JP7664751B2 - 断熱ホースおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
従来の断熱ホース100は、ビニールテープにより形成された内壁101と、ビニールテープにより形成された外壁102とを備えており、内壁101と外壁102との間に断熱材103が設けられている。断熱材103は、内層104および外層105から構成されている。内層104と内壁101との間には、補強線109が介在されている。内層104間には継ぎ目106が形成されており、外層105間には継ぎ目107が形成されている。さらに、内層104および外層105間には継ぎ目108が形成されている
しかし、前述した従来の断熱ホース100は、継ぎ目106~108が形成されているため、内層104の結露による水分、または、断熱ホース100の内部を流れる冷水から発生する冷気が各継ぎ目106~108を通過して外壁102に到達すると、外壁102の外面が結露し、その結露による水分が天井裏や床などに落ちるおそれがあった。特に、断熱ホース100を空気調和装置に取り付ける場合に断熱ホース100が屈曲すると、各継ぎ目が広がって隙間(空気層)が形成され、その隙間を通じて水分または冷気が内壁104から外壁102に到達するため、外面が結露し易くなる。
つまり、前述した従来の断熱ホース100は、外面が結露し易いという問題があった。
前述した目的を達成するため、本願発明は、合成樹脂により形成された帯状の断熱材と、合成樹脂により形成された帯状の被覆材(9)とをそれぞれ螺旋状に捲回することにより形成される可撓性の断熱ホース(1:図1)であって、
断熱ホース(1)の内面(2)と外面(3)との間には、断熱材により形成された内側断熱層(7a)と、内側断熱層(7a)の外側に積層された外側断熱層(8a)とが形成されており、
内側断熱層(7a)は断熱ホース(1)の軸線(G)に沿って相互に隣接するように配列されており、
外側断熱層(8a)は断熱ホース(1)の軸線(G)に沿って相互に隣接するように配列されており、
断熱ホース(1)を軸線(G)の方向に沿って切断した場合に、内側断熱層(7a)の周面および外側断熱層(8a)の周面は、それぞれ被覆材(9)によって覆われた独立構造になっており、
相互に隣接する内側断熱層(7a)同士が非接触になっており、かつ、相互に隣接する外側断熱層(8a)同士が非接触になっており、さらに、内側断熱層(7a)と外側断熱層(8a)との間が非接触になっており、
被覆材(9)は、連続した1つの被覆材であることを第1の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第1の特徴において、
最も外側に配置された断熱層(8a)の外側は、被覆材(9)による被覆層(9a:図3)が複数層積層された外層(5)によって覆われていることを第2の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第1または第2の特徴において、
最も内側に配置された断熱層(7a)の内側には、被覆材(9)による被覆層(9a:図3)が複数層積層された内層(4)が配置されていることを第3の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第1ないし第3のいずれか1つの特徴において、
最も内側に配置された断熱層(7a)と、その断熱層の内側に配置された被覆材(9)との間には、合成樹脂により形成された線状の補強材(6:図3)が介在されていることを第4の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、合成樹脂により形成された帯状の被覆材(9)であって連続した1つの被覆材を供給する被覆材供給装置(30:図9)と、線状の補強材(6)を供給する補強材供給装置(40)と、合成樹脂により形成された帯状の第1の断熱材(7)を供給する第1の断熱材供給装置(50)と、合成樹脂により形成された帯状の第2の断熱材(8)を供給する第2の断熱材供給装置(60)とが、回転する軸部材(20)の周囲に配置されており、
被覆材供給装置(30)から供給される被覆材(9)を、回転する軸部材(20)の周面に螺旋状に重なるように捲回し、
補強材供給装置(40)から供給される補強材(6)と第1の断熱材供給装置(50)から供給される第1の断熱材(7)とを、軸部材(20)の周面に捲回された被覆材(9)と第1の断熱材(7)との間に補強材(6)が介在されるように、軸部材(20)の周面に捲回されている被覆材(9)と、軸部材(20)の周面に捲回されようとしている被覆材(9)とによって挟まれた状態で、軸部材(20)の周面に捲回された被覆材(9)の周面に螺旋状に捲回し、
