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JP7625442B2 - バリ取り装置 - Google Patents
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JP7625442B2 - バリ取り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形品からバリを取るウォータージェット式のバリ取り装置に関する。
現代の社会では、材料を所望の形に成形することで作製される工業製品が数多く流通している。こうした成形の際には、所望の形からはみ出した一部の材料により、バリと呼ばれる余分な出っ張りが成形品の成形面に形成されることがある。
たとえば、成形によって外形が定まる成形品では、成形品の外周面に対応する成形面から突き出したバリ(いわゆる外周バリ)が形成されることが多く、また、成形によって貫通孔が形成される製品では、その貫通孔の内壁面に対応する成形面から突き出したバリ(いわゆる孔バリ)が形成されることが多い。そこで、成形後には、こうしたバリを成形品から取るバリ取り作業が必要となる。
ここで、バリ取りの一手法として、水をバリ取り対象の成形品に噴射することでバリ取りを行うウォータージェット式のバリ取りが従来から知られている(たとえば特許文献1,2参照)。ウォータージェット式のバリ取りでは水を噴射するだけでバリ取りができるため、個々のバリを切削工具等で除去するバリ取りよりも手間がかからず、バリ取り作業の効率が高いという利点がある。
特開平3-178385号公報 特開平4-224912号公報
しかしながら、ウォータージェット式のバリ取りでは、バリが存在する部位だけでなくその周辺の部位にも、噴射された水の力が作用するため、バリ取り対象の成形品が損傷するリスクがある。このため、従来からウォータージェット式のバリ取りは、金属材料を成形してなる金属成形品のように、噴射された水の力に対する耐久性が比較的高い成形品に対して適用されることが多く、耐久性が低い成形品に対しては不向きと考えられてきた。
たとえば、樹脂材料を成形してなる樹脂成形品は金属成形品に比べて耐久性が低い。このため、樹脂成形品では、超音波を用いたバリ取りや切削工具を用いたバリ取りといった、ウォータージェット式以外のバリ取り手法が適用されることが多いのが実情である。
しかしながら、樹脂成形品から得られる樹脂製品は、様々な分野で用いられるきわめて需要の高い工業製品であり、樹脂成形品においても、生産性向上の観点から、バリ取り作業の効率が高いウォータージェット式のバリ取りの適用が強く望まれる。
上記の事情を鑑み、本発明では、水の噴射による樹脂成形品の損傷を抑えつつ、樹脂成形品からバリを取るウォータージェット式のバリ取り装置の実現を図っている。
上述の課題を解決するため、本発明は、以下のバリ取り装置を提供する。
[1] バリが突き出した成形面を有し少なくとも一部が板形状の樹脂成形品に水を噴射することで該樹脂成形品から前記バリを取るウォータージェット式のバリ取り装置において、平坦な配置面を有し、該配置面に、前記成形面と接続する前記樹脂成形品の下面が接触した状態で前記樹脂成形品が配置される第1の治具と、平坦な押さえ面を有し、該押さえ面と前記第1の治具の前記配置面との間で、前記成形面が露出した状態の前記樹脂成形品を挟み込みながら、前記下面とは反対側の、前記成形面と接続する前記樹脂成形品の上面を前記成形面の近傍まで覆う金属製の第2の治具と、前記第2の治具の側から前記成形面上の前記バリに向けて水を噴射する水噴射部と、を備えたバリ取り装置。
[2] 前記樹脂成形品は、外周面を前記成形面として成形されたものであり、前記バリは、前記外周面から突き出した外周バリであって、前記水噴射部は、前記外周面に沿った平面上の、前記第2の治具の直上に配置され、前記水噴射部の先端部から、所定の角度幅の広がりを持たせつつ水を噴射するものである[1]に記載のバリ取り装置。
