Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP7680943B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP7680943B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7680943B2
JP7680943B2 JP2021187309A JP2021187309A JP7680943B2 JP 7680943 B2 JP7680943 B2 JP 7680943B2 JP 2021187309 A JP2021187309 A JP 2021187309A JP 2021187309 A JP2021187309 A JP 2021187309A JP 7680943 B2 JP7680943 B2 JP 7680943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
parts
polycarbonate resin
less
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021187309A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023074378A (ja
Inventor
晃司 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority to JP2021187309A priority Critical patent/JP7680943B2/ja
Publication of JP2023074378A publication Critical patent/JP2023074378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7680943B2 publication Critical patent/JP7680943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体に関し、詳しくは、遮光性が極めて高く、且つ耐衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及び成形体に関する。
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、機械的強度等の優位性を生かし、電気電子部品、自動車用部品、カメラのレンズやその部品等でもよく使用されている。
近年、撮像素子を有するカメラが、携帯電話、ゲーム機、パソコン、車載カメラ等に広く使用されている。これらのレンズを備えるカメラ機器は、軽量化や低コスト化のため樹脂化され、また、レンズと鏡筒(バレル)、ホルダー等がモジュール化されている。特に最近このカメラモジュールは、さらなる小型化、軽量化と高性能化が急激に進行している。
そして、小型化されたカメラモジュールでは、ポリカーボネート樹脂製の複数枚からなるレンズと、これを支持するバレルとホルダー等から構成されるが、バレルには落下させても割れない高い耐衝撃性が求められると共に、さらには撮像する画質の向上のためには極めて高度な遮光性が必要である。
樹脂材料を遮光性とするには各種の黒色化染料やカーボンブラックを配合する方法がある。特許文献1には、透明又は半透明の熱可塑性樹脂(具体的にはポリエチレンやポリプロピレン)、カーボンブラック、及び該樹脂との屈折率差が特定であり、平均粒子径が0.3μm未満の光拡散剤を含有する樹脂組成物が、青味で黒色度の高い、いわゆる漆黒性に優れることが記載されている。しかしながら、このものでは、上記したような高度の遮光性を達成するのは容易ではなく、また耐衝撃性も十分とはいい難い。
特開2020-125376号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的(課題)は遮光性が極めて高く、且つ耐衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、平均粒子径が特定の範囲にある光拡散剤とカーボンブラックを特定量で組み合わせ、さらに両者の含有量の比を特定のものとすることにより、耐衝撃性や耐熱性の両方を高度なレベルで達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及び成形体に関する。
1.ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、光拡散剤(B)0.5質量部超10質量部以下、カーボンブラック(C)0.5質量部超3質量部以下を含有し、光拡散剤(B)の平均粒子径が1.1~3.9μmであり、光拡散剤(B)とカーボンブラック(C)の含有量の比(B)/(C)が1以上であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
2.ポリカーボネート樹脂(A)の屈折率n1と光拡散剤(B)の屈折率n2との差の絶対値(|n1-n2|)が0.12以上である上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.光拡散剤(B)がシリコーン系光拡散剤である上記1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.光拡散剤(B)がポリメチルシルセスキオキサンである上記1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5.樹脂組成物から成形した厚さ35μmのフィルムで測定した厚み方向の分光透過率が1%未満である上記1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
6.ISO178に基づき測定したノッチ付きシャルピー衝撃強度が30kJ/m以上である上記1~5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
7.上記1~6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
8.上記7に記載の成形体を含む光学モジュール。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、遮光性が極めて高く、且つ耐衝撃性に優れ、また耐熱性にも優れる。
そして、本発明の成形体は、これを光学モジュール(例えばカメラモジュール等)の部品として使用すると、落下にも耐える高い耐衝撃性と撮影する画像の画質向上を可能とするという効果を奏する。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に使用する各成分等につき、詳細に説明する。
なお、本明細書において、「~」を用いてその前後を数値又は物性値で挟んで範囲を表現する場合、その前後の値を含む範囲を意味する。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
ポリカーボネート樹脂は、式:-[-O-X-O-C(=O)-]-で示される炭酸結合を有する基本構造の重合体である。式中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。中でも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限はないが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなるポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしてもよい。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法を用いてもよい。またポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、ポリカーボネート重合体は1種の繰り返し単位からなる単重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例を挙げると、
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールC)、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
これらの中ではビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールC)が好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
