JP7649459B2 - ナノセルロース及びその分散液並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
その粘性を活かしてナノセルロースを増粘剤、分散剤、バインダーなどへの使用が検討されているが、ナノセルロース水分散体の粘性はナノセルロースの繊維長や繊維幅などの繊維形状に関係していることが知られている。また、上記用途でナノセルロースと無機粒子を混合させてスラリーを作製する場合、そのスラリーの粘度安定性が悪いとき、製品としての品質に変化が生じる恐れがある。
また、特許文献2は、マイクロメートル単位の繊維長のCNFについてのみ記載されており、ナノメートル単位の繊維長分布である微細セルロースに関する技術については記載されていない。
条件A:繊維長の標準偏差が600nm以下である
条件B:繊維長の尖度が11以上である
条件C:繊維長の歪度が3.0以上である
条件D:繊維長の範囲が4000nm以下である
条件E:繊維幅の標準偏差が1.5nm以下である
条件F:繊維幅の尖度が0.3以上である
条件G:繊維幅の歪度が0.5以上である
条件H:繊維幅の範囲が6.8nm以下である
ナノセルロースを含むスラリーの粘度安定性に優れているので、本発明のナノセルロースは、例えば、増粘剤、分散剤、バインダーなどに有用である。
本明細書において、N-オキシル化合物を実質的に含まないとは、ナノセルロース中に含まれるN-オキシル化合物由来の残留窒素成分が、原料パルプからの増加分として2.0ppm以下であることを意味する。本明細書のナノセルロースにおけるN-オキシル化合物由来の残留窒素成分は、原料パルプからの増加分として1.0ppm以下であることが好ましい。また、N-オキシル化合物の含有量が、セルロース系原料からの増加分として、好ましくは2.0質量ppm以下、より好ましくは1.0質量ppm以下である場合も、「N-オキシル化合物を実質的に含まない」ことを意味する。
N-オキシル化合物を実質的に含んでいないことにより、環境や人体への影響が懸念されているN-オキシル化合物を、ナノセルロースに残留させることを抑制できる。N-オキシル化合物の含有量は、公知の手段で測定することができる。公知の手段としては、微量全窒素分析装置を用いる方法が挙げられる。具体的には、ナノセルロース中のN-オキシル化合物由来の窒素成分は、微量全窒素分析装置(例えば、三菱ケミカルアナリテック社製、装置名:TN-2100H等)を用いて窒素量として測定することができる。
平均繊維長は100nm以上450nm以下の範囲が好ましく、100nm以上400nm以下の範囲がより好ましい。平均繊維長が500nmを超える場合、スラリーが激しく増粘しハンドリングが難しくなる。また、平均繊維長が100nmより小さいとナノセルロースの特長である粘性が発現し難くなる。
繊維長の標準偏差が600nmを超える場合、そのナノセルロースを使用したスラリーは、ナノセルロース濃度の不均一な部分が生じ易くなり、スラリーの状態、特に粘度安定性が低下する。そのため、標準偏差は小さいほど好ましい。但し、標準偏差を10nm未満にしようとすると解繊回数を大幅に増やす必要があり、経済的に好ましくない。
尖度は繊維長分布の集中度を示す数値であり、11未満の尖度が小さなナノセルロースを使用したスラリーは、ナノセルロース濃度の不均一な部分が生じ易くなり、スラリーの状態、特に粘度安定性が低下する。そのため、尖度は大きいほど好ましいが、30を超える尖度にするためには、解繊回数を大幅に減らす必要があり、ナノセルロース化が不十分となるため好ましくない。
繊維長の歪度が一定範囲内であると、メカニズムは不明であるが、そのナノセルロースを使用したスラリーは、スラリーの状態、特に粘度安定性が高い。
繊維長の歪度が3.0未満であると粘度安定性が低下し、繊維長の歪度が6.0を超える場合は、解繊回数を大幅に減らす必要があり、ナノセルロース化が不十分となるため好ましくない。
なお、繊維長の歪度が高いほど、繊維長分布が幅の小さい側に偏っていることを示している。
繊維長の範囲が4000nmを超えるナノセルロースを使用したスラリーは、ナノセルロース濃度の不均一な部分が生じ易くなり、スラリーの状態、特に粘度安定性が低下する傾向にある。そのため、繊維長の範囲は小さいほど好ましい。但し、繊維長の範囲の下限を500nm未満にするためには、解繊回数を大幅に増やす必要があり、経済的に好ましくない。
