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JP7663802B2 - 押出成形方法 - Google Patents
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Description

本発明は、押出成形方法、特に、押出成形方法を用いて非焼成塊成鉱を製造する際の押出成形時の原料水分量の決定方法に関する。
微粉状の鉄鉱石や製鉄所内で発生するダストを塊成化する方法として、焼結法や焼成ペレット法が一般に用いられているが、省エネルギーの観点から焼成工程を必要としない非焼成塊成化法も用いられている。非焼成塊成化法では、非焼成塊成鉱に高炉での使用に耐え得る強度を発現させるために結合剤としてセメントが用いられる。非焼成塊成化法における主な成形方法として転動造粒法や押出成形法が知られている。これらの方法のうち、押出成形法はより強固な成形体を得ることができるので有効な方法である。押出成形法では、押出成形機(スクリュー式押出成形機等)に非焼成塊成鉱用の原料を投入すると、押出成形機内で原料が所定方向に押し出されつつ圧密(造粒)され、成形体として排出される。得られた成形体は所定の期間養生され、セメントの水和にともなう硬化作用により強度が発現し、非焼成塊成鉱となる。ここに、押出成形法で安定的に成形体を生産するためには、成形時の原料の水分量が重要となる。
より具体的に説明すると、押出成形法では、原料の水分量が過剰に少なく(低く)なると原料の湿潤粉体としての流動性が低下し、押出成形機内で原料の押し詰まりが発生するという問題が発生しうる。一方、原料の水分量が過剰に多く(高く)なると製造された成形体の硬化前の形状が維持できず(つまり、成形体が形成されなくなる)歩留が低下したり、原料の投入口や押出成形機の内壁面に原料が付着するという問題が発生しうる。原料の投入口や押出成形機の内壁面に付着した原料は、セメントの硬化作用により徐々に成長し、原料供給に悪影響を及ぼす。例えば、原料の投入口が原料の付着物で閉塞される。このため、原料の付着物を除去するために清掃作業が必要になる。この結果として生産性が低下する。このため、押出成形法で安定的に成形体を生産するためには原料の水分量を適正な範囲(多すぎず、少なすぎない範囲)に調整する必要がある。原料の水分量を適正な範囲に調整することができれば、上述した問題を回避しつつ、成形体を安定して製造することができる。
特開2007-31768号公報 特開2006-322058号公報
しかし、水分量の適正範囲は原料の種類、配合割合等に応じて様々に変動するため、原料が変化した場合には試行錯誤的に水分量を調整しなければならず、生産トラブル(すなわち上述した問題)が度々発生するという問題があった。なお、特許文献1、2には非焼成塊成鉱の製造方法に関する技術が開示されているものの、水分量を適正な範囲に調整するということに関しては何ら記載がなく、示唆もされていない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、非焼成塊成鉱を押出成形法により製造するプロセスにおいて、押出成形時の原料の適正な水分量を決定する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、非焼成塊成鉱の押出成形が正常に行われる際の原料の流動性の指標の適正範囲を求める工程と、使用予定の原料の流動性の指標が適正範囲内となるように、原料の押出成形時の水分量を決定する工程と、を含み、前記流動性を表す指標が流動エネルギー、剪断応力、および安息角から選ばれる1つ以上であることを特徴とする、押出成形方法が提供される。
ここに、流動性を表す指標が原料1gあたりの流動エネルギーであり、押出成形が正常に行われるときの原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最小値と押出成形において原料の押し詰まりが生じるときの原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最大値との平均値を適正範囲の下限値とし、押出成形が正常に行われるときの原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最大値と押出成形機の内壁面に付着物が成長するときの原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最小値の平均値を適正範囲の上限値として求めてもよい。
本発明の上記観点によれば、非焼成塊成鉱を押出成形法により製造するプロセスにおいて、押出成形時の原料の適正な水分量を決定することが可能となる。
