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JP7613464B2 - 積層フィルム、偏光板、表示装置及び偏光板ロールの製造方法 - Google Patents
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JP7613464B2 - 積層フィルム、偏光板、表示装置及び偏光板ロールの製造方法 - Google Patents

積層フィルム、偏光板、表示装置及び偏光板ロールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層フィルム、それを具備した偏光板、表示装置、及び偏光板ロールの製造方法に関し、より詳しくは、薄膜でありながら、従来の偏光板保護フィルムと同様に取り扱うことが可能であり、更には偏光板加工時に優れたカール制御性を有し、偏光板加工の生産性が向上した積層フィルム等に関する。
液晶表示装置は、低消費電力で、薄型化が可能であることから、テレビジョン(TV)やパーソナルコンピューター(PC)等の画像表示装置として広く採用されている。
近年のテレビジョン(TV)の大型化・薄膜化や表示品質の向上が要求される中、表示パネルのベンディングや部材の寸法変化によって生じる応力に伴って発生する光学ムラを抑制するため、部材の薄膜化が求められている。
更には、ノート型や中小型のパーソナルコンピューター、スマートフォン、スレートPC等の用途では、部材の薄膜化要求が特に高く、用いられる機能性フィルム(例えば、視野角補償フィルムや偏光板保護フィルム等)の更なる薄膜化が必要である。
しかし薄膜にしすぎると、フィルムの腰・剛性がなくなってしまい、フィルム搬送性や貼合工程の収率が低下するという問題がある。そのため、特許文献1には薄い機能性フィルムを基材フィルム(「キャリアフィルム」ともいう。)に剥離可能に形成することで、貼合までは厚い積層フィルムで搬送し、偏光子と貼合した後に不要な基材フィルムを除去するという方法が提案されている。
しかしこのように基材フィルムやその上に配置する薄い機能性フィルムといった材料の異なる2種のフィルムが積層される場合、これらの材料固有の湿度膨張係数が異なると湿度変動によってカールが発生する。ごく少量のカールであれば、むしろ貼合・剥離工程がやりやすい場合もあるが、強いカールが発生した場合はむしろ貼合がしづらく、偏光板製造プロセスの収率を落とす問題が発生する。
前述のように、特許文献1には、薄い機能性フィルムを取り扱うために基材フィルム上に当該機能性フィルムを剥離可能に積層製膜する方法が挙げられているが、当該機能性フィルムを製膜する材料と基材フィルムの間に湿度依存性の違いがあるため、偏光板加工時又は保管環境時の吸湿でカールが発生し、前記搬送性や貼合において扱い難いという問題があった。これらの問題は、特に積層フィルムが薄膜になった時に顕著となる。
特開2018-45220号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、薄膜でありながら、搬送性に優れ、従来の偏光板保護フィルムと同様に取り扱うことが可能であり、更には偏光板加工時に優れたカール制御性を有し、偏光板加工の生産性(偏光子との貼合性)が向上した積層フィルム、それを具備した光学ムラのない高品質な偏光板、表示装置、及び偏光板ロールの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、基材フィルム上に、剥離可能な機能層が積層された積層フィルムであって、基材フィルム及び機能層がそれぞれ特定範囲の厚さを有し、前記基材フィルムの湿度膨張係数と厚さ、及び前記機能層の湿度膨張係数と厚さが、特定の関係式を満たすときに、薄膜でありながら、搬送性に優れ、従来の偏光板保護フィルムと同様に取り扱うことが可能であり、更には偏光板加工時に優れたカール制御性を有し、偏光板加工の生産性(偏光子との貼合性)が向上した積層フィルムが得られることを見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.基材フィルム上に、剥離可能な機能層が積層された積層フィルムであって、
前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートを含有し、
前記機能層が、フマル酸ジエステル系樹脂、又はゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂を含有し、
前記機能層の厚さが、1~19μmの範囲内であり、
前記積層フィルムの総厚さが、50μm以下であり、
前記基材フィルムの23℃における湿度膨張係数をCHE1(ppm/%RH)、厚さをd1(μm)、及び前記機能層の23℃における湿度膨張係数をCHE2(ppm/%RH)、厚さをd2(μm)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする積層フィルム。
式(1) 0.20<│(CHE1-CHE2)│×(d2/d1)<2.00
2.前記機能層の厚さが、2~10μmの範囲内であることを特徴とする第1項に記載の積層フィルム。
3.前記積層フィルムの総厚さが、30~45μmの範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の積層フィルム。
4.前記機能層の下記式(i)で定義されるリターデーション値Roが0~20nmの範囲内であり、下記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが-25~25nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
式(i) Ro=(nx-ny)×d
式(ii) Rt={(nx+ny)/2-nz}×d
(上記式(i)及び(ii)において、Roは機能層の面内方向のリターデーション値、Rtは機能層の厚さ方向のリターデーション値、nxは機能層の面内の遅相軸方向の屈折率、nyは機能層の面内の進相軸方向の屈折率、nzは機能層の厚さ方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)
5.前記基材フィルムの残留溶媒の含有量をS1とし、前記機能層の残留溶媒の含有量をS2としたときに、下記式(2)を満たすことを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
式(2) 10<S1<S2<1000(ppm)
6.前記残留溶媒のうち主たる残留溶媒の沸点が、大気圧下において100℃以下であることを特徴とする第5項に記載の積層フィルム。
7.前記残留溶媒が、塩素系溶媒であることを特徴とする第5項又は第6項に記載の積層フィルム。
8.前記残留溶媒が、ジクロロメタンであることを特徴とする第5項から第7項までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
9.前記残留溶媒としてジクロロメタン及びアルコール類を含むことを特徴とする第5項から第8項までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
10.前記基材フィルムが2軸延伸されたポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの23℃における湿度膨張係数CHE1が、10~20ppm/%RHの範囲内であることを特徴とする第1項から第9項までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
11.前記機能層が、カルボニル基を側鎖に有する高分子材料を含有することを特徴とする第1項から第10項までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
12.前記機能層が、環状構造を主鎖に有する高分子材料を含有することを特徴とする第1項から第10項までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
13.第1項から第12項までのいずれか一項に記載の積層フィルムを具備することを特徴とする偏光板。
14.第1項から第12項までのいずれか一項に記載の積層フィルム又は第13項に記載の偏光板を具備することを特徴とする表示装置。
15.第1項から第12項までのいずれか一項に記載の積層フィルムを、偏光子の少なくとも一方の面に貼合しながら巻き取る偏光板ロールの製造方法であって、
ロールの内側から偏光子、接着層、機能層及び基材フィルの層順になるように、前記偏光子に前記積層フィルムを貼合しながら巻き取る工程を含むことを特徴とする偏光板ロールの製造方法。
本発明の上記手段により、薄膜でありながら、搬送性に優れ、従来の偏光板保護フィルムと同様に取り扱うことが可能であり、更には偏光板加工時に優れたカール制御性を有し、偏光板加工の生産性(偏光子との貼合性)が向上した積層フィルム、それを具備した光学ムラのない高品質な偏光板、表示装置、及び偏光板ロールの製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
基材フィルム上に機能層を配置した積層フィルム(以下、「積層体」ともいう。)を形成するにあたり、その収率を高めるには貼合するフィルムの反り・カールは非常に重要なファクターである。反りのメカニズムは複雑であり、その発生機構がこれまで不明確であったため、生産性を犠牲にすることなく反りを制御する方法は、これまで検討されなかった。
特に非常に薄膜の機能層を配置した積層フィルムを扱う上では、基材フィルム(プロテクトフィルムとして機能する。)と機能層との積層体におけるカール、なかでも湿度に影響されるカールについて、大きさの予測・改良はほとんど知られていない。
このような湿度に基づく反りのメカニズムについて、本発明者らは熱による積層体のカール予測式を参考にしてどのように予測、さらに改良できるかについて検討を行った。
熱による積層体のカールについては、下記のような式が提案されているが、検討の結果下記に示す仮定により湿度変動、さらには温水中でのカール等の一定の条件における積層体のカールを、比較的シンプルな式で精度よく予測できる指標を得た。
すなわち積層体の温水中(又は高湿度下)でのカールは、大きく(1)基材フィルムと機能層の湿度膨張係数(CHE:Coefficient of Hydroscopic Expansion))の差、(2)基材フィルムと機能層の厚さの比、の2つに大きく影響を受けることを見出した。
熱によるバイメタル積層体のカール予測式は、以下の式(a)で表されることが知られている。
式(a)カール曲率1/R∝6(α2-α1)(ΔT)(1+m2)/h[3(1+m)2+(1+mn){m2+(mn)-1}]
(式中、α:熱膨張係数を表し、α1は機能層及びα2は基材フィルムのそれぞれを表す。ΔT:昇温幅を表す。h:基材フィルムの厚さ(d1)と機能層の厚さ(d2)の合計を表す。m:基材フィルムの厚さ(d1)及び機能層の厚さ(d2)のときの厚さ比(d1/d2)を表す。n:基材フィルムの弾性率(f1)及び機能層の弾性率(f2)のときの弾性率比(f1/f2)を表す。)
ここで、
1)基材フィルムと機能層の湿度膨張率の差を、そのまま熱膨張率の差と置き換える(α2-α1)=ΔCHEとする。)。
2)水中浸漬のような一定条件で各種フィルムを比較する場合、湿度差(ΔT)は定数として扱える。
3)弾性率比nは、有機高分子材料では大きく変わらないとしてn≒1と仮定して扱う。
4)基材フィルムの厚さ(d1)/機能層の厚さ(d2)である厚さ比mは、実際には機能層の厚さ(d2)<基材フィルムの厚さ(d1)なので、1<<mであり、(1/m)<<1となる。
5)総厚さhも、現実的に扱える厚さとしては一定の数値の範囲であり定数とみなして扱う。
したがって、式(a)は、上記1)~5)の近似条件を加えると、最終的に式(f)で表すことができる。
式(a)の「h」を定数とみなすと、式(a)は、
式(b)カール曲率1/R∝ΔCHE×(1+m)/[3+3m+m2+m-1
式(a)の「m-1≒0」とみなすと、式(b)は、
式(c)カール曲率1/R≒ΔCHE×(1+m)/[3+3m+m2
式(d)カール曲率1/R≒ΔCHE×(1+m)/3(1+m)2
式(a)の「mは1<<m」であるため、式(d)は、
式(e)カール曲率1/R∝ΔCHE×1/(1+m)
さらに、式(e)は、mは1<<m」であるため「1+m」を「m」とすると、
式(f)カール曲率1/R∝ΔCHE/m
すなわち、カール曲率1/Rは、本発明に係る式(1)の、「│(CHE1-CHE2)│×(d2/d1)」で表すことができるものと推察の上実証実験を行うことで、本発明を見出すに至った。
概念的には、湿度によりよく膨張するものの層がより厚いほどカールが激しくなる定性的な現象からも理解することができる。
他方でカールが全くしないような積層体であると、基材フィルムの剥離時に剥離のきっかけが得られず作業性が低下し、収率が低下することも合わせて見出した。
偏光子と機能層を貼合する際に、基材フィルムの湿度膨張係数が機能層よりも大き過ぎると、基材フィルムが外側になるようにカールしやすく、機能層の中央部が偏光子の表面から浮き上がり、機能層と偏光子とを十分に貼合させることができない(図1参照。)。さらに、カールが大きい場合は機能層への内部応力によって光学ムラが発生しやすくなると考えられる。
また、前記積層フィルムをロール体の状態で、高湿下で保管する間などにおいて、各層の湿度膨張量の差が大きいと、それにより、層間剥離を生じたり、機能層にシワなどの変形を生じたりしやすい。層間剥離を生じると、積層フィルムの搬送時や偏光板の作製時に搬送安定性が低下しやすく、機能層にシワなどの変形を生じると、機能層の平坦性が損なわれるため、機能層と偏光子との間の貼合性を十分には高めることができないという問題があった。
そのため、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高湿下で積層フィルムを保管している間の層間剥離や機能層の変形を抑制しつつ、カールの発生の要因となる基材フィルムと機能層の湿度膨張係数と厚さをそれぞれ前記式(1)の関係を満たすように調整することで、偏光板加工時に優れたカール制御性を有するだけでなく、偏光板加工の生産性(偏光子との貼合性)及び機能層の光学ムラの発生を抑制した積層フィルムを得ることができるものと推察される。
具体的には、基材フィルムと機能層の23℃における湿度膨張係数において、基材フィルムの湿度膨張係数を機能層よりも適度に大きくし、かつ、それぞれの厚さ比を適切に設計し、前記式(1)の範囲を満たすようにすることで、積層フィルムの適度なカールの方向と大きさを制御して偏光板加工の生産性(偏光子との貼合性)を向上でき、かつ、機能層に皺の発生や光学ムラの発生を抑制する効果を発現するものと推察される。
剥離可能なフィルム積層体を用いて偏光板作製時に、高湿環境下でカールが発生するメカニズムを説明する模式図 本発明の積層フィルムの断面を示す模式図 本発明の一実施の形態に係る積層フィルムの製造方法を示す模式図 基材フィルム付き偏光板の断面図 は基材フィルムを剥離した偏光板の断面図
本発明の積層フィルムは、基材フィルム上に、剥離可能な機能層が積層された積層フィルムであって、前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートを含有し、前記機能層が、フマル酸ジエステル系樹脂、又はゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂を含有し、前記機能層の厚さが、1~19μmの範囲内であり、前記積層フィルムの総厚さが、50μm以下であり、前記基材フィルムの23℃における湿度膨張係数をCHE1(ppm/%RH)、厚さをd1(μm)、及び前記機能層の23℃における湿度膨張係数をCHE2(ppm/%RH)、厚さをd2(μm)としたとき、前記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記機能層の厚さが、2~10μmの範囲内であることが、薄膜である機能層の皺やカール変形を抑制するとともに、基材フィルムを剥離して機能層を偏光子と貼合したときに、より薄型の偏光板を提供する観点から、好ましい。更には、該偏光板を用いた液晶表示装置の光学ムラを抑制する観点からも好ましい。
また、薄膜でありながら、剛性や搬送性に優れ、従来の偏光板保護フィルムと同様に取り扱うことを可能とする観点から、前記積層フィルムの総厚さが、好ましくは30~45μmの範囲内である。
前記機能層の前記式(i)で定義されるリターデーション値Roが0~20nmの範囲内であり、前記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが-25~25nmの範囲内であることが、IPSモードの表示装置に適用する薄型の偏光板を提供する観点から好ましいリターデーション値の範囲である。また、各種フィルムの光学特性に影響なくごく薄膜の機能層を付与するような使い方をする上でも、このような光学特性の機能層であることが好ましい。
前記基材フィルムの残留溶媒の含有量をS1、前記機能層の残留溶媒の含有量をS2としたときに、前記式(2)を満たすことが、前記基材フィルムと前記機能層の湿度膨張係数(CHE1及びCHE2)を制御する観点から好ましい。基材フィルムにも溶媒が浸透することで、積層フィルム間に若干の混合層の形成が行われ、各種プロセスの際に容易に剥離せず良好なプロセス適性を確保することができる。なお混合溶媒を用いた際には、全溶媒種総和の値を指標とする 。
