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JP7592508B2 - 呼吸モニタリングシステム - Google Patents
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JP7592508B2 - 呼吸モニタリングシステム - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 東京交通新聞,令和3年1月1日,株式会社東京交通新聞社,第23面に発表
本発明は、呼吸モニタリングシステム、換言すると、呼吸モニタリング支援システムに関し、詳しくは、高齢化に伴ってタクシー等の職業ドライバーの定年引退が増加し、業界における人手不足が更に深刻化しているとともに、職業ドライバーを含め高齢者の運転中の事故発生リスクがますます高まっていることを背景として、特に、タクシー等の職業ドライバー運転中の呼吸を測定することにより、運転者の身体的および精神的な状況をリアルタイムで把握し、心身ともに安全な運転が出来る健康状態の客観的な判断材料を確立するとともに、第三者を巻き込む不幸な自動車事故発生を未然に防止する目的のもと、ストレス時、不安時において増加した呼吸数を、平常時の呼吸数への誘導を図り、ストレス時、不安時で増加した呼吸数を、平常時の呼吸数への復元を図るようにした呼吸モニタリングシステム、換言すると、呼吸モニタリング支援システムに関するものである。
本願発明に係る呼吸モニタリングシステムの医学的根拠は、本願発明者である脳生理学・呼吸生理学の世界的権威である本間生夫博士が開発した健康管理手法(Homma Method)によるものであり、本願発明者の永年に亘る研究により、人間の喜怒哀楽の感情や身体的状況の変化により呼吸も変化することが解明され、運転中の呼吸測定がドライバーの心身状態をリアルタイムで判断する有効な手段であるとの基礎に起因するものである。
現今、人の健康状態をモニターするセンサーが開発され実用化されている。その一例としては、センサーを人体(被験者)の胸に張るだけで、当該人体のPO2(血中酸素飽和度)、呼吸音、呼吸数、心拍数、熱が測定できることから、肺炎の徴候をいち早く捕まえることができる等の事案である。
したがって、今後、人体に取り付けておく等すれば、心身の状態が把握でき、把握した状態をAIで判断することができるようなシステムが出現するものと考察できる。
しかしながら、従来においては、対象となる人体(被験者)の身体の状態を把握することは可能であるが、対象となる人体の精神状態を把握することは不可能とされていたのが実情である。
従来におけるこのような状況下、本願に係るシステムは、その本質的なところで考察すると、上述した従来の医学的、科学的な側面からは解明されていなかった人体の内心である精神状態の可視的な把握を可能としつつ、問題視されるような事態である場合には、事前に当該問題を解消するべき措置を取り得るようにしたものである。
すなわち、本願発明は、人間の感情を作り出す脳内の扁桃体の活動は呼吸と同期しているという解明の下、呼吸を変えれば感情も和らぎ、ストレスも軽減されるということに着目して、更には、人体の安静時の呼吸数はその人の持つ特性不安度に相関することが明らかになっていることに着目して、対象とする人体の呼吸をモニターすれば、当該人体の精神状態が把握できるようにして、精神状態の把握の結果、当該人体に問題視されるような事態があるような場合には、事前に当該問題を解消するべき措置を取り得るようにした新規、斬新なものである。
本願発明は、後記するように、例えば、タクシー運転手等の胸部等の身体・ベルト等の装身具・車両等のシートベルトにセンサーを取り付けておき、血圧や心拍など一般的に使われているセンサーと同時に測定しながら、呼吸数の変化、呼吸リズムからストレス度、不安度をモニターして常時運転手の健康チェック、すなわち、当該運転手の精神状態、眠気を常にモニターし、休憩が必要等の指示をAIに自動的に行わせて、タクシーの運転手、バスの運転手やトラックの運転手等(一般のドライバーも勿論)、更には鉄道車両の運転士等に本願システムを適用して、対象人体の精神状態、眠気を常にモニターしつつストレス状態を事前に把握して、例えば、ストレスが強くなった際に変化する呼吸数となったような場合、警告を発して、例えばストレス解消のための体操等々の休憩を事前に行ってストレス状態を事前に解消し、事故を未然に防止できるようにしたものである。