[3] 前記樹脂成形品は、内壁面を前記成形面とする貫通孔が成形されたものであり、前記バリは、該貫通孔の前記内壁面から突き出した孔バリであって、前記第1の治具は、前記第2の治具との間で前記樹脂成形品を挟み込んだ状態で前記貫通孔と連通する第1の連通孔が形成されたものであり、前記第2の治具は、前記第1の治具との間で前記樹脂成形品を挟み込んだ状態で前記貫通孔と連通する第2の連通孔であって、前記水噴射部から噴射された水が流入する流入開口部と、前記貫通孔の前記第2の治具側の開口部と接続し前記流入開口部から流入した水が前記貫通孔内に流出する流出開口部と、を有する第2の連通孔が形成されたものである[1]又は[2]記載のバリ取り装置。
[4] 前記第2の治具は、前記第2の連通孔として、前記流入開口部が前記流出開口部よりも開口面積が大きい第2の連通孔が形成されたものである[3]に記載のバリ取り装置。
[5] 前記第2の治具は、前記第2の連通孔として、少なくとも内壁面の一部が前記流入開口部の側から前記流出開口部の側に向かって、テーパー形状に傾斜しつつ狭まる第2の連通孔が形成されたものである[4]に記載のバリ取り装置。
[6] 前記第2の治具は、前記第2の連通孔として、少なくとも内壁面の一部が前記流入開口部の側から前記流出開口部の側に向かって、湾曲しつつ狭まる第2の連通孔が形成されたものである[4]又は[5]に記載のバリ取り装置。
本発明のバリ取り装置では、樹脂成形品の上面を金属製の第2の治具が覆うことで、水噴射部から噴射された水により樹脂成形品が損傷することが回避される。この結果、本発明では、水の噴射による樹脂成形品の損傷を抑えつつ樹脂成形品からバリを取ることができる。
本発明の一実施形態のバリ取り装置の構成を表した模式的な構成図である。 図1のバリ取り装置における孔バリ除去の模式的な説明図である。 図2の第2の連通孔とは異なる形状の第2の連通孔が形成された第2の治具を備えたバリ取り装置の模式的な構成図である。 図3の第2の治具の、第2の連通孔が形成されている箇所付近の拡大図である。 図4とは異なる形状の第2の連通孔が形成された金属製の第2の治具を表した図である。 図4のテーパー形状と図5の湾曲形状とを合わせた形状の内壁面を持つ第2の連通孔が形成された金属製の第2の治具を表した図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1は、本発明の一実施形態のバリ取り装置10の構成を表した模式的な構成図である。
バリ取り装置10は、バリが突き出した成形面を有し少なくとも一部が板形状の樹脂成形品に水を噴射することで樹脂成形品からバリを取るウォータージェット式のバリ取り装置である。
なお、ここでいう「樹脂成形品」とは、少なくとも一部が樹脂材料から成形された成形品を指している。すなわち、「樹脂成形品」には、全体が樹脂材料から成形された、樹脂のみからなる成形品だけでなく、一部分は樹脂材料から成形されるが他の部分は樹脂以外の材料(たとえば金属等)で構成されている成形品も含まれる。図1では、バリ取り対象の樹脂成形品の一例として、平面状に広がった形状の本体部41と、本体部41の端部をシールする、樹脂製で板状のシール部42と、からなる樹脂成形品4が示されている。
樹脂成形品4(正確にはその一部であるシール部42)は、外周面4cを成形面として樹脂材料から成形され、この成形の際には、図1に示すように、外周面4cから突き出した外周バリXが生じることがある。また、樹脂成形品4には、後述するように、シール部42において貫通孔40(図1では不図示・後述の図2および図3参照)が成形されており、この成形の際には、貫通孔40の内壁面4dから突き出した孔バリY(後述の図2参照)が生じることがある。
こうした成形時のバリを取るための構成要素として、バリ取り装置10は、第1の治具1、第2の治具2、および水噴射部3を備えている。以下、外周バリXを除去する場合を例にとって、図1を参照しつつ、これらの構成要素について説明する。
第1の治具1は平坦な配置面1aを有している。外周バリXの除去の際には、樹脂成形品4は、樹脂成形品4の下面4bが、この第1の治具1の配置面1aに接触した状態で配置される。ここで、樹脂成形品4の下面4bは、成形面である外周面4cと接続しており、このように配置された状態では、成形面(図1の外周面4c)は外部に露出している。
第2の治具2は、平坦な押さえ面2aを有する金属製の部材である。外周バリXの除去の際には、第2の治具2は、この押さえ面2aと第1の治具1の配置面1aとの間で、成形面(図1の外周面4c)が露出した状態の樹脂成形品4を挟み込む。第2の治具2は、このように挟み込まれた樹脂成形品4の上面4aを、成形面(図1の外周面4c)の近傍まで覆っている。ここで、樹脂成形品4の上面4aは、上述の下面4bとは反対側の樹脂成形品4の面であって、成形面(図1の外周面4c)と接続する面である。