第2の断熱材供給装置(60)から供給される第2の断熱材(8)を、軸部材(20)の周面に捲回されて被覆材(9)により覆われている第1の断熱材(7)と、軸部材(20)の周面に捲回されようとしている被覆材(9)とによって挟まれた状態で、軸部材(20)の周面に捲回されて被覆材(9)により覆われている第1の断熱材(7)の周面に螺旋状に捲回することを第5の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第6の特徴において、
第1の断熱材(7)および第2の断熱材(8)の各幅(w1)は同一であり、
当該断熱ホース(1)の形成が進行する方向を前方とした場合に、第1の断熱材(7)を捲回する位置は第2の断熱材(8)を捲回する位置よりも後方に存在し、かつ、第1の断熱材(7)を捲回する位置と第2の断熱材(8)を捲回する位置とは、上記の幅(w1)よりも長い距離(1.5w1)離れていることを第6の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第5または第6の特徴において、
被覆材(9)同士が溶着可能となるように軟化した被覆材(9)を用いることを第7の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第5ないし第7の特徴のいずれか1つにおいて、
被覆材(9)を軸部材(20)の周面に螺旋状に重なるように複数回捲回することにより、被覆材(9)による被覆層(9a)が複数層積層された内層(4)を形成し、その内層(4)の上に補強材(6)および第1の断熱材(7)を捲回することを第8の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第8の特徴において、
補強材(6)は合成樹脂により形成されており、
内層(4)と溶着可能となるように軟化した補強材(6)を用いることを第9の特徴とする。
前述した目的を達成するため、本願発明は、前述した第5ないし第9の特徴のいずれか1つにおいて、
被覆材(9)により覆われている第1の断熱材(7)の周面に第2の断熱材(8)を螺旋状に捲回するときに、被覆材(9)を第2の断熱材(8)の周面に螺旋状に重なるように複数回捲回することにより、被覆材(9)による被覆層(9a)が複数層積層された外層(5)を第2の断熱材(8)の外側に形成することを第10の特徴とする。
前述した第1の特徴を備える本願発明によれば、最も内側の断熱層において結露が発生した場合であっても、その結露による水分、または、断熱ホース内を流れる冷水から発生する冷気が外側に隣接する断熱層に伝わらないようにすることができる。
従って、前述した第1の特徴を備える本願発明によれば、断熱ホースの外面が結露し難い断熱ホースを提供することができる。
また、断熱ホースを製造するときは、断熱ホースを自身の軸線と直交する方向に沿って切断して所定の長さにするが、その切断面から断熱層が離脱した場合であっても、各断熱層の周囲は、それぞれ被覆材によって覆われているため、離脱した部分からほつれてしまうおそれがない。
さらに、1つの断熱層を覆っている被覆材が破れ、その破れた箇所から断熱層が離脱した場合であっても、その離脱に連動して他の断熱層が離脱してしまうおそれがない。
さらに、被覆材は、連続した1つの被覆材であるため、2つの被覆材を用いた断熱ホースと比較すると、被覆材を供給する装置が1つで済むし、被覆材を捲回する工程も1つで済むので、断熱ホースの製造コストを削減することができる。
ところで、複数の被覆材を用いて各断熱層の周囲を覆う構造の場合は、被覆材が不連続になった境界部分が、捻れ、引っ張りおよび曲げに対して弱くなる。
しかし、前述した第1の特徴を備える本願発明は、連続した1つの被覆材により、各断熱層の周囲が覆われており、被覆材が不連続になった部分が存在せず、各断熱層が一体化されているため、捻れ、引っ張りおよび曲げに強い断熱ホースを提供することができる。
従って、前述した第1の特徴を備える本願発明によれば、断熱ホースの外面が結露し難い断熱ホースを提供することができる。
前述した第2の特徴を備える本願発明によれば、断熱ホースの外側の強度を高めることができるため、断熱ホースが屈曲したときに外側が破損し難くすることができる。また、被覆材による被覆層を複数層積層することにより外層を形成するため、被覆層の積層数をコントロールすることにより、断熱ホースの外側を所望の厚さにすることができる。
また、合成樹脂により形成された被覆層が複数層積層された外層は柔軟性を有し、その外層が断熱ホースの外殻になるため、断熱ホースに柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
