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JP7650703B2 - インスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法 - Google Patents
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JP7650703B2 - インスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インスタント粉末茶飲料において簡便に甘味を抑制する方法、並びに該方法を用いて得られたインスタント粉末茶飲料に関する。
インスタント粉末飲料は粉末を熱水等に溶解させるだけで手軽に複雑な味の飲食品を摂取することができる優れた商品である一方で、均一な分散性や、溶解性のほか、容器充填等に適した流動性が求められる。特に、昨今その商品数を増やしているスティックタイプのインスタント粉末飲料では、1杯分という少ない数量を連続して計量するため充填に適した流動性の確保は重要である。また、カップ式の自動販売機での使用では、粉末原料がキャニスタ内に長く留まることもあるため、湿度等の経時的な変化にも耐えうるような粉末の設計が求められている。
上述したインスタント粉末飲料の流動性対策としては、いくつかの方法が提案されている。例えば一般的に物性改良剤を加える方法としてはリン酸三カルシウム、二酸化ケイ素等の添加物を使用する方法が用いられる。特許文献1には酸化カルシウム及び微粒二酸化ケイ素を添加配合する粉末清涼飲料製剤が開示されており、特許文献2にはアミロペクチン低分解物とリン酸三カルシウムを添加する方法が開示されている。ただし、これらのリン酸三カルシウムや微粒二酸化ケイ素はインスタント粉末飲料の香り立ちや味に影響が出る可能性があるため、多量に使用することはできない。
また、機械的な改良を加える方法として、粉末原料を混合した後、流動層造粒で顆粒状にする方法が用いられる。しかし、流動層造粒では加湿、加熱、乾燥等の工程を経るため、インスタント粉末飲料の香味劣化等の品質劣化について問題となることもある。
このように、いくつかの方法で簡易的に流動性対策とすることは可能であるが、特許文献1の方法では主成分が糖質や酸味料からなると限定されているように、多くの単純混合からなるインスタント粉末飲料では、対策をしていたとしても、結晶状かつある程度の比重を持つ糖質等を一定量以上入れる必要がある。そのため、甘味が一定以上あるのが一般的であるが、昨今の嗜好性の変化から甘味を抑えたインスタント粉末飲料が求められている。
近年では、甘味を抑える目的として一般的にデキストリン等の甘味の少ない素材を結晶状の糖質と置き換える方法が用いられることもある。しかしながら、コスト的に糖よりもデキストリン等の方が高く、大量に置換えた場合は溶解性が悪化する。また、デキストリン独特の香味が発現する点、結晶状の糖質と比較して味にボディ感が不足する点で、課題が残る。
また、甘味を抑制する方法として特許文献3では、難消化性デキストリンを配合する方法が開示されている。この方法によると、デキストリンに比べ少ない量の添加で効果を発揮するため、物性に与える影響は少ないと考えられる。しかし、甘味を抑えるために過量に入れてしまうと難消化性デキストリン由来の粘度が発現し、飲用時の食感を損なう恐れもあるため、使用する範囲は限られてしまう。
ところで、ホトリエノールは、茶などに含まれる成分であり、茶飲料では、烏龍茶飲料(特許文献4)が開示されている。また、香料組成物として、(3R)-(-)-3,7-ジメチル-1,5(E),7-オクタトリエン-3-オールおよび(3S)-(+)-3,7-ジメチル-1,5(E),7-オクタトリエン-3-オールを含有した香気成分を、紅茶飲料、キャンデー、チューイングガム等に添加して、自然で天然感のある特有の香気香味を付与する方法が開示されている(特許文献5)。
また、ホトリエノールの生理機能効果として、自律神経調節効果や睡眠改善効果について特許文献6、7に開示されている。
特開平8-196247号公報 特開昭57-155955号公報 特開2010-104281号公報 特開2009-89641号公報 特開2000-192073号公報 特開2019-163248号公報 国際公開2020/059808号パンフレット
インスタント粉末飲料としての物性的な問題の解決に関しては、上述のようにいくつかの解決方法が開示されているものの、主成分が糖質であることからなる甘味の調整については依然として決定的な解決方法はない。また、これまでの甘味の抑制方法では、添加するデキストリン等の成分独特の味が追加されてしまい、香味の点では、満足できるものではない。なかでも、茶成分を含むインスタント粉末飲料は茶由来の渋味や爽やかな香りも重要な要素であることから、強い甘味によって茶由来の香味が引き立たなくなってしまい、さらにデキストリンの添加によって異味異臭が追加されて茶の香味が損なわれてしまう。そこで本発明は、簡易的な方法で違和感なくインスタント粉末茶飲料の糖由来の甘味を抑制することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、インスタント粉末飲料、特に茶成分を含むインスタント粉末飲料で、飲用濃度での溶解時の甘味度が1.0~16.0のものについて、ある紅茶由来の香気成分を添加することで、飲料全体のボディ感を維持したまま、甘味の後引きが抑制されたインスタント粉末茶飲料が得られることを発見した。また、その作用について具体的に検討を進めた結果、ホトリエノールという特定香気成分がこの効果をもたらすことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)ホトリエノールをインスタント粉末茶飲料に添加することを特徴とするインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
