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JP7646435B2 - 位相差層付偏光板の製造方法 - Google Patents
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JP7646435B2 - 位相差層付偏光板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、位相差層付偏光板の製造方法に関する。
液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置に搭載される画像表示パネルには、代表的には偏光板および位相差板が用いられている。実用的には、偏光板と位相差板とを一体化した位相差層付偏光板が広く用いられている(例えば、特許文献1)。ここで、偏光板と位相差層との積層を良好に行い、位相差層付偏光板の製造効率を向上させることが望まれている。
特許第3325560号公報
上記に鑑み、本発明の主たる目的は、歩留まりよく、位相差層付偏光板を製造することにある。
本発明の実施形態によれば、位相差層付偏光板の製造方法が提供される。この製造方法は、剥離フィルム、粘着剤層、第一位相差層および前記第一位相差層に隣接して配置される基材をこの順で含む積層物を準備すること、前記粘着剤層から前記剥離フィルムを剥離すること、および、偏光板に前記積層物を貼り合わせること、をこの順で含む。
1つの実施形態においては、上記剥離フィルムを上記粘着剤層の表面に対して120°~180°の方向に剥離する。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記偏光板に上記積層物を貼り合わせた後に、上記第一位相差層から上記基材を剥がすことを含む。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層に対する上記剥離フィルムの剥離力は、上記基材に対する上記第一位相差層の剥離力よりも小さい。
1つの実施形態においては、上記基材に対する上記第一位相差層の剥離力F2に対する上記粘着剤層に対する上記剥離フィルムの剥離力F1の比(F1/F2)は、剥離速度1000mm/秒および剥離角度が180°のとき1未満であり、剥離速度1000mm/秒および剥離角度が90°のとき1以上である。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記偏光板に上記積層物を貼り合わせる前に上記積層物の端部を切断すること、を含み、前記切断により、上記粘着剤層の端面と上記第一位相差層の端面とを面一とする。前記切断後に上記粘着剤層から上記剥離フィルムを剥離してもよい。
1つの実施形態においては、上記偏光板の端部に識別コードが形成される。
1つの実施形態においては、上記第一位相差層は液晶化合物の配向固化層である。
1つの実施形態においては、上記第一位相差層の厚みは5μm以下である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層の厚みは10μm以下である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層の厚みは6μm以上である。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記偏光板に上記積層物を貼り合わせた後に、さらに、第二位相差層を積層することを含む。
本発明の実施形態によれば、歩留まりよく、位相差層付偏光板を製造することができる。
本発明の1つの実施形態に係る位相差層付偏光板の製造工程1を示す図である。 上記工程1に続く工程2を示す図である。 上記工程2に続く工程3を示す図である。 上記工程3に続く工程4を示す図である。 上記工程4に続く工程5を示す図である。 積層物から剥離フィルムを剥離する状態の一例を示す図である。 積層物(工程1)の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
本発明の1つの実施形態に係る位相差層付偏光板の製造方法は、剥離フィルム、粘着剤層、第一位相差層および第一位相差層に隣接して配置される基材をこの順で含む積層物を準備すること、粘着剤層から剥離フィルムを剥離すること、および、偏光板に積層物を貼り合わせること、をこの順で含む。
図1A~図1Eは、本発明の1つの実施形態に係る位相差層付偏光板の製造方法の工程を示す図である。図1Aに示す工程1では、基材11上に形成された第一位相差層21の上方に粘着剤層30を形成し、粘着剤層30上に剥離フィルム40を配置して積層物100を得る。粘着剤層30を形成する前に、第一位相差層21の上面は表面保護フィルムで保護されていてもよい(図示せず)。剥離フィルム40は、粘着剤層30に対して剥離可能に貼り合わせられており、粘着剤層30を保護し得る。積層物100は長尺状であり、例えば、ロール状に巻回可能である。ここで、「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状をいい、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状をいう。
工程1において、第一位相差層21の端面21aは、基材11の端面11aよりも内側に位置し、粘着剤層30の端面30aよりも外側に位置している。また、粘着剤層30の端面30aは、剥離フィルム40の端面40aよりも内側に位置している。
工程2では、図1A中の破線に沿って積層物の幅方向端部を切断(スリット)し、図1Bは切断が完了した状態を示している。切断により、粘着剤層30の端面30aと、第一位相差層21の端面21aと面一とする。第一位相差層21の上面が粘着剤層30により覆われない端部21bを除去することにより、製造工程において、第一位相差層21の上面に異物が付着するなどの汚染を防止し得る。また、製造機(具体的には、製造機の機内)への汚染も抑制し得る。図1Aに示すような積層物を作製することにより、このような切断を、後述する偏光板と位相差層との積層前に行うことができ、歩留まりの向上に寄与し得る。
