本開示の実施の形態の説明に先立ち、本開示の着想に至った経緯を簡単に説明する。交換用のステンシルや回収されたステンシルは作業者が装置にアクセスして運搬する必要がある。しかしながら、特許文献1記載のスクリーン印刷装置では安全に対する配慮が不十分である。
本開示は、作業者の安全を確保することができる収納体移動装置と部材供給装置を提供する。
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態について説明する。図1、図2および図3は本開示の実施の形態に係るスクリーン印刷装置1を示している。スクリーン印刷装置1は、図2、図3に示す印刷対象物としての基板KBの上面に、半田ペースト等のペーストPstを印刷する。
スクリーン印刷装置1は、印刷部2とステンシル交換部3とを有している。ステンシル交換部3は、印刷部2に隣接している。なお、以下の説明において、Y軸は、ステンシル交換部3から印刷部2に向いており、Y軸のマイナス側を後、プラス側を前と表現する場合がある。X軸は水平面内でY軸に直交する。X軸は基板KBの搬送方向と逆に延びている。Z軸は、下から上へ延びて、X軸、Y軸に直交する。
図4、図5は印刷部2を示す。印刷部2は、図2~図4に示すように、印刷部カバー2Kによって覆われた基台11と、基台11上に配置された基板搬送保持部12とを有している。図5に示すように、基板搬送保持部12は、第1コンベア12Aと、第2コンベア12Bと、第3コンベア12Cと、基板保持部12Dと、多段テーブル12Eとを有している。第1コンベア12A、第2コンベア12Bおよび第3コンベア12Cはこの順でX軸に沿って逆向きに並んでおり、第1コンベア12A、第2コンベア12B、第3コンベア12Cの順に基板KBを受け渡して搬送する。
基板保持部12Dは、第2コンベア12Bとともにユニットを構成している。基板保持部12Dは、第2コンベア12Bが第1コンベア12Aから受け取った基板KBを第2コンベア12Bから持ち上げた状態に支持し、基板KBの両側をクランプして保持する。多段テーブル12Eは、基台11上に設けられており、第2コンベア12Bと基板保持部12Dとを含むユニットの全体を、基台11に対して水平面内と上下とに移動させる。
図2、図3および図4に示すように、基板搬送保持部12の上方にはステンシルガイド13が設けられている。図6は、ステンシルガイド13を示す平面図である。ステンシルガイド13は、X軸ガイド部13bと、一対のY軸ガイド部13aとを有している。Y軸ガイド部13aはそれぞれ、Y軸に沿って延びて、X軸に沿って対向するように平行に配置されている。X軸ガイド部13bは、一対のY軸ガイド部13aのY軸プラス側の端部(前端部)の間で、X軸に沿って延びている。Y軸ガイド部13aの端部は、ステンシル交換部3とは反対の側の端部である。Y軸ガイド部13aのそれぞれの断面は、L字状である。すなわち、Y軸ガイド部13aは、水平部13Hと、水平部13Hの外側に形成され、水平部13Hに対して垂直な垂直部13Vとを有している。一方、X軸ガイド部13bは、Y軸ガイド部13aのそれぞれの水平部13Hと連接された水平部のみで構成されている。
図2、図3および図4に示すように、ステンシルガイド13の上方にはステンシル保持部14が配置されている。図7は、ステンシル保持部14をステンシルガイド13とともに示す平面図である。ステンシル保持部14は平面視において矩形形状を有しており、一対のY軸辺と一対のX軸辺とを有する。図7において左右に位置するY軸辺は、ステンシルガイド13の一対のY軸ガイド部13aの上方に位置する。図7において下に位置するX軸辺は、X軸ガイド部13bの上方に位置している。ステンシルガイド13上の所定の位置(ステンシル設置位置)には、図8に示す矩形のステンシル15が設置される。ステンシル保持部14は、ステンシルガイド13とともに、ステンシル15の四辺を挟んで押さえる。なお、ステンシル設置位置とは、図7において、ステンシルガイド13とステンシル保持部14との間の位置であり、ステンシルガイド13の前端の位置である。
図8はステンシル15の平面図である。ステンシル15は矩形の金属板から構成されている。ステンシル15の中央部には、基板KBの表面に形成された電極パターン(図示せず)の配置に応じて、パターン開口15Kが設けられている。ステンシル15の四辺(周辺部)には、ステンシル15を厚さ方向に貫通した複数の係合孔15Hが設けられている。係合孔15Hは、ステンシル15の四辺のそれぞれに沿って並んで設けられている。
図3に示すように、ステンシルガイド13のY軸ガイド部13aはステンシル交換部3の近傍位置まで延びている。Y軸ガイド部13aは、ステンシル設置位置とステンシル交換部3との間で移動されるステンシル15の移動経路となっている。図6に示すように、一対のY軸ガイド部13aの上面にはそれぞれ、段差によるガイド13GがY軸に沿って延びている。ガイド13Gは、ステンシル設置位置とステンシル交換部3との間で移動するステンシル15の左右の側面を案内する。
図9は、ステンシル保持部14をステンシルガイド13とともに下から見た状態を示す平面図である。ステンシル保持部14の下面には、複数の係合突起14Tが下方に突出して設けられている。係合突起14Tは、ステンシル保持部14の形状(四辺)に沿って配置されている。ステンシル保持部14のY軸に沿って並んだ係合突起14Tの列はそれぞれ、Y軸に沿って延びた連結部材14Kによって連結されている。ステンシル保持部14のX軸に沿って並んだ係合突起14Tの列はそれぞれ、X軸に沿って延びた連結部材14Kによって連結されている。
上述のように、ステンシル保持部14のY軸に沿った二辺にはそれぞれ、Y軸に沿って複数の係合突起14Tが並んでいる。すなわち、これら二辺にはそれぞれ、係合突起14Tの列が設けられている。またステンシル保持部14のX軸に沿った二辺にもそれぞれ、X軸に沿って複数の係合突起14Tが並んでいる。すなわち、これら二辺にもそれぞれ、係合突起14Tの列が設けられている。図10は、図5の部分拡大図である。ステンシル保持部14のそれぞれの内部には、張力付与シリンダ(以下、シリンダ)14Aが設けられている。シリンダ14Aが、連結部材14Kを水平に移動させると、係合突起14Tの列は、ステンシル保持部14の中央部から遠ざかるように移動する。具体的には、ステンシル保持部14のY軸に沿って並んだ2つの係合突起14Tの列は、X軸の互いに相反する方向に移動する。また、ステンシル保持部14のX軸に沿って並んだ2つの係合突起14Tの列は、Y軸の互いに相反する方向に移動する。
図11は、図4の一部拡大側面図である。図6、図7および図11からわかるように、ステンシル保持部14の上方には、2つのステンシル保持部昇降シリンダ(以下、昇降シリンダ)31と、4つのステンシル保持部押さえシリンダ(以下、押さえシリンダ)32とが設けられている。図11に示すように、昇降シリンダ31と押さえシリンダ32はそれぞれ、ステンシルガイド13のY軸ガイド部13aが有する垂直部13Vに固定されている。図6、図7に示すように、昇降シリンダ31はそれぞれ、ステンシル保持部14のY軸に沿った辺の中央部の上方に設けられ、押さえシリンダ32はそれぞれ、ステンシル保持部14の四隅もしくはその近傍の上方に設けられている。
図11に示すように、昇降シリンダ31の出力軸である昇降ロッド31Rの下端は、ステンシル保持部14に固定されている。昇降ロッド31Rは、Y軸におけるステンシル保持部14の中間位置に結合されている。2つの昇降シリンダ31の昇降ロッド31Rを同期して作動させることで、ステンシル保持部14は、水平姿勢を維持したままステンシルガイド13の上方で昇降する。押さえシリンダ32のそれぞれは、出力軸である押さえロッド32Rを作動させることで、ステンシル保持部14の四隅を下方に押圧する。
ステンシル保持部14の下面に設けられた複数の係合突起14Tは、ステンシル設置位置にステンシル15が位置した状態で、ステンシル15に設けられた複数の係合孔15Hに上方からそれぞれ嵌入する。ステンシル保持部14は、昇降シリンダ31と押さえシリンダ32によって、ステンシルガイド13に押し付けられている。このためステンシル15は、その四辺のうちの三辺が、ステンシルガイド13とステンシル保持部14とによって挟まれる。
