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JP7611502B2 - ゲート駆動回路および半導体遮断器 - Google Patents
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JP7611502B2 - ゲート駆動回路および半導体遮断器 - Google Patents

ゲート駆動回路および半導体遮断器 Download PDF

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Description

本開示は、パワートランジスタを駆動するゲート駆動回路および半導体遮断器に関する。
データセンターや通信局舎では、高信頼・高品質なシステムが求められている。このようなシステムで用いられている直流給電システムは、上位の電源装置から供給される電力を、電流分配装置にて分岐し、多数の負荷へ電力を供給している。この電流分配装置には、短絡時の保護装置が具備されている。保護装置の種類は、ヒューズ、MCCB(Molded-Case Circuit Breaker;配線用遮断器)、半導体パワートランジスタを用いた保護装置(以下、半導体遮断器という。)等がある。例えば、半導体遮断器は、過電流を検出すると、半導体パワートランジスタのゲート電圧を制御し、半導体パワートランジスタをターンオフすることで過電流を限流する動作を行う。
半導体パワートランジスタは、スイッチング動作を駆動する信号をゲートに供給するゲート駆動回路によって制御される。ゲート駆動回路は、例えば、特許文献1~7、非特許文献1に開示されたものがある。
特許第3964833号公報 特許第5925434号公報 特開平10-327059号公報 特開2010-220325号公報 特開2003-284318号公報 特開2000-232347号公報 特開平1-183214号公報
"Double-stage Gate Drive Circuit for Parallel Connected IGBT Modules " D. Bortis, P. Steiner, J. Biela and J. W. Kolar, Published in: IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation ( Volume: 16 , Issue: 4 , August 2009)
しかしながら、半導体遮断器において、高速に電流遮断すると、負荷回路の寄生インダクタンスに蓄積されたエネルギーによるサージ電圧がデバイスに印加される。サージ電圧が耐圧を超える場合、半導体遮断器を壊す可能性がある。このように、高速な電流遮断は、半導体遮断器の信頼性を損ねるという問題がある。
逆に、低速で電流遮断すると、半導体パワートランジスタのゲート電圧がフラットになるミラー期間が長くなる。ミラー期間ではドレイン-ソース電流が遮断されないため、過電流により半導体遮断器を壊す可能性がある。このように、低速な電流遮断も、半導体遮断器の信頼性を損ねるという問題がある。
そこで、本開示は、サージ電圧を抑制しかつミラー期間を短くすることにより信頼性を高めるゲート駆動回路および半導体遮断器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るゲート駆動回路は、入力端子と、前記入力端子とパワートランジスタのゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パスと、前記第1回路パスに並列接続された第2回路パスと、前記第2回路パスに並列接続された第3回路パスと、を備え、前記第1回路パスは、ゲート抵抗を有し、前記第2回路パスは、直列接続された第1容量および第1抵抗を有し、前記第3回路パスは、直列接続された第2容量および第2抵抗を有し、前記第2容量の容量値は前記第1容量より大きく、前記第2抵抗の抵抗値は前記第1抵抗より大きく、前記ゲート抵抗の抵抗値は前記第2抵抗より大きい。
また、本開示の一態様に係る半導体遮断器は、上記のゲート駆動回路と、前記パワートランジスタとを備える。
本開示のゲート駆動回路および半導体遮断器によれば、サージ電圧を抑制しかつミラー期間を短くすることにより信頼性を高めることができる。
図1Aは、比較例におけるゲート駆動回路を含むパワースイッチングシステムを示す回路図である。 図1Bは、比較例におけるゲート駆動回路におけるゲート-ソース間電圧、ドレイン-ソース間電圧、ドレイン-ソース間電流の波形を示す図である。 図1Cは、比較例におけるゲート抵抗の大きさに対するゲート-ソース間電圧、ドレイン-ソース間電流の特性を示す図である。 図2Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。 図2Bは、比較例および実施の形態に係るゲート駆動回路におけるゲート電圧、ゲート電流およびソース電流を示す波形図である。 図3は、ターンオフ時のパワートランジスタのゲートチャージ特性の一例を示す図である。 図4は、実施の形態に係るゲート駆動回路におけるゲート電流の様子を示す説明図である。 図5は、比較例および実施の形態に係るゲート駆動回路の実験結果を示す図である。 図6は、比較例および実施の形態に係るゲート駆動回路の他の実験結果を示す図である。 図7Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第1変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。 図7Bは、第1変形例および比較例におけるゲート駆動回路の動作説明図である。 図8Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第2変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。 図8Bは、パワートランジスタとしてFETを備える比較例の動作説明図である。 図8Cは、実施の形態に係るパワートランジスタとしてFETを備えるゲート駆動回路の動作説明図である。 図9Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第3変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。 図9Bは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第3変形例の動作説明図である。 図10は、実施の形態に係るゲート駆動回路の第4変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。 図11Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第5変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。 図11Bは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第5変形例の動作説明図である。