図1Cに示す工程3では、剥離フィルム40を剥離した積層物100を、偏光板70に貼り合わせる。偏光板70と積層物100(第一位相差層21)との積層は、例えば、これらをロール搬送しながら(いわゆるロールトゥロールにより)行われる。
偏光板70は、偏光子69と、偏光子69の視認側(第一位相差層21が配置されない側)に配置された第一保護層71と、偏光子69のもう片側(偏光子69と第一位相差層21との間)に配置された第二保護層72を含む。図示例では、偏光板70の上面70aは表面保護フィルム60で保護されている。表面保護フィルム60は、図示しないが、基材と基材の片側に形成された粘着剤層とを含み、偏光板70に対して剥離可能に貼り合わせられている。図示例とは異なり、偏光板70の第二保護層72は省略されていてもよい。また、図示しないが、積層物100を貼り合わせる前に、偏光板70の下面70bは表面保護フィルムで保護されていてもよい。
図2は、積層物から剥離フィルムを剥離する状態の一例を示す図である。図示例では、積層物100を長さ方向Lにロール搬送させながら、剥離フィルム40を剥離している。例えば、図示しないテープを剥離フィルム40の表面に貼り付けて、そのテープを引っ張ることで、積層物100(粘着剤層30)から剥離フィルム40を剥がす。剥離フィルム40の剥離方向は、粘着剤層30の表面30b(搬送方向)に対して角度θをなす方向である。図示例では、折り返し部材Mを用いて剥離フィルム40を剥離方向に折り返している。
上記角度θ(剥離角度)は、120°以上であることが好ましい。具体的には、120°~180°であること好ましい。角度θ(剥離角度)は、より好ましくは140°以上であり、さらに好ましくは160°以上である。このような剥離角度で剥離フィルム40を剥離することにより、粘着剤層30から剥離フィルム40を剥離する際の剥離力を低減して、剥離時の作業性を向上させ得る。具体的には、粘着剤層30に対する剥離フィルム40の剥離力(F1)を、基材11に対する第一位相差層21の剥離力(F2)よりも小さくして、剥離フィルム40を剥離する際に、第一位相差層21と基材11との間で剥がれが生じるのを防止することができ(剥離不良を防止することができ)、歩留まりの向上に寄与し得る。F2に対するF1の比(F1/F2)は、好ましくは1未満であり、より好ましくは0.8以下であり、さらに好ましくは0.6以下である。
粘着剤層30に対する剥離フィルム40の剥離力(F1)は、好ましくは0.1N/25mm以下であり、より好ましくは0.08N/25mm以下であり、さらに好ましくは0.06N/25mm以下である。このような剥離力は、上記は剥離角度により良好に達成し得る。なお、F1は、例えば、粘着剤層30の構成、剥離フィルム40の種類等を、適宜、選択することでも調整し得る。
基材11に対する第一位相差層21の剥離力(F2)は、例えば、0.06N/25mmを超え、1N/25mm以下であってもよく、0.5N/25mm以下であってもよい。
1つの実施形態においては、上記F2に対するF1の比(F1/F2)は、剥離速度1000mm/秒および剥離角度が180°のとき1未満であり、剥離速度1000mm/秒および剥離角度が90°のとき1以上である。
上述のように、上記工程によれば、偏光板70と第一位相差層21との積層前に第一位相差層21の端部21bを除去することができ、偏光板70を切断することなく、歩留まりの向上に寄与し得る。また、図1Cに示すように、偏光板70(実用的には、偏光板70の上面に貼り合わされた表面保護フィルム60)の幅方向端部には、例えば、検出した欠陥(例えば、外観上の欠陥)を示す識別コード(例えば、二次元コード)Kが形成(印刷)され得るが、第一位相差層21の端部21bの除去により識別コードKが除去されることもない。
図1Dに示す工程4では、偏光板70と第一位相差層21との積層後、第一位相差層21から基材11を剥がし、第一位相差層21に、基材12上に形成された第二位相差層22を図示しない接着層を介して積層する。このような工程によれば、位相差層21,22それぞれについて、欠陥(例えば、外観上の欠陥)の検知を容易に行うことができ、歩留まりの向上に寄与し得る。図示例では、第二位相差層22の端面22aは、第一位相差層21の端面21aよりも内側に位置しているが、これらの位置関係は特に限定されない。具体的には、第二位相差層22の幅は、第一位相差層21の幅よりも小さくてもよいし、大きくてもよいし、同じであってもよい。なお、図示例では、第二位相差層22を設けているが、設けなくてもよい。本明細書において、少なくも第一位相差層21を含む層を、単に位相差層20と称する場合がある。具体的には、位相差層20は、二層以上の積層構造を有していてもよいし、単一層とされていてもよい。図示例では、位相差層20は、第一位相差層21および第二位相差層22を含む積層構造を有している。
図1Eに示す工程5では、第二位相差層22から基材12を剥離し、粘着剤層80を形成し、粘着剤層80を介して剥離フィルム90を第二位相差層22に貼り合わせて位相差層付偏光板110を得る。実用的には、粘着剤層80により、位相差層付偏光板110は画像表示パネル本体に貼り付け可能とされる。剥離フィルム90は、位相差層付偏光板110が使用に供されるまで仮着されるセパレーターとして機能し得る。剥離フィルムを仮着することにより、例えば、粘着剤層を保護するとともに、位相差層付偏光板のロール形成が可能となる。
図示しないが、積層物100は、他の部材を含んでいてもよい。図3は、積層物(工程1)の変形例を示す図である。図3に示す工程1の変形例では、基材11上に形成された第一位相差層21上に位相差層の保護材50を形成し、保護材50上に粘着剤層30を形成し、粘着剤層30上に剥離フィルム40を配置して積層物100を得る。保護材50を形成する前に、第一位相差層21の上面は表面保護フィルムで保護されていてもよい(図示せず)。また、粘着剤層30を形成する前に、保護材50の上面は表面保護フィルムで保護されていてもよい(図示せず)。