ポリカーボネート樹脂の好ましい例としては、ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールA又はビスフェノールAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とを併用したポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC又はビスフェノールCと他の芳香族ジヒドロキシ化合物(特にビスフェノールA)とを併用したポリカーボネート樹脂、さらにこれら樹脂のブレンド物が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、粘度平均分子量(Mv)で、16000~50000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは18000以上、さらに好ましくは20000以上であり、より好ましくは45000以下、さらに好ましくは40000以下、特に好ましくは38000以下である。粘度平均分子量が16000より小さいと、成形品の耐衝撃性が低下しやすく、割れが発生する虞があるので好ましくなく、50000より大きいと流動性が悪くなり成形性に問題が生じやすいので好ましくない。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)は、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、本発明において、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて、温度25℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、
η=1.23×10-4Mv0.83 から算出される値を意味する。また極限粘度[η]は、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
また、本発明においては、さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマー又はポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマー又はポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマー又はポリマーとの共重合体;等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。
また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量(Mv)は、通常1500以上、好ましくは2000以上であり、また、通常9500以下、好ましくは9000以下である。ポリカーボネートオリゴマーを含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、特に10質量部以下とすることが好ましく、含有する際の下限としては、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、特に好ましくは3質量部以上である。
さらにポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂(A)のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
[光拡散剤(B)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、平均粒子径が1.1~3.9μmの光拡散剤(B)を含有する。
光拡散剤の例としては、アクリル系樹脂微粒子及び/又はシリコーン系微粒子がより好ましい。
アクリル系樹脂微粒子としては、架橋アクリル系重合体微粒子が好ましい。
架橋アクリル系重合体としては、アクリル系モノマー単独、又は、アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体が好ましく挙げられる。
アクリル系モノマーとしては、具体的には例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリレート系モノマー;メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリレート系モノマー;アクリルアミド等が挙げられる。またスチレン系モノマーとしては、具体的には例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
これらモノマーの重合または共重合に際しては、これらを主成分として、必要に応じて、更に他のモノマーを架橋剤等として共重合してもよい。この様な架橋剤としては、一般的にエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、1、6-ヘキサンジオール、トリメチルプロパントリメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート等、種々の多官能性モノマーが挙げられる。
シリコーン系微粒子としては、架橋シロキサン系重合体粒子が好ましく、これを構成するポリオルガノシロキサンとしては、フェニル基、ジフェニル基、ビニル基又はアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基など)を有するポリオルガノシロキサン、フェニル基とジフェニル基を有するポリオルガノシロキサン、ビニル基とアルコキシ基を有するポリオルガノシロキサン、フェニル基とアルコキシ基とビニル基を有するポリオルガノシロキサン等が好ましく挙げられる。
ポリオルガノシロキサンとして好ましいのは、ポリオルガノシルセスキオキサンである。ポリオルガノシルセスキオキサンは、R-SiO1.5(Rは一価の有機基)で示される3官能性シロキサン単位(以下、「T単位」ということがある。)を有するポリオルガノシロキサンをいい、全シロキサン単位の合計100モル%中、50モル%以上のものをいう。T単位の割合はより好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、特には95モル%以上である。
ポリオルガノシルセスキオキサンに結合する有機基Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の炭素数1~20アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、フェニル基、トリル基、およびキシリル基等のアリール基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基等のアラルキル基などが好ましく挙げられる。ポリオルガノシルセスキオキサンとして、ポリアルキルシルセスキオキサンが、特にポリメチルシルセスキオキサンシロキサンが好ましい。
光拡散剤(B)は、シリコーン系光拡散剤が好ましく、ポリメチルシルセスキオキサンシロキサンが、光拡散効果の添加効率が高く、熱分解温度が高いので樹脂組成物の耐熱性が向上する等の理由から、特に好ましい。
光拡散剤(B)は、その平均粒子径1.1~3.9μmであるものを使用する。このような平均粒子径のものをカーボンブラック(C)と組み合わせることにより、高度の遮光性を達成することができる。1.1μm未満では得られるポリカーボネート樹脂組成物の光拡散性の向上効果が少なく、光回折による透過が起こる場合があり、また樹脂組成物の製造時の分散が困難で分散不良による光漏れが生じやすく、3.9μmを超えても樹脂組成物の製造時の分散不良による光漏れが生じやすく、また光遮断効果が小さくなり、遮光性が悪くなりやすい。平均粒子径は、好ましくは1.3μm以上、より好ましくは1.5μm以上、中でも1.7μm以上、1.9μm以上、特に2μm以上が好ましく、また好ましくは3.7μm以下、より好ましくは3.5μm以下、中でも3.3μm以下、3.2μm以下、特に3μm以下が好ましく、特に2~3μmが好ましい。
なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置等を使用し、粒度分布図からD50平均値として求めることができる。