前述した第3の特徴を備える本願発明によれば、断熱ホースの内側の強度を高めることができるため、断熱ホースが屈曲したときなどに内側が破損し難くすることができる。また、被覆材による被覆層を複数層積層することにより内層を形成するため、被覆層の積層数をコントロールすることにより、断熱ホースの内側を所望の厚さにすることができる。
また、合成樹脂により形成された被覆層が複数層積層された内層は柔軟性を有し、その内層が断熱ホースの内殻(芯)になるため、断熱ホースに柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
前述した第4の特徴を備える本願発明によれば、最も内側に配置された断熱層と、その断熱層の内側に配置された被覆材との間には、合成樹脂により形成された線状の補強材が介在されているため、断熱ホースの強度を高めることができるので、潰れ難く、かつ、折れ難くすることができ、さらに、引っ張りに対して強くすることができる。さらに、断熱ホース全体の強度を高めることができるため、外部荷重が掛かったときや屈曲したときでも、座屈し難く、かつ、潰れ難く、さらに、元の形状に復元し易い断熱ホースを提供することができる。
前述した第5の特徴を備える本願発明によれば、被覆材により覆われた第1の断熱材および被覆材により覆われた第2の断熱材を同時に形成し、被覆材により覆われた第1の断熱材の上に、被覆材により覆われた第2の断熱材が積層された構造の断熱ホースを1つの工程にて連続して製造することができるため、製造効率を高めることができる。
さらに、被覆材は、連続した1つの被覆材であるため、2つの被覆材を用いる製造方法と比較すると、被覆材を供給する装置が1つで済むし、被覆材を捲回する工程も1つで済むので、断熱ホースの製造コストを削減することができ、かつ、製造効率を高めることができる。
前述したように、複数の被覆材を用いて各断熱層の周囲を覆う構造の場合は、被覆材が不連続になった境界部分が、捻れ、引っ張りおよび曲げに対して弱くなる。
しかし、前述した第6の特徴を備える本願発明は、連続した1つの被覆材により、各断熱層の周囲を覆うため、被覆材が不連続になった部分が存在せず、各断熱層が一体化されるため、捻れ、引っ張りおよび曲げに強い断熱ホースを提供することができる。
前述した第6の特徴を備える本願発明によれば、決められた位置から第1の断熱材および第2の断熱材をそれぞれ軸部材の周面に捲回することにより、第1の断熱材の上に第2の断熱材を自動的に捲回することができる。
また、前述した第7の特徴を備える本願発明によれば、軸部材の周面に捲回された第1の断熱材間の境界と第2の断熱材間の境界とが重ならないようにすることができるため、第1の断熱材の境界から水分または冷気が浸入した場合であっても、第2の断熱材への水分の移動を抑え、冷気を伝わり難くすることができる。
さらに、前述した第7の特徴を備える本願発明によれば、断熱ホースが屈曲したときに、屈曲方向の外側の部分において、断熱ホースの軸線に沿って、第1の断熱材により形成される断熱層間および第2の断熱材により形成される断熱層間にそれぞれ空間が生じた場合であっても、各空間が、断熱ホースの軸線と直交する方向では重ならないため、内側の空間から外側の空間への水分の移動を抑え、冷気を伝わり難くすることができる。
また、断熱ホースが屈曲したときに、屈曲方向の内側の部分において、第1の断熱材により形成される断熱層と第2の断熱材により形成される断熱層との間に空間が形成された場合であっても、断熱ホースの軸線に沿って隣接する各断熱層間には空間が形成されないため、仮に、第1の断熱材により形成される断熱層と第2の断熱材により形成される断熱層との間に水分または冷気が浸入した場合でも、第2の断熱材により形成される断熱層の外側への水分の移動を抑え、冷気を伝わり難くすることができる。
前述した第7の特徴を備える本願発明によれば、被覆材同士が溶着した部分が剥がれるおそれがなく、被覆材によって第1の断熱材および第2の断熱材を密閉することができるため、第1の断熱材と第2の断熱材との間を水分が移動するおそれがなく、冷気が伝わり難いので、外面が結露し難くすることができる。
また、前述した第7の特徴を備える本願発明によれば、被覆材同士を溶着するため、接着剤が不要となるので、製造コストを削減することもできる。さらに、被覆材同士を溶着するため、接着剤によって被覆材同士を接着する構造よりも、断熱ホースの強度を高めることができる。
前述した第8の特徴を備える本願発明によれば、内層の上に補強材および第1の断熱材を捲回するため、断熱ホースの強度を高めることができるので、潰れ難く、かつ、折れ難くすることができ、さらに、引っ張りに対して強くすることができる。また、潰れ、曲げ、折れ、捻れが生じた場合の復元力を高めることもできる。また、被覆材による被覆層を複数層積層することにより内層を形成するため、被覆層の積層数をコントロールすることにより、断熱ホースの内側を所望の厚さにすることができる。