繊維幅の標準偏差が1.5nmを超えると、ナノセルロースを使用したスラリーは、スラリー中のナノセルロース濃度の不均一な部分が生じ易くなり、スラリーの状態、特に粘度安定性が低下する傾向にある。そのため、標準偏差は小さいほど好ましい。但し、標準偏差を1.0nm未満にするためには解繊回数を大幅に増やす必要があり、経済的に好ましくない。
繊維幅の尖度の小さなナノセルロースを使用したスラリーは、ナノセルロース濃度の不均一な部分が生じ易くなり、スラリーの状態、特に粘度安定性が低下する傾向にある。そのため、尖度は大きいほど好ましい。但し、繊維幅の尖度を2.5超過にしようとすると解繊回数を大幅に減らす必要があり、ナノセルロース化が不十分となるため好ましくない。
繊維幅の歪度が0.5以上であると、メカニズムは不明であるが、そのナノセルロースを使用したスラリーは、スラリーの状態、特に粘度安定性が高い。
繊維幅の歪度が0.5未満であると粘度安定性が低下し、繊維幅の歪度が1.5を超える場合は、解繊回数を大幅に減らす必要があり、ナノセルロース化が不十分となるため好ましくない。
なお、繊維幅の歪度が高いほど、繊維幅分布が幅の小さい側に偏っていることを示している。
繊維幅の範囲の大きなナノセルロースを使用したスラリーは、ナノセルロース濃度の不均一な部分が生じ易くなり、スラリーの状態、特に粘度安定性が低下する傾向にある。そのため、繊維幅の範囲は小さいほど好ましい。但し、繊維幅の範囲の下限を3.0nm未満にするためには、解繊回数を大幅に増やす必要があり、経済的に好ましくない。
フィルターの目開きを調整する方法においては、目開きを大きくすることにより、細かな繊維が除かれて、平均繊維長、平均繊維幅、繊維長の標準偏差、尖度、歪度、および範囲、ならびに繊維幅の標準偏差、尖度、歪度、および範囲が所定の範囲に制御しやすい。
は、データ数nの集団の算術平均を表す。
繊維長の尖度および繊維幅の尖度はそれぞれ、データ数をn、各データをxi、標準偏差をsとすれば、下記式(2)から求められる。
は、データ数nの集団の算術平均を表す。
繊維長の歪度および繊維幅の歪度はそれぞれ、データ数をn、各データをxi、標準偏差をsとすれば、下記式(3)から求められる。
は、データ数nの集団の算術平均を表す。
同様に、繊維幅もしくは繊維幅分布は、その分布が狭い(標準偏差が小さい、範囲が小さい)、および/または、その分布が尖っている(尖度が大きい)、および/または、繊維幅分布もしくは繊維幅分布が小さい方へ偏っている(歪度が大きい)と、スラリー中のナノセルロース濃度の不均一な部分が生じ難くなり、スラリーの状態、特に粘度の安定性が高くなると考えられる。
本発明のナノセルロースは、例えば、セルロース系原料を酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムと反応させて酸化セルロースを製造し、さらに酸化セルロースを解繊することで製造することができる。
なお、「ナノセルロース」は、酸化された繊維状セルロースを微細化した繊維状セルロースであるため、「微細セルロース繊維」や「CNF」とも称する。また、ナノセルロースは、セルロースをナノ化したものの総称を表し、セルロースナノファイバーやセルロースナノクリスタル等を含む。
なお、セルロース系原料として、パルプを原料とする結晶セルロースなどの市販品をそのまま使用することもできる。セルロース系原料は、後述する方法で使用する酸化剤を浸透しやすくするためにアルカリ処理等の化学処理を行ってもよい。
反応時におけるセルロース系原料濃度は特に限定されないが、10質量%以下が好ましく、一般的には、酸化剤を含む液にセルロース原料が添加された状態で反応させる。
また、反応系内における次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素濃度は、特に限定されないが、6質量%以上43質量%以下であることが好ましく、7質量%以上43質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上43質量%以下であることが更に好ましく、14質量%以上43質量%以下であることがより更に好ましい。反応系内の有効塩素濃度が高いほど反応が円滑に進む利点がある。一方、有効塩素濃度が43質量%を超える次亜塩素酸ナトリウムは不安定になりやすい。
