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JP7679182B2 - 金属張積層板 - Google Patents
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JP7679182B2 - 金属張積層板 - Google Patents

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Description

本発明は、金属張積層板に関する。
フレキシブルプリント配線板などの製造に際しては、基材の上に銅などの金属からなる金属層が積層された金属張積層板が使用される。
このような金属張積層板として、例えば下記特許文献1には、基材と、基材上に設けられる導電膜とを備える導電膜付き基板が開示され、導電膜は、銅微粒子を焼成した皮膜と、皮膜に施しためっき膜とを有している。
特開2013-135089号公報
ところで、近年、電子機器の高性能化に伴い、高周波の信号を流すことのできる配線基板が求められている。
しかし、信号は、いわゆる表皮効果により、周波数が高くなるにつれて導体の表面にしか電流が流れなくなることが知られており、上述した特許文献1に記載の導電膜では、高周波帯、特に60GHzの超高周波帯の信号を流すと、伝送損失が増加するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高周波信号の伝送損失の増加を抑制できる金属張積層板を提供することを目的とする。
本発明者は、上記特許文献1に記載の導電膜において上記課題が生じる原因について検討した。その結果、本発明者は、上記課題が生じる原因について以下のように考えた。すなわち、銅微粒子を焼成して形成された皮膜は、空隙を有する多孔質構造となり、高周波の信号は表皮効果によりこの多孔質構造の空隙に沿って流れる。このため、信号が最短距離を伝送されなくなり、このことが伝送損失の増加を引き起こすのではないかと本発明者は考えた。そこで、本発明者は、さらに鋭意検討を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、基材と、前記基材上に設けられる金属層とを備え、前記金属層が、前記基材上に設けられ、複数の空隙を有する多孔質の第1金属層と、前記第1金属層の上に設けられる第2金属層とを有し、前記第1金属層が12%以下の空隙率を有し、前記第2金属層の空隙率が前記第1金属層の空隙率よりも小さい、金属張積層板である。
この金属張積層板によれば、第2金属層の空隙率が第1金属層の空隙率よりも小さいため、高周波の信号の伝送損失は、第2金属層よりも第1金属層でより増加しやすい。このとき、第1金属層の空隙率が12%を超えると、第1金属層において空隙の占める割合が大きくなり、高周波信号が表皮効果により空隙に沿って流れる場合に、高周波信号がよりジグザグに伝送されやすくなり、高周波信号の伝送距離が長くなる。これに対し、本発明では、第1金属層の空隙率が12%以下となっている。すなわち、第1金属層では、空隙の占める割合が十分に小さくなっている。このため、高周波信号が空隙に沿って流れる場合でも、高周波信号がより真っ直ぐに伝送されやすくなり、高周波信号の伝送距離がより短くなる。従って、高周波信号の伝送損失の増加を抑制できる。
上記金属張積層板においては、前記第2金属層の空隙率が前記第1金属層の空隙率の0倍であることが好ましい。
この場合、第2金属層の空隙率が前記第1金属層の空隙率の0倍より大きくなる場合に比べて、第2金属層において、高周波信号がより真っ直ぐに伝送され、高周波信号の伝送距離がより短くなる。従って、高周波信号の伝送損失の増加をより抑制できる。
上記金属張積層板においては、前記第1金属層の前記空隙の平均径が100nm以下であることが好ましい。
この場合、第1金属層における空隙の平均径が十分に小さくなる。このため、第1金属層における空隙の平均径が100nmを超える場合に比べて、高周波信号が空隙に沿って流れる場合に、高周波信号がより真っ直ぐに伝送され、高周波信号の伝送距離がより短くなる。従って、高周波信号の伝送損失の増加をより抑制できる。
なお、本発明において、空隙率は、第1金属層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した場合に、下記式で算出される値をいう。
空隙率=100×S1/S
(上記式中、Sは、第1金属層の面積を表し、S1は、第1金属層に占める空隙の面積を表す。)
また、空隙の平均径dとは、以下のようにして算出される値をいう。
d=2×(S1/(n×π))1/2