このように、ステンシル15の三辺がステンシルガイド13とステンシル保持部14とによって挟まれた状態で、図10に示すシリンダ14Aはそれぞれ、図12の矢印Tsで示すように、係合突起14Tの列のそれぞれを、ステンシル保持部14の中央部から遠ざかる方向に移動させる。これによりステンシル15には、ステンシル15を外側に引き伸ばす面内張力が与えられており、ステンシル15は平面状態に保持されている。なお、図6、図7、図9、図10に示すように、ステンシルガイド13の2つのY軸ガイド部13aの水平部13HとX軸ガイド部13bのそれぞれには、溝13Mが設けられている。係合突起14Tはそれぞれ、溝13M内に位置しており、図10に示すように、ステンシルガイド13と干渉しない。
図13は、印刷部2の平面図である。図3、図4および図13に示すように、ステンシル保持部14の上方には、印刷ヘッド16と、スクレイパユニット17と、上面クリーナ18と、吹付け部19とが設けられている。図3、図4に示すように、ステンシル保持部14の下方には、ステンシル移動機構21と、カメラ22と、下面クリーナ23とが設けられている。
図14は、図4の拡大図である。図5、図11、図13および図14に示すように、印刷ヘッド16は、スキージベース41と、2つのスキージ42と、昇降駆動部43とを有している。スキージベース41は、X軸に沿って延び、Y軸に沿って移動可能である。スキージ42はそれぞれ、スキージベース41の下方に設けられている。昇降駆動部43は、スキージベース41の上面に設けられている。2つのスキージ42は、図13および図14に示すように、Y軸に沿って対向して配置されている。昇降駆動部43は、2つのスキージ42をスキージベース41の下方にて個別に昇降させる。
図13に示すように、スキージベース41はX軸に沿って延びた形状を有している。スキージベース41の両端部は、2つのスキージベースガイド44によって支持されている。スキージベースガイド44はそれぞれ、Y軸に沿って延びてX軸に沿って対向するように平行に配置されている。スキージベースガイド44のうちの一方の外側には、Y軸に沿って延びたスキージベース移動ボール螺子(以下、螺子)45が設けられている。すなわち、螺子45は、スキージベースガイド44のうちの一方の、X軸における外側に設けられている。螺子45は、スキージベース41に設けられたスキージベースナット(以下、ナット)46に螺合している。螺子45にはスキージベース駆動モータ(以下、第1モータ)47が連結されており、第1モータ47が作動して螺子45が回転すると、ナット46を介してスキージベース41がY軸に沿って移動する。
スクレイパユニット17は、ステンシル15上のペーストPstを回収するペースト回収部として機能する。図11、図13および図14に示すように、スクレイパユニット17は、スクレイパベース51と、スクレイパ昇降シリンダ(以下、昇降シリンダ)52と、スクレイパ保持部53と、スクレイパ54とを有している。スクレイパベース51はX軸に沿って延び、昇降シリンダ52は、スクレイパベース51に設けられている。昇降シリンダ52は、スクレイパ保持部53を昇降する。スクレイパ保持部53は、スクレイパ54を保持する。スクレイパベース51の両端部は、スキージベース41と同様に、2つのスキージベースガイド44によってそれぞれ支持されている。図11、図14に示すように、スキージベース41には、スクレイパユニット連結部(以下、第1連結部)41Rが設けられている。スクレイパベース51は、図14に示すように、第1連結部41Rによってスキージベース41に連結される。スクレイパベース51は、スキージベース41に連結された状態で、スキージベース41と一体となってY軸に沿って移動する。例えば、第1連結部41Rは電磁石を有し、スクレイパベース51は、少なくとも第1連結部41Rと当接する箇所に磁性体を有していればよい。昇降シリンダ52を作動させてスクレイパ保持部53を昇降させると、スクレイパ54が昇降する。
上面クリーナ18は、スクレイパユニット17によってペーストPstが回収された後のステンシル15の上面をクリーニングする。上面クリーナ18はスキージベース41に取り付けられている。このため上面クリーナ18は、スキージベース41と一体となってY軸に沿って移動し、印刷ヘッド16とともにステンシル設置位置に設置されたステンシル15に対して移動する。スキージベース41には、上面クリーナ昇降部18Kが設けられている。上面クリーナ18は、上面クリーナ昇降部18Kを介してスキージベース41に取り付けられている。上面クリーナ昇降部18Kが作動することで、上面クリーナ18は、スキージベース41に対して昇降する。
上面クリーナ18は、クリーニングペーパーPRを送出する送出ローラR1と、送出ローラR1から送出されるクリーニングペーパーPRを巻き取る巻取ローラR2とを有している。送出ローラR1から巻取ローラR2に至る位置において、クリーニングペーパーPRには、吸引口を下方に向けたノズル部NZが上方から押し付けられてテンションが加えられている。ノズル部NZの吸引口が押し付けられた部分は、ペーストPstの拭取り面として機能する。ノズル部NZは、クリーニングペーパーPRを介して吸引口から空気を吸引し、ステンシル15の上面に付着したペーストを吸引する。
吹付け部19は、ペーストPstで汚れる前のステンシル15の上面をクリーニングする使用前ステンシルクリーナとして機能する。すなわち吹付け部19は、使用前、あるいはステンシル15に最初のペーストPstが供給される前のステンシル15の上面をクリーニングする。吹付け部19は、図15に示すように、ステンシル15の移動経路の上方をステンシル15の移動方向(Y軸)に対して交差するX軸に沿って延びた管状部19Pと、管状部19Pの一端に繋がるバルブ部19Vとを有している。管状部19Pは、2つのY軸ガイド部13aにおいてステンシル保持部14が取り付けられる位置と反対側に、2つのY軸ガイド部13aを跨ぐようにして設けられている。
図11、図12および図13に示すように、吹付け部19の下側には、X軸に沿って並んで複数の噴出孔19Nが設けられている。管状部19Pにはバルブ部19Vを介して高圧気体が供給され、図15に示すように、複数の噴出孔19Nから下方に向かって高圧気体が噴射される。なお、使用前ステンシルクリーナとしてはステンシル15の上面に気体を吹き付ける構成(ブロー)以外に、ステンシル15の上面を吸引する構成、ステンシル15の上面をブラッシングするあるいは拭き取る構成等もよい。よって、使用前ステンシルクリーナとして、上面クリーナ18を用いることも可能である。
ステンシル移動機構21は、ステンシル交換部3が有する後述の収納体72とステンシル設置位置との間でステンシル15を移動させる。詳細には、ステンシル移動機構21は、収納体72からステンシル15を引き出してステンシル設置位置へ移動させ、ステンシル設置位置からステンシル15を収納体72に戻す。ステンシル移動機構21は、図4、図7および図11に示すように、移動ベース61と、昇降アクチュエータ62と、引出しプレート63とを有している。移動ベース61は、X軸に沿って延びている。昇降アクチュエータ62は、移動ベース61に設けられている。昇降アクチュエータ62は、引出しプレート63を昇降する。
図7に示すように、移動ベース61の両端部は、2つの移動ベースガイド64によってそれぞれ支持されている。移動ベースガイド64は、Y軸に沿って延びてX軸に沿って対向するように平行に配置されている。また2つの移動ベースガイド64のうちの一方の外側(X軸における外側)には、Y軸に沿って延びた移動ベース移動ボール螺子(以下、螺子)65が設けられている。螺子65は、移動ベース61に設けられた移動ベースナット(以下、ナット)66に螺合している。螺子65には移動ベース駆動モータ(以下、第2モータ)67が連結されており、第2モータ67が作動して螺子65が回転すると、ナット66を介して移動ベース61がY軸に沿って移動する。
図7、図15に示すように、引出しプレート63の上面には、2つのステンシル移動用係合突起63TがX軸に沿って並んで設けられている。引出しプレート63の上面にはまた、図7に示すように、ステンシル15の下面を吸着するための吸着開口63Kが設けられている。ステンシル移動機構21では、移動ベース61がY軸に沿って移動することによって引出しプレート63をY軸に沿って移動させる。また、昇降アクチュエータ62が引出しプレート63を昇降させることによって、引出しプレート63をZ軸に沿って移動させる。
図7、図11に示すように、カメラ22は、ステンシル移動機構21を構成する移動ベース61の前端部に取り付けられている。このためカメラ22は、ステンシル移動機構21と一体となってY軸に沿って移動する。また、カメラ22は移動ベース61をX軸に沿って移動可能である。したがって、カメラ22は、ステンシル移動機構21によるY軸に沿った移動とカメラ22自身のX軸に沿った移動とによってXY面内を移動する。
