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JP7610095B2 - 高分子原材料データ解析装置および高分子原材料データ解析方法 - Google Patents
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JP7610095B2 - 高分子原材料データ解析装置および高分子原材料データ解析方法 - Google Patents

高分子原材料データ解析装置および高分子原材料データ解析方法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子原材料の物性の特定に利用される高分子原材料データ解析装置および高分子原材料データ解析方法に関し、特に、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を特定する高分子原材料データ解析装置および高分子原材料データ解析方法に関する。
現在、質量分析装置、ガスクロマトグラフ(GC)、液体クロマトグラフ(LC)、分光測定装置、蛍光X線分析装置、核磁気共鳴装置(NMR)等の各種分析装置で得られたデータを多変量解析して、分析装置から得られたデータから、特定の物質の組成または構造等の特定することが試みられている。
一方で、特定の物質の機械特性および化学的性質等から組成または構造等のミクロ構造を予測することも試みられている。
例えば、特許文献1には、物質構造の探索方法が記載されている。特許文献1では、探索すべき材料の候補について、(イ)イメージによる実測またはシミュレーションにより得られた材料の反射、透過、散乱の少なくとも1つに関するデータをデータベース化し、(ロ)分析法による実測またはシミュレーションから決定、または、推定された当該材料の構造のデータをデータベース化し、(ハ)物性による実測またはシミュレーションにより得られた特性について、実際の測定または計算機シミュレーションによりデータをデータベース化し、(ニ)上記データの相互の紐づけを含んで蓄積した関連付け可能な相互関連情報をデータベース化し、上記(イ)から(ニ)までのデータベースを用いて、探索すべき材料に近いイメージ(イ)、構造(ロ)、物性(ハ)の何れかまたはそれらの組合せを、互いの情報距離情報(ニ)により、判定または抽出することが記載されている。特許文献1の物質構造の探索方法には、更に、材料を規定する原子、分子組成、結晶性、配向性、テクスチャ、混合比を含む材料変数群に対して、探索すべき材料に至る最も有効な材料変数の組を算出することを含むことが記載されている。
国際公開第2018/025618号
上述の特許文献1に記載の物質構造の探索方法のように、材料を規定する原子、分子組成、結晶性、配向性、テクスチャ、混合比を含む材料変数群に対して、探索すべき材料に至る最も有効な材料変数の組を算出することが試みられている。しかしながら、材料を規定する上述の材料変数群等の構造情報から、探索すべき材料への予測精度が十分ではなく、さらなる予測精度の向上が望まれている。
本発明の目的は、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を高い予測精度で予測する高分子原材料データ解析装置および高分子原材料データ解析方法を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、複数種類の高分子原材料において、高分子原材料毎に構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する学習モデル作成部と、学習モデルを実行する演算部と、演算部による学習モデルの結果を判定する判定部とを有し、学習モデル作成部は、判定部において所定の判定条件を満たすと判定されるまで、学習モデルを繰り返し作成し、判定条件を満たす学習モデルから、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成するものであり、演算部は、予測モデルを用いて、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する、高分子原材料データ解析装置を提供するものである。
本発明の第2の態様は、複数種類の高分子原材料において、高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、複数種類の高分子原材料の構造情報に対して、クラスタリング処理を実施する処理部と、クラスタリング処理により得られた、クラスタ毎に、高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する学習モデル作成部と、クラスタ毎に作成された学習モデルを実行する演算部と、演算部によるクラスタ毎に作成された学習モデルの結果を判定する判定部とを有し、学習モデル作成部は、判定部において所定の判定条件を満たすと判定されるまで、学習モデルを繰り返し作成し、判定条件を満たす学習モデルから、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成するものであり、演算部は、予測モデルを用いて、高分子原材料の構造情報とから、高分子原材料の物性情報を予測する、高分子原材料データ解析装置を提供するものである。
学習モデル作成部は、高分子原材料の構造情報に基づいて、学習モデルを変えることが好ましい。
高分子原材料のデータセットを作成するデータ設定部を有し、複数種類の高分子原材料について、構造情報を取得し、構造情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにし、かつ複数種類の高分子原材料について、特性情報を取得し、特性情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにするものであり、さらに、構造情報のデータベースにおいて、複数種類の高分子原材料のうち、同一の高分子原材料について、構造情報を1つに集約することが好ましい。
高分子原材料の構造情報と、高分子原材料の特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、高分子原材料の構造情報と物性情報とを用い相関分析により相関係数を求める算出部を有し、学習モデル作成部は、相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成することが好ましい。
算出部は、相関分析により、複数の相関係数を求め、かつ複数の相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効とし、学習モデル作成部は、有効な相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成することが好ましい。
高分子原材料は、ジエン系ゴムであることが好ましい。
ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴムもしくはブタジエンゴム、またはジエン系ゴムブレンドであり、スチレンブタジエンゴムブレンドもしくはスチレンブタジエンゴム/ブタジエンゴムブレンドであることが好ましい。
高分子原材料の構造情報は、分析装置を用いた実測値、またはシミュレーションもしくは機械学習により得られた値であり、高分子原材料の物性情報は、材料試験による実測値、またはシミュレーションにより得られた値であることが好ましい。
本発明の第3の態様は、複数種類の高分子原材料において、高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する工程と、学習モデルを実行し、学習モデルの結果が所定の判定条件を満たすと判定されるまで、学習モデルを繰り返し作成する工程と、判定条件を満たす学習モデルから、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成する工程と、予測モデルを用いて、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する工程と、を有する、高分子原材料データ解析方法を提供するものである。