最初に、健常者の安静呼吸中の特性不安度と呼吸パラメータの関係について以下言及する。
呼吸の主な機能は、生命を維持するために酸素を吸い込んで二酸化炭素を排出することである。この機能の呼吸は、代謝呼吸と呼ばれ、脳幹にある呼吸中枢、特に延髄と橋に発生する。但し、代謝呼吸に加えて、いわゆる行動呼吸が脳の上部中枢で生成される。
この行動呼吸は、さまざまな内部または外部の環境変化によって生成される。
そして、さまざまな感情の影響を受ける行動呼吸のサブタイプが最近調査され、「情動呼吸」と呼ばれている。
したがって、一回換気量と呼吸リズムの組み合わせによって生成される自律呼吸出力は、代謝要求によって制御されるだけでなく、絶えず変化する恐怖、不安、悲しみ、幸福などの感情の変化によっても制御される。
呼吸パターンでは、恒常性と感情の両方の維持が共存しているのは興味深いことである。
また、呼吸は主に脳幹の代謝性中枢で恒常性維持のために調節されている。
但し、悲しみ、幸福、不安、恐怖などの感情の変化に応じて呼吸が変化することもある。
最終的な呼吸出力は、脳幹と辺縁系や皮質構造を含む高次中枢間の複雑な相互作用の影響を受ける。
呼吸は生理学的恒常性を維持する上で重要であり、情動と共存する。
次に、特に、梨状葉-扁桃体の複合活動と呼吸リズムの関連について検討する。
行動性呼吸について述べると、呼吸胸壁の動きは、吸気と呼気の呼吸筋の交互の間欠的な収縮によって行われる。これらの筋肉の収縮のための運動コマンドは、脳の複雑な神経ネットワークで生成される。
さまざまな求心性入力が統合されて、主に代謝要求に応じて呼吸リズムと深さの活動が生成される。
呼吸調節のための最も重要な入力には、呼吸運動活動の反射フィードバック機構を形成する化学受容器が含まれる。
但し、呼吸運動出力は、内部及び外部の環境変化の影響も受ける。これは行動性呼吸と呼ばれ、一般に代謝性呼吸とは異なるメカニズムがあると考えられている。
呼吸のための最終的なモニター出力は、脊髄の運動ニューロンによって生成される。
また、高次中枢から脊髄運動ニューロンへの下降は、不随意自動性呼吸の下降と本質的、かつ、機能的に異なる。呼吸の随意制御の起源は大脳皮質にある。
一次運動皮質の刺激は、ヒトの横隔膜と肋間筋の収縮を誘発すると考えられている。
この一次運動野は、頂点の中間皮質1cmの後方に一致することが経頭蓋磁気刺激により明らかにされている。
例えばネコでは、頂点での大脳皮質の電気刺激が肋間筋の対側運動ニューロンの短潜時活性化を誘発することが報告されている。脊髄の背外側柱の離断は、電気刺激への応答を廃止する。但し、離断は肋間筋の自発的なリズム活動には影響しない。
脊髄と橋は代謝呼吸の中心を構成する。この経路は、毛様体脊髄経路として脊髄腹外側柱に沿って下降する。呼気のための経路が腹側にあるのに対し、自律吸気のための下降経路は腹側外側の列の横に位置している。経路の離断は自律的律動呼吸を廃止するが、皮質刺激に対する呼吸筋の反応には影響しない。
次に、代謝呼吸と行動呼吸とは異なる経路を示すが、この研究は脳幹呼吸ニューロンへの皮質投射を示している。このことは高次中枢から生じる行動の影響が代謝呼吸を修正することを示している。
自律呼吸は代謝要求によって制御されるだけでなく、悲しみ、幸福、不安、恐怖などの感情の変化(行動呼吸のサブタイプである「情動呼吸」)にも常に反応する。
最終的な呼吸出力には、脳幹と辺縁系や皮質構造を含む高次中枢との間は複雑な相互作用が含まれる。
次に、人間の感情と呼吸につて述べると、感情で変化する呼吸と扁桃体で作られる感情は、全身の生理的変化を伴う。動物と人間の研究では、恐怖と不安状態の間の自律神経と共動反応を示している。
人間では、感情、心拍数の増加、血圧の関係が調査されている。感情と呼吸との間の関係は、覚醒状態の間にも生じる。