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、ゲート駆動回路に関し、上記の課題が生じることを見出した。以下では、この課題について図1A~図1Cを用いて説明する。
図1Aは、比較例におけるゲート駆動回路を含むパワースイッチングシステムを示す回路図である。同図のパワースイッチングシステムは、負荷回路13、パワートランジスタ12、およびゲート駆動回路11を備える。
負荷回路13は、ダイオードD0および寄生インダクタLsを含む模式的な等価回路である。
パワートランジスタ12は、電力制御用のパワーデバイスである。
ゲート駆動回路11は、制御回路14とゲート抵抗Rgとを備える。
制御回路14は、パワートランジスタ12をスイッチングさせるための矩形波信号であるゲート信号を生成し、ゲート抵抗Rgを介してパワートランジスタ12のゲートに供給する。
ゲート抵抗Rgは、ゲート信号の急峻な変化を緩和する。ゲート抵抗Rgは、立ち上がり時間および立ち下がり時間を増加させる。言い換えれば,立ち上がりエッジおよび立下りエッジのスルーレートを大きくする調整をするための抵抗である。
図1Bは、比較例におけるゲート駆動回路におけるゲート-ソース間電圧Vgs、ドレイン-ソース間電圧Vds、ドレイン-ソース間電流Idsの波形を模式的に示す図である。同図の上段および下段の横軸は時間軸である。上段の縦軸は、パワートランジスタ12のターンオフ時のゲート-ソース間電圧を示す。以下では、ゲート-ソース間電圧Vgsを単にゲート電圧Vgsと呼ぶことがある。下段の縦軸は、ドレイン-ソース間電圧Vdsと、ドレイン-ソース間電流Idsとを示す。以下では、ドレイン-ソース間電圧Vdsを単にドレイン電圧Vdsと、ドレイン-ソース間電流Idsを単にドレイン電流Idsと呼ぶことがある。Vthは、パワートランジスタ12のしきい値電圧を示す。
時刻t1は、制御回路14からのゲート信号の立ち下りを開始点、つまり、パワートランジスタ12のターンオフ開始点であるものとする。時刻t4でターンオフ完了点である。時刻t1から時刻t4は、単調に変化するのではなく、ゲート電圧Vgsがフラットになるミラー期間が発生する。
ここで、ミラー期間について説明する。パワートランジスタ12がターンオンもしくはターンオフするときにゲート電圧Vgsがしきい値電圧Vth近傍になると、ゲート-ドレイン間の寄生容量Cgd(ミラー効果により実際の容量値より大きな効果を有している。)を充放電するためにゲート電圧Vgsがフラットになる期間が発生する。これがミラー期間である。ミラー電圧Vgmとはこのミラー期間中のゲート電圧Vgsのことである。ミラー期間はドレイン-ソース間電圧Vdsが変化する期間であり、ドレインーソース間電圧Vdsが最終値に達すると終了する。
図1Bのように、ミラー期間終了からの電流変化を電流遮断速度di/dtと呼ぶと、寄生インダクタLsに起因するサージ電圧は、Ls(di/dt)に比例する。すなわち、サージ電圧の大きさは、寄生インダクタLsのインダンクタンスに比例し、かつ、電流遮断速度di/dtに比例する。サージ電圧が耐圧を超える場合、半導体遮断器を壊す可能性があるため、電流遮断速度di/dtを小さくする必要がある。
図1Cは、比較例におけるゲート抵抗Rgの大きさに対するゲート-ソース間電圧Vgs、ドレイン-ソース間電流Idsの特性を示す図である。図中の二点鎖線、点線、一点鎖線、破線、実線は、この順にゲート抵抗Rgの抵抗値の大きさに対応する。図1Cに示すように、ゲート抵抗Rgの抵抗値が小さいとミラー期間が短く、ゲート抵抗Rgの抵抗値が大きいとミラー期間が長くなる。ミラー期間ではドレイン電流Idsが遮断されないので、過電流により半導体遮断器を壊す可能性があるため、ミラー期間は短くする必要がある。
ただし、図1Cに示すように、ゲート抵抗Rgの抵抗値が小さいと電流遮断速度di/dtが大きくなるので、サージ電圧の抑制とミラー期間の短縮とはトレードオフの関係にある。
そこで、本開示は、サージ電圧の抑制とミラー期間の短縮とを両立させて、信頼性を高めたゲート駆動回路および半導体遮断器を提供する。
この問題を解決するため、本開示の一態様に係るゲート駆動回路は、入力端子と、前記入力端子とパワートランジスタのゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パスと、前記第1回路パスに並列接続された第2回路パスと、前記第2回路パスに並列接続された第3回路パスと、を備え、前記第1回路パスは、ゲート抵抗を有し、前記第2回路パスは、直列接続された第1容量および第1抵抗を有し、前記第3回路パスは、直列接続された第2容量および第2抵抗を有し、前記第2容量の容量値は前記第1容量より大きく、前記第2抵抗の抵抗値は前記第1抵抗より大きく、前記ゲート抵抗の抵抗値は前記第2抵抗より大きい。
これによれば、ミラー期間を短縮しかつサージ電圧を抑制(つまり電流遮断速度di/dtを小さく)することができる。つまり、パワートランジスタの信頼性を高めることができる。
例えば、前記パワートランジスタのターンオフの過程において、まず、第2回路パスは、パワートランジスタ2のゲート容量から一部の電荷を高速にディスチャージする。これによりミラー期間を短縮することができる。
例えば、前記第3回路パスは、前記第2回路パスのディスチャージに続いて前記ゲート容量から他の一部の電荷を、前記第2回路パスよりも低速でディスチャージする。これにより、電流遮断速度を小さくするのでサージ電圧を抑制することができる。
なお、第1回路パスのゲート抵抗の抵抗値は、第2抵抗よりも大きいので、前記パワートランジスタのターンオフ時のディスチャージにはほとんど寄与しない。
また、本開示の一態様に係る半導体遮断器は、上記のゲート駆動回路と、前記パワートランジスタとを備える。
これによれば、ミラー期間を短縮しかつサージ電圧を抑制することができる。つまり、パワートランジスタの信頼性を高めることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
