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JP7613474B2 - 薬剤乳化器具 - Google Patents
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JP7613474B2 - 薬剤乳化器具 - Google Patents

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Description

本開示は、薬剤乳化器具に関し、特に注射用の乳化製剤の調製に用いる薬剤乳化器具に関する。
水性の薬剤と油性の薬剤とを懸濁、乳化して注射用の製剤を調製する場合がある。例えば、ワクチンの場合、免疫応答を促進するために水性のワクチン製剤と油性のアジュバントとを混合して乳化して使用する場合がある。少量の薬剤を乳化する方法として、2本のシリンジと、乳化用フィルタとを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。乳化用フィルタを挟んで水性の薬剤を入れたシリンジと油性の薬剤を入れたシリンジとを接続し、交互にポンピングを行うことにより両方の薬剤を混合して乳化させることができる。
特開2005-186026号公報
しかしながら、このような方法により乳化を行うためには、移注針を取り付けたシリンジを用いてバイアルから薬液をシリンジに移注し、この後シリンジから移注針を取り外して乳化用フィルタに取り付けるという操作が必要になる。この場合、各シリンジを乳化用フィルタに取り付ける際に、シリンジ内が開放系となるため、内容物のリークが生じる可能性がある。
本開示の課題は、シリンジの付け換え操作をすることなく、バイアルに入れられた薬剤の乳化を行うことができる薬剤乳化器具を実現できるようにすることである。
本開示の薬剤乳化器具の一態様は、それぞれシリンジが接続される第1のシリンジ接続部及び第2のシリンジ接続部と、第1のシリンジ接続部と第2のシリンジ接続部とが互いに接続されていない第1の接続状態と、第1のシリンジ接続部と第2のシリンジ接続部とが互いに接続された第2の接続状態とを切り換える流路切り換え部と、第1の接続状態において、第1のシリンジ接続部と接続され第2のシリンジ接続部と接続されない第1のバイアル接続部と、第2の接続状態において第1のシリンジ接続部と第2のシリンジ接続部とを接続する流路に位置する乳化フィルタとを備えている。
薬剤乳化器具の一態様によれば、流路の切り換えを行うことで、シリンジ間の薬剤の移動による乳化を順次行うことができ、操作性を大きく向上させることができる。
薬剤乳化器具の一態様は、第1の接続状態において、第2のシリンジ接続部と接続され第1のシリンジ接続部と接続されない第2のバイアル接続部をさらに備えていてもよい。このような構成とすることにより、それぞれのバイアルから薬剤をそれぞれのシリンジに移動させて、乳化を行うことができる。
薬剤乳化器具の一態様は、第1のバイアル接続部と第2のバイアル接続部との識別を可能にする識別表示をさらに備えていてもよい。このような構成とすることにより、バイアル接続部の取り違えによる乳化操作の失敗を生じにくくすることができる。
薬剤乳化器具の一態様において、第1のバイアル接続部及び第2のバイアル接続部はそれぞれ、栓体に穿刺される移注針を有し、移注針は通気フィルタを有していてもよい。このような構成とすることにより、バイアルへの溶解液の注入、バイアルからの液の抜き出しの際にバイアルの内圧が変化せず、操作が容易となる。また、薬剤を移動させたシリンジの気泡抜きも容易となる。
薬剤乳化器具の一態様において、流路切り換え部は、回転部を所定角度回転させることにより、第1の接続状態と第2の接続状態とが切り換わる4方活栓であり、回転部が所定角度以上回転しないように制限する回転制限部を有していてもよい。このような構成とすることにより、正しくない流路の接続状態で操作してしまう事態を生じにくくできる。
薬剤乳化器具の一態様において、第2のシリンジポートには、あらかじめ薬剤を入れたプレフィルドシリンジが接続されるようにすることができる。
本開示の薬剤乳化器具によれば、シリンジの付け換え操作を行うことなく、薬剤の乳化を行うことができる。