また、自然の騒音や不快な音に対する感情と呼吸反応の関係が調査されてきた。
例えば、被験者が写真を見ると、呼吸も変化し、感情の変化を引き起す。すなわち、呼吸は感情によって変化する生理学的プロセスの一つである。
呼吸パターンでは、呼吸数は感情的な変化によって劇的に変化する。呼吸数の変化は個性に関連していることも強調できる。
更に、精神的ストレスと身体的負荷の間の呼吸のパターンに人格の違いが現れることも報告されている。すなわち、個々の不安のレベルは、呼吸数、特に呼気時間に影響することが報告されている。
そして,不安は基本的な感情と見なされ、防御メカニズム、つまり生死の問題に関連する。警告の提示と刺激の間の時間として定義されている予測不安は、呼吸数を増加させる。
このような変化は、酸素消費の変化、すなわち代謝需要の変化とは関係なく、不安に反応した呼吸の変化は、感情に関連する高次中枢の影響を受ける。すなわち、呼吸数も、個人のストレス等の特性不安スコアと正の相関がある。
更に、例えば、各種車両のドライバーに関しては、長時間運転等に伴うストレスの解消や疲労回復に配慮することが肝要となる。
特許文献1には、時間変化する刺激要因に刺激されたときに生体に生じる生体反応に関する情報の時間変化を学習した学習モデルを生成する生成部と、前記学習モデルの生成の過程で生成されて学習の状態に反映されるパラメータを抽出する抽出部と、時間変化する新たな刺激要因の刺激により新たに生じた生体反応に関する時系列的な情報が入力されたときに新たに内生される前記パラメータを、前記学習モデルを用いて出力するパラメータ出力部と、前記抽出部で抽出された前記パラメータの変化量及び前記生体の感性により生じる情動の関係と、前記パラメータ出力部から出力された前記パラメータを用いて、前記新たな刺激要因に対応した前記情動を推定する情動推定部と、を備える推定装置が提案されている。
しかし、特許文献1の推定装置の場合、学習モデルの生成やパラメータの抽出に極めて複雑な処理を必要とすると考えられるものである。
すなわち、従来においては特許文献1を含め比較的簡略な構成で被験者の呼吸状態を的確にモニタリングし不安発生時に増加した呼吸数を平常時の呼吸数に誘導又は復元させ併せてストレス解消も実現し得るような呼吸モニタリングシステムは存在しないと推定される。
特開2019-209058号公報
本発明は、従来における上記事情に鑑み開発されたものであり、比較的簡略な構成で被験者の呼吸状態を、的確にモニタリングして、ストレス時、不安発生時に増加した呼吸数を、平常時の呼吸数に誘導し復元するようにした呼吸モニタリングシステムを提供するものである。
本発明に係る呼吸モニタリングシステム、換言すると、呼吸モニタリング支援システムは、被験者の平常時の呼吸、不安時の呼吸を検出する呼吸検出手段と、前記平常時の呼吸、不安時の呼吸を基に平常時の呼吸数、不安時の増加した呼吸数を算定する呼吸数算定手段と、前記平常時の呼吸数を記憶する記憶手段と、前記不安時の増加した呼吸数に伴う情動生成を推定する手段と、前記被験者の情動生成の推定に応じて前記記憶手段を参照し、前記被験者の不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導する呼吸数誘導情報生成手段と、前記呼吸数算定手段により算定した平常時の呼吸数、不安時の増加した呼吸数を表示するとともに、前記呼吸数誘導情報生成手段による呼吸数誘導情報を出力する情報端末と、を有することを最も主要な特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、AI技術を用いたシステムに比べ比較的簡略な構成で被験者Mの呼吸状態を的確にモニタリングし不安発生時に増加した呼吸数を平常時の呼吸数に誘導することができるとともに、前記情動生成を推定する手段を、主に被験者の右側頭極又は左扁桃体に生じる呼吸関連不安電位の出現により情動生成を推定するものとして構成しているので、情動生成を的確に推定できる呼吸モニタリングシステムを実現し提供することかできる。