水噴射部3は、第2の治具2の側から成形面(図1の外周面4c)上の外周バリXに向けて先端部31から水を噴射する。この水の噴射により、成形面(図1の外周面4c)から外周バリXが除去される。
次に、孔バリの除去について説明する。
図2は、図1のバリ取り装置10における孔バリ除去の模式的な説明図である。
図2に示すように樹脂成形品4では、シール部42において貫通孔40が成形されており(ただし図1では不図示)、図2には、この成形の際に生じた孔バリYが、貫通孔40の内壁面4dから突き出している様子が示されている。
孔バリYの除去の際にも、図1の外周バリXの除去の時と同様に、樹脂成形品4は、図2に示すように樹脂成形品4の下面4bが、第1の治具1の配置面1aに接触した状態で配置される。ここで、樹脂成形品4の下面4bは、成形面である貫通孔40の内壁面4dと接続しており、このように配置された状態では、成形面(図2の内壁面4d)は外部に露出している。
また、孔バリYの除去の際にも、図1の外周バリXの除去の時と同様に、第2の治具2は、図2に示すように押さえ面2aと第1の治具1の配置面1aとの間で、成形面(図2の内壁面4d)が露出した状態の樹脂成形品4を挟み込む。第2の治具2は、このように挟み込まれた樹脂成形品4の上面4aを、上面4aと接続する成形面(図2の内壁面4d)の近傍まで覆っている。
図2では不図示の水噴射部3(なお図1参照)は、第2の治具2の側から成形面(図2の内壁面4d)上の孔バリYに向けて図2の太線矢印の向きに水を噴射する。この水の噴射により、成形面(図2の内壁面4d)から孔バリYが除去される。
以上の図1および図2で説明したように、バリ取り装置10では、樹脂成形品4の上面4aを金属製の第2の治具2が覆うことで、水噴射部3から噴射された水により樹脂成形品4が損傷することが回避される。この結果、バリ取り装置10では、水の噴射による樹脂成形品4の損傷を抑えつつ樹脂成形品4からバリ(図1の外周バリXや図2の孔バリY)を取ることができる。
ここで、バリ取り装置10では、図1に示すように、外周バリX除去の際に水噴射部3は、外周面4cに沿った平面上の、第2の治具2の直上に配置され、水噴射部3の先端部31から、所定の角度幅θの広がりを持たせつつ水を噴射する。
水噴射部3から噴射される水に所定の角度幅θの広がりがあることで、水が外周バリXに当たりやすくなりバリ取りの効率が向上する。
ここで、図1では、所定の角度幅θが、水噴射部3の先端部31を角度中心としたときの、水の噴射方向の角度の幅として記載されている。さらに、水噴射部3の先端部31と樹脂成形品4との間の距離L、および、先端部31から距離L離れた箇所(すなわち外周バリX付近)における、噴射方向(図1の上下方向)に垂直な面内での水の噴射範囲Dについても記載されている。水噴射部3は、図の矢印方向に回転しながら水の噴射を行い、これにより、方向に応じて水の噴射量にムラが生じることが抑えられる。
また、バリ取り装置10では、図2に示すように、第1の治具1には、第2の治具2との間で樹脂成形品4を挟み込んだ状態で貫通孔40と連通する第1の連通孔11が形成されている。また、第2の治具2は、第1の治具1との間で樹脂成形品4を挟み込んだ状態で貫通孔40と連通する第2の連通孔21が形成されている。この第2の連通孔21は、水噴射部3から噴射された水が流入する流入開口部21aと、貫通孔40の第2の治具2側の開口部41aと接続し流入開口部21aから流入した水が貫通孔40内に流出する流出開口部21bと、を有している。
このような第1の連通孔11や第2の連通孔21により、水を、貫通孔40の内壁面4d上の孔バリYが存在する所まで流し続けることができる。このとき、貫通孔40の開口部41aの付近を除き、第2の治具2が樹脂成形品4を覆っているため、第2の連通孔21や第1の連通孔11を通過する水により樹脂成形品4に損傷が与えられることが回避されている。
ここで、図2では、第2の連通孔21は、樹脂成形品4の厚さ方向(図2の上下方向)に真っ直ぐに延びるストレート形状を有しているが、同様の効果は、他の形状の第2の連通孔が採用された場合でも十分に得ることができる。以下では、異なる形状の第2の連通孔が形成された第2の治具を備えたバリ取り装置について説明する。