また、前記残留溶媒のうち主たる溶媒の沸点は、大気圧下において100℃以下であること、前記残留溶媒が、塩素系溶媒であること、更に前記残留溶媒が、ジクロロメタンであること、中でも前記残留溶媒としてジクロロメタン及びアルコール類を含むことが、前記基材フィルム及び機能層用のドープを調製し製膜する際において、扱いやすさの観点から、好ましい。低沸点溶媒を使用すること、また塩素系の高い溶解性を持つ溶剤を使用することで、製膜後の乾燥時間を短時間にすることができる。乾燥時間が短かった塗布膜は乾燥時間が長い塗布膜よりも緻密性が低いと推定され、その結果水分の浸透性が変化し、CHE2を若干ながら制御することができる。なお主たる溶媒とは、塗布液における溶媒種において50質量%より大きい比率で混合される溶媒を指す。
前記基材フィルムは2軸延伸されたポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの23℃における湿度膨張係数CHE1が、10~20ppm/%RHの範囲内であることが、適度な湿度膨張係数CHE1によって、積層フィルム全体のカールを抑制する観点から好ましい。また、2軸延伸されたポリエステルフィルムとすることでCHE1の異方性がなくなり、ムラの発生を抑制することができる。
また、前記機能層が、用いる樹脂としてカルボニル基を側鎖に有する直鎖状高分子材料を含有することや、環状構造を主鎖に有する高分子材料を含有することが、湿度膨張係数等の物理特性を制御し、かつ光学特性を向上する観点から好ましい。
本発明の偏光板は、本発明の積層フィルムを具備することで、生産性を落とすことなく、煩雑な加工プロセスを必要とせずとも、従来と同じ偏光板加工プロセスにて偏光板を加工できる。
本発明の表示装置は、本発明の積層フィルム、又は本発明の偏光板を具備することによって、光漏れや光学ムラのない高品質な表示装置を得る観点から、好ましい態様である。
本発明の偏光板ロールの製造方法は、本発明の積層フィルムを、偏光子の少なくとも一方の面に貼合しながら巻き取る偏光板ロールの製造方法であって、ロールの内側から偏光子、機能層及び基材フィルの層順になるように、前記偏光子に前記積層フィルムを貼合しながら巻き取る工程を含むことを特徴とする。当該偏光板ロールの製造方法によって、基材フィルムがプロテクトフィルムを兼ねることができ、部品点数の削減や加工工程の簡略化につながる
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪本発明の積層フィルムの概要≫
本発明の積層フィルムは、基材フィルム上に、剥離可能な機能層が積層された積層フィルムであって、前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートを含有し、前記機能層が、フマル酸ジエステル系樹脂、又はゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂を含有し、前記機能層の厚さが、1~19μmの範囲内であり、前記積層フィルムの総厚さが、50μm以下であり、前記基材フィルムの23℃における湿度膨張係数をCHE1(ppm/%RH)、厚さをd1(μm)、及び前記機能層の23℃における湿度膨張係数をCHE2(ppm/%RH)、厚さをd2(μm)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
式(1) 0.20<│(CHE1-CHE2)│×(d2/d1)<2.00
(23℃における湿度膨張係数(CHE)の測定)
フィルム試料を恒温恒湿槽に幅1cm、試料長15cmになるように固定し、一定湿度(約30%RH)まで脱湿し、フィルム長が一定になった後、加湿(約80%RH)すると吸湿により伸び始める。約24時間後吸湿は平衡に達してフィルムの伸びも平衡に達する。この時の伸び量から下式により計算する。この際、雰囲気温度は23℃に一定に保つ。
23℃における湿度膨張係数(ppm/%RH)=伸び量(cm)/(試料長(cm)×湿度差)×106
前記湿度膨張係数(以下、簡単に「CHE」ともいう。))の制御手段としては、例えば、基材フィルム及び機能層の製膜後の乾燥速度(膜密度)を調整することが好ましい。高速乾燥すると疎な膜が形成されやすく、CHEは大きくなる。
基材フィルムのCHE制御手段としては、製膜時や製膜後において延伸(倍率)・熱緩和を用いてもよい。高延伸(倍率)であると密な膜が形成されCHEは小さくなり、熱緩和を行うと、粗な膜が形成されやすくCHEは大きくなるので、機能層のCHEとの関係を考慮して前記式(1)の範囲に入るように調整する手段として用いてもよい。
また、基材フィルムや機能層に用いる製膜材料もCHEの制御に関連する。機能層の製膜材料が、カルボニル基を側鎖に有する直鎖状高分子材料である場合、CHEの制御に加えて、適度な透湿性を持たせることで偏光子の光学ムラを抑制する効果も付与できる。特に、光弾性が低いアクリル系樹脂は良好な特性を示しやすい。さらに、前記製膜材料が、環状構造を主鎖に有する高分子材料(例えば、シクロオレフィン系樹脂)は、湿度に対する光学特性の変化が少なく湿度由来のムラが発生しにくいため、これらの高分子材料を用いることも好ましい態様である。
積層フィルムの前記式(1)の値が2.00を超えて大きいものは、前述のようにカールが大きく実用上偏光板製造時の貼合性が困難である。一方、式(1)の値として0.20以下であると、基材フィルムと機能層が剥離しにくく、剥離ミスが発生する場合がある。したがって、式(1)の範囲にCHEと厚さを調製する必要がある。
また、カールの大小によって偏光子(ポリビニルアルコールフィルム)との貼合時に気泡が入ったり、折れ・シワが入ったりする場合がある。
貼合時に気泡が入る機構は定かではないが、以下のように考えている。
カールが、大きすぎるとTD方向(長尺フィルムの幅手方向)の凹凸が大きくなりすぎて貼合時に空気を巻き込んでしまい気泡を発生させる。逆にカールが小さすぎるとMD方向(長尺フィルムの幅手方向)のカールの影響を受けやすくなりすぎて空気を巻き込んでしまい気泡を発生させる。
本発明では、カールを特定の範囲に制御することにより貼合性を改善することができるものである。貼合性の改善の観点からカールと対応する本願の指標(│(CHE1-CHE2)│×(d2/d1))の範囲は0.20を超えて2.00未満の範囲であるが、0.30~1.00の範囲がさらに好ましく、0.40~0.70の範囲が特に好ましい。
また、機能性フィルムを偏光子(ポリビニルアルコールフィルム)に貼合したときに、干渉縞が発生する場合がある。
干渉縞が発生する原因は、詳細には判明していないが、本発明の積層フィルムを貼合した後に、基材フィルムを剥離すると機能層が収縮すると考えられる。この際に、偏光子及び機能層界面で微小な屈折率のムラが発生し、これに起因して干渉ムラが観測されると考えられる。
カールを、本発明の特定の範囲に制御することにより、偏光子の収縮ムラを均一にならし、干渉ムラを改善できると考えられる。
なお、カールが小さすぎると偏光子の収縮の影響が大きくなるため、干渉ムラが大きくなり、カールが大きすぎると機能層の収縮の影響が大きくなると推察される。
本発明では、干渉ムラの観点から、カールと対応する本願の指標(│(CHE1-CHE2)│×(d2/d1))の範囲は、0.30~1.00の範囲が好ましく、0.40~0.70の範囲が特に好ましい。
また、表示装置に具備する場合、式(1)の値として2.00以上である場合は、機能層に内部応力が残り光学ムラが発生しやすい。一方、式(1)の値として0.20以下であると、機能層の透湿性に問題があり、乾燥ムラが発生しやすく、乾燥ムラによる皺の発生や、光学ムラの発生が見られる場合がある。
また、積層フィルム全体の湿度膨張係数CHEが大きいと、例えば積層フィルムをロール体の状態で、高温下で保存している間に、基材フィルムと機能性層のそれぞれの湿度膨張量が大きいため、それらの湿度膨張量の差も大きくなりやすい。それにより、基材層と基材フィルムとの間で層間剥離を生じたり、機能層が変形したりしやすい。層間剥離が生じると、積層フィルムの搬送安定性が低下しやすく、機能層が変形すると、機能層の平坦性が損なわれやすいため、偏光子との貼合性も低下しやすい。
本発明では、積層フィルム全体の湿度膨張係数CHEを小さくすることが好ましく、高湿下における、積層フィルム全体の湿度膨張量を少なくすることができるため、基材フィルムと機能層との湿度膨張量の差も少なくすることができる。それにより、積層フィルムを高温下で保管する間などにおいて、機能層の剥がれや変形を抑制しうるため、積層フィルムの搬送安定性を損なうことなく、偏光子との貼合性を高めることができる。
(積層フィルムの層構成)
図2に本発明の積層フィルムの層構成について、その一例を示す。
本発明の積層フィルム1は、基材フィルム2及び当該基材フィルム2上に機能層3を有する。基材フィルム2及び機能層3は複数の層が積層されて構成されていてもよい。また、機能層3はプライマー層(不図示)や保護層(不図示)等の他の機能層を表面又は裏面に有していてもよい。
基材フィルム2は、機能層とは反対側の面に接着層又は粘着層(不図示)を有していてもよく、当該接着層又は粘着層は基材フィルム2と表示素子との貼合時に接着機能を提供することができる。
因みに本発明でいう「剥離可能である機能層」とは、通常生産時、又は一般使用時には基材フィルムと機能層は密着しており容易には剥離しないが、偏光板加工時において機能層のみ使用したいときに、外部応力によって基材フィルムから機能層が剥離できる態様をいう。
例えば、基材フィルムを機能層から剥離する際の応力は、幅25mm、長さ80mmに裁断した積層フィルムにおいて、機能層の基材フィルム側界面とは反対側の面を、アクリル系粘着剤シートを介してガラス基材に貼合して固定した後に、引張り試験機((株)エー・アンド・デイ製RTF-1210)を用いて、試験片の長さ方向一端(幅25mmの一辺)の基材フィルムをつかみ、温度23℃、湿度60%RHの雰囲気下、クロスヘッドスピード(つかみ移動速度)200mm/分で、90°剥離試験(JIS K 6854-1:1999 「接着剤-はく離接着強さ試験方法-第1部:90度はく離」に準拠する。)を実施することで剥離応力評価したときに、0.05~2.00N/25mmの応力で基材フィルムと機能層が剥離可能な状態を一例として挙げることができる。上記応力が0.05N/25mm以上であれば、偏光板加工プロセスの途中において剥がれが生じにくくなるため好ましく、2.00N/25mm以下であれば、基材フィルムを剥離する際に、偏光板に折れが発生しないため好ましい。
以下、本発明の積層フィルムの構成について詳細に説明する。
〔1〕基材フィルム
基材フィルムは、機能層を支持するものであり、基材フィルムと機能層との23℃における湿度膨張係数の差(|(CHE1-CHE2)|)を、上記式(1)を満たすような範囲内に調整できるものであればよく、特に制限されない。基材フィルムは、通常、樹脂フィルムを含む。
用いられる樹脂としては、セルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、及びスチレン系樹脂又はその複合樹脂を挙げることができるが、中でも湿度膨張係数が適度に大きく、式(1)の範囲を制御しやすい樹脂として、ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
樹脂フィルムの例には、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)など)などが含まれる。中でも、積層フィルムの23℃における湿度膨張係数CHEを上記式(1)の範囲内に調整しやすいことから、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)を含むポリエステル系樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムは、熱処理(熱緩和)されたものであってもよいし、延伸処理されたものであってもよく、前述したようにCHEを制御するのに好適に利用される。
熱処理は、樹脂フィルムの残留応力(例えば延伸に伴う残留応力など)を低減させるため、樹脂フィルム、ひいては基材フィルムの湿度膨張係数CHE1を高くしうる。熱処理温度は、特に制限されないが、樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、(Tg+60)~(Tg+180)℃で行うことができる。
延伸処理は、樹脂フィルムの残留応力を増加させるため、樹脂フィルム、ひいては基材フィルムの湿度膨張係数CHE1を低くしうる。延伸処理は、例えば樹脂フィルムの2軸方向に行うことが好ましい。延伸処理は、任意の条件で行うことができ、例えば延伸倍率120~900%程度で行うことができる。樹脂フィルムが延伸されているかどうかは、例えば面内遅層軸(屈折率が最大となる方向に延びた軸)があるかどうかによって確認することができる。延伸処理は、機能層を積層する前にされてもよいし、積層した後にされてもよいが、積層する前に延伸されていることが好ましい。
ポリエステル系樹脂フィルム(簡単に、ポリエステルフィルムともいう。)は市販品を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムTN100(東洋紡社製)、MELINEX ST504(帝人デュポンフィルム社製)等を好適に用いることができる。
基材フィルムは、樹脂フィルムの表面に設けられた離型層をさらに有していてもよい。離型層は、偏光板を作製する際に、機能層を基材フィルムから剥離しやすくしうる。
離型層は、公知の剥離剤を含むものであってよく、特に制限されない。離型層に含まれる剥離剤の例には、シリコーン系剥離剤、および、非シリコーン系剥離剤が含まれる。
シリコーン系剥離剤の例には、公知のシリコーン系樹脂が含まれる。非シリコーン系剥離剤の例には、ポリビニルアルコールまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体などに長鎖アルキルイソシアネートを反応させた長鎖アルキルペンダント型重合体、オレフィン系樹脂(例えば共重合ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン)、ポリアリレート樹脂(例えば、芳香族ジカルボン酸成分と二価フェノール成分との重縮合物)、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、PFA(四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体))などが含まれる。
離型層の厚さは、所望の剥離性を発現しうる程度であればよく、特に制限されないが、例えば0.1~1.0μmであることが好ましい。
また、基材フィルム自身の23℃における湿度膨張係数が、10~20ppm/%RHの範囲内であれば反りが発生しにくく、好ましい。
これは、10ppm/%RH以上であれば、基材フィルムが、環境変動による偏光子の変動に追従できるためと推察され、この結果、外観不良の発生を回避できる推察される。また、20ppm/%RH以下であれば、基材フィルム自体が湿度膨張することを回避できると推察され、この結果、反りの発生を抑制できるものと推察される。
(厚さ)
本発明の積層フィルムの総厚さは50μm以下であり、好ましくは30~45μmの範囲内である。基材フィルムの厚さd1は、薄膜だがある程度の強度(腰や剛性)も支持体として必要であることから、好ましくは、15~45μmの範囲であり、より好ましくは20~40μmの範囲内である。
〔1.2〕添加剤
〈可塑剤〉
本発明に係る基材フィルムは、可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては特に限定されないが、好ましくは、多価アルコールエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、クエン酸系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、及びポリエステル系可塑剤等から選択されることが好ましい。
〈紫外線吸収剤〉
本発明に係る基材フィルムは、紫外線吸収剤を含有することもできる。用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2-ヒドロキシベンゾフェノン系又はサリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
〈酸化防止剤〉
本発明に係る基材フィルムは、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。
酸化防止剤は、例えば、基材フィルム中の残留溶媒に含まれるハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等により基材フィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、基材フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。
〈微粒子〉
本発明に係る基材フィルムは、微粒子を含有することも好ましい。