本発明の第4の態様は、複数種類の高分子原材料において、高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、複数種類の高分子原材料の構造情報に対して、クラスタリング処理を実施する工程と、クラスタリング処理により得られた、クラスタ毎に高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する工程と、学習モデルを実行し、学習モデルの結果が所定の判定条件を満たすと判定されるまで、学習モデルを繰り返し作成する工程と、判定条件を満たす学習モデルから、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成する工程と、予測モデルを用いて、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する工程と、を有する、高分子原材料データ解析方法を提供するものである。
学習モデルを作成する工程は、高分子原材料の構造情報に基づいて、学習モデルを変えることが好ましい。
高分子原材料のデータセットを作成する工程を有し、高分子原材料のデータセットを作成する工程は、複数種類の高分子原材料について、構造情報を取得し、構造情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにする工程と、複数種類の高分子原材料について、特性情報を取得し、特性情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにする工程と、構造情報のデータベースにおいて、複数種類の高分子原材料のうち、同一の高分子原材料について、構造情報を1つに集約する工程とを有することが好ましい。
高分子原材料の構造情報と、高分子原材料の特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、高分子原材料の構造情報と物性情報とを用い相関分析により相関係数を求める工程、を有し、学習モデルを作成する工程は、相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する工程であることが好ましい。
相関係数を求める工程は、相関分析により、複数の相関係数を求め、かつ複数の相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効とし、学習モデルを作成する工程は、有効な相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成することが好ましい。
高分子原材料は、ジエン系ゴムであることが好ましい。
ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴムもしくはブタジエンゴム、またはジエン系ゴムブレンドであり、スチレンブタジエンゴムブレンドもしくはスチレンブタジエンゴム/ブタジエンゴムブレンドであることが好ましい。
高分子原材料の構造情報は、分析装置を用いた実測値、またはシミュレーションもしくは機械学習により得られた値であり、高分子原材料の物性情報は、材料試験による実測値、またはシミュレーションにより得られた値であることが好ましい。
本発明によれば、高分子原材料の構造情報から、高い予測精度で高分子原材料の物性情報を予測できる。
本発明の実施形態の高分子原材料データ解析装置の一例を示す模式図である。 高分子原材料の構造情報と物性情報との関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第1の例を工程順に示すフローチャートである。 本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第1の例の変形例を工程順に示すフローチャートである。 本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第2の例を工程順に示すフローチャートである。 本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第2の例の変形例を工程順に示すフローチャートである。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の高分子原材料データ解析方法、およびタイヤモデル作成装置を詳細に説明する。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
[高分子原材料データ解析装置]
図1は本発明の実施形態の高分子原材料データ解析装置の一例を示す模式図である。
高分子原材料データ解析装置10は、コンピューター等のハードウェアを用いて構成される。高分子原材料データ解析方法には、例えば、図1に示す解析装置10が用いられるが、高分子原材料データ解析方法をコンピューター等のハードウェアおよびソフトウェアを用いて実行することができれば高分子原材料データ解析装置10に限定されるものではなく、高分子原材料データ解析方法の各工程を手順としてコンピューター等に実行させるためのプログラムでもよい。また、高分子原材料データ解析装置10は図1に示す構成に限定されるものではない。以下、高分子原材料データ解析装置10のことを、単に解析装置10ともいう。
解析装置10は、処理部12と、入力部14と、表示部16とを有する。処理部12は、取得部20、データ設定部21、処理部22、算出部23、学習モデル作成部24、演算部25、判定部26.表示制御部27、メモリ28、および制御部29を有する。解析装置10は、この他に図示はしないがROM等を有する。
処理部12は、制御部29により制御される。また、処理部12において取得部20、データ設定部21、処理部22、算出部23、学習モデル作成部24、演算部25、判定部26.および表示制御部27はメモリ28に接続されており、取得部20、データ設定部21、処理部22、算出部23、学習モデル作成部24、演算部25、判定部26.表示制御部27のデータはメモリ28に記憶することができる。
解析装置10は、ROM等に記憶されたプログラム(コンピュータソフトウェア)を、制御部29で実行することにより、取得部20、データ設定部21、処理部22、算出部23、学習モデル作成部24、演算部25、および判定部26の各部を機能的に形成する。解析装置10は、上述のように、プログラムが実行されることで各部位が機能するコンピューターによって構成されてもよいし、各部位が専用回路で構成された専用装置であってもよい。
解析装置10は、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を高い予測精度で予測することを目的とするものである。解析装置10は、例えば、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムについて、シス、トランス、ビニル、スチレンの割合等の物性情報を実測して求める。実測されたシス、トランス、ビニル、スチレンの割合を用いて、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムの弾性率、ガラス転移温度等の物性情報を高い予測精度で予測する。
以下、解析装置10の各部について説明する。
入力部14は、マウスおよびキーボード等の各種情報をオペレータの指示により入力するための各種の入力デバイスである。表示部16は、例えば、高分子原材料データ解析方法で得られた結果等を表示するものであり、公知の各種のディスプレイが用いられる。また、表示部16には各種情報を出力媒体に表示するためのプリンタ等のデバイスも含まれる。
取得部20には、複数種類の高分子原材料について、高分子原材料の構造情報および高分子原材料の物性情報が、例えば、入力部14により、解析装置10の外部から入力されて保持される。取得部20に保持された、上述の複数種類の高分子原材料の構造情報および高分子原材料の物性情報はデータ設定部21に読み出される。
データ設定部21は、高分子原材料のデータセットを作成するものである。高分子原材料のデータセットはメモリ28に記憶させる。
高分子原材料のデータセットは、複数種類の高分子原材料において、高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するものである。この高分子原材料のデータセットを学習モデルに入力して、高分子原材料の物性情報と高分子原材料の構造情報との関係を学習させる。
