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JP7619229B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description

本発明は、メイン素子が形成されたメイン領域およびセンス素子が形成されたセンス領域を有する半導体装置に関するものである。
従来より、メイン素子が形成されたメイン領域およびセンス素子が形成されたセンス領域を有する半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この半導体装置では、メイン素子およびセンス素子として、ゲート構造やエミッタ領域等を有する同じ構成のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)素子が形成されている。また、メイン素子およびセンス素子(すなわち、メイン領域およびセンス領域)は、所定の面積比となるように形成されている。
このような半導体装置は、センス素子に検出抵抗が直列に接続され、検出抵抗の両端電圧を検出電圧としてメイン素子に流れるメイン電流が形成される。すなわち、まず、センス素子に流れるセンス電流が検出電圧に基づいて導出される。また、メイン素子に流れる電流およびセンス素子に流れる電流は、メイン素子とセンス素子の面積比に依存する。このため、メイン素子に流れるメイン電流は、センス素子に流れるセンス電流(すなわち、検出電圧)、およびメイン素子とセンス素子との面積比によって導出される。
特許第4770119号公報
ところで、上記のような半導体装置では、検出電圧に基づいて半導体装置の状態判定も行われる。具体的には、半導体装置は、通常状態の電流に基づく検出電圧が所定の通常閾値未満である場合に通常動作が行われていると判定される。また、半導体装置は、過渡状態の電流に基づく検出電圧が所定の過渡閾値以上である場合に短絡動作が発生していると判定される。このため、上記のような半導体装置では、通常状態の電流が流れている際に過渡状態であると誤判定されることが抑制され、過渡状態の電流が流れている際に過渡状態でないと誤判定されないようにすることが好ましい。したがって、上記のような半導体装置では、通常状態の検出電圧および過渡状態の検出電圧が大きくなるようにすることが好ましい。
この場合、上記のような半導体装置では、センス素子に検出抵抗が接続されるため、実際のセンス素子のゲート-エミッタ間電圧は、メイン素子のゲート-エミッタ間電圧よりも低くなる。このため、メイン素子およびセンス素子の飽和電流密度を高くすることにより、検出電圧大きくすることが考えられる。しかしながら、メイン素子およびセンス素子の飽和電流密度を共に高くして検出電圧が大きくなるようにすると、メイン素子の短絡耐量が低下する可能性が高くなる。
本発明は上記点に鑑み、メイン素子の短絡耐量が低下することと抑制しつつ、誤判定することを抑制できる半導体装置を提供する。
上記目的を達成するための請求項1は、メイン素子(Me)が形成されたメイン領域(Rm)およびセンス素子(Se)が形成されたセンス領域(Rs)を有し、センス素子に検出抵抗(R)が接続されると共に検出抵抗で発生する電圧に基づいてメイン素子に流れるメイン電流が検出される半導体装置であって、メイン素子およびセンス素子は、第1導電型のドリフト層(11)と、ドリフト層上に形成された第2導電型のベース層(12)と、ベース層の表層部に形成され、ドリフト層より高不純物濃度とされた第1導電型の第1不純物領域(16)と、第1不純物領域とドリフト層との間に挟まれたベース層の表面に配置されたゲート絶縁膜(14)と、ゲート絶縁膜上に配置されたゲート電極(15)と、ドリフト層を挟んでベース層と反対側に形成された第2不純物領域(21)と、第1不純物領域およびベース層と電気的に接続される第1電極(19)と、第2不純物領域と電気的に接続される第2電極(22)と、を備えている。そして、センス素子およびメイン素子のゲート電極は、外部回路と接続される共通のパッド(1c)と接続されており、センス素子は、検出抵抗が接続されていない状態でのセンス飽和電流密度がメイン素子のメイン飽和電流密度より高くなる構成とされていると共に、検出抵抗が接続されている状態でのセンス飽和電流密度がメイン素子のメイン飽和電流密度より低くなる構成とされている。
これによれば、検出抵抗が接続されていない状態でのセンス飽和電流密度がメイン飽和電流密度より高くされている。このため、メイン飽和電流密度を高くし過ぎずにセンス飽和電流密度を高くでき、メイン素子の短絡耐量が低下することを抑制しつつ、通常判定および過渡判定が可能な範囲を広くでき、誤判定することを抑制できる。また、検出抵抗が接続されている状態でのセンス飽和電流密度がメイン飽和電流密度より低くされているため、実際の使用状況下で誤判定することを抑制できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における半導体装置の平面図である。 図1中のII-II線に沿った断面図である。 図1中のIII-III線に沿った断面図である。 メイン素子の平面図である。 センス素子の平面図である。 メイン電流を測定する際の回路構成を示す図である。 定常状態の検出電圧と過渡状態の検出電圧との関係を示す図である。 