次亜塩素酸は水溶液としてのみ存在する弱酸であり、次亜塩素酸塩は次亜塩素酸の水素が他の陽イオンに置換された化合物である。
例えば、次亜塩素酸塩である次亜塩素酸ナトリウムは溶液中にしか存在しないため、次亜塩素酸ナトリウムの濃度ではなく、溶液中の有効塩素量を測定する。次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素とは、次亜塩素酸ナトリウムの分解により生成する2価の酸素原子の酸化力が1価の塩素の2原子当量に相当するため、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の結合塩素原子は、非結合塩素(Cl2)の2原子と同じ酸化力を持っていて、有効塩素=2×(NaClO中の塩素)となる。
具体的な有効塩素濃度の測定は、試料を精秤し、水、ヨウ化カリウム、酢酸を加えて放置し、遊離したヨウ素についてデンプン水溶液を指示薬としてチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し測定する。
有効塩素濃度を好ましい範囲である6質量%以上43質量%以下の範囲に調整する方法は前記の方法が挙げられる。これらの中でも、次亜塩素酸ナトリウム5水和物を用いて、酸化剤として有効塩素濃度に調整することが、自己分解が少ない、すなわち有効塩素濃度の低下が少なく、調整が簡便であるため好ましい。
セルロース系原料と次亜塩素酸ナトリウム水溶液の混合方法は、特に限定はないが、操作の容易さの面から、次亜塩素酸ナトリウム水溶液にセルロース系原料を加えて混合させることが好ましい。
酸化反応の時間は、酸化の進行の程度に従って設定することができるが、例えば、15分以上50時間以下程度反応させることが好ましい。
平均繊維長、平均繊維幅、繊維長の標準偏差、尖度、歪度、および範囲、繊維幅の標準偏差、尖度、歪度、および範囲などを本発明の範囲に調整する観点から、酸化反応時間は、20分以上とすることが好ましく、20分超過とすることがより好ましく、25分以上とすることがさらに好ましい。
なお、酸化セルロースまたはナノセルロース中のカルボキシ基量は、次の方法で測定することができる。
カルボキシ基量(mmol/g酸化セルロースまたはナノセルロース)=a(ml)×0.05/酸化セルロース質量またはナノセルロース質量(g)
また、水洗水と水洗排水の導電率値などを比較することで、洗浄の終点到達の目安とすることができる。
なお、赤外吸収スペクトルにおいて、プロトン型は1720cm-1付近に、塩型は1600cm-1付近にピークが見られることから、それらを区別することができる。
以上のとおり、酸化セルロースまたはナノセルロースは、塩型、プロトン型、及び修飾基による変性型の態様を包含する。
前記で得られた酸化セルロースは、解繊してナノ化することにより、ナノセルロースを製造することができる。本発明のナノセルロースには、セルロースナノクリスタルなどセルロースをナノ化したものを含む。
前記酸化セルロースを解繊する方法では、溶媒中でスターラーなどの弱い撹拌や、機械的解繊を行うことで、解繊時間の短縮が可能になる。ただし、機械的解繊が強すぎると、ナノセルロースが折れたり、切れたりする場合がある。
平均繊維長、平均繊維幅、繊維長の標準偏差、尖度、歪度、および範囲、繊維幅の標準偏差、尖度、歪度、および範囲などを本発明の範囲に調整する観点から、超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
超高圧ホモジナイザーにより解繊を行う場合、解繊処理時の圧力は、好ましくは100MPa以上であり、より好ましくは120MPa以上であり、さらに好ましくは150MPa以上である。解繊処理回数は特に限定されないが、解繊を十分に進行させる観点から好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上である。
また、機械解繊時の解繊処理回数、酸化セルロース分散液の酸化セルロースの濃度などの解繊条件を調整することで、平均繊維長、平均繊維幅、繊維長の標準偏差、尖度、歪度、および範囲、繊維幅の標準偏差、尖度、歪度、および範囲などを本発明の範囲とすることができる。
前記エーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等が挙げられる。
前記ケトン類としては、アセトンおよびメチルエチルケトン等が挙げられる。