データ設定部21は、複数種類の高分子原材料について、構造情報を取得し、構造情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにする。かつ複数種類の高分子原材料について、特性情報を取得し、特性情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにする。
上述の高分子原材料の構造情報とは、分析装置を用いた実測値、またはシミュレーションもしくは機械学習により得られた値である。分析装置は、例えば、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定されたものである。
上述の高分子原材料の物性情報は、材料試験による実測値、またはシミュレーションにより得られた値である。
なお、構造情報は、スペクトル情報から予測することができる。例えば、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムについて、NMRスペクトルまたはNMRの化学シフト等の一次元スペクトル情報を実測して求めることができる。
ここで、スペクトル情報と構造情報とは、例えば、複数種類の高分子原材料について、それぞれ実測された一次元スペクトル情報を取得する工程と、一次元スペクトル情報を、高分子原材料毎に正規化する工程と、複数種類の高分子原材料について、それぞれ組成情報と、少なくとも1つの構造情報とを取得し、複数種類の高分子原材料の構造情報毎に正規化する工程と、複数の高分子原材料の正規化された一次元スペクトル情報と、複数の高分子原材料の正規化された構造情報とを用い相関分析により相関係数を算出する工程と、相関係数の算出に用いた一次元スペクトル情報を説明変数とし、高分子原材料の組成情報および構造情報のうち、少なくとも1つを目的変数とした学習モデルを作成する工程とを実行する。さらに、学習モデルを実行し、学習モデルの結果が所定の判定条件を満たすと判定されるまで、学習モデルを繰り返し作成する工程と、判定条件を満たす学習モデルに基づいて、一次元スペクトル情報を用いて、高分子原材料の構造および組成のうち、少なくとも1つを予測する。このようにして、スペクトル情報から構造情報を予測することができる。
上述のようにデータベースを作成する場合、同一の高分子原材料の構造情報等が複数ある場合がある。このとき、分析装置等に違いにより、同一の高分子原材料であっても、構造情報が同じとは限らない。
データ設定部21は、さらに、構造情報のデータベースにおいて、複数種類の高分子原材料のうち、同一の高分子原材料について、構造情報を1つに集約する。構造情報を1つに集約する方法としては、例えば、平均値を用いる方法、データ数によって採用する値を決める方法等を用いることができる。
処理部22は、複数種類の高分子原材料において、高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、複数種類の高分子原材料の構造情報に対して、クラスタリング処理を実施するものである。なお、クラスタリング処理を実施しない場合、処理部22は不要である。
クラスタリング処理としては、例えば、上述の高分子原材料のデータセットを用いた、教師なし学習が挙げられる。教師なし学習には、例えば、k-means法が用いられる。クラスタリング処理により、同一の高分子原材料毎に、すなわち、クラスタ毎に構造情報が分類される。クラスタリング処理により、高分子原材料の構造情報のうち、予測により重要なものを抽出できる。
高分子原材料の構造情報としては、高分子原材料がジエン系ゴムの場合、ミクロ構造として、例えば、シス、トランス、ビニル、スチレンの割合がある。これ以外に構造情報としては、ダイアッド連鎖、トリアッド連鎖が挙げられる。スチレンブタジエンゴム場合、組成情報としては、ブタジエンの量とスチレンの量がある、また、高分子原材料の組成情報には、質量平均分子量、粘度、分岐度、および分岐数等も含まれる。
高分子原材料の特性情報は、高分子原材料の機械物性および化学特性のうち少なくとも1つを含むものである。高分子原材料の機械物性は、例えば、弾性率、ポアソン比、粘性である。高分子原材料の化学特性は、例えば、ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度等である。化学特性は化学的性質ともいう。高分子原材料の特性情報、例えば、弾性率、ポアソン比、粘性、ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度等は、例えば、各種の材料試験による実測値であるが、シミュレーションにより得られた値でもよい。
算出部23は、高分子原材料の構造情報と、高分子原材料の特性情報とを用い相関分析により相関係数を求める。この場合、複数の相関係数を求めることが好ましい。算出部23で求めた相関係数は、例えば、メモリ28に記憶される。なお、相関分析、相関係数の求め方は特に限定されるものではなく、公知のものが種々利用可能である。相関係数には、例えば、Pearsonの相関係数が用いられる。
算出部23において、複数の相関係数を求めることにより、高分子原材料のどの構造情報と、特性情報との相関が高いか否かを特定できる。すなわち、構造情報の特性情報に対する影響度の大きさを特定できる。
また、算出部23は、複数の相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効にする。これにより、影響度が小さい相関係数を求めることを抑制できる。相関係数は、学習モデルに利用されるものである。相関係数を適切に利用することにより、学習モデルの予測精度を向上させることができる。
また、上述のように、複数の相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効にすることにより、学習モデルの学習に利用するデータから、相関係数が小さいものを排除できることから、学習モデルの学習に利用するデータ数を少なくでき、学習時間を短くできる。これにより、より短時間で、高分子原材料の物性情報を高い予測精度で予測できる。
算出部23では、例えば、相関係数が0.2を超えるものを有効にする。すなわち、相関係数が0.2以下のものを無効化する。
なお、相関分析により相関係数を求めない場合には、算出部23を設ける必要がない。
学習モデル作成部24は、高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する。学習モデルは、1つに限定されるものではなく、複数でもよい。例えば、クラスタリング処理により得られた、クラスタ毎に、学習モデルを作成する。この場合、学習モデルは、クラスタ毎に複数になる。
なお、算出部23において相関係数を算出している場合には、相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する。相関係数が複数ある場合、全ての相関係数を用いてもよい。また、上述のように複数の相関係数のうち、所定の値以上の相関係数を有効にし、有効な相関係数だけを目的変数として用いてもよい。
また、算出部23において相関係数を算出している場合には、相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する。相関係数が複数ある場合、全ての相関係数を用いてもよい。また、上述のように複数の相関係数のうち、所定の値以上の相関係数を有効にし、有効な相関係数だけを目的変数として用いてもよい。
学習モデル作成部24は、後述の判定部26の判定結果に基づいて、判定部26において所定の判定条件を満たすと判定されるまで、学習モデルを繰り返し作成する。学習モデルを繰り返し作成する場合、それぞれ外れ値等の不要なデータを削除する。また、説明変数を変更する。説明変数を変更する場合、例えば、説明変数自体を変更すること、複数の説明変数がある場合、説明変数の組み合わせを変更すること、説明変数として、相関係数の閾値を変更し、数値高い相関係数を利用することが挙げられる。
なお、学習モデルは、特に限定されるものではなく、機械学習の手法として、例えば、ニューラルネットワークを用いることができる。これ以外に各種の手法を用いることができる。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、および非線形判別法等を用いてもよい。