検出抵抗の抵抗値と飽和電流密度との関係を示す図である。 ゲート-エミッタ間電圧と飽和電流密度との関係を示す図である。 定常状態の検出電圧と過渡状態の検出電圧との関係を示す図である。 検出抵抗の抵抗値とセンス飽和電流密度との関係を示す図である。 過渡状態の検出電圧とセンス飽和電流密度との関係を示す図である。 ゲート-エミッタ間電圧と飽和電流密度との関係を示す図である。 過渡状態での検出電圧と、センス飽和電流密度に対するメイン飽和電流密度の比を示す図である。 第2実施形態におけるメイン素子の断面図である。 第3実施形態におけるセンス素子の平面図である。 第4実施形態におけるセンス素子の断面図である。 第5実施形態におけるセンス素子の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の半導体装置は、例えば、自動車等の車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための装置として適用されると好適である。
本実施形態の半導体装置は、図1に示されるように、平面形状が矩形状とされており、メイン素子Meが形成されるメイン領域Rm、センス素子Seが形成されるセンス領域Rs、および周辺領域Rpを有している。そして、周辺領域Rpには、複数のパッド1が半導体装置の外形における1辺に沿って並べて配置されている。本実施形態では、後述するように、パッド1は、ケルビンエミッタパッド1a、センスエミッタパッド1b、ゲートパッド1c等を有する構成とされている。そして、センス領域Rsは、センスエミッタパッド1bとゲートパッド1cとの間に配置されている。言い換えると、センス領域Rsは、ゲートパッド1cの近傍に配置されており、メイン領域Rmよりもゲートパッド1cとの間隔が短くなる位置に形成されている。以下、メイン領域Rmおよびセンス領域Rsの構成について、図2~図5を参照しつつ説明する。
なお、本実施形態のメイン素子Meおよびセンス素子Seは、具体的には後述するが、基本的な構成要素は同じとされている。また、メイン素子Meおよびセンス素子Seは、所定の面積比(例えば、5000:1)となるように形成されている。そして、本実施形態の半導体装置は、センス素子Seに流れるセンス電流および面積比によってメイン素子Meに流れるメイン電流が検出(すなわち、導出)される。
半導体装置は、半導体基板10を用いて構成されている。半導体基板10は、N型のドリフト層11を有しており、ドリフト層11上に、比較的不純物濃度が低く設定されたP型のベース層12が配置されている。以下、半導体基板10のうちのベース層12側の面を半導体基板10の一面10aとし、半導体基板10のうちのドリフト層11側の面を他面10bとして説明する。
半導体基板10には、一面10a側からベース層12を貫通してドリフト層11に達するように複数のトレンチ13が形成され、このトレンチ13によってベース層12が複数個に分離されている。なお、複数のトレンチ13は、半導体基板10の一面10aの面方向のうちの一方向(すなわち、図2および図3中紙面奥行き方向)を長手方向とし、各トレンチ13が等間隔にストライプ状となるように延設されている。
ここで、本実施形態のトレンチ13は、長手方向と交差する方向に隣合うトレンチ13の中心間の間隔をセルピッチdm、dsとすると、センス素子Seのセルピッチdsがメイン素子Meのセルピッチdmより狭くされている。
各トレンチ13内は、各トレンチ13の壁面を覆うように形成されたゲート絶縁膜14と、このゲート絶縁膜14の上に形成されたポリシリコン等により構成されるゲート電極15とにより埋め込まれている。これにより、トレンチゲート構造が構成されている。そして、本実施形態では、メイン素子Meのゲート電極15とセンス素子Seのゲート電極15とは、詳細は省略するが、周辺領域Rpに形成されるゲート配線を介して共通のゲートパッド1cと接続されている。そして、メイン素子Meのゲート電極15とセンス素子Seのゲート電極15とは、共通のゲートパッド1cを介して共通の駆動回路と接続される。なお、本実施形態では、トレンチ13の壁面のうちのベース層12を露出させる部分が、後述するエミッタ領域16とドリフト層11との間に配置されたベース層12の表面に相当する。
ベース層12の表層部には、図2~図5に示されるように、N型のエミッタ領域16およびP型のコンタクト領域17が形成されている。具体的には、エミッタ領域16は、ドリフト層11よりも高不純物濃度で構成され、コンタクト領域17は、ベース層12よりも高不純物濃度で構成されている。そして、本実施形態では、エミッタ領域16およびコンタクト領域17は、トレンチ13の長手方向に沿って交互に形成されている。
なお、図4および図5では、後述する層間絶縁膜18や上部電極19を省略して示している。また、本実施形態では、エミッタ領域16およびコンタクト領域17は、トレンチ13の長手方向に沿った長さが同じとされている。つまり、半導体基板10の一面10aから露出するエミッタ領域16およびコンタクト領域17の比率は、1:1とされている。そして、本実施形態では、エミッタ領域16が第1不純物領域に相当している。
ベース層12(すなわち、半導体基板10の一面10a)上にはBPSG(Borophosphosilicate Glassの略)等で構成される層間絶縁膜18が形成されている。そして、層間絶縁膜18には、エミッタ領域16およびコンタクト領域17を露出させるコンタクトホール18aが形成されている。
