JP7690166B2 - 物質推定装置、全反射照明顕微鏡、物質推定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
本発明者等は、マイクロウェル中の1細胞からのサイトカイン分泌計測をリアルタイムに行う系(1細胞分泌リアルタイム計測法)の開発に成功した(非特許文献1参照)。この方法では、蛍光イムノアッセイに基づき、全反射による近接場を用いた照明法が利用される。
本発明者等は、1細胞分泌リアルタイム計測法を更に発展させた方法も確立した。この方法では、マイクロウェル中で培養している細胞から分泌されたサイトカインが、ガラス製ウェル底面上の捕捉抗体で捕捉される。培養液中には蛍光検出抗体が含まれており、蛍光検出抗体は、捕捉されたサイトカインに結合してサンドイッチ免疫複合体を形成する。
この方法では、溶液中のフリーの蛍光抗体を検出せずに、底面に固定された蛍光複合体だけを検出する。詳細には、全反射照明顕微鏡を用いて固層表面のみを近接場で照明し、固層上の捕捉抗体、抗原(サイトカイン)、蛍光検出抗体からなるサンドイッチ免疫複合体のみを光らせることによって、リアルタイムに分泌されたサイトカインを検出している。
つまり、上述した方法では、捕捉抗体によって捕捉されたサイトカイン(つまり、サンドイッチ免疫複合体になる前の段階のサイトカイン)の画像を得ることができない。
本発明者等は、捕捉抗体によって捕捉されたサイトカイン(顕微鏡によって検出できないもの)とサンドイッチ免疫複合体(顕微鏡によって検出できるもの)との関係が、コンボリューションが実行される前のものとコンボリューションが実行された後のものとの関係に相当すると仮定した。
すなわち、本発明者等は、サンドイッチ免疫複合体(顕微鏡によって実際に検出されたもの)と捕捉抗体によって捕捉されたサイトカイン(顕微鏡によって検出できないもの)との関係が、デコンボリューションが実行される前のものとデコンボリューションが実行された後のものとの関係に相当すると仮定した。
更に、本発明者等は、鋭意研究において、サンドイッチ免疫複合体(顕微鏡によって実際に検出されたもの)と捕捉抗体によって捕捉されたサイトカイン(顕微鏡によって検出できないもの)との関係が、デコンボリューションが実行される前のものとデコンボリューションが実行された後のものとの関係に相当することを見い出した。
つまり、本発明者等は、鋭意研究において、顕微鏡によって得られたサンドイッチ免疫複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することにより、顕微鏡によっては得ることができない、捕捉抗体によって捕捉されたサイトカインの画像を高精度に推定できることを見い出したのである。
すなわち、本発明は、従来の撮像装置(例えば全反射照明顕微鏡など)によっては可視化することができなかった、例えば捕捉抗体などの捕捉体によって捕捉された例えばサイトカインなどの物質の画像(つまり、例えばサンドイッチ免疫複合体などの複合体になる前の段階の物質の画像)を高精度に推定することができる物質推定装置、全反射照明顕微鏡、物質推定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
換言すれば、本発明は、捕捉体によって捕捉された物質の画像(つまり、複合体になる前の段階の物質の画像)を高精度に推定することができる物質推定装置、全反射照明顕微鏡、物質推定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の物質推定装置によれば、複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することにより、捕捉体によって捕捉された物質の画像を高精度に推定することができる。
そこで、本発明の一態様の物質推定装置は、前記取得部によって取得される前記複合体の撮像画像のサンプリング間隔を設定するサンプリング間隔設定部を備え、前記演算部によって算出される前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像のS/N比が第1閾値よりも低い場合に、前記サンプリング間隔設定部は、前記複合体の撮像画像のサンプリング間隔を増加させてもよい。
そのように構成される場合には、捕捉体によって捕捉された物質の画像の推定精度を高い値に維持することができる(つまり、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像のS/N比を第1閾値以上に維持することができる)。
つまり、複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することによって得られる値が、負の値になる場合には、複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することによって得られた物質の推定画像に含まれるノイズが大きいと考えることができる。
そこで、本発明の一態様の物質推定装置では、前記演算部は、前記複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することによって得られた値がゼロ未満になる場合に、前記複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することによって得られた値をゼロに補正してもよい。