学習モデルとして、どのような手法を用いるのが適当であるかは、解析対象である高分子原材料の分析データの性質等により異なるため、予め複数の機械学習手法を用意しておき、ユーザーが任意に選択できるようしてもよい。また、機械学習による判別分析または回帰分析は同じ種類のものを複数組み合わせたり、異なる種類のものを複数組み合わせたりすることができることがよく知られていることから、そうした組み合わせを利用してもよい。
高分子原材料は、例えば、図2に示すように、構造Aの量に応じた、高分子原材料の物性の変化が規則的ではないものがある。図2に示す高分子原材料の物性(構造情報)については、構造Aが小さいときには線形モデルを適用し、構造Aが大きいときには非線形モデルを適用した方が、予測精度を高くできる、このため、学習モデル作成部24は、高分子原材料の構造情報に基づいて、学習モデルを変えることが好ましい。上述の高分子原材料の構造情報に基づいて学習モデルを変えることは、例えば、学習モデル作成部24が公知のプログラムに基づいて判定し、高分子原材料の構造情報に応じた学習モデルが適宜選択される。
なお、学習モデル作成部24で用いられる学習モデルは、例えば、メモリ28に記憶させておき、学習モデル作成部24がメモリ28から学習モデルを読み出すようにしてもよい。
演算部25は、学習モデル作成部24で作成された学習モデルの学習を実行し、学習モデルによる結果を得るものである。演算部25は、学習モデルの結果を、メモリ28に記憶させるか、または判定部26に出力する。
学習モデルの学習には、例えば、説明変数(入力データ)と、目的変数(出力データ)とがセットになった教師ありデータを用いる。教師ありデータを用いる場合、利用可能なデータを全て教師ありデータに利用するのではなく、利用可能なデータを教師ありデータと検証データに分ける。教師ありデータを用いて学習モデルを学習させる。検証データを用いて、教師ありデータを用いて学習させた学習モデルの予測性能を評価する。
教師ありデータと検証データに分ける方法としては、例えば、ホールドアウト検証、およびk-分割交差検証等を用いることができる。
なお、学習モデルの学習には、教師ありデータを用いることに限定されるものではなく、説明変数(入力データ)と、目的変数(出力データ)とがセットになっていない、教師なしデータを用いることもできる。
判定部26は.演算部25による学習モデルの結果を判定するものである。
学習モデルは、例えば、検証データを用いて、説明変数に用いた高分子原材料の構造情報を入力して、目的変数とした、高分子原材料の物性情報を得る。得られた高分子原材料の物性情報に基づき、学習モデルの結果を判定する。
学習モデルの結果の判定方法は、特に限定されるものではない。例えば、R(決定係数)、RMSE(平方平均二乗誤差)、およびMAE(平均絶対誤差)等を用いることができる。
判定部26では、上述のそれぞれの判定方法に応じた判定条件として、例えば、予め閾値が設定されている。判定条件は、メモリ28に記憶されていてもよい。判定部26は、メモリ28から判定条件を読み出し、判定条件に基づき、学習モデルを評価する。
判定条件を満たす場合には、最終的な学習モデルとする。判定部26は、最終的な学習モデルである、学習モデルから、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成する。判定部26は予測モデルを演算部25またはメモリ28に記憶させる。演算部25は、予測モデルを用いて、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する、測した結果を、例えば、メモリ28に記憶し、データベース化する。
なお、予測モデルは、高分子原材料の構造情報と物性情報とが関連付けられた学習モデルから作成するものである。予測モデルは、上述のように高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測することができれば、その作成方法は、学習モデルを用いれば、特に限定されるものではない。
例えば、高分子原材料がスチレンブタジエンゴムで、構造情報がシス、トランス、ビニル、スチレンの割合の場合、演算部25は、予測モデルに基づいて、例えば、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合を用いて、ガラス転移温度等を予測できる。予測モデルを用いて予測したガラス転移温度をメモリ28に記憶させる。
判定条件を満たさない場合には、学習モデル作成部24に再度学習モデルを作成させる。学習モデル作成部32による学習モデルの再作成は、上述の学習モデルを作成と同じである。
表示制御部27は、取得部20で取得される、複数種類の高分子原材料について、それぞれ、シス、トランス、ビニル、スチレンの割合、算出部23で求められた相関係数、学習モデル作成部24で設定される説明変数の情報および目的変数の情報を表示部16に表示させるものである。
また、演算部25で予測された、高分子原材料の物性情報を表示部16に表示させるものである。
表示制御部27において、表示部16に表示させる場合、メモリ28から各種の情報を読み出して表示してもよい。また、表示制御部27は、入力部14を介して入力される各種の情報等も表示部16に表示させることもできる。
解析装置10は、ROM等に記憶されたプログラム(コンピュータソフトウェア)を、制御部29で実行することにより、上述のシミュレーション用タイヤモデルを作成する。解析装置10は、上述のようにプログラムが実行されることで各部位が機能するコンピューターによって構成されてもよいし、各部位が専用回路で構成された専用装置であってもよい。
[高分子原材料データ解析方法の第1の例]
図3は本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第1の例を工程順に示すフローチャートである。上述のように、高分子原材料データ解析方法は、例えば、解析装置10が用いられる。
以下に説明する高分子原材料データ解析装置方法の第1の例において、特に説明しないが解析装置10の処理部12の各部で種々の処理がなされる。また、以下の説明では制御部29により処理部12の各部で種々の処理がなされることの説明を省略しているが、各部の一連の処理は制御部29により制御される。
高分子原材料データ解析方法では、例えば、高分子原材料として、ブタジエンの量とスチレンの量、ならびにシス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合等が異なる、複数種類のスチレンブタジエンゴムを用いる。高分子原材料の構造情報としては、シス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合である。さらに、高分子原材料の物性情報としては、ガラス転移温度を例にして説明する。この場合、高分子原材料のデータセットは、構造情報としてシス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合、物性情報としてガラス転移温度を含む。
まず、上述の高分子原材料のデータセットを取得する(ステップS10)。
高分子原材料のデータセットの取得方法は、特に限定されるものではなく、例えば、複数種類のスチレンブタジエンゴム(高分子原材料)について、それぞれ実測された構造情報を取得する。複数種類のそれぞれのスチレンブタジエンゴムについて、ブタジエンの量とスチレンの量、ならびにシス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合の情報を取得する。
また、例えば、材料試験により複数種類の高分子原材料の物性情報を取得する。具体的には、スチレンブタジエンゴムに対して材料試験を実施して、ガラス転移温度の状態を取得する。
ここで、上述のように構造情報は一次元スペクトル情報から予測することができる。複数種類のスチレンブタジエンゴムの一次元スペクトル情報は、例えば、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定されたものであり、例えば、13C-NMRスペクトル、または13C-NMRの化学シフトである。しかし、一次元スペクトル情報は、これに限定されるものではなく、GC(ガスクロマトグラ)の測定結果、およびIR(赤外線吸収)スペクトルも、実測された一次元スペクトル情報に含まれる。一次元スペクトル情報は、異なる分析装置で実測されたものが混在していてもよい。一次元スペクトル情報は、分析装置を用いた実測値以外に、シミュレーションまたは機械学習により得られた値でもよい。