層間絶縁膜18上には上部電極19が形成されている。そして、この上部電極19は、コンタクトホール18aを介してエミッタ領域16およびコンタクト領域17と電気的に接続されている。なお、本実施形態では、上部電極19が第1電極に相当する。
ドリフト層11のうちのベース層12側と反対側(すなわち、半導体基板10の他面10b側)には、N型のフィールドストップ層(以下では、単にFS層という)20が形成されている。このFS層20は、必ずしも必要なものではないが、空乏層の広がりを防ぐことで耐圧と定常損失の性能向上を図ると共に、半導体基板10の他面10b側から注入される正孔の注入量を制御するために備えてある。
そして、FS層20を挟んでドリフト層11と反対側には、p型のコレクタ層21が形成されている。コレクタ層21上(すなわち、半導体基板10の他面10b)には下部電極22が形成されている。なお、本実施形態では、コレクタ層21が第2不純物領域に相当し、下部電極22が第2電極に相当している。
以上が本実施形態における半導体装置の構成である。なお、本実施形態では、N型、N型、N型が第1導電型に相当し、P型、P型が第2導電型に相当している。そして、このような半導体装置では、上記のように、コレクタ層21、FS層20、ドリフト層11、ベース層12、エミッタ領域16、コンタクト領域17等を含んで半導体基板10が構成されている。
次に、このような半導体装置の作動および効果について説明する。
このような半導体装置は、上部電極19に下部電極22より低い電圧が印加されると共に、ゲート電極15に絶縁ゲート構造における閾値電圧以上の電圧が印加されると、ベース層12のうちのトレンチ13と接する部分にN型の反転層(すなわち、チャネル)が形成される。そして、エミッタ領域16から反転層を介して電子がドリフト層11に供給されると共に、コレクタ層21から正孔がドリフト層11に供給され、伝導度変調によりドリフト層11の抵抗値が低下してオン状態となる。
そして、このような半導体装置におけるメイン素子Meのメイン電流は、図6のような回路構成を用いて導出される。具体的には、この回路構成では、ゲートパッド1cに調整抵抗31を介して、外部回路としての駆動回路32が接続されている。また、センス素子Seの上部電極19と接続されるセンスエミッタパッド1bとケルビンエミッタパッド1aとの間には、外付けの検出抵抗Rが接続されている。なお、図6中の抵抗33、34は、ゲート配線等の寄生抵抗を示している。
そして、メイン素子Meに流れるメイン電流は、次のように検出される。すなわち、半導体装置では、検出抵抗Rに流れる電流とセンス素子Seに流れるセンス電流とが等しいため、検出抵抗Rの両端電圧である検出電圧Vseに基づき、センス素子Seに流れるセンス電流が検出される。また、メイン素子Meとセンス素子Seとが所定の面積比で形成されており、メイン素子Meに流れるメイン電流およびセンス素子Seに流れるセンス電流は、面積比に比例する。したがって、メイン素子Meに流れるメイン電流は、センス電流(すなわち、検出電圧Vse)と面積比とに基づいて導出される。
また、このような半導体装置では、検出電圧Vseに基づき、半導体装置の通常動作判定、および半導体装置の過渡状態判定が行われる。詳しくは、半導体装置は、通常動作の電流が流れている際の検出電圧Vseが所定の通常閾値未満である場合に通常動作が行われていると判定される。また、半導体装置は、過渡動作の電流が流れている際の検出電圧Vseが所定の過渡閾値以上である場合に短絡状態であると判定される。したがって、図7に示されるように、検出電圧Vseが成立領域Aの範囲内にある場合に、通常動作判定および過渡動作判定を共に好適に行うことができる。この場合、誤判定されることを抑制できるように、検出電圧Vseが成立領域A内に入る部分を多くすることが好ましい。なお、検出電圧Vseは、検出抵抗Rの抵抗値を大きくするほど大きくなる。
ここで、上記のように検出抵抗Rを配置する場合、センス素子Seでは、検出電圧Vse分だけゲート-エミッタ間電圧Vgeが小さくなる。具体的には、図8に示されるように、センス素子Seは、検出抵抗Rの抵抗値を大きくするほど検出電圧Vseが大きくなるため、電圧Vgeが小さくなる。つまり、センス素子Seのセンス飽和電流密度が小さくなる。
このため、本実施形態では、検出抵抗Rが配置されていない状態において、センス素子Seのセンス飽和電流密度がメイン素子Meのメイン飽和電流密度より大きくなるようにしている。具体的には、図9に示されるように、飽和電流密度は、セルピッチdm、dsを小さくするほど電流が流れ易くなるため、大きくなる。このため、本実施形態では、センス素子Seのセルピッチdsをメイン素子Meのセルピッチdmより狭くしている。これにより、検出抵抗Rが配置されていない状態では、センス素子Seのセンス飽和電流密度がメイン素子Meのメイン飽和電流密度よりも大きくなる。したがって、図10に示されるように、定常状態および過渡状態において、成立領域Aの範囲に含まれる検出電圧Vseを多くできる。なお、図9および図10中のセルピッチは、基準間隔を基準のセルピッチとし、この基準間隔のセルピッチに対する2/3倍のセルピッチを2/3倍間隔とし、1/2倍のセルピッチを1/2倍間隔として示している。
