以下、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、陽極、EL層、中間層、陰極などの大きさや厚さは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2、第3などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や上下の位置関係などを示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機金属錯体について、以下説明する。
本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-1)で表される構造を有する。
一般式(G-1)中、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
本発明の一態様の有機金属錯体は配位子に1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格を有する。該構成とすることで、該有機金属錯体を発光素子に適用した場合、発光効率及び/または信頼性が良好な発光素子を得ることができる。
本発明の一態様の有機金属錯体が有する配位子は、ベンゾイミダゾール骨格が有するベンゼン環にさらにベンゼン環が縮合した構造を有する。該構造とすることで、分子の安定性が向上し、信頼性が良好な発光素子を得ることができる。また、発光量子収率が良好な有機金属錯体を得ることができる。
また、1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格の1位に置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基が結合することによって、1位に水素やアルキル基が結合した場合と比較し、分子の安定性及び昇華性が向上する。そのため、信頼性が良好な発光素子を得ることができる。また、真空蒸着法を用いて有機EL素子を作製する場合、本発明の一態様の有機化合物を好適に用いることができる。
<イミダゾール骨格とナフタレン骨格の縮合位置>
また、本発明の一態様の有機金属錯体が有する1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格はイミダゾール骨格にナフタレン骨格が縮合した構造とみなすことができる。ここで、ナフタレン骨格がイミダゾール骨格のa位で縮合した構造を有する場合、下記一般式(I-1)に示す構造を有するIr錯体が一例として考えられる。
一般式(I-1)中、R1乃至R7はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
一般式(I-1)で示す構造は、Irに結合するイミダゾール骨格とIrに結合するベンゼン骨格とが、互いに縮合された構造を有する。該構造は量子収率が高くならない傾向にある。また、Irに結合するイミダゾール骨格とIrに結合するベンゼン骨格が縮合しているため、縮合していない場合と比較し、長波長に発光を示すことが予想される。そのため、特に開発が求められている青や緑の燐光性材料には不向きな骨格であることが予想される。
一方、本発明の一態様の有機金属錯体が有する1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格はイミダゾール骨格のd位にナフタレン骨格が縮合した構造を有する。ここで、イミダゾール骨格のd位にナフタレン骨格が縮合する場合、縮合位置の違いにより1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格と1H-ナフト[2,1-d]イミダゾール骨格が考えられる。これら縮合炭素の違いによる量子収率への影響を分子軌道計算により考察した。
<正味電荷の計算例>
本計算例では、本発明の一態様である1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格を有する有機金属錯体をモデルとしたCompound-Aと、比較として1H-ナフト[2,1-d]イミダゾール骨格を有する有機金属錯体をモデルとしたCompound-Bの最低三重項励起状態(T1状態)の計算例を具体的に例示する。Compound-AおよびCompound-Bの構造を以下に示す。Compound-Aは構造式中に示すaのベンゼン環がIrと結合しているN(窒素)からみてIrと反対側に縮合している。一方、Compound-Bでは、構造式中に示すbのベンゼン環がIrと結合しているN(窒素)からみてIrと同じ側に縮合している。1H-ナフト[2,1-d]イミダゾール骨格をIr錯体の配位子として用いた場合、Compound-Bと同様の向きにベンゼン環が縮合した構造を有する。
分子軌道計算には、Gaussian09プログラムを使用した。汎関数は、B3PW91を用い、構造最適化および振動計算を行った。基底関数は、IrにLANL2DZ、それ以外の元素には6-311Gを用いた。
計算により求められた最適化構造におけるIr上の正味電荷はCompound-Aで0.30であったのに対し、Compound-Bでは0.20と算出された。
Compound-Aは、Compound-BよりもIrの正味電荷が優位に高くなる結果が得られた。Metal-Ligand Charge Transfer(MLCT)はIrの5d軌道と配位子のπ*が寄与する遷移である。MLCT性が高い要因の一つとして励起状態でIrの正味電荷が高いことが挙げられる。したがって、本発明の一態様である有機金属錯体をモデルとしたCompound-Aの方がCompound-Bよりも、励起状態におけるMLCT性が高いことが分かった。MLCT性と燐光性材料の量子収率には相関があることが知られており、MLCT性が高いと発光量子収率が高いことが予想される。よって、本発明の一態様の有機化合物は高い発光量子収率を有していることが分かった。
Compound-Bは構造式中bで示すベンゼン環がIrと立体障害を生じる向きに存在している。そのため、Compound-BではIrとイミダゾール骨格が有するN(窒素)との結合距離が長くなることが予想される。そのため上述のようにIr上の正味電荷がCompound-Bでは小さくなったと考えられる。1H-ナフト[2,1-d]イミダゾール骨格を有するIr錯体も構造式中のbで示すベンゼン環を有するためCompound-Bと同様に正味電荷が小さいと考えられる。一方、Compound-Aが有する構造式中aで示すベンゼン環はIrと立体障害を生じていない。そのため、Compound-Bよりも正味電荷が大きい結果が得られたと考えられる。
以上より、イミダゾール骨格にナフタレン骨格が縮合した構造を有する有機金属錯体を考慮した場合、1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格とすることで発光量子収率が良好な有機金属錯体を得ることができる。
該炭素数6乃至25のアリール基は置換または無置換フェニル基であると好ましい。該構成とすることで、安価にまた容易に本発明の一態様の有機金属錯体を合成することができる。よって、一般式(G-1)は下記一般式(G-2)で表される構造であると好ましい。
一般式(G-2)中、R1乃至R15はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表す。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-3)で表される構造を有する。
一般式(G-3)中、R11、R13及びR15はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表す。
一般式(G-2)及び(G-3)において、R11及びR15の少なくとも一方が炭素数1乃至6のアルキル基であると好ましい。該構成とすることによって、昇華性が良い材料とすることができるため、真空蒸着法による発光素子作製時において、材料使用効率を高めることができる。また、R11及びR15が結合しているフェニル基が、R11及びR15の少なくとも一方が炭素数1乃至6のアルキル基である場合、該アルキル基の立体障害により、該フェニル基と1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格とがなす二面角が大きくなる。そのため、該フェニル基と1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格間の共役が広がりにくくなるため、発光波長を短波長化させることができる。また、該アルキル基は炭素数3乃至7の分岐鎖アルキル基であるとさらに好ましい。分岐鎖アルキル基であることで、上述の効果をより得やすくなる。分岐鎖アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基等が挙げられる。
よって、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-4)で表される構造を有する。
一般式(G-4)中、R13は水素または電子吸引基を表す。
一般式(G-4)において、R13が水素である場合、合成が容易になるため好ましい。また、R13が電子吸引基である場合、有機金属錯体のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、最低空軌道ともいう)準位及びHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道ともいう)準位を下げることができる。従って、有機金属錯体を発光素子に用いた場合において、ホール注入性を維持しつつ電子注入性を高めることができ、発光効率を向上させることができる。また、CT(Charge Transfer)性を高まることが期待でき、スペクトル幅が広くなることが見込まれる。そのため、演色性の高い発光素子を作製することができる。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-5)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-5)中、R15は水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
上述のように、1H-ナフト[1,2-d]イミダゾールの1位に結合するフェニル基の4位に電子吸引基であるシアノ基を導入することによって、発光効率が良好な発光素子を作製することができる。また、演色性が高い発光素子を作製することができる。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-6)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-6)中、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
一般式(G-6)で表される有機金属錯体は、一般式(G-1)で表される有機金属錯体の内、有機金属錯体が有する3種の配位子が全て同一の配位子である、トリス体を表している。トリス体の有機金属錯体は、発光効率、信頼性が良好であるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-7)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-7)中、R1乃至R15はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表す。
一般式(G-7)で表される有機金属錯体は、一般式(G-2)で表される有機金属錯体の内、有機金属錯体が有する3種の配位子が全て同一の配位子である、トリス体を表している。トリス体の有機金属錯体は、発光効率、信頼性が良好であるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-8)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-8)中、R11、R13及びR15はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表す。
一般式(G-8)で表される有機金属錯体は、一般式(G-3)で表される有機金属錯体の内、有機金属錯体が有する3種の配位子が全て同一の配位子である、トリス体を表している。トリス体の有機金属錯体は、発光効率、信頼性が良好であるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-9)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-9)中、R13は水素または電子吸引基を表す。
一般式(G-9)で表される有機金属錯体は、一般式(G-4)で表される有機金属錯体の内、有機金属錯体が有する3種の配位子が全て同一の配位子である、トリス体を表している。トリス体の有機金属錯体は、発光効率、信頼性が良好であるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-10)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-10)中、R15は水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
一般式(G-10)で表される有機金属錯体は、一般式(G-5)で表される有機金属錯体の内、有機金属錯体が有する3種の配位子が全て同一の配位子である、トリス体を表している。トリス体の有機金属錯体は、発光効率、信頼性が良好であるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-11)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-11)中、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、Lはモノアニオン性の配位子を表し、nは1または2を表す。
一般式(G-11)で表される有機金属錯体は、一般式(G-1)で表される有機金属錯体の内、2種以上の配位子を有する有機金属錯体である、ヘテロ体を表している。ヘテロ体の有機金属錯体は、配位子の組合せを選択することで、発光色や昇華性を調整できるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-12)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-12)中、R1乃至R15はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Lはモノアニオン性の配位子を表し、nは1または2を表す。
一般式(G-12)で表される有機金属錯体は、一般式(G-2)で表される有機金属錯体の内、2種以上の配位子を有する金属錯体である、ヘテロ体を表している。ヘテロ体の有機金属錯体は、配位子の組合せを選択することで、発光色や昇華性を調整できるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-13)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-13)中、R11、R13及びR15はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Lはモノアニオン性の配位子を表し、nは1または2を表す。
一般式(G-13)で表される有機金属錯体は、一般式(G-3)で表される有機金属錯体の内、2種以上の配位子を有する金属錯体である、ヘテロ体を表している。ヘテロ体の有機金属錯体は、配位子の組合せを選択することで、発光色や昇華性を調整できるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-14)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-14)中、R13は水素または電子吸引基を表し、Lはモノアニオン性の配位子を表し、nは1または2を表す。
一般式(G-14)で表される有機金属錯体は、一般式(G-4)で表される有機金属錯体の内、2種以上の配位子を有する金属錯体である、ヘテロ体を表している。ヘテロ体の有機金属錯体は、配位子の組合せを選択することで、発光色や昇華性を調整できるため好ましい。
また、本発明の一態様の有機金属錯体は下記一般式(G-15)で表される有機金属錯体である。
一般式(G-15)中、R15は水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、Lはモノアニオン性の配位子を表し、nは1または2を表す。
一般式(G-15)で表される有機金属錯体は、一般式(G-5)で表される有機金属錯体の内、2種以上の配位子を有する金属錯体である、ヘテロ体を表している。ヘテロ体の有機金属錯体は、配位子の組合せを選択することで、発光色や昇華性を調整できるため好ましい。
また、一般式(G-11)乃至(G-15)中、Lで表されるモノアニオン性の配位子はβ-ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、又は二つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子、又はシクロメタル化によりイリジウムと金属-炭素結合を形成する二座配位子であると好ましい。具体的には、下記一般式(L1)乃至(L9)のいずれかであると好ましい。
一般式(L1)乃至(L9)中、R21乃至R86は、それぞれ独立に水素又は置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、ハロゲノ基、ビニル基、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基を表す。また、A1乃至A13は、それぞれ独立に窒素、または水素と結合するsp2混成炭素、又は置換基を有するsp2混成炭素を表し、該置換基は炭素数1乃至6のアルキル基、ハロゲノ基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、又はフェニル基のいずれかを表す。
ここで、ヘテロ体の有機金属錯体は複数種類の配位子を有するが、有機金属錯体のHOMO及びLUMOは同一種類の配位子に分布することが好ましい。該構成の場合、発光効率が特に良好な有機金属錯体とすることができる。そこで、一般式(G-11)乃至(G-15)中、Lは(L8)または(L9)であると特に好ましい。本発明の一態様の有機金属錯体は、5員環であるイミダゾール骨格を有する。そのため、Lも5員環骨格を有する構造であると好ましい。該構成とすることで、有機金属錯体が有するHOMO及びLUMOが同一の配位子に分布しやすくなる。
<置換基の例>
一般式(G-1)乃至(G-15)において、R1乃至R15は、例えば、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至25アリール基、または電子吸引基を表す。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などをあげることができ、該電子吸引基としては、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、ハロアルキル基、ハロアルキル基としては特に取りフルオロメチル基などを具体例として挙げることができる。より具体的には例えば、下記構造式(R-1)乃至(R-43)で表される基が挙げられる。特に、ハロゲノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基は電子吸引性が大きく、安定性が高いため好ましい。なお、R1乃至R4及びR5乃至R13で表される基はこれらに限定されない。
このとき、R1乃至R10は、水素である場合、本発明の一態様の有機金属錯体を簡便・安価に合成できる。電気化学的に安定で信頼性が良好となり、好ましい。また水素以外の置換基であると、本発明の一態様の有機金属錯体の耐熱性を向上させることができる。(R-2)乃至(R-15)の様に、アルキル基やシクロアルキル基であると、有機溶剤への溶解性が良好となるため、本発明の一態様の有機金属錯体の精製を簡便に行うことができる。(R-16)、(R-22)乃至(R-28)、(R-31)及び(R-32)の様に、アルキル基やシクロアルキル基を有さないアリール基は、電気化学的に安定で信頼性が良好となる。
