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JP7680786B2 - フラーレン誘導体、n型半導体材料、有機発電層、及び光電変換素子 - Google Patents
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JP7680786B2 - フラーレン誘導体、n型半導体材料、有機発電層、及び光電変換素子 - Google Patents

フラーレン誘導体、n型半導体材料、有機発電層、及び光電変換素子 Download PDF

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Description

本発明は、フラーレン誘導体、n型半導体材料、有機発電層、及び光電変換素子に関する。
有機薄膜太陽電池は、光電変換材料として有機化合物を用い、一般に、溶液からの塗布法によって形成される。有機薄膜太陽電池は、デバイス作製時のコストが低いこと、大面積化が容易であること、シリコン等の無機材料と比較してフレキシブルであり使用できる場所が広がること、資源枯渇の心配が少ないこと等の各種の利点を有する。このため、近年、有機薄膜太陽電池の開発が進められている。
特許文献1には、透明電極、対電極、及びp型半導体材料とn型半導体材料が混合されたバルクヘテロジャンクション層を有する有機光電変換素子において、前記バルクヘテロジャンクション層のn型有機半導体材料が、結晶性のフラーレン誘導体と、非晶性のフラーレン誘導体とを、1:99~99:1の比率で混合した組成物であることを特徴とする有機光電変換素子が開示されている。
また、特許文献2には、ピロリジン環を有し、1個以上の置換基で置換されていてもよいアリール基、及び、1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基、または1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキルエーテルを有すること等を特徴とするフラーレン誘導体に係る発明が開示されている。
特開2012-15434号公報 国際公開2017/061543号
しかしながら、従来のフラーレン誘導体をn型半導体材料として用いた有機発電層を備える光電変換素子は、高い変換効率を得ることができない場合があった。さらに、従来のフラーレン誘導体をn型半導体材料として用いた有機発電層を備える光電変換素子は、長期間高い変換効率を維持することができず、耐久性に改善の余地があった。また耐久性を改善できる化合物に関する情報も限られていた。
またさらには、一般に、光電変換素子はp型半導体材料とn型半導体材料とからなる溶液を塗布することにより作製される。この為、ここで用いられる半導体材料の素子作成に用いられる有機溶媒への溶解度は重要である。これまでn型半導体材料として広く用いられてきたPCBMのトルエンへの溶解度は1質量%程度であり、これより大きく溶解度が落ちるものは溶液塗布による素子作製上課題となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、フラーレン誘導体をn型半導体材料として用いた有機発電層を備える光電変換素子において、溶液塗布による素子作製が容易で、高い変換効率を得ることができ、さらに、長期間高い変換効率を維持することができるフラーレン誘導体を提供するものである。
本発明によれば、下記式(1)で表されるフラーレン誘導体が提供される。
式(1)中、
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表し、
は、有機基を表し、
は、有機基を表し、
及びRのうち少なくとも一方が、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表し、
環Aは、フラーレン環を表し、
式(1)は、下記の2つの条件のうち、少なくともいずれか1つを満たす。
i)R、R、及び、Rが1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するアリール基である。
ii)R及び/又はRがフッ素含有置換基を有するアリール基である。)
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、特定の式(1)で表される構造を有するフラーレン誘導体をn型半導体材料として用いた有機発電層を備える光電変換素子において、高い変換効率を得ることができ、さらに、該光電変換素子は、長期間高い変換効率を維持することができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の別の観点によれば、前記記載のフラーレン誘導体を含む、n型半導体材料が提また、本発明の別の観点によれば、前記記載のn型半導体材料、及び、p型半導体材料を含有する有機発電層が提供される。
本発明の別の観点によれば、前記記載の有機発電層を備える光電変換素子が提供される。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[1]下記式(1)で表されるフラーレン誘導体。
(式(1)中、Rは、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、有機基を表し、Rは、有機基を表し、R及びRのうち少なくとも一方が、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表し、環Aは、フラーレン環を表し、式(1)は、下記の2つの条件のうち、少なくともいずれか1つを満たす。i)R、R、及び、Rが1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するアリール基である。ii)R及び/又はRがフッ素含有置換基を有するアリール基である。)
[2]式(1)において、Rが置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基であって、Rが1個以上の置換基を有するアリール基である場合に、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第1の置換基とすると、前記第1の置換基が、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含む、[1]に記載のフラーレン誘導体。
[3]式(1)において、R、R、及び、Rのうち少なくともいずれ一つが、メタ位に電子供与基を有するアリール基であり、及び/又は、R、及び、Rのうち少なくともいずれ一つが、オルト位及び/又はパラ位に電子求引基を有するアリール基である、[1]又は[2]に記載のフラーレン誘導体。
[4]式(1)において、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基を含み、前記アルキル基が、炭素数4以上12以下の、直鎖又は分岐アルキル基である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
[5]式(1)において、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、フッ素原子及び炭素数が2以下のフッ化アルキル基のうちいずれか1つを含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
[6]LUMO準位の値が-3.67eV未満であり、トルエン溶解度が0.5%以上である、[1]~[5]のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
[7][1]~[6]のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体を含む、n型半導体材料。
[8][7]に記載のn型半導体材料、及び、p型半導体材料を含有する有機発電層。
[9][8]に記載の有機発電層を備える光電変換素子。
[10]有機薄膜太陽電池である、[9]に記載の光電変換素子。
[11]光センサーである、[9]に記載の光電変換素子。
[12]初期エネルギー変換効率に対する85℃で2時間加熱後のエネルギー変換効率の低下が5%以内である、[9]に記載の光電変換素子。
本発明に係るフラーレン誘導体によれば、該フラーレン誘導体をn型半導体材料として用いた有機発電層を備える光電変換素子において、高い変換効率を得ることができ、さらに、該光電変換素子は、長期間高い変換効率を維持することができる。
以下、本発明の実施形態を例示して本発明について詳細な説明をする。本発明は、これらの記載によりなんら限定されるものではない。以下に示す本発明の実施形態の各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.フラーレン誘導体
1.1 フラーレン誘導体の構造
本発明に係るフラーレン誘導体は下記式(1)で表される。
式(1)中、
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表し、
は、有機基を表し、
は、有機基を表し、
及びRのうち少なくとも一方が、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表し、
環Aは、フラーレン環を表し、
式(1)は、下記の2つの条件のうち、少なくともいずれか1つを満たす。
i)R、R、及び、Rが1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するアリール基である。
ii)R及び/又はRがフッ素含有置換基を有するアリール基である。
本発明に係るフラーレン誘導体は、上記式(1)で表される構造を有することにより、該フラーレン誘導体をn型半導体材料として用いた有機発電層を備える光電変換素子において、高い変換効率を得ることができ、さらに、該光電変換素子は、長期間高い変換効率を維持することができる。
本発明に係るフラーレン誘導体を用いることで、高い変換効率かつ高い耐久性を有する光電変換素子を得ることができる理由は明らかではないが、変換効率及び耐久性の向上には、本発明に係るフラーレン誘導体のLUMO準位が適度に調整されること、及び、本発明に係るフラーレン誘導体をn型半導体材料として用いた際の、n型半導体材料とp型半導体との優れた親和性が関与し、さらには本発明のフラーレン誘導体に導入された置換基数およびその構造によるものと推測される。
さらに、本発明に係るフラーレン誘導体は、式(1)で表される構造を有することにより、トルエン等の有機溶剤に十分に溶解し、有機発電層形成用溶液を容易に調整可能であり、公知の薄膜形成方法を採用して、基板上に容易に薄膜を形成することができる。
以下、本発明に係る式(1)で表される構造を有するフラーレン誘導体について詳説する。なお、本発明に係るフラーレン誘導体は、式(1)において、R、R、R、環Aがそれぞれ特定の構造であり、かつ、式(1)が、条件i)及びii)のうち、少なくともいずれか1つを満たすことを特徴とする。以下、
・i)及びii)の場合での共通の好ましい実施形態
・i)の場合に特に好ましい実施形態
・ii)の場合に特に好ましい実施形態
の順に本発明の実施形態について説明する。
まず、i)及びii)の場合で共通の好ましい実施形態について説明する。
式(1)において、Rは、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。
アリール基としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、又は2-アンスリル基を挙げることができ、アリール基は、フェニル基であることが好ましい。
が1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第1の置換基と称する。Rは、第1の置換基とアリール基からなるものとできる。
第1の置換基は、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第1の置換基は、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが更により好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第1の置換基は、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない炭化水素基で構築されることが好ましい。即ち、Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第1の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基としては、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、イソブチル基、sec-ブチル基、イソペンチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、1-(1-メチルエチル)ブチル基、1-(1-メチルエチル)-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、1-n-プロピルペンチル基、2-プロピルペンチル基、1-(1-メチルエチル)ペンチル基、1-ブチルブチル基、1-ブチル-2-メチルブチル基、1-ブチル-3-メチルブチル基、1-(1,1-ジメチルエチル)ブチルブチル基、tert-ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルペンチル基、1,2-ジメチルペンチル基、1,3-ジメチルペンチル基、1,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3,4-ジメチルペンチル基、1-エチル-1-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-3-メチルブチル基、2-エチル-1-メチルブチル基、2-エチル-3-メチルブチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,2-ジメチルヘキシル基、1,3-ジメチルヘキシル基、1,4-ジメチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、3,4-ジメチルヘキシル基、3,5-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、4,5-ジメチルヘキシル基、1-エチル-2-メチルペンチル基、1-エチル-3-メチルペンチル基、1-エチル-4-メチルペンチル基、2-エチル-1-メチルペンチル基、2-エチル-2-メチルペンチル基、2-エチル-3-メチルペンチル基、2-エチル-4-メチルペンチル基、3-エチル-1-メチルペンチル基、3-エチル-2-メチルペンチル基、3-エチル-3-メチルペンチル基、3-エチル-4-メチルペンチル基、1-プロピル-1-メチルブチル基、1-プロピル-2-メチルブチル基、1-プロピル-3-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-1-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-2-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-3-メチルブチル基、1,1-ジエチルブチル基、1,2-ジエチルブチル基)等を挙げることができる。
