JP7684437B2 - エアバッグ - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1には、パネルとテザー(分割体(テザーの継ぎ合わせからなる)との間の縫合が具体的にどのようなものであるかは、記載されておらず、ましてや縫合の強度については記載されていない。
しかしながら、特許文献2に記載されたテザーは、全体幅が比較例狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
しかしながら、特許文献3に記載されたテザーは、全体幅が比較的狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
しかしながら、特許文献1には、パネルとテザー(分割体の継ぎ合わせからなる)との間の縫合が具体的にどのようなものであるかは、記載されておらず、ましてや縫合の強度については記載されていない。
しかしながら、特許文献2に記載されたテザーは、全体幅が比較例狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
しかしながら、特許文献3に記載されたテザーは、全体幅が比較的狭いものであり、パネルとテザーは連続した1つの縫合により連結されている。
本願発明者らは、図1に示すように、例えば、特許文献1に記載された幅広のデザー布と基布パネル基との間の縫合について、膨張展開時の応力集中に因り縫製部の端が破れ起点となり縫製部の損傷につながりやすいことに着目した。かかる縫製部の損傷は、エアバッグの内圧保持、それゆえ人体(歩行者)の保護のために避けなければならない。
また、幅広のテザーは幅細のテザーに比べ強度が高いため、エアバッグの膨張展開時により応力がかかる部位・設計に適用可能であるが、一方で応力集中による縫製部を起点とした破れが発生する可能性も高くなるため、その低減が重要である。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグにおいて縫製部の破れを低減したエアバッグを提供すること、及び強度の高い縫製形態を用いて該エアバッグを製造する方法を提供することである。
本願発明者らは、図1に示すように、例えば、特許文献1に記載された幅広のデザー布と基布パネル基との間の縫合について、膨張展開時の応力集中に因り縫製部の端が破れ起点となり縫製部の損傷につながりやすいことに着目した。かかる縫製部の損傷は、エアバッグの内圧保持、それゆえ人体(歩行者)の保護のために避けなければならない。
また、幅広のテザーは幅細のテザーに比べ強度が高いため、エアバッグの膨張展開時により応力がかかる部位・設計に適用可能であるが、一方で応力集中による縫製部を起点とした破れが発生する可能性も高くなるため、その低減が重要である。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、対向する基布パネル同士が、膨張時、所定の厚さを維持するための幅広のテザー布を縫合させてなるエアバッグにおいて縫製部の破れを低減したエアバッグを提供すること、及び強度の高い縫製形態を用いて該エアバッグを製造する方法を提供することである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
該基布パネルと該テザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有することを特徴とするエアバッグ。
[2]前記テザー布の所定幅が50mm以上500mm以下である、前記[1]に記載のエアバッグ。
[3]前記直線状の縫合の長さが5mm以上100mm以下である、前記[1]又は[2]に記載のエアバッグ。
[4]前記仮想ラインに沿って並んだ直線状の縫合の間隔が、5mm以上50mm以下である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のエアバッグ。
[5]前記直線状の縫合の長さに対する、前記直線状の縫合の間隔の割合である(直線状の縫合の間隔/直線状の縫合の長さ)が、0.2以上1.5以下である、前記[1]~[4]のいずれかに記載のエアバッグ。
[6]前記直線状の縫合の端部の屈曲角度が60°以上120°以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載のエアバッグ。
[7]前記直線状の縫合の端部の屈曲部の長さが3mm以上50mm以下である、前記[1]~[6]のいずれかに記載のエアバッグ。
[8]前記仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合が、仮想ラインの長さ10cm当たり2個以上20個以下で存在する、前記[1]~[7]のいずれかに記載のエアバッグ。
[9]前記直線状の縫合は、その一辺を前記仮想ラインと共有する多角形若しくは半円又はそれらの一部である、前記[1]~[8]のいずれかに記載のエアバッグ。
[10]前記直線状の縫合は、それぞれ異なる縫合の一部である、前期[1]~[9]のいずれかに記載のエアバッグ。
[11]前記直線状の縫合は、前記仮想ライン上の、連続した矩形波の一部である、前記[1]~[10]のいずれかに記載のエアバッグ。
[12]前記エアバッグは、歩行者用エアバッグである、前記[1]~[11]のいずれかに記載のエアバッグ。
[13]一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグの製造方法であって、以下の工程:
該基布パネルと該テザー布とを、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有する縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法。