また、一般式(G-1)、(G-6)及び(G-11)中、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至25アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などが挙げられる。具体的には、下記構造式(Ar-1)乃至(Ar-25)で表される基を適用することができる。なお、Arで表される基はこれらに限定されない。また、さらに置換基を有していても良い。
また、一般式(L1)乃至(L9)中、R21乃至R86は、それぞれ独立に水素又は置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、ハロゲノ基、ビニル基、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基をあげることができる。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができ、該ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、該ビニル基としては、ビニル基、酢酸ビニル基が挙げられ、ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリクロロメチル基が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基が挙げられ、該アルキルチオ基としては、プロピルチオ基、ブチルチオ基が挙げられ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、などをあげることができる。より具体的には例えば、下記構造式(R-50)乃至(R-95)で表される基が挙げられる。なお、R21乃至R86で表される基はこれらに限定されない。
なお、上述の一般式(G1)乃至(G15)において、Ar、R1乃至R15及びR21乃至R86がさらに置換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至25アリール基をあげることができる。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、などを具体例として挙げることができる。
<化合物の具体例>
一般式(G-1)乃至(G-15)として表される化合物の具体的な構造としては、下記構造式(100)乃至(123)及び構造式(200)乃至(223)で表される有機金属錯体を挙げることができる。なお、一般式(G-1)乃至(G-15)として表される有機金属錯体は、下記例示に限られない。
なお、本実施の形態における有機金属錯体は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷法等の方法を用いて成膜することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機金属錯体の合成法の一例について説明する。
≪一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体の合成方法≫
下記一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体の合成法の一例について説明する。一般式(G-1)で表される構造を有する本発明の一態様の有機金属錯体は、一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体を配位子として有する。よって、一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体を用いてIr錯体を合成することで、後述するように、本発明の一態様の有機金属錯体を合成することができる。
一般式(g-1)中、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
下記スキーム(S-1)に示すように、アリールアルデヒド化合物またはアリールカルボン酸塩化物(M1)と、ArでN位が置換されたo-ナフタレンジアミン誘導体(M2)との反応により、一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体を得ることができる。
スキーム(S-1)において、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
<一般式(G-6)で表される有機金属錯体の合成法>
次に、一般式(G-1)で表される構造を有する有機金属錯体の合成方法のうち、一般式(G-6)で表される有機金属錯体の合成法の一例について説明する。
下記スキーム(S-2)に示すように、一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体と、ハロゲンを含むイリジウム金属化合物(塩化イリジウム水和物、ヘキサクロロイリジウム酸アンモニウム等)、またはイリジウム有機金属錯体化合物(アセチルアセトナト錯体、ジエチルスルフィド錯体等)とを混合した後、加熱することにより、一般式(G-6)で表される構造を有する有機金属錯体を得ることができる。また、この加熱プロセスは、一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体と、ハロゲンを含むイリジウム金属化合物、またはイリジウム有機金属錯体とをアルコール系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール等)に溶解した後に行ってもよい。なお、スキーム(S-2)において、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
ただし、本発明の有機金属錯体の合成法は、スキーム(S-2)のみに限定されるものではない。
<一般式(G-11)で表される有機金属錯体の合成法>
次に、一般式(G-1)で表される構造を含む有機金属錯体の合成方法のうち、一般式(G-11)で表される有機金属錯体の合成法の一例について説明する。
下記スキーム(S-3)に示すように、一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体またはLと、ハロゲンを含むイリジウム化合物(塩化イリジウム、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウム等)とを無溶媒、またはアルコール系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール等)単独、あるいはアルコール系溶媒1種類以上と水との混合溶媒を用いて、不活性ガス雰囲気にて加熱することにより、ハロゲンで架橋された構造を有する有機金属錯体の一種である、1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体の複核錯体(P1)、またはモノアニオン性の2座の配位子を含む複核錯体(P2)を得ることができる。なお、スキーム(S-3)において、Xはハロゲン原子を表し、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
さらに、下記スキーム(S-4)に示すように、上述の合成スキーム(S-3)で得られる複核錯体(P1)または(P2)と、一般式(g-1)で表される1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール誘導体またはLとを、不活性ガス雰囲気にて反応させることにより、一般式(G-11)で表される本発明の一態様である有機金属錯体が得られる。ここで、さらに得られた有機金属錯体に光や熱を照射してさらに反応させることにより幾何異性体、光学異性体等の異性体を得ても良く、これらも一般式(G-11)で表される本発明の一態様である有機金属錯体である。なお、スキーム(S-4)において、Xはハロゲン原子を表し、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換または無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基または電子吸引基を表し、Arは置換または無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
ただし、本発明の有機金属錯体の合成法は、スキーム(S-3)及び(S-4)のみに限定されるものではない。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体を有する発光素子について、図1を用いて以下に説明する。
<発光素子の構成例1>
まず、本発明の一態様の発光素子の構成について、図1(A)(B)(C)を用いて、以下説明する。
図1(A)は、本発明の一態様の発光素子150の断面模式図である。
発光素子150は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層140を有する。
また、図1(A)に示すEL層100は、発光層140の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119等の機能層を有する。
なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101を陽極として、電極102を陰極として説明するが、発光素子150の構成としては、その限りではない。つまり、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層140と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番とすればよい。
なお、EL層100の構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119の中から選ばれた少なくとも一つを有する構成とすればよい。あるいは、EL層100は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、ことができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
発光素子150はEL層100のいずれかの層に本発明の一態様に係る有機金属錯体が含まれていればよい。なお、該有機金属錯体は良好な量子収率を有する。そのため、発光層140のゲスト材料として用いることによって、発光効率が良好な発光素子を得ることができる。
図1(B)は、図1(A)に示す発光層140の一例を示す断面模式図である。図1(B)に示す発光層140は、ホスト材料141と、ゲスト材料142と、を有する。また、ホスト材料141は、単独の有機化合物で構成されていても良いが、有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、を有するco-host系でもよい。本発明の一態様の有機金属錯体は、ゲスト材料142として好適に用いることができる。
また、ゲスト材料142としては、発光性の有機材料を用いればよく、該発光性の有機材料としては、蛍光を発することができる材料(以下、蛍光材料という)や、燐光を発することができる材料(以下、燐光材料ともいう)があげられるが、発光効率が高いため燐光材料が好ましい。そのため、本発明の一態様の有機金属錯体を好適に用いることができる。以下の説明においては、ゲスト材料142として、燐光材料を用いる構成について説明する。なお、ゲスト材料142を燐光材料として読み替えてもよい。
図1(B)に示すような、発光層に有機化合物141_1及び有機化合物141_2のように2種のホスト材料を用いる場合(co-host系)、一般的には、2種のホスト材料には、電子輸送性の材料と正孔輸送性の材料が1種類ずつ用いられる。このような構成は、正孔輸送層112と発光層140の間の正孔注入障壁と、電子輸送層118と発光層140の間の電子注入障壁が小さくなるため、駆動電圧を低減することができるため好ましい構成である。
<発光素子の発光機構>
次に、発光層140の発光機構について、以下説明を行う。
発光層140におけるホスト材料141が有する有機化合物141_1および有機化合物141_2は、励起錯体(エキサイプレックス、エキシプレックスまたはExciplexともいう)を形成しても構わない。以下、有機化合物141_1および有機化合物141_2が、励起錯体を形成する場合について説明する。
発光層140における有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、ゲスト材料142とのエネルギー準位の相関を図1(C)に示す。なお、図1(C)における表記及び符号は、以下の通りである。なお、以下では、有機化合物141_1を電子輸送性の材料、有機化合物141_2を正孔輸送性の材料として説明する。
・Host(141_1):有機化合物141_1(ホスト材料)
・Host(141_2):有機化合物141_2(ホスト材料)
・Guest(142):ゲスト材料142(燐光性化合物)
・SPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のS1準位
・TPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のT1準位
・SPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のS1準位
・TPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のT1準位
・SPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のS1準位
・TPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位
・SPE:励起錯体のS1準位
・TPE:励起錯体のT1準位
有機化合物141_1と有機化合物141_2とは励起錯体を形成し、該励起錯体のS1準位(SPE)とT1準位(TPE)は互いに隣接するエネルギー準位となる(図1(C) ルートE1参照)。
有機化合物141_1が電子を、有機化合物141_2がホールを受け取ることで速やかに励起錯体を形成する。あるいは、一方が励起状態となると、速やかに他方と相互作用することで励起錯体を形成する。したがって、発光層140における励起子のほとんどが励起錯体として存在する。励起錯体の励起エネルギー準位(SPEまたはTPE)は、励起錯体を形成するホスト材料(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のS1準位(SPH1及びSPH2)より低くなるため、より低い励起エネルギーでホスト材料141の励起状態を形成することが可能となる。これによって、発光素子の駆動電圧を下げることができる。なお、有機化合物141_1がホールを、有機化合物141_2は、が電子を受け取ることで励起錯体を形成しても構わない。
そして、励起錯体の(SPE)と(TPE)の双方のエネルギーを、ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位へ移動させて発光が得られる(図1(C) ルートE2、E3参照)。
なお、励起錯体のT1準位(TPE)は、ゲスト材料142のT1準位(TPG)より大きいことが好ましい。そうすることで、生成した励起錯体の一重項励起エネルギーおよび三重項励起エネルギーを、励起錯体のS1準位(SPE)およびT1準位(TPE)からゲスト材料142のT1準位(TPG)へエネルギー移動することができる。
また、励起錯体からゲスト材料142へ効率よく励起エネルギーを移動させるためには、励起錯体のT1準位(TPE)が、励起錯体を形成する各有機化合物(有機化合物141_1および有機化合物141_2)のT1準位(TPH1およびTPH2)と同等か、より小さいことが好ましい。これにより、各有機化合物(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)による励起錯体の三重項励起エネルギーのクエンチが生じにくくなり、効率よく励起錯体からゲスト材料142へエネルギー移動が発生する。
また、有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせが、正孔輸送性を有する化合物と電子輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔輸送性を有する化合物:電子輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
なお、上記に示すルートE2、E3の過程を、本明細書等においてExTET(Exciplex-Triplet Energy Transfer)と呼称する場合がある。別言すると、発光層140は、励起錯体からゲスト材料142への励起エネルギーの供与がある。なお、この場合は必ずしもTPEからSPEへの逆項間交差効率が高い必要はなく、SPEからの発光量子収率が高い必要もないため、材料を幅広く選択することが可能となる。また、ExTETを利用することで、発光効率が良好で、駆動電圧が低減された、信頼性が良好な発光素子を得ることができる。
有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせは、励起錯体を形成することが可能な組み合わせであればよいが、一方が他方のHOMO準位より低いHOMO準位を有し、且つ、他方のLUMO準位より低いLUMO準位を有することが好ましい。
<材料>
次に、本発明の一態様に係る発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
発光層140中では、ホスト材料141が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料142は、ホスト材料141中に分散される。ゲスト材料142が燐光性化合物の場合、発光層140のホスト材料141(有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のT1準位は、発光層140のゲスト材料(ゲスト材料142)のT1準位よりも高いことが好ましい。
有機化合物141_1としては、含窒素六員複素芳香環骨格を有する化合物であると好ましい。具体例としては、ピリジン骨格、ジアジン骨格(ピラジン骨格、ピリミジン骨格、及びピリダジン骨格)、及びトリアジン骨格を有する化合物が挙げられる。これらの塩基性を有する含窒素複素芳香環骨格を有する化合物としては、例えば、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、プリン誘導体などの化合物が挙げられる。また、有機化合物141_1としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料(電子輸送性材料)を用いることができ、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。
具体的には、例えば、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などのピリジン骨格を有する複素芳香環化合物や、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq-II)、2-[3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq-II)、2-[3’-(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2-[4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq-III)、7-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq-II)、及び、6-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq-II)、(2-[3-(3,9’-ビ-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:2mCzCzPDBq)、4,6-ビス[3-(フェナントレン-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6-ビス[3-(4-ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm-II)、4,6-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素芳香環化合物や、2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PCCzPTzn)、9-[3-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル]-9’-フェニル-2,3’-ビ-9H-カルバゾール(略称:mPCCzPTzn-02)などのトリアジン骨格を有する複素芳香環化合物や、3,5-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5-トリ[3-(3-ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素芳香環化合物も用いることができる。上述した複素芳香環化合物の中でも、トリアジン骨格、ジアジン(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、またはピリジン骨格を有する複素芳香環化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素芳香環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。また、ポリ(2,5-ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
