JP7645623B2 - 研磨パッド - Google Patents
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Description
[1] 被研磨物を研磨加工するための研磨面を有する研磨層を備える研磨パッドであって、
前記研磨面には、スラリーを保持するための形状からなるスラリー保持溝と、スラリーを排出するための形状からなるスラリー排出溝とが設けられており、
前記スラリー保持溝の体積と、前記スラリー排出溝の体積の比(排出溝体積/保持溝体積)が、0.5~1.0である、研磨パッド。
[2] 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝幅の比(排出/保持)が1.5~7.5である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝ピッチの比(排出/保持)が4.5~15である[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記研磨面には、中空微小球体が分散されている、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
研磨パッド3の構造について図3を用いて説明する。研磨パッド3は、図3のように、研磨層4と、クッション層6とを含む。研磨パッド3の形状は円盤状が好ましいが、特に限定されるものではなく、また、大きさ(径)も、研磨パッド3を備える研磨装置1のサイズ等に応じて適宜決定することができ、例えば、直径10cm~2m程度とすることができる。
なお、本発明の研磨パッド3は、好ましくは図3にしめすように、研磨層4がクッション層6に接着層7を介して接着されている。
研磨パッド3は、クッション層6に配設された両面テープ等によって研磨装置1の研磨定盤10に貼付される。研磨パッド3は、研磨装置1によって被研磨物8を押圧した状態で回転駆動され、被研磨物8を研磨する。
(構成)
研磨パッド3は、被研磨物8を研磨するための層である研磨層4を備える。研磨層4を構成する材料は、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂を好適に用いることができ、より好ましくはポリウレタン樹脂を用いることができる。
研磨層4の大きさ(径)は、研磨パッド3と同様であり、直径10cm~2m程度とすることができ、研磨層4の厚みは、通常1~5mm程度とすることができる。
研磨層4は、研磨装置1の研磨定盤10と共に回転され、その上にスラリー9を流しながら、スラリー9の中に含まれる化学成分や砥粒を、被研磨物8と一緒に相対運動させることにより、被研磨物8を研磨する。
研磨層4は、中空微小球体4A(発泡)が分散されている。中空微小球体4Aが分散されていることで、ショアD硬度を適切な値にすることができる点で好ましい。また、中空微小球体4Aが分散されていることにより、研磨層4が摩耗されると中空微小球体4Aが研磨面に露出され研磨面に微少な空隙が生じる。この微少な空隙がスラリーを保持することで被研磨物8の研磨をより進行させることができる。
本発明の研磨層4の被研磨物8側の表面には、溝5を溝加工により設ける。本発明は、研磨層の研磨面に、スラリー保持溝5A及びスラリー排出溝5Bのいずれも備えることが特徴である。以下、それぞれについて説明する。
本発明の研磨層4のショアD硬度は、特に限定されるものではないが、例えば、20~100であり、好ましくは30~80であり、さらに好ましくは40~70である。ショアD硬度が小さい場合には、低圧研磨加工で微細な凹凸を平坦化することが難しくなる。また、端部ダレに影響がでる場合もある。ショアD硬度が高すぎると、被研磨物8になどが強く擦りつけられ被研磨物8の加工面にスクラッチが発生する可能性がある。
(構成)
本発明の研磨パッド3は、クッション層6を有する。クッション層6は、研磨層4の被研磨物8への当接をより均一にすることが望ましい。クッション層6の材料としては、樹脂を含浸させた含浸不織布、合成樹脂やゴム等の可撓性を有する材料、気泡構造を有する発泡体等のいずれから構成されていてもよい。例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリブタジエン、シリコーン等の樹脂や天然ゴム、ニトリルゴム、ポリウレタンゴム等のゴムなどが挙げられる。密度及び圧縮弾性率の調整の観点で、可撓性合成樹脂が好ましく、材料にポリウレタンを用いることが好ましい。
接着層7は、クッション層6と研磨層4を接着させるための層であり、通常、両面テープ又は接着剤から構成される。両面テープ又は接着剤は、当技術分野において公知のもの(例えば、接着シート)を使用することができる。
研磨パッド3およびクッション層6は、接着層7で貼り合わされている。接着層7は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系から選択される少なくとも1種の粘着剤で形成することができる。本例では、アクリル系粘着剤が用いられ、厚みが0.1mmに設定されている。
本発明の研磨パッド3の製造方法について説明する。
研磨層の材料としては、特に限定されるものではないが、一般的に使用される材料、すなわち、主成分としてはポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂の材料が好ましく、ポリウレタン樹脂がより好ましい。具体的な主成分の材料としては、例えば、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物と硬化剤とを反応させて得られる材料を挙げることができる。
本発明の研磨層4の製造のために、ポリウレタン樹脂成形体(硬化樹脂)の原料として、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物、硬化剤を準備する。ここで、ウレタン結合含有ポリイソシアネートは、ポリウレタン樹脂成形体を形成するための、ウレタンプレポリマーである。研磨層4をポリウレア樹脂成型体やポリウレタンポリウレア樹脂成形体にする場合は、それに応じたプレポリマーを用いる。
ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)は、下記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、通常用いられる条件で反応させることにより得られる化合物であり、ウレタン結合とイソシアネート基を分子内に含むものである。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分がウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物に含まれていてもよい。
本明細書において、ポリイソシアネート化合物とは、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。
ポリイソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していれば特に制限されるものではない。例えば、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物としては、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネー卜(MDI)、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1、4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、複数のポリイソシアネート化合物を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、ポリオール化合物とは、分子内に2つ以上の水酸基(OH)を有する化合物を意味する。
プレポリマーとしてのウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の合成に用いられるポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(又はポリテトラメチレンエーテルグリコール)(PTMG)等のポリエーテルポリオール化合物を挙げることができる。これらの中でも、PTMGが好ましい。PTMGの数平均分子量(Mn)は、500~2000であることが好ましく、600~1300であることがより好ましく、650~1000であることがさらにより好ましい。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)により測定することができる。なお、ポリウレタン樹脂からポリオール化合物の数平均分子量を測定する場合は、アミン分解等の常法により各成分を分解した後、GPCによって推定することもできる。
上記ポリオール化合物は単独で用いてもよく、複数のポリオール化合物を組み合わせて用いてもよい。
上記したように、研磨層4の材料として、酸化剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
本発明の研磨層4の製造方法では、混合工程において硬化剤(鎖伸長剤ともいう)をウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物などと混合させる。硬化剤を加えることにより、その後の成形体成形工程において、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の主鎖末端が硬化剤と結合してポリマー鎖を形成し、硬化する。
硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4-メチル-2,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[3-(イソプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルペンチルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス(3,5-ジアミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6-ジアミノ-4-メチルフェノール、トリメチルエチレンビス-4-アミノベンゾネート、及びポリテトラメチレンオキサイド-di-p-アミノベンゾネート等の多価アミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-4,3-ペンタンジオール、3-メチル-4,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等の多価アルコール化合物が挙げられる。また、多価アミン化合物が水酸基を有していてもよく、このようなアミン系化合物として、例えば、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等を挙げることができる。多価アミン化合物としては、ジアミン化合物が好ましく、例えば、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)を用いることがさらに好ましい。
混合工程では、前記準備工程で得られた、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)、添加剤、硬化剤を混合機内に供給して攪拌・混合する。混合工程は、上記各成分の流動性を確保できる温度に加温した状態で行われる。
成形体成形工程では、前記混合工程で調製された成形体成形用混合液を30~100℃に予熱した棒状の型枠内に流し込み一次硬化させた後、100~150℃程度で10分~5時間程度加熱して二次硬化させることにより硬化したポリウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂成形体)を成形する。このとき、ウレタンプレポリマー、硬化剤が反応してポリウレタン樹脂を形成することにより該混合液は硬化する。
