以下、本開示の実施の形態の1つ(以下、「本実施形態」という。)について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の熱転写システム10を概略的に示す正面図である。
この熱転写システム10は、支持層21と、支持層21の一方の表面上に積層されたインク層22と、を有するインクリボン20を用いて、被転写体100に所望パターンでインクを転写するシステムである。
熱転写システム10は、インクリボン20の送り出し方向の上流側から順に、送出部11と、複数の巻取側ガイドローラ13bと、第1転写装置14と、複数の送出側ガイドローラ13aと、第2転写装置15と、剥離ローラ16と、巻取部12と、を備える。また、熱転写システム10は、送出部11、巻取部12、第1転写装置14及び第2転写装置15を制御する制御部17を備える。
送出部11は、図1の矢印R1で示す方向に回転して、インクリボン20を下流側に送り出す。
複数の送出側ガイドローラ13aは、インクリボン20の搬送方向に間隔を空けて配置され、送出部11から送り出されたインクリボン20の下流側への搬送をガイドする。
第1転写装置14は、送出部11から送り出されたインクリボン20のインク層22のインクを被転写体100に対してID情報等に対応する所定の第1パターンP1で転写する。
第1転写装置14は、第1加熱体141と、プラテンローラ142と、を有する。第1加熱体141は、例えば、通電によって発熱する発熱素子を有する印字ヘッドである。この第1加熱体141は、インクリボン20の支持層21側に配置される。第1加熱体141は、インクリボン20のインク層22のインクを第1パターンP1で加熱し、これによって、インクリボン20のインク層22のインクを被転写体100に対して第1パターンP1で転写する。プラテンローラ142は、搬送されるインクリボン20及び被転写体100を挟んで第1加熱体141に対向して配置され、被転写体100を支持する。
複数の巻取側ガイドローラ13bは、インクリボン20の搬送方向に間隔を空けて配置され、上流側から搬送されてきたインクリボン20の巻取部12への搬送をガイドする。
巻取部12は、図1の矢印R2で示す方向に回転して、第1転写装置14による第1パターンP1の転写がなされたインクリボン20を巻き取る。巻取部12は、例えば、ステッピングモータによって駆動される。
第2転写装置15は、後述のとおり、巻取部12に巻き取られたインクリボン20のうち最外周に位置するインクリボン20のインク層22のインクを、そのインクリボン20よりも内側に位置するインクリボン20の支持層21に対して、攪乱パターンである第2パターンP2で転写する。
剥離ローラ16は、後述のとおり、第2転写装置15による第2パターンP2の転写がなされたインクリボン20がその内側に位置するインクリボン20から剥離された後に巻取部12に巻き取られるようにインクリボン20をガイドする。
制御部17は、例えば、送出部11、巻取部12、第1転写装置14及び第2転写装置15のそれぞれを駆動する駆動部に対して制御信号を出力することで、これらの動作を制御する。
図2は、図1のA領域における第1転写装置14による第1パターンP1の転写がなされたインクリボン20を示す拡大縦断面図である。
インク転写済のインクリボン20において、インク層22は、被転写体100に転写されずに残留しているインク22aと、被転写体100に印字されたID情報等に対応する第1パターンP1のインク抜け部分22bと、からなる。そのため、インク抜け部分22bのパターンに基づいて、被転写体100に印字されたID情報等を特定することが可能となっている。
図3は、本実施形態の熱転写システム10の巻取部12、第2転写装置15及び剥離ローラ16を概略的に示す拡大正面図であり、図1のB領域を示す。
図3に示すように、巻取部12においては、インクリボン20の支持層21がインク層22よりも外側に位置するようにして、インクリボン20が巻き取られる。本明細書では、巻取部12に巻き取られているインクリボン20のうち最外周に位置するインクリボン20を外側インクリボン20Aと称し、外側インクリボン20Aよりも内側で巻取部12に巻き取られ、外側インクリボン20Aに隣接しているインクリボン20を内側インクリボン20Bと称することとする。
第2転写装置15は、巻取部12がインクリボン20を巻き取っているときに、外側インクリボン20Aのインク層22のインクを、内側インクリボン20Bの支持層21に攪乱パターンである第2パターンP2を転写する。