上記各部材は、任意の適切な接着層(一部、図示せず)を介して積層され得る。接着層の具体例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。例えば、第一位相差層21と第二位相差層22とは、接着剤層を介して貼り合わせられる。具体的には、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて貼り合わせられる。活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化後の厚み(接着剤層の厚み)は、例えば0.2μm~3.0μmであり、好ましくは0.4μm~2.0μmであり、より好ましくは0.6μm~1.5μmである。
1.偏光板
上記偏光板は、偏光子と保護層とを含む。偏光板の厚みは、含まれる保護層の数にもよるが、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは25μm以上である。一方、偏光板の厚みは、好ましくは75μm以下である。偏光板の厚みは、70μm以下であってもよく、60μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。なお、偏光板の厚みには、偏光子と保護層とを積層する際に接着層(例えば、接着剤層)を用いる場合、その厚みは含まれない。
上記偏光子は、代表的には、二色性物質(例えば、ヨウ素)を含む樹脂フィルムである。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが挙げられる。
偏光子の厚みは、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは12μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは8μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは1μm以上である。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば41.5%~46.0%であり、好ましくは42.0%~46.0%であり、より好ましくは44.5%~46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
上記保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成され得る。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の樹脂が挙げられる。
本発明の実施形態により得られる位相差層付偏光板は、代表的には、画像表示装置の視認側に配置され、第一保護層71は、視認側に配置される。したがって、第一保護層71には、必要に応じて、ハードコート(HC)処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。
保護層の厚みは、好ましくは5μm~80μmであり、より好ましくは10μm~40μmであり、さらに好ましくは15μm~35μmである。なお、上記表面処理が施されている場合、第一保護層71の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
偏光子69と第一位相差層21との間に配置される第二保護層22は、1つの実施形態においては、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。第二保護層22の厚みは、好ましくは5μm~80μmであり、より好ましくは10μm~40μmであり、さらに好ましくは10μm~30μmである。
偏光板は、任意の適切な方法で作製され得る。具体的には、偏光板は、単層の樹脂フィルムから作製した偏光子を含んでいてもよく、二層以上の積層体を用いて得られる偏光子を含んでいてもよい。
上記単層の樹脂フィルムから偏光子を製造する方法は、代表的には、樹脂フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理と延伸処理とを施すことを含む。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが用いられる。当該方法は、不溶化処理、膨潤処理、架橋処理等をさらに含んでいてもよい。得られた偏光子の少なくとも一方に保護層を積層することにより、偏光板が得られ得る。このような製造方法は、当業界で周知慣用であるので、詳細な説明は省略する。
上記積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、樹脂基材と樹脂フィルムまたは樹脂層(代表的には、PVA系樹脂層)との積層体を用いて作製され得る。具体的には、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とPVA系樹脂とを含むPVA系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成し得る。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成し得る。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、PVA分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得、高い光学特性を達成し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、高い光学特性を達成し得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離した剥離面に、もしくは、剥離面とは反対側の面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
2.位相差層
位相差層20の厚みは、その構成(単一層であるか積層構造を有するか)にもよるが、例えば1μm以上10μm以下であり、好ましくは8μm以下であり、より好ましくは7μm以下である。第一位相差層21の厚みは、好ましくは5μm以下である。なお、位相差層が積層構造である場合、「位相差層の厚み」は、各位相差層の厚みの合計を意味する。具体的には、「位相差層の厚み」には接着層の厚みは含まれない。