[14]前記直線状の縫合が、連続した縫合の一部であり、連続的に縫合する工程を含む、前期[13]に記載のエアバッグの製造方法。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
該基布パネルと該テザー布との縫合が、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の凸の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にあることを特徴とするエアバッグ。
[16]前記テザー布の所定幅が100mm以上500mm以下である、前記[15]に記載のエアバッグ。
[17]前記仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合のうち、最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離が、1mm以上100mm以下である、前記[15]又は[16]に記載のエアバッグ。
[18]前記仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合の、仮想ラインと並行な方向の長さを曲線の縫合の幅としたとき、曲線の縫合の幅が5mm以上100mm以下である、前記[15]~[17]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[19]最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離)/(曲線の縫合の幅)により算出される値が、0.1以上2.0以下である、前記[15]~[18]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[20]隣り合う前記曲線の縫合の凸の頂点間の間隔が、5mm以上100mm以下である、前記[15]~[19]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[21]前記隣り合う曲線の縫合の凸の頂点間の間隔から、前記曲線の縫合の幅を減じた値が、0mm以上50mm以下である、前記[15]~[20]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[22](曲線の縫合の凸の頂点間の間隔-円弧上の縫合の幅)/(曲線の縫合の幅)により算出される値が、0以上1.5以下である、前記[15]~[21]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[23]前記仮想ラインに沿って並んだ曲線の縫合が、仮想ライン10cm当たり2個以上20個以下で存在する、前記[15]~[22]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[24]前記曲線の縫合の形状が、円若しくは楕円の一部である、前記[15]~[23]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[25]前記仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合が、それぞれ別の縫合の一部であり、かつ、離散している、前記[15]~[24]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[26]前記曲線の縫合は、連続した縫合の一部である、前記[15]~[25]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[27]前記曲線の縫合は、前記仮想ラインと並行する連続したサインカーブの一部である、前記[15]~[26]のいずれかに記載のエアバッグ。
[28]前記エアバッグは、歩行者用エアバッグである、前記[15]~[27]のいずれか1項に記載のエアバッグ。
[29]一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグの製造方法であって、以下の工程:
該基布パネルと該テザー布とを、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の凸の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にある縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法。
[30]前記曲線の縫合は、連続した縫合またはその一部であり、連続的に縫合する工程を含む、前記[29]に記載のエアバッグの製造方法。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
本発明の1の実施形態は、一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
該基布パネルと該テザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有することを特徴とするエアバッグである。
本願発明者らは、かかる縫合の端部に応力が集中し破れ起点となりやすいことを見つけ、これに着目し、破れの発生をより低減できる特定縫製形態の縫合を見出した。
本明細書中、「特定縫製形態」とは、前記したように、基布パネルとテザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有することを特徴とする縫製形態をいう。