第2転写装置15は、第2加熱体151と、昇降機構152と、を有する。第2加熱体151は、巻取部12の近傍に配置され、昇降機構152によって、図3の矢印R3に示される方向、すなわち、巻取部12に対して近接又は離間する方向に移動自在となっている。そして、第2加熱体151は、巻取部12に対して近接する方向に移動して、外側インクリボン20Aを支持層21側から加熱し、内側インクリボン20Bの支持層21に攪乱パターンである第2パターンP2を転写する。
図4は、第2転写装置15による第2パターンP2の一例を示す図である。図5は、第2転写装置15による第2パターンP2の転写がなされたインクリボン20を模式的に示す縦断面図である。
第2転写装置15による第2パターンP2の転写により、外側インクリボン20Aのインク層22には、第1パターンP1と第2パターンP2とが混在することになる。また、内側インクリボン20Bの支持層21には、第1パターンP1と第2パターンP2とが混在したパターンが転写される。そのため、ID情報等に対応する第1パターンP1からなるインク抜け部分22bのパターンが、認識不可能な程度に破壊されることになる。
第2転写装置15の第2加熱体151は、例えば、一般に端面ヘッドと称されるサーマルヘッドから構成されている。第2加熱体151は、各々独立に駆動され得るよう構成された複数の発熱区画を含むものでもよいし、単一の発熱パターンを有するものでもよい。ただし、インク抜け部分22bのパターンの効果的な破壊のためには、第1パターンP1の態様に応じて第2パターンP2を変更できることが好ましい。その観点から、本発明の第2加熱体151は、各々独立に駆動され得るよう構成された複数の発熱区画を含むものが好ましい。
剥離ローラ16は、巻取部12の近傍の第2転写装置15の下流側に配置され、第2転写装置15による第2パターンP2の転写がなされた外側インクリボン20Aが内側インクリボン20Bから剥離された後に巻取部12に巻き取られるように、外側インクリボン20Aをガイドする。
図5に示すように、外側インクリボン20Aが内側インクリボン20Bから剥離される前の状態では、第2パターンP2により内側インクリボン20Bに転写されたインクは、外側インクリボン20Aのインク層22におけるそのインクが抜けた部分に接した状態にある。この状態では、外側インクリボン20Aのインク層22は、第2パターンのインク抜けがない状態と同様、第1パターンP1に対応するインク抜け部分22bの視認が可能となるおそれがある。
この問題に対応するため、剥離ローラ16は、第2転写装置15による第2パターンP2の転写後であって、外側インクリボン20Aが巻取部12により巻き取られる前に、外側インクリボン20Aを内側インクリボン20Bから剥離するものとなっている。また、この構成により、本実施形態の熱転写システム10は、第2転写装置15による第2パターンP2の転写後に、外側インクリボン20Aのインク層22において第1パターンP1に対応するインク抜け部分22bの視認が可能な状態が生じないものとなっている。
次に、本実施形態の熱転写システム10にインクリボン20をセットする方法について説明する。
本実施形態の熱転写システム10は、少なくとも、第1転写装置14と、第2転写装置15と、を保持する本体と、剥離ローラ16を保持するとともに、熱転写システム10の本体に着脱自在にセットされるインクリボンカセット30と、をさらに備える。そして、熱転写システム10へのインクリボン20のセットは、インクリボン20をインクリボンカセット30にセットし、そのインクリボンカセット30を熱転写システム10の本体にセットすることにより行われる。
図6は、本実施形態のインクリボンカセット30を示す斜視図であり、剥離ローラ16が装着位置をとっている状態を示す。図7は、本実施形態のインクリボンカセット30を示す斜視図であり、剥離ローラ16が退避位置をとっている状態を示す。図8は、本実施形態のインクリボンカセット30を示す斜視図であり、インクリボン20がセットされた状態を示す。
なお、図6から図8と図1とでは、上下関係が逆になっている。つまり、図6から図8に示すインクリボンカセット30は、図6から図8における上側が図1においては下側になるように熱転写システム10にセットされる。
インクリボンカセット30は、送出側ボビン装着部31と、巻取側ボビン装着部32と、送出側ガイドローラ13aと、巻取側ガイドローラ13bと、剥離ローラ16と、を有している。送出側ボビン装着部31は、インクリボン20の送出側ボビン23aが装着される部分であり、巻取側ボビン装着部32は、インクリボン20の巻取側ボビン23bが装着される部分である。
