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JP7684437B2 - エアバッグ - Google Patents
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JP7684437B2 - エアバッグ - Google Patents

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本発明は、車両に搭載されるエアバッグ装置に使用されるエアバッグに関する。より詳しくは、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグにおいて縫製部の破れを低減したエアバッグに関する。
本発明は、車両に搭載されるエアバッグ装置に使用されるエアバッグに関する。より詳しくは、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグにおいて縫製部の破れを低減したエアバッグに関する。
従来、車両に搭載されるエアバッグ装置のエアバッグとしては、膨張完了時の厚さを規定する場合、対向するパネル相互を連結するテザーが、対向するパネル間の距離を決めるように構成されていた。以下の特許文献1は、歩行者用エアバッグであり、対向パネル相互の間のテザーは、車幅の2分の1から3分の1ほどの長さに至る幅広のテザーである。テザーによって車両の広いフードカバー(ボンネット)を広く覆うエアバッグの膨張展開構造を支える形態となっている。
しかしながら、特許文献1には、パネルとテザー(分割体(テザーの継ぎ合わせからなる)との間の縫合が具体的にどのようなものであるかは、記載されておらず、ましてや縫合の強度については記載されていない。
以下の特許文献2には、バッグの慣性質量が小さく、かつ、部品点数の削減と製造コストの低減も可能なエアバッグ装置のバッグ構造を提供すべく、ガス流入開口が形成されたガス流入開口側半部21aと衝合側半部21bとを縫合とを縫合してバッグ21を形成し、このバッグ21の内部に一端が前記ガス流入開口側半部21aに係止し他端が前記衝合側半部21b内目に縫着する布製に紐体23(テザーに相当する)を配置し、この紐体23で膨張展開時のバッグ21形状を規制するエアバッグ装置において、前記紐体23を横糸あるいは縦糸の延在方向が紐体23の長手方向に対し斜めになるように配置(バイアス配置)するとともに、この紐体23の上記他端を前記衝合側半部21b内面へ幅方向両側にそれぞれ所定幅の非縫着部分δを設定して縫着したものが開示されている。特許文献2には、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたもの、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものが、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものよりも、破断し易いものであったと記載されている(同書表1参照)。また、特許文献2には、縫着部が略矩形状を成し、端部両角にC面取り(角度α)を施し、面積が長手方向に漸増すること、略楕円形状に縫合し、長手方向両端の面積を穏やかに変化させることにより、バッグの膨張展開時にテザーに衝撃的な力が作用しても、縫製部に応力集中挙動が発生することがなく、剥離等の不都合が防止できることが記載されている(同書図4b、図5、図6参照)。運転席用エアバッグであり、細い紐状のテザーが、膨張展開構造を規定している。
しかしながら、特許文献2に記載されたテザーは、全体幅が比較例狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
以下の特許文献3には、車両特に自動車両内の乗客のための衝突保護装置に関するもので、クッション又はカバープレート、エアバッグ、固定用構成要素、電子又は機械装置及び気体発生器から成っており、エアバッグは被覆された又は被覆されていない織物と、火炎防止装置が取り付けられていてもよい気体入口開口を有する株(2)と上部(1)と、一層又は多層の安全止めバンド(テザーに相当する)(3)から成っており、安全止めバンドの端部は、上部、下部、他の構成要素又はそれらの1つ以上と共に、安全止めバンドの端部内部に略円形又は長方形の縫い目(4)により、固着されているものが開示されている(同書図1~4参照)。特許文献3には、負荷の場合には、その結果生じる力が十分安全に安全止めバンドの形状と接続点を経て、接続構成要素(上部と下部)に伝達されなければならず、あまり急激に力を伝達すると、接続部と同様構成要素にも破損の危険生じること、安全止めバンドに力を加えると、特に強い力が方向X(力に面した側)に生じ、一方、方向Y(力に面していない側)では(同書図1参照)力が作用せず最も小さいこと、それゆえ、応力下の安全止めバンドに関して力を消失するような縫製の有用な形状として、ほぼ長円形状になっているがその力に面した側は力がかかっていない側よりも形状が丸くなっている閉鎖二重縫製、縫い目系の全体が衝撃に面した側に設けられている閉鎖円形の単一縫製、力が加わらない側で開放されている二重縫い目が提案されている(同書図2a、図2b、図3参照)。運転席用エアバッグであり、細い紐状のテザーが、膨張展開構造を規定している。
しかしながら、特許文献3に記載されたテザーは、全体幅が比較的狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
従来、車両に搭載されるエアバッグ装置のエアバッグとしては、膨張完了時の厚さを規定する場合、対向するパネル相互を連結するテザーが、対向するパネル間の距離を決めるように構成されていた。
以下の特許文献1は、歩行者用エアバッグであり、対向パネル相互の間のテザーは、車幅の2分の1から3分の1ほどの長さに至る幅広のテザーである。テザーによって車両の広いフードカバー(ボンネット)を広く覆うエアバッグの膨張展開構造を支える形態となっている。
しかしながら、特許文献1には、パネルとテザー(分割体の継ぎ合わせからなる)との間の縫合が具体的にどのようなものであるかは、記載されておらず、ましてや縫合の強度については記載されていない。
以下の特許文献2には、バッグの慣性質量が小さく、かつ、部品点数の削減と製造コストの低減も可能なエアバッグ装置のバッグ構造を提供すべく、ガス流入開口が形成されたガス流入開口側半部21aと衝合側半部21bとを縫合とを縫合してバッグ21を形成し、このバッグ21の内部に一端が前記ガス流入開口側半部21aに係止し他端が前記衝合側半部21b内目に縫着する布製に紐体23(テザーに相当する)を配置し、この紐体23で膨張展開時のバッグ21形状を規制するエアバッグ装置において、前記紐体23を横糸あるいは縦糸の延在方向が紐体23の長手方向に対し斜めになるように配置(バイアス配置)するとともに、この紐体23の上記他端を前記衝合側半部21b内面へ幅方向両側にそれぞれ所定幅の非縫着部分δを設定して縫着したものが開示されている。特許文献2には、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたともの、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものが、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものよりも、破断し易いものであったと記載されている(同書表1参照)。また、特許文献2には、縫着部が略矩形状を成し、端部両角にC面取り(角度α)を施し、面積が長手方向に漸増すること、略楕円形状に縫合し、長手方向両端の面積を穏やかに変化させることにより、バッグの膨張展開時にテザーに衝撃的な力が作用しても、縫製部に応力集中挙動が発生することがなく、剥離等の不都合が防止できることが記載されている(同書図4b、図5、図6参照)。運転席用エアバッグであり、細い紐状のテザーが、膨張展開構造を規定している。テザーの縫合には、略楕円形状などの幾何的縫合線が提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載されたテザーは、全体幅が比較例狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
