JP7693165B2 - おから混練樹脂フィルム - Google Patents
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Description
(項目1)
メルトフローレイトが約2.0g/10min~約50g/10minの樹脂100重量部に対し、おからを約1重量部~約105重量部の割合で含むおから混練樹脂を含むフィルム。
(項目2)
前記おから混練樹脂が、さらに強度向上剤を約0.5重量部~約51重量部の割合で含む、上記項目に記載のフィルム。
(項目3)
前記強度向上剤が無機粉末および消泡剤を含む、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目4)
前記無機粉末が、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、および硝酸バリウムのうちの少なくともいずれか一種以上を含む、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目5)
前記消泡剤が、シリコーン樹脂、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択され、ここで前記脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸またはリノール酸を含む炭素数約14~約24の飽和または不飽和の脂肪酸である、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目6)
前記樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、およびニトロセルロースのうちの少なくともいずれか一種以上を含む、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目7)
前記メルトフローレイトがJIS K6922-2に準拠して測定したものであることを特徴とする、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目8)
前記おからの平均粒径が約1μm~約200μmである、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目9)
前記おからの油分含有量が約0.5wt.%~約20wt.%である、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目10)
クロスヘッドスピードが30mm/minの場合の前記フィルムの引裂強度(N)を、前記フィルムの厚さ(mm)で割った値が30N/mm以上である、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目11)
前記フィルムのH2O比表面積が約1m2/g以上である、上記項目のいずれか一項に記載のフィルム。
(項目12)
上記項目のいずれか一項に記載のフィルムを含む、包装袋。
(樹脂の材質)
おからと混練する樹脂は、好ましくはおおむね融点もしくはガラス転移温度が220℃以下である樹脂である。このような樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ニトロセルロース等が挙げられる。一実施形態において、本発明での使用に適するポリスチレンは、アタクチック型のものであることが好ましい。アタクチック型ポリスチレンは、成形温度が約200℃であるため、本発明の加熱溶融混練の条件に適合する。アタクチック型ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂などは非晶性高分子材料であり、融点がない。したがって、これらの樹脂は、そのガラス転移温度より高い温度で成形する。ポリプロピレンやアクリル樹脂などは、アイソタクチック型、シンジオタクチック型、アタクチック型の形態が存在するがいずれも220℃以下で成形可能なので、本発明の加熱溶融混練の条件に適合する。
おからは、豆乳を絞った際に残る残渣物であり、大量に発生する。本発明のおから混練樹脂におけるおからの混練割合は以下の式1により算出される。なお、式1中のR、W1およびW2はそれぞれおからの混練割合(重量%)、混練したおからの絶乾重量(kg)および樹脂の絶乾重量(kg)をそれぞれ表す。
本発明は、おからと樹脂との合計重量割合が高いにもかかわらず、おからと樹脂とが剥離しないようなおから混練樹脂およびその製造方法を提供するものである。本発明の製造方法における、加熱溶融混練前のおからと樹脂との混合物におけるおからと樹脂の合計重量割合は、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約98%以上、約99%以上、または約100%である。なお、本明細書中で「おからと樹脂との合計重量割合」という場合、おからおよび樹脂それぞれの絶乾重量に基づいて計算した値であってもよいし、水分を含む重量に基づいて計算した値であってもよいが、代表的には絶乾重量に基づいて計算した値である。加熱溶融混練前のおからと樹脂との混合物におけるおからと樹脂の合計重量割合は、好ましくは約90重量%以上であり、より好ましくは約95重量%以上であり、最も好ましくは約100%である。