剥離ローラ16は、インクリボンカセット30内において、インクリボン20をガイドする装着位置と、インクリボン20から退避した退避位置と、をとるように構成される。
図示された例では、剥離ローラ16は、その一端である第1端部16aが、インクリボンカセット30本体の剥離ローラ枢着部33に回動自在に枢着され、その他端である第2端部16bが、剥離ローラ係止部34に着脱自在に係止されるように構成されている。そして、剥離ローラ16は、第2端部16bがインクリボンカセット30の剥離ローラ係止部34に係止されているときに装着位置をとることになる。
図9Aから図9Eは、本実施形態のインクリボンカセット30にインクリボン20をセットする手順を示す正面図である。
インクリボンカセット30にインクリボン20をセットする際、まず、図9A及び図9Bに示すように、剥離ローラ16が退避位置をとるようにした状態で、インクリボン20の送出側ボビン23aを送出側ボビン装着部31に装着し、インクリボン20を送出側ガイドローラ13a及び巻取側ガイドローラ13bの上側に通して、巻取側ボビン23bを剥離ローラ16の下側の位置まで持って行く。
次に、図9Cに示すように、剥離ローラ16の第2端部16bをインクリボンカセット30の剥離ローラ係止部34に係止させて、剥離ローラ16を装着位置とし、インクリボン20が剥離ローラ16の内側を通っている状態とする。なお、剥離ローラ16の内側とは、インクリボンカセット30の内部に向かう側のことをいうこととする。
次に、図9Dに示すように、巻取側ボビン23bを剥離ローラ16の外側を通して、巻取側ボビン装着部32の入り口付近のインクリボン20に接触する位置まで持って行く。なお、剥離ローラ16の外側とは、インクリボンカセット30の外部に向かう側のことをいうこととする。
最後に、図9Eに示すように、巻取側ボビン23bを、そのインクリボン20に接触した状態のまま、巻取側ボビン装着部32に装着する。
このように、本実施形態のインクリボンカセット30を用いれば、インクリボン20を巻取部12及び剥離ローラ16に容易にセットできる。
次に、第1の変形例(以下、「変形例1」という。)の熱転写システム10について説明する。
変形例1の熱転写システム10は、剥離ローラ16が、インクリボンカセット30ではなく、熱転写システム10の本体に設けられたものとなっている。つまり、変形例1の熱転写システム10は、少なくとも、第1転写装置14と、第2転写装置15と、剥離ローラ16と、を保持する本体と、熱転写システム10の本体に着脱自在にセットされるインクリボンカセット30と、をさらに備える。変形例1の熱転写システム10のその他の構成は、基本的に、本実施形態の熱転写システム10と同じである。
図10Aから図10Cは、変形例1の熱転写システム10において、剥離ローラ16をセットする手順を示す正面図である。図10Aは、剥離ローラ16が初期位置にある状態を示し、図10Bは、剥離ローラ16を移動させている途中の状態を示し、図10Cは、剥離ローラ16が稼働位置にある状態を示している。
図10Aから図10Cに示すように、変形例1の熱転写システム10では、インクリボンカセット30を熱転写システム10の本体にセットした後、熱転写システム10の本体に保持された剥離ローラ16を、初期位置から稼働位置まで移動させることによって、インクリボン20の熱転写システム10へのセットを完了させる。
ここで、初期位置は、インクリボン20から離間する位置であり、稼働位置は、外側インクリボン20Aが内側インクリボン20Bから剥離されて、再度、巻取部12に巻き取られるように外側インクリボン20Aをガイドする位置である。剥離ローラ16は、初期位置から稼働位置まで、外側インクリボン20Aと巻取部12との間を巻取部12の巻取方向と同じ方向R4に沿って移動するように構成されている。
つまり、変形例1の熱転写システム10の剥離ローラ16は、インクリボンカセット30が熱転写システム10の本体にセットされた状態で、インクリボン20から離間する初期位置から、外側インクリボン20Aが内側インクリボン20Bから剥離されて、再度、巻取部12に巻き取られるように外側インクリボン20Aをガイドする稼働位置まで、移動可能に構成されている。
図11は、変形例1の熱転写システム10のインクリボンカセット30を示す正面図である。