光拡散剤(B)の屈折率は1.3~1.6であることが好ましく、1.4~1.5であることがより好ましい。光拡散剤(B)の屈折率n2とポリカーボネート樹脂(A)の屈折率n1との差の絶対値(|n1-n2|)は、0.12以上であることが好ましく、このような屈折率差とすることで光の進路を妨げて遮光でき、遮光性をより高めることができる。|n1-n2|は0.13以上がより好ましく、さらに好ましくは0.14以上、特に好ましくは0.15以上であり、0.21以下がより好ましく、さらに好ましくは0.20以下、特に好ましくは0.19以下であり、特に0.15~0.19の範囲にあることが好ましい。
光拡散剤(B)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.5質量部超10質量部以下である。このような量で含有することで、高い遮光性と耐衝撃性を達成することができる。10質量部を超えると樹脂組成物の耐衝撃性が下がり、耐熱性も悪くなり、0.5質量部以下では遮光性が不十分となる。含有量は好ましくは0.7質量部以上、中でも0.8質量部以上、0.9質量部以上、特に1質量部以上であり、好ましくは8質量部以下、中でも7質量部以下、6質量部以下、特に5質量部以下が好ましく、1~5質量部が特に好ましい。
[カーボンブラック(C)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、カーボンブラック(C)を含有する。
カーボンブラックは、その製造方法、原料種等に制限はなく、従来公知の任意のもの、例えばオイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のいずれをも使用することができる。これらの中でも、着色性とコストの点からオイルファーネスブラックが好ましい。
カーボンブラック(C)の平均粒子径は適宜選択して決定すればよいが、中でも5~60nmが好ましく、更には7~55nm、特に10~50nmであることが好ましい。平均粒子径を5nm以上とすることで、流動性が向上する傾向にあり、60nm以下とすることで成形体の遮光性が向上する。
カーボンブラック(C)の窒素吸着比表面積は、通常1000m/g未満が好ましく、中でも50~400m/gであることが好ましい。窒素吸着比表面積を1000m/g未満にすることで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性や成形品の外観が向上する傾向にあり好ましい。なお、窒素吸着比表面積は、JIS K6217に準拠して測定することができる。
またカーボンブラック(C)のDBP吸収量は、300cm/100g未満であることが好ましく、中でも30~200cm/100gであることが好ましい。DBP吸収量を300cm/100g未満にすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の流動性や成形品の外観が向上する傾向にあり好ましい。なお、DBP吸収量はJIS K6217に準拠して測定することができる。
カーボンブラック(C)は、単独でまたは2種以上併用して使用することができ、また、カーボンブラックは、バインダーを用いて顆粒化することも可能であり、ポリスチレン系樹脂等の樹脂中に高濃度で溶融混練したマスターバッチで使用することも好ましい。
カーボンブラック(C)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.5質量部超3質量部以下である。このような量で含有することで、高い遮光性と耐衝撃性を達成することができる。3質量部を超えると樹脂組成物の耐衝撃性が大きく下がり、耐熱性も悪くなり、0.5質量部以下では遮光性が不十分となる。含有量は好ましくは0.6質量部以上、中でも0.7質量部以上、0.8質量部以上、特に1質量部以上であり、好ましくは2.5質量部以下、2質量部以下がより好ましく、1~2質量部が特に好ましい。
そして、本発明では、光拡散剤(B)とカーボンブラック(C)の含有量の比(B)/(C)を1以上とする。1以上とすることで、耐衝撃性を良好にし、遮光性を優れたものとすることができる。カーボンブラック(C)が相対的に多い、1未満では耐衝撃性が低下する。(B)/(C)は好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上、中でも1.4以上であり、特に好ましくは1.5以上であり、また、より好ましくは5以下、中でも4.5以下、4以下、特に好ましくは3.5以下である。
[充填材]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、充填材を含有することが好ましい。
充填材としては、平均粒子径が0.1~10μmの充填材を使用することが好ましく、より好ましくは9μm以下、中でも8μm以下、7μm以下、6μm以下、5μm以下、4μm以下、さらには3μm以下、特には2.5μm以下が好ましい。
また、好ましくは0.12μm以上、より好ましくは0.15μm以上、0.18μm以上、中でも0.2μm以上、特には0.25μm以上が好ましい。
なお、充填材の平均粒子径はレーザー回折法によりD50平均値として求めることができる。
充填材は、無機充填材が好ましく、板状の充填材がより好ましく、具体的にはタルク、マイカ、ガラスフレーク、モンモリロナイト、ハイドロタルク石、セリサイト、カオリン、アルミナ、クレー、グラファイト等が好ましく、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
これらの中では、タルクやマイカが好ましく、特にタルクが好ましい。
タルクを後記する各成分と共に含有することで、樹脂組成物をより低異方性かつ低線膨張とすることができ、より剛性も向上させることができる。
タルクとしては、平均粒子径が0.1~10μmであるものが使用される。平均粒子径は、好ましくは0.3~8μm、特に0.7~5μmであれば更に好ましい。平均粒子径を0.1μm以上とすることで樹脂組成物の熱安定性がより向上する傾向にあり、また平均粒子径を10μm以下とすることで樹脂組成物の成形品外観や剛性がより向上する。
タルクは、ポリカーボネート樹脂(A)との親和性を高めるために、表面処理が施されていることも好ましい。表面処理剤としては、具体的には例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類、トリエチルアミン等のアルカノールアミン、オルガノポリシロキサン等の有機シリコーン系化合物、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、流動パラフィン等の炭化水素系滑剤、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸、ポリグリセリン及びそれらの誘導体、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
また、タルクは、樹脂組成物に含有させたときの表面外観性および熱安定性の観点から、バインダーを用いて造粒した顆粒状のものであることも好ましい。顆粒状タルクである場合の嵩密度は0.4~1.5g/mlであることが好ましい。
充填材の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、1~50質量部である。このような範囲であることで、低線膨張かつ十分な機械物性が得られる。充填材の含有量が、1質量部を下回ると、低線膨張とすることがし難くなり、また剛性が不足しやすく、50質量部を上回ると、生産安定性が低下しまた靱性も低下しやすい。充填材の含有量は、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、好ましくは45質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらには35質量部以下、特には30質量部以下が好ましい。
[ABS樹脂]
本発明の樹脂組成物はABS樹脂を含有することも好ましい。
ABS樹脂は、芳香族ビニル単量体成分(c1)、シアン化ビニル単量体成分(c2)、ジエン系ゴム質重合体成分(c3)及びその他の単量体成分(c4)からなることが好ましく、(c1)~(c4)成分の合計100質量%に対し、芳香族ビニル単量体成分(c1)が40~80質量%、シアン化ビニル単量体成分(c2)が10~30質量%、ジエン系ゴム質重合体成分(c3)が10~30質量%及びその他の単量体成分(c4)が0~30質量%からなることが好ましい。
ABS樹脂における芳香族ビニル単量体成分(c1)としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。
芳香族ビニル単量体成分(c1)のABS樹脂中の割合は、ABS樹脂100質量%中、好ましくは40~80質量%の範囲であり、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは77質量%以下、さらに好ましくは74質量%以下、特に好ましくは70質量%以下である。