以下の特許文献3には、車両特に自動車両内の乗客のための衝突保護装置に関するもので、クッション又はカバープレート、エアバッグ、固定用構成要素、電子又は機械装置及び気体発生器から成っており、エアバッグは被覆された又は被覆されていない織物と、火炎防止装置が取り付けられていてもよい気体入口開口を有する株(2)と上部(1)と、一層又は多層の安全止めバンド(テザーに相当する)(3)から成っており、安全止めバンドの端部は、上部、下部、他の構成要素又はそれらの1つ以上と共に、安全止めバンドの端部内部に略円形又は長方形の縫い目(4)により、固着されているものが開示されている(同書図1~4参照)。特許文献3には、負荷の場合には、その結果生じる力が十分安全に安全止めバンドの形状と接続点を経て、接続構成要素(上部と下部)に伝達されなければならず、あまり急激に力を伝達すると、接続部と同様構成要素にも破損の危険生じること、安全止めバンドに力を加えると、特に強い力が方向X(力に面した側)に生じ、一方、方向Y(力に面していない側)では(同書図1参照)力が作用せず最も小さいこと、それゆえ、応力下の安全止めバンドに関して力を消失するような縫製の有用な形状として、ほぼ長円形状になっているがその力に面した側は力がかかっていない側よりも形状が丸くなっている閉鎖二重縫製、縫い目系の全体が衝撃に面した側に設けられている閉鎖円形の単一縫製、力が加わらない側で開放されている二重縫い目が提案されている(同書図2a、図2b、図3参照)。運転席用エアバッグであり、細い紐状のテザーが、膨張展開構造を規定している。テザーの縫合には、略楕円形状などの幾何的縫合線を用い、テザーも縫合線なりに湾曲した形状となることが提案されている。
しかしながら、特許文献3に記載されたテザーは、全体幅が比較的狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
特開2019-172170号公報 実開平05-046615号公報 特表平11-501269号公報
エアバッグの軽量化・コンパクト化に伴い、基布の薄地化が要求されているが、通常、基布が薄地化するとその強力は低くなるため、縫製部を起点とする破れが発生するリスクは高くなる。したがって、縫合(縫製形態)により破れを低減することが重要となる。
本願発明者らは、図1に示すように、例えば、特許文献1に記載された幅広のデザー布と基布パネル基との間の縫合について、膨張展開時の応力集中に因り縫製部の端が破れ起点となり縫製部の損傷につながりやすいことに着目した。かかる縫製部の損傷は、エアバッグの内圧保持、それゆえ人体(歩行者)の保護のために避けなければならない。
また、幅広のテザーは幅細のテザーに比べ強度が高いため、エアバッグの膨張展開時により応力がかかる部位・設計に適用可能であるが、一方で応力集中による縫製部を起点とした破れが発生する可能性も高くなるため、その低減が重要である。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグにおいて縫製部の破れを低減したエアバッグを提供すること、及び強度の高い縫製形態を用いて該エアバッグを製造する方法を提供することである。
エアバッグの軽量化・コンパクト化に伴い、基布の薄地化が要求されているが、通常、基布が薄地化するとその強力は低くなるため、縫製部を起点とする破れが発生するリスクは高くなる。したがって、縫合(縫製形態)により破れを低減することが重要となる。
本願発明者らは、図1に示すように、例えば、特許文献1に記載された幅広のデザー布と基布パネル基との間の縫合について、膨張展開時の応力集中に因り縫製部の端が破れ起点となり縫製部の損傷につながりやすいことに着目した。かかる縫製部の損傷は、エアバッグの内圧保持、それゆえ人体(歩行者)の保護のために避けなければならない。
また、幅広のテザーは幅細のテザーに比べ強度が高いため、エアバッグの膨張展開時により応力がかかる部位・設計に適用可能であるが、一方で応力集中による縫製部を起点とした破れが発生する可能性も高くなるため、その低減が重要である。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグにおいて縫製部の破れを低減したエアバッグを提供すること、及び強度の高い縫製形態を用いて該エアバッグを製造する方法を提供することである。
本願発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、以下に規定する特定形状の縫合(縫製形態)により前記課題を解決できることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
該基布パネルと該テザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有することを特徴とするエアバッグ。
[2]前記テザー布の所定幅が50mm以上500mm以下である、前記[1]に記載のエアバッグ。
[3]前記直線状の縫合の長さが5mm以上100mm以下である、前記[1]又は[2]に記載のエアバッグ。
[4]前記仮想ラインに沿って並んだ直線状の縫合の間隔が、5mm以上50mm以下である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のエアバッグ。
[5]前記直線状の縫合の長さに対する、前記直線状の縫合の間隔の割合である(直線状の縫合の間隔/直線状の縫合の長さ)が、0.2以上1.5以下である、前記[1]~[4]のいずれかに記載のエアバッグ。
[6]前記直線状の縫合の端部の屈曲角度が60°以上120°以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載のエアバッグ。
[7]前記直線状の縫合の端部の屈曲部の長さが3mm以上50mm以下である、前記[1]~[6]のいずれかに記載のエアバッグ。
[8]前記仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合が、仮想ラインの長さ10cm当たり2個以上20個以下で存在する、前記[1]~[7]のいずれかに記載のエアバッグ。
[9]前記直線状の縫合は、その一辺を前記仮想ラインと共有する多角形若しくは半円又はそれらの一部である、前記[1]~[8]のいずれかに記載のエアバッグ。
[10]前記直線状の縫合は、それぞれ異なる縫合の一部である、前期[1]~[9]のいずれかに記載のエアバッグ。
[11]前記直線状の縫合は、前記仮想ライン上の、連続した矩形波の一部である、前記[1]~[10]のいずれかに記載のエアバッグ。
[12]前記エアバッグは、歩行者用エアバッグである、前記[1]~[11]のいずれかに記載のエアバッグ。
[13]一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグの製造方法であって、以下の工程:
該基布パネルと該テザー布とを、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有する縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法。
[14]前記直線状の縫合が、連続した縫合の一部であり、連続的に縫合する工程を含む、前期[13]に記載のエアバッグの製造方法。
本願発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、以下に規定する特定形状の縫合(特定縫製形態)により前記課題を解決できることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[15]一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
該基布パネルと該テザー布との縫合が、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の凸の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にあることを特徴とするエアバッグ。
[16]前記テザー布の所定幅が100mm以上500mm以下である、前記[15]に記載のエアバッグ。