図3は、図2の第2の連通孔21とは異なる形状の第2の連通孔51が形成された第2の治具5を備えたバリ取り装置20の模式的な構成図であり、図4は、図3の第2の治具5の、第2の連通孔51が形成されている箇所付近の拡大図である。
図3のバリ取り装置20は、図2の第2の連通孔21とは異なる形状の第2の連通孔51が金属製の第2の治具5に形成されている点を除き、図1および図2のバリ取り装置10と同じ構成要素を有する。図3では、こうした同一の構成要素については同一の符号が付されており、それらの同一の構成要素の説明については図1および図2の説明を参照することとし、ここではその重複説明は省略する。なお、図3のバリ取り装置20は、第1の治具1および第2の治具5に加え、図3では不図示の水噴射部3(図1参照)も備えており、この水噴射部3が図3の太線矢印の向きに水を噴射することで成形面(図3の内壁面4d)から孔バリYが除去される。
孔バリYの除去の際には、図3に示すようにバリ取り装置20の第2の治具5は、図2の第2の治具2と同様に、第2の治具5が有する平坦な押さえ面5aと第1の治具1の配置面1aとの間で、成形面(図3の内壁面4d)が露出した状態の樹脂成形品4を挟み込む。第2の治具5は、このように挟み込まれた樹脂成形品4の上面4aを、上面4aと接続する成形面(図3の内壁面4d)の近傍まで覆っている。
このため、図3のバリ取り装置20においても、樹脂成形品4の上面4aを金属製の第2の治具5が覆うことで、水噴射部3(図3では不図示・図1参照)から噴射された水により樹脂成形品4が損傷することが回避される。この結果、バリ取り装置20においても、図1および図2のバリ取り装置10と同様に、水の噴射による樹脂成形品4の損傷を抑えつつ樹脂成形品4から孔バリYを取ることができる。なお、外周バリX(図1参照)についても同様である。
図3に示すように第2の治具5には、第1の治具1との間で樹脂成形品4を挟み込んだ状態で貫通孔40と連通する第2の連通孔51が形成されている。図3および図4に示すうに第2の連通孔51は、水噴射部3から噴射された水が流入する流入開口部51aと、貫通孔40の第2の治具5側の開口部41aと接続し流入開口部21aから流入した水が貫通孔40内に流出する流出開口部51abと、を有している。
ここで、図3および図4の第2の連通孔51では、図2の第2の連通孔21と異なり、流入開口部51aは、貫通孔40の開口部41aと接続する流出開口部51abよりも開口面積が大きくなっている。
このように流入開口部51aが流出開口部51abよりも開口面積が大きくなっていることで、図3では不図示の水噴射部3から図3の太線矢印の向きに噴射された水の多くが第2の連通孔21に流れ込みやすくなり、バリ取りの効率が向上する。
さらに、図3および図4に示すように、第2の治具5の第2の連通孔51における内壁面52は、少なくとも内壁面の一部が流入開口部51aの側から流出開口部51abの側に向かってテーパー形状に傾斜しつつ狭まっている。より具体的には、第2の連通孔51では、内壁面52全体(第2の連通孔51の全長hにわたる全内壁面)のうち、流入開口部51aからの厚さ方向の長さhの上側部分52aが、流出開口部51abの側に向かってテーパー形状に傾斜しつつ狭まっている。なお、図3および図4の例では、内壁面52全体のうち上側部分52aのみがテーパー形状であるが、本発明では、第2の連通孔の内壁面52全体がテーパー形状となっていてもよい。
第2の連通孔51の内壁面52の少なくとも一部がテーパー形状に傾斜することにより、図3の太線矢印の向きに噴射された水の多くが、より一層、第2の連通孔21に流れ込みやすくなり、バリ取りの効率が図2の形態よりもさらに向上する。
ここで、図3および図4の例では、第2の連通孔51の内壁面52全体のうち、残りの流出開口部51abの側の下側部分52bは、一例として、図2と同様の樹脂成形品4の厚さ方向(図2の上下方向)に真っ直ぐに延びるストレート形状となっている。特に図4では、第2の連通孔51の内壁面52のうち、開口径dの流入開口部51aの側の上側部分52aが傾斜角度幅φのテーパー形状であり、残りの、開口径d(ただしd>d)の流出開口部51abの側の下側部分52bがストレート形状となっている。
