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JP7618428B2 - 非空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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本発明は、非空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気を入れることなく構成される非空気入りタイヤは、空気圧の低下やパンクなどに対するメンテナンスが不要となる利点がある。
特許文献1に記載の非空気入りタイヤは、車両からの荷重を支持する支持構造体と、支持構造体の外周側に設けられるトレッド部材とを備える。支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、内側環状部と外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える。特許文献1には、成形された支持構造体の外周面をバフ処理することが記載されている。
特開2011-219009号公報
特許文献1に記載の非空気入りタイヤは、支持構造体の外周面をバフ処理した際にランダムな凹凸が外周面に形成される。この外周面の凹凸に、バフ処理によって生じた研磨粉が残留する可能性があり、研磨粉が残留した状態でトレッド部材を接着すると、接着力の不均一が生じ、接着力が不足している箇所でトレッド部材が剥がれ易くなってしまうという問題点があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、支持構造体とトレッド部材との接着不足を抑制することができる非空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
本発明のある態様は非空気入りタイヤの製造方法である。非空気入りタイヤの製造方法は、車軸に連結され、トレッド部材を外周面に貼り付けるリング状の支持構造体を成型する成型工程と、前記外周面にレーザ光を照射して離型剤を除去する除去工程と、前記外周面に前記トレッド部材を貼り付ける貼付け工程と、を備える。
本発明によれば、支持構造体とトレッド部材との接着不足を抑制することができる。
非空気入りタイヤの側面図である。 図1に示すA-A線による非空気入りタイヤの断面図である。 図2に示す方向Bから見た連結部材の矢視図である。 非空気入りタイヤの製造方法を示すフローチャートである。 離型剤の除去工程に用いる離型剤除去装置の機能構成を示すブロック図である。 レーザ光の走査ルートを説明するための模式図である。 変形例に係る非空気入りタイヤの製造方法を示すフローチャートである。 変形例に係るレーザ光の照射について説明するための模式図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1から図8を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
(実施形態)
図1は非空気入りタイヤ100の側面図であり、図2は図1に示すA-A線による非空気入りタイヤ100の断面図である。非空気入りタイヤ100は、ホイール10、内側リング20、外側リング30および連結部材40を有する。内側リング20は、円筒状であり、内周にホイール10が取り付けられる。ホイール10は、側面視において円形状であり、中心部に車軸が取り付けられる。内側リング20は、ホイール10を介して車軸に連結される。
外側リング30は、円筒状であり、内側リング20のタイヤ径方向の外側に設けられる。外側リング30は、円筒状のベース部31と、ベース部31の外周に貼り合される円筒状のトレッド部材32とを有し、トレッド部材32の外周で地面に接触する。
連結部材40は、細長い板状であり、板面がタイヤ周方向を向いており、内側リング20および外側リング30を連結する。図2に示すように連結部材40は、内側リング20における幅方向(車軸方向)の一端部から外側リング30における幅方向の他端部へ延びる第1板部材41と、内側リング20におけるタイヤ幅方向(車軸方向)の他端部から外側リング30における幅方向の一端部へ延びる第2板部材42とを有する。
図3は、図2に示す方向Bから見た連結部材40の矢視図である。連結部材40は、第1板部材41と第2板部材42がタイヤ周方向に交互に設けられる。図2に戻り、内側リング20、外側リング30のベース部31および連結部材40は、車両からの荷重を支持する支持構造体50を構成している。支持構造体50を構成する内側リング20、外側リング30のベース部31および連結部材40は、いずれも樹脂製であり、一体成型によって形成される。支持構造体50は、例えば熱硬化性ウレタンなどの材料を用いる。