1つの実施形態において、本発明のおから混練樹脂は、おからと樹脂に加えて、追加成分も含み得る。典型的な実施形態において、この追加成分は、強度向上剤、強度補強のためのフィラー(セルロース(例えば、木材廃材由来)などの有機フィラーまたはタルクやセメント系廃材などの無機フィラー)、難燃剤(トリフェニルホスフェート、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、顔料(二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄など)、脱臭剤(活性炭、コーヒーかす、ゼオライトなど)、香料、忌避剤(例えば、モノテルペン類、セスキテルペン類、フェノール類などの植物精油成分など)などを含み得る。
おからと混練する樹脂の形状について、樹脂が元々包装フィルムや容器といったフィルムやシート状の場合には細かく裁断して混練機に供する。その際、大きさは0.1mm四方以上10mm四方以下が好ましく、3mm四方以上9mm四方以下がより好ましく、6mm四方以上8mm四方以下が最も好ましい。樹脂の大きさが0.1mm四方より小さい場合には静電気による飛散が著しく操作性が悪く、また樹脂の大きさが10mm四方より大きい場合には、樹脂とおからの混合物を図3に記載のホッパー3に投入した場合、ホッパー3とスクリュー4との間で樹脂が堆積し、おからと樹脂の均一性が低下する懸念があるためである。
おからは粉粒体の形状となっているが、この時点ではおからの大きさはバラつきがある。そこで、おからをボールミルなどで粉砕し、おからの平均粒径も制御する必要がある。この時、樹脂と混練するおからの平均粒径は、1μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上150μm以下がより好ましく、50μm以上100μm以下が最も好ましい。おからの平均粒径が約200μmよりも大きい場合には樹脂とおからの混合物を図3に記載のホッパー3とスクリュー4との間で樹脂が堆積し、結果的におから混練樹脂におけるおからと樹脂の均一性が低下し、また約1μmよりも小さい場合には飛散しやすく、おからとの混練時における操作性が低下する懸念があるである。なお、本明細書において「平均粒径」という場合、走査電子顕微鏡においてランダムに選択した20個のおから粒子において最長となる径を測定し、それを平均した値である。例えば、おから粒子の径はスケールを基に測定することができる。おからの大きさは、混練樹脂においても維持され得る。
樹脂やおからが絶乾状態の場合、混練時における摩擦などにより静電気が発生しやすく、樹脂やおからが飛散しやすくなる。このため、おからに適度な水分を含有させることで静電気の発生を防止する。この時、おからの水分率は約1重量%以上約20重量%未満であることが好ましく、約5重量%以上約15重量%未満がより好ましく、約9重量%以上約12重量%未満が最も好ましい。おからの水分率が約1重量%未満の場合には混合時に飛散し、混合割合のばらつきが大きくなる懸念があり、またおからの水分率が約20重量%よりも大きい場合には加熱時の水分の気化熱によってシリンダ1内部が冷却され、樹脂が十分に溶融しない懸念や、特にエステル結合を有する樹脂の場合には加水分解による分子量低下が顕著となる懸念があるためである。ただし、製造工程にインフレーション成形が含まれる場合には、インフレーション成形時の気泡形成による破断を防ぐために、混練されるおからは絶乾状態にする必要がある。
おからに含まれる油分は樹脂との相溶性を向上させ、均一な混練に不可欠である。このため、おからの油分含有量は約0.5重量%~約20重量%が好ましく、約7重量%~約15重量%がより好ましく、約11重量%~約13重量%が最も好ましい。おからの油分含有量が0.5重量%未満の場合には樹脂との混練が不均一となり、おから混練樹脂からのおからの剥離が顕著になる懸念があり、またおからの油分含有量が約20重量%より多い場合には、おから混練樹脂より油分がブリードし、混練機や射出成形機などの機械装置の腐食原因となる懸念があるためである。
おからとプラスチックの混練ペレット作製条件は特願2021-128389号「おから混練樹脂の製造方法」およびすまし粉を添加したおから混練樹脂ペレット製造条件を基にした。具体的には、以下の通りである。
本発明におけるおから混練樹脂ペレットの製造方法は、混合した樹脂とおからとを加熱溶融混練し、混練物を製造する工程と、混練物を冷却し、固化する工程(以下、冷却工程)とを含む。代表的な実施形態においては、本発明におけるおから混練樹脂ペレットの製造方法は、樹脂とおからとを任意の割合で混合する工程(以下、混合工程)、混合工程にて混合した樹脂とおからとを混練押出機を用いて溶融混練し、おからと樹脂の混練物を製造する工程(以下、混練工程)、混練機から吐出された混練物を冷却し、固化する工程(以下、冷却工程)、さらに冷却された混練物を裁断し、ペレット状にする工程(以下、裁断工程)よりなる。