有機化合物141_2としては、含窒素五員複素芳香環骨格または3級アミン骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、ピロール骨格または芳香族アミン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体などが挙げられる。また、含窒素五員複素芳香環骨格としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテトラゾール骨格が挙げられる。また、有機化合物141_2としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料(正孔輸送性材料)を用いることができ、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
これら正孔輸送性の高い材料として、具体的には、芳香族アミン化合物としては、N,N’-ジ(p-トリル)-N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3-[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-(1-ナフチル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5-トリス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、1,4-ビス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]-2,3,5,6-テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、N,N-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:CzA1PA)、4-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、N,9-ジフェニル-N-{4-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]フェニル}-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPBA)、N,9-ジフェニル-N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPA)、9-フェニル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:PCzPA)、3,6-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:DPCzPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,10,15-テトラアミン(略称:DBC1)等を用いることができる。
また、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
さらに、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα-NPD)やN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’-トリス(カルバゾール-9-イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’-トリス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’-TNATA)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-N-{9,9-ジメチル-2-[N’-フェニル-N’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミノ]-9H-フルオレン-7-イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N-(9,9-ジメチル-2-ジフェニルアミノ-9H-フルオレン-7-イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2-[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:DPASF)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4-フェニルジフェニル-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’-ビス(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N,N’-ジフェニルベンゼン-1,3-ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’-トリフェニル-N,N’,N’’-トリス(9-フェニルカルバゾール-3-イル)ベンゼン-1,3,5-トリアミン(略称:PCA3B)、N-(4-ビフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9-フェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCBiF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)、9,9-ジメチル-N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-アミン(略称:PCBASF)、2-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-(4-フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’-ビス[4-(カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニル-9,9-ジメチルフルオレン-2,7-ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3-[4-(1-ナフチル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPN)、3-[4-(9-フェナントリル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)-ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)等のアミン化合物、カルバゾール化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
また、有機化合物141_2としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテトラゾール骨格等の含窒素五員複素芳香環骨格を有する化合物を用いることができる。具体的には、例えば、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、9-[4-(4,5-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm-II)等を用いることができる。
また、発光層140において、ゲスト材料142としては本発明の一態様の有機金属錯体を好適に用いることができる。本発明の一態様の有機金属錯体は量子収率が高いため、発光効率が良好な発光素子を得ることができる。また、後述する発光素子250のように複数の発光ユニットを有する発光素子の場合、一つの発光ユニットの発光層には本発明の一態様の有機化合物を用いることが好ましい。他の発光ユニットに用いるゲスト材料には特に限定はないが、蛍光性化合物としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の物質を用いることができる。
具体的には、5,6-ビス[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6-ビス[4’-(10-フェニル-9-アントリル)ビフェニル-4-イル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-N,N’-ビス(4-tert-ブチルフェニル)ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6tBu-FLPAPrn)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-3,8-ジシクロヘキシルピレン-1,6-ジアミン(略称:ch-1,6FLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニルスチルベン-4,4’-ジアミン(略称:YGA2S)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4-(10-フェニル-9-アントリル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’-(2-tert-ブチルアントラセン-9,10-ジイルジ-4,1-フェニレン)ビス[N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPPA)、N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,10,15-テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCABPhA)、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-フェニルアントラセン-2-アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9-トリフェニルアントラセン-9-アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’-ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8-ジ-tert-ブチル-5,11-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-6,12-ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-6,11-ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2-(2-{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-6-メチル-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2-{2-メチル-6-[2-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)テトラセン-5,11-ジアミン(略称:p-mPhTD)、7,14-ジフェニル-N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)アセナフト[1,2-a]フルオランテン-3,10-ジアミン(略称:p-mPhAFD)、2-{2-イソプロピル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2-{2-tert-ブチル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2-(2,6-ビス{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2-{2,6-ビス[2-(8-メトキシ-1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20-テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3-cd:1’,2’,3’-lm]ペリレン、などが挙げられる。
ゲスト材料として用いることができる燐光性化合物としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H-トリアゾール配位子、1H-トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2-[5-(2-メチルフェニル)-4-(2,6-ジメチルフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-κN2]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz-dmp)3])、トリス(5-メチル-3,4-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz)3])、トリス[4-(3-ビフェニル)-5-イソプロピル-3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrptz-3b)3])、トリス[3-(5-ビフェニル)-5-イソプロピル-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPr5btz)3])、のような4H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3-メチル-1-(2-メチルフェニル)-5-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz1-mp)3])、トリス(1-メチル-5-フェニル-3-プロピル-1H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Prptz1-Me)3])のような1H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac-トリス[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-フェニル-1H-イミダゾール]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrpmi)3])、トリス[3-(2,6-ジメチルフェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dmpimpt-Me)3])のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1-ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2-[3’,5’-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:[Ir(CF3ppy)2(pic)])、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[FIr(acac)])のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H-トリアゾール骨格、1H-トリアゾール骨格およびイミダゾール骨格のような含窒素五員複素芳香環骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギーを有し、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4-メチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)3])、トリス(4-t-ブチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)3])、(アセチルアセトナト)ビス(6-メチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(6-tert-ブチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[4-(2-ノルボルニル)-6-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(nbppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[5-メチル-6-(2-メチルフェニル)-4-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpmppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス{4,6-ジメチル-2-[6-(2,6-ジメチルフェニル)-4-ピリミジニル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm-dmp)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6-ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)2(acac)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5-ジメチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr-Me)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5-イソプロピル-3-メチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr-iPr)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)3])、ビス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)2(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)2(acac)])、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)3])、トリス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)3])、ビス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(pq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4-ジフェニル-1,3-オキサゾラト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(dpo)2(acac)])、ビス{2-[4’-(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(p-PF-ph)2(acac)])、ビス(2-フェニルベンゾチアゾラト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bt)2(acac)])など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:[Tb(acac)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dibm)])、ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dpm)])、ビス[4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(d1npm)2(dpm)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(acac)])、ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3-ビス(4-フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(piq)3])、ビス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリン白金(II)(略称:[PtOEP])のような白金錯体や、トリス(1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)3(Phen)])、トリス[1-(2-テノイル)-3,3,3-トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