前記炭酸エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートおよびエチルメチルカーボネート等が挙げられる。
石原産業社製酸化チタンR-820(5質量%)および各種ナノセルロースを含む水系スラリー(50g)について、スラリーの初期粘度が、以下に記載する方法で粘度測定した際に300mPa・sとなるようにナノセルロース添加量を変えて作製した。スラリーを作製するための混合ではシンキー社のミキサー「あわとり練太郎ARE-310」(ミックスモード、公転:2000rpm、自転:800rpm、20分間)を使用した。
そして、作製直後(初期粘度)と1週間静置後の粘度を測定し、下記式より粘度変化率を算出すると共に、以下の判定基準に従って粘度安定性を判定した。
粘度変化率(%)=(1週間静置後のスラリーの粘度)/(作製直後のスラリー粘度)×100
粘度安定性の判定基準(粘度変化率の絶対値)
A:105%未満
B:105%以上、110%未満
C:110%以上、115%未満
D:115%以上
なお、静置は室内(23±2℃)とした。
スラリーの初期粘度は、スパチュラで泡が入らない程度の速さで撹拌した後、東機産業社のE型粘度計(TV-22)にて25℃、100rpm(せん断速度200s-1)の条件で測定した。1週間静置後の粘度も、上記機器にて同条件で測定した。
得られたナノセルロース分散液を純水で1000~1000000倍に希釈し、それをマイカ基材上で自然乾燥させ、オックスフォード・アサイラム製走査型ブローブ顕微鏡「MFP-3D infinity」を用いて、ACモードで、ナノセルロースの形状観察を行った。
繊維長については、得られた画像を画像処理ソフトウェア「ImageJ」を用いて二値化し解析を行った。繊維100本以上について、繊維長=「周囲長」÷2として数平均繊維長を求めた。
繊維幅については、「MFP-3D infinity」に付属されているソフトウェアを用いて、繊維50本以上について、形状像の断面高さ=繊維幅として数平均繊維幅を求めた。
セルロース系原料として、針葉樹パルプ(SIGMA-ALDRICH社 NIST RM 8495, bleached kraft pulp)を5mm角にハサミで切断し、大阪ケミカル社製「ワンダーブレンダーWB-1」にて、25,000rpmで1分間処理して、綿状に機械解繊した。
ビーカーに、有効塩素濃度が42質量%である次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を350g入れ、純水を加えて撹拌し有効塩素濃度を21質量%とした。そこへ、35質量%塩酸を加えて撹拌し、pH11の水溶液とした。
前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液を新東科学社製の撹拌機(スリーワンモータ、BL600)にてプロペラ型撹拌羽根を使用して100rpmで撹拌しながら恒温水浴にて30℃に加温した後、前記セルロース系原料を50g加えた。
セルロース系原料を供給後、同じ恒温水槽で30℃に保温しながら、48質量%水酸化ナトリウムを添加しながら反応中のpHを11に調整して、30分間、撹拌機にて同条件で撹拌を行った。
反応終了後、目開き20μmのPTFE製メッシュフィルターを使用して、吸引ろ過により生成物を固液分離し、得られた酸化セルロースを純水で洗浄した。
酸化セルロースに純水を加え5%分散液を作製し、スギノマシン社製の超高圧ホモジナイザー「スターバースト ラボ HJP-25005」にて200MPaで、10パス処理し、ナノセルロース水分散体を得た。
なお、超高圧ホモジナイザーでは、内蔵された超高圧解繊部に酸化セルロース水分散液を循環通液させて解繊を進める。その解繊部への通液1回分を1パスと呼んでいる。
ナノセルロース中のN-オキシル化合物由来の残留窒素成分は、微量全窒素分析装置(三菱ケミカルアナリテック社製、装置名:TN-2100H)を用いて窒素量として測定し、原料パルプからの増加分を算出した結果、1ppm以下であった。
超高圧ホモジナイザーでのパス回数を15パスにした以外は実施例1と同条件とした。
セルロース系原料として、日本製紙社製の粉末セルロース(KCフロックW-100GK)を使用した以外は実施例1と同条件とした。
セルロース系原料として、ティーディーアイ社の粉末セルロース(VP-1)を使用した以外は実施例1と同条件とした。