(2)ホトリエノールの添加量が溶解時の濃度として1ppb以上10000ppb以下であることを特徴とする(1)に記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
(3)インスタント粉末茶飲料の溶解時の甘味度が1.0以上16.0以下であり、タンニンを30~500mg%含有することを特徴とする(2)に記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
(4)インスタント粉末茶飲料が茶エキスを含有することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
(5)インスタント粉末茶飲料が糖類および乳成分を含有するミルク入り粉末茶飲料であって、乳成分の含有量が10.0質量%以上40.0質量%以下であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
(6)インスタント粉末茶飲料が糖類および酸味料を含有する酸味料入り粉末茶飲料であって、酸味料の含有量が0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
(7)インスタント粉末飲料の製造方法であって、以下の成分(A)および(B)を含み、
(A)茶エキス1.0質量%以上33.0質量%以下
(B)糖類
溶解時の甘味度が1.0以上16.0以下であるインスタント粉末飲料に、ホトリエノールを溶解時の濃度として1ppb以上10000ppb以下となるように添加することを特徴とするインスタント粉末茶飲料の製造方法。
(8)インスタント粉末飲料が、さらに成分(C)乳成分10.0質量%以上40.0質量%以下を含むミルク入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする(7)に記載のインスタント粉末茶飲料の製造方法。
(9)インスタント粉末飲料が、さらに成分(D)酸味料0.1質量%以上5.0質量%以下を含む酸味料入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする(7)に記載のインスタント粉末茶飲料の製造方法。
(10)以下の成分(A)および(B)を含み、
(A)茶エキス1.0質量%以上33.0質量%以下
(B)糖類
さらに、溶解時の甘味度が1.0以上16.0以下であって、溶解時の濃度として1ppb以上10000ppb以下のホトリエノールを含有することを特徴とするインスタント粉末茶飲料。
(11)インスタント粉末飲料が、さらに成分(C)乳成分10.0質量%以上40.0質量%以下を含むミルク入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする(10)に記載のインスタント粉末茶飲料。
(12)インスタント粉末飲料が、さらに成分(D)酸味料0.1質量%以上5.0質量%以下を含む酸味料入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする(10)に記載のインスタント粉末茶飲料。
本発明の方法によれば、結晶状の糖質を主成分とし、飲用濃度にて溶解時に甘味度が1.0~16.0となるインスタント粉末茶飲料に、溶解時にホトリエノールを1ppb以上10000ppb以下となるように配合することによって、溶解性やボディ感は保持されたまま、甘味が抑制され、さらには茶の香味が良好となり、特に紅茶においては紅茶感(紅茶らしい渋味、爽やかな茶葉の香り)に優れたインスタント粉末茶飲料が得られる。なお、本発明における甘味の抑制は、具体的に表現すると甘味の後引きがなく、後味がすっきりとしたと認識されるものである。
本発明によれば、ホトリエノールの添加はごく微量であることから、組成を大きく変えることなく、かつ主たる香味に影響を与えることなく、甘味の後引きが改善されたインスタント粉末茶飲料を提供することが可能である。
また、ホトリエノールは粉末香料として添加するが、そのホトリエノールを含む粉末香料は、溶解時にも濁り等を伴わず、原料素材の色調に影響を与えることがないため、例えば、ミルクティーなどの濁りのある粉末茶飲料に限定されず、ストレートティー、レモンティーやアップルティーなどのフルーツティーなど幅広く使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、特に断りがない限り、用いられる「%」及び「ppb」は、質量/質量(w/w)の%及びppbをそれぞれ意味する。また、本明細書において表されている数値範囲、即ち「下限値~上限値」あるいは「下限値以上、上限値以下」は、それら下限値及び上限値を包含するものとする。
本発明において、インスタント粉末茶飲料の溶解時に1ppb以上10000ppb以下の濃度となるようにホトリエノールを添加するとは、該粉末茶飲料を5~15倍の水溶性溶媒に溶かした際の濃度であり、具体的には該粉末茶飲料6.6~20g/100mLとなる溶液にホトリエノールを添加することである。