図5、図7に示すように、カメラ22は、下方に撮像光軸を向けた下方撮像カメラ22Aと、上方に撮像光軸を向けた上方撮像カメラ22Bとを含む。下方撮像カメラ22Aは、基板KBの上面に設けられた位置合わせマーク(図示せず)を上方から撮影する。上方撮像カメラ22Bは、ステンシル設置位置に設置されたステンシル15の下面に設けられた位置合わせマーク(図示せず)を下方から撮影する。
図14に示すように、下面クリーナ23は、図示しないクリーナガイドによって、ステンシルガイド13の下方の領域をY軸に沿って移動する。下面クリーナ23は、移動ベース連結部(以下、第2連結部)23Rを有する。下面クリーナ23は、第2連結部23Rによって、図11に示すステンシル移動機構21の移動ベース61と連結可能である。下面クリーナ23は、移動ベース61と連結された状態で、移動ベース61と一体となってY軸に沿って移動する。第2連結部23Rも例えば第1連結部41Rと同様に構成することができる。
下面クリーナ23は、上面クリーナ18と同様の構成要素を有している。すなわち図14に示すように、下面クリーナ23は、クリーニングペーパーPRを送出する送出ローラR1と、送出ローラR1から送出されるクリーニングペーパーPRを巻き取る巻取ローラR2を有している。送出ローラR1から巻取ローラR2に至る位置において、クリーニングペーパーPRには吸引口を上方に向けたノズル部NZが下方から押し付けられてテンションが加えられている。ノズル部NZの吸引口が押し付けられた部分はペーストPstの拭取り面して機能する。ノズル部NZは、クリーニングペーパーPRを介して吸引口から空気を吸引し、ステンシル15の下面に付着したペーストを吸引する。下面クリーナ23では、上面クリーナ18とは異なり、ノズル部NZが押し付けられたクリーニングペーパーPRの上面がペーストPstの拭取り面である。
下面クリーナ23は、移動ベース61によってY軸に沿って移動されないときは、図2に示すように、ステンシル設置位置の前方のクリーナ待機位置で待機している。下面クリーナ23は、上述のクリーナガイドに設けられた下面クリーナ昇降部(図示せず)によって、ステンシルガイド13に対して昇降する。すなわち下面クリーナ23は、ステンシル設置位置に設置されたステンシル15に対して昇降する。
次に、図16、図17を参照して、ステンシル交換部3について説明する。図16は、ステンシル交換部3の外観を示し、図17は、ステンシル交換部3の筐体71の内部を示している。ステンシル交換部3は、図2、図3に示すように、印刷部2の後部(Y軸マイナス側)に隣接している。図16、図17に示すように、ステンシル交換部3は、筐体71と、収納体72と、昇降機73と、第1の物体検出部としての下側センサ75と、第2の物体検出部としての上側センサ76と、タッチパネル77とを有している。筐体71には、収納体72を収納可能な内部空間SPが設けられている。筐体71の後面の下部には、内部空間SPに対して収納体72を出し入れ可能な入口71Aが設けられている。
図2、図3に示すように、筐体71内の内部空間SPのうち、入口71Aから上方に離れた領域は作業空間SP1となっている。作業空間SP1の下部の領域は、下部空間SP2となっている。すなわち、入口71Aは、筐体71内の内部空間SPの下部空間SP2にアクセス可能な位置に設けられている。
図17に示すように、筐体71の前面にはステンシル通過開口(以下、開口)71Bが設けられている。すなわち、開口71Bは、入口71Aよりも高い位置に設けられている。作業空間SP1は、開口71Bを介して外部(筐体71の前方)と連通している。開口71Bは、ステンシル15がY軸に沿って通過できる大きさを有している。
ステンシル移動機構21は、作業空間SP1に配置された収納体72に収納され、開口71Bの高さに配置されたステンシル15を開口71Bから前方へ引き出してステンシル設置位置に設置する。またステンシル移動機構21は、ステンシル設置位置に位置したステンシル15を開口71Bから収納体72に収納する。詳細には、ステンシル移動機構21は、収納体72の棚部72Sに収納されているステンシル15を開口71Bから前方へ引き出してステンシル設置位置に設置する。そして、ステンシル移動機構21は、ステンシル設置位置に位置したステンシル15を開口71Bから収納体72の棚部72Sに戻す。このように、ステンシル交換部3は、部材であるステンシル15を供給するための供給位置(例えば、作業空間SP1)へ、ステンシル15を収納した収納体72を移動する収納体移動装置として機能する。また、ステンシル移動機構21は、この収納体移動装置によって収納体72が供給位置に配置されたことを受けて、ステンシル15を収納体72から取り出す部材移動機構として機能する。これら収納体移動装置と部材移動機構は、図15に示すように、部材供給装置78を構成している。
図18は、収納体72の斜視図である。収納体72はY軸に沿って前後に開口した方形筒状の形状を有しており、内部には上下に並んだ複数の棚部72Sが設けられている。棚部72Sにはそれぞれ、ステンシル15が水平姿勢で載置(収納)されている。収納体72には通常、基板KBの品種に応じた複数種類のステンシル15が収納されている。このように、収納体72は、ステンシル15を挿抜可能に収納している。
図17に示すように、昇降機73は、昇降体81と、昇降体支持部82と、ナット部83と、ボール螺子84と、昇降体昇降モータ(以下、第3モータ)85とを有している。昇降体81は、水平面内に拡がった形状を有し、収納体72を支持する収納体支持部として機能する。昇降体支持部82は、X軸に沿って延びて昇降体81を支持する。ナット部83は、昇降体支持部82の一端に設けられている。ボール螺子84は、ナット部83に螺合して上下に延びている。第3モータ85は、ボール螺子84を回転する。第3モータ85が作動するとボール螺子84が回転する。これによりナット部83を介して昇降体支持部82が上下に移動する。その結果、昇降体支持部82に連結された昇降体81が上下に移動する。このように、昇降機73では、収納体72を支持する昇降体81が、作業空間SP1と下部空間SP2にわたって昇降する。このように、昇降機73は、筐体71の入口71Aから搬入された収納体72を、筐体71の入口71Aの近傍と、入口71Aから離れた位置である作業空間SP1との間で移動させる収納体移動機構として機能する。
昇降体81は、第3モータ85の作動方向、すなわちボール螺子84の回転方向に応じて上昇または下降する。図19の(a)部に示すように、昇降体81が筐体71内において定められた下限位置にあるとき、作業者は、入口71Aから収納体72を昇降体81の上面に載置して収納体72を筐体71内にセットすることができる。また、昇降体81が下限位置にあるとき、作業者は、昇降体81に載置された収納体72を入口71Aから取り出すことができる。このように、下限位置にある昇降体81の上面は、筐体71の内部に収納体72をセットする位置である「収納体セット位置」となっている。
昇降機73では、図19の(b)部に示すように、収納体セット位置に収納体72がセットされた状態で昇降体81が上昇する。すなわち昇降機73は、ステンシル設置位置に設置させようとするステンシル15を所定の作業高さHsに位置させる。以下、ステンシル設置位置に設置させようとするステンシル15を設置対象ステンシル15Pと称する。作業高さHsとは、ステンシル移動機構21が開口71Bを通じて収納体72とステンシル設置位置との間で移動させることができる高さである。設置対象ステンシル15Pを作業高さHsに位置させることで、ステンシル移動機構21は、設置対象ステンシル15Pを収納体72とステンシル設置位置との間で移動させることができる。図19の(b)部は、設置対象ステンシル15Pを作業高さHsに位置させた状態を示している。なお、図19の(b)部は、設置対象ステンシル15Pが収納体72の下方の棚部72Sに載置されている場合に収納体72が配置される供給位置を示している。設置対象ステンシル15Pが収納体72の上方の棚部72Sに載置されている場合には、収納体72の位置は図19の(b)部に示す位置より下になり、収納体72は作業空間SP1と下部空間SP2とに跨った位置に配置される。このように、ステンシル移動機構21にステンシル15を供給するための供給位置は、収納体72における設置対象ステンシル15Pの高さ位置によって複数存在する。