請求項2記載の発明によれば、AI技術を用いたシステムに比べ比較的簡略な構成で被験者Mの呼吸状態を的確にモニタリングし不安発生時に増加した呼吸数を平常時の呼吸数に復元することができ、特に各種車両のドライバーのストレス解消に資することができ交通安全に大いに寄与することができるとともに、前記情動生成を推定する手段を、主に被験者の右側頭極又は左扁桃体に生じる呼吸関連不安電位の出現により情動生成を推定するものとして構成しているので、情動生成を的確に推定できる呼吸モニタリングシステムを実現し提供することかできる。
請求項3及び4記載の発明によれば、AI技術を用いたシステムに比べ比較的簡略な構成で被験者Mの呼吸状態を的確にモニタリングし不安発生時に増加した呼吸数を平常時の呼吸数に誘導することができるとともに、前記情動生成を推定する手段を、主に被験者の右側頭極又は左扁桃体に生じる呼吸関連不安電位の出現により情動生成を推定するものとして構成しているので、情動生成を的確に推定でき、前記呼吸検出手段を、被験者の身体又は装身具或いはシートベルトに取り付けるパッチ型センサーとしているので、呼吸検出手段の取り扱いも簡略容易な呼吸モニタリングシステムを実現し提供することかできる。
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、前記呼吸数復元情報生成処理手段は、被験者の情動生成の推定に応じて前記被験者の不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導するための警報情報としての休憩情報、及びストレス解消のための呼吸リズム回復体操の実施を促す行動実施情報を生成するように構成しているので、請求項2記載の発明と同様な効果を奏し、かつ、休憩や呼吸リズム回復体操の実施により平常時の呼吸数への復元を行うことができる呼吸モニタリングシステムを実現し提供することかできる。
図1は本発明の実施例1に係る呼吸モニタリングシステムの構成を示す概略ブロック図である。 図2は本実施例1に係る呼吸モニタリングシステムにおける呼吸情報処理手段の構成を示す概略ブロック図である。 図3は本実施例1に係る呼吸モニタリングシステムにおける脳の代射性呼吸中枢、随意的呼吸中枢、扁桃体等を示す概略断面説明図である。 図4は本実施例1に係る呼吸モニタリングシステムにおける脳の呼吸関連不安電位とその発生源を示す概略説明図である。 図5は本発明の実施例2に係る呼吸モニタリングシステムの構成を示す概略ブロック図である。 図6は本実施例2に係る呼吸モニタリングシステムにおける呼吸情報処理手段の構成を示す概略ブロック図である。
本発明は、比較的簡略な構成で被験者の呼吸状態を的確にモニタリングし不安発生時に増加した呼吸数を平常時の呼吸数に誘導し併せてストレス解消も実現し得る呼吸モニタリングシステムを提供するという目的を、被験者の平常時の呼吸、不安時の呼吸を検出する呼吸検出手段と、前記平常時の呼吸、不安時の呼吸を基に平常時の呼吸数、不安時の増加した呼吸数を算定する呼吸数算定手段と、前記平常時の呼吸数を記憶する記憶手段と、前記不安時の増加した呼吸数に伴う情動生成をストレス生成と推定する手段と、前記被験者の情動生成の推定に応じて前記記憶手段を参照し、前記被験者の不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導するための警報情報を生成して、ストレス解消のための行動実施情報を生成する呼吸数復元情報生成処理手段と、前記呼吸数算定手段により算定した平常時の呼吸数、不安時の増加した呼吸数を表示するとともに、前記呼吸数復元情報生成処理手段により生成した平常時の呼吸数に誘導するための警報情報及びストレをス解消のための行動実施情報を出力する情報端末と、有する構成により実現した。
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る呼吸のモニタリングシステムについて詳細に説明する。
最初に呼吸について述べると、呼吸は、酸素を取り入れ二酸化炭素を排出するだけではなく、ストレスなど情動に関係する。