〈インスタント粉末茶飲料と粉末茶配合液体飲料の製造方法〉
本発明において、「インスタント粉末茶飲料」とは茶エキス粉末や微粉砕茶等を含み、水や牛乳などの水性溶媒に分散して溶解できる飲料を調製し得る粉末状の食品を意味する。例えばストレートティー、ミルクティー、レモンティーやアップルティー等のフルーツティーなどの一般的な粉末状の清涼飲料が挙げられる。茶エキス粉末や微粉砕茶の種類は緑茶、ウーロン茶、紅茶などチャノキ(Camellia sinensis)由来のものであればいずれでも良い。
本発明の粉末茶飲料は、茶エキス粉末、糖類の他、後述する他の成分、例えば粉末果汁や酸味料、乳成分等と混合して均一化して得られるが、本発明のインスタント粉末茶飲料を製造するのに適した公知手法を適宣選択することが可能であり、これらに限定はされない。また、必要に応じて造粒することも可能である。
本発明のインスタント粉末茶飲料とは、水、湯、牛乳、茶類、果汁入りエキスおよび水溶性エキスなど水性媒体を用いて液体状に溶解して飲用する飲料において、溶解前の粉末状態を意味する。本明細書中では、粉末茶飲料、インスタント茶あるいはインスタント粉末茶は、特に明記しない限り、同義に用いられる。また、「粉末茶配合液体飲料」とは、上記粉末茶飲料を水性媒体に溶解した液体状飲料を意味する。
本発明の甘味の抑制について、ここでいう甘味とは飲用時に強く感じる重量感のある、後味まで感じる甘味のことであり、その強度は後述の甘味度によって表現することが可能である。甘味の抑制とは、これらの後まで続く強い甘味が弱まって感じられ、官能評価では、後引きがない、あるいは後味すっきりすると表現される。
本発明では、甘味の抑制効果と同時に飲料の主となる香味である茶の香味が発現しやすくなる効果も有し、官能評価では茶感として評価する。
〈甘味度〉
本発明における甘味度とは、粉末茶配合液体飲料100g中にショ糖1g含有する時の甘さを「1」とした、飲料の甘味を表す指標である。当該飲料の甘味度は各甘味成分の含有量をショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。なお、ショ糖の甘味度を1とした場合の糖類、低甘味度甘味料、及び高甘味度甘味料の甘味度は、砂糖類情報 砂糖のあれこれ(https://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0109.htm)の記載に基づく。これによれば、例えば、果糖は1.2、ブドウ糖は0.6、ショ糖は1.0、乳糖は0.15、アセスルファムKは200、スクラロースは600、ステビアは100、アスパルテームは100である。
〈甘味度の調整方法〉
本発明のインスタント粉末茶飲料では、甘味成分を用いて飲料の甘味度を調整することができる。甘味成分としては、例えば、上表に記載されている甘味成分を用いることができるが、それ以外の甘味成分を用いても良い。また、飲料中にこれら甘味成分を甘味料として直接配合してもよいし、甘味成分を含有する原料、例えば果汁やエキス等を配合しても良い。本発明のインスタント粉末茶飲料の好ましい甘味成分は物性も考慮すると、単糖類(ブドウ糖、果糖)及び二糖類(麦芽糖、ショ糖、乳糖)であり、より好ましい甘味成分はショ糖である。本発明のインスタント粉末茶飲料は、高甘味度甘味料を含んでいても問題ないが、好ましくは粉末茶配合液体飲料の甘味度全体に対し、高甘味度甘味料由来の甘味度が好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下となるように調整することが望まれる。高甘味度甘味料を多く使う際には、全体の甘さ調整のために最終的には結晶状の糖の割合が減ることとなり、粉体の物性が悪化することが一般的であるためである。
なお、本明細書における高甘味度甘味料とは、ショ糖と比べて十倍以上の甘味度を有する人工または天然の甘味料を意味し、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビアが挙げられる。
〈ホトリエノール〉
本発明におけるホトリエノールは、化学式C1016Oで表される、CAS登録番号20053-88-7のモノテルペンアルコール系化合物である。ホトリエノールは、3位に不斉炭素があり、3R-(-)-3,7-ジメチル-1,5(E),7-トリエン-3-オール(以下、3R-(-)体という。)と3S-(+)-3,7-ジメチル-1,5(E),7-トリエン-3-オール(以下、3S-(+)体という。)の光学活性体が存在するが、本発明に用いられるホトリエノールは、3R-(-)体であっても、3S-(+)体であってもよく、また、それらの混合物であってもよく、ラセミ混合物であってもよい。
本発明のホトリエノールは、発酵茶等の天然物から抽出されたものであっても、化学的に全合成されたものであっても、又は発酵茶等の天然物から抽出物を化学処理して半合成されたものであっても良い。天然物からの抽出物の場合に、ホトリエノールが含まれる抽出物をそのまま又は濃縮等の操作をして用いることができ、抽出物を蒸留、カラムクロマトグラフィー等の分離精製操作を行って、ホトリエノールを単離精製したもの又はその他の成分を含む画分として用いることができる。
得られたホトリエノールまたはホトリエノールを含む画分は目的に応じて適宜製剤化して甘味抑制または改善用に用いることができる。また、ホトリエノールを含む組成物はエタノールなどの有機溶媒を含んでいても良い。また、食品上許容される安定剤等を配合してもよい。さらに、窒素置換等で気中の酸素濃度を低くしたうえで冷凍保存することで、保存性を高めることもできる。