図1は一実施形態に係る薬剤乳化器具を示す模式図である。 図2は一実施形態に係る薬剤乳化器具に、バイアル及びシリンジを取り付けた状態を示す模式図である。 図3は流路切り換え部の一例を示す分解斜視図である。 図4は移注針を示す斜視図である。 図5は移注針を示す断面図である。 図6(a)~(d)は、一実施形態に係る薬剤乳化器具による乳化操作を順に示す模式図である。 図7は一実施形態に係る薬剤乳化器具のパッケージの一例を示す平面図である。 図8は流路切り換え部の変形例を示す斜視図である。 図9は流路切り換え部の変形例を示す分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、一実施形態に係る薬剤乳化器具100は、第1のバイアル接続部111及び第2のバイアル接続部112と、第1のシリンジ接続部113及び第2のシリンジ接続部114と、流路切り換え部115と、乳化フィルタ116とを備えている。
流路切り換え部115は、第1の流路141が第1のバイアル接続部111と第1のシリンジ接続部113とを接続し、第2の流路142が第2のバイアル接続部112と第2のシリンジ接続部114とを接続する第1の接続状態と、第1の流路141が第1のシリンジ接続部113と第2のシリンジ接続部114とを接続し、第2の流路142が第1のバイアル接続部111と第2のバイアル接続部112とを接続する第2の接続状態とを切り換えることができる。
本実施形態において、乳化フィルタ116は第1のシリンジ接続部113と第1の流路141との間に配置されている。このため、第1の接続状態においては、第1のシリンジ接続部113と第1のバイアル接続部111との間に位置し、第2の接続状態においては第1のシリンジ接続部と第2のシリンジ接続部114との間に位置する。乳化フィルタ116は、第1の接続状態において第2のバイアル接続部112と第2のシリンジ接続部114との間とならず、第2の接続状態において第1のシリンジ接続部113と第2のシリンジ接続部114との間となるようにできれば、他の位置に配置することもできる。
第1のバイアル接続部111には、第1の薬剤が入った第1のバイアル211が接続され、第2のバイアル接続部112には、第2の薬剤が入った第2のバイアル212が接続される。本実施形態において、第1の薬剤はワクチン等の水性の薬剤であり、第2の薬剤はアジュバント等の油性の薬剤である例について説明する。
流路切り換え部115は、第1の接続状態と第2の接続状態とを切り換えることができればどのような構成であってもよいが、例えば、図3に示すような4方活栓120とすることができる。
図3に示す4方活栓120は、筒状の本体部125と本体部125の開口部に挿入されたプラグ部126とを有している。プラグ部126の上部には本体部125の開口部よりも外径が大きいプラグキャップ127が形成されており、プラグキャップ127の上部には平面十字形状に伸びる4本の腕を有するハンドル128が設けられている。ハンドル128を把持して回転させることにより回転部であるプラグ部126を回転させることができる。
本体部125からは4方向に接続ポートが突出している。4つの接続ポートは、第1のオスコネクタ121及び第2のオスコネクタ122と、第1のメスコネクタ123及び第2のメスコネクタ124を含む。第1のメスコネクタ123は、第1のオスコネクタ121及び第2のメスコネクタ124に隣接して配置される。本実施形態において、第1のオスコネクタ121及び第2のオスコネクタ122は、ロック用のカラー135を有し、第1のメスコネクタ123及び第2のメスコネクタ124は、ロック用の雄ネジ134を有する。
プラグ部126には、第1の流路141及び第2の流路142が形成されており、プラグ部126が第1の回転位置の場合には、第1の流路141が第1のオスコネクタ121と第1のメスコネクタ123とを接続し、第2の流路142が第2のオスコネクタ122と第2のメスコネクタ124とを接続する第1の接続状態となる。プラグ部126を、第1の回転位置から90°回転させた第2の回転位置とすると、第1の流路141が第1のオスコネクタ121と第2のオスコネクタ122とを接続し、第2の流路142が第1のメスコネクタ123と第2のメスコネクタ124とを接続する第2の接続状態となる。
第1の回転位置及び第2の回転位置において、ハンドル128の4本の腕と、4つの接続ポートとが重なるように、ハンドル128及び接続ポートは配置されている。このようにすれば、プラグ部126が第1の回転位置及び第2の回転位置からずれている場合には容易に気づくことができ、誤操作を生じにくくすることができる。但し、ハンドル128はこのような構成に限らない。