図11に示すように、変形例1のインクリボンカセット30は、剥離ローラ16が通過可能な剥離ローラ通過部35を有している。図示された例では、剥離ローラ通過部35は、インクリボンカセット30本体の正面側の側壁に設けられた円弧状の溝として構成されている。しかし、変形例1の剥離ローラ通過部35は、剥離ローラ16が通過可能であればよく、この構成に限定されない。
剥離ローラ16の初期位置から稼働位置までの移動は、手動で行うものであってもよいし、インクリボンカセット30の熱転写システム10の本体へのセットを検知して自動でなされるものであってもよい。剥離ローラ16の移動が自動でなされる場合には、熱転写システム10の制御部17は、さらに剥離ローラ16の移動を制御するものとなる。
このように、変形例1の熱転写システム10によれば、容易に、インクリボン20が巻取部12及び剥離ローラ16にセットされた状態にできる。
以上で述べたように、本実施形態及び変形例1の熱転写システム10は、第2転写装置15による第2パターンP2の転写の直後に外側インクリボン20Aを内側インクリボン20Bから剥離するものとなっている。このような熱転写システム10によれば、秘匿すべき情報の漏洩を適切に防止できる。
さて、上述の本実施形態の熱転写システム10においては、インクリボン20を熱転写システム10に装填する際に、インクリボン20が剥離ローラ16に係合している状態とする必要がある。このことから、熱転写システム10に装填されたインクリボン20が剥離ローラ16に係合していないときは、そのインクリボン20は、熱転写システム10に誤装填されていることになる。
そのため、本実施形態の熱転写システム10は、このインクリボン20が剥離ローラ16に係合しない、インクリボン20の誤装填を検知する誤装填検知システム40をさらに備えていることが好ましい。
以下、この誤装填検知システム40の第1の例(以下、「実施例1」という。)及び第2の例(以下、「実施例2」という。)について説明する。
まず、実施例1の誤装填検知システム40について説明する。
図12A及び図12Bは、実施例1の誤装填検知システム40を示す正面図である。図12Aは、新品のインクリボン20が正しく装填されている状態を示し、図12Bは、新品のインクリボン20が誤装填されている状態を示す。
また、図13は、誤装填検知システム40を備える熱転写システム10において用いられるインクリボン20を模式的に示す縦断面図である。
実施例1の誤装填検知システム40は、第1検知部41と、巻取直径検出部44と、通知部45と、を有する。この誤装填検知システム40は、制御部46により制御される。なお、誤装填検知システム40は、熱転写システム10の制御部17によって制御されるものであってもよい。
実施例1の誤装填検知システム40を備える熱転写システム10に用いられるインクリボン20は、インクリボン本体20Xと、インクリボン本体20Xの端部に接続されたリードフィルム20Yと、を有する。巻取側ボビン23bには、リードフィルム20Yが接続される。
リードフィルム20Yは、透明な基材層21からなり、インク層22を有しない。そして、新品のインクリボン20を熱転写システム10に装填した後、巻取部12がインクリボン20を巻き取るとき、巻取部12は、剥離ローラ16にリードフィルム20Yを係合させながら、インクリボン20をリードフィルム20Y側から巻き取ることになる。
なお、インクリボン20は、インクリボン本体20Xの他方の端部に接続されたエンドフィルム(図示を省略)を有していてもよい。この場合、送出側ボビン23aには、エンドフィルムが接続される。
第1検知部41は、送出部11と巻取部12との間に配置されており、インクリボン20が正しく装填されているとき、インクリボン本体20Xを検知し、インクリボン20が誤装填されているとき、リードフィルム20Yを検知する。
つまり、実施例1の誤装填検知システム40は、第1検知部41がリードフィルム20Yを検知したとき、インクリボン20の誤装填を検知することになる。
具体的には、第1検知部41は、インクリボン20の装填時において、図12Aに示すように、インクリボン20が剥離ローラ16に係合しているとき、インクリボン本体20Xを検知する。また、第1検知部41は、インクリボン20の装填時において、図12Bに示すように、インクリボン20が剥離ローラ16に係合していないとき、リードフィルム20Yを検知する。
ここで、第1検知部41の位置及びリードフィルム20Yの長さは、第1検知部41が上述のとおりにインクリボン本体20X及びリードフィルム20Yを検知するように調整されている。