混合工程では、樹脂とおからとを任意の割合で混合する。典型的には、樹脂とおからとは、上記のおから混練樹脂におけるおからの混練割合、例えば、30重量%以上70重量%以下となるように混合される。混合の方法は特に限定されず、例えばおからと樹脂とを任意の割合でステンレス製寸胴などの容器内に投入した後、蓋をして手動で上下反転させても良いし、ロータリー式撹拌機を用いて樹脂とおからの混合物を回転しながら攪拌しても良い。この時、おからが適度に水分を含むため、樹脂表面での静電気発生が防止され、飛散しにくくなる。
おからと樹脂とを混合する際、おからの嵩体積、樹脂の嵩体積および撹拌容器の容積との間には以下の式2を満たすことが好ましい。なお、式2中のV1、V2およびVはそれぞれおからの嵩体積(L)、樹脂の嵩体積(L)および撹拌機の容積(L)をそれぞれ表す。
ロータリー撹拌によっておからと樹脂とを混合する場合、撹拌機の回転数は、おからと樹脂とが適度に撹拌されるものであれば任意の数値であり得るが、1rpm以上30rpm以下が好ましく、5rpm以上20rpmがより好ましく、12rpm以上15rpm以下が最も好ましい。回転数が1rpm未満の場合にはおからと樹脂とが十分に攪拌されない懸念があり、また回転数が30rpmよりも高い場合は混合の程度に大きな違いが見られず技術上の意義が希薄になる。
混合工程で作製されたおからと樹脂の混合物は、加熱溶融混練される。本発明の例示的な実施形態においては、おからと樹脂の混合物は、図3に模式的に示された混練機ホッパー3より導入される。シリンダ1内ではらせん溝を有するスクリュー4が回転しており、溶融した樹脂とおからとが混ざり合った状態で吐出口5より排出される。このとき、おからに含まれる油分により樹脂とおからの相分離を防ぎ、均一に混練されることとなる。通常、樹脂と相溶性の低い食品バイオマスや無機フィラーを混練する場合には相溶化剤などを添加し、均一性を向上させるが、本発明で用いるおからは油分を含むため相溶化剤を添加しなくても均一な混練が可能となる。
例示的な実施形態では、本発明のおから混練樹脂製造のための混練機のシリンダ1内部にヒーター6が設置されており、温度制御部7で混練温度を任意に制御することが可能である。おからと樹脂を混練する際、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブチレンサクシネート、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂、アクリル樹脂の場合では、130℃以上220℃以下が好ましく、150℃以上180℃以下がより好ましく、155℃以上175℃以下が最も好ましい。高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ニトロセルロースの場合では、上記温度は、170℃以上220℃以下が好ましく、175℃以上200℃以下がより好ましく、180℃以上195℃以下が最も好ましい。なお、本明細書中における「混練温度」とは、シリンダ1内で最も高温の箇所の温度をいう。混練温度が130℃未満(低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブチレンサクシネート、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂、アクリル樹脂)または170℃未満(高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ニトロセルロース)の場合、樹脂が十分に溶融しないために成形時に破断が頻発し、一方混練温度が220℃より高い場合にはおからの熱分解が顕著となり、分解生成ガスによる気泡形成や破断が頻発する懸念がある。好ましい実施形態において、混練前の樹脂の分子量と比較して、混練後の樹脂の分子量が増加するように、混練工程を行い得る。
シリンダ1の材質についても特に限定されないが、スクリューと同様に水分を含んだ樹脂やおからが接触することから、ステンレスやサーメットの材質を用いることが好ましい。この他、クロムメッキなどの表面処理を施すことで耐食性に向上させることも好ましい。
混練工程において、スクリュー4の回転数は40rpm以上120rpm以下が好ましく、55rpm以上100rpm以下がより好ましく、60rpm以上80rpm以下が最も好ましい。スクリュー4の回転数が40rpm未満の場合には樹脂やおからが熱を受ける時間が長くなり熱分解や加水分解が起こりやすくなる懸念があり、また120rpmよりも大きい場合には樹脂の溶融が不十分となり、おからと混練できない懸念があるためである。実際に、スクリューの回転数を200rpmとした場合に比べて、回転数が50rpm以上120rpm以下の場合には、得られるおから混練樹脂ペレットの外観評価および水蒸気吸着量のいずれも優れていた(データ示さず)。
スクリュー4の材質は特に限定されないが、水分を含んだおからが導入されるため、スクリュー4の材質にステンレスやサーメットを用いることが好ましい。この他、クロムメッキなどの表面処理を施すことで耐食性に向上させることも好ましい。