ウレタンプレポリマーは、粘度が高すぎると、流動性が悪くなり混合時に略均一に混合することが難しくなる。温度を上昇させて粘度を低くするとポットライフが短くなり、却って混合斑が生じて得られる発泡体に形成される、中空微小球体4Aの大きさにバラツキが生じる。反対に粘度が低すぎると混合液中で気泡が移動してしまい、得られる発泡体に略均等に分散した、中空微小球体4Aを形成することが難しくなる。このため、プレポリマーは、温度50~80℃における粘度を500~4000mPa・sの範囲に設定することが好ましい。このことは、例えば、プレポリマーの分子量(重合度)を変えることで粘度を設定することができる。プレポリマーは、50~80℃程度に加熱され流動可能な状態とされる。
クッション層6は、樹脂を含浸してなる含浸不織布で構成することが好ましい。樹脂としては、好ましくは、ポリウレタン及びポリウレタンポリウレア等のポリウレタン系、ポリアクリレート及びポリアクリロニトリル等のアクリル系、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル及びポリフッ化ビニリデン等のビニル系、ポリサルホン及びポリエーテルサルホン等のポリサルホン系、アセチル化セルロース及びブチリル化セルロース等のアシル化セルロース系、ポリアミド系並びにポリスチレン系などが挙げられる。不織布の密度は、樹脂含浸前の状態(ウェッブの状態)で、好ましくは0.3g/cm3以下であり、より好ましくは0.1~0.25g/cm3である。また、樹脂含浸後の不織布の密度は、好ましくは0.7g/cm3以下であり、より好ましくは0.25~0.5g/cm3である。樹脂含浸前及び樹脂含浸後の不織布の密度が上記上限以下であることにより、加工精度が向上する。また、樹脂含浸前及び樹脂含浸後の不織布の密度が上記下限以上であることにより、基材層103に研磨スラリーが浸透することを低減することができる。不織布に対する樹脂の付着率は、不織布の重量に対する付着させた樹脂の重量で表され、好ましくは40重量%以上であり、より好ましくは50~100重量%である。不織布に対する樹脂の付着率が上記上限以下であることにより、所望のクッション性を有することができる。
接合工程では、形成された研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる(接合する)。接着層7には、例えば、アクリル系粘着剤を用い、厚さが0.1mmとなるように接着層7を形成する。すなわち、研磨層4の研磨面と反対側の面にアクリル系粘着剤を略均一の厚さに塗布する。研磨層4の研磨面と反対側の面と、クッション層6の表面と、を塗布された粘着剤を介して圧接させて、研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる。そして、円形等の所望の形状に裁断した後、汚れや異物等の付着が無いことを確認する等の検査を行い、研磨パッド3を完成させる。
2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)及びジエチレングリコール(DEG)を反応させてなるNCO当量460のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー100部に、殻部分がアクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体からなり、殻内にイソブタンガスが内包された未膨張タイプの中空体2.6部を添加混合し、混合液を得た。得られた混合液を第1液タンクに仕込み、保温した。次に、第1液とは別途に、硬化剤としてMOCA25.5部及びポリプロピレングリコール(PPG)8.5部を添加混合し、第2液タンク内で保温した。第1液タンク、第2液タンクの夫々の液体を、注入口を2つ具備した混合機に夫々の注入口からプレポリマー中の末端イソシアネート基に対する硬化剤に存在するアミノ基及び水酸基の当量比を表わすR値が0.90となるように注入した。注入した2液を混合攪拌しながら予熱した成形機の金型へ注入した後、型締めをし、30分間、加熱し一次硬化させた。一次硬化させた成形物を脱型後、オーブンにて110℃で4時間二次硬化し、ウレタン成形物を得た。得られたウレタン成形物を25℃まで放冷した後に、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから1.3mmの厚みにスライスし、研磨層を得た。
ポリエステル繊維からなる不織布(密度:0.216g/cm3)をウレタン樹脂溶液(DIC社製、商品名「C1367」)に浸漬した。浸漬後、1対のローラ間を加圧可能なマングルローラを用いて樹脂溶液を絞り落として、不織布に樹脂溶液を略均一に含浸させた。次いで、室温の水からなる凝固液中に浸漬することにより、含浸樹脂を凝固再生させて樹脂含浸不織布を得た。その後、樹脂含浸不織布を凝固液から取り出し、さらに水からなる洗浄液に浸漬して、樹脂中のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を除去した後、乾燥させた。乾燥後、バフィング処理により表面のスキン層を除去しクッション層を作製した。クッション層の樹脂の付着率は55%、厚さは1.30mmであった。
研磨パッドに用いた研磨層、クッション層について各物性値を測定した。