第1の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、5-フェニルペンチル基等を挙げることができる。
式(1)において、Rは、有機基を表す。
本明細書において、有機基とは、1個以上の炭素原子を含有する基(又は有機化合物から1個の水素原子を除去して形成される基)を意味する。有機基は、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基とすることができる。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、及びアラルキル基、並びにこれらの2個以上が連結している基を挙げることができる。Rとしては、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、又は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、が好ましい。
が1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である場合、Rは、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基とすることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
が1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基である場合、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
が、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す場合、Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。
アリール基としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、又は2-アンスリル基を挙げることができ、アリール基は、フェニル基であることが好ましい。
が1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第2の置換基と称する。Rは、第2の置換基とアリール基からなるものとできる。
第2の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第2の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが更により好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第2の置換基は、フッ素を含む場合があるものの、これ以外に、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない置換基であることが好ましい。Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第2の置換基が含み得るフッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基であることが好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基が更により好ましい。
第2の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第2の置換基が含み得るアルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
第2の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第2の置換基が含み得るアラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
式(1)において、Rは、有機基を表す。
本明細書において、有機基とは、1個以上の炭素原子を含有する基(又は有機化合物から1個の水素原子を除去して形成される基)を意味する。有機基は、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基とすることができる。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、及びアラルキル基、並びにこれらの2個以上が連結している基を挙げることができる。Rとしては、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、又は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、が好ましい。
が1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である場合、Rは、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基とすることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
が1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基である場合、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
が1個以上の置換基を有していてもよいアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第3の置換基と称する。Rは、第3の置換基とアリール基からなるものとできる。
第3の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第3の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが更により好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第3の置換基は、フッ素を含む場合があるものの、これ以外に、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない置換基であることが好ましい。Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第3の置換基が含み得るフッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、であることが好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基が更により好ましい。
第3の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。
第3の置換基が含み得るアルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
第3の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第3の置換基が含み得るアラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
式(1)において、R及びRのうち少なくとも一方が、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。また、式(1)において、R及びRのうちの一方が、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基である場合、他方は、第2(又は第3)の置換基がフッ素含有基であるアリール基であることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、式(1)において、R、R、及びRのうち少なくともいずれか1つが、メタ位に電子供与基を有するアリール基であり、
及び/又は、
、及び/又はRが、オルト位及び/又はパラ位に電子求引基を有するアリール基
であるものとできる。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、式(1)において、R、R、及びRのうちいずれか1つのみが、メタ位に電子供与基を有するアリール基であってもよいし、R、R、及びRのうち2つがメタ位に電子供与基を有するアリール基であってもよいし、R、R、及びRがメタ位に電子供与基を有するアリール基であってもよい。
又はRが、オルト位及び/又はパラ位に電子求引基を有するアリール基であってもよいし、R及びRが、オルト位及び/又はパラ位に電子求引基を有するアリール基であってもよい。
、R、及びRのうち少なくともいずれか1つがメタ位に有し得る電子供与基としては、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及びアラルキル基を挙げることができ、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましい。
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基としては、第1の置換基として列挙したアルキル基の具体例を挙げることができる。
及びRの少なくともいずれ一方がオルト位及び/又はパラ位に有し得る電子求引基としては、フッ素原子、及びフッ化アルキル基を挙げることができる。フッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、であることが好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基が更により好ましい。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基を含むものとできる。また、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが含み得るアルキル基は、炭素数4以上12以下の、直鎖又は分岐アルキル基とすることができる。ここで、「R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基を含む」とは、例えば、R、R、又は、Rが、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であって、R、R、又は、Rが、第1、第2,又は第3の置換基として、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基を含む場合を包含する。
「R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが含み得るアルキル基」は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが含み得るアルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、R及びRのうち少なくとも1つが、フッ素原子及び炭素数が1又は2のフッ化アルキル基のうちいずれか1つを含むものとできる。ここで、「R及びRのうち少なくとも1つが、フッ素原子及び炭素数が1又は2のフッ化アルキル基のうちいずれか1つを含む」とは、例えば、R及び/又はRが、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であって、R及び/又はRが、第2又は第3の置換基として、フッ素原子及び炭素数が1又は2のフッ化アルキル基のうちいずれか1つを含む場合を包含する。
及びRのうち少なくとも1つが有し得るフッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基の具体例としては、第2の置換基及び第3の置換基が含み得るフッ化アルキル基として列挙したフッ化アルキル基を挙げることができる。
環Aは、好ましくは、C60フラーレン、又はC70フラーレンであり、より好ましくはC60フラーレンである。
式(1)のフラーレン誘導体は、環AがC60フラーレンであるフラーレン誘導体(以下、C60フラーレン誘導体ともいう。)、及び環AがC70フラーレンであるフラーレン誘導体(以下、C70フラーレン誘導体ともいう。)の混合物であってもよい。混合物における、C60フラーレン誘導体の含有量は、例えば、0.001、0.01、0.1、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体は、下記の2つの条件のうち、少なくともいずれか1つを満たす。
i)R、R、及び、Rが1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するアリール基である。
ii)R及び/又はRがフッ素含有置換基を有するアリール基である。