上記位相差層としては、好ましくは、液晶化合物の配向固化層(液晶配向固化層)が用いられる。液晶化合物を用いることにより、例えば、得られる位相差層のnxとnyとの差を非液晶材料に比べて格段に大きくすることができるので、所望の面内位相差を得るための位相差層の厚みを格段に小さくすることができる。したがって、位相差層付偏光板の顕著な薄型化を実現することができる。本明細書において「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。なお、「配向固化層」は、後述のように液晶モノマーを硬化させて得られる配向硬化層を包含する概念である。位相差層においては、代表的には、棒状の液晶化合物が位相差層の遅相軸方向に並んだ状態で配向している(ホモジニアス配向)。
上記液晶配向固化層は、基材(基材11,12)の表面に配向処理を施し、当該表面に液晶化合物を含む塗工液を塗工して当該液晶化合物を上記配向処理に対応する方向に配向させ、当該配向状態を固定することにより形成され得る。基材(基材11,12)としては、代表的には、ポリマーフィルムが用いられる。ポリマーフィルムの材料としては、例えば、セルロース系ポリマー、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系ポリマーが挙げられる。基材の厚みは、例えば5μm~100μmである。
上記配向処理としては、任意の適切な配向処理が採用され得る。具体的には、機械的な配向処理、物理的な配向処理、化学的な配向処理が挙げられる。機械的な配向処理の具体例としては、ラビング処理、延伸処理が挙げられる。物理的な配向処理の具体例としては、磁場配向処理、電場配向処理が挙げられる。化学的な配向処理の具体例としては、斜方蒸着法、光配向処理が挙げられる。各種配向処理の処理条件は、目的に応じて任意の適切な条件が採用され得る。
液晶化合物の配向は、液晶化合物の種類に応じて液晶相を示す温度で処理することにより行われる。このような温度処理を行うことにより、液晶化合物が液晶状態をとり、基材表面の配向処理方向に応じて当該液晶化合物が配向する。
配向状態の固定は、1つの実施形態においては、上記のように配向した液晶化合物を冷却することにより行われる。液晶化合物が重合性モノマーまたは架橋性モノマーである場合には、配向状態の固定は、上記のように配向した液晶化合物に重合処理または架橋処理を施すことにより行われる。
液晶化合物の具体例および配向固化層の形成方法の詳細は、特開2006-163343号公報に記載されている。当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層は、上述のとおり、単一層であってもよいし、二層以上の積層構造を有していてもよい。
図示例とは異なり、位相差層が単一層である場合の1つの実施形態においては、位相差層は、λ/4板として機能し得る。具体的には、位相差層のRe(550)は、好ましくは100nm~180nmであり、より好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは110nm~160nmである。位相差層の厚みは、λ/4板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得る。位相差層が上述の液晶配向固化層である場合、その厚みは、例えば1.0μm~2.5μmである。本実施形態においては、位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは40°~50°であり、より好ましくは42°~48°であり、さらに好ましくは44°~46°である。また、位相差層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示すことが好ましい。
位相差層が単一層である場合の別の実施形態においては、位相差層は、λ/2板として機能し得る。具体的には、位相差層のRe(550)は、好ましくは200nm~300nmであり、より好ましくは230nm~290nmであり、さらに好ましくは230nm~280nmである。位相差層の厚みは、λ/2板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得る。位相差層が上述の液晶配向固化層である場合、その厚みは、例えば2.0μm~4.0μmである。本実施形態においては、位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは10°~20°であり、より好ましくは12°~18°であり、さらに好ましくは12°~16°である。
図示するように、位相差層20が積層構造を有する場合の1つの実施形態においては、位相差層20は、偏光板70側から順に第一位相差層(H層)21と第二位相差層(Q層)22とが配置された、二層の積層構造を有する。H層は、代表的にはλ/2板として機能し得、Q層は、代表的にはλ/4板として機能し得る。具体的には、H層のRe(550)は好ましくは200nm~300nmであり、より好ましくは220nm~290nmであり、さらに好ましくは230nm~280nmであり;Q層のRe(550)は、好ましくは100nm~180nmであり、より好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは110nm~150nmである。H層の厚みは、λ/2板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得る。H層が上述の液晶配向固化層である場合、その厚みは、例えば2.0μm~4.0μmである。Q層の厚みは、λ/4板の所望の面内位相差が得られるよう調整され得る。Q層が上述の液晶配向固化層である場合、その厚みは、例えば1.0μm~2.5μmである。本実施形態においては、H層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは10°~20°であり、より好ましくは12°~18°であり、さらに好ましくは12°~16°であり;Q層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは70°~80°であり、より好ましくは72°~78°であり、さらに好ましくは72°~76°である。なお、H層およびQ層の配置順序は逆であってもよく、H層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度およびQ層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は逆であってもよい。また、それぞれの層(例えば、H層およびQ層)は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。