押出成形機の一例であるスクリュー式押出成形機の概要を示す模式図である。 押出成形機の一例であるローラー式押出成形機の概要を示す模式図である。 押出成形の状況と原料1gあたりの流動エネルギーとの相関を示すグラフである。 使用予定の原料に添加される水分量と原料1gあたりの流動エネルギーとの相関を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態で使用される各原料は多数の粒子の集合体となっている。特に断りがない限り、各原料の原料名はその原料を構成する粒子の集合体を意味するものとする。また、「~」を用いて表される数値限定範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。「超」または「未満」と示す数値は、その値が数値範囲に含まれない。
<1.本発明者による検討>
まず、本発明者による検討について説明する。押出成形法では、押出成形機(スクリュー式押出成形機等)に非焼成塊成鉱用の原料を投入すると、押出成形機内で原料が所定方向に押し出されつつ圧密(造粒)され、成形体として排出される。
ここに、円滑に押出成形を遂行するために、原料には次の3つの要件が必要となろう。
(1)押出成形機内で原料の押し詰まりが生じないこと
(2)押し出された成形物が、形状を保持できる強度・剛性を有すること
(3)押出成形機内面に原料が付着しないこと
本発明者は、これらの異なる現象に対して、原料の水分が重要な制御因子となること、および、押出成形機内では原料が流動した状態であることに着目した。そして、原料の湿潤粉体としての流動性を表す指標を用いれば前述の3つの現象を一括して取り扱うことができ、その指標に基づいて原料の適正な水分量を決定することが可能なことを見出した。
その方法は概ね以下のステップからなる。
1.非焼成塊成鉱の押出成形が正常に行われる際の原料の湿潤粉体としての流動性の適正範囲を求める。
2.使用予定の原料の流動性が上記適正範囲内となるように、原料の押出成形時の水分量を決定する。
<2.押出成形工程>
本実施形態は、押出成形工程において成形体が正常に形成されるように、水分量を調整するものである。そこで、押出成形工程について簡単に説明する。
本実施形態で使用対象となる原料は、一般に非焼成塊成鉱の製造に用いられるものであればどのようなものであってもよく、例えば鉄鉱石、コークス粉、製鉄ダストを含み、結合剤としてセメントを含む。原料は、通常、押出成形機に投入される前に、粒径が1mm以下となるようにボールミル等で粉砕される。粉砕された原料は押出成形に適した水分で調湿され、押出成形機で成形される。本実施形態では、調湿に用いられる水分量を適正な範囲内とするものである。得られた成形体は所定の期間養生され、セメント水和反応の硬化作用により強度が発現し、非焼成塊成鉱となる。
押出成形機としては、例えば図1に示すスクリュー式押出成形機1A、図2に示すローラー式押出成形機1B等が挙げられる。スクリュー式押出成形機1Aは、本体部10と、原料投入口11と、スクリュー12と、ダイス13を備える。本体部10は、中空構造となっており、図1中左右方向に延びている。本体部10の一方の端部は閉塞されており、他方の端部にダイス13が設けられている。原料投入口11は、本体部10の閉塞側の端部の上側に設けられており、原料投入口11から原料Xが本体部10内、すなわちスクリュー式押出成形機1A内に投入される。スクリュー12は本体部10内に設置されており、矢印A方向に回転する。これにより、本体部10内の原料Xは、図1中右方向に押し出されつつ圧密(造粒)され、ダイス13から成形体Yとして排出される。ダイス13には隙間13aが形成されており、この隙間13aから成形体Yが排出される。ここに、原料に添加される水分量が過剰に多くなると、例えば原料投入口11の内壁面に原料が付着してしまう。原料投入口11の内壁面に付着した原料は、セメントの硬化作用により徐々に成長し、原料供給に悪影響を及ぼす。例えば、原料投入口11が原料の付着物で閉塞される。