本発明に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体は、上記条件i)及びii)のうち少なくともいずれか1つを満たし、上記条件i)及びii)を満たすことがより好ましい。
以下、条件i)を満たす場合に特に好ましい実施形態について詳説する。
<i)R、R、及び、Rが1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するアリール基である場合に、特に好ましい実施形態>
本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体は、R、R、及び、Rが1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するアリール基とできる。すなわち、この場合、R、R、及び、Rのすべてが、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するアリール基とできる。
本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体は、R、R、及び、Rのうち1つ、又は2つ、又は全てが置換基を有するアリール基とでき、R、R、及び、Rのうち2つが置換基を有するアリール基であることが好ましい。また、本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体は、少なくともRが、置換基を有するアリール基であることが好ましい。
式(1)において、Rは、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。すなわち、Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。
アリール基としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、又は2-アンスリル基を挙げることができ、フェニル基であることが好ましい。
が1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第1の置換基と称する。Rは、第1の置換基とアリール基からなるものとできる。
第1の置換基は、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第1の置換基は、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基とできる。第1の置換基は、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない炭化水素基で構築されることが好ましい。即ち、Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第1の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基としては、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、イソブチル基、sec-ブチル基、イソペンチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、1-(1-メチルエチル)ブチル基、1-(1-メチルエチル)-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、1-n-プロピルペンチル基、2-プロピルペンチル基、1-(1-メチルエチル)ペンチル基、1-ブチルブチル基、1-ブチル-2-メチルブチル基、1-ブチル-3-メチルブチル基、1-(1,1-ジメチルエチル)ブチルブチル基、tert-ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルペンチル基、1,2-ジメチルペンチル基、1,3-ジメチルペンチル基、1,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3,4-ジメチルペンチル基、1-エチル-1-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-3-メチルブチル基、2-エチル-1-メチルブチル基、2-エチル-3-メチルブチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,2-ジメチルヘキシル基、1,3-ジメチルヘキシル基、1,4-ジメチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、3,4-ジメチルヘキシル基、3,5-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、4,5-ジメチルヘキシル基、1-エチル-2-メチルペンチル基、1-エチル-3-メチルペンチル基、1-エチル-4-メチルペンチル基、2-エチル-1-メチルペンチル基、2-エチル-2-メチルペンチル基、2-エチル-3-メチルペンチル基、2-エチル-4-メチルペンチル基、3-エチル-1-メチルペンチル基、3-エチル-2-メチルペンチル基、3-エチル-3-メチルペンチル基、3-エチル-4-メチルペンチル基、1-プロピル-1-メチルブチル基、1-プロピル-2-メチルブチル基、1-プロピル-3-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-1-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-2-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-3-メチルブチル基、1,1-ジエチルブチル基、1,2-ジエチルブチル基)等を挙げることができる。
第1の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、5-フェニルペンチル基等を挙げることができる。
条件i)において、上記の中でも、Rは、置換基を有するアリール基であることが好ましく、置換基を有するフェニル基であることがより好ましい。
は、第1の置換基として、1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基を有することが好ましい。1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基の好ましい形態は上記した通りである。
は、1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基をメタ位に有することが好ましい。
式(1)において、Rは、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。
アリール基としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、又は2-アンスリル基を挙げることができ、フェニル基であることが好ましい。
が1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第2の置換基と称する。Rは、第2の置換基とアリール基からなるものとできる。
第2の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第2の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが更により好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第2の置換基は、フッ素を含む場合があるものの、これ以外に、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない置換基であることが好ましい。Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第2の置換基が含み得るフッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、であることが好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基が更により好ましい。
第2の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第2の置換基が含み得るアルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
第2の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第2の置換基が含み得るアラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
条件i)において、式(1)のRは、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。すなわち、Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。Rが1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第3の置換基と称する。Rは、第3の置換基とアリール基からなるものとできる。
第3の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第3の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが更により好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第3の置換基は、フッ素を含む場合があるものの、これ以外に、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない置換基であることが好ましい。Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第3の置換基が含み得るフッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、であることが好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基が更により好ましい。
第3の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。
第3の置換基が含み得るアルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
第3の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第3の置換基が含み得るアラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
条件i)において、上記の中でも、R又はRは、少なくとも一方が、置換基を有するアリール基であることが好ましく、少なくとも一方が置換基を有するフェニル基であることがより好ましい。
環Aは、好ましくは、C60フラーレン、又はC70フラーレン、より好ましくはC60フラーレンである。
式(1)のフラーレン誘導体は、環AがC60フラーレンであるフラーレン誘導体(以下、C60フラーレン誘導体ともいう。)、及び環AがC70フラーレンであるフラーレン誘導体(以下、C70フラーレン誘導体ともいう。)の混合物であってもよい。混合物における、C60フラーレン誘導体の含有量は、例えば、0.001、0.01、0.1、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
以下、条件ii)を満たす場合に特に好ましい実施形態について詳説する。
<ii)R2及び/又はR3がフッ素含有置換基を有するアリール基である場合に特に好ましい実施形態>
本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体は、R及びRの少なくともいずれか一方がフッ素含有置換基を有するアリール基とできる。この場合、R及びRがフッ素含有置換基を有するアリール基であってもよいし、R及びRがフッ素含有置換基を有するアリール基であってもよい。本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体は、R又はRがフッ素含有置換基を有するアリール基であることが好ましい。
式(1)において、Rは、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。すなわち、Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。
アリール基としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、又は2-アンスリル基を挙げることができ、フェニル基であることが好ましい。
が1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第1の置換基と称する。Rは、第1の置換基とアリール基からなるものとできる。