位相差層(積層構造を有する場合には少なくとも一つの層)は、代表的には、屈折率特性がnx>ny=nzの関係を示す。なお、「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。したがって、本発明の効果を損なわない範囲で、ny>nzまたはny<nzとなる場合があり得る。位相差層のNz係数は、好ましくは0.9~1.5であり、より好ましくは0.9~1.3である。
上述のとおり、位相差層は、好ましくは液晶配向固化層である。上記液晶化合物としては、例えば、液晶相がネマチック相である液晶化合物(ネマチック液晶)が挙げられる。このような液晶化合物として、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが使用可能である。液晶化合物の液晶性の発現機構は、リオトロピックでもサーモトロピックでもどちらでもよい。液晶ポリマーおよび液晶モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせてもよい。
液晶化合物が液晶モノマーである場合、当該液晶モノマーは、重合性モノマーおよび架橋性モノマーであることが好ましい。液晶モノマーを重合または架橋(すなわち、硬化)させることにより、液晶モノマーの配向状態を固定できるからである。液晶モノマーを配向させた後に、例えば、液晶モノマー同士を重合または架橋させれば、それによって上記配向状態を固定することができる。ここで、重合によりポリマーが形成され、架橋により3次元網目構造が形成されることとなるが、これらは非液晶性である。したがって、形成された位相差層は、例えば、液晶性化合物に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。その結果、位相差層は、温度変化に影響されない、極めて安定性に優れた位相差層となる。
液晶モノマーが液晶性を示す温度範囲は、その種類に応じて異なる。具体的には、当該温度範囲は、好ましくは40℃~120℃であり、さらに好ましくは50℃~100℃であり、最も好ましくは60℃~90℃である。
上記液晶モノマーとしては、任意の適切な液晶モノマーが採用され得る。例えば、特表2002-533742(WO00/37585)、EP358208(US5211877)、EP66137(US4388453)、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、およびGB2280445等に記載の重合性メソゲン化合物等が使用できる。このような重合性メソゲン化合物の具体例としては、例えば、BASF社の商品名LC242、Merck社の商品名E7、Wacker-Chem社の商品名LC-Sillicon-CC3767が挙げられる。液晶モノマーとしては、ネマチック性液晶モノマーが好ましい。
別の実施形態においては、位相差層20は、λ/4板として機能し得る第一位相差層21と、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す第二位相差層22(いわゆるポジティブCプレート)との積層構造を有する。λ/4板の詳細については上述のとおりである。本実施形態においては、第一位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは40°~50°であり、より好ましくは42°~48°であり、さらに好ましくは44°~46°である。また、第一位相差層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示すことが好ましい。
上記ポジティブCプレートの厚み方向の位相差Rth(550)は、好ましくは-50nm~-300nmであり、より好ましくは-70nm~-250nmであり、さらに好ましくは-90nm~-200nmであり、特に好ましくは-100nm~-180nmである。ここで、「nx=ny」は、nxとnyが厳密に等しい場合のみならず、nxとnyが実質的に等しい場合も包含する。ポジティブCプレートの面内位相差Re(550)は、例えば10nm未満である。
nz>nx=nyの屈折率特性を有する第二位相差層は、任意の適切な材料で形成され得るが、好ましくは、ホメオトロピック配向に固定された液晶材料を含むフィルムからなる。ホメオトロピック配向させることができる液晶材料(液晶化合物)は、液晶モノマーであってもよいし、液晶ポリマーであってもよい。当該液晶化合物および当該位相差層の形成方法の具体例としては、特開2002-333642号公報の[0020]~[0028]に記載の液晶化合物および当該位相差層の形成方法が挙げられる。この場合、第二位相差層の厚みは、好ましくは0.5μm~5μmである。
3.表面保護フィルム
上記表面保護フィルムの基材は、任意の適切な材料で形成され得る。形成材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系ポリマー;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー;ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系ポリマー;が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面保護フィルムの基材の厚みは、好ましくは15μm~50μmであり、より好ましくは25μm~40μmである。