しかしながら、図11および図12に示されるように、検出抵抗Rをセンス素子Seに接続して実際に検出電圧Vseを検出する場合、検出抵抗Rの抵抗値によっては、センス素子Seのセンス飽和電流密度がメイン素子Meのメイン飽和電流密度よりも高くなる場合がある。そして、センス素子Seのセンス飽和電流密度がメイン素子Meのメイン飽和電流密度よりも高い状態でメイン電流の導出を行うと、実際にはメイン素子Meが短絡状態でない場合に短絡状態であると判定する等の誤判定が発生してしまう可能性が高くなる。なお、図11および図12では、メイン領域Rmの飽和電流密度を100A/mmとした場合の結果を示している。また、図11および図12中のセルピッチは、図9および図10と同様に、基準間隔を基準のセルピッチとし、この基準間隔のセルピッチに対する2/3倍のセルピッチを2/3倍間隔とし、1/2倍のセルピッチを1/2倍間隔として示している。
このため、本実施形態では、センス素子Seに検出抵抗Rが接続されている状態においては、センス素子Seのセンス飽和電流密度がメイン素子Meのメイン飽和電流密度よりも低くなるようにしている。
具体的には、まず、図13に示されるように、飽和電流密度は、ゲート-エミッタ間電圧Vgeが高くなるほど高くなる。そして、センス素子Seの動作電圧となる電圧Vgeは、検出抵抗Rが接続されているため、メイン素子Meの動作電圧となる電圧Vgeより検出電圧Vseだけ低い電圧となる。
また、センス素子Seとメイン素子Meとの構成が同じであるとした場合、チャネル抵抗の逆数をaとし、ゲート-エミッタ間電圧をVgeとし、閾値電圧をVthとし、メイン飽和電流密度をImとし、センス飽和電流密度をIsとすると、メイン飽和電流密度Imおよびセンス飽和電流密度Isは次のように示される。
(数1)Im=a(Vge-Vth)
(数2)Is=a(Vge-Vth-Vse)
そして、センス飽和電流密度Isに対するメイン飽和電流密度Imの比を電流密度比Im/Isとすると、電流密度比Im/Isは、検出電圧Vseとの関係において図14に示されるようになり、下記数式3で示される。
(数3)Im/Is=0.0829×(Vse)+0.19×(Vse)+1.0055
このため、センス飽和電流密度Isを高くしても、電流密度比Im/Isが次式を満たすように半導体装置が構成されれば、検出抵抗Rを接続した状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより大きくなることを抑制できる。
(数4)Im/Is≦0.0829×(Vse)+0.19×(Vse)+1.0055
以上より、本実施形態では、センス素子Seは、検出抵抗Rが接続されていない状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより大きくされており、かつ、検出抵抗Rが接続されている状態において、数式4を満たすように形成されている。
なお、図14は、ゲート-エミッタ間電圧Vgeを15V、閾値電圧Vthを6.5Vとした場合の結果であるが、各種の条件を変更しても同様の結果となる。また、本実施形態のようにセンス素子Seのセルピッチdsを短くした場合、チャネル抵抗が小さくなるため、チャネル抵抗の逆数であるaが大きくなることでセンス飽和電流密度Isが大きくなる。
以上説明した本実施形態によれば、半導体装置は、検出抵抗Rが接続されていない状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより高くされている。このため、メイン飽和電流密度Imを高くし過ぎずにセンス飽和電流密度Isを高くでき、メイン素子Meの短絡耐量が低下することを抑制しつつ、通常判定および過渡判定が可能な範囲を広くでき、誤判定することを抑制できる。
また、半導体装置は、検出抵抗Rが接続されている状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより低くされている。このため、実際の使用状況下で誤判定することを抑制できる。
(1)本実施形態では、半導体装置は、上記数式4を満たすように構成されている。このため、センス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより高くなることを容易に抑制できる。
(2)本実施形態では、半導体装置は、センス素子Seのセルピッチdsがメイン素子Meのセルピッチdmより狭くされている。このため、センス素子Seのセンス飽和電流密度を容易に高くできる。
(3)本実施形態では、センス領域Rsは、メイン領域Rmよりもゲートパッド1cとの間隔が短くなる位置に形成されている。このため、センス素子Seとゲートパッド1cとを繋ぐゲート配線に起因する抵抗33は、メイン素子Meとゲートパッド1cとを繋ぐゲート配線に起因する抵抗34より小さくなる。したがって、センス素子Seのゲート電流が促進されてセンス素子Seのゲート電極15が昇圧し易くなり、応答性の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、メイン素子Meの構成を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体装置は、図15に示されるように、メイン領域Rmのトレンチ13には、ゲート電極15、またはゲートパッド1cと接続されないダミー電極40が配置されている。つまり、メイン素子Meは、間引き構造とされている。本実施形態では、メイン領域Rmのトレンチ13には、トレンチ13の長手方向と交差するトレンチ13の配列方向に沿って、ゲート電極15とダミー電極40とが交互に配置されている。