本体部125の上部にはプラグキャップ127の下端に設けられた凸部132と当接するように径方向外側に突出した突起131が複数形成されている。突起131及び凸部132は、プラグ部126が90°以上回転しないようにする回転制限部として機能する。
本実施形態において第1のオスコネクタ121及び第2のオスコネクタ122には、移注針150が接続され、第1のバイアル接続部111及び第2のバイアル接続部112となる。第1のメスコネクタ123には、乳化フィルタ116を含むフィルタユニットが接続され第1のシリンジ接続部113となり、第2のメスコネクタ124は第2のシリンジ接続部114となる。
移注針150は、薬剤が入れられたバイアル瓶と接続できればどのようなものであってもよいが、例えば図4及び図5に示すような構成とすることができる。図4及び図5に示す移注針150は、バイアルの開口部をシールするゴム等からなる栓体214に穿刺される針151と、針151の基部に設けられたメスコネクタ152と、針151を囲むカバー153とを有している。
針151は、第1の開口部155とメスコネクタ152とを接続する通液路161と、第1の開口部155よりも針151の先端側の第2の開口部156と接続された通気路162とを有している。通気路162は針151の基部において、通気フィルタ163を介して移注針150の外部と連通している。バイアル内部に液を注入したり、バイアル内部から液を抜き出したりする際に、通気フィルタ163及び通気路162により空気が出入りする。このため、バイアル内への液の注入及びバイアル内からの液の抜き出しを容易に行うことができる。
カバー153は、バイアルのクリンプトップにより押し拡げられる舌片状部164を有し、バイアルの口部に外嵌するように形成されている。また、舌片状部164には、クリンプトップの下端部と係合する段差部165が形成されており、一旦バイアルに外嵌させると容易には外れない構成となっている。このようなバイアルの脱落防止機構を設けることにより、操作中のバイアルの脱落を生じにくくでき、操作者はシリンジの操作に集中することができるので、操作者の負担を軽減することができる。但し、脱落防止機構は、バイアルが脱落しないようにできればこのような構成に限らない。また、脱落防止機構は必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。
本実施形態の移注針150は、メスコネクタ152により流路切り換え部115である4方活栓120のオスコネクタと接続される。移注針150のメスコネクタ152には雄ネジ158が設けられており、4方活栓120の第1のオスコネクタ121及び第2のオスコネクタ122に設けられたカラー135を螺合させることができる。流路切り換え部115と移注針150との接続部をルアーロック構造とすることにより、流路切り換え部115と移注針150とをしっかりと接続することができる。なお、移注針150は流路切り換え部115と分離可能になっていても、分離できないようになっていてもよい。分離できないようにする場合には、例えば、カラー135と雄ネジ158とを接着又は溶着すればよい。また、流路切り換え部115と移注針150との接続部はルアーロック構造である必要はなく、ロック機構を有さないコネクタにより接続されていてもよい。さらに、流路切り換え部115と移注針150とは、コネクタを介さずに接続されていてもよく、流路切り換え部115と移注針150とが一体に成型されていてもよい。
本実施形態において、乳化フィルタ116は、オスコネクタとメスコネクタとを有するハウジングに収容されたフィルタユニットとなっている。フィルタユニットのオスコネクタを、流路切り換え部115である4方活栓120の第1のメスコネクタ123に接続している。フィルタユニットのオスコネクタと第1のメスコネクタ123とは、分離可能であっても、分離不可能に接着又は溶着等がされていてもよい。フィルタユニットと流路切り換え部115の接続ポートとの接続部をルアーロック構造とすることもできる。また、乳化フィルタ116は独立したフィルタユニットではなく、流路切り換え部115のハウジング内に組み込まれていてもよい。