上記表面保護フィルムの粘着剤層としては、任意の適切な構成が採用され得る。具体例としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、およびポリエーテル系粘着剤が挙げられる。粘着剤のベース樹脂を形成するモノマーの種類、数、組み合わせおよび配合比、ならびに、架橋剤の配合量、反応温度、反応時間等を調整することにより、目的に応じた所望の特性を有する粘着剤を調製することができる。粘着剤のベース樹脂は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ベース樹脂は、好ましくはアクリル樹脂である(具体的には、粘着剤層は、好ましくはアクリル系粘着剤で構成される)。粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は、例えば1.0×10Pa~1.0×10Paである。粘着剤層の厚みは、例えば5μm~15μmである。
表面保護フィルムの厚みは、好ましくは30μm~60μmであり、より好ましくは30μm~50μmである
4.粘着剤層
第一位相差層21を偏光板70に積層する際に用いられる粘着剤層30の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは8μm以下である。一方、粘着剤層30の厚みは、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは4μm以上であり、さらに好ましくは6μm以上である。粘着剤層80の厚みは、例えば10μm~40μmである。粘着剤層30,80を構成する粘着剤の詳細については、上記表面保護フィルムに含まれる粘着剤層と同様である。
5.剥離フィルム
上記剥離フィルムは、任意の適切なプラスチックフィルムで構成され得る。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが挙げられる。上述のとおり、剥離フィルムは、セパレーターとして機能し得る。具体的には、剥離フィルムとして、表面が剥離剤でコートされたプラスチックフィルムが好ましく用いられる。剥離剤の具体例としては、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤が挙げられる。
剥離フィルムの厚みは、好ましくは20μm~80μmであり、より好ましくは35μm~55μmである。
6.保護材
上述のように、位相差層と粘着剤層との間に保護材が配置されていてもよい。保護材を配置させることにより、例えば、位相差層への他の層からの影響を低減し得る。
上記保護材は、例えば、樹脂の有機溶媒溶液の塗布膜の固化物または熱硬化物である。このような構成によれば、例えば、位相差層に直接(すなわち、接着剤層または粘着剤層を介することなく)形成することができる。また、得られる保護材の厚みを薄くすることができる。保護材の厚みは、好ましくは0.01μm~5μmであり、より好ましくは0.02μm~3μmであり、さらに好ましくは0.03μm~1μmであり、特に好ましくは0.04μm~0.6μmである。
1つの実施形態においては、上記樹脂は、50重量部を超える(メタ)アクリル系単量体と、0重量部を超えて50重量部未満の式(1)で表される単量体(以下、共重合単量体と称する場合がある)とを含むモノマー混合物を重合することにより得られる共重合体(以下、ホウ素含有アクリル系樹脂と称する場合がある)を含む。
Figure 0007646435000001
式中、Xはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロ環基を表し、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい。
ホウ素含有アクリル系樹脂は、例えば、下記式で表される繰り返し単位を有する。式(1)で表される共重合単量体と(メタ)アクリル系単量体とを含むモノマー混合物を重合することにより、ホウ素含有アクリル系樹脂は側鎖にホウ素を含む置換基(例えば、下記式中kの繰り返し単位)を有する。このホウ素を含む置換基は、ホウ素含有アクリル系樹脂に連続して(すなわち、ブロック状に)含まれていてもよく、ランダムに含まれていてもよい。
Figure 0007646435000002
式中、Rは任意の官能基を表し、jおよびkは1以上の整数を表す。
<(メタ)アクリル系単量体>
(メタ)アクリル系単量体としては任意の適切な(メタ)アクリル系単量体を用いることができる。例えば、直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、および、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルをいう。
直鎖または分岐構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸メチルが用いられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ビフェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o-ビフェニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、m-ビフェニルオキシエチルアクリレート、p-ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o-ビフェニルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、p-ビフェニルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、m-ビフェニルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-o-ビフェニル=カルバマート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-p-ビフェニル=カルバマート、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-m-ビフェニル=カルバマート、o-フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート等のビフェニル基含有モノマー、ターフェニル(メタ)アクリレート、o-ターフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルが用いられる。