第1の置換基は、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第1の置換基は、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基とできる。第1の置換基は、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない炭化水素基で構築されることが好ましい。即ち、Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第1の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基としては、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、イソブチル基、sec-ブチル基、イソペンチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、1-(1-メチルエチル)ブチル基、1-(1-メチルエチル)-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、1-n-プロピルペンチル基、2-プロピルペンチル基、1-(1-メチルエチル)ペンチル基、1-ブチルブチル基、1-ブチル-2-メチルブチル基、1-ブチル-3-メチルブチル基、1-(1,1-ジメチルエチル)ブチルブチル基、tert-ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルペンチル基、1,2-ジメチルペンチル基、1,3-ジメチルペンチル基、1,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3,4-ジメチルペンチル基、1-エチル-1-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-3-メチルブチル基、2-エチル-1-メチルブチル基、2-エチル-3-メチルブチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,2-ジメチルヘキシル基、1,3-ジメチルヘキシル基、1,4-ジメチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、3,4-ジメチルヘキシル基、3,5-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、4,5-ジメチルヘキシル基、1-エチル-2-メチルペンチル基、1-エチル-3-メチルペンチル基、1-エチル-4-メチルペンチル基、2-エチル-1-メチルペンチル基、2-エチル-2-メチルペンチル基、2-エチル-3-メチルペンチル基、2-エチル-4-メチルペンチル基、3-エチル-1-メチルペンチル基、3-エチル-2-メチルペンチル基、3-エチル-3-メチルペンチル基、3-エチル-4-メチルペンチル基、1-プロピル-1-メチルブチル基、1-プロピル-2-メチルブチル基、1-プロピル-3-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-1-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-2-メチルブチル基、1-(1-メチルエチル)-3-メチルブチル基、1,1-ジエチルブチル基、1,2-ジエチルブチル基)等を挙げることができる。
第1の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、5-フェニルペンチル基等を挙げることができる。
条件ii)において、上記の中でも、Rは、置換基を有しないアリール基であることが好ましく、フェニル基であることが好ましい。
または、Rは、第1の置換基として1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基、を有するアリール基であることが好ましく、第1の置換基として1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基を有するフェニル基であることがより好ましい。
1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基の好ましい形態は上記した通りである。Rは、1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基をメタ位に有することが好ましい。
式(1)において、Rは、有機基を表す。
本明細書において、有機基とは、1個以上の炭素原子を含有する基(又は有機化合物から1個の水素原子を除去して形成される基)を意味する。有機基は、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基とすることができる。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、及びアラルキル基、並びにこれらの2個以上が連結している基を挙げることができる。Rとしては、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、又は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましい。
が1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である場合、Rは、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基とすることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
が1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基である場合、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
が、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す場合、Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。
アリール基としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、又は2-アンスリル基を挙げることができ、フェニル基であることが好ましい。
が1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第2の置換基と称する。Rは、第2の置換基とアリール基からなるものとできる。
第2の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第2の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが更により好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第2の置換基は、フッ素を含む場合があるものの、これ以外に酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない置換基であることが好ましい。Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第2の置換基が含み得るフッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、であることが好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基が更により好ましい。
第2の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第2の置換基が含み得るアルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
第2の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第2の置換基が含み得るアラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
条件ii)において、式(1)のRは、有機基を表す。
本明細書において、有機基とは、1個以上の炭素原子を含有する基(又は有機化合物から1個の水素原子を除去して形成される基)を意味する。有機基は、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基とすることができる。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、及びアラルキル基、並びにこれらの2個以上が連結している基を挙げることができる。Rとしては、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、又は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、が好ましく、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましい。
が1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である場合、Rは、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基とすることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
が1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基である場合、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
が1個以上の置換基を有していてもよいアリール基である場合、Rは、置換基を有しないアリール基、又は、1個以上の置換基を有するアリール基とできる。アリール基としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、又は2-アンスリル基を挙げることができ、フェニル基であることが好ましい。
が1個以上の置換基を有するアリール基である場合、Rに含まれるアリール基が有する置換基を第3の置換基と称する。Rは、第3の置換基とアリール基からなるものとできる。
第3の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、及び、1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第3の置換基は、フッ素原子、フッ化アルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが更により好ましく、これらを1つ以上含むことができ、1つ又は2つ含むものとできる。第3の置換基は、フッ素を含む場合があるものの、これ以外に、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ元素を含まない置換基であることが好ましい。Rは、例えば、アリール基と任意の置換基との間の結合部分にエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましく、Rがエーテル結合及びエステル結合を含まないことが好ましい。
第3の置換基が含み得るフッ化アルキル基は、アルキル基が1個以上のフッ素原子で置換されている、フルオロアルキル基とできる。フッ化アルキル基はフッ素原子以外の置換基を有していても良い。フッ化アルキル基は、フッ素原子以外の置換基を有しないアルキル基とすることもできる。フッ化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子で置換された、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ化アルキル基の炭素数は、1又は2であることが好ましい。フッ化アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、であることが好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることがより好ましく、トリフルオロメチル基が更により好ましい。
第3の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していても良いアルキル基としては、1個以上の置換基を有していてもよい、直鎖状、又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。なお、1個以上の置換基を有していても良いアルキル基は、フッ化アルキル基を含まないものとできる。アルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキル基は置換基を有しないものとすることもできる。
第3の置換基が含み得るアルキル基としては、第1の置換基が含み得るアルキル基として列挙したアルキル基を挙げることができる。
第3の置換基が含み得る1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基において、アラルキル基の炭素数は、4~12とすることができ、4~10であることが好ましい。アラルキル基の炭素数は、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
第3の置換基が含み得るアラルキル基としては、第1の置換基が含み得るアラルキル基として列挙したアラルキル基を挙げることができる。
条件ii)において、R及びRは、少なくとも一方がフッ素含有置換基を有するアリール基であり、少なくとも一方が、フッ素含有置換基を有するフェニル基であることが好ましい。R又はRの一方が、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である場合、他方は、フッ素含有置換基を有するアリールであり、フッ素含有基は、フッ素又はパーフルオロアルキル基を含むものとできる。
環Aは、好ましくは、C60フラーレン、又はC70フラーレン、より好ましくはC60フラーレンである。
式(1)のフラーレン誘導体は、環AがC60フラーレンであるフラーレン誘導体(以下、C60フラーレン誘導体ともいう。)、及び環AがC70フラーレンであるフラーレン誘導体(以下、C70フラーレン誘導体ともいう。)の混合物であってもよい。混合物における、C60フラーレン誘導体の含有量は、例えば、0.001、0.01、0.1、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体が、条件i)及びii)を満たす場合の具体例としては、
が、フェニル基、又は、アルキル基を有するフェニル基であって、
が、フッ素原子又はフッ化アルキル基を有する、フェニル基であって、
が、フェニル基である場合、
を挙げることができる。