本発明に使用される微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。また、有機化合物の微粒子も好ましく使用することができる。有機化合物の例としてはポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいはポリフッ化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物や懸濁重合法で合成した高分子化合物を用いることができる。
微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましく、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
〔1.3〕基材フィルムの製造方法
本発明に係る基材フィルムの製造方法としては、通常のインフレーション法、T-ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点から製膜方法は、溶液流延法と溶融流延法が好ましい。溶液流延法であると、加工工程での温度が低く、このため種々の添加剤を用いることによる高機能化を付与することができる。また溶液流延法では、CHE1を調整するために、基材フィルムの残留溶媒の含有量を制御することもできる。
以下、「溶液流延法」について説明する。
〈溶液流延法〉
溶液流延法により製膜する場合、本発明に係る基材フィルムの製造方法は、熱可塑性樹脂及び上述した微粒子等の添加剤を溶媒に溶解、分散させてドープを調製する工程(溶解工程;ドープ調製工程)、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程(流延工程)、流延したドープをウェブとして乾燥する工程(溶媒蒸発工程)、金属支持体から剥離する工程(剥離工程)、乾燥、延伸、幅保持する工程(延伸・幅保持・乾燥工程)、仕上がったフィルムをロール状に巻取る工程(巻き取り工程)を含むことが好ましい。溶液流延法のドープ調製工程に用いる溶媒は、後述する機能層の形成に用いる溶媒を適宜選択して用いることができる。
なお、前記ウェブを剥離する時点でのウェブの残留溶媒の含有量(以下、「残留溶媒量」ともいう。)は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等によって適宜調節される。フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10~150質量%が好ましい。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損ね、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。さらに好ましくは10~40質量%又は60~130質量%であり、特に好ましくは、10~30質量%又は70~120質量%である。
本発明においては、基材フィルムの残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)=[(M-N)/N]×100
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。なお、残留溶媒種は基本的には使用した溶媒種であるが、ガスクロマトグラフィー法などで適宜測定・同定することができる。
前記乾燥・延伸・幅保持工程において、フィルムの乾燥は、一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のローラーにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。例えば、剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したローラーに交互に通して搬送する乾燥装置、及び/又はクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター延伸装置を用いて、ウェブを乾燥する。
ウェブを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点から熱風で行うことが好ましい。
ウェブは少なくとも一方向に延伸処理することが好ましい。延伸処理することでフィルム内の分子の配向を制御することができる。特に、下記2軸延伸することで、CHE1の異方性がなくなり、ムラの発生を抑制することができる。
具体的な延伸方法としては、ウェブの長手方向(製膜方向;流延方向;MD方向)及びウェブ面内で直交する方向、即ち幅手方向(TD方向)に対して、逐次又は同時に2軸延伸もしくは1軸延伸することができる。好ましくは、流延方向(MD方向)、幅手方向(TD方向)に2軸延伸を実施した2軸延伸フィルムである。なお、延伸操作は多段階に分割して実施してもよい。また、2軸延伸を行う場合には同時2軸延伸を行ってもよいし、段階的に実施してもよい。また、同時2軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。
互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流延方向に0.8~1.5倍、幅手方向に1.1~2.5倍の範囲とすることが好ましく、流延方向に0.8~1.2倍、幅手方向に1.2~2.0倍の範囲で行うことが好ましい。
延伸温度は、通常、フィルムを構成する樹脂のTg~Tg+60℃の温度範囲で行われることが好ましい。通常、延伸温度は120℃~200℃が好ましく、さらに好ましくは120℃~180℃である。
延伸時におけるウェブ中の残留溶媒量は0~20質量%が好ましく、さらに好ましくは0~15質量%の範囲で延伸するのが好ましい。
ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のローラーに周速差をつけ、その間でローラー周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれらの方法は、組み合わせて用いてもよい。中でも、ウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅方向(横方向)に延伸を行うことが特に好ましい。製膜工程のこれらの幅保持又は横方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
本発明に係る基材フィルムは、延伸以外に熱緩和しても同様な効果を得ることができる。熱緩和温度は、通常、フィルムを構成する樹脂のTg~Tg+60℃の温度範囲で行われることが好ましい。通常、熱緩和温度は120℃~200℃が好ましく、さらに好ましくは120℃~180℃である。
次いで、フィルムは巻き取り工程によってロール状に巻き取られるが、フィルムの巻き取りを行う方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
本発明に係る基材フィルムは、長尺フィルムであることが好ましく、具体的には、100m~10000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。フィルム長が長いほど一回の生産で作れる量が多くなるため好ましい。なお輸送性・取り扱い性の観点ではコンパクトなロール状であることが求められるため、積層フィルムの総膜厚は薄い方が好ましい。
〔2〕機能層
本発明に係る機能層は、基材フィルムから剥離された後、偏光子と貼合されて、または偏光子と貼合後に剥離されて 偏光板を構成するものであり、偏光板保護フィルム又は位相差フィルムなどの光学フィルムとして機能しうる。
本発明に係る機能層の厚さは、1~19μmの範囲内であり、2~10μmの範囲内であることが、薄膜な偏光板を提供すると同時に、薄膜である機能層の皺やカール変形を抑制する観点から、好ましい。
〔2.1〕樹脂
本発明に係る機能層の用いられる樹脂は、特に制限されないが、カルボニル基を側鎖に有する直鎖状高分子材料を含有すること、又は環状構造を主鎖に有する高分子材料を含有することが、湿度膨張係数を制御する上で好ましい。したがって、好ましい樹脂としては、シクロオレフィン系樹脂、フマル酸ジエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、又はスチレン・(メタ)アクリレート共重合体などでありうる。
〈シクロオレフィン系樹脂〉
機能層に用いられるシクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン単量体の重合体、又はシクロオレフィン単量体とそれ以外の共重合性単量体との共重合体であることが好ましい。
シクロオレフィン単量体としては、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体であることが好ましく、下記一般式(A-1)又は(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体であることがより好ましい。
Figure 0007613464000001
一般式(A-1)中、R1~R4は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1~30の炭化水素基、又は極性基を表す。pは、0~2の整数を表す。ただし、R1~R4の全てが同時に水素原子を表すことはなく、R1とR2が同時に水素原子を表すことはなく、R3とR4が同時に水素原子を表すことはないものとする。
一般式(A-1)においてR1~R4で表される炭素原子数1~30の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1~10の炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1~5の炭化水素基であることがより好ましい。炭素原子数1~30の炭化水素基は、例えば、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はケイ素原子を含む連結基をさらに有していてもよい。そのような連結基の例には、カルボニル基、イミノ基、エーテル結合、シリルエーテル結合、チオエーテル結合等の2価の極性基が含まれる。炭素原子数1~30の炭化水素基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等が含まれる。
一般式(A-1)においてR1~R4で表される極性基の例には、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アミド基及びシアノ基が含まれる。中でも、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基及びアリールオキシカルボニル基が好ましく、溶液製膜時の溶解性を確保する観点から、アルコキシカルボニル基及びアリールオキシカルボニル基が好ましい。
一般式(A-1)におけるpは、光学フィルムの耐熱性を高める観点から、1又は2であることが好ましい。pが1又は2であると、得られる重合体がかさ高くなり、ガラス転移温度が向上しやすいためである。また、湿度に対して若干応答できるようになり、積層体としてのカールバランスを制御しやすくなるというメリットもある。
Figure 0007613464000002
一般式(A-2)中、R5は、水素原子、炭素数1~5の炭化水素基、又は炭素数1~5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。R6は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子)を表す。pは、0~2の整数を表す。
一般式(A-2)におけるR5は、炭素数1~5の炭化水素基を表すことが好ましく、炭素数1~3の炭化水素基を表すことがより好ましい。
一般式(A-2)におけるR6は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基及びアリールオキシカルボニル基を表すことが好ましく、溶液製膜時の溶解性を確保する観点から、アルコキシカルボニル基及びアリールオキシカルボニル基がより好ましい。
一般式(A-2)におけるpは、光学フィルムの耐熱性を高める観点から、1又は2を表すことが好ましい。pが1又は2を表すと、得られる重合体がかさ高くなり、ガラス転移温度が向上しやすいためである。
一般式(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体は、有機溶媒への溶解性を向上させる点から好ましい。一般的に有機化合物は対称性を崩すことによって結晶性が低下するため、有機溶媒への溶解性が向上する。一般式(A-2)におけるR5及びR6は、分子の対称軸に対して片側の環構成炭素原子のみに置換されているので、分子の対称性が低く、すなわち、一般式(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体は溶解性が高いため、光学フィルムを溶液流延法によって製造する場合に適している。
シクロオレフィン単量体の重合体における一般式(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体の含有割合は、シクロオレフィン系樹脂を構成する全シクロオレフィン単量体の合計に対して例えば、70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは100モル%とし得る。一般式(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を一定以上含むと、樹脂の配向性が高まるため、位相差(リターデーション)値が上昇しやすい。
以下、一般式(A-1)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体の具体例を例示化合物1~14に示し、一般式(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体の具体例を例示化合物15~34に示す。
Figure 0007613464000003
シクロオレフィン単量体と共重合可能な共重合性単量体の例には、シクロオレフィン単量体と開環共重合可能な共重合性単量体、及びシクロオレフィン単量体と付加共重合可能な共重合性単量体等が含まれる。
開環共重合可能な共重合性単量体の例には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン及びジシクロペンタジエン等のシクロオレフィンが含まれる。
付加共重合可能な共重合性単量体の例には、不飽和二重結合含有化合物、ビニル系環状炭化水素単量体及び(メタ)アクリレート等が含まれる。不飽和二重結合含有化合物の例には、炭素原子数2~12(好ましくは2~8)のオレフィン系化合物が含まれ、その例には、エチレン、プロピレン及びブテン等が含まれる。ビニル系環状炭化水素単量体の例には、4-ビニルシクロペンテン及び2-メチル-4-イソプロペニルシクロペンテン等のビニルシクロペンテン系単量体が含まれる。(メタ)アクリレートの例には、メチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1~20のアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。
シクロオレフィン単量体と共重合性単量体との共重合体におけるシクロオレフィン単量体の含有割合は、共重合体を構成する全単量体の合計に対して例えば、20~80mol%、好ましくは30~70mol%とし得る。
シクロオレフィン系樹脂は、前述のとおり、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体、好ましくは一般式(A-1)又は(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を重合又は共重合して得られる重合体であり、その例には、以下のものが含まれる。
1)シクロオレフィン単量体の開環重合体
2)シクロオレフィン単量体と、それと開環共重合可能な共重合性単量体との開環共重合体
3)上記1)又は2)の開環(共)重合体の水素添加物
4)上記1)又は2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフツ反応により環化した後、水素添加した(共)重合体
5)シクロオレフィン単量体と、不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
6)シクロオレフィン単量体のビニル系環状炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物
7)シクロオレフィン単量体と、(メタ)アクリレートとの交互共重合体
上記1)~7)の重合体は、いずれも公知の方法、例えば、特開2008-107534号公報や特開2005-227606号公報に記載の方法で得ることができる。例えば、上記2)の開環共重合に用いられる触媒や溶媒は、例えば、特開2008-107534号公報の段落0019~0024に記載のものを使用できる。上記3)及び6)の水素添加に用いられる触媒は、例えば、特開2008-107534号公報の段落0025~0028に記載のものを使用できる。上記4)のフリーデルクラフツ反応に用いられる酸性化合物は、例えば、特開2008-107534号公報の段落0029に記載のものを使用できる。上記5)~7)の付加重合に用いられる触媒は、例えば、特開2005-227606号公報の段落0058~0063に記載のものを使用できる。上記7)の交互共重合反応は、例えば、特開2005-227606号公報の段落0071及び0072に記載の方法で行うことができる。