本発明における粉末茶飲料に添加するホトリエノールの形態は、粉末状、顆粒状、液体状であって、粉末状が特に好ましい。粉末状の場合、食品として使用できる賦形剤を選択すればよく、デキストリンや乳糖が例示できる。
〈ホトリエノールの添加量、添加方法〉
本発明のインスタント粉末茶飲料において、ホトリエノールの添加量は、水性媒体に5~15倍量の水溶性溶媒に溶解後の状態において1ppb以上10000ppb以下であり、10ppb以上10000ppb以下が好ましく、20ppb以上1000ppb以上がより好ましく、特に50ppb以上500ppb以下がより好ましい。1ppbよりも少ない場合には、本発明の効果は感じにくい場合がある。また、10000ppbを超える量を添加した場合には、甘さは抑えられる傾向はあるが、ホトリエノールの独特な青みのある香りだけが突出してしまい茶飲料としてのバランスが崩れるため好ましくない。
本発明のホトリエノールの粉末茶飲料への混合方法は他の粉末と均等に混ざりうる方法であれば、いかなる方法を用いても良い。例えば、リボンミキサーによる撹拌混合や、コンテナブレンダーによる転動式混合、流動層造粒などが挙げられるが、本発明のインスタント粉末茶飲料を製造するのに適した公知手法を適宜選択することが可能であり、これらに限定はされない。
〈ホトリエノールの検出方法、参考値について〉
本発明において上述のように添加したホトリエノールについては、適切な濃度になるよう水性媒体にて溶解し、ガスクロマトグラフ質量分析法の方法を用いることで、粉体中に含まれた量につき測定することが可能である。本発明で上述の効果範囲で添加したホトリエノールにつき、ガスクロマトグラフ質量分析法で測定したところ検出された量としては1ppb~20000ppbであった。
なお分析方法の具体例は後述の実施例に示す。
〈茶エキス、微粉砕茶〉
本発明のインスタント粉末茶飲料は、茶の抽出物(茶エキスともいう)を原料としたものであり、糖類、酸味料、粉末果汁及び/又は乳成分を混合して得られる粉末状の茶飲料のことである。また、茶エキスのうち一部を微粉砕茶(茶葉の粉砕物)で置き換えてもよい。
本発明の粉末茶飲料に使用する茶エキスは、一般的な緑茶、紅茶、烏龍茶等を使用して製造することができる。茶葉からの茶エキスの調製方法は、従来から知られている一般的な方法で調製することができる。例えば、原料とする茶葉を10~100倍重量の温水又は熱水にて抽出する。抽出時間、温度は使用する茶葉の種類や目的により適宜調整するが、通常は60℃以上100℃以下で3~60分の抽出を行い、必要に応じて抽出中に撹拌を行う。次いで茶殻等の固形成分を濾過や遠心分離機により固液分離することにより茶抽出液を得ることができる。ここで、抽出時の温度や時間などは、特に限定されず、茶葉の種類や目的とする香味等に応じて任意に設定することができる。また、抽出に使用する水に予めアスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸又は有機酸塩類、食品加工に使用可能な重曹や炭酸カリウムを添加してもよい。また煮沸脱気や窒素ガスなどの不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつついわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を併用してもよい。さらに得られた茶抽出液の乾燥方法は、加熱法、減圧法、凍結乾燥法等の公知手法を適宜選択することが可能であり、これらに限定はされない。
本発明のインスタント粉末茶飲料に使用する茶エキスは、市販の茶抽出物を用いてもよい。例えば、三井農林(株)製「インスタントティーRX-100」、同「紅茶エキスパウダーBCL」、佐藤食品工業(株)製「緑茶エキスパウダー」等が挙げられる。
また、茶エキス中のタンニン濃度は10.0質量%以上40.0質量%以下が好ましい。ここでタンニンとは、茶の生葉などに存在するカテキン類((±)-カテキン、(-)-エピカテキン、(-)-エピガロカテキン、(±)-ガロカテキン、(-)-エピカテキンガレート、(-)-カテキンガレート、(-)-エピガロカテキンガレート、(-)-ガロカテキンガレート)、これらが酸化酵素であるポリフェノールオキシダーゼの発酵作用によって酸化重合することで形成されたオリゴマー(テアシネンシン類、テアフラビン類、テアルビジン類等)、さらに発酵が進むにつれこれら成分が複雑に重合した構造の定かではない化合物も含まれる。
インスタント粉末茶飲料の水性媒体に対する溶解量は、溶解の均一性および作業性の観点から6.6~20g/100mLが好ましく、7~18g/100mLがさらに好ましく、8~16g/100mLが特に好ましく、9~14g/100mLが最も好ましく、これらの範囲から選ばれてなる最適量を水性媒体50~400mL、好ましくは80~200mL、最も好ましくは100~160mLに溶解させたものが通常飲用濃度として味の面で優れている。
上記通常飲用濃度に溶解した粉末茶飲料中の茶由来タンニンの含有量(以下タンニン量ともいう)は30~500mg%であり、35~450mg%であるのが好ましく、40~400mg%であるのがより好ましく、45~350mg%であるのがさらに好ましく、50~300mg%であるのが最も好ましい。
〈タンニン量の測定方法〉