乳化フィルタ116は、第1の薬剤と第2の薬剤との乳化エマルジョンを形成できればどのようなものでもよく、例えば無機又は有機の多孔質膜とすることができる。中でも、孔径が0.05μm~20μm程度の多孔質ガラスフィルタ等が好ましい。水相の中に油滴が分散したO/W系エマルジョンを形成する場合には、親水性のフィルタを用いることができ、多孔質ガラスフィルタの場合、フィルタ表面を親水化処理することが好ましい。油相の中に水滴が分散したW/O系エマルジョンを形成する場合には、疎水性のフィルタを用いることができ、多孔質ガラスフィルタの場合フィルタ表面を疎水化処理することが好ましい。乳化フィルタ116のサイズは、処理する薬剤の量にもよるが、通常の注射薬の場合、直径5mm~10mm程度とすることができる。
第1のシリンジ接続部113及び第2のシリンジ接続部114には、それぞれ第1のシリンジ221及び第2のシリンジ222を接続する。第1のシリンジ221及び第2のシリンジ222は、特に限定されないがロックカラーを有するシリンジが好ましい。シリンジのロックカラーをシリンジ接続部に設けられた雄ネジと螺合させることにより、操作中にシリンジが外れたりする事態を生じにくくすることができる。油による膨張が生じにくいラミネート加工されたガスケットを有するシリンジや、ガスケットの無い2ピースシリンジを用いることもできる。このようなシリンジを用いることにより耐油性及び摺動性を向上させることができる。
本実施形態の薬剤乳化器具100は例えば以下のようにして使用することができる。まず、図6(a)に示すように、第1のバイアル接続部111に乾燥状態の水性の薬剤が入った第1のバイアル211を接続し、第2のバイアル接続部112に油性の薬剤が入った第2のバイアル212を接続する。また、第1のシリンジ接続部113に第1の薬剤の溶解液が入った第1のシリンジ221を接続し、第2のシリンジ接続部114に第2のシリンジ222を接続する。
次に、図6(b)に示すように、流路切り換え部115を第1の接続状態として、第1のシリンジ221内の溶解液を押し出し、第1のバイアル211内に移動させ、第1の薬剤を溶解させる。なお、第1の薬剤があらかじめ溶解されている場合は、薬剤の溶解操作は不要である。
次に、図6(c)に示すように、流路切り換え部115を第1の接続状態のまま、第1のバイアル211内の溶解させた第1の薬剤を第1のシリンジ221内に移動させる。また、第2のバイアル212内の第2の薬剤を第2のシリンジ222内に移動させる。本実施形態の移注針150は、通気フィルタ163を有する通気路162を有しているため、バイアルからシリンジへ薬剤を移動させた際に、シリンジ内の気泡の除去を容易に行うことができる。
次に、図6(d)に示すように、流路切り換え部115を第2の接続状態とし、第1のシリンジ221及び第2のシリンジ222を交互にポンピングして、第1の薬剤と第2の薬剤とを混合しながら乳化フィルタ116を通過させエマルジョンを形成させる。その後、第1のシリンジ221又は第2のシリンジ222内に混合した薬剤を収容し、流路切り換え部から取り外した後に、シリンジの先端に針を取り付けて皮下等に穿刺する。
以上においては、第1の薬剤を水性とし、第2の薬剤を油性とし、乳化フィルタ116を疎水性とし、水性の第1の薬剤が先に乳化フィルタ116を通過するようにして、W/Oエマルジョンを形成する例を示した。しかし、第1の薬剤を油性、第2の薬剤を水性、乳化フィルタ116を親水性とし、O/Wエマルジョンを形成することもできる。この場合、油性の薬剤を入れたバイアルを第1のバイアル接続部111に接続し、水性の薬剤を入れたバイアルを第2のバイアル接続部112に接続すればよい。また、水性の薬剤を入れたバイアルを第1のバイアル接続部111に接続し、油性の薬剤を入れたバイアルを第2のバイアル接続部112に接続し、乳化フィルタを第2のシリンジ接続部114と流路切り換え部115との間に接続してもよい。
本実施形態の薬剤乳化器具100を用いて乳化を行う際には、第1のバイアル接続部111に第1のバイアル211を接続し、第2のバイアル接続部112に第2のバイアル212を接続することが重要である。このため、第1のバイアル接続部111及び第2のバイアル接続部112を容易に識別できるように識別表示を設けることが好ましい。識別表示は、文字表示、記号表示及び色表示等どのようなものであってもよく、複数の表示が組み合わせられていてもよい。また、識別表示は、例えばバイアル接続部に接続されるべきバイアルや内容物を表示した貼付シールとすることができる。さらに、バイアル接続部側とバイアル側の両方に表示を行うことにより、誤接続を防止することができる。例えば、バイアル接続部側とバイアルに同様のシールを貼付すれば、バイアル接続部とバイアルとの組み合わせを使用者は容易に把握でき、誤操作を生じにくくすることができる。