ABS樹脂におけるシアン化ビニル単量体成分(c2)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
シアン化ビニル単量体成分(c2)の割合は、ABS樹脂100質量%中、前記したように好ましくは10~30質量%の範囲であるが、より好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは14質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、またより好ましくは28質量%以下、さらに好ましくは26質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。
ABS樹脂のジエン系ゴム質重合体成分(c3)としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体等のゴム成分が用いられ、ジエン系ゴム質重合体成分(c3)のABS樹脂中の割合は、ABS樹脂100質量%中、好ましくは10~30質量%の範囲であり、より好ましくは11質量%以上、さらに好ましくは12質量%以上、特に好ましくは13質量%以上であり、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
さらに、これらと共重合可能なその他の単量体成分(c4)を共重合したものでも良く、この場合、共重合可能な他の単量体としては、例えば、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
その他の単量体成分(c4)のABS樹脂中の割合は、前記したように、好ましくはABS樹脂100質量%中、0~30質量%の範囲であるが、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
ABS樹脂の具体例としては、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-α-メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-N-フェニルマレイミド共重合体等が好ましく例示される。
ABS樹脂を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、1~20質量部であり、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また好ましくは18質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは12質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。1質量部未満の場合、低温下での耐衝撃性が低下するため好ましくない。一方、ABS樹脂の含有量が20質量部を超える場合には、耐熱性が低下したり、表面硬度が低下したりするため好ましくない。
[オレフィン・無水マレイン酸共重合体]
オレフィン・無水マレイン酸共重合体を上記及び後記各成分と共に含有することにより、ポリカーボネート樹脂と充填材の直接的な接触が阻害され、樹脂組成物の熱安定性や機械物性を改良することができ、耐衝撃性をより向上させることができる。
オレフィン・無水マレイン酸共重合体としては、オレフィン・無水マレイン酸共重合体及び/又は無水マレイン酸変性オレフィン重合体が好ましい。
オレフィン・無水マレイン酸共重合体は、無水マレイン酸と、α-オレフィンの共重合体、共役ジエン系単量体との共重合体、共役ジエン・芳香族ビニル系単量体との共重合体などが挙げられる。
α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、1-デセン等の炭素数2~10のα-オレフィンが好ましく挙げられ、これらを単独または複数以上であってもよい。これらの中でもエチレン、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1がより好ましく、エチレンにプロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1またはオクテン-1を組み合わせたものが特に好ましい。
共役ジエン系単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン(すなわち、2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン等の共役ジエン単量体が単独あるいは複数組み合わせて使用できる。これらはその重合体中に存在する不飽和結合の一部または全部が水添により還元されたものも好ましく使用できる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、中でもスチレンが好ましく使用できる。
α-オレフィン・無水マレイン酸共重合体としては、無水マレイン酸-エチレン-プロピレン共重合体、無水マレイン酸-エチレン-ブテン-1共重合体が特に好ましい。
無水マレイン酸変性オレフィン重合体におけるオレフィン系重合体としては、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1等のα-オレフィンの単独重合体もしくはエチレン系共重合体、共役ジエン系重合体(ジオレフィン系単量体の単独重合体又は共重合体)、共役ジエン・芳香族ビニル炭化水素系共重合体、非共役系ジエンなどが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることができる。
ここでいう単独重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。ポリエチレンとしてはLDPE、LLDPE、HDPEなどいずれの分子構造を持ったものも好ましく使用できる。
さらにエチレン系共重合体とは、エチレンと他の単量体との共重合体および多元共重合体を指す。エチレン系共重合体において、エチレンの共重合量は50~99モル%であることが好ましい。エチレンと共重合する他の単量体としては炭素数3以上のα-オレフィン、非共役ジエン、酢酸ビニルなどの中から選択することができる。
炭素数3以上のα-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、3-メチルペンテン-1、オクテン-1などであり、プロピレン、ブテン-1が好ましく使用できる。
これらのエチレン系共重合体の中では、エチレンと炭素数3以上のα-オレフィンとの共重合体が好ましく、具体的にはエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン-1共重合体などが特に好ましく挙げられる。
非共役系ジエンとしては、5-メチリデン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-クロチル-2-ノルボルネン、5-(2-メチル-2-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(2-エチル-2-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-メチル-5-ビニルノルボルネンなどのノルボルネン化合物、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、4,7,8,9-テトラヒドロインデン、1,5-シクロオクタジエン、1,4-ヘキサジエン、イソプレン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、11-トリデカジエンなどであり、好ましくは5-メチリデン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエンなどが挙げられる。
共役ジエン系重合体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン等の共役ジエン単量体の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。これらの重合体中に存在する不飽和結合の一部または全部が水添により還元されたものも好ましく使用できる。