この例では、仮想ライン上に複数の逆三角形の一辺が配置され、これらの1辺の長さの合計量は、幅広テザーに要求される、応力のかかる部分の縫製の長さの合計量を確保しており、縫合の間隔が広すぎるため、縫製量が単純に少なくなって強度が低下することはない。また、この例では、前記逆三角形の1辺である直線状の縫合が離散し、かつ、各縫合の端部に、テザー布の縫代端(図2の5)に向かう屈曲部(逆三角形の他の2辺)があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、縫代端方向(図2右側図では下方)に応力が分散し、より強度が高くなる(図3右側参照)。このとき、パネル基布に皺を発生するため、応力分散している様子が観測される。さらに、この例では、多数の直線状の縫合が離散しており縫合の端部(仮想ライン上にある逆三角形の頂点)の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増え、その結果、端部1箇所当たりの応力が低下し、端部からの破れがない(図3の左側と右側を対比)。
図4、以下の実施例1-1~1-4、1-6、1-7に、特定補正形態の他の例を示す。これらのいずれの例も、前記特定縫製形態であることが分かる。
さらに、実施例1-1~1-5のように、仮想ライン上の直線状の縫合が、それぞれ異なる縫合の一部である場合は、エアバッグを折りたたんで収納する際に、縫製糸がない部分で折りたたむことができるため、仮想ラインに対して垂直な方向に折り曲げるときの縫製部曲げ厚みを減少させることができ、エアバッグの収納性を向上させることができる。
前記したように、図4、以下の実施例1-1~1-4、1-6、1-7に示す縫製形態は、特定補正形態の一例である。
尚、屈曲部が片端のみであってもよいが、両端を屈曲させた方が応力分散に高い効果を奏する。また、矩形波において、振幅が小さい場合には、直線状に近くなり、応力を受ける部分が少なくなる。また、前記仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合は、そのそれぞれに応力が分散されるのであれば、全てが仮想ラインに完全に一致していなくてもよく、一部が仮想ラインに対し前後して配置されてよい。また、特定縫製形状は、例えば、同じ逆三角形が間隔を空けて並んだものでも、逆三角形と四角形が交互に並んだものであって構わない。
前記直線状の縫合を含む基布パネルとテザー布との縫合は、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものでも、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものでも、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものであってもよい。基布パネルとテザー布との縫合を、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものや、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものとすることで、テザーの全幅でエアバッグの膨張展開構造を支えることができ、材料の利用効率がよい。他方、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものとすることで、テザーの端部への極端な応力集中の発生を防ぎ、テザー布としてより低繊度の基布を選定でき、エアバッグの収納性に寄与する。
該基布パネルと該テザー布とを、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有する縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法である。
前記仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合が、連続した縫合の一部であれば、連続的に縫合する工程とすることで生産性を向上させることができる。また、縫い始め及び縫い終わりが少なくなることで、縫製欠点の減少に寄与することができる。
本発明の1の実施形態は、一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
該基布パネルと該テザー布との縫合が、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にあることを特徴とするエアバッグである。
本願発明者らは、かかる縫合の端部に応力が集中し破れ起点となりやすいことを見つけ、これに着目し、破れの発生をより低減できる特定縫製形態の縫合を見出した。
本明細書中、「特定縫製形態」とは、前記したように、基布パネルとテザー布との縫合が、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にあることを特徴とする縫製形態をいう。
この例では、仮想ライン上に複数の円が配置され、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分の長さの合計量は、幅広テザーに要求される、応力のかかる部分の縫製の長さの合計量を確保しており、縫合の間隔が広すぎるため、縫製量が単純に少なくなって強度が低下することはない。また、この例では、仮想ラインに並ぶ曲線の縫合が離散し、かつ、各縫合には、テザー布の縫代端(図7の5)に向かう2つの屈曲部(曲線の一部)があるため、単純な直線状の縫合に比べて、縫合量が増えるとともに、応力がかかったとき、縫代端方向(図7右側図では下方)に応力が分散し、より強度が高くなる(図8右側参照)。このとき、パネル基布に皺を発生するため、応力分散している様子が観測される。さらに、この例では、多数の円状の縫合が離散しており縫合の屈曲部(曲線の一部)の数も多数となるため、端部の数が2つである単純な直線状の縫合1本に比較して、応力が集中しやすい箇所が増え、該箇所1箇所当たりがうける応力は低下し、該箇所からの破れがない(図8の左側と右側を対比)。