[17]前記仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合のうち、最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離が、1mm以上100mm以下である、前記[15]又は[16]に記載のエアバッグ。
[18]前記仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合の、仮想ラインと並行な方向の長さを曲線の縫合の幅としたとき、曲線の縫合の幅が5mm以上100mm以下である、前記[15]~[17]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[19]最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離)/(曲線の縫合の幅)により算出される値が、0.1以上2.0以下である、前記[15]~[18]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[20]隣り合う前記曲線の縫合の凸の頂点間の間隔が、5mm以上100mm以下である、前記[15]~[19]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[21]前記隣り合う曲線の縫合の凸の頂点間の間隔から、前記曲線の縫合の幅を減じた値が、0mm以上50mm以下である、前記[15]~[20]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[22](曲線の縫合の凸の頂点間の間隔-円弧上の縫合の幅)/(曲線の縫合の幅)により算出される値が、0以上1.5以下である、前記[15]~[21]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[23]前記仮想ラインに沿って並んだ曲線の縫合が、仮想ライン10cm当たり2個以上20個以下で存在する、前記[15]~[22]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[24]前記曲線の縫合の形状が、円若しくは楕円の一部である、前記[15]~[23]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[25]前記仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合が、それぞれ別の縫合の一部であり、かつ、離散している、前記[15]~[24]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[26]前記曲線の縫合は、連続した縫合の一部である、前記[15]~[25]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[27]前記曲線の縫合は、前記仮想ラインと並行する連続したサインカーブの一部である、前記[15]~[26]のいずれかに記載のエアバッグ。
[28]前記エアバッグは、歩行者用エアバッグである、前記[15]~[27]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[29]一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグの製造方法であって、以下の工程:
該基布パネルと該テザー布とを、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の凸の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にある縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法。
[30]前記曲線の縫合は、連続した縫合またはその一部であり、連続的に縫合する工程を含む、前記[29]に記載のエアバッグの製造方法。
本発明に係るエアバッグは、特定縫製形態の縫合に因り、縫製部の破れが低減された、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグ、及びその製造方法である。特定縫製形態では、直線状の縫合が離散し、かつ、各縫合の端部に、テザー布の縫代端(奥行方向)に向かう屈曲部があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、奥行方向に応力が分散し、より強度が高くなる。さらに、特定縫製形態では、多数の直線状の縫合が離散しており縫合の端部の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増え、その結果、端部1箇所当たりの応力が低減し、端部からの破れがない。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
本発明に係るエアバッグは、特定縫製形態の縫合に因り、縫製部の破れが低減された、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグ、及びその製造方法である。特定縫製形態では、テザー布の縫代端(奥行方向)の反対側(応力のかかる側)に凸となる複数個の曲線の縫合が好ましくは離散して存在し、テザー布の縫代端に向かう屈曲部(曲線の一部)があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、奥行方向に応力が分散し、より強度が高くなる。さらに、特定縫製形態では、複数の曲線の縫合が離散している場合、該屈曲部(曲線の一部)の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増えるものの、端部1箇所当たりの応力はかえって低減し、端部からの破れがない。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
特許文献1に記載された、膨張展開時に、自動車のフードパネルからカウルやウンドシールドの前縁の上方を覆う歩行者用エアバッグ、及び該エアバッグのテザー部とパネル基布との間の縫合部を例示する図面である。(A)は自動車の断面、(B)は模式図である。 実施例、比較例におけるテザー布とパネル基布の間の縫合(縫製形態)の表し方を示す説明図である。 比較例の試験片における縫製の端部の破れ(左側)と、本実施形態の縫製形態における破れの不存在(右側)とを例示する図面と写真である。 実施例1-1~1-7、比較例1-1、1-2の縫製形態の図面である。 実施例、比較例における縫製強度の測定方法の概要を示す説明図である。
特許文献1に記載された、膨張展開時に、自動車のフードパネルからカウルやウンドシールドの前縁の上方を覆う歩行者用エアバッグ、及び該エアバッグのテザー部とパネル基布との間の縫合部を例示する図面である。(A)は自動車の断面、(B)は模式図である。 実施例、比較例におけるテザー布とパネル基布の間の縫合(縫製形態)の表し方を示す説明図である。尚、図6の右側図において、「仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合の、仮想ラインと並行な方向の長さを曲線の縫合の幅(直線)」とは、7の長さであること、「仮想ラインに沿って並んだ曲線の縫合の凸の頂点間の間隔」とは、8の長さであること、「仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合のうち、最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離」とは、9の長さであることを示す。 比較例の試験片における縫製の端部の破れ(左側)と、本実施形態の縫製形態における破れの不存在(右側)とを例示する図面と写真である。 実施例2-1~2-3、2-4、2-4b、2-5~2-7、比較例2-1、2-2の縫製形態の図面である。 実施例、比較例における縫製強度の測定方法に関する試験(片)の概要を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の1の実施形態は、一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