そのように構成される場合には、複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することによって得られた値(演算部によって推定された、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像の画像信号強度)をゼロに補正することによって、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像に含まれるノイズを低減することができる。
にもかかわらず、仮に、第2時刻に撮像された複合体の撮像画像が、第1時刻における捕捉体によって捕捉された物質の推定画像に影響を与えてしまう演算が演算部によって行われる場合には、演算部が、実質的に、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像に対してノイズを加算してしまうことになる。
上述した点に鑑み、本発明の一態様の物質推定装置では、前記演算部は、第1時刻における前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像を算出する場合に、前記第1時刻との時間差が第2閾値より大きい第2時刻に撮像された前記複合体の撮像画像に基づくことなく、前記第1時刻における前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像を算出してもよい。
そのように構成される場合には、演算部が、実質的に、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像に対してノイズを加算してしまうおそれを抑制することができ、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像に含まれるノイズを低減することができる。
本発明の全反射照明顕微鏡によれば、従来の全反射照明顕微鏡によっては得ることができない、捕捉体によって捕捉された物質の画像を得ることができる。
本発明の物質推定方法によれば、複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することにより、撮像装置によっては可視化することができない、捕捉体によって捕捉された物質の画像を高精度に推定することができる。
本発明のプログラムによれば、複合体の撮像画像に対してデコンボリューションを実行することにより、撮像装置によっては可視化することができない、捕捉体によって捕捉された物質の画像を高精度に推定することができる。
図1は第1実施形態の物質推定装置1の機能ブロックの一例を示す図である。
図1に示す例では、物質推定装置1が、従来の撮像装置によっては可視化することができなかった、捕捉体によって捕捉された伝達因子、伝達物質、伝達担体および抗原のいずれかである物質の画像を可視化する。物質推定装置1は、取得部1Aと、演算部1Bと、サンプリング間隔設定部1Cとを備えている。
取得部1Aは、顕微鏡によって撮像された複合体(例えばサンドイッチ免疫複合体など)の撮像画像MYを取得する。
演算部1Bは、取得部1Aによって取得された複合体の撮像画像MYに基づいて、捕捉体(例えば捕捉抗体など)によって捕捉された物質(例えばサイトカインなど)の推定画像MAを算出する。詳細には、演算部1Bは、複合体の撮像画像MYに対してデコンボリューションを実行することによって、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像MAを算出する。
第1実施形態の物質推定装置1の適用対象である捕捉体によって捕捉された物質は、蛍光体(例えば蛍光検出抗体など)を含む溶液(例えば培養液など)中において物質放出源(例えば細胞など)から放出された物質が、溶液の底部分に配置された捕捉体によって捕捉されたものである。
また、第1実施形態の物質推定装置1の適用対象である複合体は、捕捉体によって捕捉された物質と、溶液中の蛍光体とが結合して形成されたものである。
複合体の撮像画像MYのサンプリング間隔△tによっては、演算部1Bによって算出される捕捉体によって捕捉された物質の推定画像MAのS/N比が低くなることがある。
そこで、図1に示す例では、演算部1Bによって算出される捕捉体によって捕捉された物質の推定画像MAのS/N比が第1閾値よりも低い場合に、サンプリング間隔設定部1Cが、複合体の撮像画像MYのサンプリング間隔△tを増加させる。
そこで、図1に示す例では、複合体の撮像画像MYに対してデコンボリューションを実行することによって得られた値がゼロ未満になる場合に、演算部1Bは、複合体の撮像画像MYに対してデコンボリューションを実行することによって得られた値をゼロに補正する。
そこで、図1に示す例では、第1時刻における捕捉体によって捕捉された物質の推定画像MAを算出する場合に、演算部1Bは、第1時刻との時間差が第2閾値より大きい第2時刻に撮像された複合体の撮像画像MYに基づくことなく(つまり、第2時刻に撮像された複合体の撮像画像MYを利用することなく)、第1時刻における捕捉体によって捕捉された物質の推定画像MAを算出する。