(上記式中、S1は、第1金属層に占める空隙の面積を表し、nは空隙の数を表す。)
上記S及びS1は、具体的には画像処理ソフト「イメージJ」で測定される値である。
本発明によれば、高周波信号の伝送損失の増加を抑制できる金属張積層板が提供される。
本発明の金属張積層板の一実施形態を示す断面図である。 図1の二点鎖線Aで囲まれる領域の拡大図である。 図2において、第1金属層における空隙率を12%より大きくした状態を示す図である。 本発明の金属張積層板を製造する方法における第1金属層前駆体形成工程を示す断面図である。
以下、本発明の金属張積層板の実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の金属張積層板について図1~図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の金属張積層板の一実施形態を示す断面図、図2は、図1の二点鎖線Aで囲まれる領域の拡大図、図3は、図2において、第1金属層における空隙率を12%より大きくした状態を示す図である。
図1及び図2に示すように、金属張積層板100は、基材10と、基材10の主面10a上に設けられる金属層20とを備えている。金属層20は、基材10の上に設けられ、複数の空隙Vを有する多孔質の第1金属層21と、第1金属層21の上に設けられる第2金属層22とを有する。そして、第1金属層21は12%以下の空隙率を有し、第2金属層22の空隙率は第1金属層21の空隙率よりも小さくなっている。
この金属張積層板100によれば、第2金属層22の空隙率が第1金属層21の空隙率よりも小さいため、高周波の信号の伝送損失は、第2金属層22よりも第1金属層21でより増加しやすい。このとき、第1金属層21の空隙率が12%より大きくなると、第1金属層21において空隙Vの占める割合が大きくなり、高周波信号が空隙Vに沿って流れる場合に、高周波信号がよりジグザグに伝送されやすくなり、高周波信号の伝送距離が長くなる(図3参照)。これに対し、金属張積層板100では、第1金属層の空隙率が12%以下となっている。すなわち、第1金属層21では、空隙Vの占める割合が十分に小さくなっている。このため、高周波信号が空隙Vに沿って流れる場合に、高周波信号がより真っ直ぐに伝送されやすくなり、高周波信号の伝送距離がより短くなる(図2参照)。従って、高周波信号の伝送損失の増加を抑制できる。なお、図2及び図3において、二点鎖線は第1金属層21と第2金属層22との境界を示している。
次に、基材10、第1金属層21及び第2金属層22について詳細に説明する。
<基材>
基材10を構成する材料は、特に制限されるものではないが、基材10を構成する材料としては、例えば非熱可塑性のポリイミド樹脂;熱可塑性のポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)、シクロオレフィンポリマー(COP);及び、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素系樹脂などが挙げられる。
金属張積層体100を高周波用途に使用する場合には、誘電率が小さい樹脂が好ましい。この場合、高周波信号の電気エネルギーの一部が熱になりにくく失われにくくなる。このような誘電率が小さい樹脂としては、LCP、COP及びフッ素系樹脂が挙げられる。
はんだリフロー時を特に重視する場合、基材10を構成する材料としては、連続使用温度が200℃以上である樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えばLCP、COP及びフッ素系樹脂などが挙げられる。
また、温度変化による反りの抑制を重視する場合には、基材10を構成する材料としては、第1金属層21の線膨張係数に近い線膨張係数を有する樹脂が好ましい。例えば第1金属層21が銅で構成される場合には、銅の線膨張係数(16ppm/K)に近い線膨張係数を有するLCP又はポリイミド樹脂などが好ましく用いられる。
基材10の平均厚さは用途によるため一概には言えないが、通常は25~100μmである。基材10の平均厚さは、例えばJISK7130:1999「プラスチック-フィルム及びシート-厚さ測定方法」に記載された方法により測定できる。
<第1金属層>
第1金属層21の空隙率は、12%以下であればよいが、10%以下であることが好ましい。
但し、第1金属層21は空隙Vを有するため、第1金属層21の空隙率は0%より大きくなっている。第1金属層21の空隙率は、1%以上であることが好ましい。この場合、基材10に対する第1金属層21の密着性の低下をより十分に抑制することができる。