この場合、少なくとも一次元スペクトル情報の実測の際の分析条件に合わせてリファレンスを設定してもよい。一次元スペクトル情報が、例えば、NMRスペクトルの場合、測定の際にCDCl溶媒を用いていれば、77.0ppmをリファレンスとして設定する。また、上述のリファレンスは、高分子原材料に合わせて設定してもよい。なお、核磁気共鳴装置の機能として、溶媒等に基づくリファレンスを自動で設定する機能がある。
一次元スペクトル情報を、複数種類ある高分子原材料毎に正規化してもよい。例えば、NMRスペクトルの場合、高分子原材料毎に、スペクトル強度を正規化する。なお、一次元スペクトル情報の正規化の方法は、特に限定されるものではない。例えば、一次元スペクトル情報において、複数のスペクトルの値のうち、1つの値を基準として正規化する。一次元スペクトル情報以外に、構造情報、および物性情報を正規化してもよい。
複数の一次元スペクトル情報のスペクトルの最大値と最小値とを統一してもよい。例えば、複数の一次元スペクトル情報において、各一次元スペクトル情報に含まれるNMRの化学シフトを、特定の範囲に統一することが挙げられる。この場合、化学シフトを、例えば、-20~220ppmの範囲に統一すること、すなわち、最大値を220ppm、最小値を-20ppmに統一することである。
各一次元スペクトル情報において、例えば、化学シフトを-20~220ppmの範囲になるように、化学シフトの数値を調整する。数値の調整方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が適宜利用可能である。
なお、スペクトルの最大値と最小値との統一のタイミングは、特に限定されるものではなく、一次元スペクトル情報の正規化前でもよく、一次元スペクトル情報の正規化後でもよい。
高分子原材料のデータセットを作成する工程は、例えば、複数種類の高分子原材料について、構造情報を取得し、構造情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにする工程と、複数種類の高分子原材料について、特性情報を取得し、特性情報を高分子原材料毎にまとめてデータベースにする工程と、構造情報のデータベースにおいて、複数種類の高分子原材料のうち、同一の高分子原材料について、構造情報を1つに集約する工程とを有する。
高分子原材料のデータセットは、構造情報のデータベースと、物性情報のデータベースとを作成し、複数種類の高分子原材料のうち、同一の高分子原材料について、構造情報を1つに集約して作成する。これにより、例えば、構造情報は分析装置が異なると、異なる値になることがあるが、この分析装置間の違いを修正し、1つの高分子原材料に対して1つの構造情報を対応付ける。これにより、正確に学習させることができる。なお、構造情報を1つに集約する方法は、上述のとおりであるため、詳細な説明を省略する。
次に、高分子原材料のデータセットを用い、高分子原材料の構造情報(シス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合)を説明変数とし、高分子原材料の物性情報(ガラス転移温度)を目的変数とした学習モデルを作成する(ステップS12)。
学習モデルは、上述のように、特に限定されるものではなく、上述のように、ニューラルネットワークを用いることができる。学習モデルによる学習を実行する。
学習モデルの学習には、例えば、説明変数(入力データ)と、目的変数(出力データ)とがセットになった教師ありデータを用いる。具体的には、上述のデータセット、例えば、スチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合と、ガラス転移温度との関係がわかっているデータを用いる。教師ありデータを用いる場合、上述のようにデータセットの全てのデータを利用するのではなく、一部を教師ありデータに利用し、残りを検証データとして利用する。検証データを用いて学習モデルの予測性能を判定する。
なお、上述のように、教師ありデータと検証データに分ける方法としては、例えば、ホールドアウト検証、およびk-分割交差検証等を用いることができる。
次に、学習モデルを実行し、学習モデルの結果を判定する(ステップS14)。ステップS14では、上述のように、検証データを、学習モデルに入力し、その結果として、学習モデルでは、例えば、ガラス転移温度を得る。
この結果をもとに、学習モデルの予測性能、例えば、予測精度を評価するために、学習モデルの結果を判定する。学習モデルの結果の判定方法は、上述の各種の方法を用いることができる。
なお、予測精度について、判定条件として、予め閾値を設定しておき、予測精度が閾値を超える場合、判定条件を満たす学習モデルと判定する(ステップS14)。
ステップS14において、判定条件を満たす場合、ステップS12で作成された学習モデルを最終的な学習モデルとする。
次に、最終的な学習モデルを用いて、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成する(ステップS16)。
次に、予測モデルを用いて、高分子原材料の構造情報から、高分子原材料の物性情報を予測する(ステップS18)。具体的には、ステップS18では、例えば、予測モデルを用いて、シス、トランス、ビニル、スチレンの割合から、ガラス転移温度を予測する。この場合、高い予測精度でガラス転移温度を予測できる。ステップS18において、予測モデルを用いて予測されたガラス転移温度を、例えば、メモリ28に記憶させる。
一方、ステップS14において、判定条件を満たさない場合、ステップS12で作成された学習モデルを再作成し、判定条件を満たすまで繰り返し学習モデルを作成する。この場合、学習モデルを再設定する(ステップS20)。ステップS20では、例えば、上述のように、外れ値等の不要なデータを削除する。また、説明変数を変更する。説明変数を変更する場合、例えば、説明変数自体を変更すること、複数の説明変数がある場合、説明変数の組み合わせを変更すること等が挙げられる。
学習モデルを再作成し、ステップS14において、判定条件を満たす場合、再作成された学習モデルを最終的な学習モデルとする。上述のように、最終的な学習モデルから、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成する(ステップS16)。
例えば、予測モデルを用いて、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合から、ガラス転移温度を予測する(ステップS18)。この場合でも、高い予測精度でガラス転移温度を予測できる。
[高分子原材料データ解析方法の第1の例の変形例]
図4は本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第1の例の変形例を工程順に示すフローチャートである。図4において、図3に示す高分子原材料データ解析方法の第1の例と同一工程についての詳細に説明は省略する。
高分子原材料データ解析方法の第1の例の変形例は、高分子原材料データ解析方法の第1の例に比して、相関係数を利用する点が異なり、それ以外の工程は、高分子原材料データ解析方法の第1の例と同様の工程である。高分子原材料のデータセットの取得工程(ステップS10)と、学習モデルの作成工程(ステップS12)との間に、相関係数の算出工程(ステップS22)と、説明変数の設定工程(ステップS24)とを有する。
高分子原材料データ解析方法の第1の例の変形例では、高分子原材料のデータセットを取得した後(ステップS10)、高分子原材料の構造情報と、高分子原材料の特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、高分子原材料の構造情報と物性情報とを用い相関分析により相関係数を求める(ステップS22)。