そして、脳幹の代謝性呼吸中枢について述べると、図3に示すように、呼吸中枢には3か所あり、酸素、二酸化炭素の調節は、脳幹の代謝性呼吸(Metabolic Breathing)中枢で行われ、自分の意志で動かす随意的呼吸(Voluntary-Breathing)中枢は、大脳皮質にある。
もう一つは、感情を司る中枢である扁桃体(Amygdala)にも呼吸リズムがあり、不安などの感情はこの呼吸リズムに乗って出現する。
ここで作られる呼吸を情動呼吸(Emotional Breathing)と称する。
前記扁桃体(Amygdala)は、例えば、生体に加わる種々の刺激がその生体にとって興味あるものか危険を意味するものかの判断を行う部位であり、前記扁桃体の活動は呼吸に同期していると考えられている。
そして、不安の主観的な感情が呼吸数を増加させる場合、不安を感じている間に吸気の開始と同期する電流源が辺縁系領域に存在する。
吸気の開始後350~400msで、図4上欄に示すように、吸気の開始時にトリガーされる平均脳波活動では、平均電位に正の波が観察される。
この正の波は呼吸関連不安電位(RAP)と呼ばれている。図4下欄に示す頭皮-頭蓋骨-脳のモデルを組み込んだ双極子追跡法では、RAPの発生源の位置は右側頭極にあると推定されているが、不安が低い被験者では右側頭極にあり、最も不安な状態では左扁桃体にある。
次に、本発明の実施例1、2に係る呼吸のモニタリングシステムについて詳述する。
(実施例1)
本実施例1に係る呼吸モニタリングシステム1は、上記知見に基づくものである。
まず、本実施例1に係る呼吸モニタリングシステム1における呼吸測定方法は、次のとおりである。
(1) 例えばタクシー等の職業ドライバーの呼吸数を胸部の動きで捉えるセンサーを胸部又はベルト等に装着することにより測定する。
(2) 乗降時のセンサー脱着の手間や運転中の負担軽減から例えばシートベルトに上記センサーを一体化する形態でも測定可能である。
(3) センサーからのデータ処理は例えばドライバー個人のスマートフォンにインストールしたアプリケーションを通じて行う。
(4) なお、上記センサーとの一体化によりシートベルト機能そのものに影響を与えないこと、走行時車両の振動がシートベルトに伝わり測定への直接影響を排除することは必須事項である。
次に、上記測定データの診断は、次のとおりである。
(1) ドライバー個人それぞれの平時呼吸数をデータ化し、運転中の呼吸数との乖離を測定し、その乖離幅から心身の状況をスマートフォンからドライバーにオン・デマンド(通常は運転終了後)でフィードバックする。
(2) 但し、異常が深刻と判断される場合はリアルタイムで運転中止等の警告メッセージをスマートフォンから発信する。
本願発明の以上のようなる呼吸測定方法、測定データの診断によれば、居眠り運転や病気発作、また、極度のストレス等運転中のドライバーの心身異常により起きる交通事故を未然に防止することができ、また、心身状況ともに健康と認められる高齢職業ドライバーは定年を延長し、人手不足の解消を図ることができる。
なお、前記センサーは従来公知のものを適用でき、また、前記データ処理はスマートフォンを適用できるので、ドライバーに装着するデバイスは比較的安価である。
図示する例による本実施例1に係る呼吸モニタリングシステム1は、図1に示すように、被験者Mの平常時の呼吸、不安時の呼吸を検出するために被験者Mの身体又はベルト等の装身具或いはシートベルトに取り付ける例えばパッチ型センサーのような呼吸検出手段2と、前記呼吸検出手段2の出力信号を例えばブルートゥース(登録商標)のような無線通信手段を利用して取り込み、やはりブルートゥース(登録商標)のような無線通信手段を利用して通信網4に送信するスマートフュンのような情報端末3と、前記通信網4を経て送信されてくる前記呼吸検出手段2の出力信号を処理する呼吸情報処理手段(コンピュータ装置)5を有している。
前記パッチ型センサーは、体温、心拍数、呼吸とその深さ、酸素飽和度等を検出するものである。
前記呼吸検出手段2を用いることにより、被験者Mによる呼吸検出手段2の取り扱いを簡略容易とすることができる。