さらに、共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素との共重合体を使用することもできる。例えば、共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素との比がさまざまのブロック共重合体またはランダム共重合体であり、これを構成する共役ジエンの例としては前記の単量体が挙げられ、特に1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。芳香族ビニル炭化水素の例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、中でもスチレンが好ましく使用できる。また、共役ジエン・芳香族ビニル炭化水素系共重合体の芳香環以外の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されているものも好ましく使用できる。好ましい例として、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体を部分水添してなる共重合体が挙げられる。
以上説明したオレフィン系重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体を部分水添してなる共重合体等を好ましい例として挙げることができ、エチレン・プロピレン共重合体が特に好ましい。
無水マレイン酸変性オレフィン重合体は、前記オレフィン系重合体に、無水マレイン酸をグラフト変性したものである。グラフト変性の方法については公知の手法を用いることができる。例えば、押出機を用いて溶融状態のオレフィン系重合体に所定量の不飽和カルボン酸類を混合して反応させることができる。
グラフト反応する無水マレイン酸の量は、無水マレイン酸変性オレフィン重合体100質量%基準で、通常0.005~25質量%、好ましくは0.01~20質量%の範囲である。
オレフィン・無水マレイン酸共重合体の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.1~5質量部である。このような範囲であることで、ポリカーボネート樹脂の樹脂劣化を抑制でき、耐衝撃性が高く、また発生ガスによる金型汚染が少なくなる。上記共重合体の含有量が、0.1質量部を下回ると、成形品の耐衝撃性が低下しやすく、5質量部を上回ると成形品の剛性が低下しやすく、また成形時の発生ガスに起因する金型汚染が増加しやすい。上記共重合体のより好ましい含有量は0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、より好ましくは4.5質量部以下、さらに好ましくは4質量部以下、中でも3.5質量部以下、3質量部以下、2.5質量部以下、特には2質量部以下が好ましい。
[エラストマー]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物はエラストマーを含有することも好ましく、樹脂組成物の耐衝撃性を改良することができる。
本発明に用いるエラストマーは、ゴム成分にこれと共重合可能な単量体成分とをグラフト共重合したグラフト共重合体が好ましい。グラフト共重合体の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれの製造方法であってもよく、共重合の方式は一段グラフトでも多段グラフトであってもよい。
ゴム成分は、ガラス転移温度が通常0℃以下、中でも-20℃以下が好ましく、更には-30℃以下が好ましい。ゴム成分の具体例としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブチルアクリレートやポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート共重合体などのポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴムなどのシリコーン系ゴム、ブタジエン-アクリル複合ゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN(Interpenetrating Polymer Network)型複合ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴムやエチレン-ブテンゴム、エチレン-オクテンゴムなどのエチレン-α-オレフィン系ゴム、エチレン-アクリルゴム、フッ素ゴムなど挙げることができる。これらは、単独でも2種以上を混合して使用してもよい。
これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、ポリブタジエンゴム、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴム、スチレン-ブタジエンゴムが好ましい。
ゴム成分とグラフト共重合可能な単量体成分の具体例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N-メチルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β-不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等)などが挙げられる。これらの単量体成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。
ゴム成分を共重合したグラフト共重合体は、耐衝撃性や表面外観の点からコア/シェル型グラフト共重合体タイプのものが好ましい。中でもポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分をコア層とし、その周囲に(メタ)アクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層からなる、コア/シェル型グラフト共重合体が特に好ましい。上記コア/シェル型グラフト共重合体において、ゴム成分を40質量%以上含有するものが好ましく、60質量%以上含有するものがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル酸は、10質量%以上含有するものが好ましい。
エラストマーは、上記した中でも、コア/シェル型エラストマーであることが好ましく、中でもシリコーン・アクリル複合系、アクリル系ゴム、またはブタジエン系ゴムがコアのコア/シェル型エラストマーが好ましく、特にブタジエン系ゴムがコアのコア/シェル型エラストマーが好ましい。
尚、本発明におけるコア/シェル型とは必ずしもコア層とシェル層が明確に区別できるものではなくてもよく、コアとなる部分の周囲にゴム成分をグラフト重合して得られる化合物を広く含む趣旨である。
これらコア/シェル型グラフト共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(MABS)、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体(MB)、メチルメタクリレート-アクリルゴム共重合体(MA)、メチルメタクリレート-アクリルゴム-スチレン共重合体(MAS)、メチルメタクリレート-アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート-アクリル・ブタジエンゴム-スチレン共重合体、メチルメタクリレート-(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体、ポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートとを含むシリコーン-アクリル複合ゴム等が挙げられ、ポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートとを含むシリコーン-アクリル複合ゴムおよびメチルメタクリレート-ブタジエン共重合体が特に好ましい。このようなゴム性重合体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
エラストマーの好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、1~25質量部であり、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは2.5質量部以上、特に好ましくは3質量部以上であり、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは18質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。
エラストマーは1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
[含フッ素樹脂]