ただし、上述した、バリ取りの効率がさらに向上する効果は、上側部分52aがテーパー形状であって下側部分52bがストレート形状の内壁面52を持つ第2の連通孔51に限られない。すなわち、流入開口部が流出開口部よりも開口面積が大きい他の形状の第2の連通孔でも同様の効果を発揮し得るものが存在する。以下では、こうした他の形状の第2の連通孔が形成された第2の治具をいくつか紹介する。
図5は、図4とは異なる形状の第2の連通孔61が形成された金属製の第2の治具6を表した図である。
図5の第2の治具6の第2の連通孔61における内壁面62は、少なくとも内壁面62の一部が流入開口部61aの側から流出開口部61bの側に向かって湾曲しつつ狭まっている。より具体的には、第2の連通孔61は、内壁面62全体(第2の連通孔61の全長hにわたる全内壁面)にわたって曲率Rの湾曲形状で湾曲しつつ、流入開口部61aの側から流出開口部61bの側に向かうにつれて狭まる形状となっている。ここで、図5の流出開口部61bは、流入開口部61aよりも開口面積が小さく、図3および図4の流出開口部51abと同様に、樹脂成形品4の貫通孔40の開口部41a(図5では不図示・図3等参照)に接続している。なお、図5の例では、内壁面62全体(第2の連通孔61の全長hにわたる全内壁面)が湾曲形状であるが、本発明では、内壁面62全体のうち、流入開口部61aからの厚さ方向の長さがhの上側部分のみが湾曲形状となっていてもよい。
第2の連通孔51の内壁面52の少なくとも一部が湾曲することで、水噴射部3(図5では不図示・図1参照)から噴射された水の多くが第2の連通孔61に流れ込みやすくなり、図4の形態と同様に、バリ取りの効率が図2の形態よりもさらに向上する。
また、本発明では、図4のテーパー形状と図5の湾曲形状とを合わせた形状の内壁面を持つ第2の連通孔が形成された第2の治具が採用されてもよい。
図6は、図4のテーパー形状と図5の湾曲形状とを合わせた形状の内壁面72を持つ第2の連通孔71が形成された金属製の第2の治具7を表した図である。
図6の第2の治具7の第2の連通孔71では、内壁面72全体(第2の連通孔71の全長hにわたる全内壁面)のうち、流入開口部51aからの厚さ方向の長さがhの上側部分72aは、図4と同様に、傾斜角度幅φのテーパー形状である。一方、残りの流出開口部71bの側の下側部分72bは、図5と同様に、曲率Rの湾曲形状である。
このような第2の治具7を採用した場合でも、水噴射部3(図6では不図示・図1参照)から噴射された水の多くが第2の連通孔71に流れ込みやすくなり、図4や図5の形態と同様に、バリ取りの効率が図2の形態よりもさらに向上する。
以下では、本発明の効果を示すさらに具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1のバリ取り装置は、図4の第2の治具5を備えた図3のバリ取り装置20の一具体例である。なお、図3の説明で上述したように、実施例1のバリ取り装置は、図3の第1の治具1および第2の治具5に加えて、図1の水噴射部3(図3では不図示)を備えている。
実施例1のバリ取り装置の第1の治具1(図1~図3参照)は、平坦な配置面1aを有するステンレス製の板状部材である。実施例1のバリ取り装置20の第1の治具1には、口径2.5mmのストレート形状の第1の連通孔11が形成されている。
実施例1のバリ取り装置の第2の治具5(図4参照)は、平坦な押さえ面5aを有するステンレス製の板状部材である。実施例1のバリ取り装置20の第2の治具5には、全長hが3.0mmであり、流入開口部51aの側の開口径dが4.4mmであり、流出開口部51abの側の開口径dが2.5mmの第2の連通孔51(図4参照)が形成されている。ここで、第2の連通孔51の内壁面52の上側部分52a(図4参照)は、流入開口部51aからの第2の治具2の厚さ方向の長さhが1.5mmであって、傾斜角度幅φが60°のテーパー形状となっている。一方、残りの下側部分52b(図4参照)は、開口径2.5mmの流出開口部51abにまで延びるストレート形状となっている。
実施例1のバリ取り装置の水噴射部3(図1参照)は、図1のθ=20°の角度幅で、図1の矢印方向に回転速度800~1000回転/分で回転しながら噴射圧30MPaの水を先端部31から噴射する。