ベンゾフロピリジン骨格またはベンゾチエノピリジン骨格を有する有機化合物は高いT1準位を有するため、三重項励起エネルギーを発光に変換できる物質を発光材料とする発光層のホスト材料として好適に用いることができる。したがって、発光層140に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料であれば好ましい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、上述の燐光性化合物の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光材料と読み替えても構わない。なお、熱活性化遅延蛍光材料とは、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する材料である。そのため、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位のエネルギー差が好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル-フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III-4Me))、オクタエチルポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン-塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光材料としては、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素芳香環化合物も用いることができる。具体的には、2-(ビフェニル-4-イル)-4,6-ビス(12-フェニルインドロ[2,3-a]カルバゾール-11-イル)-1,3,5-トリアジン(略称:PIC-TRZ)、2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2-[4-(10H-フェノキサジン-10-イル)フェニル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PXZ-TRZ)、3-[4-(5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン-10-イル)フェニル]-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリアゾール(略称:PPZ-3TPT)、3-(9,9-ジメチル-9H-アクリジン-10-イル)-9H-キサンテン-9-オン(略称:ACRXTN)、ビス[4-(9,9-ジメチル-9,10-ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC-DPS)、10-フェニル-10H,10’H-スピロ[アクリジン-9,9’-アントラセン]-10’-オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素芳香環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香環を有する骨格のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、チオフェン骨格、フラン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び3-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起状態のエネルギー準位と三重項励起状態のエネルギー準位との差が小さくなるため、特に好ましい。
また、発光層140において、ホスト材料141およびゲスト材料142以外の材料を有していても良い。
発光層140に用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12-ジメトキシ-5,11-ジフェニルクリセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、9,9’-ビアントリル(略称:BANT)、9,9’-(スチルベン-3,3’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’-(スチルベン-4,4’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5-トリ(1-ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを挙げることができる。また、これら及び公知の物質の中から、上記ゲスト材料142の励起エネルギー準位より高い一重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
また、例えば、オキサジアゾール誘導体等の複素芳香環骨格を有する化合物を発光層140に用いることができる。具体的には、例えば、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香環化合物が挙げられる。
また、複素芳香環を有する金属錯体(例えば亜鉛及びアルミニウム系金属錯体)などを発光層140に用いることができる。例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。
なお、発光層140は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層140とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。また、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。2層の発光層に、互いに異なる色の発光を呈する機能を有する発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に、2層の発光層が呈する発光により、白色になるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
なお、発光層140は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有してもよい。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F4-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT-CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、発光層140に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
また、正孔輸送性材料として他には芳香族炭化水素が挙げられ、例えば、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス(4-フェニルフェニル)アントラセン(略称:t-BuDBA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuAnth)、9,10-ビス(4-メチル-1-ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,9’-ビアントリル、10,10’-ジフェニル-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス(2-フェニルフェニル)-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス[(2,3,4,5,6-ペンタフェニル)フェニル]-9,9’-ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェン-4-イル)-ベンゼン(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)、4-[3-(トリフェニレン-2-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp-II)等のチオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に注入された正孔を発光層140へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111のHOMO準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電極102)から注入された電子を発光層140へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香環化合物のようなπ電子不足型複素芳香環化合物や金属錯体などを用いることができる。他の具体例としては、発光層140に用いることができる電子輸送性材料として挙げたピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
また、複素芳香環を有する金属錯体が挙げられ、例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。具体的には、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。
また、電子輸送層118と発光層140との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、電子輸送性材料の電子輸送性が正孔輸送性材料の正孔輸送性と比べて著しく高い場合に発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
≪電子注入層≫
電子注入層119と電極102の界面における電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香環化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
≪量子ドット≫
量子ドットは、数nmから数十nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×103個から1×106個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なる。そのため、用いる量子ドットのサイズを変更することによって、容易に発光波長を変更することができる。
また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言われており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、燐光発光を呈する有機化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機材料である量子ドットは、その本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
量子ドットを構成する材料としては、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物、およびこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア-シェル型、コア-マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア-シェル型やコア-マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn-オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn-ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n-ヘキシル)アミン、トリ(n-オクチル)アミン、トリ(n-デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるように、そのサイズを適宜調整する。結晶のサイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へシフトするため、量子ドットのサイズを変更させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調整することができる。量子ドットのサイズ(直径)は、0.5nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至10nmの範囲のものが通常良く用いられる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、より発光スペクトルが狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。なお、棒状の量子ドットである量子ロッドは、指向性を有する光を呈する機能を有するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
ところで、有機EL素子では多くの場合、発光材料をホスト材料に分散し、発光材料の濃度消光を抑制することによって発光効率を高めている。ホスト材料は発光材料以上の一重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する材料であることが必要である。特に、青色燐光材料を発光材料に用いる場合、それ以上の三重項励起エネルギー準位を有し、且つ、寿命の観点で優れたホスト材料が必要であり、その開発は困難を極めている。ここで、量子ドットは、ホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成しても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア-シェル構造(コア-マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至100nmとし、発光層中の量子ドットの含有率は1乃至100体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、当該量子ドットを発光材料としてホストに分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解または分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。燐光性の発光材料を用いた発光層については、上記ウェットプロセスの他、真空蒸着法も好適に利用することができる。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)、またはAgとN(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101または電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム-酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム-錫酸化物、インジウム-チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、またはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属薄膜も用いることができ、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の波長の光を共振させ、所望の波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本明細書等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、実施の形態3に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子、について、図2を用いて、以下説明を行う。なお、図2において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例2>
図2は、発光素子250の断面模式図である。
図2に示す発光素子250は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に、複数の発光ユニット(発光ユニット106及び発光ユニット108)を有する。複数の発光ユニットのうちいずれか一つの発光ユニットは、図1(A)に示した、EL層100と同様な構成を有すると好ましい。つまり、図1(A)で示した発光素子150は、1つの発光ユニットを有し、発光素子250は、複数の発光ユニットを有すると好ましい。なお、発光素子250において、電極101が陽極として機能し、電極102が陰極として機能するとして、以下説明するが、発光素子250の構成としては、逆であっても構わない。
また、図2に示す発光素子250において、発光ユニット106と発光ユニット108とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット108との間には電荷発生層115が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット108は、同じ構成でも異なる構成でもよい。例えば、発光ユニット108に、EL層100と同様な構成を用いると好ましい。
また、発光素子250は、発光層120と、発光層170と、を有する。また、発光ユニット106は、発光層170の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット108は、発光層120の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
発光素子250は発光ユニット106及び発光ユニット108が有するいずれかの層に本発明の一態様に係る有機金属錯体が含まれていればよい。なお、該有機化合物が含まれる層として好ましくは発光層120または発光層170である。
電荷発生層115は、正孔輸送材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層115に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態3に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10-6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であっても良い。あるいは、発光ユニットの陰極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの電子注入層または電子輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには電子注入層または電子輸送層を設けない構成であっても良い。
なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、電極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図2において、電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注入する。
なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図2においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子250に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
なお、上記各構成において、発光ユニット106及び発光ユニット108、に用いるゲスト材料が呈する発光色としては、互いに同じであっても異なっていてもよい。発光ユニット106及び発光ユニット108、で互いに同じ色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。また、発光ユニット106及び発光ユニット108、で互いに異なる色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。この場合、発光層120及び発光層170のいずれか一方もしくは双方、に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、発光素子250が呈する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層120及び発光層170、の光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるようゲスト材料を選択することが好適である。
また、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子の場合、それぞれの発光ユニットに用いるゲスト材料が呈する発光色は、互いに同じであっても異なっていてもよい。同色の発光を呈する発光ユニットを複数有する場合、この複数の発光ユニットは、少ない電流値で高い強度の光を発することができる。このような構成は、発光色の調整に好適に用いることができる。特に、発光効率が異なり且つ、異なる発光色を呈するゲスト材料を用いる場合に好適である。例えば、3層の発光ユニットを有する場合、同色の蛍光材料を有する発光ユニットを2層、該蛍光材料とは異なる発光色を呈する燐光材料を有する発光ユニットを1層とすることで、蛍光発光と燐光発光の発光強度を調整することができる。すなわち、発光ユニットの数によって発光色の強度を調整可能である。
このような蛍光発光ユニットを2層、燐光発光ユニットを1層有する発光素子の場合、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び黄色燐光材料を含む発光ユニットを1層含有する発光素子、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び、赤燐光材料及び緑燐光材料を含む発光層ユニットを1層有する発光素子または、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び赤燐光材料、黄色燐光材料及び緑燐光材料を含む発光層ユニットを1層有する発光素子、であると効率良く白色発光が得られるため好ましい。
また、発光層120または発光層170の少なくとも一つを層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。すなわち、発光層120、または発光層170の少なくとも一つが2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する材料を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する材料を用いる構成などがある。この場合、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料あっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。互いに異なる色の発光を呈する機能を有する複数の発光材料を有する構成により、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。
また、発光ユニット108の発光層が燐光性化合物を有すると好適である。なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、本発明の一態様に係る有機金属錯体を適用することによって、発光効率、信頼性が良好な発光素子を提供することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置について、図3(A)及び図3(B)を用いて説明する。
図3(A)は、発光装置を示す上面図、図3(B)は図3(A)をA-BおよびC-Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態を含むものとする。
次に、上記発光装置の断面構造について図3(B)を用いて説明する。素子基板610上に駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は種々のCMOS回路、PMOS回路、NMOS回路で形成しても良い。また本実施の形では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と電流制御用612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆うように絶縁物614が形成されている。絶縁物614は、ポジ型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、絶縁物614上に形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料として感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲面をもたせることが好ましい。該曲面の曲率半径は0.2μm以上0.3μm以下が好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型、ポジ型、いずれの感光材料も使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617により、発光素子618が形成されている。発光素子618は実施の形態3及び実施の形態4の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態3及び実施の形態4で説明した構成を有する発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、樹脂若しくは乾燥材又はその両方で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
<発光装置の構成例1>
図4には表示装置の一例として、白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層(カラーフィルタ)を形成した発光装置の例を示す。
図4(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1026、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図4(A)、図4(B)には着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図4(A)においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図4(B)では赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。図4(B)に示すように着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられても良い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。
<発光装置の構成例2>
トップエミッション型の発光装置の断面図を図5に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜1021と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の第1の下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図5のようなトップエミッション型の発光装置である場合、下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bは反射電極とすることが好ましい。なお、第2の電極1029は光を反射する機能と、光を透過する機能を有すると好ましい。また、第2の電極1029と下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bとの間でマイクロキャビティ構造を適用し特定波長の光を増幅する機能を有すると好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態3及び実施の形態4で説明したような構成とし、白色の発光が得られるような素子構造とする。
図4(A)、図4(B)、図5において、白色の発光が得られるEL層の構成としては、発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい。なお、白色発光を得る構成はこれらに限られない。
図5のようなトップエミッション構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)1030を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)1030はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いる。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
本発明の一態様は有機ELを用いた発光素子であるため、平面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、本発明の一態様により、曲面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、該電子機器に本発明の一態様の有機化合物を用いることで、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
図6(A)、(B)に示す携帯情報端末900は、筐体901、筐体902、表示部903、及びヒンジ部905等を有する。
筐体901と筐体902は、ヒンジ部905で連結されている。携帯情報端末900は、折り畳んだ状態(図6(A))から、図6(B)に示すように展開させることができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
携帯情報端末900には、ヒンジ部905により連結された筐体901と筐体902に亘って、フレキシブルな表示部903が設けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部903に用いることができる。これにより、高信頼性を有する携帯情報端末を作製することができる。
表示部903は、文書情報、静止画像、及び動画像等のうち少なくとも一つを表示することができる。表示部に文書情報を表示させる場合、携帯情報端末900を電子書籍端末として用いることができる。
携帯情報端末900を展開すると、表示部903が曲率半径が大きい状態で保持される。例えば、曲率半径1mm以上50mm以下、好ましくは5mm以上30mm以下に湾曲した部分を含んで、表示部903が保持される。表示部903の一部は、筐体901から筐体902にかけて、連続的に画素が配置され、曲面状の表示を行うことができる。
表示部903は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作することができる。
表示部903は、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい。これにより、筐体901と筐体902の間で途切れることのない連続した表示を行うことができる。なお、筐体901と筐体902のそれぞれに、ディスプレイが設けられる構成としてもよい。
ヒンジ部905は、携帯情報端末900を展開したときに、筐体901と筐体902との角度が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満であることが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、150度、または175度などとすることができる。これにより、携帯情報端末900の利便性、安全性、及び信頼性を高めることができる。
ヒンジ部905がロック機構を有すると、表示部903に無理な力がかかることなく、表示部903が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高い携帯情報端末を実現できる。
筐体901及び筐体902は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
筐体901または筐体902のいずれか一方には、無線通信モジュールが設けられ、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である。
図6(C)に示す携帯情報端末910は、筐体911、表示部912、操作ボタン913、外部接続ポート914、スピーカ915、マイク916、カメラ917等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部912に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
携帯情報端末910は、表示部912にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部912に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン913の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部912に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末910の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末910の向き(縦か横か)を判断して、表示部912の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部912に触れること、操作ボタン913の操作、またはマイク916を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末910は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末910は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図6(D)に示すカメラ920は、筐体921、表示部922、操作ボタン923、シャッターボタン924等を有する。またカメラ920には、着脱可能なレンズ926が取り付けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部922に用いることができる。これにより、高信頼性を有するカメラを作製することができる。
ここではカメラ920を、レンズ926を筐体921から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ926と筐体921とが一体となっていてもよい。
カメラ920は、シャッターボタン924を押すことにより、静止画または動画を撮像することができる。また、表示部922はタッチパネルとしての機能を有し、表示部922をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ920は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体921に組み込まれていてもよい。
図7(A)は腕時計型の携帯情報端末9200を、図7(B)は腕時計型の携帯情報端末9201を、それぞれ示す斜視図である。
図7(A)に示す携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図7(B)に示す携帯情報端末9201は、図7(A)に示す携帯情報端末と異なり、表示部9001の表示面が湾曲していない。また、携帯情報端末9201の表示部の外形が非矩形状(図7(B)においては円形状)である。
図7(C)から(E)は、折り畳み可能な携帯情報端末9202を示す斜視図である。なお、図7(C)が携帯情報端末9202を展開した状態の斜視図であり、図7(D)が携帯情報端末9202を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図7(E)が携帯情報端末9202を折り畳んだ状態の斜視図である。
携帯情報端末9202は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9202が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9202を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9202は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
図8(A)は、掃除ロボットの一例を示す模式図である。
掃除ロボット5100は、上面に配置されたディスプレイ5101、側面に配置された複数のカメラ5102、ブラシ5103、操作ボタン5104を有する。また図示されていないが、掃除ロボット5100の下面には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット5100は、その他に赤外線センサ、超音波センサ、加速度センサ、ピエゾセンサ、光センサ、ジャイロセンサなどの各種センサを備えている。また、掃除ロボット5100は、無線による通信手段を備えている。
掃除ロボット5100は自走し、ゴミ5120を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
また、掃除ロボット5100はカメラ5102が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ5103に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ5103の回転を止めることができる。
ディスプレイ5101には、バッテリーの残量や、吸引したゴミの量などを表示することができる。掃除ロボット5100が走行した経路をディスプレイ5101に表示させてもよい。また、ディスプレイ5101をタッチパネルとし、操作ボタン5104をディスプレイ5101に設けてもよい。
掃除ロボット5100は、スマートフォンなどの携帯電子機器5140と通信することができる。カメラ5102が撮影した画像は、携帯電子機器5140に表示させることができる。そのため、掃除ロボット5100の持ち主は、外出先からでも、部屋の様子を知ることができる。また、ディスプレイ5101の表示をスマートフォンなどの携帯電子機器で確認することもできる。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ5101に用いることができる。
図8(B)に示すロボット2100は、演算装置2110、照度センサ2101、マイクロフォン2102、上部カメラ2103、スピーカ2104、ディスプレイ2105、下部カメラ2106および障害物センサ2107、移動機構2108を備える。
マイクロフォン2102は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ2104は、音声を発する機能を有する。ロボット2100は、マイクロフォン2102およびスピーカ2104を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
ディスプレイ2105は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット2100は、使用者の望みの情報をディスプレイ2105に表示することが可能である。ディスプレイ2105は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、ディスプレイ2105は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット2100の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