外側リング30のトレッド部材32は、ゴム製であり、一体成型された支持構造体50の外周面31aに接着される。トレッド部材32は、例えば接着剤、両面テープなどを用いてベース部31の外周面31aに接着される。
図4は非空気入りタイヤ100の製造方法を示すフローチャートである。非空気入りタイヤ100は、支持構造体50の成型工程(S1)、離型剤の除去工程(S2)およびトレッド部材32の貼付け工程(S3)を経て製造される。
支持構造体50の成型工程(S1)では、モールド金型に離型剤を塗って樹脂を充填し、加熱(例えば100℃~160℃)した後、冷却する。冷却後、支持構造体50を金型から取り外す。支持構造体50の成型工程後、支持構造体50の外周面31aには、付着した離型剤が残留した状態となっている。離型剤としては、例えばフッ素化合物とシリコーンとの複合被膜タイプなどを用いることによって、支持構造体50の離型性が良好となる。尚、離型剤は、噴霧などの方法によってモールド金型に塗布される。
図5は、離型剤の除去工程に用いる離型剤除去装置60の機能構成を示すブロック図である。離型剤除去装置60は、レーザ照射部61、制御台62および制御部63を備え、レーザ光を支持構造体50の外周面31aに照射して、離型剤を昇華させて除去する。レーザ照射部61は、レーザ発振器61aおよび光学走査部61bを有する。レーザ発振器61aには、例えばCOレーザ、ファイバーレーザ、YAGレーザといった各種のレーザ発振方式による機器を用いることができる。使用するレーザの種類は、支持構造体50の材質に応じて、レーザ光の吸収率が変わるので適宜選択するとよい。例えば、COレーザでは、波長1064nm、出力40Wなどの性能を発揮する。
光学走査部61bは、レーザ発振器61aが出力されたレーザ光を反射や集光光学系を用いて対象物に照射する。光学走査部61bでは、反射鏡や集光レンズなどの光学要素を回転駆動することによって、レーザ光を照射するスポットを1次元または2次元に移動させる。レーザ照射部61は、例えば、スポット径20μm、走査範囲200mm×200mm、走査速度10~1200mm/sの範囲でレーザ走査が可能である。
制御台62は、支持構造体50をタイヤ軸回りに回転可能に支持し、支持構造体50を回転させる回転駆動部62aを有する。また制御台62は、支持構造体50とレーザ照射部61との相対位置を3軸方向に調整する位置駆動部62bを有する。
制御部63は、レーザ照射部61によるレーザ光照射のオンオフ、レーザ光のスポット位置の移動を制御する。また制御部63は、制御台62による支持構造体50の位置調整、支持構造体50のタイヤ軸回りの回転を制御する。支持構造体50の外形形状などの情報は、入力部64から入力される。
図4に戻り、離型剤の除去工程(S2)では、支持構造体50の外形形状などの情報を離型剤除去装置60に制御部63へ入力し、制御台62に支持構造体50を取り付ける。レーザ光を照射する開始位置に支持構造体50を位置調整し、レーザ光のスポット径に基づいて開始位置から終端位置までのレーザ光を走査するルートを設定する。
図6は、レーザ光の走査ルートを説明するための模式図である。レーザ光のスポットSは、支持構造体50の外周面31aを、開始位置からタイヤ周方向への1周およびタイヤ幅方向への距離L1分の移動を繰り返し、終端位置へ移動するルートを通る。各周回においてレーザ光のスポットSが重なるように移動させる。即ち、レーザ光のスポットSの直径をDとすると次式を満たすようにする。
L1<D ・・・・(1)
レーザ光の照射の際、制御台62は支持構造体50をタイヤ軸回りに回転させる。また、タイヤ幅方向へのレーザ光のスポットSの移動は、レーザ照射部61によってレーザ光の照射位置を移動させてもよいし、制御台62によって支持構造体50をタイヤ幅方向へ移動させてもよい。
離型剤の除去工程では、支持構造体50の外周面31aにレーザ光を隙間なく照射することによって、離型剤を昇華させて除去する。
トレッド部材32の貼付け工程(S3)では、支持構造体50の外周面31aに接着剤を塗布し、所定時間、乾燥させた後、トレッド部材32を外周面31aに配置する。接着剤の乾燥は、例えば温度を80℃とし、所定時間を10分間などとする。接着剤に接するトレッド部材32の表面層を、例えば110℃以上で加硫させて、接着が完了する。
