JP7652606B2 - 伝動ベルト - Google Patents
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Description
部材準備工程では、まず、ゴム成分と、図3に示すような熱可塑性樹脂Rの海及びナノファイバFの収束体の多数の島の海島構造を有する複合材料Mと、パラ系アラミド短繊維と、その他のゴム配合剤とを混練することにより、ゴム成分にナノファイバ及びパラ系アラミド短繊維が分散した塊状の未架橋ゴム組成物の混練物を調製する。
成形・架橋工程では、まず、図4Aに示すように、第1円筒型311の外周面上に、補強布12及び圧縮ゴム層111を形成するための未架橋ゴムシート111’を順に巻き付けて下コグ成形体40’を成形する。このとき、補強布12を、第1円筒型311の外周の周方向に連設された下コグ形成溝311aに沿うように設ける。また、未架橋ゴムシート111’を、その列理方向が第1円筒型311の軸方向、したがって、ベルト幅方向となるように設ける。
加硫缶内から蒸気を排出して密閉を解き、第2円筒型321を取り出すとともに第2ゴムスリーブ322を外して冷却した後、第2円筒型321からベルトスラブSを脱型する。
以下の実施例1乃至3及び比較例1乃至4の架橋ゴム組成物を作製した。それぞれの構成については表1及び2にも示す。
バンバリーミキサーに、ゴム成分のEPDM(T7241 JSR社製、エチレン含量:52質量%、ENB含量:7.7質量%、ムーニー粘度:27ML1+4(125℃))を投入するとともに、このゴム成分100質量部に対して、FEFカーボンブラック(シーストSO 東海カーボン社製)50質量部、炭化水素系可塑剤(サンパー2280 サン石油社製)5質量部、加工助剤のステアリン酸(ステアリン酸S50 新日本理化社製)1質量部、加硫促進助剤の酸化亜鉛(酸化亜鉛3種 堺化学社製)5質量部、共架橋剤のトリメチロールプロパントリメタクリレート(ハイクロスM 精工化学社製)2質量部、及び共架橋剤のN,N’-m-フェニレンビスマレイミド(バルノックPM 大内新興化学工業社製)3質量部を投入して混練した後、ゴム成分100質量部に対して複合材料(ポリエチレン樹脂-PETナノファイバ(ナノフロント)複合材料 帝人フロンティア社製)3.6質量部を投入し、それらを複合材料に含まれるポリエチレン樹脂の融点よりも高い温度で更に混練した。
バンバリーミキサーに、ゴム成分のEPDMを投入するとともに、このゴム成分100質量部に対して、ISAFカーボンブラック(シースト6 東海カーボン社製)40質量部、プロセスオイル10質量部、加工助剤のステアリン酸0.25質量部、加硫促進助剤の酸化亜鉛5質量部、共架橋剤のN,N’-m-フェニレンビスマレイミド4質量部、共架橋剤のアミルフェノールジサルファイド重合物(サンセラーAP 三新化学工業社製)1質量部、共架橋剤のジメタクリル酸亜鉛(アクターZMA 川口化学工業社製)20質量部を投入して混練した後、ゴム成分100質量部に対して複合材料3.6質量部を投入し、それらを複合材料に含まれるポリエチレン樹脂の融点よりも高い温度で更に混練した。
バンバリーミキサーに、ゴム成分のCR(スカイプレン505 東ソー社製、ムーニー粘度42ML1+4(100℃))を投入するとともに、このゴム成分100質量部に対して、FEFカーボンブラック50質量部、エステル系可塑剤のDOS5.4質量部、加工助剤のステアリン酸0.6質量部、共架橋剤のN,N’-m-フェニレンビスマレイミド6質量部、及び加硫促進剤のテトラメチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTT 大内新興化学工業社製)2質量部を投入して混練した後、ゴム成分100質量部に対して複合材料3.6質量部を投入し、それらを複合材料に含まれるポリエチレン樹脂の融点よりも高い温度で更に混練した。
パラ系アラミド短繊維として、ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維に代えて、コポリパラフェニレン-3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド短繊維を用いるとともに、その含有量を、ゴム成分100質量部に対して21.4質量部とし、且つ複合材料を用いなかったことを除いて実施例1と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を作製した。このシート状の架橋ゴム組成物を比較例1とした。
パラ系アラミド短繊維のポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維の含有量を、ゴム成分100質量部に対して22.1質量部とし、且つ複合材料を用いなかったことを除いて実施例1と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を作製した。このシート状の架橋ゴム組成物を比較例2とした。
パラ系アラミド短繊維のポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維の含有量を、ゴム成分100質量部に対して40質量部とし、且つ複合材料を用いなかったことを除いて実施例1と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を作製した。このシート状の架橋ゴム組成物を比較例3とした。
複合材料を用いなかったことを除いて実施例3と同一構成のシート状の架橋ゴム組成物を作製した。このシート状の架橋ゴム組成物を比較例4とした。
実施例1乃至3及び比較例1乃至4のそれぞれの架橋ゴム組成物について、JIS K6394:2007に基づいて、歪み1%時の荷重の1.3倍の荷重を負荷したときの歪みを平均歪みとし、歪み振幅0.1%、周波数10Hz、及び試験温度25℃として引張方法により列理方向の貯蔵たて弾性係数E’1を測定した。また、平均歪み5%、歪み振幅1%、周波数10Hz、及び試験温度25℃として引張方法により反列理方向の貯蔵たて弾性係数E’2を測定した。そして、列理方向の貯蔵たて弾性係数E’1の反列理方向の貯蔵たて弾性係数E’2に対する比(E’1/E’2)を求めた。測定には、RHEOLOGY社の粘弾性試験機を用いた。
試験結果を表1に示す。これによれば、EPDMをゴム成分としてナノファイバ及びパラ系アラミド短繊維を含有する実施例1及び2では、E’1/E’2が非常に高いことが分かる。このことから、これらを用いて、列理方向がベルト幅方向及び反列理方向がベルト長さ方向にそれぞれ対応するように、VベルトにおけるV側面を構成する部分を形成すれば、ベルト幅方向が相対的に高剛性であることからプーリからの側圧への対抗性が優れるとともに、ベルト長さ方向が相対的に低剛性であることから耐屈曲性が優れ、それによって高効率を期待することができる。一方、ナノファイバを含有しない比較例1乃至3では、実施例1及び2よりもE’1/E’2が低いことが分かる。
CL 下コグ
CU 上コグ
M 複合材料
R 熱可塑性樹脂
F ナノファイバ
S’ 未架橋スラブ
S ベルトスラブ
11 ベルト本体
111 圧縮ゴム層
111’,112’,113’ 未架橋ゴムシート
111a V側面
112 伸張ゴム層
113 接着ゴム層
12 補強布
13 心線
20 変速装置
21 駆動プーリ
211,221 固定シーブ
212,222 可動シーブ
22 従動プーリ
23 V溝