上部カメラ2103および下部カメラ2106は、ロボット2100の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ2107は、移動機構2108を用いてロボット2100が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット2100は、上部カメラ2103、下部カメラ2106および障害物センサ2107を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ2105に用いることができる。
図8(C)はゴーグル型ディスプレイの一例を表す図である。
ゴーグル型ディスプレイは、例えば、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、第2の表示部5002、支持部5012、イヤホン5013等を有する。
本発明の一態様の発光装置は表示部5001および第2の表示部5002に用いることができる。
また、図9(A)、(B)に、折りたたみ可能な携帯情報端末5150を示す。折りたたみ可能な携帯情報端末5150は筐体5151、表示領域5152および屈曲部5153を有している。図9(A)に展開した状態の携帯情報端末5150を示す。図9(B)に折りたたんだ状態の携帯情報端末5150を示す。携帯情報端末5150は、大きな表示領域5152を有するにも関わらず、折りたためばコンパクトで可搬性に優れる。
表示領域5152は屈曲部5153により半分に折りたたむことができる。屈曲部5153は伸縮可能な部材と複数の支持部材とで構成されており、折りたたむ場合は、伸縮可能な部材が伸びて、屈曲部5153は2mm以上、好ましくは5mm以上の曲率半径を有して折りたたまれる。
なお、表示領域5152は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。本発明の一態様の発光装置を表示領域5152に用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置に適用する一例について、図10及び図11を用いて説明する。本発明の一態様である発光素子を用いることで、発光効率が良好な、信頼性の高い照明装置を作製できる。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図10(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図10(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
なお、図10(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図7(A)から図7(C)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3504に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図10(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光素子を照明3608に用いることができる。
ライト3600は、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600の発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよい。
ライト3600は、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図11は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、実施の形態1で構造式(100)として示した本発明の有機金属錯体の一態様である、トリス{2-[1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBup)3])の合成方法について説明する
<ステップ1;2,6-ジイソブチルアニリンの合成>
2,6-ジクロロアニリン100g(617mmol)、イソブチルボロン酸230g(2256mmol)、リン酸三カリウム479g(2256mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(S-phos)10g(24.7mmol)、トルエン3000mLを5000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)11g(11.5mmol)を加え、窒素気流下、120℃で12時間攪拌した。所定時間経過後、得られた反応溶液を吸引ろ過した。得られたろ液をトルエンにより抽出することで精製した。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:トルエン=15:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である黒色油状物を79g、収率62%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A-1)に示す。
<ステップ2;2-ニトロナフタレン-1-トリフルオロメタンスルホナートの合成>
2-ニトロ-1-ナフトール35g(182mmol)、脱水ジクロロメタン500mL、トリエチルアミン51mL(365mmol)を1000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、0℃に冷却した。ここで、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(略称:Tf2O)40mL(243mmol)を滴下し、0℃で1時間撹拌し、室温で20時間撹拌した。所定時間経過後、得られた混合物に水300mL、1M塩酸30mLを加えた。その後、この混合物をジクロロメタンによる抽出を行うことで精製した。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:ジクロロメタン=5:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である黄色油状物を47g、収率80%で得た。ステップ2の合成スキームを下記式(A-2)に示す。
<ステップ3;N-(2,6-ジイソブチルフェニル)-2-ニトロ-1-ナフタレンアミンの合成>
ステップ1で合成した2,6-ジイソブチルアニリン30g(146mmol)、ステップ2で合成した2-ニトロナフタレン-1-トリフルオロメタンスルホナート47g(146mmol)、炭酸セシウム81g(248mmol)、トルエン750mLを2000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後S-phos4.8g(11.7mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)2.7g(2.9mmol)を加え、窒素気流下、130℃で28時間攪拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物をトルエンを用いた抽出により精製した。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=15:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、黄色油状物を13g、収率23%で得た。ステップ3の合成スキームを下記式(A-3)に示す。
<ステップ4;N-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1,2-ナフタレンジアミンの合成>
ステップ3で合成したN-(2,6-ジイソブチルフェニル)-2-ニトロ-1-ナフタレンアミン13g(34mmol)、水6.1mL(0.34mol)、エタノール400mLを1000mL三口フラスコに入れ、撹拌した。この混合物に塩化スズ(II)32g(0.17mol)を加え、窒素気流下、80℃で5時間撹拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液500mLに注ぎ、2時間室温で撹拌した。析出した沈殿物を吸引ろ過し、クロロホルムで洗浄し、ろ液を得た。得られたろ液をクロロホルムを用いた抽出により精製した。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=15:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である黒色油状物を9.5g、収率81%で得た。ステップ4の合成スキームを下記式(A-4)に示す。
<ステップ5;1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-2-フェニル-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール(略称:Hpni-diBup)の合成>
ステップ4で合成したN-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1,2-ナフタレンジアミン9.5g(27mmol)、アセトニトリル100mL、ベンズアルデヒド2.9g(27mmol)を300mLナスフラスコに入れ、100℃で6時間撹拌した。この混合物に塩化鉄(III)0.044g(0.274mmol)を加え、100℃で16時間撹拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物を酢酸エチルによる抽出を行い、得られた油状物にトルエン100mL、酸化マンガン(IV)10gを300mLナスフラスコに入れ、130℃で7時間攪拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物をセライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:537-02305)/フロリジール(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:066-05265)/酸化アルミニウムを通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮し、油状物を得た。得られた油状物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である白色固体を7.9g、収率66%で得た。ステップ5の合成スキームを下記式(A-5)に示す。
<ステップ6;ジ-μ-クロロ-テトラキス{2-[1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBup)2Cl]2)の合成>
ステップ5で合成した1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-2-フェニル-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール(略称:Hpni-diBup)3.3g(7.7mmol)、塩化イリジウム一水和物1.6g(3.7mmol)、2-エトキシエタノール30mL、水10mLを100mL丸底フラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz、100W)を2時間照射することで、反応させた。反応後、反応溶液を吸引ろ過し、目的物である黄色固体を2.8g、収率69%で得た。ステップ6の合成スキームを下記式(A-6)に示す。
<ステップ7;トリス{2-[1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBup)3])の合成>
ステップ6の方法で合成したジ-μ-クロロ-テトラキス{2-[1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBup)2Cl]2)2.0g(0.92mmol)、ジクロロメタン150mLを、500mL三口フラスコに入れ、窒素気流下で撹拌した。この混合溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀0.72g(2.8mmol)とメタノール150mLの混合溶液を滴下し、暗所下で3日間撹拌した。所定時間反応後、反応混合物をセライトに通し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、黄色固体を2.7g得た。得られた固体2.7g、エタノール50mL、ステップ5の方法で合成した1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-2-フェニル-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール(略称:Hpni-diBup)1.6g(3.7mmol)を500mLナスフラスコに入れ、窒素気流下で20時間加熱還流した。所定時間反応後、反応混合物を吸引ろ過し、固体を得た。得られた固体をジクロロメタンに溶かし、セライト/中性シリカ/セライトを通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮して、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ジクロロメタン:ヘキサン=1:3を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、固体を1.1g、収率40%で得た。合成スキームを下記式(A-7)に示す。
得られた固体1.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は圧力2.6Pa、アルゴン流量10.5mL/minの条件で、得られた固体を340℃で41時間加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.93g、回収率88%で得た。
上記で得られた黄色固体のプロトンNMR(1H-NMR)測定を行った。以下に得られた値を示す。また、1H-NMRチャートを図12に示す。図12より、本発明の一態様の有機金属錯体である、[Ir(pni-diBup)3]が得られたことがわかった。
1H-NMR.δ(CD2Cl2):0.15(d,9H),0.39-0.42(m,18H),0.59(d,9H),1.27-1.35(m,3H),1.78-1.86(m,3H),1.93-2.02(m,6H),2.33(d,6H),6.35-6.40(m,6H),6.56-6.61(m,6H),7.04-7.07(m,6H),7.16(t,3H),7.25(d,3H),7.30(t,3H),7.40(d,3H),7.48(d,3H),7.63(t,3H),7.73(d,3H).
続いて、[Ir(pni-diBup)3]溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、[Ir(pni-diBup)3]のジクロロメタン脱酸素溶液(0.0089mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定と発光量子収率の測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347-01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780))にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.0089mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図13に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、図13に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン脱酸素溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図13に示す通り、イリジウム錯体[Ir(pni-diBup)3]は、500、536nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン脱酸素溶液からは緑色の発光が観測された。
また、ジクロロメタン脱酸素溶液での励起波長450nmにおける発光量子収率を測定したところ、98%と非常に高いことがわかった。
本実施例では、実施の形態1で構造式(101)として示した本発明の一態様能の有機金属錯体である、ビス{2-[1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}[2-(4-メチル-5-フェニル-2-ピリジル-κN2)フェニル-κC]イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBup)2(mdppy)])の合成方法について説明する。
<ステップ1;ビス{2-[1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}[2-(4-メチル-5-フェニル-2-ピリジル-κN2)フェニル-κC]イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBup)2(mdppy)])の合成>
ジ-μ-クロロ-テトラキス[2-(4-メチル-5-フェニル-2-ピリジニル-κN)フェニル-κC]ジイリジウム(III)(略称:[Ir(mdppy)2Cl]2)1.3g(0.9mmol)、ジクロロメタン180mLを、500mL三口フラスコに入れ、窒素気流下で撹拌した。この混合溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀0.7g(2.7mmol)とメタノール35mLの混合溶液を滴下し、暗所下で18時間撹拌した。所定時間反応後、反応混合物をセライトに通し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、黄色固体を1.9g得た。得られた黄色固体1.9g、メタノール30mL、エタノール30mL、Hpni-diBup1.6g(3.6mmol)を300mLナスフラスコに入れ、窒素気流下で23時間加熱還流した。所定時間反応後、反応混合物を吸引ろ過し、不溶物を除去後、ろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体に1-ブタノール60mLを加え、窒素気流下で22時間加熱還流した。所定時間反応後、反応混合物を吸引ろ過し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:ジクロロメタン=3:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、目的物である黄色固体を0.20g、収率9%で得た。合成スキームを下記式(B-1)に示す。
得られた固体0.19gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は圧力2.5Pa、アルゴン流量10.3mL/minの条件で、得られた固体を320℃で18時間加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.14g、回収率72%で得た。
上記で得られた黄色固体の1H-NMR測定を行った。以下に得られた値を示す。また、1H-NMRチャートを図14に示す。図14より、本発明の一態様の有機金属錯体である、[Ir(pni-diBup)2(mdppy)]が得られたことがわかった。
1H-NMR.δ(CD2Cl2):0.09-0.15(m,9H),0.29-0.34(m,9H),0.40(t,1H),0.45(d,3H),0.51(d,3H),1.18-1.24(m,1H),1.34-1.49(m,1H),1.70-1.78(m,1H),1.88-2.09(m,6H),2.17-2.25(m,2H),2.51(s,3H),6.30-6.40(m,3H),6.48(t,1H),6.61-6.52(m,3H),6.64-6.69(m,2H),6.74-6.79(m,2H),6.83(t,1H),6.93-7.01(m,3H),7.08(t,1H),7.13-7.25(m,8H),7.34-7.51(m,6H),7.57-7.73(m,4H),7.87(d,1H),7.94(s,1H),8.31(s,1H).