該基布パネルと該テザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有することを特徴とするエアバッグである。
前記基布パネルと前記テザー布との縫合とは、例えば、図1に示す特許文献1に記載された歩行者用エアバッグにおいて、(B)の66a(41a)で表される縫合であることができる。
本願発明者らは、かかる縫合の端部に応力が集中し破れ起点となりやすいことを見つけ、これに着目し、破れの発生をより低減できる特定縫製形態の縫合を見出した。
本明細書中、「特定縫製形態」とは、前記したように、基布パネルとテザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有することを特徴とする縫製形態をいう。
本明細書中、用語「仮想ライン」とは、基布パネルとテザー布が縫合された状態において、基布パネルの薄板に対して、テザー布薄板の折り部が重ね合わされた形状を仮想し、この折り線のことを指している。これは、エアバッグ膨張時に一対の基布パネル間隔を規制するテザーが、膨張圧を受ける作用点となる部位(ライン)におおむね相当するからである。あるいは、「仮想ライン」は、パネル基布とテザー布を重ねて縫製する際に、ミシンの針を通過させようとする直線又は曲線の縫合設計ラインであることができる。
特定縫製形態の一例として、逆三角形が一定間隔で仮想ラインに沿って並んだ縫合を図2に示す。図2における縫製形態の模式的な表し方においては、「仮想ライン」は、テザー布の縫代の上側のライン(4)に相当する。
この例では、仮想ライン上に複数の逆三角形の一辺が配置され、これらの1辺の長さの合計量は、幅広テザーに要求される、応力のかかる部分の縫製の長さの合計量を確保しており、縫合の間隔が広すぎるため、縫製量が単純に少なくなって強度が低下することはない。また、この例では、前記逆三角形の1辺である直線状の縫合が離散し、かつ、各縫合の端部に、テザー布の縫代端(図2の5)に向かう屈曲部(逆三角形の他の2辺)があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、縫代端方向(図2右側図では下方)に応力が分散し、より強度が高くなる(図3右側参照)。このとき、パネル基布に皺を発生するため、応力分散している様子が観測される。さらに、この例では、多数の直線状の縫合が離散しており縫合の端部(仮想ライン上にある逆三角形の頂点)の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増え、その結果、端部1箇所当たりの応力が低下し、端部からの破れがない(図3の左側と右側を対比)。
図4、以下の実施例1-1~1-4、1-6、1-7に、特定補正形態の他の例を示す。これらのいずれの例も、前記特定縫製形態であることが分かる。
さらに、実施例1-1~1-5のように、仮想ライン上の直線状の縫合が、それぞれ異なる縫合の一部である場合は、エアバッグを折りたたんで収納する際に、縫製糸がない部分で折りたたむことができるため、仮想ラインに対して垂直な方向に折り曲げるときの縫製部曲げ厚みを減少させることができ、エアバッグの収納性を向上させることができる。
前記テザー布の所定幅は、50mm以上500mm以下であることが好ましく、100mm以上500mm以下がより好ましく、100mm以上400mm以下がさらに好ましく、200mm以上400mm以下が特かに好ましい。前記した特定縫製形態は、この範囲を有する幅広のテザーの応力に耐えることができる強度を有している。
テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ1つの直線状の縫合長さは、5mm以上100mm以下であることが好ましく、10mm以上50mm以下がより好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量と、十分な数の縫合端部を確保することができる。すなわり、この長さが十分でないと、応力のかかる縫製量が少なくなる。
前記仮想ラインに沿って並んだ直線状の縫合の間隔は、5mm以上50mm以下であることが好ましく、7mm以上20mm以下がより好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量と、十分な数の縫合端部を確保することができる。この間隔が広すぎると応力のかかる縫製量が少なくなり、また、狭すぎると、応力が分散しにくくなる。
前記直線状の縫合の長さに対する、前記直線状の縫合の間隔の割合である(直線状の縫合の間隔/直線状の縫合の長さ)は、0.2以上1.5以下であることが好ましく、0.3以上1.0以下がより好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量と、十分な数の縫合端部を確保することができる。
前記直線状の縫合の端部の屈曲角度は、60°以上120°以下であることが好ましく、70°以上110°以下がより好ましい。屈曲角度が60°未満120°超であると、縫製形態が点線状に近づくため、応力がかかったとき、奥行方向(図2では下方)に応力が分散しにくく、強度が低下する。すなわち、屈曲角度が鋭角すぎると、端部が直線状に近くなり、他方、鈍角すぎても、同様に端部が直線状に近くなる。
前記直線状の縫合の端部の屈曲部の長さは、3mm以上50mm以下であることが好ましく、5mm以上30mm以下がより好ましい。この長さが3mm未満であると、応力がかかったとき、奥行方向(図2では下方)に応力が分散しにくく、強度が低下し、他方、50mm超えであると、圧力の分散は良好になるが、縫合量が増えるため、生産性が低下する。すなわち、この長さが短すぎると、端部が直線状に近くなり、応力を受ける部分が少なくなる。
前記仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合は、仮想ラインの長さ10cm当たり2個以上20個以下で存在することが好ましく、2個以上10個以下で存在することがより好ましく、3個以上10個以下で存在することがっさらに好ましく、4個以上7個以下で存在する事が特に好ましい。尚、仮想ラインの長さは複数個離散して並んだ直線状の縫合の端部のうち、最も外側となる2つの端部の間の距離とする。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量と、十分な数の縫合端部を確保することができる。
前記直線状の縫合は、特定縫製形態の要件を満たす限り、その一辺を前記仮想ラインと共有する多角形若しくは半円又はそれらの一部であることができる。また、前記直線状の縫合は、前記仮想ライン上の、連続した矩形波の一部であることもできる。
前記したように、図4、以下の実施例1-1~1-4、1-6、1-7に示す縫製形態は、特定補正形態の一例である。
尚、屈曲部が片端のみであってもよいが、両端を屈曲させた方が応力分散に高い効果を奏する。また、矩形波において、振幅が小さい場合には、直線状に近くなり、応力を受ける部分が少なくなる。また、前記仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合は、そのそれぞれに応力が分散されるのであれば、全てが仮想ラインに完全に一致していなくてもよく、一部が仮想ラインに対し前後して配置されてよい。また、特定縫製形状は、例えば、同じ逆三角形が間隔を空けて並んだものでも、逆三角形と四角形が交互に並んだものであって構わない。
前記直線状の縫合を含む基布パネルとテザー布との縫合は、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものでも、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものでも、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものであってもよい。基布パネルとテザー布との縫合を、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものや、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものとすることで、テザーの全幅でエアバッグの膨張展開構造を支えることができ、材料の利用効率がよい。他方、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものとすることで、テザーの端部への極端な応力集中の発生を防ぎ、テザー布としてより低繊度の基布を選定でき、エアバッグの収納性に寄与する。