さらに、合成樹脂により形成された被覆層が複数層積層された内層は柔軟性を有し、その内層が断熱ホースの内殻(芯)になるため、断熱ホースに柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
前述した第9の特徴を備える本願発明によれば、内層と補強材とを溶着することができるため、内層に対する補強材の配置位置をずれ難くすることができる。また、前述した第9の特徴を備える本願発明によれば、接着剤を使用しなくても内層と補強材とを溶着することができるため、製造コストを削減することもできる。
前述した第10の特徴を備える本願発明によれば、断熱ホースの外側の強度を高めることができるため、断熱ホースが屈曲したときに外側が破損し難くすることができる。また、被覆材による被覆層を複数層積層することにより外層を形成するため、被覆層の積層数をコントロールすることにより、断熱ホースの外側を所望の厚さにすることができる。
また、合成樹脂により形成された被覆層が複数層積層された外層は柔軟性を有し、その外層が断熱ホースの外殻になるため、破れ難く、屈曲し易い。さらに、断熱ホースに柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
本願発明の実施形態に係る断熱ホースの構造について図を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る断熱ホース1は、後述するように各層を螺旋状に捲回することにより製造されるもので、全長がL、外径がφ1、内径がφ2にて形成されており、剛性および可撓性を有する。例えば、断熱ホース1は、空気調和装置(エアコン)に用いるドレンホースであり、全長Lが約1,000mm、外径φ1が30~50mm、内径φ2が10~40mmである。断熱ホース1を自身の軸線(中心軸)Gと直交する方向にて切断した断面は、円環状である(図示せず)。図2および図3に示すように、断熱ホース1の内面2には、断熱ホース1の内殻(芯)となる内層4が配置されている。内層4は、合成樹脂により形成された被覆層9aを5層積層することにより形成されている。各被覆層9aは相互に溶着された状態で一体化されているため、被覆層9aの積層構造が崩れるおそれがない。例えば、被覆層9aの厚さは0.1~2.0mmである。
つまり、断熱ホース1は、螺旋状に重なりながら巻かれる単一の被覆材9(被覆層9a)の重なり部分に、内側断熱層7aおよび補強材6と外側断熱層8aとがそれぞれ挟まれた格好になる。
各被覆層9aは相互に溶着した状態で一体化されているため、外層5の積層構造が崩れるおそれがない。
例えば、被覆層9aは、軟質のポリ塩化ビニル(軟質PVC)により形成されており、補強材6は、硬質のポリ塩化ビニル(硬質PVC)により形成されている。内側断熱層7aおよび外側断熱層8aは、それぞれ発泡ポリエチレン(PE)により形成されている。
しかし、内層4、外層5、各外側断熱層8aおよび各内側断熱層7aは破損せず、各外側断熱層8aおよび各内側断熱層7aをそれぞれ覆っている被覆層9aも破損しないため、従来のように、屈曲により形成された隙間を通じて水分が内側断熱層7aから外側断熱層8aに移動するおそれがなく、冷気が伝わり難い。従って、外面3が結露し難い。また、断熱ホース1の断熱特性、屈曲特性および耐久性が損なわれることもない。また、屈曲した断熱ホース1を屈曲前の状態に戻すと、各空気層10が殆ど無くなり、各外側断熱層8aおよび各内側断熱層7aは、変形前の形状に復帰する。
次に、断熱ホース1の製造装置について図9を参照しながら説明する。図9では、断熱ホース1の形成が進行する方向を前方とする。
断熱ホース1の製造装置80は、軸部材20と、被覆材供給装置30と、補強材供給装置40と、第1の断熱材供給装置50と、第2の断熱材供給装置60と、冷却装置70と、第1の案内部材71と、第2の案内部材72と、ガイドローラ73とを備えている。軸部材20は、略棒状に形成されており、モータなどを備えた回転装置(図示せず)と接続されており、自身の軸線Gを中心にして、矢印Fで示す方向に回転する。被覆材供給装置30は、帯状(シート状)の連続した1つの被覆材9を半溶融した状態、つまり、被覆材9同士が溶着可能となるように軟化した状態で口金31から押出して供給する。第1の断熱材供給装置50は、帯状の第1の断熱材7を供給し、その第1の断熱材7は、第1の案内部材71により、軸部材20の捲回位置に案内される。第1の案内部材71は、自身の取付け位置を前後左右に調節可能な取付け装置(図示せず)に取り付けられており、取付け位置を調節することにより、第1の断熱材7の捲回位置を調節することができる。
また、第1の断熱材7を捲回する位置は、第2の断熱材8を捲回する位置よりも後方に存在し、かつ、第1の断熱材7を捲回する位置と第2の断熱材8を捲回する位置とは、第1の断熱材7および第2の断熱材8の各幅w1よりも長い、1.5w1離れている。