(実施例2)
実施例2のバリ取り装置は、図2の第2の治具2を備えた図1のバリ取り装置10の一具体例である。実施例2のバリ取り装置における第1の治具1(図1~図3参照)や水噴射部3(図1参照)は実施例1と同じであり、第2の治具2のみが実施例1と異なる。
実施例2のバリ取り装置の第2の治具2(図2参照)は、平坦な押さえ面2aを有するステンレス製の板状部材である。実施例2のバリ取り装置10の第2の治具2には、開口径2.5mmの流入開口部21aと開口径2.5mmの流出開口部21bとをつなぐ全長3.0mmのストレート形状の第2の連通孔21(図2参照)が形成されている。
(比較例1)
比較例1のバリ取り装置は、第2の治具が存在していない点を除き、実施例1や実施例2のバリ取り装置と同じ構成を備えている。すなわち比較例1のバリ取り装置は、実施例1や実施例2と同じ第1の治具1(図1~図3参照)や水噴射部3(図1参照)を備えているが、第2の治具は備えていない。比較例1のバリ取り装置では、外周バリXや孔バリYの除去の際には、水噴射部3から噴射された水をバリ除去対象の樹脂成形品が直接に受けることとなる。
[試験1]
以上の実施例1、実施例2および比較例1のバリ取り装置を用いて以下の試験1を行った。バリ除去対象の樹脂成形品として、径2.5mm程度の貫通孔40が形成された図1~図3の樹脂成形品4を用いて、この樹脂成形品4の外周部の外周バリX(図1参照)や孔バリY(図2および図3参照)の除去を行った。なお、外周バリXの除去では、樹脂成形品4の外周部において、各実施例の第2の治具で覆われずに少しはみ出している部分のはみ出し量は0.3mm程度であり、きわめて小さい量である。
具体的には、まず、水噴射部3の先端部31とバリ除去対象の樹脂成形品4との間の距離L(図1参照)を15mmとして、成形面である外周面4c(図1参照)から外周バリXの除去を行った。なお、先端部31からの距離L=15mmの箇所における、噴射方向に垂直な面内での水の噴射範囲D(図1参照)は、水噴射部3の水噴射の角度幅θが20°であることから6.5mmとなる。
次に、水噴射部3の先端部31とバリ除去対象の樹脂成形品4との間の距離L(図1参照)を10mmとして、成形面である貫通孔40の内壁面4d(図2および図3参照)から孔バリYの除去を行った。なお、先端部31からの距離L=10mmの箇所における、噴射方向に垂直な面内での水の噴射範囲D(図1参照)は、水噴射部3の水噴射の角度幅θが20°であることから4.7mmとなる。
このような外周バリXや孔バリYのバリ取りを、複数の樹脂成形品4を、順番に1つずつ、水噴射部3からの水噴射を受ける位置に送り込むことで行った。このように送り込まれる樹脂成形品4の移動速度は3m/分であった。なお、1つの樹脂成形品4において孔バリのバリ取りにかける時間は0.1秒である。
なお、この試験1において、外周バリXの除去のときと孔バリYの除去のときとで、水噴射部3の先端部31とバリ除去対象の樹脂成形品4との間の距離L(図1参照)を変える理由は、以下の通りである。一般に、水噴射部3の先端部31から噴射されてバリと衝突する水滴粒子の大きさは距離Lが短いほど小さくなる。孔バリYの除去では、距離L=10mm程度で十分であるが、外周バリXの除去では、孔バリの除去よりも水噴射部3の先端部31の動く軌跡が複雑で樹脂成形品4との位置合わせが難しい等の理由により、この程度の距離Lでは水滴粒子が小さすぎバリ残しが生じ得る。そこで、外周バリXの除去では、距離L(図1参照)=15~20mmが最適となる。一方、孔バリYの除去では、距離L(図1参照)=15~20mmであると、噴射した水が流入する開口部(たとえば第2の治具の第2の連通孔における流入開口部)の大きさによっては、そうした開口部から外れて樹脂成形品4の貫通孔40に流入しない水が多くなる。
実施例1、実施例2および比較例1のバリ取り装置のそれぞれに対して試験1を行った後、水噴射による樹脂成形品4の損傷の有無をチェックした。また、孔バリY(図2および図3参照)に関し、試験1の後に樹脂成形品4の貫通孔40の内壁面4d上に残った孔バリYから無作為に10個を選択してその高さの算術平均値を求めた。
[試験1の結果]
実施例1~3および比較例1~2の評価結果を、これら実施例や比較例の特徴とともに下記の表1に示す。