前記呼吸情報処理手段5は、図2に示すように、本実施例1の呼吸モニタリングシステム1の動作プログラムを格納したプログラムメモリ11と、この動作プログラムに基づき呼吸モニタリングシステム1全体の制御を行う制御部12とを具備し、この制御部12の制御の基に前記呼吸検出手段2の出力信号を取り込み、被験者Mの平常時の呼吸数、不安時の増加した呼吸数を算定する呼吸数算定手段13と、少なくとも平常時の呼吸数を記憶する記憶手段14と、前記不安時の増加した呼吸数に伴う前記被験者Mの情動生成を推定する手段15と、前記被験者Mの情動生成の推定に応じて前記記憶手段14を参照し、前記被験者Mの不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導する例えば「休憩して下さい」のような呼吸数誘導情報を生成する(音声情報又は文字情報)呼吸数誘導情報生成手段16と、の各動作制御を実行するように構成している。
前記情動生成を推定する手段15は、図4に示すように、主に被験者Mの右側頭極又は左扁桃体に生じる呼吸関連不安電位の出現により情動生成を推定するものである。
前記情動生成を推定する手段15により、主に被験者の右側頭極又は左扁桃体に生じる呼吸関連不安電位の出現により情動生成を推定するものとしているので、情動生成を的確に推定することができる。
記呼吸数算定手段13により算定した平常時の呼吸数、不安時の増加した呼吸数は、前記呼吸情報処理手段5から通信網4を経て情報端末3に送信され、情報端末3の画面に経時的に表示されるように構成している。
また、前記呼吸数誘導情報生成手段16による例えば「休憩して下さい」のような呼吸数誘導情報も、前記呼吸情報処理手段5から通信網4を経て情報端末3に送信され、例えば情報端末3の音声出力機能により音声にて出力され、又は情報端末3の画面に文字情報にて出力されるように構成している。
以上説明した本実施例1の呼吸モニタリングシステム1によれば、AI技術を用いたシステムに比べ比較的簡略な構成で被験者Mの呼吸状態を的確にモニタリングし不安発生時に増加した呼吸数を平常時呼吸数に誘導することが可能となる。
(実施例2)
次に、図5、図6を参照して本発明の実施例2に係る呼吸モニタリングシステム1Aについて詳述する。
なお、図5、図6に示す本実施例2に係る呼吸モニタリングシステム1Aは、基本的には実施例1に係る呼吸モニタリングシステム1と同様な構成であり、このため、実施例2に係る呼吸モニタリングシステム1Aにおいて実施例1に係る呼吸モニタリングシステム1と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
本実施例2に係る呼吸モニタリングシステム1Aは、主に各種車両のドライバーのストレス解消を企図したものであり、図5に示すように、例えば、被験者Mであるタクシードライバーの胸にパッチ型センサー(パッチ型圧力センサー)のような呼吸検出手段2を貼り付け、圧力変化又は加速度変化が生じた場合に、その時の呼吸を検出する。又は胸周りに呼吸検出手段2が組み込まれたバンドを巻いてその時の呼吸を検出するようにしても良い。
更には、車両のダッシュボードに図示しないが赤外線装置を配置し、ドライバーの吸気と呼気との温度変化から呼吸を検出するようにする構成とすることもできる。
更にまた、車両のシートベルトに呼吸検出手段2を取り付けた構成も可能である。
前記各種車両のドライバーとしては、例えばタクシー、乗用車、トラック、バス等の各種ドライバーの例を挙げることができる。
また、本実施例2においては、呼吸情報処理手段5において、実施例1の呼吸数誘導情報生成手段16に替えて呼吸数復元情報生成処理手段21を設けたこと、及び前記不安時の増加した呼吸数に伴う情動生成を推定する手段15を、不安時の増加した呼吸数に伴う情動生成をストレス生成と推定する手段としたことが特徴である。
本実施例2においては、前記記憶手段14に予め被験者Mの安静時の呼吸数を記憶しておき、前記呼吸数算定手段13により被験者Mの運転中の呼吸情報に基づき例えば30秒ごとに算定し、運転中の呼吸数が安静時の呼吸数を超えた時に、例えば前記情報端末3の画面に動作プログラムに基づいて例えばイエロー表示のような警報情報を表示し、更にイエロー表示が3回連続出され、又は3分間に、例えば3回以上イエロー表示が出された際に、動作プログラムに基づきレッド表示からなる警報情報を表示する態様に切り替え、この時、前記情動生成を推定する手段15は前記被験者Mの情動生成を推定する構成としている。
