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JP7692325B2 - 建物 - Google Patents
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本発明は、ラーメン構造体を有する建物に関する。
柱と梁により構成されたラーメン構造体を有する建物がある(例えば、特許文献1を参照)。
特開2011-32635号公報
このような建物の耐震性や耐風性を高めるには、地震や風によって建物に作用する水平力に対してラーメン構造体のみで十分な水平耐力や水平剛性を確保する必要がある。このような十分な水平耐力や水平剛性を確保するために、例えば、ラーメン構造体を構成する柱や梁の断面を大きくしなければならない。また、例えば、ラーメン構造体にブレースや耐震壁を設ければ、これらの部材が建物の平面計画に制限を生じさせたり、建物の外観や内観を損なわせてしまったりすることが懸念される。
本発明は、上記の事実を考慮し、ラーメン構造体の耐震性及び耐風性を向上させることを目的とする。
第1態様に係る建物は、円蓋状の壁により構成され、支持構造物上に構築されたドーム構造体と、前記ドーム構造体に隣接して、前記支持構造物上に構築されたラーメン構造体と、前記ラーメン構造体の梁を前記ドーム構造体の前記壁に接合する接合部と、を有する。
第1態様に係る建物によれば、ドーム構造体の壁にラーメン構造体の梁を接合部によって接合することにより、ドーム構造体とラーメン構造体とは建物に作用する水平力に対して一体的に抵抗する。そして、ラーメン構造体からドーム構造体へどの方向から水平力が作用しても円蓋状の壁全体が高い水平剛性を有しているので、ドーム構造体は建物全体に対して高い耐震性及び耐風性を発揮する。これにより、ラーメン構造体の耐震性及び耐風性を向上させることができる。
よって、ラーメン構造体を構成する柱や梁の構造断面を小さくすることができる。また、ラーメン構造体を構成する架構内に配置する鉛直ブレース、耐震壁等の耐震要素の数を減らす又は無くすことができ、建物の平面計画の自由度を向上させたり、外観や内観を損なわなくしたりすることができる。
また、ドーム構造体の壁に接合されるラーメン構造体の梁の端部(ドーム構造体の壁側の端部)を支持する柱を無くすことができる。さらに、この梁は、両端支持形式になるので、片持ち梁形式と比べて構造断面を小さくすることができる。
第2態様に係る建物は、第1態様に係る建物において、前記支持構造物は、1層以上を構成する建物階である。
第2態様に係る建物によれば、1層以上を構成する建物階上にラーメン構造体が構築された建物において、このラーメン構造体の耐震性及び耐風性を向上させることができる。
第3態様に係る建物は、第1又は第2態様に係る建物において、前記ラーメン構造体は、複数層により構成されている。
第3態様に係る建物によれば、ラーメン構造体が複数層により構成されている建物において、このラーメン構造体の耐震性及び耐風性を向上させることができる。
本発明は上記構成としたので、ラーメン構造体の耐震性及び耐風性を向上させることができる。
一実施形態に係る建物を示す斜視図である。 図1の2-2線断面図である。 一実施形態に係る接合部を示す拡大図である。 一実施形態に係る建物モデルを示す斜視図である。 一実施形態に係る比較例としての建物モデルを示す斜視図である。 一実施形態に係る接合部のバリエーションを示す拡大図である。 図7(A)~(C)は、一実施形態に係る建物のバリエーションを示す立面図である。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る建物について説明する。
(建物)
図1の斜視図には、本実施形態に係る建物10が示されている。なお、各図に示される矢印Xは、建物10の梁間方向(以下、「梁間方向X」とする)を示し、矢印Yは、平面視にて矢印Xと直交する建物10の桁行方向(以下、「桁行方向Y」とする)を示している。
図1、及び図1の2-2線断面図である図2に示すように、建物10は、ドーム構造体12と、ドーム構造体12に隣接して構築されたラーメン構造体14とを有して構成されており、地盤16上に設けられた支持構造物としての基礎18上に建てられている。
ドーム構造体12は、H形鋼からなるトラス材20をトラス状に複数つなぎ合わせて円蓋状に形成されたトラス構造の壁22により構成された半球型の鉄骨造の構造体であり、基礎18上に構築されている。すなわち、ドーム構造体12は、建物10の1階に構築されている。なお、ドーム構造体12は、壁面に外装材(例えば、外装パネル)が設けられているものであってもよい。