図9、以下の実施例2-1~2-7に、特定補正形態の例を示す。これらのいずれの例も、前記特定縫製形態であることが分かる。
さらに、実施例2-1、2-3~2-5のように、仮想ラインに並ぶ曲線の縫合が、それぞれ異なる縫合の一部であり、かつ離散している場合は、エアバッグを折りたたんで収納する際に、縫製糸がない部分で折りたたむことができるため、仮想ラインに対して垂直な方向に折り曲げるときの縫製部曲げ厚みを減少させることができ、エアバッグの収納性を向上させることができる。
尚、テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合が、円や楕円及びサインカーブの一部である場合、図7に示すように、テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分と、テザー布の縫代端側に凸となる部分の境界を、テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合のうち最も仮想ラインから離れた部分とする。言い換えれば、テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合とは、図7の円やサインカーブの例においては、凸形状が上方向と下方向に向かう境界で分けたときの上の部分を指す。
尚、複数個の曲線の縫合が円や楕円及びサインカーブの一部である場合、図7に示すように、テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分の仮想ラインと並行な方向の長さを曲線の縫合の幅とし、テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分とテザー布の縫代端側に凸となる部分の境界を曲線の縫合の幅の始端または終端とする。
なお、複数個の曲線の縫合が円や楕円及びサインカーブの一部である場合、図7に示すように、テザー布の縫代端から最も離れた箇所を曲線の縫合の凸の頂点とする。また、該曲線の縫合が前記仮想ライン上で略直線状となる部分を有する場合、該部分の中点を該曲線の縫合の頂点とする。
前記したように、図9、以下の実施例2-1~2-7に示す縫製形態は、特定補正形態の一例である。
尚、薄い円や円弧の場合には、直線状になり、応力をにがす部分が少なくなる。サインカーブにおいて振幅が小さい場合も同様である。また、前記曲線の縫合は、そのそれぞれに応力が分散されるのであれば、凸の頂点全てが仮想ラインに完全に一致して配置されていなくてもよく、一部が仮想ラインに対し前後して配置されてよい。また、特定縫製形状は、例えば、同じ曲線が間隔を空けて並んだものでも、曲線と多角形が交互に並んだものであって構わない。
前記曲線の縫合を含む基布パネルとテザー布との縫合は、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものでも、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものでも、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものであってもよい。基布パネルとテザー布との縫合を、テザーの全幅を越えた部分で試験片に縫合されたものや、テザーの全幅と略等しい部分で縫合されたものとすることで、テザーの全幅でエアバッグの膨張展開構造を支えることができ、材料の利用効率がよい。他方、テザーの両側に所定幅の非縫着部分を設定して縫着されたものとすることで、テザーの端部への極端な応力集中の発生を防ぎ、テザー布としてより低繊度の基布を選定でき、エアバッグの収納性に寄与する。
該基布パネルと該テザー布とを、該テザー布の縫代端の反対側に凸となる複数個の曲線の縫合を含み、かつ、該複数個の曲線の縫合の頂点が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ライン上にある縫合で、縫合する工程;
を含む前記製造方法である。
前記仮仮想ラインに沿って並んだ複数個の曲線の縫合が、連続した縫合またはその一部とし、連続的に縫合する工程とすることで生産性を向上させることができる。また、縫い始め及び縫い終わりが少なくなることで、縫製欠点の減少に寄与することができる。
まず、実施例、比較例に用いた材料、物性の測定方法等について説明する。
ナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は235dtex、フィラメント数72本、織密度72本/inch、シリコーン樹脂塗工量は17g/m2であった。
ナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は470dtex、フィラメント数136本、織密度49本/inch、シリコーン樹脂塗工量は25g/m2であった。
グンゼ製エアバッグ用ミシン糸(総繊度1880dtex、ナイロン66マルチフィラメント繊維940dtex2本撚り)を上糸および下糸に用いた。