識別表示は、貼付シールに限らず、第1のバイアル接続部111及び第2のバイアル接続部112に直接設けなくてもよい。例えば、流路切り換え部115の第1のバイアル接続部111側の位置又は第2のバイアル接続部112側の位置に何らかの表示を設けることによっても第1のバイアル接続部111と第2のバイアル接続部112とを識別することができる。また、添付書類等に識別のための情報を記載することもできる。また、第1のバイアル接続部111には第2のバイアル212が取り付けられず、第2のバイアル接続部112には第1のバイアル211が取り付けられないように、バイアル接続部及びバイアルの形状を設定することも可能である。
さらに、薬剤乳化器具とバイアルとを1つのパッケージに入れた製品とする場合には、パッケージ内における各構成部材の配置を固定することにより、誤接続を生じにくくすることもできる。例えば、図7に示すように、パッケージ301内において、第1のバイアル接続部111と第1のバイアル211とが並行になり、第2のバイアル接続部112と第2のバイアル212とが並行になるようにする。このようにすれば、第1のバイアル211を第1のバイアル接続部111に接続し、第2のバイアル212を第2のバイアル接続部112に接続するように使用者を誘導することができる。例えばクッション材に各構成部材の形状にくり抜かれた凹部を設けることにより、各構成部材のパッケージ301内における配置を固定することができる。図7においては、パッケージ301のサイズを小さくするために、バイアルをバイアル接続部と並行になるように横にずらして配置したが、バイアルをバイアル接続部の延長線上に配置することもできる。また、パッケージに接続されるべきものどうしを表す矢印等の表示部を設けて使用者を誘導することもできる。
誤操作を防ぐ観点からは、流路切り換え部115の接続状態を容易に把握できるようにすることが好ましい。流路切り換え部115が図3に示すような4方活栓120の場合、ハンドル128の第1の流路141と一致する2本の腕には第1の色に着色された第1の流路表示128aを設け、第2の流路142と一致する2本の腕には第2の色に着色された第2の流路表示128bを設けることができる。このようにすれば、流路切り換え部115が第1の接続状態か第2の接続状態かを容易に把握することができる。第1の流路表示128aと第2の流路表示128bとは、色分け表示に限らず、記号や文字による表示としたり、これらの組み合わせとしたりすることができる。この他にも接続状態の把握を容易にする種々の表示を行うことができる。例えば、128a同士を結んだ線状の表示部を設け、流路を表示することもできる。
流路切り換え部115は、図8及び図9に示すような縦型の4方活栓180とすることもできる。4方活栓180は、第1の面に第1のオスコネクタ181及び第2のメスコネクタ184が設けられ、第2の面に第2のオスコネクタ182及び第1のメスコネクタ183が設けられている。4方活栓180は、第1の接続状態では第1のオスコネクタ181と第1のメスコネクタ183とが接続され、第2のオスコネクタ182と第2のメスコネクタ184とが接続される。第2の接続状態では第1のオスコネクタ181と第2のオスコネクタ182とが接続され、第1のメスコネクタ183と第2のメスコネクタ184とが接続される。
4方活栓180は、側面に開口を有する円筒状のケース195とカバー191とにより形成されたハウジングの中に、上側サポート192及び下側サポート194に挟まれた回転部193が収容されている。ハウジングの側面開口部は中心角が90°の範囲に設けられている。ケース195には、第1のオスコネクタ181と第2のメスコネクタ184が設けられており、カバー191には第2のオスコネクタ182と第1のメスコネクタ183が設けられている。
第1のオスコネクタ181と第2のメスコネクタ184とは、ケース195の中心を挟んで相対する位置に配置され、第2のオスコネクタ182と第1のメスコネクタ183とは、カバー191の中心を挟んで相対する位置に配置されている。ケース195にカバー191を取り付けた際には、第1のオスコネクタ181と第2のメスコネクタ184とを結ぶ線と、第2のオスコネクタ182と第1のメスコネクタ183とを結ぶ線とは直行する。