図2に示すローラー式押出成形機1Bは、本体部20と、原料投入口21と、回転ローラー22aと、回転軸22bと、ダイス23を備える。本体部20は円筒形状となっており、上端面が開口している。この開口面は原料投入口21となっている。本体部20の下端面にはダイス23が設けられている。原料投入口21から原料Xが本体部20内、すなわちローラー式押出成形機1B内に投入される。回転軸22bは、本体部20内に挿入されており、矢印B方向に回転する。回転ローラー22aは、回転軸22bの回転に連動して駆動し、本体部20の内周面に沿って回転する。これにより、本体部20内の原料Xは、図2中下方向に押し出されつつ圧密(造粒)され、ダイス23から成形体Yとして排出される。ダイス23には隙間23aが形成されており、この隙間23aから成形体Yが排出される。ここに、原料に添加される水分量が過剰に多くなると、例えば原料投入口21の内壁面に原料が付着してしまう。原料投入口21の内壁面に付着した原料は、セメントの硬化作用により徐々に成長し、原料供給に悪影響を及ぼす。例えば、原料投入口21が原料の付着物で閉塞される。本実施形態に係る水分量の決定方法は、上記のように原料付着が問題となる押出成形機に好適に適用される。したがって、原料付着が生じうる押出成形機であれば、上述したスクリュー式押出成形機1A及びローラー式押出成形機1B以外の押出成形機にも本実施形態に係る水分量の決定方法が好適に適用される。
本実施形態では、まず、押出成形が正常に行われるときと、原料の押し詰まりが生じるとき(水分量が過剰に少ないとき)と、当該押出装置の装置内壁面に付着物が成長するとき(水分量が過剰に多いとき)の原料を採取し、それらの流動性を測定する。そして、これらの測定結果に基づいて、流動性の適正範囲を求める。
ついで、押出成形で使用予定の原料を事前に採取し、原料に添加する水分量を変化させて流動性を測定する。そして、流動性が適正範囲内となる押出成形時の原料水分量を決定する。
<3.流動性指標>
本実施形態に係る流動性の指標として、流動エネルギー(粉体をブレード等で撹拌し、流動させるのに要するエネルギーを測定する方法)、剪断応力(粉体層を剪断する際の応力を測定する方法)、安息角(粉体を自然落下させ堆積させたときの傾斜角を測定する方法)などの適用が可能である。
ここでは、流動エネルギーを流動性の指標とする実施形態について説明する。流動エネルギーは、湿潤粉体の流動性を評価するための指標の1種であり、その測定方法は、例えば非特許文献1(長島ら、「通気および撹拌による動的流動特性に基づいた微粉体の流動性の評価」、粉体工学会誌、第52巻(2015)、第10号、576-584)、非特許文献2(Reg Freeman、“Measuring the flow properties of consolidated, conditioned and aerated powders - A comparative study using a powder rheometer and a rotational shear cell”,Powder Technology 174(2007) 25-33)に開示されている。
本実施形態では、以下の方法で原料の流動エネルギーを測定する。まず、直径(内径)25mm、高さ50mmの円筒状容器に測定対象の原料を充填し、高さ50mmですり切り、充填層を作製する。次に、回転するブレードを充填層内に降下させる。ここに、ブレード先端(ここでは径方向の外縁端部)が100mm/sの速度でらせん軌道を描くようにブレードを回転させながら充填層内に降下、侵入させる。その一方で、ブレードの回転軸に作用するトルクT及び垂直荷重Fが連続的に測定される。次に、以下の数式(1)により流動エネルギーEを算出する。数式(1)から明らかな通り、流動エネルギーEはブレードが回転方向及び垂直方向に移動する際の仕事量の和で定義される。
Figure 0007663802000001
数式(1)において、TおよびFが、それぞれ、前述のように計測されたブレードの回転軸に作用するトルクおよび垂直荷重である。また、Rはブレード半径、αはブレードの先端軌跡と水平面とがなす角度(らせん角度)、H1、H2は充填層の高さ位置であり、それぞれR=11.75mm、α=5°、H1=5mm、H2=50mmとする。もちろん、パラメータの具体的な値はこれらに限定されない。
なお、流動エネルギーEの測定値は、原料の充填状態が不均一であると大きくばらつく傾向がある。そこで、回転するブレードを充填層内で上下に繰り返し往復させ、上昇時と下降時の流動エネルギーEをそれぞれ数式(1)に基づいて測定する。回転するブレードを充填層内で繰り返し往復させることで充填層がほぼ均質となる。そこで、6往復目と7往復目のブレード上昇時の流動エネルギーEを取得し、これらの平均値を流動エネルギーEとする。なお、ブレード上昇時の流動エネルギーEを採用している理由は、ブレード下降時の流動エネルギーEにはブレードが原料を押し込む力(圧密力)の影響が含まれているためである。すなわち、押出成形機の内壁面(例えば原料投入口の内壁面)に付着する原料には圧密力はほとんど加わらない。このため、圧密力がほとんど加わらない状態での押出成形機の内壁面への付着性を評価する指標としてブレード上昇時のほうがより適切であると言える。なお、上述した例では、流動エネルギーEを常に測定していたが、6往復目と7往復目のブレード上昇時の流動エネルギーEのみ測定してもよい。また、他の往復目のブレード上昇時の流動エネルギーEを採用してもよい。圧密力の影響が含まれることになるが、ブレード下降時の流動エネルギーEを採用してもよい。以下の説明では、流動エネルギーEは、6往復目と7往復目のブレード上昇時の流動エネルギーEを取得し、これらの平均値を流動エネルギーEとして求めることで得られたものとする。