本発明に係るエアバッグは、好ましくは歩行者用エアバッグである。
本発明の他の態様は、一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグの製造方法であって、以下の工程:
該基布パネルと該テザー布とを、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有する縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法である。
縫合方法は、特に制限はなく、例えば、テザー布と基布パネルを平面状に重ねて平面縫製により縫合して特定縫製形態とすることができ、縫合作業に手間取らないため、生産性が著しく低下することはない。縫合手段も、特に制限はなく、例えば、JUKI製LU-2210シリーズを用いて、あらかじめ基布に引いておいた縫製線にしたがってマニュアル縫製により縫合したり、JUKI製AMS-221ENシリーズのような工業用ミシンを用いて、縫製形態をプログラムすることにより得ることができる。
前記仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合が、連続した縫合の一部であれば、連続的に縫合する工程とすることで生産性を向上させることができる。また、縫い始め及び縫い終わりが少なくなることで、縫製欠点の減少に寄与することができる。
テザー布は、特に制限はないが、例えば、総繊度470dtex、フィラメント数136本のナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した織密度49本/inchの平織物であることができる。テザー布には耐熱性付与のために被覆物を付与することができ、例えばシリコーン樹脂を25g/m2塗工することができる。
パネル基布も、特に制限はないが、例えば、総繊度235dtex、フィラメント数72本のナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した織密度72本/inchの平織物であることができる。テザー布には耐熱性や内圧保持性付与のために被覆物を付与することができ、例えばシリコーン樹脂を17g/m2塗工することができる。
特定縫製形態を構成する縫合糸も、特に制限はないが、ミシンの縫合糸としてナイロン66やポリエステル糸を用いることができる。縫合糸の繊度にも特に制限はないが、強度と収納性の両立の観点から、400dtex以上2000dtex以下が好ましい。縫合糸には縫製作業性の観点から撚りが入っていることが好ましく、1本撚りであっても、3本撚りのような複数本の原糸を撚り合わせたものであってもよい。また、上糸と下糸は同じものを用いても、異なるものにしてもよい。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の1の実施形態は、一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
該基布パネルと該テザー布との縫合が、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にあることを特徴とするエアバッグである。
前記基布パネルと前記テザー布との縫合とは、例えば、図6に示す特許文献1に記載された歩行者用エアバッグにおいて、図B部の66a(41a)で表される縫合であることができる。
本願発明者らは、かかる縫合の端部に応力が集中し破れ起点となりやすいことを見つけ、これに着目し、破れの発生をより低減できる特定縫製形態の縫合を見出した。
本明細書中、「特定縫製形態」とは、前記したように、基布パネルとテザー布との縫合が、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にあることを特徴とする縫製形態をいう。
本明細書中、用語「仮想ライン」とは、基布パネルとテザー布が縫合された状態において、基布パネルの薄板に対して、テザー布薄板の折り部が重ね合わされた形状を仮想し、この折り線のことを指している。これは、エアバッグ膨張時に一対の基布パネル間隔を規制するテザーが、膨張圧を受ける作用点となる部位(ライン)におおむね相当するからである。あるいは、「仮想ライン」は、パネル基布とテザー布を重ねて縫製する際に、ミシンの針を通過させようとする直線又は曲線の縫合設計ラインであることができる。
特定縫製形態の一例として、円形が一定間隔で仮想ラインに沿って並んだ縫合を図7に示す。図7における縫製形態の模式的な表し方においては、「仮想ライン」は、テザー布の縫代の上側のライン(4)に相当する。
この例では、仮想ライン上に複数の円が配置され、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分の長さの合計量は、幅広テザーに要求される、応力のかかる部分の縫製の長さの合計量を確保しており、縫合の間隔が広すぎるため、縫製量が単純に少なくなって強度が低下することはない。また、この例では、仮想ラインに並ぶ曲線の縫合が離散し、かつ、各縫合には、テザー布の縫代端(図7の5)に向かう2つの屈曲部(曲線の一部)があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、縫代端方向(図7右側図では下方)に応力が分散し、より強度が高くなる(図8右側参照)。このとき、パネル基布に皺を発生するため、応力分散している様子が観測される。さらに、この例では、多数の円状の縫合が離散しており縫合の屈曲部(曲線の一部)の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増え、該箇所1箇所当たりがうける応力は低下し、該箇所からの破れがない(図8の左側と右側を対比)。
図9、以下の実施例2-1~2-7に、特定補正形態の例を示す。これらのいずれの例も、前記特定縫製形態であることが分かる。
さらに、実施例2-1、2-3~2-5のように、仮想ラインに並ぶ曲線の縫合が、それぞれ異なる縫合の一部であり、かつ離散している場合は、エアバッグを折りたたんで収納する際に、縫製糸がない部分で折りたたむことができるため、仮想ラインに対して垂直な方向に折り曲げるときの縫製部曲げ厚みを減少させることができ、エアバッグの収納性を向上させることができる。
前記テザー布の所定幅は、50mm以上500mm以下であることが好ましく、100mm以上500mm以下であることがより好ましく、200mm以上400mm以下がさらに好ましい。前記した特定縫製形態は、この範囲を有する幅広のテザーの応力に耐えることができる強度を有している。
テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合のうち、最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離は、1mm以上100mm以下であることが好ましく、5mm以上50mm以下がより好ましく、10mm以上20mm以下がさらに好ましい。この範囲であれば、生産性に影響せず、十分な長さの屈曲部(曲線の一部)を確保することができる。
尚、テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合が、円や楕円及びサインカーブの一部である場合、図7に示すように、テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分と、テザー布の縫代端側に凸となる部分の境界を、テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合のうち最も仮想ラインから離れた部分とする。言い換えれば、テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合とは、図7の円やサインカーブの例においては、凸形状が上方向と下方向に向かう境界で分けたときの上の部分を指す。
テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合の、仮想ラインと並行な方向の長さを曲線の縫合の幅(直線)としたとき、曲線の縫合の幅が5mm以上100mm以下であることが好ましく、10mm以上100mm以下であることがより好ましく、10mm以上50mm以下であることがさらに好ましく、20mm以上50mm以下であることが特に好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合を確保することができる
尚、複数個の曲線の縫合が円や楕円及びサインカーブの一部である場合、図7に示すように、テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分の仮想ラインと並行な方向の長さを曲線の縫合の幅とし、テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分とテザー布の縫代端側に凸となる部分の境界を曲線の縫合の幅の始端または終端とする。
前記曲線の縫合の(最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離)/(曲線の縫合の幅)により算出される値は、0.1以上2.0以下であることが好ましく、0.5以上1.0以下であることがより好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合と、十分な長さの屈曲部(曲線の一部)を確保することができる。
前記縫合ラインに沿って並んだ曲線の縫合の凸の頂点間の間隔は、5mm以上100mm以下であることが好ましく、10mm以上100mm以下であることがより好ましく、15mm以上100mm以下であることがさらに好ましく、20mm以上50mm以下が特に好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量と、十分な数の屈曲部(曲線の一部)を確保することができる。この間隔が広すぎると応力のかかる縫製量が少なくなり、また、狭すぎると、応力が集中しやすい箇所となりにくく、結果として該箇所1箇所当たりがうける応力は増大する。
なお、複数個の曲線の縫合が円や楕円及びサインカーブの一部である場合、図7に示すように、テザー布の縫代端から最も離れた箇所を曲線の縫合の凸の頂点とする。また、該曲線の縫合が前記仮想ライン上で略直線状となる部分を有する場合、該部分の中点を該曲線の縫合の頂点とする。
前記仮想ラインに沿って並んだ曲線の縫合の凸の頂点間の間隔から、前記曲線の縫合の幅を減じた値(曲線の縫合の端部間距離に相当する)が、0mm以上50mm以下であることが好ましく、3mm以上30mm以下であることがより好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量を確保することができる。
前記曲線の縫合の、(曲線の縫合の凸の頂点間の間隔-曲線の縫合の幅)/(曲線の縫合の幅)により算出される値が、0以上1.5以下であることが好ましく、0以上1.0以下であることがより好ましい。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量を確保することができる。
前記仮想ラインに沿って並んだ曲線の縫合が、仮想ライン10cm当たり2個以上20個以下で存在することが好ましく、2個以上10個以下で存在することがより好ましく、3個以上10個以下で存在することがさらに好ましく、4個以上7個以下で存在することが特に好ましい。尚、仮想ラインの長さは複数個の曲線の縫合の端部のうち、最も外側となる2つの縫合の端部の間の距離とする。この範囲であれば、膨張展開時の応力に耐えることができる十分な長さの縫合の合計量と、十分な数の屈曲部(曲線の一部)を確保することができる。
前記曲線の縫合は、特定縫製形態の要件を満たす限り、その一部を前記仮想ラインと共有する円若しくは楕円又はそれらの一部であることができる。また、前記曲線の縫合は、離散せず連続したものや、前記仮想ラインと並行する連続したサインカーブの一部であっても構わない。
前記したように、図9、以下の実施例2-1~2-7に示す縫製形態は、特定補正形態の一例である。
尚、薄い円や円弧の場合には、直線状になり、応力をにがす部分が少なくなる。サインカーブにおいて振幅が小さい場合も同様である。また、前記曲線の縫合は、そのそれぞれに応力が分散されるのであれば、凸の頂点全てが仮想ラインに完全に一致して配置されていなくてもよく、一部が仮想ラインに対し前後して配置されてよい。また、特定縫製形状は、例えば、同じ曲線が間隔を空けて並んだものでも、曲線と多角形が交互に並んだものであって構わない。
前記曲線の縫合を含む基布パネルとテザー布との縫合は、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものでも、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものでも、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものであってもよい。基布パネルとテザー布との縫合を、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものや、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものとすることで、テザーの全幅でエアバッグの膨張展開構造を支えることができ、材料の利用効率がよい。他方、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものとすることで、テザーの端部への極端な応力集中の発生を防ぎ、テザー布としてより低繊度の基布を選定でき、エアバッグの収納性に寄与する。
本発明に係るエアバッグは、好ましくは歩行者用エアバッグである。
本発明の他の態様は、一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグの製造方法であって、以下の工程:
該基布パネルと該テザー布とを、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にある縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法である。
縫合方法は、特に制限はなく、例えば、テザー布と基布パネルを平面状に重ねて平面縫製により縫合して特定縫製形態とすることができ、縫合作業に手間取らないため、生産性が著しく低下することはない。縫合手段も、特に制限はなく、例えば、JUKI製LU-2210シリーズを用いて、あらかじめ基布に引いておいた縫製線にしたがってマニュアル縫製により縫合したり、JUKI製AMS-221ENシリーズのような工業用ミシンを用いて、縫製形態をプログラムすることにより得ることができる。
前記仮仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合が、連続した縫合またはその一部とし、連続的に縫合する工程とすることで生産性を向上させることができる。また、縫い始め及び縫い終わりが少なくなることで、縫製欠点の減少に寄与することができる。
テザー布は、特に制限はないが、例えば、総繊度470dtex、フィラメント数136本のナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した織密度49本/inchの平織物であることができる。テザー布には耐熱性付与のために被覆物を付与することができ、例えばシリコーン樹脂を25g/m2塗工することができる。
パネル基も、特に制限はないが、例えば、総繊度235dtex、フィラメント数72本のナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した織密度72本/inchの平織物であることができる。テザー布には耐熱性や内圧保持性付与のために被覆物を付与することができ、例えばシリコーン樹脂を17g/m2塗工することができる。