[1.構成]
図2Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。同図のパワースイッチングシステムは、例えば、半導体遮断器である。図2Aのパワースイッチングシステムは、負荷回路3、パワートランジスタ2、およびゲート駆動回路1を備える。
負荷回路3は、ダイオードD0および寄生インダクタLsを含む模式的な等価回路である。
パワートランジスタ2は、電力制御用のパワーデバイスであり、例えば数百Vの耐圧を持つ半導体スイッチング素子である。例えば、パワートランジスタ2は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistors)やSiC FET(Field Effect Transistor)や窒化ガリウム(GaN)トランジスタであってもよい。また、パワートランジスタ2は、P型ゲート構造を有していてもよいし、P型デュアルゲート構造のGaN双方向スイッチであってもよいし、MOSFETであってもよい。
ゲート駆動回路1は、パワートランジスタ2のゲート容量を充電および放電することによりパワートランジスタ2を駆動する。そのため、ゲート駆動回路1は、入力端子T1、制御回路4、第1回路パス5、第2回路パス6、および第3回路パス7を備える。なお、パワートランジスタ2のゲート容量は、ゲート-ドレイン間寄生容量等の寄生容量も含む。
制御回路4は、パワートランジスタ2をスイッチングさせるための矩形波信号であるゲート信号を生成し、入力端子T1と、第1回路パス5、第2回路パス6、および第3回路パス7の並列回路とを介してパワートランジスタ2のゲートに供給する。
第1回路パス5は、入力端子T1とパワートランジスタ2のゲートとを接続する配線に挿入される。第1回路パス5は、直列接続されたダイオードD1およびゲート抵抗Rgonを有する。第1回路パス5は、主にパワートランジスタ2のターンオンおよびオン状態に寄与し、パワートランジスタ2のターンオフにはほとんど寄与しない。
第2回路パス6は、第1回路パス5に並列接続される。第2回路パス6は、直列接続された第1容量C1および第1抵抗R1を有する。第2回路パス6は、第3回路パス7よりも低容量、低抵抗である。第1抵抗R1が低抵抗であることにより、第2回路パス6は、パワートランジスタ2のターンオフの過程において、まず、パワートランジスタ2のゲート容量から一部の電荷を、第3回路パス7よりも高速にディスチャージする。第2回路パス6の高速ディスチャージにより、ミラー期間を短縮することができる。また、第1容量C1の容量値を適切に設定することによって、高速なディスチャージの電荷量を限定することができる。例えば、第2回路パス6は、パワートランジスタ2のターンオフの過程においてパワートランジスタ2のゲート容量から第1の電荷量をディスチャージする。この第1の電荷量は、パワートランジスタ2のターンオフの開始からパワートランジスタ2のミラー期間が完了するまでにパワートランジスタ2のゲート容量から放出される第2の電荷量より小さくなるように設定される。
第3回路パス7は、第2回路パス6に並列接続される。第3回路パス7は、直列接続された第2容量C2および第2抵抗R2を有する。ここで、第2容量C2の容量値は第1容量C1より大きい。第2抵抗R2の抵抗値は第1抵抗R1より大きい。また、ゲート抵抗Rgonの抵抗値は第2抵抗R2より大きい。第3回路パス7は、パワートランジスタ2のターンオフの過程において、第2回路パス6のディスチャージに続いてゲート容量から他の一部の電荷を、第2回路パス6よりも低速でディスチャージする。これにより、電流遮断速度di/dtを小さくするのでサージ電圧を抑制することができる。
次に、パワートランジスタ2のターンオフの過程における信号波形について説明する。
図2Bは、比較例および実施の形態に係るゲート駆動回路におけるゲート電圧Vgs、ゲート電流iGおよびソース電流Idsを示す波形図である。図2Bの(a)比較例の欄は、図1Aのゲート駆動回路11に対応する。図2Bの(b)実施形態の欄は、図2Aのゲート駆動回路1に対応する。
図2Bの(a)および(b)において時刻t1はターンオフ開始点を、時刻t5はターンオフ完了点を示す。時刻t2から時刻t3は、ミラー期間を示す。時刻t4は、ゲート電圧Vgsがしきい値電圧Vthに達した時刻を示す。つまり、時刻t4以降パワートランジスタ2はオフ状態になる。
図2Bの(b)に示すように本実施の形態に係るゲート駆動回路1は、図1Aの比較例のゲート駆動回路11と比べて、ミラー期間が短縮され、かつ、電流遮断速度di/dtが小さくなっている。電流遮断速度di/dtが小さくなっていることは、サージ電圧を抑制していることを意味する。
ミラー期間の短縮は、第2回路パス6が寄与している。例えば、第2回路パス6の第1容量C1の容量値は、時刻t1のターンオフ開始から時刻t3のミラー期間が完了する前までに、ゲート容量が放電する電荷を吸収する大きさに設定される。かつ、第1抵抗R1は、電荷の高速移動が可能な比較的小さい抵抗値に設定される。これにより、第2回路パス6は、時刻t1のターンオフ開始からミラー期間の完了前まで、高速にゲート容量をディスチャージする。こうして、ミラー期間が短縮される。
なお、上記の「ミラー期間が完了する前まで」は、「ゲート電圧Vgsがしきい値電圧Vthに達する時刻t3の前まで」でもよい。
また、時刻t3または第2回路パス6のディスチャージ終了後に、第3回路パス7は、低速にゲート容量をディスチャージする。時刻t3から時刻t5の期間内でゲート電圧Vgsがしきい値電圧を下回る時刻t4では、ゲート容量が低速で放電されるのでドレイン電流Idsの変化が緩和される。これにより、電流遮断速度di/dtが小さくなり、サージ電圧を抑制することができる。
図3は、ターンオフ時のパワートランジスタ2のゲートチャージ特性の一例を示す図である。同図の横軸は、時間軸を示す。縦軸は、ゲート電圧Vgを示す。
パワートランジスタ2がオン状態であるときにゲート容量に充電された電荷量Qg(ON)を次式で表すものとする。
Qg(ON)=Qgs1+Qgd+Qgs2
ここで、Qgs1は、しきい値より小さいゲート電圧に対応するゲート-ソース間の寄生容量を示す。Qgdは、ゲート-ドレイン間の寄生容量を示す。Qgs2は、しきい値より大きいゲート電圧に対応するゲート-ソース間の寄生容量を示す。
第1容量C1の容量値は、次式を満たすように設定される。
C1<(Qgs2+Qgd)