第1検知部41は、例えば、インクリボン20が通過する領域を横切る光路を有するフォトセンサにより構成される。そして、フォトセンサの光路がインクリボン本体20Xを横切るとき、フォトセンサからの光はインク層22によって遮断される。一方、フォトセンサの光路がリードフィルム20Yを横切るとき、フォトセンサからの光は透明な基材層21のみからなるインクリボン20を透過することになる。これにより、第1検知部41は、インクリボン本体20X及びリードフィルム20Yを検知する。
図示された例では、第1検知部41は、送出部11と第1転写装置14との間に配置されている。このような配置では、第1検知部41は、第1転写装置14での転写に用いるインクリボン本体20Xの存在を検知するための検知部を兼ねることができる。この場合、第1検知部41がインクリボン本体20Xを検知しているとき、第1転写装置14での転写に用いるインクリボン20が残っていると判定され、第1検知部41がエンドフィルム(図示を省略)を検知したとき、第1転写装置14での転写に用いるインクリボン本体20Xが残っていないと判定されることになる。
また、第1検知部41は、その配置される場所にかかわらず、熱転写システム10の稼働中におけるインクリボン20の切断を検知するための検知部を兼ねることもできる。この場合、熱転写システム10の稼働中に第1検知部41がインクリボン本体20Xを検知しなくなったとき、インクリボン20の切断が生じたと判定されることになる。
巻取直径検出部44は、巻取部12におけるインクリボン20の巻取直径Dを検出する。この巻取直径検出部44は、一部巻取済みのインクリボン20が装填されたことを検知するために設けられている。一部巻取済みのインクリボン20とは、インクリボン20の一部が巻取側ボビン23bに巻き取られた状態にあるものをいう。
図14は、実施例1の誤装填検知システム40において、一部巻取済みのインクリボン20が誤装填されている状態を示す正面図である。
熱転写システム10にインクリボン20を装填するとき、一部巻取済みのインクリボン20が装填される可能性がある。このとき、図14に示すように、一部巻取済みのインクリボン20が剥離ローラ16に係合されることなく装填されたとしても、つまり、一部巻取済みのインクリボン20が誤装填されたとしても、第1検知部41は、インクリボン本体20Xを検知することになる。このことから、第1検知部41のみでは、一部巻取済みのインクリボン20が誤装填されたとき、インクリボン20の誤装填を検知できない。
そこで、実施例1の誤装填検知システム40は、巻取直径検出部44により検出された巻取直径Dから、装填されたインクリボン20が新品のものであるか否かを判定するように構成されている。
具体的には、実施例1の誤装填検知システム40は、巻取直径Dが所定値以下であるとき、装填されたインクリボン20が新品であると判定し、巻取直径Dが所定値より大きいとき、装填されたインクリボン20が一部巻取済みであると判定する。この所定値は、巻取側ボビン23bの直径及びインクリボン20の厚さなどから、適宜設定される。
そして、実施例1の誤装填検知システム40は、巻取直径Dが所定値以下であり、第1検出部41がインクリボン本体20Xを検知するとき、新品のインクリボン20が正しく装填されていると判定する。また、実施例1の誤装填検知システム40は、巻取直径Dが所定値以下であり、第1検出部41がリードフィルム20Yを検知するとき、新品のインクリボン20が誤装填されていると判定する。また、実施例1の誤装填検知システム40は、巻取直径Dが所定値より大きいとき、一部巻取済みのインクリボン20が装填されていると判断する。
巻取直径検出部44は、例えば、インクリボン20の装填時に実行されるイニシャル処理における巻取部12の回転速度を測定し、その回転速度から巻取直径Dを検出する。
イニシャル処理とは、インクリボン20のゆるみを解消するために、インクリボン20の巻き取り及び巻き戻しを一定回数繰り返す処理である。第2転写装置15を備える本実施形態の熱転写システム10においては、新品のインクリボン20が装填されたとき、イニシャル処理の最後に、巻取部12が所定の長さのインクリボン20を巻き取って、巻取部12にクッション層を形成する処理を行う。これにより、第2転写装置15による第2パターンの転写がなされる部分にクッション性を持たせることができ、第2パターンを綺麗に転写できるようになる。