特定縫製形態を構成する縫合糸も、特に制限はないが、ミシンの縫合糸としてナイロン66やポリエステル糸を用いることができる。縫合糸の繊度にも特に制限はないが、強度と収納性の両立の観点から、400dtex以上2000dtex以下が好ましい。縫合糸には縫製作業性の観点から撚りが入っていることが好ましく、1本撚りであっても、3本撚りのような複数本の原糸を撚り合わせたものであってもよい。また、上糸と下糸は同じものを用いても、異なるものにしてもよい。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。
まず、実施例、比較例に用いた材料、物性の測定方法等について説明する。
[パネル基布]
ナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は235dtex、フィラメント数72本、織密度72本/inch、シリコーン樹脂塗工量は17g/m2であった。
[テザー布]
ナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は470dtex、フィラメント数136本、織密度49本/inch、シリコーン樹脂塗工量は25g/m2であった。
[縫合糸]
グンゼ製エアバッグ用ミシン糸(総繊度1880dtex、ナイロン66マルチフィラメント繊維940dtex2本撚り)を上糸および下糸に用いた。
[ミシン]特定縫製形態の縫製には、JUKI製LU-2210W-7を用いた。
[試験片の作製]
図5の<サンプル形状>に示すように、前記パネル基布と、前記テザー布を、それぞれ経300mm×緯500mmとなるように基布目に沿って短冊状に裁断した。次に、メイン基布の上にテザー布を緯方向に100mmずらして重ね、テザー布の縫製代を15mmとして、幅方向の中央270mmの範囲に、前記縫合糸で前記ミシンを用いて50針/10cmの運針数で特定縫製形態に縫合した。尚、縫い始めと縫い終わりには3針の返し縫い(または重ね縫い)を行った。続いて、メイン基布の長さ方向の端部同士を重ね、短冊形状がループとなるようにし、重ね部を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7a)で縫合した。ループの長さは一周320mmとした。テザー布は特定縫製形態から遠いほうの端部を折り返し、特定縫製形態と折り返し部の中間部で、テザー布同士を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7b)で縫合した。折り返し部から特定縫製形態の仮想ラインまでの長さは200mmとした。最後に、メイン布同士、テザー布同士の重ね部分がそれぞれ傾いていないこと、仮想ライン上の縫製や重ね部の縫製が基布経糸方向に沿っていることを確認した。これらがずれていると、測定時に縫製部にかかる応力が偏り、測定誤差が生じる恐れがある。
(1)仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)の測定
図5の<治具形状>に示すように、メイン基布およびテザー布のループに通すことで試験片を保持する治具を、株式会社エー・アンド・デイ製のテンシロン万能材料試験機に取り付けた。図5の<サンプル取り付け状態>に示すように、試験機に取り付けられた状態において、試験片を横方向(試験片の厚みが確認できる方向)から見た際に、メイン基布に対しテザー布が垂直になる(T字となる)ように調整した。この時、テザー布が引張方向に平行に張っている状態となるようにストロークを調整しており、ストローク(仮想ラインからテザー布の固定点までの距離)は200~400mmであった。引張速度300mm/minで測定し、破断時の最大強力を仮想ラインの長さで除算し、仮想ラインの長さ1cm当たりの縫合強度を求めた。仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)が、350N/cm未満のものを「×」、350N/cm以上450N/cm未満のものを「△」、450N/cm以上のものと「〇」と判定した。
(2)縫製部曲げ厚み(mm)(仮想ラインと垂直)の測定
前記のように作製した試験片について、仮想ラインに対して垂直に折り曲げ、3cm×6cmのプレートの下に試料の折り目部を挟み、プレートと合わせて合計1Kgになるように30秒間荷重をかけた。その後、厚み計(尾崎製作所製 FFA-10)の測定子の中心線に、折り目の中心がくるように測定子をセットし、1分後の値を計測した。尚、折り目の位置は折り目を通る縫製線の本数が最も少なくなるようにし、3か所で測定した計測値の平均を縫製部曲げ厚みの値とした。かかる曲げ厚みが、3.5mm以下のものを「〇」、3.5超えのものを「×」と判定した。
[実施例1-1~1-7、比較例1-1、1-2]
以下の表1に示す縫製形態の縫合を有する試験片を作製し、前記した仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)と、縫製部曲げ厚み(mm)(仮想ラインと垂直)を測定した。結果を以下の表1に示す。
実施例1-1~1-3の対比において、直線状の縫合の間隔の割合が0.2~1.5の範囲から外れると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例1-4から、直線状の縫合の長さが5mm未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例1-5から、屈曲角度が60°未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例1-6から、縫合が矩形波の一部であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度は低下しないが、縫製部曲げ厚み(mm)が増加することが分かる。
実施例1-7から、縫合が矩形波の一部であり、屈曲部の長さが3mm未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下し、さらに縫製部曲げ厚み(mm)が増加することが分かる。
比較例1-1では、間隔と屈曲部がないため、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が更に低下し、さらに縫製部曲げ厚み(mm)が増加することが分かる。
比較例1-2では、間隔はあるが、屈曲部がないため、縫合の合計量が低下して、仮想ライン1cm当たりの縫合強度がより更に低下することが分かる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。
まず、実施例、比較例に用いた材料、物性の測定方法等について説明する。
[パネル基布]
ナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は235dtex、フィラメント数72本、織密度72本/inch、シリコーン樹脂塗工量は17g/m2であった。
[テザー布]
イロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は470dtex、フィラメント数136本、織密度49本/inch、シリコーン樹脂塗工量は25g/m2であった。
[縫合糸]
グンゼ製エアバッグ用ミシン糸(総繊度1880dtex、ナイロン66マルチフィラメント繊維940dtex2本撚り)を上糸および下糸に用いた。
[ミシン]
特定縫製形態の縫製には、JUKI製LU-2210W-7を用いた。
[試験片の作製]
図5の<サンプル形状>に示すように、前記パネル基布と、前記テザー布を、それぞれ経300mm×緯500mmとなるように基布目に沿って短冊状に裁断した。次に、メイン基布の上にテザー布を緯方向に100mmずらして重ね、テザー布の縫製代を15mmとして、幅方向の中央270mmの範囲に、前記縫合糸で前記ミシンを用いて50針/10cmの運針数で特定縫製形態に縫合した。尚、縫い始めと縫い終わりには3針の返し縫い(または重ね縫い)を行った。続いて、メイン基布の長さ方向の端部同士を重ね、短冊形状がループとなるようにし、重ね部を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7a)で縫合した。ループの長さは一周320mmとした。他方、テザー布は特定縫製形態から遠いほうの端部を折り返し、特定縫製形態と折り返し部の中間部で、テザー布同士を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7b)で縫合した。折り返し部から特定縫製形態の仮想ラインまでの長さは200mmとした。最後に、メイン布同士、テザー布同士の重ね部分がそれぞれ傾いていないこと、仮想ライン上の縫製や重ね部の縫製が基布経糸方向に沿っていることを確認した。これらがずれていると、測定時に縫製部にかかる応力が偏り、測定誤差が生じる恐れがある。