インスタント粉末紅茶飲料中に乳成分を配合する前の組成の溶解液におけるタンニン量、または乳を配合しないインスタント粉末紅茶飲料を通常飲用濃度に溶解した際のタンニン量は、「日本食品標準成分表2015年度版(七訂)分析マニュアル・解説」(文部科学省科学技術・学術政策局政策課資源室監修、建帛社2016年2月)のp242-243に記載の酒石酸鉄吸光光度法」に従って行った。なお、定量用標準物質には没食子酸エチル(東京化成工業(株)製)を用い、調製溶液には1M塩酸を0.4%添加した32%メタノール(v/v)を用いた。
乳を含むインスタント粉末茶飲料中のタンニン量は、特開2008-054627の方法を用いて測定することができる。
本発明では粉体物性(特に流動性)と香味の維持の観点からインスタント粉末茶飲料全体の40質量%以上、好ましくは50質量%以上の糖類を含有することが好ましい。上限は通常98質量%である。ここで、糖類とはブドウ糖・果糖などの単糖類、ショ糖・麦芽糖・乳糖などの二糖類、グラニュー糖、パラチノース、トレハロース、オリゴ糖類、糖アルコール類等の甘味を示す水溶性成分が挙げられる。
〈インスタント粉末茶の種類)
本発明のインスタント粉末茶は、ストレートティー、ミルクティー、酸味料を添加したレモンティー等のフルーツティー、香料を添加したフレーバードティーなどが挙げられる。
〈ストレートティー〉
本発明のインスタント粉末茶飲料は、ミルクや酸味料を含まないストレートティーとしてもよい。
配合するホトリエノールは、溶解時(該粉末茶飲料16gを100mLの水に溶解した場合)において、1ppb以上が好ましく、10ppb以上がより好ましく、さらには100ppb以上が最も好ましい。上限値は以下が好ましく、10000以下がより好ましく、さらには1000ppb以下が最も好ましい。特に好ましい範囲は、100ppb以上1000ppb以下である。ホトリエノールをこれらの範囲で配合することによって、甘味の強い後引きがなく、後味がすっきりし、さらに紅茶の香り立ちが優れた飲料が得られる。
〈ミルクティー)
本発明のインスタント粉末茶飲料は、乳成分を配合してミルクティーとしてもよい。
ミルク入りインスタント粉末茶飲料の茶は、紅茶、緑茶、烏龍茶、ほうじ茶等が挙げられる。特にホトリエノールによって紅茶本来の香りがより引き立つ点で紅茶を採用することが好ましい。
ミルク入りインスタント粉末茶飲料において、配合するホトリエノールは、溶解時(該粉末茶飲料16gを100mLの水に溶解した場合)において1ppb以上であり、10ppb以上が好ましく、100ppb以上がより好ましい。上限値は10000ppb以下がであり、1000ppb以下が好ましく、範囲は1ppb以上10000ppb以下であり、特に好ましい範囲は、100ppb以上1000ppb以下である。ホトリエノールをこれらの範囲で配合することによって、ミルクティーとしてのボディ感を損なうことなく、かつ甘味の後引きが改善された飲料が得られる。
本発明で使用する乳成分とは、牛やヤギ等の乳から加工される粉乳などの粉体製品を利用するのが好ましく、例えば全粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、クリームパウダー、チーズパウダー、バターパウダー、ホエーパウダー、バターミルクパウダー、ヨーグルトパウダー、カゼイン、乳糖などが好適である。また、生乳、練乳、クリーム、発酵乳などの液状乳製品を利用し乾燥させて使用することもできる。さらに、必要に応じて、これらの乳成分を2種類以上混合後調整した乳成分も使用することができる。これら乳成分は、本発明のインスタント粉末茶飲料中に10.0質量%以上40.0質量%以下に配合し、特に15.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のミルク入りインスタント粉末茶飲料中の茶エキスは、粉末飲料全体に対し、1.0質量%以上33.0質量%以下であり、好ましくは2.0質量%以上20質量%以下、より好ましくは3.0質量%以上10.0質量%以下配合することができる。
また、微粉砕茶葉を一部紅茶エキスと併用して添加する場合、微粉砕茶葉は、乳成分に対して0.3質量%以上5.0質量%未満、糖類に対して、0.15質量%以上2.0質量%以下、紅茶エキスに対して、1.68質量%以上35.75質量%以下の配合が飲用した場合のざらつき、香味において好ましいが、これに限定はされない。添加する微粉砕茶葉の粒子径は平均粒子径が1.0μm以上、20μm以下であることが好ましい。
さらに、本発明のミルク入りインスタント粉末茶飲料中の糖類の含有量は、流動性を考慮して、例えば結晶状の糖質の場合40質量%以上95質量%が好ましく、50質量%以上90質量%がよりに好ましい。
〈フルーツティー)
本発明のインスタント粉末茶飲料は、酸味料または果汁を添加して、酸味料入りインスタント粉末茶であるレモンティー、アップルティー、オレンジティー、ピーチティー等のフルーツティーとしてもよい。
酸味料入りインスタント粉末茶飲料において、配合するホトリエノールは、1ppb以上であり、10ppb以上が好ましく、さらには100ppb以上がより好ましい。上限値は10000ppb以下が好ましく、さらには1000ppb以下が最も好ましい。範囲は1ppb以上10000ppb以下であり、特に好ましい範囲は100ppb以上1000ppb以下である。