前記呼吸数復元情報生成処理手段21は、前記被験者Mの情動生成の推定に応じて前記記憶手段14を参照し、前記被験者Mの不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導するための警報情報(例えば、休憩して下さい、運転を中止して下さい等)を生成し、また、ストレス解消のための行動実施情報(例えば体操実施を促す情報)を生成するように構成している。
前記呼吸数復元情報生成処理手段21による例えば「休憩して下さい、運転を中止して下さい等」のような警報情報は、前記呼吸情報処理手段5から通信網4を経て情報端末3に送信され、例えば情報端末3の音声出力機能により音声にて出力され、又は情報端末3の画面に文字情報にて出力されるように構成している。
同様に、ストレス解消のための行動実施情報も、前記呼吸情報処理手段5から通信網4を経て情報端末3に送信され、例えば、情報端末3の音声出力機能により音声にて出力され、又は情報端末3の画面に文字情報にて出力されるように構成している。
前記ストレス解消のための行動実施情報としては、例えば呼吸筋ストレッチ体操の実施等を促す情報の例を挙げることができる。
呼吸筋は、肺の周りにある筋肉が動くことにより、吸気(息を吸う動作)と呼気(息を吐く動作)が行われることから、この呼吸に必要な筋肉の総称が呼吸筋であり、横隔膜や肋間筋などが代表的なものである。
このような休憩や呼吸リズム回復体操である呼吸筋ストレッチ体操の実施により平常時の呼吸数への復元を確実に行うことができる。
なお、前記警報情報としては、例えば、1日に5回以上レッド表示が出されるような場合には、「翌日は休日として下さい」というようなものとしても良い。
このように本実施例2の呼吸モニタリングシステム1Aは、車両のドライバー用に特化したドライバーの呼吸・心身状態把握システムとして機能させることができる。
以上説明した本実施例2の呼吸モニタリングシステム1Aによれば、AI技術を用いたシステムに比べ比較的簡略な構成で被験者Mの呼吸状態を的確にモニタリングし不安発生時に増加した呼吸数を平常時の呼吸数に復元することが可能で、特に各種車両のドライバーのストレス解消に資することが可能となり、交通安全に大いに寄与するものである。
なお、本実施例1、2に係る呼吸モニタリングシステム1、1Aにおいて、前記呼吸情報処理手段5は、スマートフォン等の情報端末3に組み込んだ構成とすることも可能で、この場合は、前記呼吸検出手段2、情報端末3のみ特に簡略な構成の基に上述した各機能を実現することができる。
本発明に係る呼吸モニタリングシステムは、日常生活を行う一般人用のほか、各種車両のドライバー用として、また、各種競争競技を行うアスリート用としても広範に利用できる。
更に、本発明に係る呼吸モニタリングシステムによれば、今後、呼吸測定実証試験の成果を基に、血圧、心拍数や血中酸素濃度等を測定する装置を加えドライバーの精神と身体の状態を更に精度を上げてリアルタイムでモニターしていくとともに、得られた大量かつ複雑なデータをAIによって瞬時に、かつ、一層正確に診断できることが可能となり、また、緊急の際は、医療者への緊急連絡や自動車の自動的な停止など運転者、同乗者及び歩行者等第三者への生命の危機リスクを事前に回避できるようにしていくことが可能となる。
1 呼吸モニタリングシステム
1A 呼吸モニタリングシステム
2 呼吸検出手段
3 情報端末
4 通信網
5 呼吸情報処理手段
11 プログラムメモリ
12 制御部
13 記呼吸数算定手段
13 呼吸数算定手段
14 記憶手段
15 情動生成を推定する手段
16 呼吸数誘導情報生成手段
21 呼吸数復元情報生成処理手段
M 被験者

Claims (5)

  1. 被験者の平常時の呼吸、ストレス時・不安時の呼吸を検出する呼吸検出手段と、
    前記平常時の呼吸、ストレス時・不安時の呼吸を基に平常時の呼吸数、ストレス時・不安時の増加した呼吸数を算定する呼吸数算定手段と、