より正確には、第1容量C1は次式を満たすように設定される。
C1(Vg(t1)-Vg(t2))<(Qgs2+Qgd)
ここで、Vg(t1)は、図3の時刻t1におけるゲート電圧を示す。Vg(t2)は、図3の時刻t2におけるゲート電圧を示す。この式の左辺は、時刻t1のときのゲート電圧Vgと時刻t2のときのゲート電圧Vgとの差と、第1両量C1との積で示される電荷量を示す。第1容量C1は、左辺で示される電荷量が右辺の(Qgs2+Qgd)より小さくなるように設定される。これにより、ミラー期間が終わるより先に第1容量C1および第1抵抗R1による高速放電が終了することができる。
つまり、パワートランジスタ2がオン状態であるときの第1容量C1に充電される電荷量が、パワートランジスタ2のゲート容量の電荷量Qgのうち(Qgs2+Qgd)以下になるように設定される。これによりターンオフ開始後、ミラー期間の途中までは、低抵抗な第2回路パス6によって高速にパワートランジスタ2のゲート電荷を放電でき、ミラー期間を短くできる。
パワートランジスタ2がオン状態のときの第1容量C1に充電された電荷量Q(C1_ON)は次式で定義される。
Q(C1_ON)=C1の容量値×(Vdd-Vgs(ON))
ここで、Vddはゲート駆動電源電、Vgs(ON)はパワートランジスタ2のオンのときのゲート-ソース間電圧である。
第2容量C2の容量値は、次式を満たすように設定される。
C2>(Qgs1+Qgd+Qgs2)
つまり、第2容量C2の容量値は、パワートランジスタ2がオン状態のときのゲート容量の電荷量Qg(ON)=Qgs1+Qgd+Qgs2より大きくなるように設定される。
より正確には、第2容量C2は次式を満たすように設定される。
C2(Vg(t1)-Vg(t5))<(Qgs1+Qgd+Qgs2)
ここで、Vg(t1)は、図3の時刻t1におけるゲート電圧を示す。Vg(t5)は、図3の時刻t5におけるゲート電圧を示す。
ターンオフの過程で第1容量C1がQ(C1_ON)の電荷量を吸収した後は、第1容量C1の両端にかかる電圧が小さくなり、第1容量C1を流れる電流量は第2容量C2を流れる電流量より小さくなる。第2容量C2を流れる電流量は第2抵抗R2の大きさによって調整でき、電流遮断速度di/dtを調整できる。
また、ゲート抵抗Rgonは、パワートランジスタ2がp型ゲートの場合にオン時のゲート電圧を決めるために必要である。ただし、ゲート抵抗Rgonは第2抵抗R2より大きいことが必要である。というのは、ゲート抵抗Rgonが第2抵抗R2より小さいと、第2抵抗R2の抵抗値による電流遮断速度di/dtの調整が複雑または困難になるからである。
また、ダイオードD1によりパワートランジスタ2のオフ時はゲート抵抗Rgonを通電不可にしておくことができ、第2抵抗R2で電流遮断速度di/dtの調整を容易にできる。
なお、図2Aにおいて、C1<C2、および、R1<R2を満たす代わりに、C1×R1<C2×R2を満たすようにしてもよい。ここで、C1×R1は第2回路パス6の時定数、C2×R2は第3回路パス7の時定数である。
[2.動作]
次に、ゲート駆動回路1の動作について説明する。
図4は、実施の形態に係るゲート駆動回路1におけるゲート電流の様子を示す説明図である。図4の(a)は、パワートランジスタ2のターンオン開始直後のゲート電流を示す。図中の太い矢線は主なゲート電流の経路を示す。点線の矢線は太い矢線よりも電流量が少ないゲート電流の経路を示す。ターンオン開始直後において、ゲート電流の大部分は第2回路パス6を通過してパワートランジスタ2のゲート容量をチャージする。同時に、ゲート電流の一部分は第1回路パス5および第3回路パス7を通過してパワートランジスタ2のゲート容量をチャージする。
図4の(b)は、パワートランジスタ2の定常的なオン状態を示す。パワートランジスタ2がオン状態にあるとき、主なゲート電流は第1回路パス5を通過してゲートに供給可能である。このとき、第2回路パス6および第3回路パス7は、直流的なゲート電流を通さない。
図4の(c)は、パワートランジスタ2のターンオフ開始直後、例えば、図2Bの(b)の時刻t1から時刻t3におけるゲート電流の様子を示す。ターンオフ開始直後において、大部分のゲート電流が第2回路パス6内の第1抵抗R1および第1容量C1を流れ、小部分のゲート電流が第3回路パス7内の第2抵抗R2および第2容量C2を流れる。これは、第1抵抗R1の抵抗値が第2抵抗R2より小さいからである。太い矢線で示したゲート電流により、ゲート容量を高速にディスチャージするので、ミラー期間を短縮することができる。また、太い矢線で示したゲート電流は、第1容量C1がフルの状態なると流れなくなる。第1容量C1の容量値は、図2Bの(b)では時刻t3以前、つまりミラー期間の完了時点または途中の時点でフルになるように設定される。
図4の(d)は、(c)に後続する期間におけるゲート電流の様子を示す。図4の(d)では、ミラー期間が完了しているので、ゲート容量のディスチャージに伴ってゲート電圧が低下していく。このとき、第1容量C1はフルの状態なので第2回路パス6にゲート電流は流れない。主なゲート電流は、第3回路パス7内の第2抵抗R2および第2容量C2を流れる。第2抵抗R2の抵抗値は、第1抵抗R1よりも大きいので、第3回路パス7を流れるゲート電流は、(c)と比べて制限されている。これにより、電流遮断速度di/dtを小さくし、サージ電圧を抑制することができる。
[3.実験結果]
次に、実施の形態に係るゲート駆動回路1の動作をシミュレーションした実験結果について説明する。
図5は、比較例および実施の形態に係るゲート駆動回路1の実験結果を示す図である。図5の(b)は、図2Aに示したゲート駆動回路1を示す。これに対して図5の(a)は、比較例として、図5の(b)のゲート駆動回路1から、第2回路パス6を削除した構成を示す。削除された第2回路パス6は、第1容量C1および第1抵抗R1からなり、パワートランジスタ2のターンオフの過程においてパワートランジスタ2のゲート容量を高速にディスチャージするための回路である。
図5の(a)および(b)における各回路素子の定数は次のように設定されている。第1回路パス5内のゲート抵抗Rgonが330Ωに設定されている。第2回路パス6内の第1容量C1が2nF、第1抵抗R1が10Ωに設定されている。第3回路パス7内の第2容量C2が4.7nF、第2抵抗R2が4.7kΩに設定されている。また、図5の実験におけるパワートランジスタ2は、P型デュアルゲート構造のGaN双方向スイッチである。
図5の(a)および(b)の右側の波形は、シミュレーションした実験結果として、ゲート電圧Vg1、ドレイン-ソース間電流Is、ドレイン-ソース間電圧Vs2s1を示している。