Figure 0007625442000001
表1において、第2の治具が存在しない比較例1と、第2の治具5,2がそれぞれ存在する実施例1,2とを比較すると、比較例1では樹脂成形品4が損傷していたのに対し、実施例1,2では樹脂成形品4に損傷は見られなかった。このことから、樹脂成形品4を第2の治具5,2が覆うことで、水噴射部3から噴射された水により樹脂成形品4の損傷が回避されることがわかる。
表1において、第2の連通孔51の流入開口部51a側がテーパー形状となっている実施例1と、第2の連通孔21全体がストレート形状となっている実施例2とを比較すると、残った孔バリYの高さの平均値は、実施例1の方が実施例2よりも低い。このことから、第2の連通孔において流入開口部側の開口面積を大きくする(正確には流出開口部側よりも相対的に大きくする)ことで、噴射された水の多くが第2の連通孔に流れ込みやすくなり、バリ取りの効率が向上することがわかる。なお、比較例1では、噴射された水により樹脂成形品4の貫通孔40付近が損傷していたため、残った孔バリYの高さの平均値は求められなかった。
(実施例3)
実施例3のバリ取り装置は、実施例1における第2の治具5(図3および図4参照)を図5の第2の治具6に置き代えたバリ取り装置の一具体例であり、第1の治具1や水噴射部3については実施例1と同じである。
実施例3の第2の治具6(図5参照)も実施例1と同様に、平坦な押さえ面を有するステンレス製の板状部材である。実施例3の第2の治具6には、内壁面62全体にわたって曲率Rが3.5mmの湾曲形状で湾曲しつつ、流入開口部61aの側から流出開口部61bの側に向かうにつれて狭まる形状の第2の連通孔61(図4参照)が形成されている。実施例3における第2の連通孔61の全長hは、実施例1と同様に3mmであり、流出開口部61bの開口径も実施例1と同じである。
(実施例4)
実施例4のバリ取り装置は、実施例1における第2の治具5(図3および図4参照)を図6の第2の治具7に置き代えたバリ取り装置の一具体例であり、第1の治具1や水噴射部3については実施例1と同じである。
実施例4の第2の治具7(図6参照)も実施例1と同様に、平坦な押さえ面を有するステンレス製の板状部材である。実施例4の第2の治具7には、実施例1(図4参照)のテーパー形状と実施例3(図5参照)の湾曲形状とを合わせた形状の内壁面72を持つ第2の連通孔71が形成されている。具体的には、実施例4の第2の連通孔71では、流入開口部71aからの厚さ方向の長さhが2mmの上側部分72aが、傾斜角度幅φ=60°のテーパー形状であり、残りの流出開口部71bの側の下側部分72bが曲率R=3.5mmの湾曲形状となっている。
(実施例5)
実施例5のバリ取り装置は、実施例1における第2の治具5(図3および図4参照)を、流入開口部51aの側の開口径dおよび上側部分52a(図4参照)の長さhが異なる別の第2の治具5(図3および図4参照)に置き代えたバリ取り装置の一具体例である。こうした寸法の相違を除けば、実施例5は実施例1と同じであり、第1の治具1や水噴射部3等についても実施例1と同じである。
従って、実施例5の第2の治具5(図6参照)も実施例1と同様に、平坦な押さえ面を有するステンレス製の板状部材であり、全長hが3.0mmであって流出開口部51abの側の開口径dが2.5mmの第2の連通孔51(図4参照)が形成されている。また、第2の連通孔51の内壁面52の上側部分52aは、実施例1と同様に傾斜角度幅φが60°のテーパー形状となっている。ただし、実施例5では、流入開口部51aの側の開口径dは4.8mmであり、第2の連通孔51の内壁面52の上側部分52a(図4参照)は、流入開口部51aからの第2の治具2の厚さ方向の長さhが2.0mmとなっており、これらのみが実施例1と異なる。
[試験2]
以上の実施例3~5および上述の実施例1のバリ取り装置を用いて試験2を行った。試験2は、外周バリX(図1参照)の除去および孔バリY(図2および図3参照)の除去のいずれにおいても、水噴射部3の先端部31とバリ除去対象の樹脂成形品4との間の距離L(図1参照)が15mmに維持される点を除けば、試験1と全く同じ試験である。
実施例1,3~5のバリ取り装置のそれぞれに対して試験2を行った後、樹脂成形品4が合格レベルの製品になり得ると判断されるほど、孔バリYが十分に除去されているかどうかをチェックした。