図2は第1実施形態の物質推定装置1が適用された全反射照明顕微鏡Aの機能ブロックの一例を示す図である。
図2に示す例では、全反射照明顕微鏡Aが、図1に示す物質推定装置1と、全反射照明顕微鏡本体A1とを備えている。
つまり、図2に示す例では、全反射照明顕微鏡本体A1によって撮像された複合体の撮像画像MYが、物質推定装置1の取得部A1によって取得される。更に、物質推定装置1の演算部1Bにおいて、捕捉体によって捕捉された物質の推定画像MAが、取得部A1によって取得された複合体の撮像画像MYに基づいて算出される。
以下、本発明の物質推定装置、全反射照明顕微鏡、物質推定方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の物質推定装置1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の物質推定装置1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の物質推定装置1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の物質推定装置1と同様の効果を奏することができる。
第2実施形態の物質推定装置1では、細胞以外のものから放出され、捕捉体によって捕捉された物質(つまり、サイトカイン以外の物質)の推定画像が算出される。
本発明者等は、本発明の物質推定装置、全反射照明顕微鏡、物質推定方法およびプログラムをイムノアッセイに適用した。
図3はイムノアッセイのためのデコンボリューションの数理シミュレーションを説明するための図である。
詳細には、図3(A)において、中段のグラフは、抗原のスパイク増加(上段のグラフ)と検出抗体の染色ダイナミクスのコンボリューションを示しており、LCI-S実験では実際このようなイムノアッセイシグナルが得られる。下段のグラフは、イムノアッセイシグナルから5フレームごとの移動デコンボリューションによって得られた推定抗原量を示す。
図3(B)は、ノイズ低減処理サンプリング間隔がデコンボリューションに与える影響を示している。ホワイトノイズを含むコンボリューションイムノアッセイシグナルを、1、3、5、10間隔でサンプリングすることでデコンボリューションを行った。
図3(C)は、サンプリング間隔とS/N比の相関を示している。シグナルのデコンボリューションの数理シミュレーションを各間隔ごとに100回繰り返した。S/N比は、デコンボリューションされたシグナルのピークの高さと背景データの標準偏差を用いて算出した。サンプリング間隔が長くなるほど、時間的な再現精度は悪くなるが、S/N比は向上し、サンプリング間隔とS/N比の関係は正の比例関係にあった(R2>0.999)。
図3(D)は、抗原を分泌する細胞の約500ステップのランダムウォークのシミュレーション例を示している。各ステップで分泌される抗原の量は対数正規分布に沿ってランダムに与えた。細い折れ線は細胞の重心の軌跡を、丸印は再現されたシグナル増分の極大値点を示している。丸印のグレースケールの塗りつぶしは時間経過を表す。
図3(E)は、4つの異なるサンプリング間隔での抗体結合の基準曲線を示している。
図3(F)は、ある時点における細胞重心位置から各相対時点(-12~+12時間、横軸)で再現された捕捉抗原増分分布の極大値点までの変位のアンサンブル平均を示している。シミュレーションは、各間隔時間で100回繰り返した。
累積分泌シグナル画像(中)から、イムノアッセイの抗体結合動態を差し引くために移動デコンボリューションを行い、特定の時点での捕捉抗原の増分分布画像(下:分泌活性画像)を算出した。分泌活性の中心は、NIS-elements画像ソフトウェア上のスポット検出アルゴリズムにより、分泌活性画像から検出した。各時点での細胞位置は、明視野画像(上)から画像解析によって得られる細胞体の重心として定義した。明視野画像より得た細胞体の輪郭(白線)を、それぞれの対応する分泌活性画像上に重ね合わせている。ナノリットルウェルの大きさは一辺が80μmの立方体である。
詳細には、図5の左側のグラフにおいて、細い折れ線は細胞の重心の軌跡を、丸印は再現されたシグナル増分の中心を示している。丸印のグレースケールの塗りつぶしは時間経過を表す。図5の右側上段のグラフは、分泌活性の強度の変化を示している。図5の右側の下段のグラフは各時点での細胞からの分泌活性中心までの変位を示している。特に分泌活性強度の大きい時間帯は中心の検出精度が高くなるために、細胞からの変位が安定的に低く抑えられていると考えられる。変位距離は実質的に10μm以下、平均では約5μmであった。
図6の左側のグラフは、ある時点においてデコンボリューション演算により再現された捕捉抗原増分分布の極大点から各相対時点(-15~+15分、横軸)における細胞重心位置までの変位のアンサンブル平均を示している。変位は-2分で最小化され、細胞が実際に存在し分泌活性を発揮していた時点から2分後に分泌活性が検出されたことを示す。図6の右側のグラフは、細胞から分泌活性極大点までの変位を最小化する時間差の頻度分布を示している。細胞が存在した場所と同一点における分泌活性の検出は多くの場合2分の遅れを持つことを示している。