最初に、製造方法の特徴について図4および図5を参照しながら説明する。図4は、断熱ホース1が形成される過程を示す断面図であり、図5は、図4を2つに分割して拡大した拡大図である。図4および図5では、断熱ホース1の形成が進行する方向を前方とする。図4および図5において、符号(7-1)~(7-5)は、第1の断熱材7の捲回回数が1回ないし5回のときに形成された内側断熱層7aを示し、符号(8-2)~(8-5)は、第2の断熱材8の捲回回数が2回ないし5回のときに形成された外側断熱層8aを示す。例えば、(7-5)は、第1の断熱材7を5回捲回したときに形成された内側断熱層7aであり、(8-5)は、第2の断熱材8を5回捲回したときに形成された外側断熱層8aである。
以下、説明の都合上、符号(7-1)~(7-5)にて示す内側断熱層7aを内側断熱層7aの1列目~5列目と称し、符号(8-2)~(8-5)にて示す外側断熱層8aを外側断熱層8aの2列目~5列目と称する。
さらに、各内側断熱層7aおよび各外側断熱層8aが被覆層9aによって隙間無く覆われている。これは、軟化した状態の被覆材9を用い、テンションを掛けて被覆材9を捲回するからである。
さらに、図2および図3に示すように、外層5は被覆層9aを2層積層することにより形成されている。これは、被覆材9を、被覆層9aにより覆われた外側断熱層8aの上から重なり代k(図2)が断熱層の幅w1となるように捲回するからである。
被覆材供給装置30を駆動して、連続した1つの被覆材9を半溶融した状態で口金31から供給可能な状態にする。また、補強材供給装置40を駆動して補強材6を半溶融した状態で供給可能な状態にする。また、第1の断熱材供給装置50を駆動して第1の断熱材7を供給可能な状態にし、第2の断熱材供給装置60を駆動して第2の断熱材8を供給可能な状態にする。また、冷却装置70が冷却水を吐出可能な状態にする。
そして、図9に示すように、被覆材供給装置30の口金31から押し出される被覆材9を、矢印Fの方向に回転する軸部材20の周面に螺旋状に重なるようにテンションを掛けながら捲回する。このとき、重ね代k(図2)が断熱材の幅w1となるように、被覆材9を軸部材20の周面に5回捲回し、被覆層9aが5層積層された内層4(図3)を形成する。
続いて、図9(B)に示すように、補強材供給装置40から供給される補強材6と、第1の断熱材供給装置50から供給される第1の断熱材7とを、軸部材20の周面に形成された内層4と第1の断熱材7との間に補強材6が介在されるように、軸部材20の周面に形成されている内層4と、軸部材20の周面に捲回されようとしている被覆材9との間に巻き込ませる。これにより、第1の断熱材7の上下面が、内層4と、軸部材20の周面に捲回されようとしている被覆材9とによって挟まれた状態で、軸部材20の周面に形成された内層4の周面に螺旋状に捲回される。これにより、内層4の上に内側断熱層7aが形成され、内側断熱層7aと内層4との間に補強材6が介在され、さらに、内側断熱層7aが被覆層9aによって覆われた状態になる(図2,図3)。
また、第1の断熱材7および補強材6を内層4の周面に螺旋状に捲回し、捲回された第1の断熱材7が、第2の断熱材8の捲回位置に到達したときに、第2の断熱材供給装置60から供給される第2の断熱材8を、軸部材20の周面に捲回されて被覆材9により覆われている第1の断熱材7と、軸部材20の周面に捲回されようとしている被覆材9との間に巻き込ませる。これにより、第2の断熱材8は、その上下面が、被覆材9により覆われている第1の断熱材7と、軸部材20の周面に捲回されようとしている被覆材9とによって挟まれた状態で、軸部材20の周面に捲回されて被覆材9により覆われている第1の断熱材7の周面に螺旋状に捲回される。これにより、被覆層9aによって覆われた内側断熱層7aの上に、被覆層9aによって覆われた外側断熱層8aが積層される(図4,図5)。
第1の断熱材7が内層4と被覆材9との間に挟まれた状態になった部分が、第2の断熱材8を捲回する位置に存在するときに第2の断熱材8を捲回することにより、被覆層9aによって覆われた第1の断熱材7の上に、被覆層9aによって覆われた第2の断熱材8を積層することができる。なお、第2の断熱材8を捲回するタイミングは、捲回された第1の断熱材7が、第2の断熱材8の捲回位置を通過した後の適当なタイミングでも良い。
(1)上述した実施形態に係る断熱ホース1は、第1の断熱材7により形成された内側断熱層7aと、第2の断熱材8により形成された外側断熱層8aとが、内面2と外面3との間に形成されており、各内側断熱層7aおよび各外側断熱層8aの周囲は、それぞれ被覆材9により形成された被覆層9aによって覆われており、各内側断熱層7a同士および各外側断熱層8a同士がそれぞれ非接触になっており、さらに、内側断熱層7aおよび外側断熱層8a同士も非接触になっている。