図5の<サンプル形状>に示すように、前記パネル基布と、前記テザー布を、それぞれ経300mm×緯500mmとなるように基布目に沿って短冊状に裁断した。次に、メイン基布の上にテザー布を緯方向に100mmずらして重ね、テザー布の縫製代を15mmとして、幅方向の中央270mmの範囲に、前記縫合糸で前記ミシンを用いて50針/10cmの運針数で特定縫製形態に縫合した。尚、縫い始めと縫い終わりには3針の返し縫い(または重ね縫い)を行った。続いて、メイン基布の長さ方向の端部同士を重ね、短冊形状がループとなるようにし、重ね部を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7a)で縫合した。ループの長さは一周320mmとした。テザー布は特定縫製形態から遠いほうの端部を折り返し、特定縫製形態と折り返し部の中間部で、テザー布同士を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7b)で縫合した。折り返し部から特定縫製形態の仮想ラインまでの長さは200mmとした。最後に、メイン布同士、テザー布同士の重ね部分がそれぞれ傾いていないこと、仮想ライン上の縫製や重ね部の縫製が基布経糸方向に沿っていることを確認した。これらがずれていると、測定時に縫製部にかかる応力が偏り、測定誤差が生じる恐れがある。
図5の<治具形状>に示すように、メイン基布およびテザー布のループに通すことで試験片を保持する治具を、株式会社エー・アンド・デイ製のテンシロン万能材料試験機に取り付けた。図5の<サンプル取り付け状態>に示すように、試験機に取り付けられた状態において、試験片を横方向(試験片の厚みが確認できる方向)から見た際に、メイン基布に対しテザー布が垂直になる(T字となる)ように調整した。この時、テザー布が引張方向に平行に張っている状態となるようにストロークを調整しており、ストローク(仮想ラインからテザー布の固定点までの距離)は200~400mmであった。引張速度300mm/minで測定し、破断時の最大強力を仮想ラインの長さで除算し、仮想ラインの長さ1cm当たりの縫合強度を求めた。仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)が、350N/cm未満のものを「×」、350N/cm以上450N/cm未満のものを「△」、450N/cm以上のものと「〇」と判定した。
前記のように作製した試験片について、仮想ラインに対して垂直に折り曲げ、3cm×6cmのプレートの下に試料の折り目部を挟み、プレートと合わせて合計1Kgになるように30秒間荷重をかけた。その後、厚み計(尾崎製作所製 FFA-10)の測定子の中心線に、折り目の中心がくるように測定子をセットし、1分後の値を計測した。尚、折り目の位置は折り目を通る縫製線の本数が最も少なくなるようにし、3か所で測定した計測値の平均を縫製部曲げ厚みの値とした。かかる曲げ厚みが、3.5mm以下のものを「〇」、3.5超えのものを「×」と判定した。
以下の表1に示す縫製形態の縫合を有する試験片を作製し、前記した仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)と、縫製部曲げ厚み(mm)(仮想ラインと垂直)を測定した。結果を以下の表1に示す。
実施例1-4から、直線状の縫合の長さが5mm未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例1-5から、屈曲角度が60°未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例1-6から、縫合が矩形波の一部であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度は低下しないが、縫製部曲げ厚み(mm)が増加することが分かる。
実施例1-7から、縫合が矩形波の一部であり、屈曲部の長さが3mm未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下し、さらに縫製部曲げ厚み(mm)が増加することが分かる。
比較例1-1では、間隔と屈曲部がないため、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が更に低下し、さらに縫製部曲げ厚み(mm)が増加することが分かる。
比較例1-2では、間隔はあるが、屈曲部がないため、縫合の合計量が低下して、仮想ライン1cm当たりの縫合強度がより更に低下することが分かる。
まず、実施例、比較例に用いた材料、物性の測定方法等について説明する。
ナイロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は235dtex、フィラメント数72本、織密度72本/inch、シリコーン樹脂塗工量は17g/m2であった。
イロン66マルチフィラメント繊維を経糸と緯糸に用いて製織した平織物にシリコーン樹脂を塗工したものを用いた。用いた基布の総繊度は470dtex、フィラメント数136本、織密度49本/inch、シリコーン樹脂塗工量は25g/m2であった。
グンゼ製エアバッグ用ミシン糸(総繊度1880dtex、ナイロン66マルチフィラメント繊維940dtex2本撚り)を上糸および下糸に用いた。
特定縫製形態の縫製には、JUKI製LU-2210W-7を用いた。