10nM、30nM、90nMの濃度で蛍光検出抗体存在下の細胞分泌計測と同一の条件において、抗原標準タンパク質として組み換えタンパク質をマイクロインジェクションし、蛍光検出抗体の結合標準曲線を得た。
上述した図3(A)は、Ag20=1が与えられた場合の抗体染色動態のコンボリューション結果を示している。サンプリング間隔5で移動デコンボリューションを行った場合、図3(A)に示すように、捕捉抗原Agnの増分が再現されている。実際の測定では、検出されるシグナルはノイズを含んでいる。Agnの再現に対するノイズの影響をシミュレーションによって評価するために、コンボリューションシグナル生成に際しホワイトノイズを加えた(図3(B))。サンプリング間隔を1、3、5、10とした移動デコンボリューションを行った結果、サンプリング間隔の違いが捕捉抗原増分の再現における時間分解能とシグナル/ノイズ比の向上の両者に対する効果に違いを与えることを示した(図3(B)、図3(C))。十分に検出可能かつできるだけ高い時間分解能で再現シグナルを得るため、サンプリング間隔を5として、2つの時間点のすべてについて移動デコンボリューションを行った。
次に、遊走しながら分泌する細胞を二次元ランダムウォーク的に移動するものとして分泌動態シミュレーションを行った。分泌活性は対数分布に従って変動するランダム事象として与えた。図3(D)は、各時点における細胞の位置と、再現された捕捉抗原増分の空間分布の極大値を持つ位置を示している。但し、分泌された分子は拡散せずにすぐにガラス表面上のキャプチャー抗体によって捕捉されたと仮定し、時点nで与えられる抗原はその場で捕捉されて捕捉抗原Agnを与えている。再現された分泌シグナルの極大値点は、細胞が存在していた点からずれて観察された。この変位は、サンプリング時間間隔に依存するデコンボリューションによるテーリングが発生したことに起因する。この現象は、以下の例で説明できる。500ステップのランダムウォークの100回の試行について1、3、5、10のサンプリング間隔において各時点で再現した分泌シグナル極大値点の場所と同時あるいは前後の相対時間(-12から+12の25点)にある細胞存在場所の二点間の平均化された変位を計算した(図3(E)、図3(F))。その結果、分泌極大点と同一時刻にある細胞の場所との比較において変位が最小となり、サンプリング時間の増加に伴って極小変位の谷の幅が広がることがわかった。これらの結果は、デコンボリューションされた分泌活性とその時点での個々の細胞の他の動態との時空間的な相関解析が可能であることを示している。
マウスの腸間膜に存在するリンパ球集積であるFat associated lymphoid clusterから得た2型自然リンパ球(ILC2s)をIL-2添加培養で増殖させて実験に使用した。IL-2/IL-33で刺激してILC2sからのIL-5分泌活性を誘導し、1分毎にLCI-Sで可視化した。検出抗体の濃度は、バックグラウンドノイズと区別するのに十分なシグナルの強度を得るために、比較的高い濃度(90nM)に設定した。細胞の位置は、明視野画像から抽出した輪郭の面積重心として定義した。捕捉された抗原の増分分布は、同じ実験条件において組換えIL-5タンパク質を用いたマイクロインジェクションを用いた注入実験で経験的に得られた抗体結合標準曲線(図7)に基づいて再現した。再現のための画像演算は、NIS-elementsソフトウェアを用いて行った。簡単に説明すると、まず、画像取得時の不安定性に起因する時間依存性の空間ドリフトを補正し、その後、時間軸に沿った5フレーム移動メディアンフィルタを用いた平滑化により散発的なノイズを除去した。次いで、画像に5×5ピクセルのビニング処理を施し、上述のようにサンプリング間隔5で移動デコンボリューションを実行した。図4に示すように、累積分泌シグナル量から各時点での捕捉抗原増加量の分布を再現することに成功した。捕捉抗原増加量の極大点位置をNIS-elements 上の粒子検出アルゴリズムで決定し、捕捉抗原増加量の分布の中心を決定した。複数の中心が検出された場合は、強度の高いものを採用した(図5左)。細胞の重心と捕捉抗原増加量の中心を比較したとこと、各時点において、捕捉抗原増加量分布の中心は細胞位置からほぼ5μm以内にあることがわかった。しかし、シミュレーション(図3)において時間方向の同期性が担保されているにも関わらず、シグナル増分の出現タイミングが約2分遅れていることがわかった(図6)。この現象の原因について、いくつかの可能性が考えられる。まず、細胞から分泌された分子が底面の捕捉抗体に捕捉されるまで拡散によって移動するために要する時間から、一定の遅延が想定される。実際には、シグナルの増加分は最大で数十μmの直径を持つ分布として観察されるが、培地中で約30kDaの分子量を持つ当該分子の拡散速度は少なくとも100μm2/秒であることを考慮すると、分泌された分子の大部分が捕捉されるためには数秒しか要さないことを踏まえると、拡散に要する遅延は主原因ではなかったことを示唆している。もう一つの可能性として、分泌中の細胞自体が捕捉抗体の固定化底面を覆っているため、捕捉された分子への検出抗体によるアクセスを著しく阻害することが考えられる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (7)