本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体が、条件i)を満たし、条件ii)を満たさない場合の具体例としては、
が、フェニル基、又は、アルキル基を有するフェニル基であって、
が、アルキル基を有するフェニル基であって、
が、フェニル基である場合、
を挙げることができる。
本発明の一実施形態に係る式(1)で表されるフラーレン誘導体が、条件ii)を満たし、条件i)を満たさない場合の具体例としては、
が、フェニル基、又は、アルキル基を有するフェニル基であって、
が、フッ素原子又はフッ化アルキル基を有する、フェニル基であって、
が、アルキル基である場合、
を挙げることができる。
1.2 フラーレン誘導体の特性
以下、本発明に係る式(1)で表される構造を有するフラーレン誘導体の特性について説明する。
なお、以下のフラーレン誘導体の特性に係る実施形態は、i)及びii)の場合で共通の好ましい実施形態である。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、LUMO準位の値が-3.67eV未満であることが好ましい。
LUMO準位の値は、例えば、-3.75、-3.74、-3.73、-3.72、-3.71、-3.7、-3.69、-3.68eVであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、式(1)で表される構造を有し、R、R、及び/又は、Rが特定の置換基を有することにより、LUMO準位を低めに調整することができ、変換効率の向上に寄与すると考えられる。
なお、LUMO準位は、Karakawaら、Journal of M aterials Chemistry A,2014年,2巻,20889頁に記載の方法によって測定することができる。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、室温におけるトルエン溶解度が0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。
トルエン溶解度は、例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0質量%程度であれは良く、またここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、トルエン溶解度とは、100gのトルエンに可溶なフラーレン誘導体の質量を意味する。
本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、式(1)で表される構造を有し、R、R、及び/又は、Rが特定の置換基を有することにより、トルエン等の有機溶剤に対して適度な溶解性を有するものと推測され、有機発電層形成用溶液を容易に調整可能であり、有機発電層を容易に形成可能である。
なお、室温におけるトルエンへの溶解度は、ランベルト・ベールの法則を用いて、吸光度から求めることができる。まず、濃度既知のフラーレン誘導体のトルエン溶液を用いてモル吸光係数を求める。次に、フラーレン誘導体の過飽和トルエン溶液の上澄み溶液を一定量秤量し、これの吸光度を測定する。以下の式に従い、濃度を算出できる。
C=A/εd
[式中、C:濃度、A:吸光度、ε:モル吸光係数、d:吸光度測定用セル長(1cm)]
1.3 フラーレン誘導体の製造方法
本発明に係るフラーレン誘導体の製造方法は、特に制限されず、公知のフラーレン誘導体の製造方法、又はこれに準じた方法によって製造することができる。
一例として、本発明の一実施形態に係るフラーレン誘導体は、プラトー反応として知られる下記スキームで合成することとができる。
上記スキームでは、R、Rを含むアミノ酸化合物と、Rを含むアルデヒド化合物と、フラーレンとを反応させ、式(1)で表されるフラーレン誘導体を得ることができる。
なお、上記式(1-1)における、R、R、Rは、式(1)におけるR、R、Rに対応する。
アルデヒド化合物、アミノ酸化合物、及びフラーレンの量比は特に限定されないが、収率を高くする観点から、例えば、フラーレン1モルに対して、アルデヒド化合物及びアミノ酸化合物をそれぞれ0.1~10モル用いることができ、好ましくは0.5~2モルの量で用いる。
反応は、無溶媒又は溶媒中で行うことができる。溶媒としては、例えば、二硫化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を挙げることができる。このなかでも、クロロホルム、トルエン、キシレン、及びクロロベンゼン等が好ましい。これらの溶媒は、適当な割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、例えば、室温~150℃とすることができ、好ましくは80~120℃である。なお、本明細書中、室温は、15~30℃である。
反応時間は、例えば、1時間~4日間であり、好ましくは10~48時間である。
得られた化合物は、必要に応じて公知の精製方法で精製できる。
例えば、得られた化合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒としては、例えば、ヘキサン-クロロホルム、ヘキサン-トルエン、又はヘキサン-二硫化炭素が好ましい。)で精製し、その後、更にHPLC(分取GPC)(展開溶媒としては、例えば、クロロホルム、又はトルエンが好ましい。)で精製することができる。
反応で用いられる、アルデヒド化合物、アミノ酸化合物、及びフラーレンは、公知の方法、又はこれに準じた方法によって合成してもよく、商業的に入手してもよい。一例として、アルデヒド化合物、及び、アミノ酸化合物は、例えば、実施例の方法で合成することができる。
2.n型半導体材料、有機発電層、及び光電変換素子
本発明の一実施形態に係るn型半導体材料は、上記フラーレン誘導体を含むものとできる。本発明の一実施形態に係るn型半導体材料は、上記フラーレン誘導体からなるものとすることもできる。
本発明の一実施形態に係る有機発電層は、上記n型半導体材料と、p型半導体材料を含有するものとできる。本発明の一実施形態に係る有機発電層は、本発明のn型半導体材料及び前記有機p型半導体からなるものとできる。
p型半導体材料としては、ポリ-p-フェニレンビニレン、ポリ-アルコキシ-p-フェニレンビニレン、ポリ-9,9-ジアルキルフルオレン、ポリ-p-フェニレンビニレンなどを挙げることができる。
また、より高い変換効率を得るために、バンドギャップを狭くすることで(ローバンドギャップ)長波長光の吸収を可能にした、ドナーアクセプター型π共役高分子を用いることができる。ドナーアクセプター型π共役高分子は、ドナーユニットとアクセプターユニットとを有し、これらが交互に配置された構造を有する。ドナーユニットとしては、ベンゾジチオフェン、ジチエノシロール、N-アルキルカルバゾールを挙げることができ、アクセプターユニットとしては、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェン、チオフェンピロールジオンなどを挙げることができる。
具体的には、これらのユニットを組み合わせた、ポリ(チエノ[3,4-b]チオフェン-co-ベンゾ[1,2-b:4,5-b']チオフェン)(PTBxシリーズ)、ポリ(ジチエノ[1,2-b:4,5-b'][3,2-b:2',3'-d]シロール-alt-(2,1,3-ベンゾチアジアゾール)類を挙げることができ、一例としては、PTB7、PBDTTPD、PSBTBT、PBDTTT-CF、PDTP-DFBT等を挙げることができる。
本発明に係る上記フラーレン誘導体を含むn型半導体材料は、従来のn型半導体材料とは比較的親和性が悪い、長波長吸収型のp型半導体材料とであっても、親和性良く混ざり、界面面積が大きく、安定性の高いバルクヘテロジャンクション構造を構築することができるため、高い変換効率かつ高い耐久性を有する光電変換素子を得ることができる。
本発明に係る上記フラーレン誘導体は、長波長吸収型のp型半導体材料を用いる有機発電層のn型半導体材料としても好適に用いることができる。長波長吸収型のp型半導体材料とは、具体的には、極大吸収波長が700nm以上であるp型半導体材料とできる。また、長波長吸収型のp型半導体材料としては、PDTP-DFBT及びPTB7-Th,PCDTBT,PCPDTBT,NT812などを挙げることができる。
本発明の一実施形態に係る有機発電層においては、本発明に係るフラーレン誘導体を含むn型半導体材料と、p型半導体材料とがバルクヘテロジャンクション構造を形成していることが好ましい。本発明の一実施形態に係る有機発電層は、例えば、有機発電層形成用溶液調製工程、及び、有機発電層形成工程を含む製造方法により製造することができる。有機発電層形成用溶液調製工程では、本発明に係るフラーレン誘導体を含むn型半導体材料及びp型半導体材料を有機溶媒に溶解させて、有機発電層形成用溶液を得ることができる。また、有機発電層形成工程では、得られた有機発電層形成用溶液を、スピンコート法、キャスト法、ディッピング法、インクジェット法、及びスクリーン印刷法等の公知の薄膜形成方法を採用して、基板上に薄膜を形成することができる。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、上記の有機発電層を備えるものとできる。本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、光センサーとできる。また、本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、有機薄膜太陽電池とできる。
本発明の一実施形態に係る有機薄膜太陽電池は、例えば、基板上に、透明電極(陰極)、陰極側電荷輸送層、有機発電層、陽極側電荷輸送層及び対極(陽極)が順次積層された構造の太陽電池とすることができる。有機発電層は、本発明に係るフラーレン誘導体を含むn型半導体材料と、p型半導体材料とがバルクヘテロジャンクション構造を形成している半導体薄膜層(すなわち、光電変換層)とできる。
本発明の一実施形態に係る有機薄膜太陽電池において、有機発電層以外の各層の材料としては、公知の材料を適宜使用できる。具体的には、電極の材料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、及び酸化インジウム(ITO)等が例示される。電荷輸送層の材料としては、例えば、PFN(ポリ[9,9-ビス(3'-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル-2,7-フルオレン)-alt-2,7-(9,9-ジオクチルフルオレン)])及びMoO(酸化モリブデン)等が例示される。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子及び有機薄膜太陽電池は、p型半導体材料としてPTB7或いはPDTP-DFBTを用いた際の初期エネルギー変換効率が7.0%以上である。さらには、光電変換素子及び有機薄膜太陽電池を85℃で2時間加熱後のエネルギー変換効率が、初期エネルギー変換効率の95%以上を保持できる。すなわち、初期エネルギー変換効率に対する85℃で2時間加熱後のエネルギー変換効率の低下が5%以内である。
本発明に係る本発明に係るフラーレン誘導体を含むn型半導体材料を含む有機発電層を備える光電変換素子及び有機薄膜太陽電池は、n型半導体材料とp型半導体材料とが親和性よく混合し、界面面積が大きく、安定性の高いバルクヘテロジャンクション構造を構築することができるため、高い変換効率かつ高い耐久性を有する光電変換素子及び有機薄膜太陽電池を得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
(化合物1)
[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチル(Sigma-Aldrich、No.684449,99.5%)を化合物1として用いた。
(化合物2の合成)
(3-オクチルアニリンの合成)
(1-オクチンと3-ブロモニトロベンゼンのSonogashira反応)
撹拌子を入れた3口フラスコ(容量200mL)中に、1-ブロモ-3-ニトロベンゼン(9.7g,48mmol)、トリフェニルホスフィン(1.26g,4.8mmol)、酢酸パラジウム(II)(544mg,2.4mmol)のトリエチルアミン溶液(97mL)を入れ、窒素置換を行った後、1-オクチン(10.6mL,72mmol)を加えた。反応容器をオイルバス(浴温100℃)に浸け、撹拌下で48時間加熱した。反応をGLCで追跡し、原料の消失により反応終点を判定した。冷却後、反応液を酢酸エチルと水を用いて抽出分離を行った。有機相をエバポレーターにより濃縮し中間体21(オクト-1-イン-1-イル)ニトロベンゼン)を得た。
得られた中間体21の分析結果を以下に示す。
MS(EI)231(M+)
H-NMR(500MHz,CDCl
δ:0.91(3H,t,J=7.0Hz),1.25-1.40(4H,m),1.40-1.55(2H,m),1.58-1.70(2H,m),2.43(2H,t,J=7.1Hz),7.45(1H,d-d,J=7.8,8.2Hz),7.68(1H,d-d-d,J=7.8,2.0,1.0Hz),8.15(1H,d-d-d,J=8.2,2.0,1.0Hz),8.22(1H,d-d,J=2.0,1.0Hz).
(中間体21(オクト-1-イン-1-イル)ニトロベンゼン)の還元反応)
得られた粗生成物をメタノール溶液(500mL)とし、Pd/C0.5gを加えた。反応容器内を水素置換した後、水素圧力1気圧で室温下に撹拌した。反応をGLCで追跡し、原料の消失により反応終点を判定した。反応液をセライト濾過し、エバポレーションにより濃縮した。濃縮した粗生成物を減圧蒸留により精製し、中間体22(3-オクチルアニリン)を得た(収率:75%(2工程))。
得られた中間体22の分析結果を以下に示す。
MS(EI)205(M+)
H-NMR(500MHz,CDCl
δ:0.88(3H,t,J=7.1Hz),1.20-1.40(10H,m),1.50-1.65(2H,m),2.50(2H,t,J=7.8Hz),3.57(2H,bs),6.49(1H,d,J=7.6Hz),6.50(1H,s),6.58(1H,d,J=7.6Hz),7.05(1H,d-d,J=7.6,7.6Hz).