ステップS22において、具体的には、シス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合と、ガラス転移温度とを用いて、相関分析により、相関係数を算出する。算出する相関係数は、1つでもよく、複数でもよいが、複数であることが好ましい。上述のように、複数の相関係数を算出することにより、スチレンブタジエンゴム(高分子原材料)の構造情報に対する影響度の大きさを特定できる。シス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合における、スチレンブタジエンゴム(高分子原材料)のガラス転移温度に対する影響度の大きさを特定できる。
次に、説明変数の設定(ステップS24)は、ステップS22において、複数の相関係数が求められた場合、複数の相関係数のうち、所定の値以上の構造情報(シス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合)を有効とする工程を有する。
さらに、ステップS24の次工程である学習モデルの作成工程(ステップS12)では、有効な相関係数の算出に用いた構造情報(シス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合)を説明変数とし、上述のように、学習モデルを作成する。ステップS12以降は、上述の高分子原材料データ解析方法の第1の例と同様に、学習モデルの判定(ステップS14)を実施し、判定条件を満たす場合には、最終的な学習モデルとして、予測モデルを作成し(ステップS16)、予測モデルを用いて、例えば、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合から、ガラス転移温度を予測する(ステップS18)。
説明変数を設定(ステップS24)することにより、学習モデルの学習に利用するデータから、相関係数が小さいものを排除する。このため、説明変数を設定しない場合に比して、学習モデルの学習に利用するデータ数を少なくでき、学習時間を短くできる。これにより、より短時間で、高分子原材料の物性情報を高い予測精度で予測できる。
高分子原材料データ解析方法の第1の例の変形例では、説明変数を設定(ステップS24)することにより、学習モデルの学習に利用するデータから、相関係数が小さいものを排除する。このため、高分子原材料データ解析方法の第1の例に比して、学習モデルの学習に利用するデータ数を少なくでき、学習時間を短くできる。これにより、より短時間で、高分子原材料の物性情報を高い予測精度で予測できる。
[高分子原材料データ解析方法の第2の例]
図5は本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第2の例を工程順に示すフローチャートである。高分子原材料データ解析方法の第2の例は、例えば、解析装置10が用いられる。
高分子原材料データ解析方法の第2の例は、高分子原材料データ解析方法の第1の例に比して、高分子原材料のデータセットの取得工程(ステップS10)と、学習モデルの作成工程(ステップS12)との間に、クラスタリング処理を実施する工程(ステップS30)を有する点以外は、高分子原材料データ解析方法の第1の例と同様の工程であるため、詳細な説明は省略する。
上述のクラスタリング処理(ステップS30)は、上述の高分子原材料のデータセットを用い複数種類の高分子原材料の構造情報に対して、クラスタリング処理を実施する。クラスタリング処理には、教師なし学習が用いられ、例えば、k-means法が用いられる。クラスタリング処理により、同一の高分子原材料毎に、すなわち、クラスタ毎に構造情報が分類される。次に、クラスタリング処理により得られた、クラスタ毎に、高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する(ステップS12)。このため、ステップS12では、クラスタが複数ある場合には、複数の学習モデルが作成される。
ステップS12以降は、上述の高分子原材料データ解析方法の第1の例と同様に、学習モデルの判定(ステップS14)を実施する。学習モデルが判定条件を満たす場合には、最終的な学習モデルとして、予測モデルを作成し(ステップS16)、予測モデルを用いて、例えば、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合から、ガラス転移温度を予測する(ステップS18)。
クラスタリング処理をすることにより、高分子原材料の構造情報のうち、予測により重要なものを抽出できる。
学習モデルが判定条件を満たさない場合、上述のように、学習モデルを再設定し(ステップS20)、判定条件を満たすまで、学習モデルを繰り返し作成する。
学習モデルを再作成し、ステップS14において、判定条件を満たす場合、再作成された学習モデルを最終的な学習モデルとする。上述のように、最終的な学習モデルから、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成する(ステップS16)。
なお、クラスタ毎に学習モデルを作成しており、学習モデルが複数ある場合、学習モデル毎に、学習モデルの判定(ステップS14)を実施し、判定を満たす学習モデルを最終的な学習モデルとする。一方、複数の学習モデルのうち、判定条件を満たさない学習モデルについて、判定条件を満たすまで学習モデルを再作成し、判定条件を満たす場合、再作成された学習モデルを最終的な学習モデルとする。複数の学習モデルの全てが判定条件を満たすまで、学習モデルを再作成し、最終的な学習モデルを得るまで上述の工程を実施する。
高分子原材料データ解析方法の第2の例でも、例えば、予測モデルを用いて、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合とから、ガラス転移温度を予測する(ステップS18)。この場合でも、高い予測精度でガラス転移温度を予測できる。
なお、ステップS12では、クラスタ毎の高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成したが、これに限定されるものではなく、例えば、一次元スペクトル情報と構造情報とを説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした別の学習モデルを作成してもよい。
別の学習モデルは、例えば、検証データを用いて、説明変数に用いた高分子原材料の一次元スペクトル情報(例えば、NMRの化学シフト)と構造情報とを入力して、目的変数とした、高分子原材料の物性情報を得る。得られた高分子原材料の物性情報に基づき、別の学習モデルの結果を判定することができる。
[高分子原材料データ解析方法の第2の例の変形例]
図6は本発明の実施形態の高分子原材料データ解析方法の第2の例の変形例を工程順に示すフローチャートである。図6において、図5に示す高分子原材料データ解析方法の第2の例と同一工程についての詳細に説明は省略する。
高分子原材料データ解析方法の第2の例の変形例は、高分子原材料データ解析方法の第2の例に比して、相関係数を利用する点が異なり、それ以外の工程は、高分子原材料データ解析方法の第2の例と同様の工程である。クラスタリング処理工程(ステップS30)と、学習モデルの作成工程(ステップS12)との間に、相関係数の算出工程(ステップS22)と、説明変数の設定工程(ステップS24)とを有する。
高分子原材料データ解析方法の第2の例の変形例では、高分子原材料のデータセットを用いたクラスタリング処理の後(ステップS30)、高分子原材料の構造情報と、高分子原材料の特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、高分子原材料の構造情報と物性情報を用い相関分析により相関係数を求める(ステップS22)。その後、説明変数を設定する(ステップS24)。相関係数の算出(ステップS22)と、説明変数の設定(ステップS24)は、上述の高分子原材料データ解析方法の第1の例の変形例と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
なお、ステップS22で算出した全ての相関係数を用いる場合、上述のように説明変数を設定(ステップS24)する必要がない。
説明変数を設定した後、高分子原材料データ解析方法の第2の例と同様に、ステップS12以降は、学習モデルの判定(ステップS14)を実施し、判定条件を満たす場合には、最終的な学習モデルとして、予測モデルを作成し(ステップS16)、予測モデルを用いて、例えば、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合から、ガラス転移温度を予測する(ステップS18)。