解繊する際の酸化セルロース分散液の酸化セルロース濃度を2質量%にした以外は実施例1と同条件とした。
解繊する際の酸化セルロース分散液の酸化セルロース濃度を2質量%にした以外は実施例3と同条件とした。
解繊する際の酸化セルロース分散液の酸化セルロース濃度を2質量%に、超高圧ホモジナイザーでのパス回数を8パスにした以外は、実施例3と同条件とした。
解繊する際の酸化セルロース分散液の酸化セルロース濃度を3質量%にした以外は実施例3と同条件とした。
酸化反応時の撹拌をスターラーで撹拌させたこと、酸化セルロースに純水を加えて1%分散液を作製し、ヒールッシャー社製の超音波ホモジナイザー「UP-400S」にてCYCLE0.5、AMPLIYUDE50の条件で10分間解繊した以外は実施例1と同条件とした。
なお、超音波ホモジナイザーでは、容器に入れた酸化セルロース水分散液に超音波発振部を浸漬し、発振される超音波にて解繊を進めた。
酸化反応の時間を20分にした以外は、実施例4と同条件とした。
ビーカーに、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジン-N-オキシラジカル(TEMPO、Sigma-Aldrich社)0.8g、臭化ナトリウム(富士フィルム和光純薬社)5gを入れ、純水5000mLを加えて新東科学社製の撹拌機(スリーワンモータ、BL600)にてプロペラ型撹拌羽根を使用して200rpmで撹拌し溶解させた。
恒温水浴にて25℃に加温した後、セルロース系原料として、針葉樹パルプ(SIGMA-ALDRICH社 NIST RM 8495, bleached kraft pulp)を綿状に機械解繊したものを50g加え、0.1M-水酸化ナトリウム溶液を加え、pH10の水溶液とした。次いで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(工業用グレード)131.5gを加え反応を開始させた。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を供給後、同じ恒温水槽で25℃に保温しながら、0.1M水酸化ナトリウムを添加しながら反応中のpHを10に調整して、120分間、撹拌機にて同条件で撹拌を行った。
反応終了後、目開き20μmのPTFE製メッシュフィルターを使用して、吸引ろ過により生成物を固液分離し、得られた酸化セルロースを純水で洗浄した。
酸化セルロースに純水を加え0.5%分散液を作製し、スギノマシン社製の超高圧ホモジナイザー「スターバーストラボ」にて200MPaで3パス処理し、ナノセルロース水分散体を得た。なお、ナノセルロース中のN-オキシル化合物由来の残留窒素成分は、実施例1と同様の条件で窒素量として測定し、原料パルプからの増加分を算出した結果、5ppmであった。
なお、表1におけるセルロース系原料は以下のとおりである。
・針葉樹:針葉樹パルプ(SIGMA-ALDRICH社 NIST RM 8495, bleached kraft pulp)を綿状に機械解繊したもの
・KC:日本製紙社製の粉末セルロース(KCフロックW-100GK)
・VP:ティーディーアイ社の粉末セルロース(VP-1)
Claims (6)
- 平均繊維長が100nm以上500nm以下であり、平均繊維幅が2.0nm以上4.5nm以下であるナノセルロースであって、下記条件Aを満たし、カルボキシル化ナノセルロースを含む、ナノセルロース。
条件A:繊維長の標準偏差が600nm以下である - 繊維長の標準偏差が10nm以上500nm以下である、請求項1に記載のナノセルロース。
- N-オキシル化合物を実質的に含まない、請求項1又は2に記載のナノセルロース。
- セルロース系原料を次亜塩素酸またはその塩で酸化して得られる酸化セルロースを解繊処理して作製する請求項1~3のいずれか1項に記載のナノセルロース。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースが分散媒に分散されたナノセルロース分散液。
- セルロース系原料を次亜塩素酸またはその塩で酸化して得られる酸化セルロースを解繊処理して作製する工程を含む請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースの製造方法。
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