図5の(a)の比較例における時刻t1のターンオフ開始時点から時刻t2aまでのミラー期間は20μ秒である。これに対して、図5の(b)の実施形態のゲート駆動回路1における時刻t1のターンオフ開始時点から時刻t2bまでのミラー期間は5μ秒である。
図5の(b)の第2回路パス6は、図5の(a)と比べてミラー期間を1/4に短縮する効果があることが確認できた。また、図5の(b)の波形に示されるように、ミラー期間の短縮により、ミラー期間におけるドレイン-ソース間電流Isの電流量を抑制し、ドレイン-ソース間電圧Vs2s1も抑制されている。つまり、ミラー期間におけるドレイン-ソース間電流Isの過電流が、パワートランジスタ2を破壊する可能性を抑制している。
さらに、実施の形態に係るゲート駆動回路1の動作をシミュレーションした他の実験結果について説明する。
図6は、比較例および実施の形態に係るゲート駆動回路の他の実験結果を示す図である。図6の(b)および(a)における回路構成は、図5の(b)および(a)と同じである。ただし、図6の各回路素子の定数は、図5とは異なっている。図6の(a)および(b)における各回路素子の定数は次のように設定されている。第1回路パス5内のゲート抵抗Rgonが330Ωに設定されている。第2回路パス6内の第1容量C1が1.5nF、第1抵抗R1が7.5Ωに設定されている。第3回路パス7内の第2容量C2が4.7nF、第2抵抗R2が2.2kΩに設定されている。また、図6の実験におけるパワートランジスタ2は、図5と同様に、P型デュアルゲート構造のGaN双方向スイッチである。
図6の(b)のミラー期間は、図6の(a)と比べて、約1/4に短縮されている。
また、ドレイン-ソース間電流Isは、図6の(a)においてミラー期間の開始時に8Aであり、ミラー期間の終了時に18Aまで増加している。これに対して、ドレイン-ソース間電流Isは、図6の(b)においてミラー期間の開始時に8Aであり、ミラー期間の終了時に9Aであり、増加量が少ない。このように、図6の(b)では、ミラー期間の短縮により、ミラー期間におけるドレイン-ソース間電流Isの電流量を大きく抑制している。つまり、ミラー期間におけるドレイン-ソース間電流Isの過電流が、パワートランジスタ2を破壊する可能性を大きく抑制している。
[第1変形例]
次に、ゲート駆動回路1の第1変形例について説明する。
図7Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第1変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。図7Aは、図2Aと比べて、第1回路パス5内のダイオードD1が削除された点が異なっている。以下同じ点の説明の重複を避けて、異なる点を中心に説明する。
第1回路パス5は、ダイオードD1が削除されたので、ターンオフの過程においてパワートランジスタ2のゲート容量のディスチャージによるゲート電流を通すようになる。しかし、ゲート抵抗Rgonの抵抗値が第2抵抗R2よりも十分に大きいので、第2回路パス6の流れるゲート電流に比べて、第1回路パス5に流れるゲート電流は無視してもよい。従って、図7Aの第1変形例におけるゲート駆動回路1によっても、図2Aと同様の作用および効果を得ることができる。
さらに、1変形例におけるゲート駆動回路1の動作例について説明する。
図7Bは、第1変形例および比較例におけるゲート駆動回路の動作説明図である。図7Bの(a)は、第1変形例におけるゲート駆動回路1のターンオフ開始時(つまりオン状態の終了時)のゲート電圧Vgおよびゲート電流Igを示す。図7Bの(b)および(c)は、第3回路パス7による低速なゲート容量のディスチャージ期間に対応する。すなわち、図7Bの(b)は、第2回路パス6による高速ディスチャージが完了した直後のゲート電圧Vgおよびゲート電流Igを示す。図7Bの(c)は、第3回路パス7による低速なディスチャージの期間におけるゲート電圧Vgおよびゲート電流Igを示す。なお、図7B中のIg@R2は、第2抵抗R2に流れるゲート電流Igを意味する。
また、図7Bの比較例は、図7Aの第1変形例におけるゲート駆動回路1から第2容量C2を削除した回路例を前提としている。図7Bの(a1)は、比較例におけるゲート駆動回路のターンオフ開始時(つまりオン状態の終了時)のゲート電圧Vgおよびゲート電流Igを示す。図7Bの(b1)および(c1)は、第2抵抗R2による低速なゲート容量のディスチャージ期間に対応する。すなわち、図7Bの(b1)は、第2回路パス6による高速ディスチャージが完了した直後のゲート電圧Vgおよびゲート電流Igを示す。図7Bの(c1)は、第3回路パス7による低速なディスチャージの期間におけるゲート電圧Vgおよびゲート電流Igを示す。
第1変形例の低速放電期間((b)から(c)の期間)においてゲート電流Ig@R2は、11V/R2から10V/R2に変化している。つまり、Igの変化率は約9パーセントである。つまり、電流遮断速度di/dtが比較的小さい。これによりサージ電圧を抑制でき、パワートランジスタ2の破壊の可能性を抑制することができる。
これに対して比較例の低速放電期間((b1)から(c1)の期間)においてゲート電流Ig@R2は、2V/R2から1V/R2に変化している。つまり、Igの変化率は約50パーセントである。つまり、電流遮断速度di/dtが比較的大きい。これによりサージ電圧を抑制効果が小さく、パワートランジスタ2の破壊の可能性を抑制する効果も小さい。
[第2変形例]
次に、ゲート駆動回路1の第2変形例について説明する。
図8Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第2変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。図8Aは、図7Aと比べて、パワートランジスタ2がMOSFETである点が異なっている。つまり、図8Aのパワートランジスタ2は、ゲート部がダイオードのGIT(Gate Insulated Transistor)ではなく、絶縁ゲートのMOSFETである。この場合、パワートランジスタ2がオン状態のときのゲート電圧は、図8Aでは、ゲート抵抗Rgonが存在するので、入力端子T1の電圧にまで上昇する。
もし、図8Bのようにゲート抵抗Rgonが存在しなければ、パワートランジスタ2のオン状態のゲート電圧は、第1容量C1、第2容量C2とゲート容量との容量比に依存して、入力端子T1の電圧が分圧された電圧値になる。図8Bでは、入力端子T1の12Vが分圧された結果、ゲート電圧が6Vの例を示している。