(1)仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)の測定
図10の<治具形状>に示すように、メイン基布およびテザー布のループに通すことで試験片を保持する治具を、株式会社エー・アンド・デイ製のテンシロン万能材料試験機に取り付けた。試験機に取り付けた。図10の<サンプル取り付け状態>に示すように、試験機に取り付けられた状態において、試験片を横方向(試験片の厚みが確認できる方向)から見た際に、メイン基布に対しテザー布が垂直になる(T字となる)ように調整した。この時、テザー布が引張方向に平行に張っている状態となるようにストロークを調整しており、ストローク(仮想ラインからテザー布の固定点までの距離)は200~400mmであった。引張速度300mm/minで測定し、破断時の最大強力を仮想ラインの長さで除算し、仮想ラインの長さ1cm当たりの縫合強度を求めた。仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)が、330N/cm未満のものを「×」、330N/cm以上440N/cm未満のものを「△」、440N/cm以上のものと「〇」と判定した。
(2)縫製部曲げ厚み(mm)(仮想ラインと垂直)の測定
前記のように作製した試験片について、仮想ラインに対して垂直に折り曲げ、3cm×6cmのプレートの下に試料の折り目部を挟み、プレートと合わせて合計1Kgになるように30秒間荷重をかけた。その後、厚み計(尾崎製作所製 FFA-10)の測定子の中心線に、折り目の中心がくるように測定子をセットし、1分後の値を計測した。尚、折り目の位置は折り目を通る縫製線の本数が最も少なくなるようにし、3か所で測定した計測値の平均を縫製部曲げ厚みの値とした。かかる曲げ厚みが、3.5mm以下のものを「〇」、3.5mm超えのものを「×」と判定した。
[実施例2-1~2-3、2-4、2-4b、2-5~2-7、比較例2-1、2-2]
以下の表2に示す縫製形態の縫合を有する試験片を作製し、前記した仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)と、縫製部曲げ厚み(mm)(仮想ラインと垂直)を測定した。結果を以下の表2に示す。
実施例2-1~2-3の対比において、円形状の縫合の間隔が狭すぎても、広すぎても、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。また、狭すぎると縫製部曲げ厚みが悪化する。
実施例2-4、2-4bから、曲線の縫合の幅(直線)が10mm未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例2-5から、円形状の縫合が薄すぎると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例2-6から、縫合が曲線の縫合が連続すると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度はあまり低下しないが、縫製部曲げ厚み(mm)が悪化することが分かる。
実施例2-7から、サインカーブであると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下しないが、縫製部曲げ厚み(mm)が悪化することが分かる。
比較例2-1では、間隔と屈曲部がないため、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が更に低下し、さらに縫製部曲げ厚み(mm)も悪化することが分かる。
比較例2-2では、間隔はあるが、屈曲部(曲線の一部)がないため、縫合の合計量が低下して、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が更に低下することが分かる。
本発明に係るエアバッグは、特定縫製形態の縫合に因り、縫製部の破れが低減された、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグ、及びその製造方法である。特定縫製形態では、幅広テザーに要求される、応力のかかる部分の縫製の長さの合計量が確保されている(すなわち、縫合の間隔が広すぎるため、縫製量が単純に少なくなって強度が低下することはない。)。また、特定縫製形態では、直線状の縫合が離散し、かつ、各縫合の端部に、テザー布の縫代端(奥行方向)に向かう屈曲部があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、奥行方向に応力が分散し、より強度が高くなる。さらに、特定縫製形態では、多数の直線状の縫合が離散しており縫合の端部の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増え、その結果、端部1箇所当たりの応力が低下し、端部からの破れがない。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
本発明に係るエアバッグは、特定縫製形態の縫合に因り、縫製部の破れが低減された、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグ、及びその製造方法である。特定縫製形態では、幅広テザーに要求される、応力のかかる部分の縫製の長さの合計量が確保されている(すなわち、縫合の間隔が広すぎるため、縫製量が単純に少なくなって強度が低下することはない。)。また、特定縫製形態では、テザー布の縫代端(奥行方向)の反対側(応力のかかる側)に凸となる複数個の曲線の縫合が好ましくは離散して存在し、テザー布の縫代端(奥行方向)に向かう屈曲部(曲線の一部)があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、奥行方向に応力が分散し、パネル基布に皺を発生するため、より強度が高くなる。さらに、特定縫製形態では、複数の曲線の縫合が離散している場合、該屈曲部(曲線の一部)の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増えるものの、端部1箇所当たりの応力はかえって低下し、端部からの破れがない。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
(以下、図1~5)
1 パネル基布
2 テザー布
3 特定縫製形態
4 仮想ライン
5 テザー布の縫代端
6 テザー布の縫製代
7a 3列の直線縫製
7b 3列の直線縫製
(注)上記符号は、図1(A)、図1(B)を除く図面に関するものである。
(以下、図6~10)
1 パネル基布
2 テザー布
3 特定縫製形態
3a 曲線の縫合(テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分)
3b 曲線の縫合と連続する縫合部分
4 仮想ライン
5 テザー布の縫代端
6 テザー布の縫製代
7 曲線の縫合の幅
8 曲線の縫合の頂点間の間隔
9 曲線の縫合のうち、最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離
(注)上記符号は、図6(A)、図6(B)を除く図面に関するものである。

Claims (1)

  1. 一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
    該基布パネルと該テザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有し、かつ、該直線状の縫合は、該仮想ライン上の、連続した矩形波の一部であることを特徴とするエアバッグ。
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