JP7680271B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物および導電性シート - Google Patents
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Description
その塩化ビニル系樹脂の一つの用途に、クリーンルームにおける床材がある。
[1]
以下の条件(1)~(5)をすべて満たす、塩化ビニル系樹脂組成物であること。
(1)前記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤および帯電防止剤を含む。
(2)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、30~70質量部である。
(3)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計に対し、導電性可塑剤および前記帯電防止剤の合計の割合が10~100質量%である。
(4)前記導電性可塑剤は、フタル酸エステル系導電性可塑剤およびアジピン酸エステル系導電性可塑剤を含む。
(5)前記帯電防止剤が、界面活性剤系帯電防止剤及び/又は脂肪酸系帯電防止剤である。
[2]
上記[1]に記載の塩化ビニル系樹脂組成物において、
前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、さらに無機充填剤を5~400質量部配合してなること。
[3]
上記[1]または[2]に記載の塩化ビニル系樹脂組成物において、
前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、さらに直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量部以下で配合してなること。
すなわち、(1)前記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤および帯電防止剤を含み、(2)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、30~70質量部であり、(3)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計に対し、導電性可塑剤および前記帯電防止剤の合計の割合が10~100質量%であり、(4)前記導電性可塑剤は、フタル酸エステル系導電性可塑剤およびアジピン酸エステル系導電性可塑剤を含み、(5)前記帯電防止剤が、界面活性剤系帯電防止剤及び/又は脂肪酸系帯電防止剤である。
上述のように、導電性を向上するには界面活性剤系帯電防止剤や脂肪酸系帯電防止剤並びにアジピン酸エステル系導電性可塑剤を併用することが有効であるが、これらを多量に配合すると導電性シートからブリードし、導電性を長期にわたり維持できないという問題点があった。本発明では、前記(1)および(2)のように可塑剤および帯電防止剤の配合量を特定し、前記(3)~(5)のように導電性可塑剤および帯電防止剤の種類並びに導電性可塑剤および帯電防止剤の配合量をさらに特定することにより、導電性に優れ、かつ可塑剤のブリードを抑制して導電性を長期にわたり維持し得る、塩化ビニル系樹脂組成物を提供できる。
上記[2]の構成の塩化ビニル系樹脂組成物では、無機充填材の配合量を適切な範囲としているため、硬度の上昇を抑制し、得られる導電性シートのクッション性を高めることができる。
[4]
上記[1]~[3]のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物の成形物である、導電性シートであること。
[5]
上記[4]に記載の導電性シートにおいて、NFPA99に準拠して測定した2点間表面抵抗値が、2.5×104Ω~1.0×107Ωであり、NFPA99に準拠して測定した上下間抵抗値が、2.5×104Ω~1.0×107Ωであり、JIS K7215に準拠して測定した硬さが、73~95であること。
上述のように、導電性を向上するには界面活性剤系帯電防止剤や脂肪酸系帯電防止剤並びにアジピン酸エステル系導電性可塑剤を併用することが有効であるが、これらを多量に配合すると導電性シートからブリードし、導電性を長期にわたり維持できないという問題点があった。本発明では、フタル酸エステル系導電性可塑剤を使用することにより、アジピン酸エステル系導電性可塑剤および帯電防止剤のブリードを抑制し、この問題点を解決することができる。
例えば、フタル酸エステル系{例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジウンデシルフタレート(DUP)等}、トリメリット酸エステル系{例えば、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、トリノルマルオクチルトリメリテート(TnOTM)等}、ポリエステル系等の高分子量可塑剤等が挙げられる。
界面活性剤系帯電防止剤としては、とくに制限されず、公知のアニオン系、カチオン系、非イオン系、ベタイン類等が挙げられる。
アニオン系の界面活性剤系帯電防止剤としては、例えばアルキルサルフェート型、アルキルアリルサルフェート型、アルキルホスフェート型、アルキルアミンサルフェート型、アルキルスルホン酸型等が挙げられる。
カチオン系の界面活性剤系帯電防止剤としては、例えば第四級アンモニウム塩型、第四級アンモニウム樹脂型、イミダゾリン型、アルキルアミンサルフェート型等が挙げられる。
非イオン系の界面活性剤系帯電防止剤としては、例えばソルビタン型、エーテル型、アミンおよびアミド型、エタノールアミド型等が挙げられる。
中でも、ブリードを抑制し、導電性を向上させるという観点から、カチオン系の界面活性剤系帯電防止剤が好ましい。
カチオン系の界面活性剤系帯電防止剤としては、例えば、過塩素酸アンモニウム塩、および過塩素酸バリウム等が挙げられる。
カチオン系の界面活性剤系帯電防止剤は、市販されているものを使用することができ、例えば株式会社ADEKA製LV-70等が挙げられる。
(1)前記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤および帯電防止剤を含む。
(2)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、30~70質量部である。
(3)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計に対し、導電性可塑剤および前記帯電防止剤の合計の割合が10~100質量%である。
(4)前記導電性可塑剤は、フタル酸エステル系導電性可塑剤およびアジピン酸エステル系導電性可塑剤を含む。
(5)前記帯電防止剤が、界面活性剤系帯電防止剤及び/又は脂肪酸系帯電防止剤である。
前記条件(3)において、前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計に対する、導電性可塑剤および前記帯電防止剤の合計の割合は、20~100質量%がさらに好ましい。
なお、本明細書中で言う導電性可塑剤と帯電防止剤とは異なるものとする。良く知られているように、導電性可塑剤とは、導電性を有し、かつ可塑化効果を対象物に付与する化合物を指す。また本明細書中で言う帯電防止剤とは、前記導電性可塑剤以外のものであって、帯電防止効果を対象物に付与する化合物を指す。