第1金属層21の空隙Vの平均径dは特に制限されるものではないが、100nm以下であることが好ましい。この場合、第1金属層21における空隙Vの平均径dが十分に小さくなる。このため、第1金属層21における空隙Vの平均径dが100nmを超える場合に比べて、高周波信号が空隙Vに沿って流れる場合に、高周波信号がより真っ直ぐに伝送され、高周波信号の伝送距離がより短くなる。従って、高周波信号の伝送損失の増加をより抑制できる。
第1金属層21の空隙Vの平均径dは、高周波信号の伝送損失の増加をより一層抑制する観点からは、50nm以下であることがより好ましい。
但し、第1金属層21の空隙Vの平均径dは10nm以上であることが好ましい。この場合、基材10に対する第1金属層21の密着性の低下をより十分に抑制することができる。
第1金属層21の平均厚さは、第1金属層21を構成する金属粒子の平均粒径の2倍以上であることが好ましい。この場合、計算上では、基材10上に金属粒子が2個以上存在することになり、基材10に直接密着している金属粒子上に第2金属層22が直接形成されていないことになる。このため、基材10に直接密着している金属粒子に第2金属層22による応力が加わりにくくなり、基材10に対する第1金属層21の密着性の低下を十分に抑制できる。
第1金属層21の平均厚さは、例えば第1金属層21の断面を走査電子顕微鏡で観察することで測定することができる。第1金属層21の断面を出す方法としては、金属張積層板100を樹脂に埋め込んでから研磨する方法などがある。
金属粒子を構成する金属としては、例えば金、銀および銅が挙げられる。中でも、安価であることから銅が好ましい。
<第2金属層>
第2金属層22の空隙率は第1金属層21の空隙率よりも小さくなっていればよいが、第2金属層22の空隙率は第1金属層21の空隙率の0.1倍以下であることが好ましい。
第2金属層22の空隙率は第1金属層21の空隙率の0倍であること、すなわち第2金属層22は非多孔質であることがより好ましい。この場合、第2金属層22が非多孔質でない場合に比べて、第2金属層22において、高周波信号がより真っ直ぐに伝送されやすくなり、高周波信号の伝送距離がより短くなる。従って、高周波信号の伝送損失の増加をより抑制できる。
第2金属層22を構成する金属としては、例えば金、銀および銅が挙げられる。中でも、安価であることから銅が好ましい。
第2金属層22は第1金属層21と同一金属で構成されることが好ましい。
この場合、第1金属層21と第2金属層22とが異なる金属で構成される場合に比べて、多孔質の第1金属層21中に侵入する水分等により、第2金属層22から金属が溶け出されにくくなる。すなわち、第2金属層22の腐食が十分に抑制される。その結果、第2金属層22の抵抗の増加が抑制されるとともに、第2金属層22が割れたり、第1金属層21から剥がれたりすることが十分に抑制される。
第2金属層22の平均厚さは特に制限されるものではなく、例えば1~20μmとすればよい。
第2金属層22の平均厚さは、第1金属層21と同様の方法で測定できる。
次に、金属張積層板100の製造方法について図1及び図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の金属張積層板の製造方法における第1金属層前駆体形成工程を示す断面図である。
図1及び図4に示すように、金属張積層板100の製造方法は、基材10上に、多孔質の第1金属層前駆体21Aを形成する第1金属層前駆体形成工程と、第1金属層前駆体21Aに対して電気めっきを行い、複数の空隙Vを有する多孔質の第1金属層21と第2金属層22とを含む金属層20を形成する金属層形成工程とを含む。そして、金属層形成工程において、めっきにより成長する金属が第1金属層前駆体21Aにおいて金属粒子同士間の隙間に入り込み、第1金属層21が12%以下の空隙率を有するように形成され、第2金属層22の空隙率が第1金属層21の空隙率よりも小さくなるように第2金属層22が形成される。
この金属張積層板100の製造方法によれば、高周波信号の伝送損失の増加を抑制できる金属張積層板100が製造される。
以下、上述した第1金属層前駆体形成工程及び金属層形成工程について詳細に説明する。
<第1金属層前駆体形成工程>
第1金属層前駆体形成工程は、基材10上に、多孔質の第1金属層前駆体21Aを形成する工程である(図4参照)。
(第1金属層前駆体)
第1金属層前駆体21Aは、基材10の主面10a上に、例えば金属粒子及び溶媒を含む第1金属層前駆体形成用ペーストを塗工し、光焼成することによって得ることができる。
ここで、金属粒子は、平均粒径が1~100nmのナノ粒子を含むことが好ましい。金属粒子はナノ粒子のみで構成されてもよく、ナノ粒子と粗大粒子との混合物で構成されてもよい。粗大粒子としては、例えば直径が1μm、厚さが200nmの円盤粒子を用いることができる。なお、光焼成によって溶解するのは、ナノ粒子のみであり、粗大粒子は溶解しない。