下側センサ75と上側センサ76とはそれぞれ、例えば、光学的に物体を検出するエリアセンサを含む。図17、図20に示すように、下側センサ75は、X軸に沿って互いに対向して配置された下側投光部75Aと下側受光部75Bとから構成されている。図20の(b)部に示すように、下側投光部75Aは、X軸に沿って下側光L1を発し、下側受光部75Bは下側光L1を受ける。このように、下側センサ75は、XZ面にほぼ平行なセーフティライトカーテン(以下、下側ライトカーテンM1)を形成することによって、入口71Aを通過する物体を検出する。一方、上側センサ76は、図20の(a)部に示すように、X軸に沿って互いに対向して配置された上側投光部76Aと上側受光部76Bとから構成されている。上側投光部76Aは、X軸に沿って上側光L2を発し、上側受光部76Bは上側光L2を受ける。このように、上側センサ76は、XY面にほぼ平行なセーフティライトカーテン(以下、上側ライトカーテンM2)を形成することによって、内部空間SPにおいて下部空間SP2から作業空間SP1へ移動する物体を検出する。下側センサ75、上側センサ76の検出対象である物体は、例えば、作業者の手である。
上側センサ76は、収納体セット位置にセットされた収納体72とステンシル移動機構21との間に、上側ライトカーテンM2を形成するように設けられている。詳細には、上側ライトカーテンM2は、作業空間SP1と下部空間SP2を分ける高さの位置に形成される。より詳細には、収納体セット位置にセットされた収納体72の上面よりも高く、ステンシル移動機構21により移動されるステンシル15の高さよりも低い位置に、上側ライトカーテンM2が形成される。一方、図20の(b)部に示すように、下側センサ75は、入口71Aを覆う位置に下側ライトカーテンM1が形成されるように設けられている。
前述のように、筐体71の内部空間SPのうち、上側ライトカーテンM2よりも上側の空間が作業空間SP1であり、上側ライトカーテンM2よりも下側の空間が下部空間SP2である。収納体セット位置は下部空間SP2内にある。上側ライトカーテンM2を形成する検査光である上側光L2の少なくとも一部が遮られた場合には、下部空間SP2から作業空間SP1に向かって物体(具体的には作業者の手)が進入したことが検知される。また、下側ライトカーテンM1を形成する検査光である下側光L1の少なくとも一部が遮られた場合には、筐体71の外部から下部空間SP2に向かって物体が進入したことが検知される。
図21は、スクリーン印刷装置1の制御系統を示す機能ブロック図である。スクリーン印刷装置1が有する制御部90は、基板動作制御部91と、ステンシル動作制御部92と、印刷制御部93と、撮像制御部94と、クリーナ制御部95と、ペースト回収制御部96と、昇降機制御部97とを有している。基板動作制御部91は、基板搬送保持部12による基板KBの搬送および保持の動作と、保持した基板KBのステンシル15に対する位置合わせ動作とを制御する。
ステンシル動作制御部92は、ステンシル移動機構21とシリンダ14Aとによるステンシル15の搬送動作と設置動作とを制御する。詳細には、ステンシル動作制御部92は、第2モータ67による移動ベース61のY軸に沿った移動動作と、昇降アクチュエータ62による引出しプレート63の昇降動作とを制御する。またステンシル動作制御部92は、吸着開口63Kを介したステンシル15の下面の吸着と、シリンダ14Aによるステンシル設置位置に位置したステンシル15への面内張力の付与動作とを制御する。
印刷制御部93は、印刷ヘッド16による印刷動作を制御する。詳細には、第1モータ47によるスキージベース41のY軸に沿った移動動作と、昇降駆動部43によるスキージ42の昇降動作とを制御する。
撮像制御部94は、カメラ22等を制御し、基板搬送保持部12によって保持された基板KBと、ステンシル設置位置に設置されたステンシル15とを撮影させる。詳細には撮像制御部94は、第2モータ67による、移動ベース61のY軸に沿った移動動作と、移動ベース61に対するカメラ22のX軸に沿った移動動作と、下方撮像カメラ22Aによる、下方撮像カメラ22Aの下方の領域の撮像動作とを制御する。また撮像制御部94は、上方撮像カメラ22Bによる、上方撮像カメラ22Bの上方の領域の撮像動作を制御する。
クリーナ制御部95は、吹付け部19によるステンシル15の上面のクリーニング動作と、上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニング動作と、下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニング動作とを制御する。
詳細には、クリーナ制御部95は、吹付け部19によるステンシル15の上面のクリーニング動作では、バルブ部19Vを作動させることで、管状部19P内に高圧空気を供給し、噴出孔19Nから気体を噴出させる。
上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニング動作では、クリーナ制御部95は、第1モータ47によるスキージベース41のY軸に沿った移動動作と、上面クリーナ昇降部18Kによる上面クリーナ18の昇降動作とを制御する。さらにクリーナ制御部95は、上面クリーナ18における送出ローラR1と巻取ローラR2の動作と、ノズル部NZによる空気の吸引動作とを制御する。
下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニング動作では、クリーナ制御部95は、第2モータ67による移動ベース61のY軸に沿った移動動作と、第2連結部23Rによる移動ベース61への下面クリーナ23の連結動作とを制御する。さらにクリーナ制御部95は、下面クリーナ23における送出ローラR1と巻取ローラR2の動作と、ノズル部NZによる空気の吸引動作とを制御する。
図21に示すように、クリーナ制御部95は、第1クリーニング制御部95aと、第2クリーニング制御部95bと、第3クリーニング制御部95cとを有している。第1クリーニング制御部95aは、ステンシル設置位置に設置しようとするステンシル15に対して行うクリーニングを制御する。第2クリーニング制御部95bは、ステンシル設置位置に設置されたステンシル15に対し、基板KBに対するペーストPstの印刷作業の合間に行う通常クリーニングを制御する。また、第3クリーニング制御部95cは、ステンシル設置位置に設置されたステンシル15に対し、ステンシル移動機構21によってステンシル15をステンシル設置位置から収納体72へ移動させる前に行うクリーニングを制御する。すなわち、第3クリーニング制御部95cは、ステンシル15をステンシル交換部3の収納体72内に戻す直前に行うクリーニングを制御する。
クリーナ制御部95は、下面クリーナ23を少なくとも第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかで動作させてステンシル15の下面のクリーニングを行わせる。第2の動作モードは第1の動作モードよりもクリーニング時間が長い。具体的には、第1の動作モードよりも下面クリーナ23をステンシル15に対して相対的に往復させる回数が多い。クリーナ制御部95は、収納体72に戻される前のステンシル15を、少なくとも第2のモードで下面クリーナ23にクリーニングさせる。また、クリーナ制御部95は、下面クリーナ23にステンシル15の下面をクリーニングさせるとき、第2の動作モードでは、第1の動作モードよりも強い吸引力でクリーニングさせる。
下面クリーナ23は、クリーニングペーパーPRに洗浄用の液体を供給する図示しない液体供給部を有している。そして下面クリーナ23は、クリーニングペーパーPRに液体を浸み込ませてクリーニングを行う湿式クリーニングと、クリーニングペーパーPRに液体を浸み込ませずにクリーニングを行う乾式クリーニングとを実行可能になっている。なお、第2の動作モードによるステンシル15のクリーニングに湿式クリーニングを含めてもよい。
ペースト回収制御部96は、スクレイパユニット17によるステンシル15の上面のクリーニング動作を制御する。詳細には、第1モータ47によるスキージベース41のY軸に沿った移動動作と、第1連結部41Rによるスキージベース41へのスクレイパベース51の連結動作と、昇降シリンダ52によるスクレイパ54の昇降動作とを制御する。
昇降機制御部97は、昇降機73による収納体72の昇降動作を制御する。具体的には、昇降機制御部97は、第3モータ85の動作を制御する。図21に示すように、昇降機制御部97は安全制御部97aを有している。