本発明の酸味料入りインスタント粉末茶飲料に使用する酸味料は、クエン酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸等のヒドロキシモノカルボン酸が挙げられ、上記したヒドロキシモノカルボン酸は、塩の形態であってもよく、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられ、中でもアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。また、天然成分から抽出した果汁類等を粉末状とした粉末果汁を酸味料として配合してもよい。上記粉末果汁は、レモン、ライム、アップル、ゆず、ライチ、ミカン、葡萄、ピーチ、オレンジ等のフルーツ類が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。
本発明の酸味料入りインスタント粉末茶飲料は、果実粉砕物、果実ピール、スパイスを添加することができる。例えば、レモン、ライム、アップル、ゆず、ライチ、ミカン、葡萄等のフルーツ類、またショウガ、カルダモン、シナモン、黒胡椒などが挙げられる。
また、本発明の酸味料入りインスタント粉末茶飲料は、香料を添加することができる。本発明に使用できる香料は液体でも、粉末状のものを用いてもよく、レモン、オレンジ、アップル、ピーチ等のフルーツ系フレーバー等の香料があげられ、これらに限定されないが、粉末香料が好適である。
これら酸味料は、本発明のインスタント粉末茶飲料中に0.1質量%以上5.0質量%以下であり、1.0質量%以上3.0質量%以下配合することが好ましい。
また、本発明の酸味料入りインスタント粉末茶飲料中の糖類の含有量は、流動性を考慮して、例えば結晶状の糖質の場合40質量%以上95質量%が好ましく、50質量%以上90質量%がよりに好ましい。
本発明の酸味料入りインスタント粉末茶飲料中の茶エキスは、粉末茶飲料全体に対し、1.0質量%以上33.0質量%以下であり、好ましくは2.0質量%以上20質量%以下、より好ましくは3.0質量%以上10.0質量%以下配合することができる。
また、微粉砕茶葉を一部茶エキスと併用して添加する場合、微粉砕茶葉は、乳成分に対して0.3重量%以上5.0質量%未満、糖類に対して、0.15質量%以上2.0質量%以下、紅茶エキスに対して、1.68質量%以上35.75質量%以下の配合が飲用した場合のざらつき、香味において好ましいが、これに限定はされない。添加する微粉砕茶葉の粒子径は平均粒子径が1.0μm以上、20μm以下であることが好ましい。
〈添加剤等〉
本発明のインスタント粉末茶飲料には、調合時に所望により、消泡剤、増粘多糖類、糖質(デキストリン等)、果汁、野菜汁、アルコール類、酸味料、炭酸ガス、香料、着色料、食物繊維、コラーゲン、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、油脂、乳化剤、安定剤、高甘味度甘味料(人工甘味料)等の食品上許容される任意成分を含有してもよい。これら任意成分を適宜選択することで、嗜好性の幅を広げることができる。
本発明のインスタント粉末茶飲料は、自動販売機等で利用する場合、流動性改良剤としての二酸化ケイ素、微粒二酸化ケイ素、又はリン酸三カルシウム等の添加剤を利用することができる。例えば、インスタント粉末飲食品中に0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下添加することができる。
〈容器〉
本発明の粉末飲料の包装形態は、特に制限はなく、紙、プラスチック、アルミなどからなる袋、瓶、缶、プラスチックボトル等の容器に大容量が詰められ、スプーンで計量するタイプの形態を用いても良い。また、一杯分ずつ分包タイプのものでもよい。包装品の材質は酸素・湿度透過性の低いものの方がインスタント粉末茶の品質を維持する上で好ましく、窒素ガスを充填するとより好ましい。アルミ袋などの大容量に詰められた粉末飲食品をカップ式自動販売機やディスペンサー等で使用することも可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、本発明の実施例における甘味度およびホトリエノール濃度については、いずれもインスタント粉末茶飲料を100mLの熱水で溶解した際の数値である。
《ホトリエノールの分析方法》
本発明で得られたインスタント粉末茶を適宜希釈し、希釈液10mLと塩化ナトリウム3gを20mLバイアルに入れ、内部標準物質としてシクロヘプタノール(東京化成工業(株)製を終濃度で500ppbとなるように添加した。このサンプル液について下記の条件で固相マイクロ抽出法(Solid Phase Micro Extraction:SPME)を用いたGC/MS分析に供した。評価はホトリエノールのピークエリアと内部標準物質のピークエリアの比によって求めた。
<SPME-GC/MS条件>
GC:TRACE GC ULTRA(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
MS:TSQ QUANTUM XLS(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
SPMEファイバー:50/30μm Divinylbenzene/Carboxen/Polydimethylsiloxane Stableflex
抽出:60℃、30分
カラム:SUPELCO WAX10(0.25mmI.D.×60m×0.25μm、シグマアルドリッチ社製)
オーブンプログラム:40℃で2分間保持した後、100℃まで3℃/分で昇温、200℃まで5℃/分で昇温、240℃まで8℃/分で昇温し、240℃で8分間保持した