無機充填材としては、炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、シリカ等が挙げられる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、前記無機充填材の配合量は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、40~300質量部が好ましく、40~250質量部がさらに好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、前記直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩の配合量は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、1~5質量部が好ましい。
したがって本発明の導電性シートは、導電性に優れ、かつ可塑剤のブリードを抑制して導電性を長期にわたり維持し得る。
塩化ビニル系樹脂:TK-1000(信越化学工業株式会社製、JIS K6720-2に基づく平均重合度=1030)
フタル酸エステル系導電性可塑剤(フタル酸ジブトキシエチル):LV-848(株式会社ADEKA製)
アジピン酸エステル系導電性可塑剤(アジピン酸ジブトキシエチル):LV-808(株式会社ADEKA製)
カチオン系帯電防止剤(過塩素酸アンモニウム塩):LV-70(株式会社ADEKA製)
脂肪酸系帯電防止剤(グリセリン脂肪酸エステル):リケマールS-100(理研ビタミン株式会社製)
その他の可塑剤:ジイソノニルフタレート(DINP)(株式会社ジェイ・プラス製)
無機充填材:ソフトン1500(白石カルシウム株式会社製炭酸カルシウム)
安定剤:RUP-14、AC-186(株式会社ADEKA製)
直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸Na(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製商品名LH-200)
・硬さ(JIS K7215に準拠して測定)
・2点間表面抵抗値(NFPA99に準拠して測定)
・上下間抵抗値(NFPA99に準拠して測定)
・ブリード(導電性シートのサイズを厚さ2mm、5インチ×1/5インチとし、半分に折り曲げて、常温×168時間放置し、折り曲げ部の内側から可塑剤の滲出の有無を確認する。ブリードがほぼ無い場合を○、ブリードがやや有る場合を△、ブリードが有る場合を×とした。)
比較例2~4は、可塑剤および帯電防止剤の合計が、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し29質量部であり、本発明で規定する下限未満であるので、硬さおよび導電性を同時に満足することができなかった。
比較例5は、可塑剤および帯電防止剤の合計に対する、導電性可塑剤および帯電防止剤の合計の割合が約8.6質量%であり、本発明で規定する下限未満であるので、導電性が悪化した。
比較例6~8は、可塑剤および帯電防止剤の合計が、塩化ビニル系樹脂100質量部に対し71質量部であり、本発明で規定する上限を超えているので、硬さが低下し、クッション性が悪化した。
比較例9~10、13~14は、フタル酸エステル系導電性可塑剤を配合していないので、硬さ、導電性、ブリードを同時に満足することができなかった。
比較例11~12、15~16は、アジピン酸エステル系導電性可塑剤を配合していないので、硬さが上昇または低下し、クッション性が悪化した。
[1]
以下の条件(1)~(5)をすべて満たす、塩化ビニル系樹脂組成物。
(1)前記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤および帯電防止剤を含む。
(2)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、30~70質量部である。
(3)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計に対し、導電性可塑剤および前記帯電防止剤の合計の割合が10~100質量%である。
(4)前記導電性可塑剤は、フタル酸エステル系導電性可塑剤およびアジピン酸エステル系導電性可塑剤を含む。
(5)前記帯電防止剤が、界面活性剤系帯電防止剤及び/又は脂肪酸系帯電防止剤である。
[2]
上記[1]の塩化ビニル系樹脂組成物において、
前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、さらに無機充填剤を5~400質量部配合してなる、塩化ビニル系樹脂組成物。
[3]
上記[1]または[2]の塩化ビニル系樹脂組成物において、
前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、さらに直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量部以下で配合してなる、塩化ビニル系樹脂組成物。
[4]
上記[1]~[3]のいずれかの塩化ビニル系樹脂組成物の成形物である、導電性シート。
[5]
上記[4]の導電性シートにおいて、
NFPA99に準拠して測定した2点間表面抵抗値が、2.5×104Ω~1.0×107Ωであり、
NFPA99に準拠して測定した上下間抵抗値が、2.5×104Ω~1.0×107Ωであり、
JIS K7215に準拠して測定した硬さが、73~95である、
導電性シート。
Claims (5)
- 以下の条件(1)~(5)をすべて満たす、塩化ビニル系樹脂組成物。
(1)前記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤および帯電防止剤を含む。
(2)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、30~70質量部である。
(3)前記可塑剤および前記帯電防止剤の合計に対し、導電性可塑剤および前記帯電防止剤の合計の割合が10~100質量%である。
(4)前記導電性可塑剤は、フタル酸エステル系導電性可塑剤およびアジピン酸エステル系導電性可塑剤を含み、前記フタル酸エステル系導電性可塑剤はフタル酸ジブトキシエチルであり、前記アジピン酸エステル系導電性可塑剤はアジピン酸ジブトキシエチルである。
(5)前記帯電防止剤が、界面活性剤系帯電防止剤であるか、又は界面活性剤系帯電防止剤及び脂肪酸系帯電防止剤であり、前記界面活性剤系帯電防止剤は第四級アンモニウム塩型界面活性剤系帯電防止剤である。 - 前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、さらに無機充填剤を5~400質量部配合してなる、請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、さらに直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩を5質量部以下で配合してなる、請求項1または2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1~3のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物の成形物である、導電性シート。
- NFPA99に準拠して測定した2点間表面抵抗値が、2.5×104Ω~1.0×107Ωであり、
NFPA99に準拠して測定した上下間抵抗値が、2.5×104Ω~1.0×107Ωであり、
JIS K7215に準拠して測定した硬さが、73~95である、
請求項4に記載の導電性シート。
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