安全制御部97aは、下側センサ75と上側センサ76との各動作および昇降機73とステンシル移動機構21への電力供給停止を制御する。その際、安全制御部97aは、次に示す第1の運用モードまたは第2の運用モードに基づく。なお、これら第1の運用モードと第2の運用モードは任意に切り替えることが可能である。
第1の運用モードでは、安全制御部97aは、原則として、下側センサ75を常時オンにして物体検出を有効にし、上側センサ76を常時オフにして物体検出を無効にする。すなわち安全制御部97aは、下側センサ75と上側センサ76とを図20の(b)部に示す状態にする。そして、下側センサ75が物体を検出した場合には、昇降機73への動力用電力の供給を停止させるとともに、タッチパネル77を通じて警報音を発生させて作業者に注意を喚起する。但し、入口71Aから収納体72を出し入れする場合、または収納体72からステンシル15を出し入れする場合には上側センサ76をオンにし、下側センサ75をオフにする。すなわち安全制御部97aは、下側センサ75と上側センサ76とを図20の(a)部に示す状態にする。このオンオフは、タッチパネル77や印刷部2のタッチパネル(図示せず)から作業者が要求を入力した場合に切り替えられる。これ以外に例えば、収納体72の交換作業に無人搬送システムが採用されている場合において、その無人搬送システムから収納体72の交換要求があった場合に、このオンオフが切り替えられる。
このように安全制御部97aは、第1の運用モードでは、入口71Aから収納体72が搬入もしくは搬出される場合には、下側センサ75による物体検出を無効にするとともに、上側センサ76が物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させる。また安全制御部97aは、入口71Aから収納体72が搬入もしくは搬出されるとき以外は上側センサ76による物体検出を無効にするとともに下側センサ75が物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させる。すなわち安全制御部97aは、収納体72が入口71Aを通過するときには、下側センサ75による検出を無効にし、上側センサ76が入口71Aから作業空間SP1へ移動する物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させる。また安全制御部97aは、収納体72が入口71Aを通過するとき以外には、上側センサ76による検出を無効にし、下側センサ75が入口71Aを通過する物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させる。
一方、第2の運用モードでは、安全制御部97aは、現場の作業者の作業性を考慮し、収納体72が下部空間SP2に位置していて昇降機73が停止しているときは、常時、下側センサ75をオフにし、上側センサ76をオンにする。すなわち安全制御部97aは、図20の(a)部に示す状態にする。この運用モードでは、作業者がいつでも収納体72やステンシル15を出し入れすることが可能である。したがって、印刷部2が作業空間SP1においてステンシル15の出し入れを行うとき以外は、昇降機73は下部空間SP2に収納体72を位置させて停止し、待機する。昇降機73が作動するときは、安全制御部97aは、下側センサ75をオンにし、上側センサをオフにする。すなわち安全制御部97aは、下側センサ75と上側センサ76とを図20の(a)部に示す状態にする。
このように安全制御部97aは、第2の運用モードでは、収納体72が筐体71の入口71Aから搬入もしくは搬出可能な位置で停止しているときは、下側センサ75による物体検出を無効にする。また安全制御部97aは、上側センサ76が入口71Aから作業空間SP1へ移動する物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させる。昇降機73が作動するときには、安全制御部97aは、上側センサ76による物体検出を無効にするとともに下側センサ75が入口71Aを通過する物体を検出したら昇降機73への動力用電力の供給を停止させる。
「物体検出を無効にする」処理では、安全制御部97aは、エリアセンサが光を投光または受光しないようにしてセンシングそのものを行わないようにする。すなわち安全制御部97aは、下側センサ75では下側光L1、上側センサ76では上側光L2を投光または受光しないようにこれらのセンサの一方を制御する。あるいは、センシングは行うが、制御部90において、センシングの結果を無視するようにしてもよい。
図21に示すように、制御部90にはタッチパネル77が電気的に接続されている。タッチパネル77は、スクリーン印刷装置1に対する入力装置および出力装置として機能する。なお、タッチパネル77に代えて、スイッチ等の入力装置と表示パネル等の出力装置を別個に設けてもよい。
なお、制御部90を構成する基板動作制御部91、ステンシル動作制御部92、印刷制御部93、撮像制御部94、クリーナ制御部95、ペースト回収制御部96、昇降機制御部97は、それぞれCPU(中央演算処理装置)またはLSI(大規模集積回路)で構成されている。必要に応じて、メモリを含んでいてもよい。これらは専用回路で構成されていてもよく、汎用のハードウェアを、一過性または非一過性の記憶装置から読みだしたソフトウェアで制御して実現してもよい。またこれらの2つ以上を一体に構成してもよい。
次に、スクリーン印刷装置1の動作を説明する。まず、運用モードが第1の運用モードに設定されている場合を説明する。作業者は、収納体72を筐体71内の下部空間SP2にセットするときには、スクリーン印刷において必要となるステンシル15を予め収納体72に収納しておく。すなわち作業者は、必要なステンシル15を収納体72の棚部72Sに載置する。
運用モードが第1の運用モードに設定されているので、作業者が収納体72を収納体セット位置にセットする際、図20の(b)部に示すように、下側センサ75はオン、上側センサ76はオフになっている。このため作業者はまず、タッチパネル77に対し、収納体72を出し入れする動作を開始する旨を入力する。安全制御部97aは、タッチパネル77への入力を検知したら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替える。すなわち安全制御部97aは、図20の(a)部に示すように、下側センサ75をオンからオフにし、上側センサ76をオフからオンする。この際、安全制御部97aは、上側センサ76をオフからオンに切り替えた後に、下側センサ75をオンからオフに切り替える。下側センサ75と上側センサ76とのオンオフ状態が切り替えられたら、作業者は、下側センサ75により物体検出がなされることなく、入口71Aから筐体71の下部空間SP2内に収納体72をセットすることが可能となる。
このように、作業者は、タッチパネル77へ入力したら、図19の(a)部に示すように、収納体72を下部空間SP2にセットする。収納体72をセットする作業の間、作業者が誤って作業空間SP1内へ手を差し入れてしまった場合には、上側センサ76が、この動作を物体の進入として検出する。そして安全制御部97aは、ステンシル移動機構21への動力用電力の供給を停止する。このため、作業者の安全が確保される。
作業者は、収納体72を収納体セット位置にセットした後、入口71Aから手を抜き去ったら、タッチパネル77に対し、収納体72を出し入れする動作を終了する旨(セット終了の旨)を入力する。安全制御部97aは、タッチパネル77への入力を検知したら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替える。すなわち安全制御部97aは、図20の(b)部に示すように、下側センサ75をオフからオンにし、上側センサ76をオンからオフにする。この際、安全制御部97aは、下側センサ75をオフからオンに切り替えた後に、上側センサ76をオンからオフに切り替える。作業者がセット終了の旨をタッチパネル77に入力した後、作業者が誤って入口71Aに手を差し入れてしまった場合、下側センサ75がこの動作を物体の進入として検出する。そして安全制御部97aは、昇降機73への動力両電力の供給を停止する。このため、作業者の安全が確保される。
作業者がタッチパネル77にセット終了の旨を入力し、入口71Aにおける物体検出が有効になったら、昇降機制御部97は、昇降機73を作動させて収納体72を持ち上げる。そして昇降機制御部97は、図19の(b)部に示すように、設置対象ステンシル15Pを作業高さHsに配置する。このとき上側センサ76はオフであるので、収納体72が下部空間SP2から作業空間SP1に移動しても、上側センサ76により物体検出がされることなく、ステンシル移動機構21の動作は規制されない。