もし、図8Cのように、ゲート抵抗RgonにダイオードD1が直列接続されていれば、ゲート容量に溜まった電荷の放電経路がないためMOSFETのゲート電圧Vgはゼロになれないという不具合が起こり得る。ただし、図8Cで第2容量C2がなければ、ゲート容量の電荷を放電可能になる。
したがって、パワートランジスタ2がMOSFETである場合は、図8Aの構成、および図8Cの第2容量C2のない構成が適している。
なお、双方向GaNのようなp型ゲートの場合はゲート自体がpnダイオードとなっており、自然にゲート電荷はonダイオードを通じて放電可能であり、図8Cの構成でも適している。
[第3変形例]
次に、ゲート駆動回路1の第3変形例について説明する。
図9Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第3変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。図9Aは、図2Aと比べて、第1抵抗R1の代わりにダイオードD2を備える点が異なっている。以下、異なる点を中心に説明する。
ダイオードD2は、高速放電用の低抵抗の第1抵抗R1の代わりに備えられ、第1抵抗R1と同様に、ターンオフ時の高速放電を可能にする。
さらに、第3変形例によれば、ターンオン時に発生するソース電流やゲート電圧のリンギングを抑制できる。また、第3変形例では、ダイオードD2を設けることでターンオンの過程において第1容量C1からゲート容量を充電する電流はほとんど流れず、ターンオンの過程におけるゲート電流はダイオードD1,ゲート抵抗Rgonを流れる。ゲート抵抗Rgonの抵抗値の設定によって、ターンオフ時の電流遮断速度di/dtとは独立してターンオンの速度を調整することができる。
また、ターンオン過程におけるゲート電流の主経路は、第2抵抗R2とゲート抵抗Rgonの抵抗値が小さい方となる。なお、ダイオードD2自体も容量を持っているので瞬時的に電流は流れるが、通常は第1容量C1に対して容量値が小さいため無視できる。
図9Bは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第3変形例の動作説明図である。図9Bは、パワートランジスタ2のターンオン過程におけるゲート電圧Vgs、ドレイン電圧Vds、ドレイン電流Idsの波形を示している。第3変形例では、第1抵抗R1の代わりにダイオードD2を備えるので、ターンオン時の第1容量C1および第1抵抗R1によるゲート容量の高速チャージを禁止する。これにより、ゲート抵抗Rgonの抵抗値の設定による、ターンオン速度の調整を容易にする。
[第4変形例]
次に、ゲート駆動回路1の第4変形例について説明する。
図10は、実施の形態に係るゲート駆動回路の第4変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。図10は、図2Aと比べて、第2容量C2が削除された点が異なっている。以下、異なる点を中心に説明する。
第3回路パス7は、第2容量C2を有せず、第2抵抗R2で構成される。ゲート電流は、第2容量C2による直流遮断作用を受けずに、入力端子T1とゲート間で常時導通可能になっている。第3回路パス7は、パワートランジスタ2のオフ状態でゲート電荷を残留させることなくディスチャージできる。それゆえ、図10のゲート駆動回路1は、例えば、パワートランジスタ2が絶縁ゲートを有するMOSFETである場合に適している。図10のように、第2容量C2がなくても、図2Aと同様に、ミラー期間を短縮することと、電流遮断速度di/dtを小さくすることとを実現することができる。
[第5変形例]
次に、ゲート駆動回路1の第5変形例について説明する。
図11Aは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第5変形例を含むパワースイッチングシステムの構成例を示す図である。また、図11Bは、実施の形態に係るゲート駆動回路の第5変形例の動作説明図である。
図11Aは、図2Aと比べて、第4回路パス8が追加されている点が異なっている。以下、異なる点を中心に説明する。
第4回路パス8は、第3回路パス7に並列接続される。第4回路パス8は、直列接続された第3容量C3および第3抵抗R3を有する。ここで、第3容量C3の容量値は第2容量C2より大きい。第3抵抗R3の抵抗値は第2抵抗R2より大きい。
図11Bの動作例では、第2回路パス6は、主に、ターンオフの開始からミラー期間の先頭までの期間において、最高速にゲート容量をディスチャージする。第3回路パス7は、主にミラー期間において、高速にゲート容量をディスチャージする。第4回路パス8は、主にミラー期間の末尾からターンオフ完了までの期間において、低速にゲート容量をディスチャージする。そのため、容量値および抵抗値は、次式を満たせばよい。
C1<C2<C3
R1<R2<R3<Rgon
これにより、ターンオフの過程において主なゲート電流は、第1容量C1、第2容量C2、第3容量C3の順に流れ、かつ、この順にフル状態になって遮断される。ミラー期間が第1容量C1だけでは十分に短縮できない場合でも、第2容量C2により十分に短縮または調整することができる。ミラー期間後の電流遮断速度di/dtは、第3容量C3により容易に調整することができる。
なお、図11Aにおいて、C1<C2<C3、および、R1<R2<R3を満たす代わりに、C1×R1<C2×R2<C3×R3を満たすようにしてもよい。ここで、C1×R1は第2回路パス6の時定数、C2×R2は第3回路パス7の時定数、C3×R3は第4回路パス8の時定数である。
以上説明してきたように、実施の形態の一態様に係るゲート駆動回路1は、入力端子T1と、入力端子T1とパワートランジスタ2のゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パス5と、第1回路パス5に並列接続された第2回路パス6と、第2回路パス6に並列接続された第3回路パス7と、を備え、第1回路パス5は、ゲート抵抗Rgonを有し、第2回路パス6は、直列接続された第1容量C1および第1抵抗R1を有し、第3回路パス7は、直列接続された第2容量C2および第2抵抗R2を有し、第2容量C2の容量値は第1容量C1より大きく、第2抵抗R2の抵抗値は第1抵抗R1より大きく、ゲート抵抗Rgonの抵抗値は第2抵抗R2より大きい。
これによれば、ミラー期間を短縮しかつサージ電圧を抑制(つまり電流遮断速度di/dtを小さく)することができる。つまり、パワートランジスタ2の信頼性を高めることができる。