(2-フェニル-N-(3-オクチルフェニル)グリシンの合成)
撹拌子を入れた二径フラスコ(容量50mL)中に、3-オクチルアニリン(2.5g,12mmol)、α-ブロモフェニル酢酸(3.87g,18mmol)、メタノール(5mL)、トリエチルアミン(5mL)を入れ、窒素雰囲気下、室温で42時間攪拌した。反応の追跡はTLC(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=20:1(v/v))により行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮後、希塩酸で液性をpH3に調整して析出した結晶(中間体23)をろ取した(収率63%)。
得られた中間体23の分析結果を以下に示す。
MS(EI)340(M+)
H-NMR(600MHz,CDCl
δ:0.91(3H,t,J=7.1Hz),1.20-1.40(10H,m),1.50-1.60(2H,m),2.50(2H,t,J=7.8Hz),5.11(1H,s),6.41(1H,d,J=7.8Hz),6.46(1H,s),7.07(1H,d-d,J=7.6,7.8Hz),7.35(1H,t,J=7.1Hz),7.39(2H,d-d,J=7.1,7.1Hz),7.52(2H,d,J=7.1Hz).
(フラーレン誘導体(PPTFNPO)合成)
側管にガス導入管を装着した容量3Lセパラブルフラスコ中に、2-[(3-オクチルフェニル)アミノ]-2-フェニル酢酸(9.65g,28mmol)、4-トリフルオロメチルベンツアルデヒド(37.6mL,280mmol)、フラーレン(C60、11.26g、15.6mmol)を入れ、溶媒(o-キシレン)2.5Lを加えた。上記溶液をガス導入管から窒素バブリング(2時間)を行い、系中から酸素を除去した。オイルバス中150℃(バス温)で7時間加熱撹拌した。溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘプタン-トルエン 50:1~30:1)により、さらに分取HPLC(カラム:Buckyprep28mm×250mm、溶離液:トルエン、10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物2(フラーレン誘導体(PPTFNPO))9.56gを得た(収率52%)。
得られた化合物2の分析結果を以下に示す。
H-NMR(600MHz,CDCl
δ:0.93(3H,t,J=7.1Hz),1.10-1.22(2H,m),1.22-1.45(10H,m),2.41-2.53(2H,m),6.65(1H,d,J=7.5Hz),6.95(1H,d,J=7.5Hz),6.95(1H,s),7.06(1H,d-d,J=7.5,7.5Hz),7.13(1H,s),7.19(1H,s),7.27(1H,t,J=7.6Hz),7.34(2H,d-d,J=7.6,7.3Hz),7.64(2H,d,J=8.1Hz),7.83(2H,d,J=7.3Hz),7.98(2H,d,J=8.1Hz).
F-NMR(500MHz,CDCl)δ:-62.57(s)
(化合物3の合成)
(3-オクチルベンツアルデヒドの合成)
窒素雰囲気下に容量200mLの2口フラスコ中の9-BBN(9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)のTHF溶液(0.5M,40mL,20mmol)に、0℃で1-オクテン(3.2mL,20mmol)をシリンジを用いて滴下した。15分間この温度で撹拌した後、室温に戻しジムロート冷却器を装着した。得られた溶液中に、炭酸カリウム(8.3g,60mmol)、酢酸パラジム(234mg,1mmol)、トリフェニルホスフィン(530mg、2mmol)、3-ブロモベンツアルデヒド(2.5mL,20mmol)、THF(40mL)、および水(10mL)を入れた。この反応溶液をオイルバスに浸けて、2時間加熱還流した。冷後、反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を減圧濃縮した後、得られた反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ヘプタン:酢酸エチル=6:1)により精製し、中間体31(3-オクチルベンツアルデヒド)3.5gを得た(収率:85%)。
得られた中間体31の分析結果を以下に示す。
MS(EI)218(M+)
H-NMR(500MHz,CDCl
δ:0.88(3H,t,J=7.1Hz),1.20-1.45(10H,m),1.55-1.75(2H,m),2.68(2H,t,J=7.6Hz),7.41-7.48(2H,d,m),7.66-7.73(2H,m),10.00(1H,s).
(フラーレン誘導体(PPONPO)の合成)
側管にガス導入管を装着した容量500mLの2口フラスコ中に、2-[(3-オクチルフェニル)アミノ]-2-フェニル酢酸(1.03g,3.0mmol)、3-オクチルベンツアルデヒド(1.32g,6.0mmol)、フラーレン(C60、1.10g、1.5mmol)を入れ、溶媒(o-キシレン)300mLを加える。上記溶液をガス導入管から窒素バブリング(1時間)を行い、系中から酸素を除去した。オイルバス中150℃(バス温)で15時間加熱撹拌した。溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘプタン:トルエン=50:1)さらに分取HPLC(カラム:Buckyprep28mm×250mm、溶離液:トルエン、10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物3(フラーレン誘導体(PPONPO))を690mg得た(収率:38%)。
得られた化合物3の分析結果を以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl
δ:0.84(3H,t,J=7.0Hz),0.90(3H,t,J=7.1Hz),1.04-1.52(24H,m),2.33-2.62(4H,m),6.57(1H,d,J=7.3Hz),6.92-7.05(4H,m),7.09(1H,s),7.13(1H,s),7.18-7.26(2H,m),7.33(2H,t,J=7.6Hz),7.60(1H,s),7.61(1H,d,J=7.3Hz),7.81(2H,d,J=7.3Hz).
(化合物4の合成)
(フラーレン誘導体(HPdFNP)の合成)
側管にガス導入管を装着した容量500mLの2口フラスコ中に、2-(フェニルアミノ)-オクタン酸(710mg,3.0mmol)、2,4-ジフルオロベンツアルデヒド(2mL)、フラーレン(C60、720mg、1.0mmol)を入れ、溶媒(o-キシレン)300mLを加えた。上記溶液をガス導入管から窒素バブリング(1時間)を行い、系中から酸素を除去した。オイルバス中150℃(バス温)で15時間加熱撹拌した。
溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘプタン:トルエン 100:1~50:1)さらに分取HPLC(カラム:Buckyprep28mmx250mm、溶離液:トルエン、10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物4(フラーレン誘導体(HPdFNP))を得た(収率32%)。
得られた化合物4の分析結果を以下に示す。
H-NMR(600MHz,CDCl
δ:0.81(3H,t,J=7.0Hz),1.10-1.40(6H,m),1.43-1.75(2H,m),2.20-2.30(1H,m),2.78-2.88(1H,m),5.60-5.66(1H,m),6.69-6.75(1H,m),6.82-6.90(1H,m),7.07(1H,t,7.3Hz),7.10-7.32(2H,m),7.24(1H,s),7.35(2H,d-d,J=7.3,7.3Hz),7.62-7.72(1H,m).
F-NMR(500MHz,CDCl)δ:-109.5--109.8(1F,m),-112.4--112.6(1F,m),
(化合物5の合成)
2-(フェニルアミノ)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸(1.18g,4mmol)、フラーレン(C60,1.44g,2.0mmol)、ヘプタナール(2mL)のo-キシレン(400mL)溶液を150℃で24時間加熱撹拌した。
溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘプタン:トルエン=100:1)により、さらに分取HPLC(カラム:Buckyprep28mm×250mm、溶離液:トルエン 10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物5を704mg得た(収率:33%)。
得られた化合物5の分析結果を以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl)δ:0.81(3H,t,J=7.0Hz),1.12-1.42(4H,m),1.45-1.70(2H,m),2.20-2.32(1H,m),2.77-2.86(1H,m),5.63-5.73(1H,m),6.35(1H,s),7.05(1H,t,J=7.3Hz),7.13-7.33(2H,m),7.34(2H,t,J=7.9Hz),7.53(2H,d,J=8.0Hz),7.83(2H,d,J=8.0Hz).