中でも、上記1)~3)及び5)の重合体が好ましく、上記3)及び5)の重合体がより好ましい。すなわち、シクロオレフィン系樹脂は、得られるシクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度を高くし、かつ光透過率を高くすることができる点で、下記一般式(B-1)で表される構造単位と下記一般式(B-2)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことが好ましく、一般式(B-2)で表される構造単位のみを含むか、又
は一般式(B-1)で表される構造単位と一般式(B-2)で表される構造単位の両方を含むことがより好ましい。一般式(B-1)で表される構造単位は、前述の一般式(A-1)で表されるシクロオレフィン単量体由来の構造単位であり、一般式(B-2)で表される構造単位は、前述の一般式(A-2)で表されるシクロオレフィン単量体由来の構造単位である。
Figure 0007613464000004
一般式(B-1)中、Xは、-CH=CH-又は-CH2CH2-を表す。R1~R4及びpは、それぞれ一般式(A-1)のR1~R4及びpと同義である。
Figure 0007613464000005
一般式(B-2)中、Xは、-CH=CH-又は-CH2CH2-を表す。R5~R6及びpは、それぞれ一般式(A-2)のR5~R6及びpと同義である。
本発明に係るシクロオレフィン系樹脂は、市販品であってもよい。シクロオレフィン系樹脂の市販品の例には、JSR(株)製のアートン(Arton)G(例えば、G7810等)、アートンF、アートンR(例えば、R4500、R4900及びR5000等)、及びアートンRX(例えば、RX4500等)が含まれる。
シクロオレフィン系樹脂の固有粘度〔η〕inhは、30℃の測定において、0.2~5cm3/gであることが好ましく、0.3~3cm3/gであることがより好ましく、0.4~1.5cm3/gであることがさらに好ましい。
シクロオレフィン系樹脂の数平均分子量(Mn)は、8000~100000であることが好ましく、10000~80000であることがより好ましく、12000~50000であることがさらに好ましい。シクロオレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20000~300000であることが好ましく、30000~250000であることがより好ましく、40000~200000であることがさらに好ましい。シクロオレフィン系樹脂の数平均分子量や重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にてポリスチレン換算にて測定することができる。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィー>
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0mL/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500~2800000の範囲内の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあると、シクロオレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性、及び機能層としての成形加工性が良好となる。
シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常、110℃以上であり、110~350℃であることが好ましく、120~250℃であることがより好ましく、120~220℃であることがさらに好ましい。Tgが110℃以上であると、高温条件下での変形を抑制しやすい。一方、Tgが350℃以下であると、成形加工が容易となり、成形加工時の熱による樹脂の劣化も抑制しやすい。
シクロオレフィン系樹脂の含有量は、機能層に対して70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
〈フマル酸ジエステル系樹脂〉
機能層に用いられるフマル酸ジエステル系樹脂は、フマル酸ジイソプロピル残基単位及び炭素数1又は2のアルキル基を有するフマル酸ジエステル残基単位を含むフマル酸ジエステル系樹脂である。
ここで、炭素数1又は2のアルキル基を有するフマル酸ジエステル残基単位における炭素数1又は2のアルキル基は、それぞれ独立しており、例えばメチル基、エチル基が挙げられる。また、これらはフッ素、塩素などのハロゲン基;エーテル基;エステル基もしくはアミノ基で置換されていてもよい。炭素数1または2のアルキル基を有するフマル酸ジエステル残基単位としては、例えばフマル酸ジメチル残基単位、フマル酸ジエチル残基単位が挙げられる。また、これらは1種または2種以上含まれていてもよい。
具体的なフマル酸ジエステル系樹脂としては、例えばフマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジメチル共重合体樹脂、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸ジエチル共重合体樹脂等が挙げられる。
前記フマル酸ジエステル系樹脂は、本発明の範囲を超えない限り、他の単量体残基単位を含有していてもよく、他の単量体残基単位としては、例えばスチレン残基単位、α-メチルスチレン残基単位等のスチレン類残基単位;(メタ)アクリル酸残基単位;(メタ)アクリル酸メチル残基単位、(メタ)アクリル酸エチル残基単位、(メタ)アクリル酸ブチル残基単位等の(メタ)アクリル酸エステル残基単位;酢酸ビニル残基単位、プロピオン酸ビニル残基単位等のビニルエステル類残基単位;アクリロニトリル残基単位;メタクリロニロリル残基単位;メチルビニルエーテル残基単位、エチルビニルエーテル残基単位、ブチルビニルエーテル残基単位等のビニルエーテル類残基単位;N-メチルマレイミド残基単位、N-シクロヘキシルマレイミド残基単位、N-フェニルマレイミド残基単位等のN-置換マレイミド類残基単位;エチレン残基単位、プロピレン残基単位等のオレフィン類残基単位;あるいはフマル酸ジn-ブチル残基単位、フマル酸ビス(2-エチルヘキシル)残基単位等の前記フマル酸ジエステル残基単位以外のフマル酸ジエステル類残基、及び桂皮酸および桂皮酸エステル単位より選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
本発明に用いられるフマル酸ジエステル系樹脂の配合割合はフマル酸ジイソプロピル残基単位50~99モル%及び炭素数1または2のアルキル基を有するフマル酸ジエステル残基単位1~50モル%が好ましく、位相差フィルムとした時の位相差特性や強度が優れたものとなることからフマル酸ジイソプロピル残基単位60~95モル%及び炭素数1または2のアルキル基を有するフマル酸ジエステル残基単位5~40モル%からなる
フマル酸ジエステル系樹脂が特に好ましい。
本発明に用いられるフマル酸ジエステル系樹脂は、前記ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量が50000~250000の範囲内であることが好ましい。
(フマル酸ジエステル系樹脂の合成例)
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた1Lのオートクレーブに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社製、商品名メトローズ60SH-50)2g、蒸留水600g、フマル酸ジイソプロピル330g、フマル酸ジエチル70g、および重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。室温まで冷却し、生成したポリマー粒子を含む懸濁液をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することによりフマル酸ジエステル系樹脂を得た(収率:75%)。
得られたフマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は120000であった。また、1H-NMR測定により、樹脂組成はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマル酸ジエチル残基単位=84/16(モル%)であることを確認した。
〈(メタ)アクリル系樹脂〉
機能層に用いられる(メタ)アクリル系樹脂は、少なくともメタクリル酸メチルに由来する構造単位(U1)と、フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)とを含むことが好ましい。フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)を含む(メタ)アクリル系樹脂は、機能層の湿度膨張係数CHE2を小さくしうる。また光弾性係数も小さくなり、吸湿膨張してもムラの発生が起こりにくいという利点もある。
(メタ)アクリル系樹脂は、上記以外の他の構造単位をさらに含んでもよい。そのような他の構造単位の例には、アクリル酸アダマンチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2-エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルなどが含まれる。中でも、フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)を含むことによる脆性の悪化を低減する観点などから、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)をさらに含むことが好ましい。
すなわち、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位(U1)と、フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)と、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)とを含むことがより好ましい。
メタクリル酸メチルに由来する構造単位(U1)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂を構成する全構造単位に対して50~95質量%であることが好ましく、70~90質量%であることがより好ましい。
フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)は、比較的剛直な構造を有するため、機能層の湿度膨張係数CHE2を小さくしうる。また、フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)は、比較的嵩高い構造を有するため、樹脂マトリクス中にゴム粒子を移動させうるミクロな空隙を有しうるため、ゴム粒子を、機能層の表層部に偏在させやすくしうる。
フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂を構成する全構造単位に対して1~25質量%であることが好ましい。フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)の含有量が1質量%以上であると、機能層の23℃における湿度膨張係数CHE2を小さくしやすく、25質量%以下であると、機能層の脆性が過度には損なわれにくい。フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)の含有量は、上記観点から、7~15質量%であることがより好ましい。
アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)は、樹脂に適度な柔軟性を付与しうるため、例えばフェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)を含むことによる脆さを改善しうる。
アクリル酸アルキルエステルは、アルキル部分の炭素原子数が1~7、好ましくは1~5のアクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。アクリル酸アルキルエステルの例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシルなどが含まれる。
アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂を構成する全構造単位に対して1~25質量%であることが好ましい。アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)の含有量が1質量%以上であると、(メタ)アクリル樹脂に適度な柔軟性を付与しうるため、機能層が脆くなりすぎず、破断しにくい。アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)の含有量が25質量%以下であると、機能層のTgが低くなりすぎず、23℃における湿度膨張係数(CHE2)も大きくなりすぎない。アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)の含有量は、上記観点から、5~15質量%であることがより好ましい。
フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)の、フェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)とアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)の合計量に対する比率は、20~70質量%であることが好ましい。当該比率が20質量%以上であると、機能層の引張弾性率G2を高めやすく、70質量%以下であると、機能層が脆くなりすぎない。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、100℃以上であることが好ましく、120~150℃であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂のTgが上記範囲内にあると、機能層の耐熱性を高めやすい。(メタ)アクリル系樹脂のTgを調整するためには、例えばフェニルマレイミドに由来する構造単位(U2)やアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(U3)の含有量を調整することが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されず、目的に応じて調整することができる。(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば樹脂分子同士の絡み合いを促進して機能層の靱性を高めて破断しにくくする観点や、CHE比を適度に大きくし、接着に好ましい程度のカール量に調整しやすくする観点では、10万以上であることが好ましく、100万以上であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量が100万以上であると、得られる機能層の靱性を高めうる。それにより、積層フィルムに搬送する際に、搬送張力によって機能層が破断するのを抑制することができ、搬送安定性を高めうる。(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、同様の観点から、150万~300万であることがさらに好ましい。重量平均分子量の測定方法は、前述の通りである。
〈スチレン・(メタ)アクリレート共重合体〉
スチレン・(メタ)アクリレート共重合体(以下、スチレン・アクリル樹脂ともいう。)は、機能層に用いたときに透明性に優れる。また、スチレン部分の共重合比率によって吸湿膨張係数を調整することもできるため、これらの比率を変更することによって積層体としてのカールを制御することができる。
スチレン・アクリル樹脂は、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成される。スチレン単量体は、CH2=CH-C65の構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有するスチレン誘導体を含む。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH(R1)=CHCOOR2(R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数が1~24のアルキル基を表す。)で表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの他に、これらのエステルの構造中に公知の側鎖や官能基を有するアクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体を含む。