ここで、第2回路パス6は、パワートランジスタ2のターンオフの過程においてパワートランジスタ2のゲート容量から一部の電荷をディスチャージし、第3回路パス7は、第2回路パス6のディスチャージに続いてゲート容量から他の一部の電荷を、第2回路パス6よりも低速でディスチャージしてもよい。
これによれば、第2回路パス6による高速のディスチャージによりミラー期間を短縮することができる。第3回路パス7による低速のディスチャージにより、電流遮断速度di/dtを小さくするのでサージ電圧を抑制することができる。
ここで、第2回路パス6は、パワートランジスタ2のターンオフの過程においてパワートランジスタ2のゲート容量から第1の電荷量をディスチャージし、第1の電荷量は、パワートランジスタ2のターンオフの開始からパワートランジスタ2のミラー期間が完了するまでにパワートランジスタ2のゲート容量から放出される第2の電荷量より小さくなるように設定されてもよい。
これによれば、第2回路パス6による高速のディスチャージが行われる期間を、ミラー期間の範囲内に設定することができる。
ここで、第1回路パス5は、ゲート抵抗Rgonに直列接続されたダイオードD1を備え、ダイオードD1の順方向は、入力端子からパワートランジスタのゲートに向う方向であってもよい。
これによれば、第1回路パス5のゲート抵抗Rgonの抵抗値は、第2抵抗R2よりも大きいので、パワートランジスタ2のターンオフにおけるのディスチャージにはほとんど寄与しない。それゆえ、ターンオフにおける動作設定または調整は、専ら第2回路パス6および第3回路パス7で行うことができる。
ここで、さらに、第3回路パス7に並列接続された第4回路パス8を備え、第4回路パス8は、直列接続された第3容量C3および第3抵抗R3を有し、第3容量C3の容量値は第2容量C2より大きく、第3抵抗R3の抵抗値は第2抵抗R2より大きくてもよい。
これによれば、例えば、第3回路パス7によりミラ-期間の短縮を容易に調整でき、第4回路パス8により電流遮断速度di/dtを容易に調整することができる。
ここで、パワートランジスタ2は、P型ゲート構造を有していてもよい。
ここで、パワートランジスタ2は、P型デュアルゲート構造のGaN双方向スイッチであってもよい。
ここで、パワートランジスタ2は、MOSFETであってもよい。
また、実施の形態の一態様に係るゲート駆動回路1は、入力端子T1と、入力端子T1とパワートランジスタ2のゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パス5と、第1回路パス5に並列接続された第2回路パス6と、第2回路パス6に並列接続された第3回路パス7と、を備え、第1回路パス5は、ゲート抵抗Rgonを有し、第2回路パス6は、直列に接続された第1容量C1とダイオードD2とを有し、第3回路パス7は、直列に接続された第2容量C2と第2抵抗R2とを有し、第2容量C2の容量値は第1容量C1より大きく、ゲート抵抗Rgonの抵抗値は第2抵抗R2より大きい。
これによれば、ミラー期間を短縮しかつサージ電圧を抑制(つまり電流遮断速度di/dtを小さく)することができる。つまり、パワートランジスタ2の信頼性を高めることができる。
ここで、第2回路パス6は、パワートランジスタ2のターンオフの過程においてパワートランジスタ2のゲート容量から第1の電荷量をディスチャージし、第1の電荷量は、パワートランジスタ2のターンオフの開始からパワートランジスタ2のミラー期間が完了するまでにパワートランジスタ2のゲート容量から放出される第2の電荷量より小さくなるように設定されていてもよい。
これによれば、第2回路パス6による高速のディスチャージが行われる期間を、ミラー期間の範囲内に設定することができる。
ここで、第1回路パス5は、ゲート抵抗Rgonと直列に接続されたダイオードD1を備えていてもよい。
これによれば、第1回路パス5のゲート抵抗Rgonの抵抗値は、第2抵抗R2よりも大きいので、パワートランジスタ2のターンオフにおけるのディスチャージにはほとんど寄与しない。それゆえ、ターンオフにおける動作設定または調整は、専ら第2回路パス6および第3回路パス7で行うことができる。
ここで、第1回路パス5内のダイオードD1の順方向は、入力端子T1からパワートランジスタのゲートに向う方向であり、第2回路パス6内のダイオードD2の順方向は、パワートランジスタのゲートから入力端子T1に向う方向であってもよい。
また、実施の形態の一態様に係るゲート駆動回路1は、入力端子T1と、入力端子T1とパワートランジスタ2のゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パス5と、第1回路パス5に並列接続された第2回路パス6と、第2回路パス6に並列接続された第3回路パス7と、を備え、第1回路パス5は、直列接続されたダイオードD1およびゲート抵抗Rgonを有し、第2回路パス6は、直列接続された第1容量C1および第1抵抗R1を有し、第3回路パス7は、第2抵抗R2を有し、第2抵抗R2の抵抗値は第1抵抗R1より大きく、ゲート抵抗Rgonの抵抗値は第2抵抗R2より大きい。
これによれば、ミラー期間を短縮しかつサージ電圧を抑制(つまり電流遮断速度di/dtを小さく)することができる。つまり、パワートランジスタ2の信頼性を高めることができる。
ここで、第2回路パス6は、パワートランジスタ2のターンオフの過程においてパワートランジスタ2のゲート容量から第1の電荷量をディスチャージし、第1の電荷量は、パワートランジスタ2のターンオフの開始からパワートランジスタ2のミラー期間が完了するまでにパワートランジスタ2のゲート容量から放出される第2の電荷量より小さくなるように設定されてもよい。
これによれば、第2回路パス6による高速のディスチャージが行われる期間を、ミラー期間の範囲内に設定することができる。
また、実施の形態の一態様に係る半導体遮断器は、上記のゲート駆動回路1と、パワートランジスタ2と、を備える。
これによれば、ミラー期間を短縮しかつサージ電圧を抑制(つまり電流遮断速度di/dtを小さく)することができる。つまり、パワートランジスタ2の信頼性を高めることができる。
以上、1つまたは複数の態様に係るゲート駆動回路について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本開示に係るゲート駆動回路および半導体遮断器は、例えば、パワースイッチングシステムに利用可能である。
1 ゲート駆動回路
2 パワートランジスタ
3 負荷回路
4 制御回路