そして、センス素子Seは、上記第1実施形態と同様に、各トレンチ13にゲート電極15が配置されている。すなわち、本実施形態の半導体装置では、IGBT素子として機能するゲート構造の割合は、センス素子Seの方がメイン素子Meよりも高くなるように構成されている。言い換えると、本実施形態の半導体装置は、センス素子Seの全体のゲート電極15のうちのゲートパッド1cに接続されるゲート電極15の割合は、メイン素子Meの全体のゲート電極15のうちのゲートパッド1cに接続されるゲート電極15の割合より高くされている。これにより、チャネル抵抗が小さくなるため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。但し、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isは、検出抵抗Rが接続されている状態において、メイン素子Meのメイン飽和電流密度Imよりも低くなるように調整される。
以上説明した本実施形態によれば、半導体装置は、検出抵抗Rが接続されていない状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより高くされ、検出抵抗Rが接続されている状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより低くされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、IGBT素子として機能するゲート構造の割合は、センス素子Seの方がメイン素子Meよりも高くなるように構成されている。このため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを容易に高くできる。なお、このような構成とする場合、ゲート構造の割合を高くすることでセンス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。このため、メイン素子Meのセルピッチdmとセンス素子Seのセルピッチdsとは、同じとされていてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、センス素子Seの構成を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体装置は、図16に示されるように、トレンチ13の長手方向に沿ったエミッタ領域16の長さにおいて、メイン素子Meのエミッタ領域16よりもセンス素子Seのエミッタ領域16の方が長くされている。つまり、半導体基板10の一面10aから露出するエミッタ領域16とコンタクト領域17との比率は、センス素子Seの方がエミッタ領域16の比率が高くされている。なお、本実施形態では、トレンチ13の長手方向に沿ったコンタクト領域17の長さは、メイン素子Meとセンス素子Seとで同じとされている。
このような半導体装置では、エミッタ領域16およびコンタクト領域17が上部電極19と接続される全体の割合に対するエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合において、センス素子Seのエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合は、メイン素子Meのエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合よりも大きくなる。これにより、チャネル抵抗が小さくなるため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。但し、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isは、検出抵抗Rが接続されている状態において、メイン素子Meのメイン飽和電流密度Imよりも低くなるように調整される。なお、コンタクト領域17は、ベース層12と同じ導電型とされており、ベース層12は、コンタクト領域17を介して上部電極19と電気的に接続される。このため、コンタクト領域17が上部電極19と接続されるとは、ベース層12が上部電極19と接続されるともいえる。
以上説明した本実施形態によれば、半導体装置は、検出抵抗Rが接続されていない状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより高くされ、検出抵抗Rが接続されている状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより低くされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、エミッタ領域16およびコンタクト領域17が上部電極19と接続される全体の割合に対するエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合において、センス素子Seのエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合が、メイン素子Meのエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合よりも大きくされている。