スチレン単量体の例には、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-フェニルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン及びp-n-ドデシルスチレンが含まれる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体の例には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート及びフェニルアクリレートなどのアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;が含まれる。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸エステル単量体」とは、「アクリル酸エステル単量体」と「メタクリル酸エステル単量体」との総称であり、それらの一方又は両方を意味する。例えば、「(メタ)アクリル酸メチル」は、「アクリル酸メチル」及び「メタクリル酸メチル」の一方又は両方を意味する。
上記(メタ)アクリル酸エステル単量体は、1種でもそれ以上でもよい。例えば、スチレン単量体と2種以上のアクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、スチレン単量体と2種以上のメタクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、及び、スチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体とを併用して共重合体を形成すること、のいずれも可能である。
上記スチレン・アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、可塑性を制御しやすい観点から、5000~150000の範囲内であることが好ましく、10000~70000の範囲内であることがより好ましい。
本発明に係るスチレン・アクリル樹脂は、市販品であっても良く、デンカ株式会社製MS樹脂「TX320XL」」を一例として挙げることができる。
〈ポリアリレート系樹脂〉
ポリアリレート系樹脂は、機能層に用いたときに靱性に優れる。当該ポリアイレート系樹脂は、少なくとも芳香族ジアルコール由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とを含む。
本発明に係るポリアリレート系樹脂は、市販品であっても良く、ユニチカ株式会社製PAR樹脂「U-100」、重量平均分子量(Mw)100000を一例として挙げることができる。
〔2.2〕添加剤
機能層は、必要に応じて上記以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分の例には、ゴム粒子、前述したマット剤(微粒子)、可塑剤、紫外線吸収剤などが含まれる。中でも、ゴム粒子や可塑剤はフィルムに疎水性を与え、機能層の湿度膨張係数CHEを制御する手段としても使用することができるため、適宜材料・添加量を調整することで積層体のカール特性を制御することができる。また機能層に 靱性(しなやかさ)を付与する観点から、ゴム粒子をさらに含むことが好ましい。
〈ゴム粒子〉
ゴム粒子は、ゴム状重合体を含む粒子である。ゴム状重合体は、ガラス転移温度が20℃以下の軟質な架橋重合体である。そのような架橋重合体の例には、ブタジエン系架橋重合体、(メタ)アクリル系架橋重合体、及びオルガノシロキサン系架橋重合体が含まれる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂との屈折率差が小さく、機能層の透明性が損なわれにくい観点では、(メタ)アクリル系架橋重合体が好ましく、アクリル系架橋重合体(アクリル系ゴム状重合体)がより好ましい。
すなわち、ゴム粒子は、アクリル系ゴム状重合体(a)を含む粒子であることが好ましい。
アクリル系ゴム状重合体(a)について:
アクリル系ゴム状重合体(a)は、アクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分として含む架橋重合体である。主成分として含むとは、アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量が後述する範囲となることをいう。アクリル系ゴム状重合体(a)は、アクリル酸エステルに由来する構造単位と、それと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位と、1分子中に2以上のラジカル重合性基(非共役な反応性二重結合)を有する多官能性単量体に由来する構造単位とを含む架橋重合体であることが好ましい。
アクリル酸エステルは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-オクチルなどのアルキル基の炭素数1~12のアクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。アクリル酸エステルは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量は、アクリル系ゴム状重合体(a1)を構成する全構造単位に対して40~80質量%であることが好ましく、50~80質量%であることがより好ましい。アクリル酸エステルの含有量が上記範囲内であると、保護フィルムに十分な靱性を付与しやすい。
共重合可能な他の単量体は、アクリル酸エステルと共重合可能な単量体のうち、多官能性単量体以外のものである。すなわち、共重合可能な単量体は、2以上のラジカル重合性基を有しない。共重合可能な単量体の例には、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル;スチレン、メチルスチレンなどのスチレン類;(メタ)アクリロニトリル類;(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸が含まれる。中でも、共重合可能な他の単量体は、スチレン類を含むことが好ましい。共重合可能な他の単量体は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
共重合可能な他の単量体に由来する構造単位の含有量は、アクリル系ゴム状重合体(a)を構成する全構造単位に対して5~55質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましい。
多官能性単量体の例には、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジビニルアジペート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトロメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが含まれる。
多官能性単量体に由来する構造単位の含有量は、アクリル系ゴム状重合体(a)を構成する全構造単位に対して0.05~10質量%であることが好ましく、0.1~5質量%であることがより好ましい。多官能性単量体の含有量が0.05質量%以上であると、得られるアクリル系ゴム状重合体(a)の架橋度を高めやすいため、得られる機能層の硬度、剛性が損なわれすぎず、10質量%以下であると、機能層の靱性が損なわれにくい。
アクリル系ゴム状重合体(a)を構成する単量体組成は、例えば熱分解GC-MSにより検出されるピーク面積比により測定することができる。
ゴム状重合体のガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であることが好ましく、-10℃以下であることがより好ましい。ゴム状重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以下であると、フィルムに適度な靱性を付与しうる。ゴム状重合体のガラス転移温度(Tg)は、前述と同様の方法で測定される。
ゴム状重合体のガラス転移温度(Tg)は、ゴム状重合体の組成によって調整することができる。例えばアクリル系ゴム状重合体(a)のガラス転移温度(Tg)を低くするためには、アクリル系ゴム状重合体(a)中の、アルキル基の炭素原子数が4以上のアクリル酸エステル/共重合可能な他の単量体の質量比を多くする(例えば3以上、好ましくは4~10とする)ことが好ましい。
アクリル系ゴム状重合体(a)を含む粒子は、アクリル系ゴム状重合体(a)からなる粒子、又は、ガラス転移温度が20℃以上の硬質な架橋重合体(c)からなる硬質層と、その周囲に配置されたアクリル系ゴム状重合体(a)からなる軟質層とを有する粒子(これらを、「エラストマー」ともいう)であってもよいし;アクリル系ゴム状重合体(a)の存在下で、メタクリル酸エステルなどの単量体の混合物を、少なくとも1段以上重合して得られるアクリル系グラフト共重合体からなる粒子であってもよい。アクリル系グラフト共重合体からなる粒子は、アクリル系ゴム状重合体(a)を含むコア部と、それを覆うシェル部とを有するコアシェル型の粒子であってもよい。
アクリル系ゴム状重合体を含むコアシェル型のゴム粒子について:
(コア部)
コア部は、アクリル系ゴム状重合体(a)を含み、必要に応じて硬質な架橋重合体(c)をさらに含んでもよい。すなわち、コア部は、アクリル系ゴム状重合体からなる軟質層と、その内側に配置された硬質な架橋重合体(c)からなる硬質層とを有してもよい。
架橋重合体(c)は、メタクリル酸エステルを主成分とする架橋重合体でありうる。すなわち、架橋重合体(c)は、メタクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位と、それと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位と、多官能性単量体に由来する構造単位とを含む架橋重合体であることが好ましい。
メタクリル酸アルキルエステルは、前述のメタクリル酸アルキルエステルであってよく;共重合可能な他の単量体は、前述のスチレン類やアクリル酸エステルなどであってよく;多官能性単量体は、前述の多官能性単量体とした挙げたものと同様のものが挙げられる。
メタクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の含有量は、架橋重合体(c)を構成する全構造単位に対して40~100質量%でありうる。共重合可能な他の単量体に由来する構造単位の含有量は、他の架橋重合体(c)を構成する全構造単位に対して60~0質量%でありうる。多官能性単量体に由来する構造単位の含有量は、他の架橋重合体を構成する全構造単位に対して0.01~10質量%でありうる。
(シェル部)
シェル部は、アクリル系ゴム状重合体(a)にグラフト結合した、メタクリル酸エステルに由来する構造単位を主成分として含むメタクリル系重合体(b)(他の重合体)を含む。主成分として含むとは、メタクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量が後述する範囲となることをいう。
メタクリル系重合体(b)を構成するメタクリル酸エステルは、メタクリル酸メチルなどのアルキル基の炭素数1~12のメタクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。メタクリル酸エステルは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
メタクリル酸エステルの含有量は、メタクリル系重合体(b)を構成する全構造単位に対して50質量%以上であることが好ましい。メタクリル酸エステルの含有量が50質量%以上であると、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を主成分として含むメタクリル系樹脂との相溶性が得られやすい。メタクリル酸エステルの含有量は、上記観点から、メタクリル系重合体(b)を構成する全構造単位に対して70質量%以上であることがより好ましい。
メタクリル系重合体(b)は、メタクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位をさらに含んでもよい。共重合可能な他の単量体の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチルなどのアクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなどの脂環、複素環又は芳香環を有する(メタ)アクリル系単量体(環含有(メタ)アクリル系単量体)が含まれる。
共重合可能な単量体に由来する構造単位の含有量は、メタクリル系重合体(b)を構成する全構造単位に対して50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
本実施の形態では、機能層は延伸されていないため、ゴム粒子の形状は、真球状に近い形状でありうる。すなわち、機能層の断面又は表面を観察したときの、ゴム粒子のアスペクト比は、1~2程度でありうる。
ゴム粒子の平均粒子径は、100~400nmであることが好ましい。ゴム粒子の平均粒子径が100nm以上であると、機能層に十分な靱性や応力緩和性を付与しやすく、400nm以下であると、機能層の透明性が損なわれにくい。ゴム粒子の平均粒子径は、同様の観点から、150~300nmであることがより好ましい。
ゴム粒子の平均粒子径は、以下の方法で算出することができる。
ゴム粒子の平均粒子径は、積層フィルムの表面又は切片のSEM撮影又はTEM撮影によって得た粒子100個の円相当径の平均値として測定することができる。円相当径は、撮影によって得られた粒子の投影面積を、同じ面積を持つ円の直径に換算することによって求めることができる。この際、倍率5000倍のSEM観察及び/又はTEM観察によって観察されるゴム粒子を、平均粒子径の算出に使用する。
ゴム粒子の含有量は、特に限定されないが、機能層に対して5~40質量%であることが好ましく、7~30質量%であることがより好ましい。
〔2.3〕物性
〈23℃における湿度膨張係数(CHE2)〉
機能層の23℃における湿度膨張係数(CHE2)は、1~30ppm/%RHの範囲であることが、基材フィルムの好ましい湿度膨張係数(CHE1)との関係から、カールの向きや程度を制御する観点から、好ましい。透機能層の湿度膨張係数CHE2が1ppm以上であると貼合後の剥離プロセスが行いやすくなるという効果を発現し、30ppm以下であると、貼合時のエラーおよびムラの発生を抑制できるという効果を発現する。より好ましくは3~20ppm/%RHの範囲であり、さらに好ましくは5~15ppm/%RHの範囲である。
〈位相差Ro及びRt〉
本発明に係る機能層は、基材フィルムから剥離された後、偏光子と貼り合わされて位相差フィルムなどの光学フィルムとして機能しうる。
機能層は、例えばIPSモード用の位相差フィルムとして用いる観点では、測定波長590nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Roは、0~10nmであることが好ましく、0~5nmであることがより好ましい。機能層の厚さ方向の位相差Rtは、-40~40nmであることが好ましく、-25~25nmであることがより好ましい。
Ro及びRtは、それぞれ下記式で定義される。
式(a):Ro=(nx-ny)×d
式(b):Rt=((nx+ny)/2-nz)×d
(式中、
xは、機能層の面内遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率を表し、
yは、機能層の面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
zは、機能層の厚さ方向の屈折率を表し、
dは、機能層の厚さ(nm)を表す。)
機能層の面内遅相軸は、自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)により確認することができる。
Ro及びRtは、以下の方法で測定することができる。
1)機能層を23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。このフィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚さdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後のフィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRtを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。
機能層の位相差Ro及びRtは、例えば樹脂の種類や延伸条件、乾燥条件によって調整することができる。例えば、乾燥温度を高くすることで、Rtを低くすることができる。
〔3〕積層フィルムの製造方法
本発明の積層フィルムの形態は、特に制限されないが、例えば帯状でありうる。すなわち、本発明の積層フィルムは、その幅方向に直交する方向にロール状に巻き取られて、ロール体とすることが好ましい。
〔3.1〕積層フィルムの製造方法