5 第1回路パス
6 第2回路パス
7 第3回路パス
8 第4回路パス
C1 第1容量
C2 第2容量
C3 第3容量
D1、D2 ダイオード
R1 第1抵抗
R2 第2抵抗
R3 第3抵抗
Rgon ゲート抵抗
T1 入力端子

Claims (14)

  1. 入力端子と、
    前記入力端子とパワートランジスタのゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パスと、
    前記第1回路パスに並列接続された第2回路パスと、
    前記第2回路パスに並列接続された第3回路パスと、を備え、
    前記第1回路パスは、ゲート抵抗を有し、
    前記第2回路パスは、直列接続された第1容量および第1抵抗を有し、
    前記第3回路パスは、直列接続された第2容量および第2抵抗を有し、
    前記第2容量の容量値は前記第1容量より大きく、
    前記第2抵抗の抵抗値は前記第1抵抗より大きく、
    前記ゲート抵抗の抵抗値は前記第2抵抗より大きい
    ゲート駆動回路。
  2. 前記第2回路パスは、前記パワートランジスタのターンオフの過程において前記パワートランジスタのゲート容量から一部の電荷をディスチャージし、
    前記第3回路パスは、前記第2回路パスのディスチャージに続いて前記ゲート容量から他の一部の電荷を、前記第2回路パスよりも低速でディスチャージする
    請求項1に記載のゲート駆動回路。
  3. 前記第2回路パスは、前記パワートランジスタのターンオフの過程において前記パワートランジスタのゲート容量から第1の電荷量をディスチャージし、
    前記第1の電荷量は、前記パワートランジスタのターンオフの開始から前記パワートランジスタのミラー期間が完了するまでに前記パワートランジスタのゲート容量から放出される第2の電荷量より小さくなるように設定される
    請求項1または2に記載のゲート駆動回路。
  4. 前記第1回路パスは、前記ゲート抵抗に直列接続されたダイオードを備え、
    前記ダイオードの順方向は、前記入力端子から前記パワートランジスタのゲートに向う方向である
    請求項1から3の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  5. さらに、前記第3回路パスに並列接続された第4回路パスを備え、
    前記第4回路パスは、直列接続された第3容量および第3抵抗を有し、
    前記第3容量の容量値は前記第2容量より大きく、
    前記第3抵抗の抵抗値は前記第2抵抗より大きい
    請求項1から4の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  6. 前記パワートランジスタは、P型ゲート構造を有する
    請求項1から5の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  7. 前記パワートランジスタは、P型デュアルゲート構造のGaN双方向スイッチである
    請求項1から5の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  8. 前記パワートランジスタは、MOSFETである
    請求項1から5の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  9. 入力端子と、
    前記入力端子とパワートランジスタのゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パスと、
    前記第1回路パスに並列接続された第2回路パスと、
    前記第2回路パスに並列接続された第3回路パスと、を備え、
    前記第1回路パスは、ゲート抵抗を有し、
    前記第2回路パスは、直列に接続された第1容量とダイオードとを有し、
    前記第3回路パスは、直列に接続された第2容量と第2抵抗とを有し、
    前記第2容量の容量値は前記第1容量より大きく、
    前記ゲート抵抗の抵抗値は前記第2抵抗より大きく、
    前記第2回路パス内の前記ダイオードの順方向は、前記パワートランジスタのゲートから前記入力端子に向う方向である
    ゲート駆動回路。
  10. 前記第2回路パスは、前記パワートランジスタのターンオフの過程において前記パワートランジスタのゲート容量から第1の電荷量をディスチャージし、
    前記第1の電荷量は、前記パワートランジスタのターンオフの開始から前記パワートランジスタのミラー期間が完了するまでに前記パワートランジスタのゲート容量から放出される第2の電荷量より小さくなるように設定される
    請求項9に記載のゲート駆動回路。
  11. 前記第1回路パスは、前記ゲート抵抗と直列に接続されたダイオードを備え
    前記第1回路パス内の前記ダイオードの順方向は、前記入力端子から前記パワートランジスタのゲートに向う方向である
    請求項9または10記載のゲート駆動回路。
  12. 入力端子と、
    前記入力端子とパワートランジスタのゲートとを接続する配線に挿入された第1回路パスと、
    前記第1回路パスに並列接続された第2回路パスと、
    前記第2回路パスに並列接続された第3回路パスと、を備え、
    前記第1回路パスは、直列接続されたダイオードおよびゲート抵抗を有し、
    前記第2回路パスは、直列接続された第1容量および第1抵抗を有し、
    前記第3回路パスは、第2抵抗を有し、
    前記第2抵抗の抵抗値は前記第1抵抗より大きく、
    前記ゲート抵抗の抵抗値は前記第2抵抗より大きく、
    前記第1回路パス内の前記ダイオードの順方向は、前記入力端子から前記パワートランジスタのゲートに向う方向である
    ゲート駆動回路。
  13. 前記第2回路パスは、前記パワートランジスタのターンオフの過程において前記パワートランジスタのゲート容量から第1の電荷量をディスチャージし、
    前記第1の電荷量は、前記パワートランジスタのターンオフの開始から前記パワートランジスタのミラー期間が完了するまでに前記パワートランジスタのゲート容量から放出される第2の電荷量より小さくなるように設定される
    請求項12に記載のゲート駆動回路。
  14. 請求項1から13の何れか1項に記載のゲート駆動回路と、
    前記パワートランジスタと、を備える
    半導体遮断器。
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