設置対象ステンシル15Pの高さが作業高さHsになると、制御部90は、ステンシル移動機構21を制御して、設置対象ステンシル15Pをステンシル設置位置へと搬送する。具体的には、制御部90はまず、ステンシル動作制御部92によって第2モータ67を作動させる。移動ベース61に取り付けられた引出しプレート63の上面には、X軸に沿って並んで2つのステンシル移動用係合突起63Tが設けられ、収納体72内の設置対象ステンシル15Pの前縁には、複数の係合孔15Hが設けられている。ステンシル動作制御部92は、移動ベース61をステンシル交換部3に向かって移動させて、ステンシル移動用係合突起63Tをそれぞれ、対応する係合孔15Hの下方に配置する。
ステンシル移動用係合突起63Tが係合孔15Hの下方に配置されると、図22に示すように、制御部90は、昇降アクチュエータ62を作動させて、ステンシル移動用係合突起63Tをそれぞれ対応する係合孔15Hに下方から係合させる。そして、制御部90は、吸着開口63Kでステンシル15の下面を吸着し、第2モータ67を作動させて、移動ベース61をステンシル設置位置へ向かって移動させる。これによりステンシル15は移動ベース61とともに前方へ移動する。このときステンシル15(設置対象ステンシル15P)の左右の両辺は、図15に示すように、一対のY軸ガイド部13aのガイド13Gによって案内されるので、まっすぐに前方へ引き出される。
このようにしてステンシル15がステンシル移動機構21によって収納体72から引き出されたら、制御部90は昇降機制御部97により昇降機73を制御して、図19の(a)部に示すように、昇降体81を下限位置まで降ろす。作業者は、昇降体81が下限位置まで降りたことを確認したら、タッチパネル77に対し、収納体72の出し入れを開始する旨を入力する。安全制御部97aは、タッチパネル77への入力を検知したら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替える。すなわち安全制御部97aは、図20の(a)部に示すように、下側センサ75をオンからオフにし、上側センサ76をオフからオンする。この際、安全制御部97aは、上側センサ76をオフからオンに切り替えた後に、下側センサ75をオンからオフに切り替える。下側センサ75と上側センサ76とのオンオフ状態が切り替えられたら、作業者は、下側センサ75により物体検出がなされることなく、入口71Aから筐体71の下部空間SP2から収納体72を取り出しあるいは交換することが可能となる。
このように、作業者は、タッチパネル77へ入力したら、収納体72を下部空間SP2から取り出す。この作業の間、作業者が誤って作業空間SP1内へ手を差し入れてしまった場合には、上側センサ76が、この動作を物体の進入として検出する。そして安全制御部97aは、ステンシル移動機構21への動力用電力の供給を停止する。このため、作業者の安全が確保される。
上記のようにしてステンシル15が前方へ向けて引き出される過程において、クリーナ制御部95は、第1クリーニング制御部95aにより吹付け部19を制御させて、ステンシル15の上面をクリーニングする。具体的には、第1クリーニング制御部95aは、吹付け部19を構成するバルブ部19Vを制御して、図15に示すように、管状部19Pの噴出孔19Nから高圧気体GSを噴射させる。
第1クリーニング制御部95aは、吹付け部19を制御して、高圧気体GSの噴射領域をステンシル15が通過し始めてから通過し終わるまでの間、高圧気体GSを連続して噴射させる。吹付け部19の管状部19Pは、ステンシル15の移動経路(ステンシル設置位置と収納体72との間)の上方で、ステンシル15の移動方向に対して交差するように横に延びている。吹付け部19は、管状部19Pの噴出孔19Nから、ステンシル移動機構21によって移動するステンシル15をクリーニングする。これによりステンシル15の上面に付着しているごみや埃等の異物が高圧気体GSによって吹き飛ばされて除去される。
このように、吹付け部19は、ステンシル移動機構21がステンシル15を収納体72から引き出してステンシル設置位置へ移動させる間にステンシル15の上面に気体(高圧気体GS)を吹き付ける。すなわち、スクリーン印刷装置1は、ペーストPstで汚れる前のステンシル15をクリーニングする使用前ステンシルクリーナとしての吹付け部19を有している。吹付け部19は、ステンシル15の上面に気体を吹き付けてクリーニングするので、収納体72から引き出されたステンシル15の上面にごみや埃等の異物が付着していてもガスが異物を吹き飛ばして除去する。このため、収納体72内のステンシル15の上面にごみや埃等の異物が付着していても印刷の品質が低下することを防止できる。
制御部90は、移動ベース61を前方へ移動させて収納体72内のステンシル15を前方へ引き出し、図23に示すように、移動ベース61が所定の停止位置に達したら、移動ベース61を停止させる。移動ベース61が停止位置に停止したときには、ステンシル15はまだ、ステンシル設置位置には到達していない。制御部90は、移動ベース61を停止位置に停止させたら、吸着開口63Kによるステンシル15の吸着を解除する。そして制御部90は、昇降アクチュエータ62を作動させて引出しプレート63を下降させ、ステンシル移動用係合突起63Tを係合孔15Hから離脱させる。
ステンシル移動用係合突起63Tが係合孔15Hから離脱したら、制御部90は、ステンシル15をその位置に維持したまま、移動ベース61を停止位置から後方へ移動させる。そして制御部90は、ステンシル移動用係合突起63Tが、ステンシル15の後縁の係合孔15Hの下方に位置する位置に、引出しプレート63を位置決めする。制御部90は、引出しプレート63を位置決めしたら、昇降アクチュエータ62を作動させて、図24に示すように、ステンシル移動用係合突起63Tを係合孔15Hに下方から係合させる。
制御部90は、ステンシル移動用係合突起63Tが係合孔15Hに係合したら、吸着開口63Kからステンシル15の下面を吸着し、第2モータ67を作動させて、移動ベース61を前方へ移動させる。これによりステンシル15は移動ベース61とともに前方へ移動する。そして図25および図26の(a)部に示すように、ステンシル15がステンシル設置位置に達したら、制御部90は、移動ベース61を停止させる。
制御部90は、上記のようにしてステンシル15をステンシル設置位置に配置すると、吸着開口63Kによるステンシル15の吸着を解除し、引出しプレート63を下降させる。これによりステンシル移動用係合突起63Tが係合孔15Hから下方に離脱する。その後、制御部90は、第2モータ67を作動させて、移動ベース61を後方へ移動させる。
移動ベース61が後方へ移動すると、制御部90は、2つの昇降シリンダ31を作動させて、図26の(b)部に示すように、ステンシル保持部14を下降させる。そして制御部90は、ステンシル保持部14の下面に設けられた複数の係合突起14Tを、ステンシル15に形成された複数の係合孔15Hに上方から嵌入させる。
係合突起14Tがそれぞれ、対応する係合孔15Hに上方から嵌入したら、制御部90は、4つの押さえシリンダ32のそれぞれの押さえロッド32Rを作動させて、図26の(c)部に示すように、ステンシル保持部14の四隅を下方に押圧する。これにより押さえシリンダ32は、ステンシル保持部14を介して、ステンシル15をステンシルガイド13の上面に押し付ける。
ステンシル15がステンシルガイド13の上面に押し付けられたら、制御部90は、図10に示すシリンダ14Aを作動させる。これにより、Y軸に沿った係合突起14Tの2つの列とX軸に沿った係合突起14Tの2つの列がそれぞれ、ステンシル保持部14の中央部から遠ざかる方向に移動する。この結果、図26の(d)部および図12の矢印Tsで示すように、ステンシル15には面内張力が与えられ、ステンシル15はステンシル設置位置に設置される。
ステンシル15がステンシル設置位置に設置されると、制御部90は、図5に示す第1コンベア12Aを制御して外部から基板KBを搬入させ、基板KBを第2コンベア12Bに受け渡させる。第2コンベア12Bが基板KBを受け取ったら、制御部90は、基板保持部12Dを制御して基板KBを保持させる。