[製造方法]
本発明の積層フィルムの製造方法は、1)機能層用溶液を得る工程と、2)得られた機能層溶液を、基材フィルムの表面に付与する工程と、3)付与された機能層用溶液から溶媒を除去して、機能層を形成する工程とを有する。
1)機能層用溶液を得る工程
前述の樹脂と、溶媒とを含む機能層用溶液を調製する。
機能層用溶液に用いられる溶媒は、樹脂を良好に分散又は溶解させうるものであればよく、特に制限されない。例えば、本発明に用いられる有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノールやジオール、トリオール、テトラフルオロプロパノール等)、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、カルボン酸類(ギ酸、酢酸等)、カーボネート類(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル等)、エーテル類(イソプロピルエーテル、THF等)、アミド類(ジメチルスルホキシド等)、炭化水素類(ヘプタン等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、芳香族類(シクロヘキシルベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等)、ハロゲン化アルキル類(ジクロロメタン(「塩化メチレン」ともいう。)等)、アミン類(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロウンデセン等)、ラクトン系などが挙げられる。
中でも、機能層の溶媒として、沸点が大気圧下において100℃以下であり、種類として塩素系溶媒であり、更には具体的にはジクロロメタン(「塩化メチレン」ともいう。)であることが、機能層用のドープを調製し製膜する際において、扱いやすさの観点及び湿度膨張係数を制御する観点から、好ましい。これは機能層用のドープを調製し製膜する際において、溶解性が高いこと及び乾燥速度が速く、それによって塗布膜の膜質を調整し、ひいては湿度膨張係数を制御できるといった観点から好ましい。また親水性の溶媒を添加することも、湿度膨張係数を制御することが可能である。親水性の溶媒としてはケトン類、アルコール類が挙げられるが、アルコール類であることが好ましい。より好ましくはイソプロパノール、エタノール、メタノール等であり、最も好ましくはメタノールである。
添加量としては1~20質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3~10質量%の範囲である。
機能層用溶液の樹脂濃度は、粘度を後述する範囲に調整しやすくする観点では、例えば1.0~20質量%であることが好ましい。さらに、塗膜の乾燥時の収縮量を少なくする観点では、機能層用溶液の樹脂濃度は適度に高いことが好ましく、5質量%超20質量%以下であることがより好ましく、5質量%超15質量%以下であることがさらに好ましい。また溶液濃度を調整することで、膜が形成されるまでの時間が短くなり、それらの乾燥時間も機能層のCHEを制御する手段となりうる。高濃度化のためには適宜混合溶媒を用いてもよい。
機能層用溶液の粘度は、所望の厚さの機能層を形成しうる程度であればよく、特に制限されないが、例えば5~5000mPa・sであることが好ましい。機能層用溶液の粘度が5cP以上であると、適度な厚さの機能層を形成しやすく、5000mPa・s以下であると、溶液の粘度上昇によって、厚さムラが生じるのを抑制しうる。機能層用溶液の粘度は、同様の観点から、100~1000mPa・sであることがより好ましい。機能層用溶液の粘度は、25℃で、E型粘度計で測定することができる。
2)機能層用溶液を付与する工程
次いで、得られた機能層用溶液を、基材フィルムの表面に付与する。具体的には、得られた機能層用溶液を、基材フィルムの表面に塗布する。
機能層用溶液の塗布方法は、特に制限されず、例えばバックロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ロールコート法などでの公知の方法でありうる。中でも、薄くかつ均一な厚さの塗膜を形成しうる観点から、バックコート法が好ましい。
3)機能層を形成する工程
次いで、基材フィルムに付与された機能層用溶液から溶媒を除去して、機能層を形成する。
具体的には、基材フィルムに付与された機能層用溶液を乾燥させる。乾燥は、例えば送風又は加熱により行うことができる。中でも、積層フィルムのカールなどを抑制しやすくする観点では、送風により乾燥させることもできる。
乾燥条件(例えば乾燥温度、乾燥風量、乾燥時間など)を調整することにより、機能層の疎密を制御し、ひいてはCHEを調整することができる。CHEを大きくする方向に調整するには、膜質が疎になる方向に調整することが好ましく、具体的には乾燥速度を高くすることが好ましく、0.001~0.05kg/hr・m2であることが好ましく、0.002~0.01kg/hr・m2であることがより好ましい。
乾燥速度とは、単位時間、単位面積当たりに蒸発する溶媒の質量として表される。乾燥速度は、通常、乾燥温度によって調整することができる。乾燥温度は、使用する溶媒種にもよるが、例えば50~200℃(使用する溶媒の沸点Tbに対して(Tb-50)~(Tb+50)℃でありうる。温度制御は多段階で行ってもよい。ある程度乾燥が進んだ後は、より高温で乾燥することで乾燥速度、膜質を制御することができる。
本実施の形態に係る積層フィルムは、前述の通り、帯状でありうる。したがって、本実施の形態に係る積層フィルムの製造方法は、4)帯状の積層フィルムをロール状に巻き取り、ロール体とする工程をさらに含むことが好ましい。
4)積層フィルムを巻き取り、ロール体を得る工程
得られた帯状の積層フィルムを、その幅方向に直交する方向にロール状に巻き取り、ロール体とする。
帯状の積層フィルムの長さは、特に制限されないが、例えば100~10000m程度でありうる。また、帯状の積層フィルムの幅は、1m以上であることが好ましく、1.3~4mであることがより好ましい。フィルムの均一性を高める観点では、より好ましくは1.6~2.5mである。
[製造装置]
本発明の積層フィルムの製造方法は、例えば図3に示される製造装置によって行うことができる。
図3は、本実施の形態に係る積層フィルムの製造方法を実施するための製造装置B200の模式図である。製造装置B200は、供給部B210と、塗布部B220と、乾燥部B230と、冷却部B240と、巻き取り部B250とを有する。Ba~Bdは、基材フィルムB110を搬送する搬送ロールを示す。
供給部B210は、巻き芯に巻かれた帯状の基材フィルムB110のロール体B201を繰り出す繰り出し装置(不図示)を有する。
塗布部B220は、塗布装置であって、基材フィルムB110を保持するバックアップロールB221と、バックアップロールB221で保持された基材フィルムB110に、機能層用溶液を塗布する塗布ヘッドB222と、塗布ヘッドB222の上流側に設けられた減圧室B223とを有する。
塗布ヘッドB222から吐出される機能層用溶液の流量は、不図示のポンプにより調整可能となっている。塗布ヘッドB222から吐出する機能層用溶液の流量は、予め調整した塗布ヘッドB222の条件で連続塗布したときに、安定して所定の厚さの塗布層を形成できる量に設定されている。
減圧室B223は、塗布時に塗布ヘッドB222からの機能層用溶液と基材フィルムB110との間に形成されるビード(塗布液の溜まり)を安定化するための機構であり、減圧度を調整可能となっている。減圧室B223は、減圧ブロワ(不図示)に接続されており、内部が減圧されるようになっている。減圧室B223は、空気漏れがない状態になっており、かつ、バックアップロールとの間隙も狭く調整され、安定した塗布液のビードを形成できるようになっている。
乾燥部B230は、基材フィルムB110の表面に塗布された塗膜を乾燥させる乾燥装置であって、乾燥室B231と、乾燥用気体の導入口B232と、排出口B233とを有する。乾燥風の温度および風量は、塗膜の種類および基材フィルムB110の種類により適宜決められる。乾燥部B230で乾燥風の温度および風量、乾燥時間などの条件を設定することにより、乾燥後の塗膜の残留溶媒量を調整することができる。乾燥後の塗膜の残留溶媒量は、乾燥後の塗膜の単位質量と、該塗膜を十分に乾燥した後の質量を比較することにより測定することができる。
(残留溶媒量)
機能層は、機能層用溶液を塗布して得られることから、当該溶液に由来する溶媒が残留していることがある。残留溶媒量は、湿度膨張係数の制御手段ともなり、使用溶媒・塗布液濃度、機能層の乾燥に当てる風速、乾燥温度・時間、乾燥室の条件(外気か内気循環か)、塗布時のバックロールの加熱温度等によって制御しうる。
前述のとおり、高速乾燥になると膜が疎になって水分の浸透が速くなるため、湿度膨張係数CHE2は大きくなる。
機能層の残留溶媒量は、前記基材フィルムの残留溶媒量をS1、前記機能層の残留溶媒量をS2としたときに、下記式(2)を満たすことが、積層フィルムのカールバランスの観点から好ましい。
式(2) 10<S1<S2<1000(ppm)
具体的には、機能層の残留溶媒量は、1000ppm未満であることが好ましく、800ppm未満であることがより好ましく、500~700ppm未満であることが、積層フィルムのカールバランスを考慮するとより好ましい。また、基材フィルムにも溶媒が残存するような溶媒・塗布プロセスを選ぶことで、積層体間の密着性が向上する。基材フィルムの残存溶媒量としては10~100ppmの範囲が好ましい。
機能層層及び基材フィルムの残留溶媒量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定することができる。ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法では、サンプルを容器に封入し、加熱し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、質量分析を行って化合物の同定を行いながら揮発成分を定量するものである。ヘッドスペース法では、ガスクロマトグラフにより、揮発成分の全ピークを観測することを可能にするとともに、電磁気的相互作用を利用した分析法を用いることによって、高精度で揮発性物質やモノマーなどの定量も併せて行うことができる。
冷却部B240は、乾燥部B230で乾燥させて得られる塗膜(機能層B120)を有する基材フィルムB110の温度を冷却し、適切な温度に調整する。冷却部B240は、冷却室B241と、冷却風入口B242と、冷却風出口B243とを有する。冷却風の温度および風量は、塗膜の種類および基材フィルムB110の種類により適宜決めうる。また、冷却部B240を設けなくても、適正な冷却温度になる場合は、冷却部B240はなくてもよい。
巻き取り部B250は、透機能層B120が形成された基材フィルムB110を巻き取り、ロール体B251を得るための巻き取り装置(不図示)である。
(厚さ)
機能層の厚さd2は、通常、基材フィルムの厚さd1よりも薄い。具体的には、機能層の厚さd2は、偏光板の薄型化の観点では、具体的には、1~19μmの範囲であることが好ましく、中でも2~10μmの範囲であることがより好ましい。
〔4〕偏光板
偏光板は、偏光子と、その少なくとも一方の面に配置された積層フィルム又は機能層とを有する。偏光子と積層フィルム又は機能層とは、接着剤層を介して接着されていることが好ましい。
図4A及び図4Bに本発明の偏光板の層構成について、その一例を示すがこれに限定されるものではない。
図4Aは、基材フィルム付きの偏光板の断面図である。
本発明の積層フィルム1(基材フィルム2及び機能層3)の機能層3側を、接着層4を介して偏光子5に貼合して偏光板10aを加工する。偏光子5の本発明の積層フィルム1を貼合した面とは反対側の面には、必要であれば、接着層4を介して対向フィルム6が貼合されていてもよい。
偏光板10aは、例えば、表示装置(不図示)に具備する場合、表示素子側に本発明の積層フィルム1が粘着層(不図示)を介して貼合されていてもよく、また、表示素子側に対向フィルム6が粘着層(不図示)を介して貼合されていてもよい。本発明の積層フィルム1が貼合される場合は、積層フィルム1から基材フィルム2を剥離した下記図4(b)で示す実施形態であることが好ましい。
図4Bは、基材フィルムを剥離した偏光板の断面図である。
本発明の積層フィルム1(基材フィルム2と機能層3)の機能層3側を、接着層4を介して偏光子5に貼合して偏光板10bを加工する。偏光板加工時又は加工後に基材フィルム2は機能層3から剥離して薄膜の偏光板10bを加工する。偏光子5の本発明に係る機能層3を貼合した面とは反対側の面には、必要であれば、接着層4を介して対向フィルム6が貼合されていてもよい。
偏光板10bは、例えば、表示装置(不図示)に具備する場合、表示素子側に本発明に係る機能層3が粘着層(不図示)を介して貼合されていてもよく、また、表示素子側に対向フィルム6が粘着層(不図示)を介して貼合されていてもよい。
〔4.1〕偏光子
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子である。偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系偏光フィルムでありうる。ポリビニルアルコール系偏光フィルムの例には、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものや、二色性染料を染色させたものが含まれる。
ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素又は二色性染料で染色したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよいし;ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素又は二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくは、さらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の吸収軸は、通常、最大延伸方向と平行である。
偏光子の厚さは、5~30μmであることが好ましく、偏光板を薄型化する観点などから、5~20μmであることがより好ましい。
〔4.2〕積層フィルム又は機能層、及び対向フィルム
偏光子の少なくとも一方の面には、本発明の積層フィルムを構成する基材フィルム又は機能層が配置される。積層フィルムを構成する基材フィルム又は機能層は、いずれも偏光子保護フィルムとして機能しうる。本実施の形態では、偏光子の一方の面に機能層が配置され、他方の面に他の保護フィルムが配置されていることが好ましい。
対向フィルムの例には、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、セルロースエステル系樹脂及びスチレン系樹脂又はその複合樹脂等を含有する。中でも、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂を含有する樹脂フィルムであることが好ましい。
〔4.3〕接着剤層
接着剤層は、機能層と偏光子との間、及び、対向フィルムと偏光子との間にそれぞれ配置されている。機能層と偏光子との間に配置される接着剤層と、対向フィルムと偏光子との間に配置される接着剤層とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
接着剤層は、活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物層であってもよいし、水溶性ポリマーから得られる層であってもよい。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、光ラジカル重合性組成物であってもよいし、光カチオン重合性組成物であってもよい。中でも、光カチオン重合性組成物が好ましい。
光カチオン重合性組成物は、エポキシ系化合物と、光カチオン重合開始剤とを含む。
水溶性ポリマーの場合、例えばビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、又はホウ酸や ホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うことができる。かかる接着層は、水溶液の塗布乾燥層等として形成されるが、その水溶液の調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合することができる。水溶性ポリマーを使う工程の場合、含まれる水の浸透によって積層体のカールが発生し、偏光板の収率を低下させることがある。このような工程のエラーを防ぐことも本発明の目的の一つである。
接着剤層の厚さは、特に限定されないが、それぞれ0.01~10μmであることが好ましく、0.01~5μmであることがより好ましい。
〔4.4〕粘着剤層
粘着剤層は、偏光板を、液晶セルなどの表示素子と貼合するための層であり、偏光板のどちらの面に形成してもよいが、機能層の偏光子とは反対側の面に配置されうる。
粘着剤層は、ベースポリマー、プレポリマー及び/又は架橋性モノマー、架橋剤ならびに溶媒を含む粘着剤組成物を、乾燥及び部分架橋させたものであることが好ましい。すなわち、粘着剤組成物の少なくとも一部が架橋したものでありうる。