[試験2の結果]
試験2の後には、実施例1,3~5のいずれにおいても、樹脂成形品4の損傷は見られず、孔バリYは十分に除去されていた。このことから、水噴射部3の先端部31とバリ除去対象の樹脂成形品4との間の距離Lを、外周バリX(図1参照)の除去に最適な距離(15mm程度)に維持したままでも、第2の連通孔の流入開口部側の開口面積が大きければ孔バリYが十分に除去できることがわかる。これは、噴射した水が、各実施例の広い流入開口部から十分に流入したためだと考えられる。この場合、外周バリXの除去工程と孔バリYの除去工程の間で、水噴射部3の先端部31とバリ除去対象の樹脂成形品4との間の距離Lを変える必要がないため、バリ取りの作業工程の効率が向上する。具体的には、バリ取り対象の1個の樹脂成形品4につき1秒程度の作業短縮が可能となった。
以上が本実施形態の説明である。
以上の説明では、樹脂成形品のバリの除去を中心に説明したが、本発明は、樹脂成形品以外のバリの除去に適用されてもよい。
本発明は、水の噴射による樹脂成形品の損傷を抑えつつ樹脂成形品からバリを取るのに有用である。
1:第1の治具、
1a:配置面、
2:第2の治具、
2a:押さえ面、
3:水噴射部、
4:樹脂成形品、
4a:上面、
4b:下面、
4c:外周面、
4d:内壁面、
5:第2の治具、
5a:押さえ面、
6:第2の治具、
7:第2の治具、
10:バリ取り装置、
11:第1の連通孔、
20:バリ取り装置、
21:第2の連通孔、
31:先端部、
40:貫通孔、
41:本体部、
41a:開口部、
42:シール部、
51:第2の連通孔、
51a:流入開口部、
51b:流出開口部、
52:内壁面、
52a:上側部分、
52b:下側部分、
61:第2の連通孔、
61a:流入開口部、
61b:流出開口部、
71:第2の連通孔、
71a:流入開口部、
71b:流出開口部、
72:内壁面、
72a:上側部分、
72b:下側部分、
X:外周バリ、
Y:孔バリ。

Claims (4)

  1. バリが突き出した成形面を有し少なくとも一部が板形状の樹脂成形品に水を噴射することで該樹脂成形品から前記バリを取るウォータージェット式のバリ取り装置において、
    平坦な配置面を有し、該配置面に、前記成形面と接続する前記樹脂成形品の下面が接触した状態で前記樹脂成形品が配置される第1の治具と、
    平坦な押さえ面を有し、該押さえ面と前記第1の治具の前記配置面との間で、前記成形面が露出した状態の前記樹脂成形品を挟み込みながら、前記下面とは反対側の、前記成形面と接続する前記樹脂成形品の上面を前記成形面の近傍まで覆う金属製の第2の治具と、
    前記第2の治具の側から前記成形面上の前記バリに向けて水を噴射する水噴射部と、を備え
    前記樹脂成形品は、内壁面を前記成形面とする貫通孔が成形されたものであり、前記バリは、該貫通孔の前記内壁面から突き出した孔バリであって、
    前記第1の治具は、前記第2の治具との間で前記樹脂成形品を挟み込んだ状態で前記貫通孔と連通する第1の連通孔が形成されたものであり、
    前記第2の治具は、前記第1の治具との間で前記樹脂成形品を挟み込んだ状態で前記貫通孔と連通する第2の連通孔であって、前記水噴射部から噴射された水が流入する流入開口部と、前記貫通孔の前記第2の治具側の開口部と接続し前記流入開口部から流入した水が前記貫通孔内に流出する流出開口部と、を有する第2の連通孔が形成されたものであるバリ取り装置。
  2. 前記第2の治具は、前記第2の連通孔として、前記流入開口部が前記流出開口部よりも開口面積が大きい第2の連通孔が形成されたものである請求項記載のバリ取り装置。
  3. 前記第2の治具は、前記第2の連通孔として、少なくとも内壁面の一部が前記流入開口部の側から前記流出開口部の側に向かって、テーパー形状に傾斜しつつ狭まる第2の連通孔が形成されたものである請求項記載のバリ取り装置。
  4. 前記第2の治具は、前記第2の連通孔として、少なくとも内壁面の一部が前記流入開口部の側から前記流出開口部の側に向かって、湾曲しつつ狭まる第2の連通孔が形成されたものである請求項又はに記載のバリ取り装置。
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