これらの単量体を用いることにより、ガラス転移温度の高い重合体が得られる。これらの単量体は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体に代えて、(メタ)アクリロイル基を有するシルセスキオキサン化合物を用いてもよい。シルセスキオキサン化合物を用いることにより、ガラス転移温度が高いアクリル系重合体が得られる。シルセスキオキサン化合物は、種々の骨格構造、例えば、カゴ型構造、ハシゴ型構造、ランダム構造などの骨格を持つものが知られている。シルセスキオキサン化合物は、これらの構造を1種のみを有するものでもよく、2種以上を有するものでもよい。シルセスキオキサン化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリロイル基を含有するシルセスキオキサン化合物として、例えば、東亜合成株式会社SQシリーズのMACグレード、および、ACグレードを用いることができる。MACグレードは、メタクリロイル基を含有するシルセスキオキサン化合物であり、具体的には、例えば、MAC-SQ TM-100、MAC-SQ SI-20、MAC-SQ HDM等が挙げられる。ACグレードは、アクリロイル基を含有するシルセスキオキサン化合物であり、具体的には、例えば、AC-SQ TA-100、AC-SQ SI-20等が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体は、モノマー混合物100重量部に対して、50重量部を超えて用いられる。
<共重合単量体>
共重合単量体としては、上記式(1)で表される単量体が用いられる。このような共重合単量体を用いることにより、得られる重合体の側鎖にホウ素を含む置換基が導入される。共重合単量体は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式(1)における脂肪族炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20の直鎖または分岐のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3~20の環状アルキル基、炭素数2~20のアルケニル基が挙げられる。上記アリール基としては、置換基を有していてもよい炭素数6~20のフェニル基、置換基を有していてもよい炭素数10~20のナフチル基等が挙げられる。ヘテロ環基としては、置換基を有していてもよい少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員環基または6員環基が挙げられる。なお、RおよびRは互いに連結して環を形成してもよい。RおよびRは、好ましくは水素原子、もしくは、炭素数1~3の直鎖または分岐のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
Xで表される官能基が含む反応性基は、ビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である。好ましくは、反応性基は(メタ)アクリル基および/または(メタ)アクリルアミド基である。
1つの実施形態においては、Xで表される官能基は、Z-Y-で表される官能基であることが好ましい。ここで、Zはビニル基、(メタ)アクリル基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルデヒド基、および、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性基を含む官能基を表し、Yはフェニレン基またはアルキレン基を表す。
共重合単量体としては、具体的には以下の化合物を用いることができる。
Figure 0007646435000003
Figure 0007646435000004
共重合単量体は、モノマー混合物100重量部に対して、0重量部を超えて50重量部未満の含有量で用いられる。好ましくは0.01重量部以上50重量部未満であり、より好ましくは0.05重量部~20重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部~10重量部であり、特に好ましくは0.5重量部~5重量部である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、厚みは下記の測定方法により測定した値である。また、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
<厚み>
10μm以下の厚みは、走査型電子顕微鏡(日本電子社製、製品名「JSM-7100F」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
[実施例1]
(偏光板の作製)
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、この樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所望の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。
このようにして、樹脂基材上に厚み約5μmの偏光子を形成し、樹脂基材/偏光子の構成を有する積層体を得た。
得られた積層体の偏光子側に、ポリビニルアルコール系接着剤を介して、HC-TACフィルム(厚み32μm)を第一保護層として貼り合わせ、さらに、厚み48μmの表面保護フィルム(日東電工社製、「RP109F」、基材(PET)の厚み38μm、粘着剤層の厚み10μm)を貼り合わせた。なお、HC-TACフィルムは、TACフィルム(厚み25μm)にハードコート(HC)層(厚み7μm)が形成されたフィルムであり、TACフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。