粘着剤組成物の例には、(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤組成物、シリコーン系ポリマーをベースポリマーとするシリコーン系粘着剤組成物、ゴムをベースポリマーとするゴム系粘着剤組成物が含まれる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性、加工性の観点では、アクリル系粘着剤組成物が好ましい。
粘着剤組成物は、必要に応じて粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤などの各種の添加剤をさらに含んでもよい。
粘着剤層の厚さは、通常、3~100μm程度であり、好ましくは5~50μmである。
粘着剤層の表面は、離型処理が施された剥離フィルムで保護されている。剥離フィルムの例には、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルムなどのプラスチックフィルムが含まれる。
〔4.4〕偏光板の製造方法
本実施の形態に係る偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、前述の積層フィルムを貼合するとともに、基材フィルムを剥離する工程を経て製造されうる。積層フィルムの貼り合わせは、偏光子の一方の面のみに行ってもよいし、両方の面に行ってもよく、透過率の観点では、偏光子の一方の面に積層フィルムを貼り合わせ、他方の面に他の保護フィルムである対向フィルムを貼り合わせることが好ましい。
また、偏光子には、本発明の積層フィルムの基材フィルム側を貼合してもよく、機能層側を貼合してもよい。好ましくは、機能層側を貼合し、基材フィルムをプロテクトフィルムとして活用するか、剥離して薄膜の機能層のみを活用することである。
したがって積層フィルムを、偏光子の少なくとも一方の面に貼合しながら巻き取る偏光板ロールを製造する際に、ロールの内側から偏光子、機能層及び基材フィルムの層順になるように、前記偏光子に前記積層フィルムを貼合しながら巻き取る工程を含むことが、好ましい偏光板ロールの製造方法である。また、偏光子に本積層フィルムを貼合・乾燥し巻き取る前に、積層フィルム中の基材フィルムを剥離しながら巻き取るという方法も好ましい態様である。
基本的に、本発明に係る偏光板は、1)偏光子の一方の面に、上記積層フィルムの機能層を貼合する工程(機能層の偏光子とは反対側の面に配置された基材フィルムは、貼り付けたままでもよいし、必要に応じて剥離してもよい。)、2)偏光子の他方の面に、他の保護フィルムである対向フィルムを貼合する工程とを経て製造されうる。
1)機能層の貼合工程
偏光子の一方の面に、上記積層フィルムの機能層を、接着剤を介して貼合する。貼り合わされる機能層の表面、又は、偏光子の一方の表面に、必要に応じてコロナ処理などの前処理を施してもよい。
例えば、接着剤として水溶性ポリマーの接着剤を用いる場合、1)積層フィルムの機能層の表面に、必要に応じてコロナ処理などの表面処理を施す。次いで、偏光子の一方の面に、水溶性ポリマーの接着剤を介して、積層フィルムの機能層を積層する。2)次いで、偏光子の他方の面に、他の保護フィルムである対向フィルムを貼合する。具体的には、対向フィルムの表面に、必要に応じてコロナ処理などの表面処理を施す。次いで、偏光子の他方の面に、水溶性ポリマーの接着剤を介して、当該対向フィルムを積層した後、例えば50~80℃の温度範囲で段階的に乾燥処理を行う。
1)及び2)の工程は、同時に行ってもよいし、逐次的に行ってもよい。製造効率を高める観点では、1)及び2)の工程は同時に行うことが好ましい。
本実施の形態に係る偏光板は、帯状でありうる。したがって、1)及び2)の工程は、帯状の積層フィルムの機能層と、帯状の偏光子と、帯状の他の保護フィルム(対向フィルム)とが、それぞれロール体から巻き出されて、ロールtoロールで貼り合わせることによって偏光板加工を行うことが好ましい。
また、帯状の偏光板をロール状に巻き取り、ロール体とする工程をさらに行うことが好ましい。当該工程において、帯状の偏光板の長さや幅は、積層フィルムの製造方法の4)の工程における帯状の積層フィルムの長さや幅と同様である。
また、本発明の偏光板ロールの製造方法では、積層フィルム1を、偏光子5の少なくとも一方の面に貼合しながら巻き取る工程において、ロールの内側から偏光子5、接着層4、機能層3及び基材フィル2の層順になるように、前記偏光子5に前記積層フィルム1を貼合しながら巻き取る工程によって、偏光板ロールを形成することも好ましい。この場合、本発明に係る基材フィルム2は、偏光板ロールの外側に配置されることから、プロテクトフィルムとしての機能を発揮し、偏光板加工時に機能層2への傷等の発生を防止したり、カーリングを抑制したりして、ハンドリングを容易にすることができる。
またこのときに、積層フィルム1を貼合した面とは反対側の面に必要であれば対向フィルム6を接着層4を介して偏光子5に貼合しながら巻き取って、偏光板ロールを形成してもよい。
〔5〕表示装置
本実施の形態に係る表示装置は、液晶セルや有機エレクトロルミネッセンス(「EL」ともいう。)素子などの表示素子と、上記製造方法で製造された偏光板とを有する。中でも、本実施の形態に係る表示装置は、液晶セルと、上記製造方法で製造された偏光板とを有する液晶表示装置であることが好ましい。
すなわち、液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの一方の面に配置された第1偏光板と、液晶セルの他方の面に配置された第2偏光板とを含む。そして、第1偏光板と第2偏光板の少なくとも一方は、本実施の形態に係る偏光板である。第1偏光板中の第1偏光子の吸収軸と第2偏光板中の第2偏光子の吸収軸とは直交している(クロスニコルとなっている)ことが好ましい。
液晶セルの表示モードは、例えばSTN(Super-Twisted Nematic)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Bend)、HAN(Hybridaligned Nematic)、VA(Vertical Alignment、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)、PVA(Patterned Vertical Alignment))、IPS(In-Plane-Switching)などでありうる。例えば、携帯機器用途の液晶表示装置では、IPSモードが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
実施例1
[1]積層フィルムの材料
[1-1]基材フィルム
<基材フィルムA>
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム):(東洋紡社製TN100、ノンシリコーン系剥離剤を含む離型層あり、厚さ38μm)
<基材フィルムB>
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)(東洋紡社製TN100)をTD方向に13%延伸させたフィルム(厚さ30μm)
<基材フィルムC>
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)(東洋紡社製TN100)をTD方向に30%延伸させたフィルム(厚さ25μm)
<基材フィルムD>
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)(東洋紡社製TN100)を150℃で30秒間熱保持緩和させたフィルム)厚さ38μm)
<基材フィルムE>
トリアセチルセルロースフィルム(TAC)(コニカミノルタ社製KC4UA、離型層なし、厚さ38μm)
<基材フィルムF>
シクロオレフィンフィルム(COP)(JSR社製ARTON G7810、離型層なし、厚さ38μm)
<基材フィルムG>
高密度ポリエチレン(HDPE)(ハイゼックス 2200J(プライムポリマー社製)、厚さ38μm)
基材フィルムA~Gの23℃における湿度膨張係数CHE1を、以下の方法で測定した。
(23℃における湿度膨張係数CHE1
基材フィルムの23℃における湿度膨張係数CHE1は、JIS K7197を参考として測定した。
フィルム試料を恒温恒湿槽に幅1cm、試料長15cmになるように固定し、一定湿度(約30%RH)まで脱湿し、フィルム長が一定になった後、加湿(約80%RH)すると吸湿により伸び始める。約24時間後吸湿は平衡に達してフィルムの伸びも平衡に達する。この時の伸び量から下式により計算した。この際、雰囲気温度は23℃に一定に保った。
23℃における湿度膨張係数(ppm/%RH)=伸び量(cm)/(試料長(cm)×湿度差)×106
[1-2]機能層用溶液
(1)材料の準備
<樹脂>
1.COP(G7810):JSR(株)製ARTON G7810、Mw:14万、カルボン酸基を有するシクロオレフィン系樹脂
2.フマル酸樹脂:東ソー社製フマル酸ジエステル系樹脂、数平均分子量12万
3.アクリル:MMA/PMI/MADA共重合体(60/20/20質量比)、Mw:150万、Tg:137℃(なお、略称は、以下を示す。MMA:メタクリル酸メチル、PMI:フェニルマレイミド及びMADA:アクリル酸アダマンチル)
4.ポリアリレート:ユニチカ社製U-100
5.COP(ZNX330R):日本ゼオン社製ZNX330R
6.A-DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製)
7.PSt/ポリアリレート(質量比5:5)混合物:Pst(ポリスチレン:PSジャパン社製、Mw:50万:PSジャパン製]、ポリアリレート(下記化合物P)
8.PSt::ポリスチレン(Mw:50万:PSジャパン社製)
9.TAC:アセチル置換度2.9のアセチルセルロース
Figure 0007613464000006
樹脂1~9のガラス転移温度(Tg)及び重量平均分子量(Mw)は、以下の方法で測定した。
(ガラス転移温度)
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121-2012に準拠して測定した。
(重量平均分子量)
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製 HLC8220GPC)、カラム(東ソー社製 TSK-GEL G6000HXL-G5000HXL-G5000HXL-G4000HXL-G3000HXL 直列)を用いて測定した。サンプル20mg±0.5mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0.45mmのフィルターで濾過した。この溶液をカラム(温度40℃)に100ml注入し、検出器RI温度40℃で測定し、スチレン換算した値を用いた。
<ゴム粒子R1>
以下の方法で調製したゴム粒子R1を用いた。
撹拌機付き8L重合装置に、以下の物質を仕込んだ。
脱イオン水 180質量部
ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸 0.002質量部
ホウ酸 0.4725質量部
炭酸ナトリウム 0.04725質量部
水酸化ナトリウム 0.0076質量部
重合機内を窒素ガスで充分に置換した後、内温を80℃にし、過硫酸カリウム0.021質量部を2%水溶液として投入した。次いで、メタクリル酸メチル84.6質量%、アクリル酸ブチル5.9質量%、スチレン7.9質量%、メタクリル酸アリル0.5質量%、n-オクチルメルカプタン1.1質量%からなる単量体混合物(c′)21質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸を0.07質量部加えた混合液を、上記溶液に63分間にかけて連続的に添加した。さらに、60分重合反応を継続させることにより、最内硬質重合体(c)を得た。
その後、水酸化ナトリウム0.021質量部を2質量%水溶液として、過硫酸カリウム0.062質量部を2質量%水溶液としてそれぞれ添加した。次いで、アクリル酸ブチル80.0質量%、スチレン18.5質量%、メタクリル酸アリル1.5質量%からなる単量体混合物(a′)39質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸0.25質量部を加えた混合液を117分間にかけて連続的に添加した。添加終了後、過硫酸カリウム0.012質量部を2質量%水溶液で添加し、120分間重合反応を継続させて、軟質層(アクリル系ゴム状重合体(a)からなる層)を得た。軟質層のガラス転移温度(Tg)を、-30℃であった。軟質層のガラス転移温度は、アクリル系ゴム状重合体(a)を構成する各モノマーの単独重合体のガラス転移温度を組成比に応じて平均して算出した。
その後、過硫酸カリウム0.04質量部を2質量%水溶液で添加し、メタクリル酸メチル97.5質量%、アクリル酸ブチル2.5質量%からなる単量体混合物(b′)26.1質量部を78分間かけて連続的に添加した。さらに30分間重合反応を継続させて、重合体(b)を得た。
得られた重合体を3質量%硫酸ナトリウム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させた。次いで、脱水・洗浄を繰り返した後、乾燥させて、3層構造のアクリル系グラフト共重合体粒子(ゴム粒子R1)を得た。得られたゴム粒子R1の平均粒子径は200nmであった。
ゴム粒子の平均粒子径は、以下の方法で測定した。
(平均粒子径)
得られた分散液中のゴム粒子の分散粒径を、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子株式会社製 ELSZ-2000ZS)で測定した。
(2)機能層用溶液の調製
<積層フィルム201用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液201を得た。
トルエン(沸点110℃): 900質量部
COP(G7810): 100質量部
<積層フィルム202~205用機能層溶液の調製>
表Iに示される溶媒であるシクロペンタノン(沸点131℃)及びジクロロメタン(塩化メチレン、沸点41℃)に変更した以外は積層フィルム201用機能層溶液と同様にして、積層フィルム202~205用機能層溶液を得た。
<積層フィルム206~215用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液206~215を得た。
塩化メチレン(沸点41℃): 760質量部
メタノール(沸点65℃): 40質量部
COP(G7810): 200質量部
<積層フィルム216~222用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液216を得た。
メチルエチルケトン(MEK:沸点80℃) 900質量部
フマル酸ジエステル樹脂(フマル酸樹脂と表記): 100質量部
積層フィルム217~222用機能層溶液では、表II記載のように、溶媒をMEK(沸点80℃):トルエン(沸点110℃)=7:3(質量比)混合液、塩化メチレン(沸点41℃)及び樹脂濃度(10質量%又は20質量%)に適宜変更した以外は、積層フィルム216用機能層溶液と同様にして、積層フィルム217~222用機能層溶液を調製した。
<積層フィルム223用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液223を得た。
メチルエチルケトン(MEK:沸点80℃) 900質量部
アクリル: 100質量部
<積層フィルム224用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液224を得た。
メチルエチルケトン(MEK:沸点80℃) 900質量部
アクリル: 80質量部
ゴム粒子R1: 20質量部
<積層フィルム225用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液225を得た。
塩化メチレン(沸点41℃) 900質量部
アクリル: 100質量部
<積層フィルム226及び227用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液226を得た。
塩化メチレン(沸点41℃) 800質量部
アクリル: 80質量部
ゴム粒子R1: 20質量部
下記成分を混合して、機能層用溶液227を得た。
塩化メチレン(沸点41℃) 800質量部
アクリル: 160質量部
ゴム粒子R1: 20質量部
<積層フィルム228及び229用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液228を得た。
トルエン(沸点110℃): 900質量部
ポリアリレート(ユニチカ社製U-100): 100質量部
積層フィルム229用機能層溶液では、表III記載のように、溶媒として塩化メチレン(沸点41℃)を用いた以外は、積層フィルム228用機能層用溶液と同様にして、積層フィルム229用機能層溶液を調製した。
<積層フィルム230用機能層溶液の調製>
特開2020-3823号公報の実施例1を参考として、下記成分を混合して、機能層用溶液230を得た。
シクロヘキサン(沸点81℃): 900質量部
COP(ZNX330R) 100質量部
<積層フィルム231用機能層溶液の調製>