ショアD硬度は、日本工業規格(JIS K 6253)に従い、バネを介して試験片表面へ押し付けられた押針の押し込み深さから求めた。同様に、ショアA硬度は、日本工業規格(JIS K 7311)に従い、バネを介して試験片表面へ押し付けられた押針の押し込み深さから求めた。圧縮弾性率は、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めた。具体的には、初荷重で30秒間加圧した後の厚さt0を測定し、次に最終圧力のもとで5分間放置後の厚さt1を測定した。全ての荷重を除き、5分間放置後、再び初荷重で30秒間加圧した後の厚さt0’を測定した。圧縮弾性率は、圧縮弾性率(%)=(t0’-t1)/(t0-t1)×100で算出した。このとき、初荷重は100g/cm2、最終圧力は1120g/cm2であった。
研磨層およびクッション層を厚さ0.1mmの両面テープ(PET基材の両面にアクリル系樹脂からなる接着層を備えるもの)で接合し、クッション層と接着層の反対側の面に両面テープを貼り合わせて研磨パッドを製造した。このようにして得られた研磨パッドの研磨面に、表3に示すスラリー排出溝とスラリー保持溝の複合溝を形成したものを、実施例1~4及び比較例1~3とした。
ここで、各溝の溝ピッチは図9のγを、溝幅は図9のβをそれぞれ示し、溝深さは図8における研磨面から溝の底面までの最も深い部分の深さを、断面形状は図8の様な溝断面の形状をそれぞれ示している。
また、溝面積率は、研磨面の面積における溝が占める面積割合を示しており、下記に示す式により求めた。
格子溝の場合:(1-ランド幅2/溝ピッチ2)×100
同心円溝の場合:溝幅/溝ピッチ
貫通孔の場合:(1cm2あたりの貫通孔の個数)×(貫通孔の面積(cm2))×100
(なお、比較例1では貫通孔は5個/cm2で、各貫通孔の直径は2mmのため、溝面積率は15.7%であった。)
さらに、溝体積比(排出/保持)は、上記で求めた面積率と溝深さ及び断面形状から、スラリー排出溝とスラリー保持溝の体積比を求めたものである。
(研磨性能評価)
実施例及び比較例の研磨パッドについて、下記研磨条件について、研磨を実施した。研磨実施の際に直径121点において、研磨レート(RR)を測定した。比較例1の被研磨物全体の研磨レートのプロファイルを図4、比較例1の被研磨物8のエッジ部分の圧力応答性を図5、実施例1の被研磨物全体の研磨レートのプロファイルを図10、実施例1の被研磨物のエッジ部分の圧力応答性を図11に記載する。なお、半径140mmより内側は2.5mmピッチで測定、外側は1mmピッチで測定した。また、圧力応答性は、リテーナリングにかける圧力を通常の10%及び20%大きくしたときにエッジレートの比(エッジ部(被研磨物の中心から145mm~149mm)の研磨レートを、被研磨物の中心から100mm~140mmの部分の研磨レートの平均で割った値で、図5・図11の縦軸に示す)の変化率で表した。
使用研磨機:F-REX300(荏原製作所社製)
研磨剤温度:20℃
研磨定盤回転数:70rpm
研磨ヘッド回転数:71rpm
研磨圧力:3.5psi
研磨スラリー:キャボットマイクロエレクトロニクスコーポレーション製、商品名:SS25
研磨スラリー流量:200ml/min
研磨時間:60秒
被研磨物:TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)付きシリコンウエハ
一方、図6~7及び表3に示す通り、溝体積比(排出/保持)が0.777とした実施例1の研磨パッドでは、最エッジ部のレートが1.28と端部ダレを抑えることができると共に、リテーナリングの圧力を10%・20%と上げた際の応答性が、それぞれ9.4%・17.2%と高く、リテーナリングの圧力上昇によりさらに端部ダレを抑えエッジプロファイルの調整が可能となった。溝体積比(排出/保持)・溝幅の比(排出/保持)・溝ピッチの比(排出/保持)を所定範囲内とした他の実施例においても、最エッジ部の研磨レートの上昇(端部ダレ)を抑えるとともに、高い圧力応答性を示し、良好なエッジプロフィルを得ることができた。
1 研磨装置
3 研磨パッド
4 研磨層
4A 中空微小球体
5 溝
5A スラリー保持溝
5B スラリー排出溝
6 クッション層
7 接着層
8 被研磨物
8a 端部ダレ
9 スラリー
10 研磨定盤
11 基盤
16 保持定盤
Claims (4)
- 被研磨物を研磨加工するための研磨面を有する研磨層を備える研磨パッドであって、
前記研磨面には、スラリーを保持するための形状からなるスラリー保持溝と、スラリーを排出するための形状からなるスラリー排出溝とが設けられており、
前記スラリー保持溝の体積と、前記スラリー排出溝の体積の比(排出溝体積/保持溝体積)が、0.688~0.918であり、
前記研磨層は中空微小球体を含み、
前記中空微小球体は、前記研磨層に分散されており、
前記研磨パッドは、下記研磨条件において最エッジ部のレートが1.41以下である、研磨パッド:
(研磨条件)
使用研磨機:F-REX300(荏原製作所社製)、
研磨剤温度:20℃、
研磨定盤回転数:70rpm、
研磨ヘッド回転数:71rpm、
研磨圧力:3.5psi、
研磨スラリー:キャボットマイクロエレクトロニクスコーポレーション製、商品名:SS25、
研磨スラリー流量:200ml/min、
研磨時間:60秒、
被研磨物:TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)付きシリコンウエハ、半径150mm
最エッジ部のレート:前記被研磨物の最エッジ部の研磨レートを中心から100~140mmの部分の研磨レートの平均で割った値。 - 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝幅の比(排出/保持)が1.5~7.5である、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝ピッチの比(排出/保持)が4.5~15である請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 前記研磨面には、中空微小球体が分散されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
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