学習モデルが判定条件を満たさない場合、上述のように、学習モデルを再設定し(ステップS20)、判定条件を満たすまで、学習モデルを繰り返し作成する。
学習モデルを再作成し、ステップS14において、判定条件を満たす場合、再作成された学習モデルを最終的な学習モデルとする。上述のように、最終的な学習モデルから、高分子原材料の物性情報を予測する予測モデルを作成する(ステップS16)。例えば、予測モデルを用いて、新たに合成されたスチレンブタジエンゴムのシス、トランス、ビニル、スチレンの割合から、ガラス転移温度を予測する(ステップS18)。この場合でも、高い予測精度でガラス転移温度を予測できる。
なお、第2の例の変形例でも、クラスタ毎に学習モデルを作成しており、学習モデルが複数ある場合、学習モデル毎に、学習モデルの判定(ステップS14)を実施し、判定を満たす学習モデルを最終的な学習モデルとする。一方、複数の学習モデルのうち、判定条件を満たさない学習モデルについて、判定条件を満たすまで学習モデルを再作成し、判定条件を満たす場合、再作成された学習モデルを最終的な学習モデルとする。複数の学習モデルの全てが判定条件を満たすまで、学習モデルを再作成し、最終的な学習モデルを得るまで上述の工程を実施する。
[高分子原材料]
高分子原材料としては、例えば、ジエン系ゴムである。ジエン系ゴムとしては、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムのうち、少なくとも一方を含むことが好ましい。
高分子原材料としては、特に限定されるものではないが、実測された一次元スペクトル情報があってもよい。実測された一次元スペクトル情報は、例えば、核磁気共鳴装置を用いて測定されたNMRスペクトル、GC(ガスクロマトグラ)の測定結果、およびIR(赤外線吸収)スペクトルである。
〔ジエン系ゴム〕
ジエン系ゴムとしては、スチレンブタジエンゴムもしくはブタジエンゴム、またはジエン系ゴムブレンドであり、スチレンブタジエンゴムブレンドもしくはスチレンブタジエンゴム/ブタジエンゴムブレンドが挙げられる。
上記ジエン系ゴムの具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)及びクロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。
上記ジエン系ゴムは、本発明の効果がより優れる理由から、スチレンブタジエンゴム(SBR)又はブタジエンゴム(BR)を含むのが好ましく、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びブタジエンゴム(BR)を含むのがより好ましい。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の高分子原材料データ解析装置および高分子原材料データ解析方法について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の高分子原材料データ解析方法の実施例について具体的に説明する。
本実施例では、以下に示す例1~3の学習モデルを作成し、作成した学習モデルを用いて、本発明の高分子原材料データ解析方法の効果について、予測精度を用いて確認した。なお、例1~3の予測精度の結果を下記表1に示す。
高分子原材料に、100種類のスチレンブタジエンゴムを用いた。データセットにおいて、構造情報にシス、トランス、ビニル、およびスチレンの割合を用いた。高分子原材料の物性情報に弾性率を用いた。
スチレンブタジエン100種のうち、80%を学習モデルの教師ありデータとし、残りの20%を検証データとした。すなわち、100種類のスチレンブタジエンゴムのうち、80種類のスチレンブタジエンゴムの化学シフトのデータを教師ありデータとして用い、残りの20種類のスチレンブタジエンゴムの化学シフトのデータを検証データとして用いた。
(例1)
例1は、上述のデータ解析方法の第1の例に基づき、学習モデルにニューラルネットワークを用いて、最終的な予測モデルを作成した。例1では、検証データのデータセットの弾性率と、検証データから得られた弾性率とを用いて予測精度を求めた。
例1の予測モデルの予測精度は82.4であった。予測精度は、RMS(Root Mean Square)を用いて求めた値である。例1のRMSは、例3を100とした値である。
RMSの数値は小さい方が観測値と予測値の誤差が小さいことを意味する。RMSの数値は小さい方が予測結果が良く、学習モデルとして優れていることを意味する。
(例2)
例2は、上述のデータ解析方法の第2の例に基づき、学習モデルにニューラルネットワークを用いて、最終的な予測モデルを作成した。例2は例1と同様にして予測精度を求めた。例2の予測モデルの予測精度は80.8であった。予測精度は、例1と同じくRMSを用いて求めた値であり、例2のRMSは、例3を100とした値である。
(例3)
例3は、高分子原材料の構造情報を説明変数とし、高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成した。この学習モデルを学習させた。学習モデルにニューラルネットワークを用いた。学習後の学習モデル、すなわち、例3の学習モデルの予測精度を、上述のように100とした。例3でも例1と同様に検証データのデータセットの弾性率と、検証データから得られた弾性率とを用いて予測精度を求めた。
表1に示すように、実施例に相当する例1および例2は、高い予測精度が得られた。例2はクラスタリング処理を実施しており、例1よりも予測精度が高い結果となった。
一方、比較例に該当する例3は、予測精度が低かった。
10 高分子原材料データ解析装置(解析装置)
12 処理部
14 入力部
16 表示部
20 取得部
21 データ設定部
22 処理部
23 算出部
24 学習モデル作成部
25 演算部
26 判定部
27 表示制御部
28 メモリ
29 制御部
32 学習モデル作成部

Claims (14)

  1. 複数種類の高分子原材料において、前記高分子原材料毎に構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、前記高分子原材料の前記構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する学習モデル作成部と、
    前記学習モデルを実行する演算部と、
    前記演算部による前記学習モデルの結果を判定する判定部とを有し、
    前記学習モデル作成部は、前記判定部において所定の判定条件を満たすと判定されるまで、前記学習モデルを繰り返し作成し、
    前記判定条件を満たす前記学習モデルから、前記高分子原材料の前記構造情報から、前記高分子原材料の前記物性情報を予測する予測モデルを作成するものであり、
    前記演算部は、前記予測モデルを用いて、前記高分子原材料の前記構造情報から、前記高分子原材料の前記物性情報を予測するものであり、
    前記高分子原材料の前記構造情報と、前記高分子原材料の前記特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、前記高分子原材料の前記構造情報と前記物性情報とを用い相関分析により相関係数を求める算出部を有し、
    前記算出部は、前記相関分析により、複数の相関係数を求め、かつ複数の相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効とし、
    前記学習モデル作成部は、前記有効な前記相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の前記物性情報を目的変数とした前記学習モデルを作成する、高分子原材料データ解析装置。
  2. 複数種類の高分子原材料において、前記高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、前記複数種類の前記高分子原材料の前記構造情報に対して、クラスタリング処理を実施する処理部と、
    前記クラスタリング処理により得られた、クラスタ毎に、前記高分子原材料の前記構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する学習モデル作成部と、