ラーメン構造体14は、角形鋼管からなる柱24と、柱24の頭部に端部が剛接合されたH形鋼からなる梁26と、梁26に端部が剛接合されたH形鋼からなる梁28とにより構成された鉄骨造の構造体であり、基礎18上に構築されている。また、平面視にて対角位置に配置された柱24の頭部同士は、山形鋼からなる水平ブレース46によって繋がれている。
図3の拡大図に示すように、ラーメン構造体14の梁26は、接合部30によりドーム構造体12の壁22に水平力の伝達可能に接合されている。接合部30では、壁22を構成するトラス材20に接合されたガセットプレート32に、ラーメン構造体14の梁26のウェブ34端部をボルト36及びナット38によってボルト接合することにより、ラーメン構造体14の梁26の端部がドーム構造体12の壁22にピン接合されている。ラーメン構造体14の梁28の端部も、同様にしてドーム構造体12の壁22にピン接合されている。
(効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の建物10によれば、図1及び図2に示すように、ドーム構造体12の壁22にラーメン構造体14の梁26、28を接合部30によって接合することにより、ドーム構造体12とラーメン構造体14とは、地震や風によって建物10に作用する水平力に対して一体的に抵抗する。そして、ラーメン構造体14からドーム構造体12へどの方向から水平力が作用しても円蓋状の壁22全体が高い水平剛性を有しているので、ドーム構造体12は建物10全体に対して高い耐震性及び耐風性を発揮する。これにより、ラーメン構造体14の耐震性及び耐風性を向上させることができる。
よって、ラーメン構造体14を構成する柱24や梁26、28の構造断面を小さくすることができる。また、ラーメン構造体14を構成する架構内に配置する鉛直ブレース、耐震壁等の耐震要素の数を減らす又は無くすことができ、建物10の平面計画の自由度を向上させたり、外観や内観を損なわなくしたりすることができる。
また、ドーム構造体12の壁22に接合されるラーメン構造体14の梁26、28の端部(ドーム構造体12の壁22側の端部)を支持する柱を無くすことができる。さらに、この梁26、28は、両端支持形式になり、長期荷重によって梁に発生する応力が小さくなるので、片持ち梁形式と比べて構造断面を小さくすることができる。
ここで、本実施形態の建物10の効果を確認するために実施した、本実施形態の建物10の建物モデル40と、比較例としての建物42の建物モデル44との数値解析の結果を示す。
図4の斜視図に示すように、本実施形態の建物10の建物モデル40は、図1に示した建物10と同様の構成のものであり、ラーメン構造体14は、鉄骨造の1層3×3スパンの構造体とし、梁間方向Xの長さを21,000mm、桁行方向Yの長さを21,000mm、高さを4,300mmとしている。
また、柱24は、外径が267.4mm、厚さが9.3mmの円形鋼管とし、梁26、28は、400mm×200mm×8mm×13mmのH形鋼とし、水平ブレース46は、90mm×90mm×10mmの山形鋼とし、トラス材20は、150mm×150mm×7mm×10mmのH形鋼としている。
さらに、柱24の下端部は基礎18にピン支持され、梁26の端部は柱24の頭部に剛接合され、梁28の端部は梁26に剛接合され、梁26、28の端部は壁22のトラス材20にピン接合されている。
図5の斜視図に示すように、比較例としての建物42の建物モデル44は、建物モデル40の建物10からドーム構造体12を無くした、鉄骨造の1層3×3スパンのラーメン構造体48により構成されたものであり、ラーメン構造体48は、梁間方向Xの長さを21,000mm、桁行方向Yの長さを21,000mm、高さを4,300mmとしている。
また、柱24は、外径が267.4mm、厚さが9.3mmの円形鋼管とし、梁26、28は、400mm×200mm×8mm×13mmのH形鋼とし、水平ブレース46は、90mm×90mm×10mmの山形鋼としている。
さらに、柱24の下端部は基礎18にピン支持され、梁26の端部は柱24の頭部に剛接合され、梁28の端部は梁26に剛接合されている。
数値解析により、建物モデル40では、建物10に面積当たり2.5kN/m2の水平力Fが作用したときに、建物10(ラーメン構造体14)の水平変位量が6.7mm、変形角が1/641となった。また、建物モデル44では、建物42に面積当たり2.5kN/m2の水平力Fが作用したときに、建物42(ラーメン構造体48)の水平変位量が170.6mm、変形角が1/25となった。