続いて、[Ir(pni-diBup)2(mdppy)]のジクロロメタン脱酸素溶液(0.0073mmol/L)の吸収スペクトル、発光スペクトル及び発光量子収率を測定した。測定は実施例1と同様に行った。吸収スペクトルと発光スペクトルの測定結果を図15に示す。
図15に示す通り、イリジウム錯体[Ir(pni-diBup)2(mdppy)]は、530nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン脱酸素溶液からは緑色の発光が観測された。
また、ジクロロメタン脱酸素溶液(0.0073mmol/L)での励起波長450nmにおける発光量子収率を測定したところ、98%と非常に高いことがわかった。
本実施例では、実施の形態1で構造式(102)として示した本発明の一態様の有機金属錯体である、トリス{2-[1-(4-シアノ-2-イソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-iBuCNp)3])の合成方法について説明する。
<ステップ1;4-アミノ-3-イソブチルベンゾニトリルの合成>
4-アミノ-3-クロロベンゾニトリル75g(492mmol)、イソブチルボロン酸90g(886mmol)、リン酸三カリウム188g(886mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(S-phos)4.0g(9.8mmol)、トルエン2400mLを5000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.5g(4.9mmol)を加え、窒素気流下、120℃で20時間攪拌した。所定時間経過後、得られた反応溶液を吸引ろ過した。得られたろ液をトルエンを用いた抽出により精製した。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である茶色油状物を59g、収率69%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(C-1)に示す。
<ステップ2;3-イソブチル-4-[N-(2-ニトロナフチル)アミノ]ベンゾニトリルの合成>
ステップ1で合成した4-アミノ-3-イソブチルベンゾニトリル30g(170mmol)、2-ニトロナフタレン-1-トリフルオロメタンスルホナート45g(141mmol)、炭酸セシウム78g(240mmol)、トルエン750mLを2000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(S-phos)4.6g(11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)2.6g(2.8mmol)を加え、窒素気流下、130℃で24時間攪拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物をトルエンを用いた抽出により精製した。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=10:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物の黄色油状物を40g、収率82%で得た。ステップ2の合成スキームを下記式(C-2)に示す。
<ステップ3;3-イソブチル-4-[N-(1,2-ナフタレンジアミン)]ベンゾニトリルの合成>
ステップ2で合成した3-イソブチル-4-[N-(2-ニトロナフチル)アミノ]ベンゾニトリル40g(115mmol)、水21mL(1.2mol)、エタノール1350mLを3000mL三口フラスコに入れ、撹拌した。この混合物に塩化スズ(II)109g(0.58mol)を加え、窒素気流下、80℃で6時間撹拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液500mLに注ぎ、2時間室温で撹拌した。析出した沈殿物を吸引ろ過し、クロロホルムで洗浄し、ろ液を得た。得られたろ液をクロロホルムを用いた抽出により精製した。その後、得られた固体にヘキサンを加えて、吸引ろ過をして、白色固体を32g、収率88%で得た。ステップ3の合成スキームを下記式(C-3)に示す。
<ステップ4;1-(4-シアノ-2-イソブチルフェニル)-2-フェニル-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール(略称:Hpni-iBuCNp)の合成>
ステップ3で合成した3-イソブチル-4-[N-(1,2-ナフタレンジアミン)]ベンゾニトリル32g(101mmol)、アセトニトリル400mL、ベンズアルデヒド11g(101mmol)を1000mL三口フラスコに入れ、100℃で6時間撹拌した。この混合物に塩化鉄(III)0.16g(1.0mmol)を加え、100℃で16時間撹拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物を酢酸エチルによる抽出を行った。その後、得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、まずトルエンを用い、次いで、トルエン:酢酸エチル=18:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体に酢酸エチルを加えて、吸引ろ過をして、目的物である白色固体を14g、収率34%で得た。ステップ4の合成スキームを下記式(C-4)に示す。
<ステップ5;トリス{2-[1-(4-シアノ-2-イソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-iBuCNp)3])の合成>
ステップ4の方法で合成した1-(4-シアノ-2-イソブチルフェニル)-2-フェニル-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール3.8g(9.5mmol)、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)0.93g(1.9mmol)を、三方コックを付けた反応容器に入れ、250℃にて40時間加熱した。得られた反応混合物にジクロロメタンを加え、不溶物を取り除いた。得られたろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ジクロロメタンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を0.3g、収率10%で得た。本合成スキームを下記式(C-5)に示す。
上記で得られた黄色固体の質量(MS)を測定した。以下に得られた化合物のESI-MS測定結果を示す。ESI-MS[M+H+]=1394.51(Exact Mass=1393.51)。このことから、上述の構造式(102)で表される本発明の有機金属錯体の一態様である、[Ir(pni-iBuCNp)3])が得られたことがわかった。
続いて、上記で得られた[Ir(pni-iBuCNp)3]のジクロロメタン脱酸素溶液(0.013mmol/L)の吸収スペクトル及び発光スペクトルを測定した。測定は実施例1と同様に行った。吸収スペクトル及び発光スペクトルを図16示す。
図16に示す通り、イリジウム錯体[Ir(pni-iBuCNp)3]は、509、544nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン脱酸素溶液からは緑色の発光が観測された。
本実施例では、実施の形態1で構造式(103)として示した本発明の一態様の有機金属錯体である、トリス{2-[1-(4-シアノ-2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBuCNp)3])の合成方法について説明する。
<ステップ1;4-アミノ-3,5-ジイソブチルベンゾニトリルの合成>
4-アミノ-3,5-ジイソブチルベンゾニトリル58g(310mmol)、イソブチルボロン酸117g(1145mmol)、リン酸三カリウム243g(1145mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(S-phos)6.4g(15.5mmol)、トルエン1500mlを3000mL三口反応容器に入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)5.7g(6.2mmol)を加え、窒素気流下、130℃で12時間攪拌した。得られた反応溶液にトルエンを加えて、セライトを通して吸引ろ過した。得られたろ液をトルエンを用いた抽出により精製した。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物の黄色油状物を69g、収率96%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(D-1)に示す。
<ステップ2;3,5-ジイソブチル-4-[N-(2-ニトロナフチル)アミノ]ベンゾニトリルの合成>
ステップ1で合成した4-アミノ-3,5-ジイソブチルベンゾニトリル28g(121mmol)、2-ニトロナフタレン-1-トリフルオロメタンスルホナート39g(121mmol)、炭酸セシウム67g(205mmol)、トルエン750mLを2000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(S-phos)4.0g(9.7mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)2.2g(2.4mmol)を加え、窒素気流下、130℃で40時間攪拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物をトルエンを用いた抽出により精製した。を。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=10:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である橙色固体を4.5g、収率9%で得たステップ2の合成スキームを下記式(D-2)に示す。
<ステップ3;3,5-ジイソブチル-4-[N-(1,2-ナフタレンジアミン)]ベンゾニトリルの合成>
ステップ2で合成した3,5-ジイソブチル-4-[N-(2-ニトロナフチル)アミノ]ベンゾニトリル4.5g(11mmol)、水2mL(110mmol)、エタノール130mLを500mL三口フラスコに入れ、撹拌した。この混合物に塩化スズ(II)10.4g(55mmol)を加え、窒素気流下、80℃で7.5時間撹拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液100mLに注ぎ、2時間室温で撹拌した。析出した沈殿物を吸引ろ過し、クロロホルムで洗浄し、ろ液を得た。得られたろ液をクロロホルムによる抽出を行った。その後、得られた抽出溶液を濃縮し、目的物である黒色油状物を4.1g、収率99%で得た。ステップ3の合成スキームを下記式(D-3)に示す。
<ステップ4;1-(4-シアノ-2,6-ジイソブチルフェニル)-2-フェニル-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール(略称:Hpni-diBuCNp)の合成>
ステップ3で合成した3,5-ジイソブチル-4-[N-(1,2-ナフタレンジアミン)]ベンゾニトリル4.2g(11mmol)、アセトニトリル50mL、ベンズアルデヒド1.2g(11mmol)を500mL三口フラスコに入れ、100℃で8時間撹拌した。この混合物に塩化鉄(III)18mg(0.11mmol)を加え、100℃で29時間撹拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物を酢酸エチルを用いた抽出により精製した。その後、得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、まずトルエンを用い、次いで、トルエン:酢酸エチル=20:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である黒色油状物を2.9g、収率58%で得たステップ4の合成スキームを下記式(D-4)に示す。
<ステップ5;トリス{2-[1-(4-シアノ-2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pni-diBuCNp)3])の合成>
ステップ1~4の方法で合成した1-(4-シアノ-2,6-ジイソブチルフェニル)-2-フェニル-1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール2.9g(6.3mmol)、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)0.62g(1.3mmol)を、三方コックを付けた反応容器に入れ、250℃にて56時間加熱した。得られた反応混合物にトルエンを加えろ過することにより、不溶物を取り除いた。得られたろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を0.33g、収率16%で得た。合成スキームを下記式D-5)に示す。
得られた固体0.32gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は圧力2.5Pa、アルゴン流量10.4mL/minの条件で、345℃で17時間加熱して行った。昇華精製後、0.10g、回収率31%で得た。
上記で得られた黄色固体の1H-NMRを測定した。以下に得られた値を示す。また、1H-NMRチャートを図17に示す。図17より、本発明の一態様の有機金属錯体である、[Ir(pni-diBuCNp)3]が得られたことがわかった。
1H-NMR.δ(ppm from CH2Cl2),(CD2Cl2):-0.38(d,3H),-0.13--0.06(m,9H),0.35(d,3H),0.41-0.45(m,6H),0.54-0.57(m,6H),0.62-0.65(m,6H),0.70(d,3H),1.14-1.23(m,1H),1.27-1.35(m,1H),1.40-1.49(m,1H),1.50-1.57(m,1H),1.60-1.66(m,2H),1.71-1.90(m,4H),2.06-2.15(m,2H),2.22-2.31(m,4H),2.33-2.42(t,2H),6.32-6.39(m,3H),6.53-6.85(m,12H),6.96(t,2H),7.06(d,1H),7.10-7.37(m,9H),7.66-7.83(m,9H).