含フッ素樹脂を上記した各成分と共に含有することで、含フッ素樹脂は界面活性剤のような作用を奏し耐衝撃性を向上させ、樹脂組成物の機械物性をより改良することができ、また燃焼時の滴下防止性を向上させ難燃性をより向上させることができる。そして、エラストマーと含フッ素樹脂の含有量の比(エラストマー/含フッ素樹脂)を好ましくは1超~250とすることで、衝撃強度が飛躍的に向上し、高剛性と高耐衝撃性を発現させることができる。
含フッ素樹脂としては、フルオロオレフィン樹脂が好ましい。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体であり、具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられるが、中でもテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
また、この含フッ素樹脂としては、フィブリル形成能を有するものが好ましく、具体的には、フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フィブリル形成能を有することで、耐衝撃性、曲げ弾性率が著しく向上し、また燃焼時の滴下防止性が向上する傾向にある。
また、含フッ素樹脂として、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂も好適に使用することができる。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂を用いることで、分散性が向上し、成形品の表面外観が向上し、表面異物を抑制できる。
フルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体を生成するための単量体としては、ポリカーボネート樹脂に配合する際の分散性の観点から、ポリカーボネート樹脂との親和性が高いものが好ましく、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体がより好ましい。
含フッ素樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
含フッ素樹脂の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.05~10質量部であり、その上限は好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらには3質量部以下、特には2質量部以下が好ましい。
含フッ素樹脂の含有量を0.05質量部以上とすることで、十分な機械物性向上効果が得られやすくなり、10質量部以下とすることにより樹脂組成物を成形した成形品の含フッ素樹脂の分散不良に起因する外観不良を起こりにくくし、機械的強度を高く保つことができやすい。
[難燃剤]
ポリカーボネート樹脂組成物は、難燃剤を含有することも好ましい。好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.01~30質量部、より好ましくは0.03~20質量部である。
難燃剤としては、例えば、有機金属塩系難燃剤、シロキサン系難燃剤、リン系難燃剤、ホウ素系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等が挙げられるが、本発明では特に有機金属塩系難燃剤が好ましい。
有機金属塩化合物としては、有機スルホン酸金属塩が特に好ましい。
また、金属塩化合物の金属としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であることが好ましく、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属;マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属が挙げられる。中でも特に、ナトリウム、カリウム、セシウムが好ましい。
有機スルホン酸金属塩の例を挙げると、有機スルホン酸リチウム塩、有機スルホン酸ナトリウム塩、有機スルホン酸カリウム塩、有機スルホン酸ルビジウム塩、有機スルホン酸セシウム塩、有機スルホン酸マグネシウム塩、有機スルホン酸カルシウム塩、有機スルホン酸ストロンチウム塩、有機スルホン酸バリウム塩等が挙げられる。この中でも特に、有機スルホン酸ナトリウム塩、有機スルホン酸カリウム塩、有機スルホン酸セシウム塩等の有機スルホン酸アルカリ金属塩が好ましい。
有機スルホン酸金属塩化合物のうち、好ましいものの例としては、含フッ素脂肪族スルホン酸又は芳香族スルホン酸の金属塩が挙げられる。中でも好ましいものの具体例を挙げると、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム等の、分子中に少なくとも1つのC-F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩;パーフルオロブタンスルホン酸マグネシウム、パーフルオロブタンスルホン酸カルシウム、パーフルオロブタンスルホン酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸カルシウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウム等の、分子中に少なくとも1つのC-F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ土類金属塩;等の、含フッ素脂肪族スルホン酸金属塩、
ジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン-3-スルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、(ポリ)スチレンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸カリウム、(ポリ)スチレンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸カリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、トリクロロベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸セシウム、(ポリ)スチレンスルホン酸セシウム、パラトルエンスルホン酸セシウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸セシウム、トリクロロベンゼンスルホン酸セシウム等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩;パラトルエンスルホン酸マグネシウム、パラトルエンスルホン酸カルシウム、パラトルエンスルホン酸ストロンチウム、パラトルエンスルホン酸バリウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸マグネシウム、(分岐)ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム等の、分子中に少なくとも1種の芳香族基を有する芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩;等の、芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられる。
上述した例示物の中でも、含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩が特に好ましく、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩がさらに好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等が好ましい。
なお、金属塩化合物は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
有機金属塩系難燃剤を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01~1.5質量部が好ましく、より好ましくは0.02質量部以上であり、さらに好ましくは0.03質量部以上であり、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下、中でも0.3質量部以下、特に好ましくは0.15質量部以下である。
[添加剤等]
ポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外の他の添加剤、例えば、安定剤、離型剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤あるいは他の樹脂は1種または2種以上を配合してもよい。
また、ポリカーボネート樹脂組成物は、前述したポリカーボネート樹脂(A)、オレフィン・無水マレイン酸共重合体、ABS樹脂、及びエラストマー以外の他の樹脂を含有することもできる。その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂等が挙げられる。その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
ただし、ポリカーボネート樹脂(A)以外の他の樹脂を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらには5質量部以下、特には3質量部以下が好ましい。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造]
ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、上記した必須成分、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常260~320℃の範囲である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して各種成形品を製造することができる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して成形品にすることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、極めて優れた遮光性を有し、成形体としたとき、その極めて薄い薄肉部においても優れた遮光性を示す。すなわち、樹脂組成物から成形した厚さ35μmのフィルムで測定した厚み方向の分光透過率が、好ましくは1%未満であり、より好ましくは0.8%以下、さらには0.7%以下、中でも0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、特には0.3%以下である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、ISO179に基づき測定したノッチ付きシャルピー衝撃強度(4mmt)が、好ましくは35kJ/m以上である。
ポリカーボネート樹脂組成物は、耐熱性に優れ、ISO75 A法に基づき測定した荷重たわみ温度DTULが好ましくは120℃以上であり、より好ましくは121℃以上、さらに好ましくは122℃以上、特に好ましくは123℃以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から得られた成形体は、耐衝撃性と曲げ弾性率に優れ、さらに低異方性を示すものである。
従って、その用途としては、例えば、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、投影露光装置、光学測定装置等の筐体部品やレンズ鏡筒等、携帯電話用カメラ、スマートフォン用カメラ、タブレット用カメラ、車載カメラ、アクションカメラ、ノートPC用カメラ、ドライブレコーダー、監視カメラ、ドローン搭載用小型カメラ等の筐体部品や機構部品等、車の衝突防止センサー、バックモニター用センサー、車速センサー、温度センサー、防犯用センサー、ゲーム機用モーションセンサー等のセンサーの筐体や機構部品、自動車、バイク、自転車、車椅子等のフレーム部材や外板部材、家庭用テレビ、パソコン用ディスプレイ、車載モニター、スマートフォン、ヘッドマウントディスプレイのパネル部材や機構部品等、バーコードリーダー、スキャナー等の読み取り装置の筐体や機構部品、エアコン、空気清浄器、コンプレッサー等の筐体や機構部品、有線・無線LANルーター、WIFI受信機、WIFIストレージ、USBメモリ、メモリーカード、カードリーダー、データーサーバー保存機器等の情報機器の筐体や機構部品、光学機器、半導体パッケージ基板、半導体製造装置などの製造・加工設備部品、計測機器部品等が好ましく挙げられる。
特に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物から得られた成形体は、光学機器部品に好適に用いることができ、光学モジュール、中でもレンズ保持部を有する光学モジュールに好適であり、特に成形体を含むカメラモジュール、例えばレンズユニットを構成するレンズ鏡筒(Barrel)や、レンズのホルダー、スペーサー、ストッパー等、アクチュエーターユニットを構成するスリーブや台座、ハウジング等のカメラモジュールに好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の例に限定して解釈されるものではない。
以下の実施例及び比較例で使用した原料は、以下の表1の通りである。
Figure 0007680943000002
(実施例~4、参考例1、比較例1~7)
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記した各成分を、表2に記載した割合(全て質量部)で配合し、タンブラーミキサーにて均一混合した後、ホッパーから、押出機にフィードして溶融混練した。
押出機としては、日本製鋼所社製二軸押出機(「TEX25αIII」、L/D=52.5)を用い、スクリュー回転数200rpm、シリンダー温度280℃、吐出量25kg/hrの条件で溶融押出した。押出されたストランドを水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化した。
上記製造方法で得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製のNEX80射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度100℃、射出速度30mm/s、保圧90MPaの条件で、厚さ4mmのISOダンベル試験片成形品を成形した。
[シャルピー衝撃強度(ノッチ付き)の測定]
上記で得られたISOダンベル片(厚さ4mm)を用い、ISO179に基づき、ノッチ付きシャルピー強度(単位:kJ/m)を測定した。
[耐熱性(荷重たわみ温度、DTUL)の測定]
上記で得られたISOダンベル片(厚さ4mm)を用い、ISO75 A法に基づき、荷重1.80MPaの条件で荷重たわみ温度(DTUL、単位:℃)を測定した。
[透過率(%)の測定]
上記製造方法で得られたペレットを、120℃で4時間乾燥させた後、東洋精機社製プレス成形機「ミニテストプレス」を用い、温度240℃、プレス圧25MPaで厚さ35μmのフィルムを成形した。
このフィルムについて、波長700nmで、厚み方向の分光透過率(単位:%)の測定を行った。測定は島津製作所社製紫外可視光分光光度計「UV-2700」を用い、C光源、2°視野にて行った。
以上の評価結果を、以下の表2に示す。なお、表2中のカーボンブラック(C1)の量は、マスターバッチとしての量ではなく、カーボンブラックとしての量として表記している。
Figure 0007680943000003
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、遮光性が極めて高く、且つ耐衝撃性に優れるので、光学機器部品他、各種の用途に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、光拡散剤(B)0.5質量部超10質量部以下、カーボンブラック(C)0.5質量部超3質量部以下を含有し、光拡散剤(B)の平均粒子径が1.1~3.9μmであり、光拡散剤(B)とカーボンブラック(C)の含有量の比(B)/(C)が1.5以上であり、
    樹脂組成物から成形した厚さ35μmのフィルムで測定した厚み方向の分光透過率が0.5%以下であり、
    ISO178に基づき測定したノッチ付きシャルピー衝撃強度が40kJ/m 以上であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. ポリカーボネート樹脂(A)の屈折率n1と光拡散剤(B)の屈折率n2との差の絶対値(|n1-n2|)が0.12以上である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 光拡散剤(B)がシリコーン系光拡散剤である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 光拡散剤(B)がポリメチルシルセスキオキサンである請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