F-NMR(500MHz,CDCl)δ:-62.36(s)
(化合物6の合成)
4-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(2.0g,10.0mmol)のエタノール溶液中に濃硫酸0.5mLを加え、室温で15時間撹拌した。TLCで反応を追跡し、原料消失後、反応液を水で薄めて酢酸エチルで抽出した。有機相を重曹、水洗後、エバポレーションにより濃縮した(2.3g,100%)。
ここで得られた反応物を1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン30mLに溶解し、ここにNBS(N-ブロモスクシンイミド)(1.78g,10.0mmol),AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)(200mg)を加えて、90℃で15時間加熱撹拌した。反応液をヘプタンで希釈し、水洗後エバポレーションにより濃縮した。得られた反応物にアニリン(1mL),トリエチルアミン4mL、メタノール2mLを加えて、室温で18時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水洗後、エバポレーションにより濃縮した。ここで得られた反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO(200g),溶離液 ヘプタン:酢酸エチル=20:1)で精製し、2-(フェニルアミノ)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸エチルエステル2.4gを得た(収率:83%(3工程))。上記エステル体に水酸化ナトリウム(1.8g)、メタノール40mL、水20mLを加えて、室温下に24時間撹拌した。反応液を希塩酸でpH3まで酸性にし、酢酸エチルで抽出した。エバポレーションにより濃縮し、2-(フェニルアミノ)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸2.1gを得た(93%)。
(フラーレン誘導体(EHPTFNP)の合成)
2-(フェニルアミノ)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸(340mg,1.4mmol)、フラーレン(C60,720mg,1.0mmol)、3-エチルヘプタナール(1mL)のo-キシレン(200mL)溶液を150℃で24時間加熱撹拌した。溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘプタン:トルエン=50:1)さらに分取HPLC(カラム:Buckyprep28mm×250mm、溶離液:トルエン、10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物6(フラーレン誘導体(EHPTFNP))536mgを得た(収率:49%)。
得られた化合物6の分析結果を以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl
δ:0.62(2H,t,J=7.3Hz),0.75-0.95(4H,m),0.95-1.70(9H,m),2.00-2.10(1H,m),2.80-2.92(1H,m),5.65-5.72(1H,m),6.35(1H,s),7.03-7.30(1H,m),7.20-7.30(2H,m),7.34(2H,t,J=7.8Hz),7.53(2H,d,J=8.0Hz),7.83(2H,d,J=8.0Hz).
F-NMR(500MHz,CDCl)δ:-62.38(s)
(化合物7の合成)
2-ブロモフェニル酢酸(2.15g,10.0mmol),アニリン(4.09g,44.0mmol)を、無溶媒で100℃、72時間加熱した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、5%水酸化ナトリウムで抽出した。ここで得られた水相を1N塩酸でpH4とし、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られた粗生成物を水-エタノールで再結晶し、中間体71を560mg(24.0%)得た。得られた中間体71(N-フェニル-2-フェニルグリシン)(112mg,0.5mmol),4-エチルヘプタナール(142mg,1mmol),C60フラーレン(360mg,0.5mmol)のクロロベンゼン溶液(200mL)を48時間加熱還流した。反応生成液を減圧下に濃縮し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン-トルエン=100:1~20:1)で精製し、目的とする化合物7を154.5mg(30.0%)(純度:99%以上)得た。
(化合物8の合成)
2-ブロモオクタン酸(1.28g,5.74mmol),アニリン(534mg,5.74mmol),炭酸カリウム(800mg,5.74mmol)のエタノール溶液(3mL)を48時間加熱還流した。冷却後、反応生成液を水で薄めて、エーテルで抽出した。さらに、ここで有られた水相を1N塩酸でpH3に調性し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、中間体81を982mg(72.8%)得た。中間体81(2-(フェニルアミノ)-オクタン酸)(118mg,0.5mmol),ヘプタナール(2mL),フラーレン(360mg,0.5mmol)のクロロベンゼン溶液(150mL)を48時間加熱還流した。反応生成液を減圧下に濃縮し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン-トルエン=100:1~20:1)、およびさらにHPLC(Buckyprep:トルエン)で精製し、目的とする化合物8を113mg(22.4%)得た。(純度:99%以上)
(化合物9の合成)
側管にガス導入管を装着した容量50mLの2口フラスコ中に、2-[(3-オクチルフェニル)アミノ]-2-フェニル酢酸(54mg,0.2mmol)、ベンツアルデヒド(2mL)、フラーレン(C60、140mg、0.2mmol)を入れ、溶媒(o-キシレン)30mLを加えた。上記溶液をガス導入管から窒素バブリング(1時間)を行い、系中から酸素を除去した。オイルバス中150℃(浴温)で15時間加熱撹拌した。溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘプタン:トルエン=50:1)により、さらに分取HPLC(カラム:Buckyprep28mm×250mm、溶離液:トルエン 10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物9(フラーレン誘導体(PPNPO))93mgを得た(収率:42%)。
得られた化合物9の分析結果を以下に示す。
H-NMR(600MHz,CDCl
δ:0.93(3H,t,J=7.3Hz),1.06-1.54(12H,m),1.22-1.45(10H,m),2.40-2.56(2H,m),6.61(1H,d,J=7.3Hz),6.94-7.00(1H,m),6.99(1H,s),7.04(1H,t,J=7.5Hz),7.14(2H,S),7.25(2H,t,J=7.5Hz),7.37(4H,t,J=7.6Hz),7.84(1H,d,J=7.4Hz).
(化合物10の合成)
2-(フェニルアミノ)-2-フェニル]酢酸(330mg,1.5mmol)、フラーレン(C60,720mg,1.0mmol)、4-トリフルオロメチルベンズアルデヒド(1mL)のo-キシレン(200mL)溶液を150℃で48時間加熱撹拌した。溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘプタン:トルエン=50:1)により、さらに分取HPLC(カラム Buckyprep 28mm×250mm、溶離液:トルエン、10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物10(フラーレン誘導体(PPTFNP))340mgを得た(収率:32%)。
得られた化合物10の分析結果を以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl
δ:7.10(1H,s),7.10-7.20(4H,m),7.20(1H,s),7.20-7.40(4H,m),7.65(2H,d,J=8.0Hz),7.82(2H,d,7.5Hz),7.95(2H,d,J=8.0Hz).F-NMR(500MHz,CDCl)δ:-62.42(s)
(化合物11の合成)
2-(フェニルアミノ)-2-(フェニル)酢酸(1.18g,4mmol)、フラーレン(C60,1.44g,2.0mmol)、ベンズアルデヒド(2mL)のo-キシレン(400mL)溶液を150℃で24時間加熱撹拌した。
溶媒をエバポレーションして濃縮し、得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 n-ヘプタン:トルエン=100:1)により、さらに分取HPLC(カラム:Buckyprep 28mm×250mm、溶離液:トルエン 10mL/min、検出器:RI)により精製し、化合物11(1,2,5-トリフェニルピロリジン誘導体(トリフェニルフラーロピロリジン))704mgを得た(収率:33%)。
得られた化合物11の分析結果を以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl
δ:7.12-7.20(3H,m),7.14(1H,s),7.15(1H,t,J=7.3Hz),7.20-7.30(4H,m),7.36(4H,d-d,J=8.1,7.5Hz),7.82(4H,d,J=7.5Hz).