第1金属層21の体積抵抗率をより小さくする観点からは、金属粒子はナノ粒子のみで構成されることが好ましい。これは、金属粒子がナノ粒子のみで構成されると、すべての金属粒子が光焼成によって溶解して互いに溶着するため、金属粒子同士の接触面積が大きくなるためであると考えられる。
但し、金属粒子は、ナノ粒子と粗大粒子との混合物で構成されてもよい。この場合、粗大粒子が光焼成によって溶解しないため、光焼成時の金属膜の収縮を小さくすることができ、基材10が反ったり、基材10から第1金属層21が剥離したりすることを抑制することができる。
溶媒としては、例えば3-メトキシ-3-メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンカーボネート、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどを用いることができる。
第1金属層前駆体形成用ペーストはさらに分散剤を含んでいてもよい。分散剤としては、例えばポリエチレングリコール及びポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
第1金属層前駆体形成用ペーストの塗工は、例えばマイクログラビア方式の塗工機やスピンコータを用いて行うことができる。
第1金属層前駆体形成用ペーストは、光焼成の前に、乾燥処理を行うことが好ましい。また第1金属層前駆体形成用ペーストがバインダ等の有機成分を多く含む場合には、有機成分を除去する処理をさらに行うことが好ましい。この場合、光焼成時に有機成分が分解することで発生するガスに起因して空隙が大きくなることを抑制することができる。
乾燥処理方法としては50~100℃で熱処理する方法が挙げられる。また有機成分を除去する処理方法としては、例えば150℃程度で第1金属層前駆体形成用ペーストを熱処理した後、希硫酸に浸漬して酸化膜を除去し、水洗した後、イソプロピルアルコールに浸漬する方法が挙げられる。
光焼成を行う装置としては、例えばNovacentrix社製の「Pulsforge1300」を使用することができる。この装置に使用する光源としては、例えばキセノンランプなどを使用することができる。
光の照射エネルギーは、例えば0.1~100J/cmとすればよい。光の照射時間は、0.1~100msとすればよい。照射回数は1回でも複数回の多段照射でもよい。
第1金属層前駆体21Aの平均厚さは5μm以下であることが好ましい。この場合、第1金属層前駆体21Aの平均厚さが5μmを超える場合に比べて、第1金属層前駆体形成用ペーストを光焼成した際に第1金属層前駆体形成用ペーストにおいて発生するガスによってボイドが形成されることが十分に抑制される。第1金属層前駆体21Aの平均厚さは1μm以下であることがより好ましい。
<金属層形成工程>
金属層形成工程は、第1金属層前駆体21Aに対して電気めっきを行い、複数の空隙Vを有する多孔質の第1金属層21と第2金属層22とを含む金属層20を形成する工程である。
めっきに使用するめっき液は、特に制限されるものではないが、第2金属層22を銅で構成する場合には硫酸銅溶液であることが好ましい。硫酸銅溶液は、主に硫酸銅及び硫酸を含む。この場合、表面が平滑な第2金属層22が第1金属層21の表面に均一に付着される。めっき液には、光沢剤を添加してもよい。
めっきは、電気めっきで行われる。この理由は以下の通りである。すなわち、めっきに際しては金属の析出時に水素ガスの発生を伴う。このとき、無電解めっきが行われると、多孔質の第1金属層前駆体21A内では水素ガスが抜けずにめっきが阻害され、金属粒子同士間の隙間がめっきにより成長する金属によって十分に埋まる前に第1金属層前駆体21Aの表面上でめっきが進行してしまう。そして、第1金属層前駆体21Aの表面上でめっきが先に進行すると、第1金属層前駆体21Aは蓋をされたような状態になり、金属イオンが第1金属層前駆体21A内に供給されなくなる。このため、めっきによる金属が多孔質の第1金属層前駆体21A内にそれ以上成長しなくなる。これに対し、電気めっきでは、短時間でめっきを進行させることができる。このため、第1金属層前駆体21Aの金属粒子同士間の隙間をめっきにより成長する金属で十分に埋めることができる。すなわち、第1金属層21の空隙率の調整を容易に行うことができる。