上側サポート192及び下側サポート194は、円盤状であり、ハウジングにおいて位置が固定されている。上側サポート192には、第2のオスコネクタ182及び第1のメスコネクタ183と対応する位置に貫通孔が設けられており、下側サポート194には、第1のオスコネクタ181及び第2のメスコネクタ184と対応する位置に貫通孔が設けられている。
回転部193には第1の流路141と第2の流路142とが設けられている。第1の流路141及び第2の流路142は、中心角が90°の範囲に設けられた回転部193を貫通する周方向溝であり、回転部193の中心に対して相対する位置に設けられている。回転部193は、径方向外側に突出するレバー196を有している。レバー196はハウジングの側面開口部から外側に突出しており、レバー196を操作することにより回転部193を回転させることができる。
縦型の4方活栓180において、ハウジングの側面開口部は、中心角が90°の範囲に開口しており、回転部193の回転角度は90°に制限される。レバー196を側面開口部の一方の端部に当接させると、第1の流路141が第1のオスコネクタ181と第1のメスコネクタ183とを接続し、第2の流路142が第2のオスコネクタ182と第2のメスコネクタ184とを接続する、第1の接続状態となる。レバー196を側面開口部の他方の端部に当接するまで90°回転させると、第1の流路141が第1のオスコネクタ181と第2のオスコネクタ182とを接続し、第2の流路142が第1のメスコネクタ183と第2のメスコネクタ184とを接続する、第2の接続状態となる。
縦型の4方活栓として、流路が設けられた回転板を回転させることにより、コネクタ同士の接続を切り換える例を示した。しかし、例えば米国特許6319465に記載されているようなケースとカバーのそれぞれ2つずつコネクタを設け、カバーをケースに対して180°回転させることによりコネクタの接続を切り換えるような4方活栓を用いることもできる。
縦型の4方活栓180を用いる場合にも第1のバイアル接続部111と第2のバイアル接続部112との識別表示を設けることができる。また、第1の接続状態と第2の接続状態との識別表示を設けることができる。
流路切り換え部115は、第1の接続状態において、第1のバイアル接続部111と第1のシリンジ接続部113と、第2のバイアル接続部112と第2のシリンジ接続部114とを接続し、第2の接続状態において、第1のシリンジ接続部113と第2のシリンジ接続部114と、第1のバイアル接続部111と第2のバイアル接続部112とを接続できれば、どのような構成としてもよい。
流路切り換え部115は、第1の接続状態から第2の接続状態に一旦切り換えると、第1の接続状態に戻せないようにするロック機構を有していてもよい。ロック機構を設けることにより、シリンジ側に移動させた薬剤を再びバイアル側に戻してしまうような操作ミスを防ぐことができる。また、切り替える際に使用者にクリック感が生じ、使用者に第2の接続状態に移行したことを示すことができる。
ロック機構を設ける場合、種々の構成が考えられるが、図3に示すような4方活栓の場合、例えば本体部125の突起131の近くに凸部132が一方向にのみ乗り越えることができる爪状部を設ければ容易にロック機構を形成できる。
デッドボリュームを小さくする観点からは、第1のバイアル接続部111と第1のシリンジ接続部113との間、第2のバイアル接続部112と第2のシリンジ接続部114との間、第1のシリンジ接続部113と第2のシリンジ接続部114との間ができるだけ短い距離であることが好ましい。このため、流路切り換え部115とバイアル接続部及びシリンジ接続部との間にはチューブ等の他の部材が存在していないことが好ましい。また、流路切り換え部115の内部の流路はできるだけ短いことが好ましい。