  6. 請求項に記載の成形体を含む光学モジュール。
JP2021187309A 2021-11-17 2021-11-17 ポリカーボネート樹脂組成物 Active JP7680943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021187309A JP7680943B2 (ja) 2021-11-17 2021-11-17 ポリカーボネート樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021187309A JP7680943B2 (ja) 2021-11-17 2021-11-17 ポリカーボネート樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023074378A JP2023074378A (ja) 2023-05-29
JP7680943B2 true JP7680943B2 (ja) 2025-05-21

Family

ID=86537563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021187309A Active JP7680943B2 (ja) 2021-11-17 2021-11-17 ポリカーボネート樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7680943B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011030772A1 (ja) 2009-09-14 2011-03-17 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体
JP2012251084A (ja) 2011-06-03 2012-12-20 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP2015025128A (ja) 2013-07-26 2015-02-05 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co.,Ltd. 導電性シート用組成物
JP2015199954A (ja) 2014-04-04 2015-11-12 三菱化学株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品
JP2020125376A (ja) 2019-02-01 2020-08-20 大日精化工業株式会社 樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011030772A1 (ja) 2009-09-14 2011-03-17 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体
JP2012251084A (ja) 2011-06-03 2012-12-20 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP2015025128A (ja) 2013-07-26 2015-02-05 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co.,Ltd. 導電性シート用組成物
JP2015199954A (ja) 2014-04-04 2015-11-12 三菱化学株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品
JP2020125376A (ja) 2019-02-01 2020-08-20 大日精化工業株式会社 樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023074378A (ja) 2023-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102165014B (zh) 聚碳酸酯树脂组合物及成形体
JP5555588B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
CN102341456B (zh) 芳族聚碳酸酯树脂组合物、所述树脂组合物的生产方法及其成型品
JP5383398B2 (ja) 電池パック用ポリカーボネート樹脂組成物及び電池パック
CN101395222B (zh) 热塑性树脂组合物和树脂成形体
JP6147595B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法
WO2013157345A1 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP5449443B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP5449458B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP5660015B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP5427767B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形品および成形品の製造方法
JP7500566B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
CN102875988A (zh) 外观优异的由芳香族聚碳酸酯树脂组合物构成的成型品
JP7680943B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP5910298B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
JP2013133361A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP5673509B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP5973333B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP2013112752A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP5074011B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びこれを成形してなる樹脂成形体
JP2020158663A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP4056363B2 (ja) 強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれから形成された成形品
JP5655765B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP6143357B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
KR101868672B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 형성된 성형품

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20240524

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20250306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20250311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20250403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20250507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20250509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7680943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150