    前記クラスタ毎に作成された前記学習モデルを実行する演算部と、
    前記演算部による前記クラスタ毎に作成された前記学習モデルの結果を判定する判定部とを有し、
    前記学習モデル作成部は、前記判定部において所定の判定条件を満たすと判定されるまで、前記学習モデルを繰り返し作成し、
    前記判定条件を満たす前記学習モデルから、前記高分子原材料の前記構造情報から、前記高分子原材料の前記物性情報を予測する予測モデルを作成するものであり、
    前記演算部は、前記予測モデルを用いて、前記高分子原材料の前記構造情報とから、前記高分子原材料の前記物性情報を予測するものであり、、
    前記高分子原材料の前記構造情報と、前記高分子原材料の前記特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、前記高分子原材料の前記構造情報と前記物性情報とを用い相関分析により相関係数を求める算出部を有し、
    前記算出部は、前記相関分析により、複数の相関係数を求め、かつ複数の相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効とし、
    前記学習モデル作成部は、前記有効な前記相関係数の算出に用いた構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の前記物性情報を目的変数とした前記学習モデルを作成する、
    高分子原材料データ解析装置。
  3. 前記学習モデル作成部は、前記高分子原材料の前記構造情報に基づいて、前記学習モデルを変える、請求項1または2に記載の高分子原材料データ解析装置。
  4. 前記高分子原材料の前記データセットを作成するデータ設定部を有し、
    前記複数種類の前記高分子原材料について、前記構造情報を取得し、前記構造情報を前記高分子原材料毎にまとめてデータベースにし、かつ前記複数種類の前記高分子原材料について、前記特性情報を取得し、前記特性情報を前記高分子原材料毎にまとめてデータベースにするものであり、
    さらに、前記構造情報の前記データベースにおいて、前記複数種類の前記高分子原材料のうち、同一の高分子原材料について、前記構造情報を1つに集約する、請求項1~3のいずれか1項に記載の高分子原材料データ解析装置。
  5. 前記高分子原材料は、ジエン系ゴムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の高分子原材料データ解析装置。
  6. 前記ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴムもしくはブタジエンゴム、またはジエン系ゴムブレンドであり、スチレンブタジエンゴムブレンドもしくはスチレンブタジエンゴム/ブタジエンゴムブレンドである、請求項5に記載の高分子原材料データ解析装置。
  7. 前記高分子原材料の前記構造情報は、分析装置を用いた実測値、またはシミュレーションもしくは機械学習により得られた値であり、
    前記高分子原材料の前記物性情報は、材料試験による実測値、またはシミュレーションにより得られた値である、請求項1~6のいずれか1項に記載の高分子原材料データ解析装置。
  8. 複数種類の高分子原材料において、前記高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、前記高分子原材料の前記構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する工程と、
    前記学習モデルを実行し、前記学習モデルの結果が所定の判定条件を満たすと判定されるまで、前記学習モデルを繰り返し作成する工程と、
    前記判定条件を満たす前記学習モデルから、前記高分子原材料の構造情報から、前記高分子原材料の前記物性情報を予測する予測モデルを作成する工程と、
    前記予測モデルを用いて、前記高分子原材料の前記構造情報から、前記高分子原材料の前記物性情報を予測する工程と、
    前記高分子原材料の前記構造情報と、前記高分子原材料の前記特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、前記高分子原材料の前記構造情報と前記物性情報とを用い相関分析により相関係数を求める工程とを有し、
    前記相関係数を求める工程は、前記相関分析により、複数の相関係数を求め、かつ複数の前記相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効とし、
    前記学習モデルを作成する工程は、前記有効な前記相関係数の算出に用いた前記構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の前記物性情報を目的変数とした前記学習モデルを作成する、高分子原材料データ解析方法。
  9. 複数種類の高分子原材料において、前記高分子原材料毎に、構造情報と、特性情報とを有するデータセットを用い、
    前記複数種類の前記高分子原材料の前記構造情報に対して、クラスタリング処理を実施する工程と、
    前記クラスタリング処理により得られた、クラスタ毎に前記高分子原材料の前記構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の物性情報を目的変数とした学習モデルを作成する工程と、
    前記学習モデルを実行し、前記学習モデルの結果が所定の判定条件を満たすと判定されるまで、前記学習モデルを繰り返し作成する工程と、
    前記判定条件を満たす前記学習モデルから、前記高分子原材料の前記構造情報から、前記高分子原材料の前記物性情報を予測する予測モデルを作成する工程と、
    前記予測モデルを用いて、前記高分子原材料の前記構造情報から、前記高分子原材料の前記物性情報を予測する工程と、
    前記高分子原材料の前記構造情報と、前記高分子原材料の前記特性情報とを用い相関分析により相関係数を求め、前記高分子原材料の前記構造情報と前記物性情報とを用い相関分析により相関係数を求める工程とを有し、
    前記相関係数を求める工程は、前記相関分析により、複数の相関係数を求め、かつ複数の前記相関係数のうち、所定の値以上の構造情報を有効とし、
    前記学習モデルを作成する工程は、前記有効な前記相関係数の算出に用いた前記構造情報を説明変数とし、前記高分子原材料の前記物性情報を目的変数とした前記学習モデルを作成する、高分子原材料データ解析方法。
  10. 前記学習モデルを作成する工程は、前記高分子原材料の前記構造情報に基づいて、前記学習モデルを変える、請求項8または9に記載の高分子原材料データ解析方法。
  11. 前記高分子原材料の前記データセットを作成する工程を有し、
    前記高分子原材料の前記データセットを作成する工程は、
    前記複数種類の前記高分子原材料について、前記構造情報を取得し、前記構造情報を前記高分子原材料毎にまとめてデータベースにする工程と、
    前記複数種類の前記高分子原材料について、前記特性情報を取得し、前記特性情報を前記高分子原材料毎にまとめてデータベースにする工程と、
    前記構造情報の前記データベースにおいて、前記複数種類の前記高分子原材料のうち、同一の高分子原材料について、構造情報を1つに集約する工程とを有する、請求項8~10のいずれか1項に記載の高分子原材料データ解析方法。
  12. 前記高分子原材料は、ジエン系ゴムである、請求項8~11のいずれか1項に記載の高分子原材料データ解析方法。
  13. 前記ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴムもしくはブタジエンゴム、またはジエン系ゴムブレンドであり、スチレンブタジエンゴムブレンドもしくはスチレンブタジエンゴム/ブタジエンゴムブレンドである、請求項12に記載の高分子原材料データ解析方法。
  14. 前記高分子原材料の前記構造情報は、分析装置を用いた実測値、またはシミュレーションもしくは機械学習により得られた値であり、
    前記高分子原材料の前記物性情報は、材料試験による実測値、またはシミュレーションにより得られた値である、請求項8~13のいずれか1項に記載の高分子原材料データ解析方法。
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