基板KBが保持されると、制御部90は、図7に示す第2モータ67を作動させて移動ベース61をY軸に沿って移動させるとともに、カメラ22を移動ベース61上でX軸に沿って移動させる。これによって制御部90は、カメラ22を基板KBとステンシル15との間に配置する。そして制御部90は、下方撮像カメラ22Aによって基板KBの上面に設けられた位置合わせマークを撮像させ、上方撮像カメラ22Bによってステンシル15の下面に設けられた位置合わせマークを撮像させる。これらのマークの位置に基づき、制御部90は、基板KBとステンシル15の間の位置ずれを把握する。
制御部90は、基板KBとステンシル15の間の位置ずれを把握したら、図5に示す多段テーブル12Eを作動させる。これによって制御部90は、その位置ずれがなくなるように基板保持部12Dを水平面内で移動させる。すなわち制御部90は、基板KBの位置合わせマークとステンシル15の位置合わせマークとが平面視において一致するように、基板KBをステンシル15に対して位置合わせする。基板KBがステンシル15に対して位置合わせされると、制御部90は、多段テーブル12Eを作動させて、基板保持部12Dを上昇させる。
基板保持部12Dを上昇させることによって基板KBの上面がステンシル15の下面に接触したら、制御部90は、印刷ヘッド16によりスキージングを行う。印刷ヘッド16によるスキージングでは、まず、図示しないペースト供給部が、図27の(a)部に示すように、ステンシル15の上面にペーストPstを供給する。あるいは後述するようにスクレイパユニット17が、掬い取ったペーストPstをステンシル15の上面に下す。そして制御部90は、図27の(b)部に示すように、印刷ヘッド16が有するスキージ42のうちの一方をスキージベース41の下方に下降させる。スキージ42の一方の下端がステンシル15の上面に当接すると、制御部90は、スキージ42をY軸に沿って移動させる。
具体的には制御部90は、第1モータ47を作動させて、スキージベース41をY軸に沿って移動させることによって、図27の(c)部の矢印Fで示すように、スキージ42をY軸に沿って移動させる。スキージングによりスキージ42はステンシル15上を摺動し、ステンシル15上のペーストPstをY軸に沿って掻き寄せる。その結果、ペーストPstはステンシル15に設けられたパターン開口15Kを通じて基板KBの上面の電極パターンに塗布される。
上記のようにして基板KBにペーストPstが塗布されると、制御部90は、多段テーブル12Eを作動させることによって、基板KBをステンシル15から下方に分離させて基板KBを版離れさせる。基板KBが版離れしたら、制御部90は、第2コンベア12Bを作動させて基板KBを第3コンベア12Cに受け渡す。第3コンベア12Cは受け取った基板KBを外部に搬出する。これにより基板KBの1枚当たりの印刷作業が終了する。
次に、ステンシル15をクリーニングする動作について説明する。クリーナ制御部95は、基板KBに対するペーストPstの印刷作業の合間に、ステンシル15の表面(下面)のクリーニング(通常クリーニング)を行う。具体的には、第2クリーニング制御部95bが下面クリーナ23を制御して通常クリーニングを行わせる。ステンシル15の下面のクリーニングを開始するとき、下面クリーナ23は、図4に示すようにステンシル設置位置の前方のクリーナ待機位置に配置されている。クリーナ制御部95は、まず、図7に示す第2モータ67を作動させることによって移動ベース61をY軸に沿って移動させ、移動ベース61を下面クリーナ23に近づける。そして、クリーナ制御部95は、図14に示す第2連結部23Rを作動させることによって、下面クリーナ23を移動ベース61に連結させる。
下面クリーナ23が移動ベース61に連結すると、クリーナ制御部95は、移動ベース61をY軸に沿って移動させて、下面クリーナ23のノズル部NZをステンシル15の下方に位置させる。そしてクリーナ制御部95は、前述の図示しない下面クリーナ昇降部を作動させることによって、クリーニングペーパーPRを介して下面クリーナ23のノズル部NZをステンシル15の下面に当接させる。
クリーニングペーパーPRを介して下面クリーナ23のノズル部NZがステンシル15の下面に当接すると、クリーナ制御部95は、ノズル部NZが空気を吸引するように制御しつつ、移動ベース61をY軸に沿って往復移動させる。具体的にはクリーナ制御部95は、図28の(a)部および図29に示すように、移動ベース61をY軸に沿って後方に移動させた後、図28の(b)部に示すように、移動ベース61をY軸に沿って前方に移動させる。これにより、ステンシル15のパターン開口15Kを通ってステンシル15の裏面に付着したペーストPstがクリーニングペーパーPRによって拭き取られ、ステンシル15の裏面から除去される。通常クリーニングでは、このようなステンシル15の下面のクリーニングが、基板KBに対するペーストPstの印刷作業の合間に行われる。詳細には、ステンシル設置位置に設置したステンシル15に対し、ノズル部NZが、Y軸に沿って1回あるいは2回程度往復する。
このように下面クリーナ23は、クリーニングペーパーPRをステンシル15の表面(下面)に接触させて相対的に往復移動することでステンシル15の表面(下面)に付着したペーストPstを拭き取る。
クリーナ制御部95は、上記の要領で通常クリーニングを行う。これ以外に、クリーナ制御部95は、印刷すべき全ての基板KBに対してペーストPstのスキージングを実行した後には、ステンシル設置位置に設置しているステンシル15に対し、収納前クリーニングを実行する。具体的には、収納前クリーニングでは、第3クリーニング制御部95cが下面クリーナ23を制御して、ステンシル15を念入りにクリーニングさせるとともに、上面クリーナ18を制御して、ステンシル15の上面をクリーニングさせる。
クリーナ制御部95は、収納前クリーニングを行うときは、まず、スクレイパユニット17によって、ステンシル15の上面に残っているペーストPstを掬い取る。ペーストPstを掬い取るときには、クリーナ制御部95は、図13に示す第1モータ47を作動させることによってスキージベース41をY軸に沿って移動させ、スキージベース41をスクレイパユニット17に近づける。そしてクリーナ制御部95は、スキージベース41に設けられた第1連結部41Rを作動させることによって、スクレイパユニット17をスキージベース41に連結させる。
スクレイパユニット17がスキージベース41に連結すると、ペースト回収制御部96が、ステンシル15上のペーストPstを回収する。具体的にはペースト回収制御部96は、スキージベース41のY軸に沿った移動動作と、昇降シリンダ52によるスクレイパ54のZ軸に沿った移動動作とを連動させる。これによってペースト回収制御部96は、ステンシル15上のペーストPstをスクレイパ54に掬い取らせる。具体的には、ペースト回収制御部96はまず、昇降シリンダ52を作動させて、図30の(a)部の矢印D1で示すように、スクレイパ54の先端部をステンシル15の上面に当接させる。このときスクレイパ54の先端部を、ペーストPstの近傍に位置させる。なお、ペーストPstの位置は、直前のスキージングにおいてスキージ42を停止させた位置から認識することができる。
スクレイパ54の先端部がステンシル15の上面に当接すると、ペースト回収制御部96は、図30の(b)部の矢印D2で示すように、スクレイパ54がステンシル15上のペーストPstの下に入り込むようにスキージベース41をY軸に沿って移動させる。スクレイパ54がペーストPstの下に入り込んだら、ペースト回収制御部96は、昇降シリンダ52を作動させて、図30の(c)部の矢印D3で示すように、スクレイパ54を上昇させる。これによりステンシル15上のペーストPstは、スクレイパ54によって掬い取られる。
ペースト回収制御部96がスクレイパユニット17を作動させてペーストPstを回収すると、クリーナ制御部95は、ペーストPstが回収された後のステンシル15の上面をクリーニングするとともに、ステンシル15の下面をクリーニングする。具体的には、上面クリーナ18がステンシル15の上面をクリーニングし、下面クリーナ23がステンシル15の下面をクリーニングする。クリーナ制御部95は、まず、図31の(a)部に示す上面クリーナ昇降部18Kを作動させて、クリーニングペーパーPRを介して上面クリーナ18のノズル部NZをステンシル15の上面に当接させる。