- 所定のサンプリング時間間隔による複合体の撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記複合体の撮像画像に基づいて、捕捉体によって捕捉された伝達因子、伝達物質、伝達担体および抗原のいずれかである物質の推定画像を算出する演算部とを備え、
前記演算部は、前記複合体の撮像画像から得られる、捕捉体によって捕捉された物質の増加と蛍光体の染色状態の時間変化とのコンボリューションによって示される蛍光シグナルに対して、式(A)に示す関係を用いた所定フレームごとの時間軸方向のデコンボリューションを実行することによって、前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像を算出し、
前記捕捉体によって捕捉された物質は、蛍光体を含む溶液中において物質放出源から放出された物質が、前記溶液の底部分に配置された捕捉体によって捕捉されたものであり、
前記複合体は、前記捕捉体によって捕捉された物質と、前記溶液中の前記蛍光体とが結合して形成されたものである、
物質推定装置。
ただし、式(A)におけるXは前記複合体の濃度、Agは前記物質の濃度、Abは前記捕捉体の濃度、konは結合速度定数、koffは解離速度定数である。
- 前記取得部によって取得される前記複合体の撮像画像の前記サンプリング時間間隔を設定するサンプリング間隔設定部を備え、
前記演算部によって算出される前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像のS/N比が第1閾値よりも低い場合に、
前記サンプリング間隔設定部は、前記複合体の撮像画像の前記サンプリング時間間隔を増加させる、
請求項1に記載の物質推定装置。 - 前記演算部は、
前記複合体の撮像画像に対して前記デコンボリューションを実行することによって得られた値がゼロ未満になる場合に、
前記複合体の撮像画像に対して前記デコンボリューションを実行することによって得られた値をゼロに補正する、
請求項1に記載の物質推定装置。 - 前記演算部は、
第1時刻における前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像を算出する場合に、
前記第1時刻との時間差が第2閾値より大きい第2時刻に撮像された前記複合体の撮像画像に基づくことなく、前記第1時刻における前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像を算出する、
請求項1に記載の物質推定装置。 - 請求項1に記載の物質推定装置を備える全反射照明顕微鏡。
- 所定のサンプリング時間間隔による複合体の撮像画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記複合体の撮像画像に基づいて、捕捉体によって捕捉された伝達因子、伝達物質、伝達担体および抗原のいずれかである物質の推定画像を算出する演算ステップとを備え、
前記演算ステップでは、前記複合体の撮像画像から得られる、捕捉体によって捕捉された物質の増加と蛍光体の染色状態の時間変化のコンボリューションによって示される蛍光シグナルに対して、式(A)に示す関係を用いた所定フレームごとの時間軸方向のデコンボリューションを実行することによって、前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像が算出され、
前記捕捉体によって捕捉された物質は、蛍光体を含む溶液中において物質放出源から放出された物質が、前記溶液の底部分に配置された捕捉体によって捕捉されたものであり、
前記複合体は、前記捕捉体によって捕捉された物質と、前記溶液中の前記蛍光体とが結合して形成されたものである、
物質推定方法。
ただし、式(A)におけるXは前記複合体の濃度、Agは前記物質の濃度、Abは前記捕捉体の濃度、konは結合速度定数、koffは解離速度定数である。
- コンピュータに、
所定のサンプリング時間間隔による複合体の撮像画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記複合体の撮像画像に基づいて、捕捉体によって捕捉された伝達因子、伝達物質、伝達担体および抗原のいずれかである物質の推定画像を算出する演算ステップと
を実行させるためのプログラムであって、
前記演算ステップでは、前記複合体の撮像画像から得られる、捕捉体によって捕捉された物質の増加と蛍光体の染色状態の時間変化とのコンボリューションによって示される蛍光シグナルに対して、式(A)に示す関係を用いた所定フレームごとの時間軸方向のデコンボリューションを実行することによって、前記捕捉体によって捕捉された物質の推定画像が算出され、
前記捕捉体によって捕捉された物質は、蛍光体を含む溶液中において物質放出源から放
出された物質が、前記溶液の底部分に配置された捕捉体によって捕捉されたものであり、
前記複合体は、前記捕捉体によって捕捉された物質と、前記溶液中の前記蛍光体とが結合して形成されたものである、
プログラム。
ただし、式(A)におけるXは前記複合体の濃度、Agは前記物質の濃度、Abは前記捕捉体の濃度、konは結合速度定数、koffは解離速度定数である。
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