得られた化合物について、以下の試験を行った。
(1)試験用太陽電池の作製
化合物1~10をn型半導体材料として用いて、試験用太陽電池を作製し、変換効率を評価した。p型半導体材料としては、PDTP-DFBT(下記化学式参照)を、電荷輸送層材料としてはPFN(ポリ[9,9-ビス(3'-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル-2,7-フルオレン)-alt-2,7-(9,9-ジオクチルフルオレン)])及びMoO3(酸化モリブデン)を、電極としてはITO(酸化インジウムスズ)(陰極)及びアルミニウム(陽極)をそれぞれ用いた。
(1-1)基板の前処理
プラズマ洗浄機で、酸素ガスを流入しながら、発生したプラズマにより、ITOパターニングガラス板の基板表面を、10分間洗浄処理した。
(1-2)陰極側電荷輸送層の作製
スピンコート法製膜装置を用い、PFNメタノール溶液(2%w/v)を用いて、前処理を施したITOガラス板上に、PFN薄膜を形成した。形成されたPFN薄膜の膜厚は約10nmであった。
(1-3)有機半導体膜(有機発電層)の作製
得られた化合物1~10、PDTP-DFBTをオルトキシレンに溶かし、有機半導体膜形成用オルトキシレン溶液1~10を得た。
グローブボックス中で、スピンコート法製膜装置を用い、得られた陰極側電荷輸送層を有する基板に、有機半導体膜形成用オルトキシレン溶液1~10をスピンコート(1000rpm、2分間)し、厚さ約90~110nmの有機半導体薄膜(有機発電層)を形成し、積層体を得た。
(1-4)陽極側電荷輸送層及び金属電極の真空蒸着
得られた積層体に、小型高真空蒸着装置を用い、陽極側電荷輸送層としてのMoO層(10nm)、及び金属電極としてのアルミニウム層(80nm)を順次蒸着し、試験用太陽電池1~10を得た。
(2)疑似太陽光照射を用いた、試験用太陽電池の変換効率の評価
得られた試験用太陽電池に、擬似太陽光を照射し変換効率を求めた。電流測定には、ソースメーター、電流電圧計測ソフト及び疑似太陽光照射装置を用いた。得られた各試験用太陽電池1~10に対して、100mWの疑似太陽光を照射して、発生した電流と電圧を測定して、以下の式によりエネルギー変換効率を算出した。結果を表に示す。
変換効率η(%)=FF(Voc×Jsc/Pin)×100
FF:曲線因子、Voc:開放電圧、Jsc:短絡電流、Pin:入射光強度(密度)
(3)試験用太陽電池の加熱試験
得られた各試験用太陽電池1~10を、窒素雰囲気中、85℃で2時間加熱した。
(4)加熱後の試験用太陽電池の変換効率の評価
加熱試験後の試験用太陽電池1~10について、(2)と同様の方法で、変換効率の評価を行った。結果を表に示す。
(5)トルエン溶解度
紫外可視吸光光度計を用いて吸光度を測定することにより、トルエン溶解度を算出した。吸光度測定できる吸光度により算出した。まず、濃度既知のフラーレン誘導体のトルエン溶液を用いてモル吸光係数を求めた。次に、フラーレン誘導体の過飽和トルエン溶液の上澄み溶液を一定量秤量し、これの吸光度を測定した。以下の式に従い、濃度を算出した。
C=A/εd
[式中、C:濃度、A:吸光度、ε:モル吸光係数、d:吸光度測定用セル長(1cm)]
結果を以下に示す。
・化合物2(PPTFNPO):2.5質量%
・化合物3(PPNPO):1.2質量%
・化合物10(PPTFNP):1.5質量%
一方、R、R、及びRがすべてフェニル基であるフラーレン誘導体である、化合物11(1,2,5-トリフェニルピロリジン誘導体(トリフェニルフラーロピロリジン))のトルエン溶解度は、0.4質量%であった。
1,2,5-トリフェニルピロリジン誘導体の溶解度は不十分で、塗布型光電変換素子を作製するには課題を有するが、ここのフェニル基に長鎖アルキル基の導入、或いは炭素1個では有るがフッ素を有するCF基の導入により溶解度が向上している。
また、式(1)において、R、R、及びRがすべてフェニル基であるフラーレン誘導体のLUMO準位が、-3.67eVである。さらにはメタ位に電子供与基、又は、オルト位及び/又はパラ位に電子求引基を有する化合物2~6のフラーレン誘導体は、LUMO準位が、-3.67eV未満である。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表されるフラーレン誘導体。
    (式(1)中、
    は、1個以上の置換基を有していてもよいフェニル基を表し、
    が置換基を有しないフェニル基、又は、1個以上の置換基を有するフェニル基であって、
    が1個以上の置換基を有するフェニル基である場合に、R に含まれるフェニル基が有する置換基を第1の置換基とすると、前記第1の置換基が、アルキル基、及び、アラルキル基からなる群から選択される少なくとも1つであり、
    は、有機基を表し、
    は、有機基を表し、
    及びRのうち少なくとも一方が、1個以上の置換基を有していてもよいフェニル基を表し、
    、R 、及び、R のうち少なくともいずれか一つが、置換基としてメタ位の電子供与基のみを有するフェニル基であり、及び/又は、
    、及び、R のうち少なくともいずれか一つが、置換基としてオルト位及び/又はパラ位の電子求引基のみを有するフェニル基であり、
    前記電子供与基は、アルキル基、及びアラルキル基から選択され、
    前記電子求引基は、フッ素原子、及びフッ化アルキル基から選択され、
    環Aは、フラーレン環を表し、
    式(1)は、下記の2つの条件のうち、少なくともいずれか1つを満たす。
    i)R、R、及び、Rが1個以上の置換基を有していてもよいフェニル基であり、かつ、R、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基を有するフェニル基である。
    ii)R及び/又はR置換基としてオルト位及び/又はパラ位の電子求引基のみを有するフェニル基である。)
  2. 請求項1に記載のフラーレン誘導体であって、
    は置換基を有しないフェニル基、又は、1個以上の置換基を有するフェニル基であって、
    が1個以上の置換基を有するフェニル基である場合、R は、置換基としてメタ位のアルキル基のみを有するフェニル基であって、
    は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は、1個以上の置換基を有していてもよいフェニル基であって、
    が1個以上の置換基を有していてもよいフェニル基である場合、R は置換基を有しないフェニル基、又は、1個以上の置換基を有するフェニル基であって、
    が1個以上の置換基を有するフェニル基である場合、R は、置換基としてメタ位のアルキル基のみを有するフェニル基、又は、置換基としてオルト位及び/又はパラ位のフッ素原子又はトリフルオロメチル基のみを有するフェニル基であり、
    は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は、1個以上の置換基を有していてもよいフェニル基であって、
    が1個以上の置換基を有していてもよいフェニル基である場合、R は置換基を有しないフェニル基、又は、1個以上の置換基を有するフェニル基であって、
    が1個以上の置換基を有するフェニル基である場合、R は、置換基としてメタ位のアルキル基のみを有するフェニル基、又は、置換基としてオルト位及び/又はパラ位のフッ素原子又はトリフルオロメチル基のみを有するフェニル基である、フラーレン誘導体。
  3. 式(1)において、
    、R、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基としてメタ位の電子供与基のみを有するフェニル基であり、前記電子供与基がアルキル基である場合、前記アルキル基が、炭素数4以上12以下の、直鎖又は分岐アルキル基であ
    、及び、R のうち少なくとも1つが、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基としてメタ位の電子供与基のみを有するフェニル基であり前記電子供与基がアルキル基である場合、前記アルキル基が、炭素数4以上12以下の、直鎖又は分岐アルキル基である、請求項1又は請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  4. 式(1)において、
    、及び、Rのうち少なくとも1つが、置換基としてオルト位及び/又はパラ位の電子求引基のみを有するフェニル基であって、前記電子求引基がフッ素原子及び炭素数が2以下のフッ化アルキル基のうちいずれか1つである、請求項1又は請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  5. LUMO準位の値が-3.67eV未満であり、トルエン溶解度が0.5%以上である、請求項1又は請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  6. 環Aは、C60フラーレン、又はC70フラーレンである、請求項1又は請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  7. 請求項1又は請求項2に記載のフラーレン誘導体を含む、n型半導体材料。
  8. 請求項7に記載のn型半導体材料、及び、p型半導体材料を含有する有機発電層。
  9. 請求項8に記載の有機発電層を備える光電変換素子。
  10. 有機薄膜太陽電池である、請求項9に記載の光電変換素子。
  11. 光センサーである、請求項9に記載の光電変換素子。
  12. 初期エネルギー変換効率に対する85℃で2時間加熱後のエネルギー変換効率の低下が5%以内である、請求項9に記載の光電変換素子。
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