺長さa及び短辺長さbを反映したプレス機モデル100を用意する解析モデル作成部と、プレス機モデル100のたわみωωと、荷重Fとの関係を、プレス機10の剛性を示す剛性係数Amnを用いた関数で表す理論計算モデル作成部と、実変位ωij及び荷重Fに基づいて、剛性係数Amnを導出する剛性係数導出部と、剛性係数Amnを出力する剛性係数出力部と、を備えている。
ここで、剛性係数出力部は、剛性係数Amnを保存するメモリ、剛性係数Amnを表示するモニタ及び剛性係数Amnを印刷するプリンタを含む。
このように、プレス機剛性の予測装置は、剛性係数Amnを出力する剛性係数出力部を備えているので、CAEに利用でき、プレス機10の変形を見込んでプレス金型20を設計できる。よって、プレス機10の変形を見込んで設計されたプレス金型20により、プレス成形品を精度良く製造できる。
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述の二次元フーリエ級数展開された関数(式(A)、式(B)、式(C)及び式(D))は、長辺方向の基底関数と短辺方向の基底関数とで同じ種類となる多項式(例えば、式(B)はルジャンドル関数とルジャンドル関数とを組み合わせた多項式)であるが、これに限らない。例えば、長辺方向の基底関数をルジャンドル関数(式(B)参照)として短辺方向の基底関数をエルミート関数(式(D)参照)とする等、長辺方向の基底関数と短辺方向の基底関数とで異なる種類の基底関数を組み合わせた多項式であってよい。
10 プレス機
11 ボルスタ
12 スライド
13 駆動装置
20 プレス金型
21 下金型
22 上金型
100 プレス機モデル
200 プレス金型モデル
a 長辺長さ
b 短辺長さ
Amn 剛性係数
Amn0 初期パラメータ
Amnt 仮剛性係数
e 残差
F 荷重
p0 圧力
S1 実測ステップ
S2 解析モデル作成ステップ
S3 理論計算モデル作成ステップ
S4 剛性係数導出ステップ
tol 所定値
(x,y)、(xi,yj) 座標
α 金型長辺長さ
β 金型短辺長さ
ω (プレス機の)たわみ
ωω (プレス機モデルの)たわみ
ωij 実変位
ωωij 仮想変位
rm a 長辺方向スケーリングパラメータ
rn b 短辺方向スケーリングパラメータ
rm0 a 初期長辺方向スケーリングパラメータ
rn0 b 初期短辺方向スケーリングパラメータ
Claims (11)
- プレス機の剛性予測方法であって、
代表金型を介して前記プレス機に荷重を載荷して、前記荷重と前記プレス機における複数の測定点での実変位との関係を実測する実測ステップと、
前記プレス機の長辺長さ及び短辺長さを反映したプレス機モデルを用意する解析モデル作成ステップと、
前記プレス機モデルのたわみと、前記荷重との関係を、前記プレス機の剛性を示す剛性係数を用いた関数で表す理論計算モデル作成ステップと、
前記実変位及び前記荷重に基づいて、前記剛性係数を導出する剛性係数導出ステップと、を含み、
前記代表金型の載荷面積と、指定のプレス金型の載荷面積との比に基づいて、前記剛性係数を補正し、前記指定のプレス金型を備えた前記プレス機の補正剛性係数を算出する補正ステップを含む
ことを特徴とするプレス機の剛性予測方法。 - 前記関数は、二次元フーリエ級数展開されたものであることを特徴とする請求項1に記載のプレス機の剛性予測方法。
- 前記関数は、正弦関数によって二次元フーリエ級数展開されたものであることを特徴とする請求項2に記載のプレス機の剛性予測方法。
- 前記関数は、ルジャンドル多項式によって二次元フーリエ級数展開されたものであることを特徴とする請求項2に記載のプレス機の剛性予測方法。
- 前記関数は、ラゲール多項式によって二次元フーリエ級数展開されたものであることを特徴とする請求項2に記載のプレス機の剛性予測方法。
- 前記関数は、エルミート多項式によって二次元フーリエ級数展開されたものであることを特徴とする請求項2に記載のプレス機の剛性予測方法。
- 前記二次元フーリエ級数展開の級数は、有限である
ことを特徴とする請求項2から請求項10のいずれか1項に記載のプレス機の剛性予測方法。
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