次いで、偏光子から樹脂基材を剥離し、偏光子のもう片側に、Re(550)が0nmであるTACフィルム(厚み20μm)を第二保護層として貼り合わせ、さらに、厚み30μmの表面保護フィルム(東レ社製、「トレテック」)を貼り合わせた。
こうして、偏光板を得た。
(積層物の作製)
重合性液晶化合物(L-1)42重量部、重合性液晶化合物(L-2)42重量部、重合性液晶化合物(L-3)16重量部、重合開始剤(PI-1)0.5重量部、ポリマー(T-1)0.09重量部、ポリマー(T-2)0.04重量部およびシクロペンタノン235重量部を混合し組成物を得た。得られた組成物を配向膜が形成されたシクロオレフィン系樹脂(COP)フィルム(基材:厚み80μm)上に塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を180℃に加熱し、その後120℃に冷却し、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて波長365nmにて100mJ/cmの紫外線を塗膜に照射して、基材上に第一位相差層(厚み2.3μm)を形成した。得られた第一位相差層の面内位相差Re(550)は140nmであり、Re(450)/Re(550)は0.87であった。
重合性液晶化合物(L-1)
重合性液晶化合物(L-2)
重合性液晶化合物(L-3)
重合開始剤(PI-1)
ポリマー(T-1)
ポリマー(T-2)
上記第一位相差層上に、ロール搬送しながらアクリル系粘着剤層(厚み7μm)を介して、厚み38μmの剥離フィルム(東レ社製、「Kセラピール」、PET系フィルム)を貼り合わせ、積層物を得た。
得られた積層物の幅方向両端部を切断した後、積層物(粘着剤層)から剥離フィルムを剥離し、上記偏光板に積層物をロール搬送しながら貼り合わせた。具体的には、偏光板の偏光子の吸収軸と第一位相差層の遅相軸とのなす角度が45°となるように貼り合わせた。
<評価:剥離力>
得られた積層物から幅25mm、長さ150mmのサイズに切り出したサンプルを、23℃×50%RHの環境下に30分以上放置した後、万能引張試験機にて剥離速度300mm/分および1000mm/分、剥離角度90°および180°で長さ方向に剥離したときの剥離力(N/25mm)を測定した。具体的には、粘着剤層に対する剥離フィルムの剥離力F1および基材に対する第一位相差層の剥離力F2を測定した。なお、測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
得られた結果を表1にまとめる。
Figure 0007646435000011
剥離角度180°では、剥離フィルムを粘着剤層から剥離する際に、第一位相差層と基材との間で剥がれが生じる可能性は極めて低い。
本発明の実施形態により得られる位相差層付偏光板は、画像表示装置の位相差層付偏光板として用いられ、湾曲した、あるいは、屈曲、折り畳み、または巻き取り可能な画像表示装置にも好適に用いられ得る。画像表示装置としては、代表的には、液晶表示装置、有機EL表示装置、無機EL表示装置が挙げられる。
11 基材
12 基材
20 位相差層
21 第一位相差層
22 第二位相差層
30 粘着剤層
40 剥離フィルム
50 保護材
60 表面保護フィルム
69 偏光子
70 偏光板
71 第一保護層
72 第二保護層
80 粘着剤層
90 剥離フィルム
100 積層物
110 位相差層付偏光板

Claims (9)

  1. 剥離フィルム、粘着剤層、第一位相差層および前記第一位相差層に隣接して配置される基材をこの順で含む積層物を準備すること、
    前記積層物の端部を切断することにより、前記粘着剤層の端面と前記第一位相差層の端面とを面一とすること、
    前記粘着剤層から前記剥離フィルムを剥離すること
    光板に前記積層物を貼り合わせること、および、
    前記第一位相差層から前記基材を剥がすこと、をこの順で含
    前記粘着剤層に対する前記剥離フィルムの剥離角度が180°のときの剥離力は、前記基材に対する前記第一位相差層の剥離角度が180°のときの剥離力よりも小さい、
    位相差層付偏光板の製造方法。
  2. 前記剥離フィルムを前記粘着剤層の表面に対して120°~180°の方向に剥離する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記基材に対する前記第一位相差層の剥離力F2に対する前記粘着剤層に対する前記剥離フィルムの剥離力F1の比(F1/F2)は、剥離速度1000mm/秒および剥離角度が180°のとき1未満であり、剥離速度1000mm/秒および剥離角度が90°のとき1以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記偏光板の端部に識別コードが形成される、請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記第一位相差層は液晶化合物の配向固化層である、請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記第一位相差層の厚みが5μm以下である、請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記粘着剤層の厚みが10μm以下である、請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記粘着剤層の厚みが6μm以上である、請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記偏光板に前記積層物を貼り合わせた後に、さらに、第二位相差層を積層することを含む、請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
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