さらに、流動エネルギーEは測定時の原料の重量にも依存する。そこで、重量による影響を排除するために原料1g当たりの流動エネルギーEを流動性の指標として用いる。
この流動エネルギーは、外部荷重がない状態の湿潤粉体(原料)の流動しにくさを示す。流動エネルギーの数値が大きいほど原料が流動しにくいことを意味する。
<4.実施形態の詳細な説明>
さらに、流動エネルギーを用いた本実施形態の水分量の決定方法について詳細に説明する。本実施形態に係る水分量の決定方法は、非焼成塊成鉱の押出成形が正常に行われる際の流動エネルギーの適正範囲を求める工程(ステップ1)と、使用予定の原料の流動エネルギーが上記適正範囲内となるように、原料の押出成形時の水分量を決定する工程(ステップ2)を含む。
(ステップ1)流動エネルギーの適正範囲の決定
非焼成塊成鉱用の原料(このときの原料は任意でよい)を準備する。可能であれば複数種類準備する。ついで、原料に添加する水分量を変化させて、少なくとも1回以上、押出成形が正常に行われるときと、原料が押し詰まるときと、押出成形機の内壁面に付着物が成長するときの原料をそれぞれ採取し、それらの流動エネルギーを測定する。ここに、押出成形機の内壁面に付着物が成長しているか否かは、例えば原料投入口を目視することで確認することができる。また、押出成形機の内壁面に付着物が成長するとき、押出成形の成否は問われない。また、ここでの「押出成形が正常におこなわれるとき」とは、両者以外のとき、すなわち、原料の押し詰まりがなく、押出成形機の内壁面に付着物が成長していないときを意味する。
測定結果の一例を図3に示す。横軸は押出成形が正常に行われるときと、原料が押し詰まるときと、押出成形機の内壁面に付着物が成長するときをそれぞれ示し、縦軸は原料の1g当たりの流動エネルギー(mJ/g)を示す。点P1は押出成形が正常に行われるときの原料の1g当たりの流動エネルギーを示し、点P2は原料が押し詰まるときのそれを示し、点P3は押出成形機の内壁面に付着物が成長するときのそれを示す。図3の例では、押出成形の状況ごとに原料の流動エネルギーを5回測定している。
ついで、押出成形が正常に行われるときの原料1g当たりの流動エネルギーの最小値Aminと原料が押し詰まるときのそれの最大値Bmaxの平均値を適正範囲の下限値として求める。さらに、押出成形が正常に行われるときのそれの最大値Amaxと押出成形機の内壁面に付着物が成長するときのそれの最小値Cminの平均値を適正範囲の上限値として求める。図3のグラフL1は、適正範囲の下限値を示し、グラフL2は適正範囲の上限値を示す。したがって、グラフL1、L2の間の領域が適正範囲となる。この例では、概ね13~18mJ/gが原料1g当たりの流動エネルギーの適正範囲となる。もちろん、適正範囲の求め方はこの方法に限られない。
(ステップ2)原料の水分量(水分条件)の決定
ついで、新たに押出成形で使用予定の原料(実際は複数の原料を配合した配合原料)の押出成形時の水分量を変化させて原料1g当たりの流動エネルギーを測定する。そして、原料1g当たりの流動エネルギーがステップ1で求めた適正範囲内になるように水分量を調整する。測定の一例を図4に示す。図4の横軸は原料の押出成形時の水分量(原料の総質量に対する質量%)を示し、縦軸は原料の1g当たりの流動エネルギーを示す。
点P4は原料の水分量と原料の1g当たりの流動エネルギーとの相関を示し、グラフL4は点P4を連結したものである。図4に示すように、原料の水分量が増加すると原料の1g当たりの流動エネルギーは増加するが、水分が極めて過剰になりキャピラリー域(原料粒子間の空隙に水分が完全に充填された状態)を超えると原料がスラリー状に変化し原料1g当たりの流動エネルギーは低下する。通常、押出成形はキャピラリー域より低い水分で操業されるため、キャピラリー域より低い範囲で水分を変化させる。図3、4に示すようにステップ1で求めた原料1g当たりの流動エネルギーの適正範囲が13~18mJ/gだった場合、原料水分量の適正範囲は概ね10~13質量%に決定できる。なお、後述する実施例に示されるように、原料の原料1g当たりの流動エネルギーの適正範囲は汎用性のあるパラメータであり、同じ押出成形機を使用する限り、適正範囲として同じ範囲を使用することができる。逆に、押出成形機を変える場合には、原料1g当たりの流動エネルギーの適正範囲を測定しなおす必要がある。