めっきが電気めっきである場合、電流密度は特に制限されないが、2A/dm以下であることが好ましい。この理由は以下の通りである。まず電流密度はめっき時間を短くするために通常はできるだけ大きくすることが好ましい。めっき膜の成長速度は電流密度に比例するからである。しかし、電流密度は、大きすぎると、めっきされやすい第1金属層前駆体21Aの表面上でめっきが先に進行してしまう。そして、第1金属層前駆体21Aの表面上でめっきが先に進行すると、第1金属層前駆体21Aは蓋をされたような状態になり、金属イオンが第1金属層前駆体21A内に供給されなくなる。このため、めっきによる金属が多孔質の第1金属層前駆体21A内にそれ以上成長しなくなる。これに対し、電流密度が2A/dm以下であると、第1金属層前駆体21A内で金属粒子同士間の隙間をめっきにより成長する金属でより十分に埋めることができる。
第1金属層前駆体21A内で金属粒子同士間の隙間がめっきにより成長する金属でより十分に埋められた後は、電流密度は2A/dmを超えてもよい。例えば、第1金属層前駆体21Aの上のめっき膜の厚さが1μmまでは2A/dmでめっきを行い、それ以降は4A/dmでめっきを行うことも可能である。この場合、めっき時間が短くなり、生産性が向上する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、基材10の主面10aにのみ金属層20が形成されているが、基材10の主面10aと反対側の主面に金属層20が形成されてもよい。
また、上記実施形態では、第1金属層前駆体21Aが、第1金属層前駆体形成用ペーストの光焼成によって形成されているが、第1金属層前駆体21Aは、必ずしも第1金属層前駆体形成用ペーストの光焼成によって形成されていなくてもよい。例えば第1金属層前駆体21Aは、熱焼成によって形成することも可能である。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、平均厚さ25μmの基材を用意した。基材としては、LCPフィルム(商品名「ベクスター」、株式会社クラレ製)を用いた。
次に、平均粒径70nmの銅ナノ粒子のみからなる金属粒子、ヘキシレングリコールからなる溶媒、ポリエチレングリコールからなる分散剤を含むペーストを用意し、スピンコータで基材の主面上にペーストを塗工し、50℃で10分間乾燥させた。
次に、キセノンフラッシュランプを光源とした光焼成装置(製品名「PulsForge1300」、Novacentrix社製)でペーストの光焼成を行い、銅からなる第1金属層前駆体を得た。こうして構造体を得た。光焼成後に得られた第1金属層前駆体の平均厚さは1μmであった。
次に、上記のようにして得られた構造体を10質量%硫酸及び蒸留水で順次前処理した後、構造体の第1金属層前駆体に対して銅めっきを行った。銅めっきは、上記構造体をめっき液に浸漬し、電気めっきにて行った。このとき、めっき液の組成は、硫酸銅五水和物100g/L、硫酸180g/L、塩酸0.12mL/L、蒸留水(残余)とした。また、めっき液の液温は25℃とし、電流密度は2.0A/dmとした。こうして基材上に第1金属層及び第2金属層で構成される金属層を形成し、金属張積層板を作製した。このとき、金属張積層板をエポキシ樹脂(製品名「CY-230」、ナガセケムテックス社製)に埋め込んだ後に切断し、断面を耐水研磨紙(製品名「カーボマックペーパー」、リファインテック社製)、ダイヤモンドペースト研磨剤(製品名「DP-ペーストP」、Struers社製)、イオンミリング装置(製品名「IM4000PLUS」、日立ハイテクノロジーズ社製)で研磨し、金属張積層板の断面をSEMで観察し、画像処理ソフト「イメージJ」にて第1金属層及び第2金属層の空隙率を測定したところ、第1金属層の空隙率R1は11.1%であり、第2金属層の空隙率R2は0%であった。また第2金属層の平均厚さは12μmであった。
(実施例2)
第2金属層を電気めっきにて形成する際の電流密度を1.5A/dmに変更することにより第1金属層の空隙率R1を10%としたこと以外は実施例1と同様にして金属張積層板を作製した。
(実施例3)
第2金属層を電気めっきにて形成する際の電流密度を1.0A/dmに変更することにより第1金属層の空隙率R1を9.1%としたこと以外は実施例1と同様にして金属張積層板を作製した。
(実施例4)
実施例1と同様にして得られた構造体を10質量%硫酸及び蒸留水で順次前処理した後、構造体の第1金属層前駆体に対して銅めっきを行い、第1金属層を形成した。銅めっきは、上記構造体を実施例1のめっき液と同一の組成のめっき液に浸漬し、電気めっきにて行った。このとき、めっき液の液温は25℃とし、電流密度は2.0A/dmとした。また銅めっきは、第1金属層前駆体中の多孔質部分がめっきで埋まるまで行った。