このため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを容易に高くできる。なお、本実施形態では、センス素子Seにおけるエミッタ領域16の長さを長くすることでセンス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。このため、メイン領域Rmのセルピッチdmとセンス領域Rsのセルピッチdsとは、同じとされていてもよい。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態では、センス素子Seのコンタクト領域17とメイン素子Meのコンタクト領域17の長さが同じとされている例について説明した。しかしながら、センス素子Seのコンタクト領域17をメイン素子Meのコンタクト領域17の長さより短くすることにより、センス素子Seのエミッタ領域16の長さがメイン素子Meのエミッタ領域16の長さより長くなるようにしてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、センス素子Seの構成を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体装置は、図17に示されるように、センス素子Seのベース層12は、メイン素子Meのベース層12より不純物濃度が低くされたP型とされている。このような半導体装置では、センス素子Seの閾値電圧Vthがメイン素子Meの閾値電圧Vthより低くなる。このため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。但し、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isは、検出抵抗Rが接続されている状態において、メイン素子Meのメイン飽和電流密度Imよりも低くなるように調整される。
以上説明した本実施形態によれば、半導体装置は、検出抵抗Rが接続されていない状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより高くされ、検出抵抗Rが接続されている状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより低くされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、センス素子Seのベース層12の不純物濃度は、メイン素子Meのベース層12の不純物濃度より低くされている。このため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを容易に高くできる。なお、このような構成とする場合、センス素子Seのベース層12の不純物濃度を低くすることでセンス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。このため、メイン素子Meのセルピッチdmとセンス素子Seのセルピッチdsとは、同じとされていてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、センス素子Seの構成を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体装置では、図18に示されるように、センス素子Seのゲート絶縁膜14は、メイン素子Meのゲート絶縁膜14よりも薄くされている。このような半導体装置では、センス素子Seの方がメイン素子Meより反転層が形成され易くなり、チャネル抵抗が小さくなる。このため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。但し、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isは、検出抵抗Rが接続されている状態において、メイン素子Meのメイン飽和電流密度Imよりも低くなるように調整される。
以上説明した本実施形態によれば、半導体装置は、検出抵抗Rが接続されていない状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより高くされ、検出抵抗Rが接続されている状態でのセンス飽和電流密度Isがメイン飽和電流密度Imより低くされている。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、センス素子Seのゲート絶縁膜14は、メイン素子Meのゲート絶縁膜14より薄くされている。このため、センス素子Seのセンス飽和電流密度Isを容易に高くできる。なお、このような構成とする場合、センス素子Seのゲート絶縁膜14を薄くすることでセンス素子Seのセンス飽和電流密度Isを高くできる。このため、メイン素子Meのセルピッチdmとセンス素子Seのセルピッチdsとは、同じとされていてもよい。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型とした例について説明したが、第1導電型をp型、第2導電型をn型としてもよい。また、上記各実施形態では、コレクタ層21の代わりにn型のドレイン層を備えるMOSFETが形成されて構成されていてもよい。さらに、上記各実施形態では、トレンチゲート構造ではなく、プレーナゲート構造の半導体素子が形成されていてもよい。