そして、実施例1の誤装填検知システム40の備える熱転写システム10は、誤装填検知システム40が新品のインクリボン20が正しく装填されていると判定したとき、イニシャル処理の最後に、巻取部12が所定の長さのインクリボン20を巻き取ってクッション層を形成する処理を行うものとなっている。
なお、巻取直径検出部44の構成は、上述のものに限定されない。例えば、巻取直径検出部44は、巻取部12に巻き取られたインクリボン20の表面の位置を測定し、その位置から巻取直径Dを検出するものであってもよい。また、実施例1の誤装填検知システム40は、この巻取直径検出部44を有しないものであってもよい。但し、巻取直径検出部44を有する誤装填検知システム40は、一部巻取済みのインクリボン20が装填されたことを検知できるという利点を有する。
通知部45は、インクリボン20の誤装填を通知する。例えば、通知部45は、インクリボン20の誤装填を検知したときに点灯するLED、インクリボン20の誤装填を検知した旨を表示するディスプレイ、又は、インクリボン20の誤装填を検知したときに警報音を発するスピーカなどとして構成される。通知部45は、インクリボン20の誤装填に加えて、前述の一部巻取済みのインクリボン20が装填されたことを通知するものであってもよい。
なお、実施例1の誤装填検知システム40は、この通知部45を有しないものであってもよい。例えば、実施例1の誤装填検知システム40は、インクリボン20の誤装填等を検知したとき、インクリボン20の誤装填等の信号を外部の装置に送信するように構成されたものであってもよい。
以上で述べたように、実施例1の誤装填検知システム40は、インクリボン20の装填時において、インクリボン20が剥離ローラ16に係合しているとき、インクリボン本体20Xを検知し、インクリボン20が剥離ローラ16に係合していないとき、リードフィルム20Yを検知する第1検知部を有する。このような誤装填検知システム40を備える熱転写システム10によれば、インクリボン20の誤装填を効果的に防止できる。
次に、実施例2の誤装填検知システム40について説明する。
図15A及び図15Bは、実施例2の誤装填検知システム40を示す正面図である。図15Aは、新品のインクリボン20が正しく装填されている状態を示し、図15Bは、新品のインクリボン20が誤装填されている状態を示す。
実施例2の誤装填検知システム40は、第2検知部42と、第3検知部43と、通知部45と、を有する。この誤装填検知システム40は、制御部46により制御される。なお、誤装填検知システム40は、熱転写システム10の制御部17によって制御されるものであってもよい。
実施例2の誤装填検知システム40を備える熱転写システム10に用いられるインクリボン20は、実施例1の誤装填検知システム40を備える熱転写システム10に用いられるインクリボン20と同じ構成を有する。
第2検知部42は、巻取部12と剥離ローラ16との間に配置され、巻取部12と剥離ローラ16との間を通過するインクリボン20を検知する。
図15Aに示すように、インクリボン20が正しく装填されているとき、巻取部12と剥離ローラ16との間をインクリボン20が通過することになるので、第2検知部42は、インクリボン20を検知する。一方、図15Bに示すように、インクリボン20が誤装填されているとき、巻取部12と剥離ローラ16との間をインクリボン20が通過するこがないので、第2検知部42は、インクリボン20を検知しない。
つまり、実施例2の誤装填検知システム40は、第2検知部42がインクリボン20を検知しないとき、インクリボン20の誤装填を検知することになる。
第2検知部42は、例えば、超音波センサ、接触式センサなど、物体の存在を検出する任意のセンサにより構成される。
また、第2検知部42は、熱転写システム10の稼働中におけるインクリボン20の切断を検知するための検知部を兼ねることもできる。この場合、熱転写システム10の稼働中に第2検知部42がインクリボン20を検知しなくなったとき、インクリボン20の切断が生じたと判定されることになる。
第3検知部43は、送出部11と巻取部12との間に配置されており、インクリボン20の装填時において、新品のインクリボン20が装填されているとき、リードフィルム20Yを検知し、一部巻取済みのインクリボン20が装填されているとき、インクリボン本体20Xを検知する。第3検知部43は、新品のインクリボン20が正しく装填されている場合であってもリードフィルム20Yを検知する点において、前述の第1検知部41と異なっている。