キャリアーガス:ヘリウム(100kPa、一定圧力)
インジェクター:スプリット(スプリットフロー 10mL/分)、240℃
イオン化:電子イオン化
イオン化電圧:70eV
測定モード:スキャン
モニタリングイオン:ホトリエノール;m/z=71
〈参考例〉
紅茶エキス粉末、砂糖、デキストリンを表2の配合で混合して甘味度を振ったサンプルを作製し、従来技術の問題点につき確認した。紅茶エキス粉末はインスタントティーRX-100(三井農林(株)タンニン26.0重量%含有)、砂糖はグラニュー糖(GHC-1三井製糖(株))、デキストリンはNSD300(サンエイ糖化(株))を使用した。混合方法は上記成分をミキサーに投入し、機械的に攪拌して混合した。これらサンプルの甘味の後引きと味のボディ感とデキストリン由来の粉っぽい香りについて表1の基準にて官能評価を実施した。また、熱水を投入後、1分間に2回転のスピードでスパーテルを用いて攪拌し、溶け残りの程度につき目視で評価を実施した。ここで、ボディ感(味のボディともいう)とは、香味の広がりや口当たりの調和のとれた濃厚感である。
〈官能評価方法〉
調製した粉末16gを80℃から90℃の熱水100mLで溶解し、5名の専門パネルにより官能評価を行った。評価基準は表1に従い絶対評価にて実施し、5名の平均を採点結果とした。
表2に示した結果より、従来技術の方法であるデキストリンを使用して甘味を調整した場合では、甘味度を落とすほど使用するデキストリンが多くなり、溶解性の悪化や粉っぽい香りが増すため好ましくないことが確認できた。これらが問題なく、味のボディも感じられる範囲としては、インスタント粉末茶飲料中のグラニュー糖の割合が40~60%以上(甘味度が7以上)であることが望ましいが、一方で甘味度が上がるほど、甘さの後引きが強く感じられることを改めて確認できた。
〈試験例1〉
次に、インスタント粉末茶飲料におけるホトリエノールの添加効果の検証試験を実施した。
〈実施例1〉
参考例No.7を比較対象とし、No.7に飲用時濃度でホトリエノール量が1000ppbとなるようにホトリエノール含有粉末香料(ホトリエノール含有量0.13%の香料組成物)を投入し、表3の基準に従って官能評価を実施した(表4)。
〈実施例2〉
また、甘味料の違いによる効果の差を検証するため、参考例No.7のグラニュー糖を甘味度を同等にする量でスクラロース製剤(三栄源F.F.I スクラロースSU-200、甘味度200)に置き換えた比較例1を作製した。全体重量を実施例と同等にするためにデキストリンを配合した。さらにこの比較例1に実施例1と同等の濃度でホトリエノールを添加した実施例2を作製し、実施例1と同様に表3の基準に従って官能評価を実施した(表5)。
〈官能評価方法〉
調製した粉末16gを80℃から90℃の熱水100mLで溶解し、5名の専門パネルにより官能評価を行った。評価基準は表3に従い比較評価にて実施し、5名の平均を採点結果とした。実施例1では参考例No.7を、実施例2では比較例1をコントロールとして、同等であれば0、各項目で改善があれば+方向、損なっていれば-方向となる。ここで紅茶感とは、飲用時に紅茶らしい渋味、爽やかな茶葉の香りを感じることである。
表4に示した結果より、インスタント粉末茶飲料にホトリエノールを添加することで本来の味のボディ感や紅茶感について損なう事なく、簡便に甘味の後引きを抑制効果が確認できた。また、表5に示した結果より、この効果については甘味料の種類に限定されることなく、高甘味度甘味料を使用した場合にも同様の効果が確認できた。
〈試験例2〉
試験例1で認められた甘味の後引きを抑える効果の範囲について確認するため、甘味度とホトリエノール添加量を振って試験を実施した。配合は下記表6-1~3の範囲とし、官能評価方法は試験例1と同等の方法で、それぞれ比較例2~4(甘味度1.0、16.0,20.0)をコントロールとした相対評価にて甘味の後引きと紅茶感の項目について実施した。結果を表6-1~3に示す。
表6-1~3に示した結果より、インスタント粉末茶飲料の溶解時の甘味度が1.0と16.0のいずれの場合においても1ppb以上のホトリエノール添加によって甘味の後引き抑制効果が認められた。添加量は多いほど甘味の後引き抑制効果と共に紅茶感が増して感じられたが、20000ppbではホトリエノール特有の青みがある香りが強くバランスが崩れることが確認できた。また、甘味度は20.0であっても同様に甘味の後引き抑制効果を得ることができるが、トータルの甘味としてはとても強く、飲料としては不適であると感じられた。
〈試験例3〉
インスタントミルクティー、インスタントフルーツティーについて、ホトリエノールの甘味抑制効果を以下の通り確認した。
〈インスタントミルクティー〉
表7-1~3に示す紅茶エキス、乳成分、砂糖を含むオーソドックスなインスタントミルクティー(ミルク入りインスタント粉末茶飲料)を作製し、甘味度とホトリエノール濃度を試験例2の範囲で振り分け、同様に比較例5~7をコントロールとした相対評価にて官能評価を実施した。
なお、インスタントミルクティーの混合方法は表7-1~3の成分をミキサーに投入し、機械的に攪拌して混合した。グラニュー糖、紅茶エキス、ホトリエノール粉末香料については、試験例2までと同じ原料を使用し、乳成分は全粉乳、脱脂粉乳(よつ葉乳業(株))を使用した。結果を表7-1~3に示す。
〈インスタントフルーツティー〉