続いて、[Ir(pni-diBuCNp)3]のジクロロメタン脱酸素溶液(0.0084mmol/L)の吸収スペクトル、発光スペクトル及び発光量子収率を測定した。吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図18に示す。
図18に示す通り、イリジウム錯体[Ir(pni-diBuCNp)3]は、510、547nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン脱酸素溶液からは緑色の発光が観測された。
また、ジクロロメタン脱酸素溶液(0.0084mmol/L)での励起波長450nmにおける発光量子収率を測定したところ、91%と非常に高いことがわかった。
上述のように合成した、[Ir(pni-diBup)3]、[Ir(pni-diBup)2(mdppy)]、[Ir(pni-diBuCNp)3]の発光量子収率測定を行った。また、比較物質である(OC-6-22)-トリス{2-[1-(2,6-ジイソブチルフェニル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:fac-[Ir(pbi-diBup)3]の発光量子収率も測定した。測定は実施例1に記載の方法と同様に行った。その結果を表1に示す。
本発明の一態様の有機金属錯体である[Ir(pni-diBup)3]とfac-[Ir(pbi-diBup)3]との構造の違いは、ベンゾイミダゾール骨格のg位に縮環したベンゼン環を有するか有さないかである。表1に示すように、本発明の一態様の有機金属錯体の方が良好な発光量子収率を示している。また、1H-ナフト[1,2-d]イミダゾール骨格を配位子に有する有機金属錯体は、発光量子収率が90%を超える非常に高い発光量子収率を示すことが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む発光素子及び比較発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した発光素子の積層構造を図1(A)に示す。また、素子構造の詳細を表2に示す。また、本実施例で用いる有機化合物を以下に示す。なお、他の有機化合物については他の実施の形態または実施例を参照すればよい。
≪比較発光素子1の作製≫
ガラス基板上に電極101として、ITSO膜をスパッタリング法にて厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。次に基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間乾燥させた後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、1×10-4Pa程度の真空度に保たれた真空蒸着装置に基板を入れ、170℃で30分間のベークを行った。その後、基板を30分程度放冷した。
次に、電極101上に正孔注入層111として、DBT3P-IIと、酸化モリブデン(VI)(MoO3)と、を重量比(DBT3P-II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCCPを厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、発光層140として、正孔輸送層112上に、4,6mCzP2Pmと、PCCPと、[Ir(ppy)3]を、重量比(4,6mCzP2Pm:PCCP:[Ir(ppy)3])が0.6:0.4:0.1になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層140において、[Ir(ppy)3]は、燐光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層140上に、電子輸送層118(1)として、4,6mCzP2Pmを厚さが20nmになるよう蒸着した。次に、電子輸送層118(1)上に、電子輸送層118(2)として、NBPhenを厚さが10nmになるように、順次蒸着した。
次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、LiFを厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、封止材を用いて封止するために、発光素子を形成した基板とは別の基板(対向基板)を、発光素子を形成した基板に固定することで、比較発光素子1を封止した。具体的には、対向基板に乾燥剤を貼り、さらに発光素子を形成した範囲周辺に封止材を塗布した該対向基板と、発光素子を形成したガラス基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により比較発光素子1を得た。
≪比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の作製≫
比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の作製工程は、先に示した比較発光素子1と発光層140の作製工程のみ異なり、その他の作製工程は比較発光素子1と同様である。比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の素子構造は表2に示す通りであるため、詳細な作製工程に関しては省略する。なお、比較発光素子2、比較発光素子3及び発光素子4の発光層140は比較発光素子1と同様に真空蒸着法により成膜した。
比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4の素子構造は、発光層140に用いたゲスト材料のみ異なり、その他の構成は全ての発光素子において同様である。なお、発光素子4は本発明の一態様の有機化合物である[Ir(pni-diBup)3]を用いており、比較発光素子3は比較物質であるfac-[Ir(pbi-diBup)3]を用いている。また、比較発光素子1及び比較発光素子2には、ゲスト材料として広く利用されている、[Ir(ppy)3]及びGD270(吉林OLED社製)をそれぞれ用いた。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4の特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4の電流効率-輝度特性を図19に示す。また、電流密度-電圧特性を図20に示す。また、外部量子効率-輝度特性を図21に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図22示す。
また、1000cd/m2付近における、比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4の素子特性を表3に示す。
また、図22より比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4の発光スペクトルはそれぞれ、518nm、523nm、508nm、500nm付近にスペクトルピークを有し、半値全幅はそれぞれ、74nm、73nm、63nm、27nm程度であったため、比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4はそれぞれの発光素子が有するゲスト材料に由来する発光が得られていることが分かった。
図19及び表3で示すように、比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4はいずれも高い電流効率を示した。発光素子4は比較発光素子1乃至比較発光素子3と比較して視感度が低い領域(短波長の領域)に発光スペクトルを有しているが、比較発光素子1乃至比較発光素子3と同等の電流効率を有している。また、図21及び表3で示すように発光素子4は外部量子効率が25%を超える非常に高い効率を有していることが分かった。また、発光素子4はゲスト材料として広く用いられている[Ir(ppy)3]またはGD270を用いた比較発光素子1及び比較発光素子2よりも高い効率を示した。また、発光素子4は発光素子3よりも短波長側に発光を有しているが、同等以上の外部量子効率を有していることが分かった。
図20及び表3で示すように、比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4はそれぞれ、良好な駆動電圧特性を有することが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機金属錯体を含む、実施例6とは異なる発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した発光素子の積層構造を図1(A)に示す。また、素子構造の詳細を表4に示す。また、本実施例で用いる有機化合物を以下に示す。なお、他の有機化合物については他の実施の形態または実施例を参照すればよい。
≪発光素子5の作製≫
発光素子5の作製は先に示す比較発光素子1乃至比較発光素子3及び発光素子4と同様に真空蒸着により成膜した。発光素子5の素子構造は表4に示す通りであるため、詳細な作製工程に関しては省略する。発光素子5は本発明の一態様のヘテロ有機金属錯体(2種以上の配位子を有する金属錯体)を用いた発光素子である。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子5の特性を測定した。発光素子の測定条件は先に示す実施例と同様に行った。
発光素子5の電流効率-輝度特性を図23に示す。また、電流密度-電圧特性を図24に示す。また、外部量子効率-輝度特性を図25に示す。また、発光素子5に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図26に示す。
また、1000cd/m2付近における、発光素子5の素子特性を表5に示す。
また、図26より発光素子5の発光スペクトルは523nm付近にスペクトルピークを有し、半値全幅は63nm程度であったため、発光素子5はゲスト材料である[Ir(pni-diBup)2(mdppy)]に由来する発光が得られていることが分かった。
図23、図25及び表5で示すように、発光素子5は高い電流効率及び外部量子効率を示した。特に外部量子効率は25%を超える非常に高い効率が得られた。
図24及び表5で示すように、発光素子5は良好な駆動電圧特性を有することが分かった。
光を示した。
<発光素子の信頼性>
次に、発光素子5の2mAにおける定電流駆動試験を行った。その結果を図27に示す。図27から発光素子5はLT70(輝度30%減少時間)が100時間を超えており、良好な信頼性を有することが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機金属錯体を含む、実施例6及び実施例7とは異なる発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した発光素子の積層構造を図1(A)に示す。また、素子構造の詳細を表6に示す。
≪比較発光素子6及び発光素子7の作製≫
比較発光素子6及び発光素子7の作製は先に示す発光素子5と同様に真空蒸着により成膜した。比較発光素子6及び発光素子7の素子構造は表6に示す通りであるため、詳細な作製工程に関しては省略する。発光素子7はゲスト材料として本発明の一態様の有機金属錯体である[Ir(pni-diBuCNp)3]を用いた発光素子である。なお、比較発光素子6はゲスト材料としてGD270を用いた発光素子である。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した比較発光素子6及び発光素子7の特性を測定した。発光素子の測定条件は先に示す実施例と同様に行った。
比較発光素子6及び発光素子7の電流効率-輝度特性を図28に示す。また、電流密度-電圧特性を図29に示す。また、外部量子効率-輝度特性を図30に示す。また、比較発光素子6及び発光素子7に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図31に示す。
また、1000cd/m2付近における、比較発光素子6及び発光素子7の素子特性を表7に示す。
図31より比較発光素子6及び発光素子7の発光スペクトルはそれぞれ、523nm及び510nm付近にスペクトルピークを有し、半値全幅はそれぞれ、68nm及び67nm程度であったため、比較発光素子6及び発光素子7はそれぞれの発光素子が有するゲスト材料に由来する発光が得られていることが分かった。
図28、図30及び表7で示すように、比較発光素子6及び発光素子7はいずれも高い電流効率を示した。発光素子7は比較発光素子6と比較して視感度が低い領域(短波長の領域)に発光スペクトルを有しているが、比較発光素子6よりも高い電流効率を有している。また、図30及び表7で示すように発光素子7は外部量子効率が25%を超える非常に高い効率を有していることが分かった。また、発光素子7はゲスト材料として広く用いられているGD270を用いた比較発光素子6よりも短波長側に発光を有しているが、比較発光素子6よりも高い電流効率及び外部量子効率を示した。
図29及び表7で示すように、比較発光素子6及び発光素子7はそれぞれ、良好な駆動電圧特性を有することが分かった。