特開2018-45220号公報の実施例3を参考として、下記成分を混合して、積層フィルム231用機能層溶液を得た。
酢酸エチル(EA:沸点77℃) 100質量部
A-DCP 100質量部
イルガキュア127 2質量部
レベリング剤(F-784-F) 0.08質量部
<積層フィルム232用機能層溶液の調製>
特開2018-45220号公報の実施例3を参考として、下記成分を混合して、積層フィルム232用機能層溶液を得た。
塩化メチレン(沸点41℃) 900質量部
PSt: 70質量部
ポリアリレート樹脂(化合物P) 30質量部
レベリング剤(F-784-F) 0.08質量部
<積層フィルム233用機能層溶液の調製>
特開2018-41028号公報の実施例3を参考として、下記成分を混合して、積層フィルム233用機能層溶液を得た。
酢酸エチル(EA:沸点77℃): 700質量部
PSt: 98質量部
可塑剤(ポリエステル化合物) 2質量部
レベリング剤(F-784-F) 0.08質量部
<積層フィルム234用機能層溶液の調製>
下記成分を混合して、機能層用溶液234を得た。
塩化メチレン(沸点41℃): 800質量部
エタノール(沸点78℃): 100質量部
TAC: 90質量部
可塑剤(エチルフタリルエチルグリコレート): 10質量部
[2]積層フィルムの作製
<積層フィルム201の作製>
基材フィルムとして、PETフィルム(東洋紡社製TN100、基材フィルムA)を準備した。このPETフィルムの離型層上に、積層フィルム201用機能層用溶液を、バックコート法によりダイを用いて塗布した後、下記の乾燥ステップで積層フィルムの乾燥を行うことで厚さ5μmの機能層を形成し、積層フィルム201を得た。
第1ステップ:40℃で1分
第2ステップ:70℃で1分
第3ステップ:100℃で1分
第4ステップ:130℃で2分
<積層フィルム202~234の作製>
積層フィルム201の作製において、表I~表IIIに示すように、基材フィルムの種類及び厚さ、機能層溶液の種類及び厚さをそれぞれ変更した以外は同様にして、積層フィルム202~234を得た。なお乾燥温度は第4ステップのドライヤー温度のみ変更し、第1、第2、第3ステップの温度は固定とした。
≪評価≫
(1)残留溶媒の定性及び定量
得られた積層フィルム中の残留溶媒の定性及び定量は、積層フィルムをそれぞれ基材フィルムと機能層に剥離し、それぞれをヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより行った。ヘッドスペースガスクロマトグラフィーでは、試料を容器に封入して加熱し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、質量分析を行って化合物の同定を行いながら揮発成分の定量を行った。揮発成分の定量は、濃度が既知の試料を用いて検量線を予め作成しておき、測定で得られた揮発成分のピーク面積と検量線とを照合して行った。
(測定条件)
ヘッドスペース装置:HP7694 Head Space Sampler(ヒューレットパッカード社製)
温度条件:トランスファーライン200℃、ループ温度200℃
サンプル量:0.8g/20mlバイアル
GC:HP5890(ヒューレットパッカード社製)
MS:HP5971(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP-624(30m×内径0.25mm)
オーブン温度:初期温度40℃(保持時間3分)、昇温速度10℃/分、到達温度200℃(保持時間5分)
測定モード:SIM(セレクトイオンモニター)モード
(2)機能層の23℃における湿度膨張係数(CHE2)の測定
得られた積層フィルムにおいて、機能層の23℃における湿度膨張係数(CHE2)は、基材フィルムを剥離した試料において、上記基材フィルムの湿度膨張係数(CHE1)と同様の方法で測定した。
(3)搬送性(搬送安定性)
積層フィルムの搬送安定性は、搬送張力350N/mを付与しながら、ラインでロール搬送したときの破断や割れの有無を確認することにより評価した。そして、以下の基準に基づいて、搬送安定性を評価した。
〇:機能層は破断することなく、搬送可能
△:機能層に微小な傷と割れが発生するが、搬送可能
×:機能層が割れて、破断する
△以上であれば、良好と判断した。
(4)水中カール
積層フィルムを35mm(製造時の横方法)×2mm(製造時の縦方向)の帯状に切断し、38℃の温水中に30分間浸漬した時の水中での幅手方向のカール度を測定する。
機能層を塗設する側が凹の場合をプラスとして測定する。
[カール度]
得られた積層フィルムを、直径5cmの円形に切り出し、サンプルとした。得られたサンプルを、23℃55%RHの恒温恒湿室にて24時間放置した。その後、サンプルを恒温恒湿室から取り出し、平板上に置き、曲率スケールを用いて、サンプルと合致するカーブを有する曲率半径r(m)から1/rを求めた。そして、以下の基準に基づいて、カール量を評価した。
◎:1/rが4未満
○:1/rが4以上8未満
△:1/rが8以上12未満
×:1/rが12以上
△以上であれば良好と判断した。
(5)偏光子との貼合性
(貼合性の評価)
ポリビニルアルコール(以下、「PVA:という。」)を含有する厚さ60μmの長尺ポリビニルアルコールフィルムを、ガイドロールを介して連続搬送しつつ、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理と2.5倍の延伸処理を施した後、ホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中で、トータルとして5倍となる延伸処理と架橋処理を施し、得られた厚さ12μmのヨウ素-PVA系偏光子を、乾燥機中で50℃、30分間乾燥させて水分率4.9%の偏光子を得た。偏光子は、10cm×10cmにカットした。
ついで次の各成分を混合し、水系接着剤1を調製した。
純水:100質量部
ポリビニルアルコール系樹脂(日本合成化学工業(株)製 商品名「ゴーセファイマーZ200」]:3質量部
水系接着剤1をワイヤーバー(#0)にてPVA偏光子に塗工し、10cm×10cmに加工した本願フィルムを機能層面がPVA面と接着するように、高精度卓上型貼合機HAL-215(三共株式会社製)を用いて枚葉貼合を行った後、基材フィルムを剥離してPVAと機能層の積層体を作製した。
この積層体の貼合工程適性について、下記のように評価した。
(評価ランク)
◎:50枚貼合を行っても気泡の混入、端部の折れ、フィルムの位置ずれ等の発生は見られなかった
〇:20枚貼合を行っても気泡の混入、端部の折れ、フィルムの位置ずれ等の発生は見られなかった
△:10枚貼合を行っても気泡の混入、端部の折れ、フィルムの位置ずれ等の発生は見られなかった
×:10枚貼合を行ったところ、1枚以上気泡の混入、端部の折れ、フィルムの位置ずれ等の発生が見られた
(6)干渉縞
〈偏光板の作製〉
上記作製した積層フィルム201~234を用いて、下記手順にて偏光板を作製した。
(偏光子の作製)
ポリビニルアルコールフィルムの厚さ60μmの長尺ポリビニルアルコールフィルムを、ガイドローラーを介して連続搬送しつつ、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理と2.5倍の延伸処理を施した後、ホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中で、トータルとして5倍となる延伸処理と架橋処理を施し、得られた厚さ12μmのヨウ素-PVA系偏光子を、乾燥機中で50℃、30分間乾燥させて水分率4.9%の偏光子を得た。
(偏光板の作製)
上記作製した偏光子を、積層フィルム201~234と対向フィルムとして下記光学フィルムを用いて両面から挟持して、下記水溶性接着剤液1を介して、接着し偏光板201~234を作製した。
その際、偏光子の長手方向と積層フィルムの長手方向の軸を合わせて貼合した。
〈対向フィルム〉
対向フィルムは下記樹脂を含有するフィルムを用いた。
COP(シクロオレフィン):JSR(株)製ARTON G7810
(水溶性接着剤液1の調製)
下記の各成分を混合した後、脱泡して、水溶性接着剤液1を調製した。
純水 100質量部
株式会社日本触媒製「エポクロス WS-300」 7.5質量部
MENADIONA社製「CROSSLINKER CL-427」
0.1質量部
なお、偏光板作製は、積層フィルムの接着側表面にコロナ出力強度2.0kW、ライン速度18m/分でコロナ放電処理を施し、コロナ放電処理面に、上記調製した水溶性接着剤液1を、乾燥後の厚さが約3μmとなるようにバーコーターで塗工した後、50℃、60℃、70℃でこの順番に60秒ずつ乾燥し、偏光板を得た。
作製した偏光板を暗幕のような光を通さない黒布の上に機能層が形成された面を上にして置き、三波長蛍光灯(松下電器社製、ナショナル蛍光灯:FL20SS・ENW/18)で照らして、偏光板の表面を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:試料10枚を観察したが干渉ムラが見えない。
○:干渉縞が見えない
△:干渉縞がうっすらと見える
×:干渉縞が目立つ
得られた積層フィルム201~234の製造条件を表I、表II及び表IIIに示し、評価結果を表IVに示す。なお、ゴム粒子の含有量は、乾燥後の塗膜(機能層)中の質量%を示す。
Figure 0007613464000007
Figure 0007613464000008
Figure 0007613464000009
Figure 0007613464000010
表IVに示されるように、本発明の積層フィルム201~208、211~213。216~218、222、224、及び226~229は、搬送性、水中カール、貼合性及び干渉縞評価が、比較例の積層フィルムに対して総合的に優れていることが分かる。特に式(1)で示される数値が0.30~1.00の範囲内であると貼合性が良好となり、0.40~0.80の範囲内であると更に干渉縞の特性が良好となる傾向が見られた。
実施例2
実施例1で作製した、積層フィルム204、213、214、216、218、226及び229の機能層の位相差をそれぞれ下記方法で測定し、結果を表Vに示した。
リターデーションRo及びRtは、以下の方法で測定した。
1)積層フィルムから基材フィルムを剥離し、機能層を23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。この層の平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚さdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後のフィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRtを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。
Ro及びRtは、それぞれ下記式で定義される。
式(a):Ro=(nx-ny)×d
式(b):Rt=((nx+ny)/2-nz)×d
(式中、nxは、機能層の面内遅相軸方向の屈折率、nyは、機能層の面内遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは、機能層の厚さ方向の屈折率、及びdは機能層の厚さ(nm)をそれぞれ表す。)
Figure 0007613464000011
表Vの結果から、本発明に係る機能層のリターデーション値は、Roが0~20nmの範囲内であり、Rtが-25~25nmの範囲内であることからいずれも、IPSモード液晶表示装置の位相差フィルムとして好適であることがわかる。
本発明によれば、薄膜でありながら、搬送性に優れ、従来の偏光板保護フィルムと同様に取り扱うことが可能であり、更には偏光板加工時に優れたカール制御性を有する積層フィルムが得られることから、偏光板加工時の生産性(偏光子との貼合性)に優れ、光学ムラのない高品質な偏光板及び表示装置を提供することができる。
1 積層フィルム
2 基材フィルム
3 機能層
4 接着層
5 偏光子
6 対向フィルム
10、10′ 偏光板
B110 基材フィルム
B120 機能層
B200 製造装置
B210 供給部
B220 塗布部
B230 乾燥部
B240 冷却部
B250 巻き取り部

Claims (15)

  1. 基材フィルム上に、剥離可能な機能層が積層された積層フィルムであって、
    前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートを含有し、
    前記機能層が、フマル酸ジエステル系樹脂、又はゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂を含有し、
    前記機能層の厚さが、1~19μmの範囲内であり、
    前記積層フィルムの総厚さが、50μm以下であり、
    前記基材フィルムの23℃における湿度膨張係数をCHE1(ppm/%RH)、厚さをd1(μm)、及び前記機能層の23℃における湿度膨張係数をCHE2(ppm/%RH)、厚さをd2(μm)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする積層フィルム。
    式(1) 0.20<│(CHE1-CHE2)│×(d2/d1)<2.00
  2. 前記機能層の厚さが、2~10μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記積層フィルムの総厚さが、30~45μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層フィルム。
  4. 前記機能層の下記式(i)で定義されるリターデーション値Roが0~20nmの範囲内であり、下記式(ii)で定義されるリターデーション値Rtが-25~25nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
    式(i) Ro=(nx-ny)×d
    式(ii) Rt={(nx+ny)/2-nz}×d
    (上記式(i)及び(ii)において、Roは機能層の面内方向のリターデーション値、Rtは、機能層の厚さ方向のリターデーション値、nxは機能層の面内の遅相軸方向の屈折率、nyは機能層の面内の進相軸方向の屈折率、nzは機能層の厚さ方向の屈折率(屈折率は23℃、55%RHの環境下、波長590nmで測定)、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)
  5. 前記基材フィルムの残留溶媒の含有量をS1とし、前記機能層の残留溶媒の含有量をS2としたときに、下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
    式(2) 10<S1<S2<1000(ppm)
  6. 前記残留溶媒のうち主たる残留溶媒の沸点が、大気圧下において100℃以下であることを特徴とする請求項5に記載の積層フィルム。
  7. 前記残留溶媒が、塩素系溶媒であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の積層フィルム。
  8. 前記残留溶媒が、ジクロロメタンであることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
  9. 前記残留溶媒としてジクロロメタン及びアルコール類を含むことを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
  10. 前記基材フィルムが2軸延伸されたポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの23℃における湿度膨張係数CHE1が、10~20ppm/%RHの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
  11. 前記機能層が、カルボニル基を側鎖に有する高分子材料を含有することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
  12. 前記機能層が、環状構造を主鎖に有する高分子材料を含有することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の積層フィルム。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の積層フィルムを具備することを特徴とする偏光板。
  14. 請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の積層フィルム又は請求項13に記載の偏光板を具備することを特徴とする表示装置。
  15. 請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の積層フィルムを、偏光子の少なくとも一方の面に貼合しながら巻き取る偏光板ロールの製造方法であって、
    ロールの内側から偏光子、接着層、機能層及び基材フィルムの層順になるように、前記偏光子に前記積層フィルムを貼合しながら巻き取る工程を含むことを特徴とする偏光板ロールの製造方法。
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