本実施形態において、薬剤が入れられた2つのバイアルを接続し、それぞれの薬剤をバイアルからシリンジに移動させて乳化を行う操作について説明した。しかし、一方のシリンジを薬剤があらかじめ入れられたプレフィルドシリンジとすることができる。一方をプレフィルドシリンジとすることにより、乳化操作を簡略化することができる。プレフィルドシリンジに入れる薬剤は、水性の薬剤が好ましい。プレフィルドシリンジを用いる場合には、バイアル接続部は一方のみとすることができる。また、流路切り換え部は4方の流路を切り換えるものではなく、3方の流路を切り換えるものとすることができる。なお、4方の流路を切り換えるものとする場合、シリンジ接続部、バイアル接続部、プレフィルドシリンジ接続部、に加えてカートリッジ接続部を設け、混合した薬剤をカートリッジに収容し、カートリッジを投与器具にセットすることによって、皮下等に薬剤を投与するようにしてもよい。
シリンジの一方を、プレフィルドシリンジとする場合には、プレフィルドシリンジを接続する側の識別が容易となるように識別表示を設けることが好ましい。シリンジ接続部の識別表示も、バイアル接続部の識別表示と同様に種々の表示を用いることができる。また、正しいシリンジ接続部にしか接続できないように、プレフィルドシリンジの接続部と通常のシリンジの接続部の形状とを異なったものにすることもできる。
本開示の薬剤乳化器具は、シリンジの付け換え操作をすることなく、バイアルに入れられた薬剤の乳化を行うことができ、医療分野等において有用である。
100 薬剤乳化器具
111 第1のバイアル接続部
112 第2のバイアル接続部
113 第1のシリンジ接続部
114 第2のシリンジ接続部
115 流路切り換え部
116 乳化フィルタ
120 4方活栓
121 第1のオスコネクタ
122 第2のオスコネクタ
123 第1のメスコネクタ
124 第2のメスコネクタ
125 本体部
126 プラグ部
127 プラグキャップ
128 ハンドル
128a 第1の流路表示
128b 第2の流路表示
131 突起
132 凸部
134 雄ネジ
135 カラー
141 第1の流路
142 第2の流路
150 移注針
151 針
152 メスコネクタ
153 カバー
155 第1の開口部
156 第2の開口部
158 雄ネジ
161 通液路
162 通気路
163 通気フィルタ
164 舌片状部
165 段差部
180 4方活栓
181 第1のオスコネクタ
182 第2のオスコネクタ
183 第1のメスコネクタ
184 第2のメスコネクタ
191 カバー
192 上側サポート
193 回転部
194 下側サポート
195 ケース
196 レバー
211 第1のバイアル
212 第2のバイアル
214 栓体
221 第1のシリンジ
222 第2のシリンジ
301 パッケージ

Claims (6)

  1. それぞれシリンジが接続される第1のシリンジ接続部及び第2のシリンジ接続部と、
    前記第1のシリンジ接続部と前記第2のシリンジ接続部とが互いに接続されていない第1の接続状態と、前記第1のシリンジ接続部と前記第2のシリンジ接続部とが互いに接続された第2の接続状態とを切り換える流路切り換え部と、
    前記第1の接続状態において、前記第1のシリンジ接続部と接続され前記第2のシリンジ接続部と接続されない第1のバイアル接続部と、
    前記第2の接続状態において前記第1のシリンジ接続部と前記第2のシリンジ接続部とを接続する流路に位置する乳化フィルタとを備えている、薬剤乳化器具。
  2. 前記第1の接続状態において、前記第2のシリンジ接続部と接続され前記第1のシリンジ接続部と接続されない第2のバイアル接続部をさらに備えている、請求項1に記載の薬剤乳化器具。
  3. 第1のバイアル接続部と第2のバイアル接続部との識別を可能にする識別表示をさらに備えている、請求項2に記載の薬剤乳化器具。
  4. 前記第1のバイアル接続部及び前記第2のバイアル接続部はそれぞれ、薬剤を入れたバイアルに穿刺される移注針を有し、
    前記移注針は、通気フィルタが設けられた通気路を有する、請求項2又は3に記載の薬剤乳化器具。
  5. 前記流路切り換え部は、回転部を所定角度回転させることにより、前記第1の接続状態と前記第2の接続状態とが切り換わる活栓であり、前記回転部が前記所定角度以上回転しないように制限する回転制限部を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の薬剤乳化器具。
  6. 前記第2のシリンジ接続部には、あらかじめ薬剤が入れられたプレフィルドシリンジが接続される、請求項1に記載の薬剤乳化器具。
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