311 第1円筒型
311a 下コグ形成溝
312 第1ゴムスリーブ
321 第2円筒型
321a 下コグ嵌合溝
322 第2ゴムスリーブ
322a 上コグ形成溝
40’ 下コグ成形体
40 下コグ複合体
Claims (24)
- ベルト本体の少なくとも一部分が、ゴム成分と、繊維径が1μm以下の合成繊維のナノファイバと、繊維径が10μm以上のパラ系アラミド短繊維と、を含有するとともに、列理方向がベルト幅方向となるように設けられた架橋ゴム組成物で形成された伝動ベルトであって、
前記架橋ゴム組成物は、前記パラ系アラミド短繊維の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して20質量部よりも多く、且つ25℃における列理方向の貯蔵たて弾性係数の反列理方向の貯蔵たて弾性係数に対する比が12以上である伝動ベルト。 - 請求項1に記載された伝動ベルトにおいて、
前記ナノファイバの繊維長の繊維径に対するアスペクト比が300以上5000以下である伝動ベルト。 - 請求項1又は2に記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維の繊維長の繊維径に対するアスペクト比が30以上500以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記架橋ゴム組成物における前記ナノファイバの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上5質量部以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記架橋ゴム組成物の25℃における列理方向の貯蔵たて弾性係数が900MPa以上である伝動ベルト。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記伝動ベルトがVベルト又はVリブドベルトである伝動ベルト。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記伝動ベルトが歯付ベルト又は平ベルトである伝動ベルト。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記ゴム成分が、エチレン含量が45質量部以上55質量部以下であるとともに、ジエン成分がエチリデンノルボルネンであり、且つそのジエン含量が6質量%以上12質量%以下であるEPDMを含む伝動ベルト。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記ナノファイバの繊維径が300nm以上である伝動ベルト。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記ナノファイバの繊維長が0.3mm以上5mm以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至10のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記合成繊維のナノファイバがポリエチレンテレフタレート繊維のナノファイバである伝動ベルト。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維の繊維径が20μm以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至12のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維の繊維長が1mm以上10mm以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至13のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維の繊維長が前記ナノファイバの繊維長よりも長い伝動ベルト。 - 請求項1乃至14のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維の繊維径の前記ナノファイバの繊維径に対する比が10以上70以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至15のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維の繊維長の前記ナノファイバの繊維長に対する比が1.1以上5以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至16のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維のアスペクト比の前記ナノファイバのアスペクト比に対する比が0.1以上0.5以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至17のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維がポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維を含む伝動ベルト。 - 請求項1乃至18のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記架橋ゴム組成物における前記パラ系アラミド短繊維の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して40質量部以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至19のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記パラ系アラミド短繊維の含有量の前記ナノファイバの含有量に対する質量比が10以上16以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至20のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記架橋ゴム組成物における前記ナノファイバ及び前記パラ系アラミド短繊維の含有量の和が、前記ゴム成分100質量部に対して24質量部以上45質量部以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至21のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記架橋ゴム組成物の25℃における列理方向の貯蔵たて弾性係数の反列理方向の貯蔵たて弾性係数に対する比が20以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至22のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記架橋ゴム組成物の25℃における列理方向の貯蔵たて弾性係数が1250MPa以下である伝動ベルト。 - 請求項1乃至23のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
前記架橋ゴム組成物の25℃における反列理方向の貯蔵たて弾性係数が50MPa以上70MPa以下である伝動ベルト。
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