このように、数値解析結果から、本実施形態の建物10の建物モデル40は、ドーム構造体12が設けられていない建物42の建物モデル44と比較して、水平変位量を小さくできることがわかる。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、図1及び図2に示すように、ドーム構造体12を鉄骨造とした例を示したが、ドーム構造体12は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete Filled Steal Tube:コンクリート充填鋼管構造)等の他の構造であってもよい。
例えば、ドーム構造体12を鉄筋コンクリート造とした場合、図6の拡大図に示すように、ラーメン構造体14の梁26、28は、接合部50によりドーム構造体12の壁22に水平力の伝達可能に接合する。
接合部50では、壁22を構成する鉄筋コンクリート造の壁部材52に固定されたガセットプレート32に、ラーメン構造体14の梁26のウェブ34端部をボルト36及びナット38によりボルト接合することにより、ラーメン構造体14の梁26の端部がドーム構造体12の壁22にピン接合されている。
ガセットプレート32は、このガセットプレート32の端部に設けられたベースプレート54と、壁部材52と、ベースプレート54と壁部材52を挟み込むようにして配置された固定プレート60とを貫通するようにして設けられたボルト56の両端にナット58を設けて締め付けることにより、壁部材52に固定されている。ラーメン構造体14の梁28の端部も、同様にしてドーム構造体12の壁22にピン接合されている。なお、ガセットプレート32は、ベースプレート54下面(壁部材52側の面)に取り付けられたスタッドボルトを壁部材52に埋設することにより、壁部材52に固定してもよい。
また、上記実施形態では、図1及び図2に示すように、ラーメン構造体14を鉄骨造とした例を示したが、ラーメン構造体14は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete Filled Steal Tube:コンクリート充填鋼管構造)等の他の構造であってもよい。ラーメン構造体14は、鉄骨造とした方が、水平剛性が小さくなるので、本実施形態の建物10の適用がより有効となる。
さらに、上記実施形態では、図1及び図2に示すように、ラーメン構造体14を1層の構造体とした例を示したが、ラーメン構造体14は、複数層により構成された構造体であってもよい。このようにすればラーメン構造体が複数層により構成されている建物において、このラーメン構造体の耐震性及び耐風性を向上させることができる。
例えば、図7(A)、(B)の立面図に示すように、ラーメン構造体14を2層の構造体としてもよい。
また、上記実施形態では、図1及び図2に示すように、ドーム構造体12が上に構築される支持構造物を基礎18とした例を示したが、支持構造物は1層以上を構成する建物階であってもよい。すなわち、建物の途中階上又は最上階上にドーム構造体12及びラーメン構造体14を構築してもよい。このようにすれば、1層以上を構成する建物階上にラーメン構造体が構築された建物において、このラーメン構造体の耐震性及び耐風性を向上させることができる。
例えば、図7(C)の立面図に示すように、ドーム構造体12及びラーメン構造体14を建物10の4階上に構築してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 建物
12 ドーム構造体
14 ラーメン構造体
18 基礎(支持構造物)
22 壁
26、28 梁
30、50 接合部

Claims (3)

  1. 円蓋状の壁により構成され、支持構造物上に構築されたドーム構造体と、
    前記ドーム構造体に隣接して、前記支持構造物上に構築されたラーメン構造体と、
    前記ラーメン構造体の梁を前記ドーム構造体の前記壁に接合する接合部と、
    を有し、
    前記接合部は、前記壁を構成するとともに、上下左右に連続するトラスを構成するトラス材に設けられている建物。
  2. 円蓋状の壁により構成され、支持構造物上に構築されたドーム構造体と、
    前記ドーム構造体に隣接して、前記支持構造物上に構築されたラーメン構造体と、
    前記ラーメン構造体の梁を前記ドーム構造体の前記壁に接合する接合部と、
    を有し、
    前記支持構造物は、1層以上を構成する建物階である建物。
  3. 円蓋状の壁により構成され、支持構造物上に構築されたドーム構造体と、
    前記ドーム構造体に隣接して、前記支持構造物上に構築されたラーメン構造体と、
    前記ラーメン構造体の梁を前記ドーム構造体の前記壁に接合する接合部と、
    を有し、
    前記ラーメン構造体は、複数層により構成されている建物。
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