つぎに、本実施形態の実施例を説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(ステップ1)原料の流動エネルギーの適正範囲の決定
ローラー式押出成形機(不二パウダル社製、型式F-5S/11-175D型、ダイス孔径10mm)を用いて様々な原料を押出成形した。このとき、水分量も様々に変動した。これと並行して、原料1gあたりの流動エネルギーを測定した。押出成形が正常に行われるときと、原料が押し詰まるときと、ローラー式押出成形機内壁面に付着物が成長するときの各5回について、結果を図3に示す。このとき、Amin=14mJ/g、Bmax=12mJ/g、Amax=17mJ/g、Cmin=19mJ/gであった。したがって、原料1gあたりの流動エネルギーの適正範囲の下限値と上限値は13mJ/gと18mJ/gとそれぞれ求められた。
(ステップ2)原料に添加する水分量(水分条件)の決定
ついで、新たに押出成形で使用予定の配合原料について水分を変化させ原料1gあたりの流動エネルギーを測定した。なお、配合原料は、鉄鉱石粉40質量%、焼結集塵ダスト35質量%、コークス粉20質量%、早強セメント5質量%で構成され、各原料の粒径は1mm以下であった。表1に測定結果を示す。
Figure 0007663802000002
水分12質量%のとき原料1gあたりの流動エネルギーは15mJ/gとなり、ステップ1で求めた適正範囲内になった。これにより、この配合原料の水分目標を12質量%と決定した。そこで、水分を12質量%に調湿し、上述したローラー式押出成形機を用いて押出成形したところ、ローラー式押出成形機内で原料が付着することなく成形物を正常に成形することができた。一方、水分量を8、10、14質量%に調湿したところ、原料が押し詰まるか、ローラー式押出成形機内壁面に付着物が成長してしまった。
次に、新たに押出成形で使用予定の配合原料2について水分を変化させ原料1gあたりの流動エネルギーを測定した。なお、配合原料2は、鉄鉱石粉20質量%、焼結集塵ダスト55質量%、コークス粉20質量%、早強セメント5質量%で構成され、各原料の粒径は1mm以下であった。表2に測定結果を示す。
Figure 0007663802000003
水分10質量%のとき原料1gあたりの流動エネルギーは14mJ/gとなり、ステップ1で求めた適正範囲内になった。これにより、この配合原料2の水分目標を10質量%と決定した。そこで、水分を10質量%に調湿し、上述したローラー式押出成形機を用いて押出成形したところローラー式押出成形機内で原料が付着することなく成形物を正常に成形することができた。一方、水分量を8、12、14質量%に調湿したところ、原料が押し詰まるか、ローラー式押出成形機内壁面に付着物が成長してしまった。
なお、上記の実験の結果、上記で求めた原料の1g当たりの流動エネルギーの適正範囲に汎用性があることも確認することができた。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. 非焼成塊成鉱の押出成形が正常に行われる際の原料の流動性の指標の適正範囲を求める工程と、
    使用予定の原料の流動性の指標が前記適正範囲内となるように、前記原料の押出成形時の水分量を決定する工程と、を含み、
    前記流動性を表す指標が流動エネルギー、剪断応力、および安息角から選ばれる1つ以上であることを特徴とする、押出成形方法。
  2. 前記流動性を表す指標が原料1gあたりの流動エネルギーであり、
    前記押出成形が正常に行われるときの前記原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最小値と前記押出成形において原料の押し詰まりが生じるときの前記原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最大値との平均値を前記適正範囲の下限値とし、前記押出成形が正常に行われるときの前記原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最大値と押出成形機の内壁面に付着物が成長するときの前記原料の原料1gあたりの流動エネルギーの最小値の平均値を前記適正範囲の上限値として求めることを特徴とする、請求項1記載の押出成形方法。
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