図5の<サンプル形状>に示すように、前記パネル基布と、前記テザー布を、それぞれ経300mm×緯500mmとなるように基布目に沿って短冊状に裁断した。次に、メイン基布の上にテザー布を緯方向に100mmずらして重ね、テザー布の縫製代を15mmとして、幅方向の中央270mmの範囲に、前記縫合糸で前記ミシンを用いて50針/10cmの運針数で特定縫製形態に縫合した。尚、縫い始めと縫い終わりには3針の返し縫い(または重ね縫い)を行った。続いて、メイン基布の長さ方向の端部同士を重ね、短冊形状がループとなるようにし、重ね部を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7a)で縫合した。ループの長さは一周320mmとした。他方、テザー布は特定縫製形態から遠いほうの端部を折り返し、特定縫製形態と折り返し部の中間部で、テザー布同士を35針/10cmの運針数で基布経糸方向に3列の直線縫製(7b)で縫合した。折り返し部から特定縫製形態の仮想ラインまでの長さは200mmとした。最後に、メイン布同士、テザー布同士の重ね部分がそれぞれ傾いていないこと、仮想ライン上の縫製や重ね部の縫製が基布経糸方向に沿っていることを確認した。これらがずれていると、測定時に縫製部にかかる応力が偏り、測定誤差が生じる恐れがある。
図10の<治具形状>に示すように、メイン基布およびテザー布のループに通すことで試験片を保持する治具を、株式会社エー・アンド・デイ製のテンシロン万能材料試験機に取り付けた。試験機に取り付けた。図10の<サンプル取り付け状態>に示すように、試験機に取り付けられた状態において、試験片を横方向(試験片の厚みが確認できる方向)から見た際に、メイン基布に対しテザー布が垂直になる(T字となる)ように調整した。この時、テザー布が引張方向に平行に張っている状態となるようにストロークを調整しており、ストローク(仮想ラインからテザー布の固定点までの距離)は200~400mmであった。引張速度300mm/minで測定し、破断時の最大強力を仮想ラインの長さで除算し、仮想ラインの長さ1cm当たりの縫合強度を求めた。仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)が、330N/cm未満のものを「×」、330N/cm以上440N/cm未満のものを「△」、440N/cm以上のものと「〇」と判定した。
前記のように作製した試験片について、仮想ラインに対して垂直に折り曲げ、3cm×6cmのプレートの下に試料の折り目部を挟み、プレートと合わせて合計1Kgになるように30秒間荷重をかけた。その後、厚み計(尾崎製作所製 FFA-10)の測定子の中心線に、折り目の中心がくるように測定子をセットし、1分後の値を計測した。尚、折り目の位置は折り目を通る縫製線の本数が最も少なくなるようにし、3か所で測定した計測値の平均を縫製部曲げ厚みの値とした。かかる曲げ厚みが、3.5mm以下のものを「〇」、3.5mm超えのものを「×」と判定した。
以下の表2に示す縫製形態の縫合を有する試験片を作製し、前記した仮想ライン1cm当たりの縫合強度(N/cm)と、縫製部曲げ厚み(mm)(仮想ラインと垂直)を測定した。結果を以下の表2に示す。
実施例2-4、2-4bから、曲線の縫合の幅(直線)が10mm未満であると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例2-5から、円形状の縫合が薄すぎると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下することが分かる。
実施例2-6から、縫合が曲線の縫合が連続すると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度はあまり低下しないが、縫製部曲げ厚み(mm)が悪化することが分かる。
実施例2-7から、サインカーブであると、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が低下しないが、縫製部曲げ厚み(mm)が悪化することが分かる。
比較例2-1では、間隔と屈曲部がないため、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が更に低下し、さらに縫製部曲げ厚み(mm)も悪化することが分かる。
比較例2-2では、間隔はあるが、屈曲部(曲線の一部)がないため、縫合の合計量が低下して、仮想ライン1cm当たりの縫合強度が更に低下することが分かる。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
したがって、発明に係るエアバッグは、自動車用エアバッグ、特に歩行者用エアバッグとして好適に利用可能である。
1 パネル基布
2 テザー布
3 特定縫製形態
4 仮想ライン
5 テザー布の縫代端
6 テザー布の縫製代
7a 3列の直線縫製
7b 3列の直線縫製
(注)上記符号は、図1(A)、図1(B)を除く図面に関するものである。
1 パネル基布
2 テザー布
3 特定縫製形態
3a 曲線の縫合(テザー布の縫代端の反対側に凸となる部分)
3b 曲線の縫合と連続する縫合部分
4 仮想ライン
5 テザー布の縫代端
6 テザー布の縫製代
7 曲線の縫合の幅
8 曲線の縫合の頂点間の間隔
9 曲線の縫合のうち、最も仮想ラインから離れた部分と、仮想ラインとの距離
(注)上記符号は、図6(A)、図6(B)を除く図面に関するものである。
Claims (1)
- 一対の基布パネルが外周縁で縫合された袋体と、該袋体の膨張時に該一対の基布パネルの間の距離を規制できるように、該袋体の内部で該一対の基布パネルそれぞれに縫合された所定幅のテザー布とを有するエアバッグにおいて、
該基布パネルと該テザー布との縫合が、テザー布の幅方向に延伸する仮想ラインに沿って複数個離散して並んだ直線状の縫合を含み、かつ、該直線状の縫合の端部が、該仮想ラインから該テザー布の縫代端に向かって所定角度及び所定長をもって屈曲している屈曲部を有し、かつ、該直線状の縫合は、該仮想ライン上の、連続した矩形波の一部であることを特徴とするエアバッグ。
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