図7は、変形例に係る非空気入りタイヤ100の製造方法を示すフローチャートである。この製造方法では、離型剤の除去工程の後に、外周面の凹凸形成工程(S13)を備える。ステップS11、S12およびS14は、それぞれ上述の図4におけるステップS1、S2およびS3と同様であり、説明を省略する。
外周面の凹凸形成工程(S13)では、レーザ光の出力を離型剤の除去工程から、適宜増減させて凹凸形成のための出力とする。図8は、変形例に係るレーザ光の照射について説明するための模式図である。外周面の凹凸形成工程(S13)では、開始位置から、間欠的にレーザ光のオン、オフ、およびレーザ光のスポット位置の移動を繰り返して終端位置まで、外周面31aにレーザ光を照射する。
外周面の凹凸形成工程では、レーザ光を照射するスポットSの中心と、隣接するスポットSの中心との間の距離L2に対して、スポットの直径Dが小さくなるようにして、スポットが重ならないようにする。即ち、次式を満たすようにする。
D<L2 ・・・・(2)
外周面の凹凸形成工程では、外周面31aに凹所が形成され、凹所と凹所との間が凸状となり、全体として凹凸が形成された状態になる。外周面の凹凸形成工程によって、外周面31aに形成される凹所の直径は、レーザ光のスポット径に応じて、例えば3μm以上、20μm以下の範囲となるようにするとよい。
また、凹所の深さは、支持構造体50の材質、レーザ光の照射エネルギーおよびスポット径に応じて適宜設定することができる。外周面31aに形成された凹所に接着剤が入り込むことによって、トレッド部材32の接着力が高められる。
次に非空気入りタイヤ100の動作について、上述の製造方法における各工程に基づいて説明する。離型剤の除去工程では、非空気入りタイヤ100の支持構造体50の外周面31aに付着した離型剤をレーザ光の照射によって昇華させて除去するため、例えばバフ処理で発生する研磨粉が発生せず、支持構造体50とトレッド部材32との接着不足を抑制することができる。
離型剤の除去工程では、支持構造体50の外周面31aにおいてレーザ光のスポットが上述の式(1)の関係を満たすように走査することによってスポットが重なり、隙間なく離型剤を除去することができる。レーザ光のスポット内での強度分布は、スポット中心で大きく、周辺で小さくなるため、外周面31aにおけるレーザ光の走査時にスポットが重なることで照射エネルギーの均一化を図ることができる。
レーザ光のスポットが重なる条件は上述の式(1)のとおりであるが、照射エネルギーの均一化を図るために、更にL1<D/2との条件でレーザ光を照射するようにしてもよい。
また変形例において示したように、離型剤の除去工程の後に、レーザ光を間欠的にオンオフ照射する外周面31aの凹凸形成工程を更に加えてもよい。外周面31aの凹凸が形成されることで、凹所に接着剤が入り込み接着強度が増す。
外周面31aの凹凸形成工程では、レーザ光のスポットが上述の式(2)を満たすように走査することによって、スポットが重ならず、簡便に凹所を形成することができる。外周面31aの表面粗さRaが10μm程度であれば、支持構造体50におけるトレッド部材の剥がれが発生し難い。尚、表面粗さRaは算術平均粗さを表す。
支持構造体50は、内側リング20、外側リング30(ベース部31)、および内側リング20と外側リング30とを連結する連結部材40で構成されていることによって、軽量化を図ることができる。
また、連結部材40は、第1板部材41および第2板部材42を周方向に交互に並べて構成されている。第1板部材41は、内側リング20の幅方向の一端部から外側リング30の幅方向の他端部へ延びる。第2板部材42は、内側リング20の幅方向の他端部から外側リング30の幅方向の一端部へ延びる。非空気入りタイヤ100は、第1板部材41および第2板部材42によって、高剛性化を図ることができる。
上述の実施形態では、離型剤の除去工程において、レーザ光のスポットが支持構造体50の外周面31aをタイヤ周方向に1周回移動するルートを繰り返す例を示したが、タイヤ幅方向に往復するルートを繰り返すようにしてもよい。この場合、レーザ光のスポットは、外周面31aにおいて、開始位置からタイヤ幅方向の一端部から他端部へ移動し、タイヤ周方向に移動し、再び他端部から一端部へ移動して往復するルートを繰り返す。
次に実施形態に係る非空気入りタイヤ100の製造方法の特徴について説明する。