次に、めっき液に臭化水素酸0.5ml/L、グリセリン0.3ml/Lを加えて、電流密度2.0A/dmで電気めっきを行い、第2金属層を形成した。このとき、電気めっきは、第2金属層が実施例1の第2金属層と同じ厚さになるまで行った。
こうして基材上に第1金属層及び第2金属層で構成される金属層を形成し、金属張積層板を作製した。
得られた金属張積層板について、実施例1と同様にして第1金属層及び第2金属層の空隙率を測定したところ、第1金属層の空隙率R1は11.0%であり、第2金属層の空隙率R2は1.0%であった。
(実施例5)
めっき液にビアフィル用添加剤(製品名「スルカップEVF」、上村工業社製)を加えることにより第1金属層の空隙率R1を2.0%としたこと以外は実施例1と同様にして金属張積層板を作製した。
(比較例1)
第2金属層を電気めっきにて形成する際の電流密度を2.5A/dmに変更することにより第1金属層の空隙率R1を12.5%としたこと以外は実施例1と同様にして金属張積層板を作製した。
(比較例2)
第2金属層を電気めっきにて形成する際の電流密度を3.0A/dmに変更することにより第1金属層の空隙率R1を14.3%としたこと以外は実施例1と同様にして金属張積層板を作製した。
(比較例3)
第2金属層を電気めっきにて形成する際の電流密度を4.0A/dmに変更することにより第1金属層の空隙率R1を16.7%としたこと以外は実施例1と同様にして金属張積層板を作製した。
(比較例4)
第2金属層を電気めっきの代わりに無電解めっきにて行うことにより第1金属層の空隙率R1を16.7%としたこと以外は実施例1と同様にして金属張積層板を作製した。
(比較例5)
実施例1と同様にして得られた構造体を10質量%硫酸及び蒸留水で順次前処理した後、構造体の第1金属層前駆体に対して銅めっきを行い、第1金属層を形成した。銅めっきは、上記構造体を実施例1のめっき液と同一の組成のめっき液に浸漬し、電気めっきにて行った。このとき、めっき液の液温は25℃とし、電流密度は2.0A/dmとした。また銅めっきは、第1金属層前駆体中の多孔質部分がめっきで埋まるまで行った。
次に、めっき液に臭化水素酸2.0ml/L、グリセリン1.0ml/Lを加えて、電流密度2.0A/dmで電気めっきを行い、第2金属層を形成した。このとき、電気めっきは、第2金属層が実施例1の第2金属層と同じ厚さになるまで行った。
こうして基材上に第1金属層及び第2金属層で構成される金属層を形成し、金属張積層板を作製した。
得られた金属張積層板について、実施例1と同様にして第1金属層及び第2金属層の空隙率を測定したところ、第1金属層の空隙率R1は11.0%であり、第2金属層の空隙率R2は11.0%であった。
[伝送損失の評価]
実施例1~5及び比較例1~5で得られた金属張積層板について、高周波における伝送損失の評価を行った。具体的には、10GHz、30GHz、60GHzにおける伝送損失の値を測定した。結果を表1に示す。

Figure 0007679182000001
表1に示す結果より、実施例1~5の金属張積層板の方が、比較例1~5の金属張積層板よりも60GHzの高周波における伝送損失の増加が顕著に抑制されることが分かった。
以上のことから、本発明の金属張積層板によれば、高周波信号の伝送損失の増加を抑制できることが確認された。
10…基材
20…金属層
21…第1金属層
22…第2金属層
100…金属張積層板
V…空隙

Claims (3)

  1. 基材と、
    前記基材上に設けられる金属層とを備え、
    前記金属層が、
    前記基材上に設けられ、複数の空隙を有する多孔質の第1金属層(ただし、前記空隙の少なくとも一部に、前記基材由来の成分を含む基材由来成分含有領域を有する第1金属層を除く)と、
    前記第1金属層の上に設けられる第2金属層とを有し、
    前記金属層が、
    金属粒子を含むペースト光焼成物からなる第1金属層前駆体及び前記金属粒子同士間の隙間に埋められる金属で構成される前記第1金属層と、
    前記第1金属層上のめっき膜からなる前記第2金属層とを有する金属層であり、
    前記金属層が、無電解めっき層を有さない金属層であり、
    前記第1金属層及び前記第2金属層が銅で構成され、
    前記第1金属層(ただし、2%以下の空隙率を有する第1金属層を除く)が12%以下の空隙率を有し、
    前記第2金属層の空隙率が前記第1金属層の空隙率よりも小さい、金属張積層板。
  2. 前記第2金属層の空隙率が前記第1金属層の空隙率の0倍である、請求項1に記載の金属張積層板。
  3. 前記第1金属層の前記空隙の平均径が100nm以下である、請求項1又は2に記載の金属張積層板。
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