    前記平常時の呼吸数を記憶する記憶手段と、
    前記ストレス時・不安時の増加した呼吸数に伴う情動生成を推定する手段と、
    前記被験者の情動生成の推定に応じて前記記憶手段を参照し、前記被験者のストレス時・不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導する呼吸数誘導情報生成手段と、
    前記呼吸数算定手段により算定した平常時の呼吸数、ストレス時・不安時の増加した呼吸数を表示するとともに、前記呼吸数誘導情報生成手段による呼吸数誘導情報を出力する情報端末と、
    を含み、
    前記情動生成を推定する手段は、被験者の右側頭極又は左扁桃体に生じる呼吸関連不安電位の出現により情動生成を推定するように構成したものであることを特徴とし、
    前記被験者の呼吸数の変化からストレス度、不安度をモニターして被験者の健康チェックをすることができ、被験者の身体的、精神的な状況を把握しつつ被験者の健康状態を客観的に判断可能なように構成し、被験者のストレス時・不安時において増加した呼吸数を平常時の呼吸数に誘導し復元して、併せて被験者のストレス解消をし得るように構成したことを特徴とする呼吸モニタリングシステム。
  2. 被験者の平常時の呼吸、ストレス時・不安時の呼吸を検出する呼吸検出手段と、
    前記平常時の呼吸、ストレス時・不安時の呼吸を基に平常時の呼吸数、ストレス時・不安時の増加した呼吸数を算定する呼吸数算定手段と、
    前記平常時の呼吸数を記憶する記憶手段と、
    前記ストレス時・不安時の増加した呼吸数に伴う情動生成をストレス生成と推定する手段と、
    前記被験者の情動生成の推定に応じて前記記憶手段を参照し、前記被験者のストレス時・不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導するための警報情報を生成し、ストレス解消のための行動実施情報を生成する呼吸数復元情報生成処理手段と、
    前記呼吸数算定手段により算定した平常時の呼吸数、ストレス時・不安時の増加した呼吸数を表示するとともに、前記呼吸数復元情報生成処理手段により生成した平常時の呼吸数に誘導するための警報情報及びストレス解消のための行動実施情報を出力する情報端末と、
    を有し、
    前記情動生成を推定する手段は、被験者の右側頭極又は左扁桃体に生じる呼吸関連不安電位の出現により情動生成を推定するように構成したものであることを特徴とし、
    前記被験者の呼吸数の変化からストレス度、不安度をモニターして被験者の健康チェックをすることができ、被験者の身体的、精神的な状況を把握しつつ被験者の健康状態を客観的に判断可能なように構成し、被験者のストレス時・不安時において増加した呼吸数を平常時の呼吸数に誘導し復元して、併せて被験者のストレス解消をし得るように構成したことを特徴とする呼吸モニタリングシステム。
  3. 前記呼吸検出手段は、被験者の身体、又は、装身具、或いは、車両のシートベルトに取り付けるパッチ型センサーであって、圧力変化又は加速度変化が生じた場合にその時の被験者の呼吸を検出して被験者の平常時の呼吸、ストレス時・不安時の呼吸を検出するように構成したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の呼吸モニタリングシステム。
  4. 前記パッチ型センサーは、被験者の呼吸を検出するとともに、被験者の体温、血圧、心拍数、酸素飽和度を検出するように構成したものであることを特徴とする請求項3記載の呼吸モニタリングシステム。
  5. 前記呼吸数復元情報生成処理手段は、被験者の情動生成の推定に応じて前記被験者のストレス時・不安時の呼吸数を平常時の呼吸数に誘導するための前記警報情報としての休憩情報、及び、ストレス解消のための呼吸リズム回復体操の実施を促す前記行動実施情報を生成することを特徴とする請求項2記載の呼吸モニタリングシステム。
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