実施形態に係る非空気入りタイヤ100の製造方法は、支持構造体50の成型工程、離型剤の除去工程およびトレッド部材32の貼付け工程を備える。支持構造体50の成型工程は、車軸に連結され、トレッド部材32を外周面31aに貼り付けるリング状の支持構造体50を成型する。離型剤の除去工程は、外周面31aにレーザ光を照射して離型剤を除去する。トレッド部材32の貼付け工程は、外周面31aにトレッド部材32を貼り付ける。この非空気入りタイヤ100の製造方法によれば、レーザ光の照射によって離型剤を昇華させて除去するため、例えばバフ処理で発生する研磨粉が発生せず、支持構造体50とトレッド部材32との接着不足を抑制することができる。
また、離型剤の除去工程は、外周面31aにおいてレーザ光のスポットが重なるように走査される。この非空気入りタイヤ100の製造方法によれば、外周面31aにおけるレーザ光の走査時にスポットが重なることで照射エネルギーの均一化を図ることができる。
また、離型剤の除去工程の後に、レーザ光を間欠的にオンオフ照射して外周面に凹凸を形成する凹凸形成工程を更に備える。この非空気入りタイヤ100の製造方法によれば、外周面31aの凹凸が形成されることで、凹所に接着剤が入り込みトレッド部材32の接着強度が増す。
また、凹凸形成工程は、スポットが重ならないようにレーザ光が照射される。この非空気入りタイヤ100の製造方法によれば、スポットが重ならず、簡便に凹所を形成することができる。
また、支持構造体50は、車軸に連結される内側リング20、トレッド部材32を貼り付ける外側リング30のベース部31、および内側リング20と外側リング30とを連結する連結部材40を有する。この非空気入りタイヤ100の製造方法によれば、製造する非空気入りタイヤ100の軽量化を図ることができる。
また、連結部材40は、内側リング20の幅方向の一端部から外側リング30の幅方向の他端部へ延びる第1板部材41と、内側リング20の幅方向の他端部から外側リング30の幅方向の一端部へ延びる第2板部材42とが周方向において並べられて構成されている。この非空気入りタイヤ100の製造方法によれば、製造する非空気入りタイヤ100の高剛性化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
20 内側リング、 30 外側リング、 31a 外周面、
32 トレッド部材、 40 連結部材、 41 第1板部材、
42 第2板部材、 50 支持構造体、 100 非空気入りタイヤ。

Claims (6)

  1. 車軸に連結され、トレッド部材を外周面に貼り付けるリング状の支持構造体を成型する成型工程と、
    前記支持構造体をタイヤ軸回りに回転可能に支持し、前記支持構造体を回転させる回転駆動部を有する制御台に前記支持構造体を取りつける工程と、
    前記外周面に、レーザ光のスポットをタイヤ周方向に移動すること、またはタイヤ幅方向に往復することを繰り返すようにしてレーザ光を照射して離型剤を除去する除去工程と、
    前記外周面に前記トレッド部材を貼り付ける貼付け工程と、
    を備えることを特徴とする非空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記除去工程は、前記外周面においてレーザ光のスポットが重なるように走査されることを特徴とする請求項1に記載の非空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記除去工程の後に、レーザ光を間欠的にオンオフ照射して前記外周面に凹凸を形成する凹凸形成工程を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の非空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記凹凸形成工程は、スポットが重ならないようにレーザ光が照射されることを特徴とする請求項3に記載の非空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記支持構造体は、車軸に連結される内側リング、前記トレッド部材を貼り付ける外側リング、および前記内側リングと前記外側リングとを連結する連結部材を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の非空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記連結部材は、前記内側リングの幅方向の一端部から前記外側リングの幅方向の他端部へ延びる第1板部材と、前記内側リングの幅方向の他端部から前記外側リングの幅方向の一端部へ延びる第2板部材とが周方向において並べられて構成されていることを特徴とする請求項5に記載の非空気入りタイヤの製造方法。
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