従って、上述した実施形態に係る断熱ホース1によれば、内側断熱層7aにおいて結露が発生した場合であっても、外側断熱層8aへの結露による水分の移動を抑え、断熱ホース1の内部を流れる冷水から発生する冷気を伝わり難くすることができるため、外面3が結露し難い断熱ホースを提供することができる。
また、断熱ホース1を製造するときは、断熱ホースを自身の軸線Gと直交する方向に沿って切断するが、その切断面から断熱層が離脱した場合であっても、各断熱層の周囲は、それぞれ被覆層9aによって覆われているため、離脱した部分からほつれてしまうおそれがない。
従って、製造された断熱ホース1の端部に、空気調和装置側のダクトと接続するためのカフスなどの接続部材を取り付ける場合に、断熱ホース1の切断面から断熱層が離脱していると、その離脱している部分を元の位置に戻す手作業が必要になるが、断熱ホース1の切断面から断熱層が離脱することが少ないため、上記の接続部材の取付け作業効率を高めることができる。
また、各内側断熱層7aおよび各外側断熱層8aの周囲は、それぞれ被覆層9aによって覆われているため、例えば、どちらか一方の断熱層を覆っている被覆層9aが破れ、その破れた箇所から断熱層が離脱して、ほつれが生じた場合であっても、そのほつれに連動して他方の断熱層が離脱してしまうおそれがない。
従って、前述した実施形態に係る断熱ホース1によれば、内側断熱層7aにおいて結露が発生した場合であっても、外側断熱層8aへの結露による水分の移動を抑え、断熱ホース1の内部を流れる冷水から発生する冷気を伝わり難くすることができるため、外面3が結露し難い断熱ホースを提供することができる。
ところで、複数の被覆材9を用いて各内側断熱層7aおよび各外側断熱層8aの各周囲を覆う構造の場合は、被覆材9が不連続になった境界部分が、捻れ、引っ張りおよび曲げに対して弱くなる。
しかし、前述した実施形態に係る断熱ホース1は、連続した1つの被覆材9により、各内側断熱層7aおよび各外側断熱層8aの各周囲が覆われており、被覆材9が不連続になった部分が存在せず、各内側断熱層7aおよび各外側断熱層8aが一体化されているため、捻れ、引っ張りおよび曲げに強い断熱ホース1を提供することができる。
(4)さらに、前述した実施形態に係る断熱ホース1は、外側断熱層8aの外側は、被覆材9による被覆層9aが複数層積層された外層5によって覆われているため、断熱ホース1の外側の強度を高めることができるので、断熱ホース1が屈曲したときに外側が破損し難くすることができる。
また、被覆材9による被覆層9aを複数層積層することにより外層5を形成するため、被覆層9aの積層数をコントロールすることにより、断熱ホース1の外側を所望の厚さにすることができる。
また、合成樹脂により形成された被覆層9aが複数層積層された外層5は、柔軟性を有し、その外層5が断熱ホース1の外殻になるため、断熱ホース1に柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
また、被覆材9による被覆層9aを複数層積層することにより内層4を形成するため、被覆層9aの積層数をコントロールすることにより、断熱ホース1の内側を所望の厚さにすることができる。
また、合成樹脂により形成された被覆層9aが複数層積層された内層4は、柔軟性を有し、その内層4が断熱ホース1の内殻(芯)になるため、断熱ホース1に柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
(7)さらに、前述した実施形態に係る断熱ホース1は、被覆材9の前端Sが、外側断熱層8aの境界8cと一致しないように、境界8cよりも前方にずれた位置に存在しているため、前端Sが剥がれ、その剥がれ部分の被覆層9a間の隙間から水分や冷気が浸入した場合であっても、その水分や冷気が境界8cを通じて外側断熱層8aまで到達し難いので、断熱ホースの耐久性が低下するという現象を発生し難くすることができる。
従って、前述した実施形態に係る断熱ホース1によれば、断熱ホース1全体の強度を高めることができるため、外部荷重が掛かったときや屈曲したときでも、座屈し難く、かつ、潰れ難く、さらに、元の形状に復元し易い断熱ホースを提供することができる。
(10)さらに、前述した実施形態に係る断熱ホースの製造方法によれば、連続した1つの被覆材9を用いるため、2つの被覆材を用いる製造方法と比較すると、被覆材9を供給する装置が1つで済むし、被覆材9を捲回する工程も1つで済むので、断熱ホース1の製造コストを削減することができ、かつ、製造効率を高めることができる。