上面クリーナ18のノズル部NZがクリーニングペーパーPRを介してステンシル15の上面に当接すると、クリーナ制御部95は、ノズル部NZが空気を吸引するように制御する。またクリーナ制御部95は、図31の(a)部、(b)部に示す状態を繰り返し、スキージベース41をY軸に沿って往復移動させる。これによりステンシル15の上面に付着したペーストPstはクリーニングペーパーPRによって拭き取られ、ステンシル15の上面から除去される。一方、ステンシル15の下面のクリーニング手順は、前述の通常クリーニングの場合と同様である。
このように、スクリーン印刷装置1は、ステンシル15上のペーストPstを回収するペースト回収部としてのスクレイパユニット17を有している。上面クリーナ18は、スクレイパユニット17によってステンシル15の上面に残っているペーストPstが掬い取られた後、ステンシル15の上面をクリーニングする。また、上面クリーナ18は、クリーニングペーパーPRをステンシル15の表面(上面)に接触させながら、ステンシル15に対して相対的に往復移動することでステンシル15の表面(上面)に付着したペーストPstを拭き取る。
このようにスクリーン印刷装置1では、ペースト回収部としてのスクレイパユニット17によって、ステンシル15上のペーストPstを回収する。そして、上面クリーナ18が、スクレイパユニット17によってペーストPstが回収された後のステンシル15の上面をクリーニングする。そのため、使用済みのステンシル15を再使用可能な状態で回収することができる。
上述の収納前クリーニングでは、クリーナ制御部95は、ステンシル15の下面のクリーニングを、通常クリーニングのときよりも念入りに行う。すなわち、クリーナ制御部95は、下面クリーナ23を、通常クリーニングでは、第1の動作モードで、収納前クリーニングでは第2の動作モードで動作させる。具体的には、下面クリーナ23のステンシル15に対する往復回数を8~10往復とするなど、通常クリーニングのときよりもステンシル15に対する往復回数を多くする。これにより往復移動の総時間、すなわちペーストPstの拭取り時間も長くなる。このようにスクリーン印刷装置1では、収納体72に戻される前のステンシル15に対しては少なくとも通常よりも長い時間をかけてクリーニングすれば、使用済みのステンシル15をより再使用しやすいな状態で回収することができる。
上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニングは、下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニングとは独立して行うことが可能である。しかしながら、上面クリーナ18によるステンシル15の上面のクリーニングを、下面クリーナ23によるステンシル15の下面のクリーニングと同期させて行うことが、クリーニングに要する時間短縮の観点から好ましい。この場合、図31に示すように、上面クリーナ18のノズル部NZと下面クリーナ23のノズル部NZとによってステンシル15を上下から挟み、ステンシル15の上下両面に付着したペーストPstを上下のクリーナによって同時に拭き取ることが好ましい。
前述のように、クリーナ制御部95は、下面クリーナ23を少なくとも第1の動作モードと第2の動作モードのいずれかで動作させてステンシル15の下面のクリーニングを行わせる。収納体72に戻される前のステンシル15に対して、クリーナ制御部95は、下面クリーナ23に、少なくとも第2のモードでクリーニングを行わせる。なお、通常クリーニングにおいても念入りに(すなわち第2の動作モード)でステンシル15の下面をクリーニングしても構わない。但し、スクリーン印刷装置1におけるタクトを考慮すると、通常クリーニングのときは作業時間の短い第1の動作モードでクリーニングを実行することが好ましい。
制御部90は、クリーナ制御部95において、上記の要領によりステンシル15の収納前クリーニングを行うと、ステンシル15をステンシル交換部3に収納する。ステンシル15をステンシル交換部3に収納する手順は、ステンシル15をステンシル交換部3から引き出してステンシル設置位置に設置する手順と逆の手順である。ステンシル15をステンシル交換部3に収納するときには、制御部90は、昇降機73の昇降体81を下限位置から上昇させ、ステンシル15を戻そうとする収納体72の棚部72Sを作業高さHsに配置する。
次に、ステンシル交換部3が第2の運用モードに設定されている場合について説明する。この場合には、作業者が収納体72を収納体セット位置にセットする際、図20の(a)部に示すように、下側センサ75はオフ、上側センサ76はオンになっている。そのため作業者は、タッチパネル77から特別な入力操作を行うことなく、入口71Aから下部空間SP2内に収納体72をセットすることができる。収納体72をセットする作業の間、作業者が誤って作業空間SP1内へ手を差し入れてしまった場合には、上側センサ76がこの動作を物体の進入として検出する。そして、安全制御部97aが、ステンシル移動機構21への動力用電力の供給を停止するので、作業者の安全が確保される。
作業者は、収納体72を下部空間SP2内にセットすえると、タッチパネル77に対し、収納体72の出し入れが終了した旨を入力する。安全制御部97aは、タッチパネル77への入力を検知すると、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替える。すなわち安全制御部97aは、図20の(b)部に示すように、下側センサ75をオフからオンにし、上側センサ76をオンからオフにする。そして、昇降機制御部97は昇降機73を作動させて、図19の(b)部に示すように、収納体72を作業高さHsまで上昇させる。
収納体72が作業高さHsまで上昇され、ステンシル移動機構21によってステンシル15が収納体72に収納されたら、昇降機制御部97は、図19の(a)部に示すように、昇降体81を(すなわち収納体72を)下限位置まで降ろす。昇降機73が収納体72を昇降させている間、作業者が誤って入口71Aに手を差し入れてしまった場合には、下側センサ75がこの動作を物体の進入を検出し、安全制御部97aが昇降機73への動力両電力の供給を停止するので、作業者の安全が確保される。
安全制御部97aは、昇降体81を下限位置まで降ろしたら、下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態を切り替える。そなわち、安全制御部97aは、図20の(a)部に示すように、下側センサ75をオンからオフにし、上側センサ76をオフからオンにする。下側センサ75と上側センサ76のオンオフ状態が切り替えられたら、作業者は、下側センサ75により物体検出がされることなく、入口71Aから筐体71の下部空間SP2から収納体72を取り出しあるいは交換することが可能となる。
このように、第1の運用モードと第2の運用モードのいずれにおいても、作業者が筐体71の入口71Aから収納体72を出し入れ(搬入もしくは搬出)する場面では、作業者が作業空間SP1内に手を差し入れた際に昇降機73への動力用電力の供給が停止される。一方、昇降機73が筐体71内で収納体72を昇降させる場面では、作業者が入口71Aから手を差し入れた際に昇降機73への動力用電力の供給が停止される。そのため作業者の安全が確保される。これら作業者の手の差し入れを検出するセンサのオンオフは、タッチパネル77から作業者自身が作業の状況を入力することにより切り替えられる。このように、筐体71の内部で収納体72を昇降させる構成において、作業者が稼動状態にある機構に手を触れてしまうことが防止され、筐体71への収納体72の出し入れをする作業者の安全を確保することができる。
これまで本開示の実施の形態について説明してきたが、本開示は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、筐体71の内部にセットされた収納体72を昇降させて収納体72内のステンシル15を所定の作業高さに位置させる昇降機73の構成は上述したものに限定されず、他の構成を有していてもよい。また、収納体72からステンシル15を引き出してステンシル設置位置へ移動させ、ステンシル設置位置に位置したステンシル15を移動させて収納体72に戻すステンシル移動機構21は、必ずしも上述した構成でなくてもよい。また、本実施の形態では、ステンシル15を部材として印刷部に供給しているが、これに限定されない。例えば、やすりを部材として研磨機に供給する構成に適用してもよい。すなわち、本開示は、部材を交換する必要が生じる装置に適用可能である。また、収納体移動装置であるステンシル交換部3は、縦型であり、入口71Aの近傍の下部空間SP1の上方に作業空間SP1が設けられている。しかしながら入口と作業空間の配置は縦に限定されない。部材に応じて横配置でもよい。