そして、上記各実施形態を組み合わせることもできる。例えば、上記第2実施形態を上記第3~第5実施形態に組み合わせ、IGBT素子として機能するゲート構造の割合は、センス素子Seの方がメイン素子Meよりも高くなるように構成されていてもよい。上記第3実施形態を上記第4、第5実施形態に組み合わせ、センス素子Seのエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合が、メイン素子Meのエミッタ領域16が上部電極19と接続される割合よりも大きくされていてもよい。上記第4実施形態を上記第5実施形態に組み合わせ、センス素子Seのベース層12の不純物濃度がメイン素子Meのベース層12の不純物濃度より低くされていてもよい。そして、上記各実施形態を組み合わせたもの同士をさらに組み合わせてもよい。
11 ドリフト層
12 ベース層
14 ゲート絶縁膜
15 ゲート電極
16 エミッタ領域(第1不純物領域)
19 上部電極(第1電極)
21 コレクタ層(第2不純物領域)
22 下部電極(第2電極)
Me メイン素子
Se センス素子
Rm メイン領域
Rs センス領域

Claims (7)

  1. メイン素子(Me)が形成されたメイン領域(Rm)およびセンス素子(Se)が形成されたセンス領域(Rs)を有し、前記センス素子に検出抵抗(R)が接続されると共に前記検出抵抗で発生する電圧に基づいて前記メイン素子に流れるメイン電流が検出される半導体装置であって、
    前記メイン素子および前記センス素子は、
    第1導電型のドリフト層(11)と、
    前記ドリフト層上に形成された第2導電型のベース層(12)と、
    前記ベース層の表層部に形成され、前記ドリフト層より高不純物濃度とされた第1導電型の第1不純物領域(16)と、
    前記第1不純物領域と前記ドリフト層との間に挟まれた前記ベース層の表面に配置されたゲート絶縁膜(14)と、
    前記ゲート絶縁膜上に配置されたゲート電極(15)と、
    前記ドリフト層を挟んで前記ベース層と反対側に形成された第2不純物領域(21)と、
    前記第1不純物領域および前記ベース層と電気的に接続される第1電極(19)と、
    前記第2不純物領域と電気的に接続される第2電極(22)と、を備え、
    前記センス素子および前記メイン素子のゲート電極は、外部回路と接続される共通のパッド(1c)と接続されており、
    前記センス素子は、前記検出抵抗が接続されていない状態でのセンス飽和電流密度が前記メイン素子のメイン飽和電流密度より高くなる構成とされていると共に、前記検出抵抗が接続されている状態でのセンス飽和電流密度が前記メイン素子のメイン飽和電流密度より低くなる構成とされている半導体装置。
  2. 前記検出抵抗が接続されている状態での前記センス素子のセンス飽和電流密度をIsとすると共に前記メイン素子のメイン飽和電流密度をImとし、前記検出抵抗の両端電圧をVseとすると、Im/Is≦0.0829×(Vse)+0.191×Vse+1.055を満たしている請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記センス素子および前記メイン素子は、それぞれ複数の前記ゲート電極を有しており、
    前記センス素子は、隣合う前記ゲート電極の中心間の間隔(ds)が、前記メイン素子の隣合う前記ゲート電極の中心間の間隔(dm)より狭くされている請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記センス素子および前記メイン素子は、それぞれ複数の前記ゲート電極を有しており、
    前記センス素子に形成された全体のゲート電極のうちの前記共通のパッドに接続されるゲート電極の割合は、前記メイン素子に形成された全体のゲート電極のうちの前記共通のパッドに接続されるゲート電極の割合より高くされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記第1不純物領域および前記ベース層が前記第1電極と接続される全体の割合に対する前記第1不純物領域が前記第1電極と接続される割合において、前記センス素子の前記第1不純物領域が前記第1電極と接続される割合は、前記メイン素子の前記第1不純物領域が前記第1電極と接続される割合より高くされている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 前記センス素子は、前記ベース層の不純物濃度が、前記メイン素子の前記ベース層の不純物濃度よりも低くされている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の半導体装置。
  7. 前記センス素子は、前記ゲート絶縁膜の厚さが、前記メイン素子の前記ゲート絶縁膜の厚さより薄くされている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置。
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