従って、前述した実施形態に係る断熱ホースの製造方法によれば、予め決められた位置から第1の断熱材7および第2の断熱材8をそれぞれ軸部材20の周面に捲回することにより、第1の断熱材7の上に第2の断熱材8を自動的に捲回することができる。
また、第1の断熱材7によって形成された内側断熱層7a間の境界7bと、第2の断熱材8によって形成された外側断熱層8a間の境界8bとが重ならないようにすることができるため、内側断熱層7a間の境界7bから水分や冷気が浸入した場合であっても、外側断熱層8aへの水分の移動を抑え、冷気を伝わり難くすることができるので、外面3が結露し難い断熱ホースを提供することができる。
さらに、前述した実施形態に係る断熱ホースの製造方法によれば、図7に示したように、断熱ホース1が屈曲したときに、屈曲方向の外側の部分において、断熱ホース1の軸線Gに沿って、内側断熱層7a間および外側断熱層8a間にそれぞれ空間10が生じた場合であっても、各空間10が、断熱ホース1の軸線Gと直交する方向では重ならないため、内側の空間10から外側の空間10への水分の移動を抑え、冷気を伝わり難くすることができる。
また、断熱ホース1が屈曲したときに、図8に示したように、屈曲方向の内側の部分において、内側断熱層7aと外側断熱層8aとの間に空間10が形成された場合であっても、断熱ホース1の軸線Gに沿って隣接する各断熱層間には空間10が形成されないため、仮に、内側断熱層7aと外側断熱層8aとの間に水分または冷気が浸入した場合でも、外側断熱層8aの外側への水分の移動を抑え、冷気を伝わり難くすることができる。
また、被覆材9同士を溶着するため、接着剤が不要となるので、製造コストを削減することもできる。さらに、被覆材9同士を溶着するため、接着剤によって被覆材9同士を接着する構造よりも、断熱ホース1の強度を高めることもできる。
また、被覆材9による被覆層9aを複数層積層することにより内層4を形成するため、被覆層9aの積層数をコントロールすることにより、断熱ホース1の内側を所望の厚さにすることができる。
また、合成樹脂により形成された被覆層9aが複数層積層された内層4は、柔軟性を有し、その内層4が断熱ホース1の内殻(芯)になるため、断熱ホース1に柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
また、被覆材9による被覆層9aを複数層積層することにより外層5を形成するため、被覆層9aの積層数をコントロールすることにより、断熱ホース1の外側を所望の厚さにすることができる。
また、合成樹脂により形成された被覆層9aが複数層積層された外層5は、柔軟性を有し、その外層5が断熱ホース1の外殻になるため、破れ難く、屈曲し易い。さらに、断熱ホース1に柔軟性を持たせることができ、可撓性を高めることもできる。
また、接着剤を使用しなくても内層4と補強材6とを接着することができるため、製造コストを削減することもできる。
(1)前述した実施形態に係る断熱ホース1は、内側断熱層7aおよび外側断熱層8aを積層した2層構造であるが、断熱ホース1の用途などに応じて3層以上の構造にすることもできる。この構造の断熱ホースを製造する場合は、第2の断熱材の捲回位置から前方に1.5w1離れた位置にて、発泡樹脂により形成された帯状の第3の断熱材を第2の断熱材の上から捲回する。つまり、断熱材の捲回位置を相互に1.5w1離れた位置に設定することにより、3層以上の構造を有し、各層がそれぞれ被覆層9aによって覆われ、かつ、上下の層間が0.5w1ずれて積層された断熱ホースを製造することができる。
(2)内層4は5層構造以外でも良く、2層ないし4層構造でも良いし、6層以上の構造でも良い。また、被覆層9aの積層数を変更することにより、内層4の柔軟性、つまり、断熱ホース1の可撓性を調節することもできる。
(3)被覆層9aを3層以上積層することにより、外層5を形成することもできる。
(5)被覆材9の幅は、断熱層の積層数によって変更することができる。また、被覆材9の厚さは、断熱ホース1の可撓性および強度を考慮して変更することができる。また、断熱材の厚さおよび幅は、断熱ホース1の用途などに応じて変更することができる。
(6)各内側断熱層7aおよび各外側断熱層8aの軸線Gに沿ったずれ幅(変位幅)は、第1の断熱材7または第2の断熱材8の捲回位置を調節することにより、0.5w1以外に調節することもできる。
6・・補強材、7・・第1の断熱材、7a・・内側断熱層、8・・第2の断熱材、
8a・・外側断熱層、9・・被覆材、9a・・被覆層、10・・空気層、
20・・軸部材、30・・被覆材供給装置、40・・補強材供給装置、
50・・第1の断熱材供給装置、60・・第2の断熱材供給装置、
70・・冷却装置、80・・製造装置、G・・軸線、k・・重なり代、
S・・前端、E・・後端、w1・・断熱材の幅。
Claims (10)
- 合成樹脂により形成された帯状の断熱材と、合成樹脂により形成された帯状の被覆材とをそれぞれ螺旋状に捲回することにより形成される可撓性の断熱ホースであって、
