JP7643106B2 - 切削工具 - Google Patents
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Description
「(1)CoとNiのいずれか1種または2種を4.0~15.0質量%、
Cr3C2を0.5質量%以下、
VCを0.5質量%以下、
TaC、NbC、TiC、ZrCおよびHfCのいずれか1種または2種以上を12.0質量%以下含み、
残部がWCおよび不可避的不純物からなり、
前記WCの平均粒径が0.5~4.0μmであって、
結合相におけるKAM値が1未満の測定点の割合が、表面から10μm離れた内部までの表面領域では70%以上、前記表面から15~25μm離れた内部領域では60%以下である、
ことを特徴とする切削工具。
(2)切刃に表面被覆層を有することを特徴とする前記(1)に記載の切削工具。」
なお、明細書、特許請求の範囲において、数値範囲を「M~N」(M、Nは共に数値)を用いて表現する場合、その範囲は上限(N)および下限(M)の数値を含むものとする。
本実施形態の切削工具の組成は、
CoとNiのいずれか1種または2種を4.0~15.0質量%、
Cr3C2を0.5質量%以下、
VCを0.5質量%以下、
TaC、NbC、TiC、ZrCおよびHfCのいずれか1種または2種以上を12.0質量%以下含み、
残部がWCおよび不可避的不純物からなる。
以下、順に説明する。
CoとNiのいずれか1種または2種の含有割合は4.0~15.0質量%であることが好ましい。その理由は、4.0質量%未満では、耐チッピング性や耐欠損性が十分でなく、一方、15.0質量%以上では、耐塑性変形性および耐摩耗性が不十分となるためである。
CoとNiは、主に結合相に存在し、結合相の主成分、すなわち、結合相を形成するすべての成分に対して、CoとNiのいずれか1種または2種が50質量%以上を占めている。
切削工具の耐塑性変形性を向上させるため、Crを含有させることが好ましい(Crの含有は必須ではない)。その含有割合は切削工具全体に対して、Cr3C2で換算して0.5質量%以下が好ましい。
切削工具の耐塑性変形性を向上させるため、Vを含有させることが好ましい(Vの含有は必須ではない)。その含有割合は切削工具全体に対して、VCで換算して0.5質量%以下が好ましい。
TaC、NbC、TiC、ZrCおよびHfCのいずれか1種または2種以上は、γ相を形成する。γ相は存在しなくてもよいが、存在する場合の含有割合は、M(金属原子)とCが1:1で結合した炭化物と仮定して、MCにより示される化合物の1種または2種以上が切削工具全体に対して、最大で12.0質量%含まれることが好ましい。その理由は、12.0質量%を超えると、切削工具の耐摩耗性が不十分となり、また、切削工具内部で凝集体が生じやすく、欠損発生の起点となるためである。
WCは硬質相の主成分である。硬質相には、製造過程で不可避的に混入する不可避不純物が含まれていてもよい。
前記のように、硬質相、結合相は製造過程で不可避的に混入する不純物を含んでいてもよく、その量は切削工具全体を100質量%として外数として0.3質量%以下が好ましい。
図1に模式的に示すように、結合相におけるKAM値が1未満の測定点の割合が、切削工具の表面から10μm離れた内部までの切削工具の表面領域(O)では70%以上、表面から15~25μm離れた切削工具の内部領域(I)では60%未満であることが好ましい。
ここで、KAM値とは、局所方位差平均値とも呼ばれるものである。
電子線後方散乱解析装置を用いて、縦断面(後述する)において、切削工具の表面からその内部に向かって、例えば、幅が100μm、縦が測定する領域(表面から10μm離れた領域、表面から15~25μm離れた)の観察視野を設定し40nm間隔で測定を行う。観察視野は5視野以上とする。観察視野において、測定点(ピクセル)は、離散的に存在するが、隣接する測定点の間の中間までの領域(正六角形が例示できる)をその測定点の測定結果により代表させる。この測定点のうち、隣接するもの同士で5度以上の方位差があるとき、前記中間までの領域を粒界と定義する。
そして、結晶粒内の隣接する2ピクセルの方位差の平均値を求め、これをKAM(Kernel Average Misorientation)値と定義する。
一般的にピクセルiにおけるKAM値を数式で表す場合、測定領域を正六角形に区分して解析すると、注目点(注目する測定点、ピクセル)を取囲む最大6つの測定点間の方位差の平均として下記数1式によって表現できる。なお、[数1]中のmは測定点iと同一結晶粒内で隣接するピクセル数、αk、iはピクセルiと隣接するピクセルkとの方位差を表す。つまり、図2に示される注目点UにおけるKAM値を数式で表すと測定対象となるピクセルは1~6の6点となるため下記[数2]で求めることができ、注目点VにおけるKAM値は測定対象となるピクセルは1、2の2点となるため下記[数3]で求めることができる。
本実施形態の切削工具は、そのままでも、前述の目的を達成することができるが、切刃を含む切削工具の表面に表面被覆層を設けてもよい。表面被覆層を設けると、より確実に前述の目的を達成することができる。なお、表面被覆層には、特段の制約はなく、公知のものを適宜用いることができる。
まず、焼結用の粉末として、表1に示す平均粒径(d50)が0.5~4.0μmのWC粉末、および、平均粒径(d50)が、いずれも、1.0~4.0μmの範囲内のCo粉末、Ni粉末、Cr3C2粉末、TaC粉末、NbC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、HfC粉末、VC粉末を用意した。