図16Aは、実施例2の誤装填検知システム40において、一部巻取済みのインクリボン20が正しく装填されている状態を示す正面図である。図16Bは、実施例2の誤装填検知システム40において、一部巻取済みのインクリボン20が誤装填されている状態を示す正面図である。
前述のとおり、熱転写システム10にインクリボン20を装填するとき、一部巻取済みのインクリボン20が装填される可能性がある。実施例2の誤装填検知システム40は、第3検知部43により、この一部巻取済みのインクリボン20の装填を検知できる。
第3検知部43の具体的な構成は、第1検知部41と同様であるが、第3検知部43の位置及びリードフィルム20Yの長さは、第3検知部43が、新品のインクリボン20が装填されているとき、リードフィルム20Yを検知し、一部巻取済みのインクリボン20が装填されているとき、インクリボン本体20Xを検知するように調整されている。
図示された例では、第3検知部43は、送出部11と第1転写装置14との間に配置されている。このような配置では、第3検知部43は、第1転写装置14での転写に用いるインクリボン本体20Xの存在を検知するための検知部を兼ねることができる。この場合、第3検知部43がインクリボン本体20Xを検知しているとき、第1転写装置14での転写に用いるインクリボン20が残っていると判定され、第3検知部43がエンドフィルム(図示を省略)を検知したとき、第1転写装置14での転写に用いるインクリボン本体20Xが残っていないと判定されることになる。
また、第3検知部43は、その配置される場所にかかわらず、熱転写システム10の稼働中におけるインクリボン20の切断を検知するための検知部を兼ねることもできる。この場合、熱転写システム10の稼働中に第3検知部43がインクリボン本体20Xを検知しなくなったとき、インクリボン20の切断が生じたと判定されることになる。
実施例2の誤装填検知システムは、第3検知部43がリードフィルム20Yを検知し、第2検知部42がインクリボン20を検知するとき、新品のインクリボン20が正しく装填されていると判定する。また、実施例2の誤装填検知システムは、第3検知部43がリードフィルム20Yを検知し、第2検知部42がインクリボン20を検知しないとき、新品のインクリボン20が誤装填されていると判定する。
また、実施例2の誤装填検知システムは、第3検知部43がインクリボン本体20Xを検知し、第2検知部42がインクリボン20を検知するとき、一部巻取済みのインクリボン20が正しく装填されていると判定する。また、実施例2の誤装填検知システムは、第3検知部43がインクリボン本体20Xを検知し、第2検知部42がインクリボン20を検知しないとき、一部巻取済みのインクリボン20が誤装填されていると判定する。
そして、実施例2の誤装填検知システム40の備える熱転写システム10は、誤装填検知システム40が新品のインクリボン20が正しく装填されていると判定したとき、前述のイニシャル処理の最後に、巻取部12が所定の長さのインクリボン20を巻き取ってクッション層を形成する処理を行うものとなっている。
なお、実施例2の誤装填検知システム40は、この第3検知部43を有しないものであってもよい。但し、第3検知部43を有する誤装填検知システム40は、新品のインクリボン20の装填及び一部巻取済みのインクリボン20の装填を検知できるという利点を有する。
通知部45は、インクリボン20の誤装填を通知する。通知部45の具体的構成は、実施例1の誤装填検知システム40の通知部45と同様である。通知部45は、インクリボン20の誤装填に加えて、前述の新品のインクリボン20の装填及び一部巻取済みのインクリボン20の装填を通知するものであってもよい。
なお、実施例2の誤装填検知システム40は、この通知部45を有しないものであってもよい。例えば、実施例2の誤装填検知システム40は、インクリボン20の誤装填等を検知したとき、インクリボン20の誤装填等の信号を外部の装置に送信するように構成されたものであってもよい。
以上で述べたように、実施例2の誤装填検知システム40は、巻取部12と剥離ローラ16との間に配置され、巻取部12と剥離ローラ16との間を通過するインクリボン20を検知する第2検知部を有する。このような誤装填検知システム40を備える熱転写システム10によれば、インクリボン20の誤装填を効果的に防止できる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲内において、種々の変更を加えることができる。