当該断熱ホースの内面と外面との間には、前記断熱材により形成された内側断熱層と、当該内側断熱層の外側に積層された外側断熱層とが形成されており、
前記内側断熱層は当該断熱ホースの軸線に沿って相互に隣接するように配列されており、
前記外側断熱層は当該断熱ホースの軸線に沿って相互に隣接するように配列されており、
当該断熱ホースを前記軸線の方向に沿って切断した場合に、前記内側断熱層の周面および前記外側断熱層の周面は、それぞれ前記被覆材によって覆われた独立構造になっており、
相互に隣接する前記内側断熱層同士が非接触になっており、かつ、相互に隣接する前記外側断熱層同士が非接触になっており、さらに、前記内側断熱層と前記外側断熱層との間が非接触になっており、
前記被覆材は、連続した1つの被覆材であることを特徴とする断熱ホース。 - 最も外側に配置された前記断熱層の外側は、前記被覆材による被覆層が複数層積層された外層によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の断熱ホース。
- 最も内側に配置された前記断熱層の内側には、前記被覆材による被覆層が複数層形成された内層が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の断熱ホース。
- 最も内側に配置された断熱層と、その断熱層の内側に配置された前記被覆材との間には、合成樹脂により形成された線状の補強材が介在されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の断熱ホース。
- 合成樹脂により形成された帯状の被覆材であって連続した1つの被覆材を供給する被覆材供給装置と、線状の補強材を供給する補強材供給装置と、合成樹脂により形成された帯状の第1の断熱材を供給する第1の断熱材供給装置と、合成樹脂により形成された帯状の第2の断熱材を供給する第2の断熱材供給装置とが、回転する軸部材の周囲に配置されており、
前記被覆材供給装置から供給される前記被覆材を、前記回転する軸部材の周面に螺旋状に重なるように捲回し、
前記補強材供給装置から供給される前記補強材と前記第1の断熱材供給装置から供給される前記第1の断熱材とを、前記軸部材の周面に捲回された前記被覆材と前記第1の断熱材との間に前記補強材が介在するように、前記軸部材の周面に捲回されている前記被覆材と、前記軸部材の周面に捲回されようとしている前記被覆材とによって挟まれた状態で、前記軸部材の周面に捲回された前記被覆材の周面に螺旋状に捲回し、
前記第2の断熱材供給装置から供給される前記第2の断熱材を、前記軸部材の周面に捲回されて前記被覆材により覆われている前記第1の断熱材と、前記軸部材の周面に捲回されようとしている前記被覆材とによって挟まれた状態で、前記軸部材の周面に捲回されて前記被覆材により覆われている前記第1の断熱材の周面に螺旋状に捲回することを特徴とする断熱ホースの製造方法。 - 前記第1の断熱材および前記第2の断熱材の各幅は同一であり、
当該断熱ホースの形成が進行する方向を前方とした場合に、前記第1の断熱材を捲回する位置は前記第2の断熱材を捲回する位置よりも後方に存在し、かつ、前記第1の断熱材を捲回する位置と前記第2の断熱材を捲回する位置とは、前記幅よりも長い距離離れていることを特徴とする請求項5に記載の断熱ホースの製造方法。 - 前記被覆材同士が溶着可能となるように軟化した前記被覆材を用いることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の断熱ホースの製造方法。
- 前記被覆材を前記軸部材の周面に螺旋状に重なるように複数回捲回することにより、前記被覆材による被覆層が複数層積層された内層を形成し、その内層の上に前記補強材および前記第1の断熱材を捲回することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1つに記載の断熱ホースの製造方法。
- 前記補強材は合成樹脂により形成されており、
前記内層と溶着可能となるように軟化した前記補強材を用いることを特徴とする請求項8に記載の断熱ホースの製造方法。 - 前記被覆材により覆われている前記第1の断熱材の周面に前記第2の断熱材を螺旋状に捲回するときに、前記被覆材を前記第2の断熱材の周面に螺旋状に重なるように複数回捲回することにより、前記被覆材による被覆層が複数層積層された外層を前記第2の断熱材の外側に形成することを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか1つに記載の断熱ホースの製造方法。
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