次に、これらの粉末を、表1に示す配合組成となるように配合して、焼結用粉末を作製し、ボールミルで72時間湿式混合し、スプレードライヤーにより乾燥した後、100MPaの圧力で、ANSI呼び記号CNMG432MSの形状を得るべくプレス成形して圧粉成形体を作製した。
続いて、これらの圧粉成形体を、所定の温度で所定時間保持する本焼結工程を行った。本実施例では、表2に示す条件、すなわち、0.1Pa以下の真空雰囲気中、1350~1450℃の保持温度範囲まで加熱し、該保持温度で60~120分保持を行った。
砥粒として超硬造粒粉末(超硬合金の作製時に使用したものと同一の造粒粉末)を用い、表2に示す条件で処理した。表2に示す条件は、概ね次のとおりであった。
砥粒サイズ: 直径100~200μm
ブラスト圧力: 0.35~0.40MPa
投射時間: 15~20秒
投射角度: 切削工具表面の法線に対して35~55度
切削工具表面の法線とは、切削工具の表面の凹凸を無視して、切削工具の表面が水平面であると扱ったときの切削工具表面の法線をいい、前述の垂線とは必ずしも一致しない。
0.1Pa以下の真空雰囲気中で、表2に示すように700~1000℃で5~50時間保持した。
ブラスト処理液として、Al2O3砥粒を含んだ水を用いて、表2に示す条件で処理した。表2に示す条件は、概ね次のとおりであった。
メディア(砥粒)サイズ: 170~500(メッシュ)
メディア濃度: 15~60質量%
ブラスト圧力: 0.10~0.15MPa
投射時間: 6~60秒
投射角度: 切削工具表面の法線に対して35~55度
切削工具表面の法線とは、切削工具の表面の凹凸を無視して、切削工具の表面が水平面であると扱ったときの切削工具表面の法線をいい、前述の垂線とは必ずしも一致しない。
次に、機械加工、研削加工を行い、CNMG432MSの形状に整え、表3に示す切削工具1~10(以下、実施例1~10という)を作製した。
その製造工程は、実施例1~10の製造工程において、第1回ブラスト処理工程および熱処理工程、第2回ブラスト処理工程を省略したもの(表2では、各工程条件が「-」で記載されているもの)、あるいは、前述の製造条件を外れた表2に示す第1回ブラスト処理工程、あるいは熱処理工程を行ったものである。
表6に、その切削試験の結果を示す。
被削材:Ti―6Al―4V合金
切削速度:70m/min
切り込み:1.0mm
送り:0.16mm/rev
切削時間:5分
表7に、その切削試験の結果を示す。
被削材:JIS・SUS304
切削速度:50m/min、
切り込み:1.0mm、
送り:0.11mm/rev、
切削時間:5分、
湿式水溶性切削油使用。
11 すくい面
12 切刃側逃げ面
13 切刃
14 逃げ面の組成変形量
15 逃げ面とすくい面の交差する稜線を延伸した線分
O 切削工具の表面領域
I 切削工具の内部領域
B 粒界
P 測定点(ピクセル)
U 注目点
V 注目点
Claims (2)
- CoとNiのいずれか1種または2種を4.0~15.0質量%、
Cr3C2を0.5質量%以下、
VCを0.5質量%以下、
TaC、NbC、TiC、ZrCおよびHfCのいずれか1種または2種以上を12.0質量%以下含み、
残部がWCおよび不可避的不純物からなり、
前記WCの平均粒径が0.5~4.0μmであって、
結合相におけるKAM値が1未満の測定点の割合が、表面から10μm離れた内部までの表面領域では70%以上、前記表面から15~25μm離れた内部領域で60%以下である、
ことを特徴とする切削工具。 - 切刃に表面被覆層を有することを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
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| JP2021043171A JP7643106B2 (ja) | 2021-03-17 | 2021-03-17 | 切削工具 |
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| JP2021043171A JP7643106B2 (ja) | 2021-03-17 | 2021-03-17 | 切削工具 |
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| JP2022142906A JP2022142906A (ja) | 2022-10-03 |
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| WO2017057266A1 (ja) | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 京セラ株式会社 | 棒状体及び切削工具 |
| JP2019063899A (ja) | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 三菱マテリアル株式会社 | 耐欠損性にすぐれた表面被覆切削工具 |
| JP2019107720A (ja) | 2017-12-18 | 2019-07-04 | 株式会社タンガロイ | 被覆切削工具 |
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