乳成分を酸味料(クエン酸、粉末レモン果汁)に代える以外はミルクティーと同等の方法にてオーソドックスなインスタントフルーツティー(酸味料入りインスタント粉末茶飲料)を作製し、評価を実施した。配合については表8-1~3に示した。官能評価は比較例8~10をコントロールとした相対評価にて実施した。クエン酸は磐田化学工業(株)、粉末レモン果汁は佐藤食品工業(株)を使用した。結果を表8-1~3に示す。
表7、8に示した結果より、インスタントミルクティーやフルーツティーにおいても甘味度1.0と16.0のいずれでも1ppb以上のホトリエノール添加で甘味の後引き抑制効果が確認できた。ややインスタントミルクティーの方がミルクでカバーされ紅茶感の増強は感じずらいものの、ホトリエノール濃度と効果の強さに関係についてはインスタントミルクティーとインスタントフルーツティーとも概ね同傾向であることが確認された。
〈試験例4〉
使用する茶エキスを紅茶から緑茶(佐藤食品工業(株)「緑茶エキスパウダー」)に変更した以外は試験例2、比較例2~4、実施例3~15と同じ分量のサンプルを作製し、試験例2と同等の方法にて官能評価を実施した。なお、評価項目のうち紅茶感については茶感に置き換え、お茶らしさ(緑茶らしさ)が強まったか弱まったかについて評価を実施した。この結果、緑茶エキスを原料として使用したインスタント粉末茶飲料においても、同様の添加範囲において甘味の抑制効果が得られることが確認できた。
本発明のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法によれば、大きく組成を変えることなく甘味の後引き抑制効果を得ることができるため、いかなる味付けであっても雰囲気を損なうことなく甘味を抑制することが可能となる。また、甘味の抑制方法として糖類の組成を著しく変えることがないため、包装容器への充填も良好な製品を設計したり、カップベンダーなどの業務用インスタント粉末茶としても幅広く利用することが可能である。


Claims (12)

  1. ホトリエノールをインスタント粉末茶飲料に添加することを特徴とするインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
  2. ホトリエノールの添加量が溶解時の濃度として1ppb以上10000ppb以下であることを特徴とする請求項1に記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
  3. インスタント粉末茶飲料の溶解時の甘味度が1.0以上16.0以下であり、タンニンを30~500mg%含有することを特徴とする請求項2に記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
  4. インスタント粉末茶飲料が茶エキスを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
  5. インスタント粉末茶飲料が糖類および乳成分を含有するミルク入り粉末茶飲料であって、乳成分の含有量が10.0質量%以上40.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
  6. インスタント粉末茶飲料が糖類および酸味料を含有する酸味料入り粉末茶飲料であって、酸味料の含有量が0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインスタント粉末茶飲料の甘味抑制方法。
  7. インスタント粉末飲料の製造方法であって、以下の成分(A)および(B)を含み、
    (A)茶エキス1.0質量%以上33.0質量%以下
    (B)糖類
    溶解時の甘味度が1.0以上16.0以下であるインスタント粉末飲料に、ホトリエノールを溶解時の濃度として1ppb以上10000ppb以下となるように添加することを特徴とするインスタント粉末茶飲料の製造方法。
  8. インスタント粉末飲料が、さらに成分(C)乳成分10.0質量%以上40.0質量%以下を含むミルク入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする請求項7に記載のインスタント粉末茶飲料の製造方法。
  9. インスタント粉末飲料が、さらに成分(D)酸味料0.1質量%以上5.0質量%以下を含む酸味料入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする請求項7に記載のインスタント粉末茶飲料の製造方法。
  10. 以下の成分(A)および(B)を含み、
    (A)茶エキス1.0質量%以上33.0質量%以下
    (B)糖類
    さらに、溶解時の甘味度が1.0以上16.0以下であって、溶解時の濃度として1ppb以上10000ppb以下のホトリエノールを含有することを特徴とするインスタント粉末茶飲料。
  11. インスタント粉末飲料が、さらに成分(C)乳成分10.0質量%以上40.0質量%以下を含むミルク入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする請求項10に記載のインスタント粉末茶飲料。
  12. インスタント粉末飲料が、さらに成分(D)酸味料0.1質量%以上5.0質量%以下を含む酸味料入りインスタント粉末飲料であることを特徴とする請求項10に記載のインスタント粉末茶飲料。



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