好ましい実施形態において、本発明のおから混練樹脂の製造における加熱溶融混練において使用する混練機においては、おからに含まれる水分の蒸発によりシリンダ内の内圧が上昇するのを防ぐため、シリンダに自動排気弁2を設置する。この時、自動排気弁2は、シリンダ内が0.05MPa.G以上になると自動的に大気中へ水蒸気を放出できるように設定することが好ましい。
吐出口5の形状は特に限定されないが、円形が最も好ましい。また、吐出口5の形状が円形の場合、吐出口5の直径は1mm以上10mm未満が好ましく、2mm以上6mm以下がより好ましく、4mm以上5mm未満が最も好ましい。吐出口5の直径が1mm未満の場合には吐出されたおから混練樹脂8が切断されやすく、また10mmより太い場合には、おから混練樹脂8が切断しやすく、その後の冷却工程や裁断工程の操作性が低下する懸念がある。
混練工程でロッド状のおから混練樹脂8が吐出口5より吐出される。吐出直後のおから混練樹脂8はペレタイザーへ移送されるが、その前段でおから混練樹脂8を冷却し、固化させる工程(冷却工程)が必要となる。
冷却工程におけるおから混練樹脂8の冷却方法は、おから混練樹脂8に送風機等を用いてで風を送る方式(以下、空冷方式)、おから混練樹脂8を水中に含浸する方式(以下、水冷方式)、冷却ブロックに接触させる方式(以下、冷却ブロック接触方式)が好ましく、空冷方式、冷却ブロック接触方式がより好ましく、空冷方式が最も好ましい。これは、空冷によりおから混練樹脂8を冷却できるだけでなく、おからに水分が付着しにくいためである。
冷却工程において、混練機より吐出されたロッド状のおから混練樹脂8を冷却する場合、吐出口5からペレタイザー9までの距離(以下、冷却距離)は1m以上10m以下が好ましく、2m以上6m以下がより好ましく、3m以上5m以下が最も好ましい。冷却距離が1m未満の場合にはおから混練樹脂の冷却が不十分となり、その後の裁断が困難になる懸念があり、また冷却距離が10mより長い場合にはいずれの冷却方法でもおから混練樹脂は十分に固化し、技術上の意義が希薄になるためである。実際に、冷却距離を0.3mとした場合に比べて、冷却距離が1m以上の場合には、得られるおから混練樹脂ペレットの外観評価および水蒸気吸着量のいずれも優れていた(データ示さず)。
図4に混練工程、空冷方式による冷却工程および裁断工程の流れを模式的に示す。空冷方式によりおから混練樹脂8を冷却する場合、おから混練樹脂8は混練機とペレタイザー9との間に設置された送り台10上を移動する。この時、送風機11よりおから混練樹脂8表面に風を送るが、おから混練樹脂8表面への風速は1.5m/s以上10m/s以下が好ましく、3m/s以上7m/s以下がより好ましく、4m/s以上5m/s以下が最も好ましい。おから混練樹脂8表面の風速が1.5m/s未満の場合には混練物の冷却が不十分のため、その後の裁断が困難となり、また10m/sより大きい場合には風圧によりロッド状のおから混練樹脂8が切断する懸念があるためである。
図5に混練工程、冷却ブロック接触方式による冷却工程および裁断工程の流れを模式的に示す。冷却ブロック接触方式によりおから混練樹脂8を冷却する場合、冷却ブロック12の温度は-20℃以上10℃以下が好ましく、-5℃以上5℃以下がより好ましく、0℃以上3℃以下が最も好ましい。冷却ブロック12の温度は-20℃未満にしても混練物の冷却程度に違いがなく、技術上の意義が希薄となり、また10℃より高い場合には混練物の冷却が不十分のため、その後の裁断が困難となる懸念があるためである。
図6に混練工程、水冷方式による冷却工程および裁断工程の流れを模式的に示す。水冷方式の場合、おから混練樹脂8は水槽13中を通過することで冷却される。この時、水槽13中の水温は0℃以上10℃以下が好ましく、2℃以上7℃以下がより好ましく、4℃以上6℃以下が最も好ましい。水槽13中の水温が0℃未満の場合には水槽13中の水が氷になり、おから混練樹脂8を浸漬できず、また10℃より高い場合にはおから混練樹脂8の冷却が不十分のため、その後の裁断が困難となる懸念があるためである。なお、水冷方式により冷却した場合には裁断工程後に再度乾燥処理を行い、水分を除去する必要がある。
冷却されたロッド状のおから混練樹脂8はペレタイザー9を用いた裁断工程で任意の大きさに裁断される。この時、裁断の方法は特に限定されないが、ペレタイザーは回転刃と固定刃でカットするストランドカット方式が実用上好ましい。好ましい実施形態において、本発明のおから混練樹脂、または本発明の製造方法によって製造されたおから混練樹脂は、裁断後にもおからと樹脂とが剥離していない。
混練機から送られてきたロッド状のおから混練樹脂8をペレタイザー9にて裁断する際、裁断の間隔は1mm以上10mm以下が好ましく、3mm以上8mm以下がより好ましく、4mm以上5mm以下が最も好ましい。裁断の間隔が1mm未満の場合にはおから混練樹脂8に混練されたおからが剥離しやすく、また10mmより長い場合には吸湿材料として取り扱うには大きすぎる懸念があるためである。
図7にペレタイザー9内の構造を模式的に示す。ペレタイザー9の内部は回転刃14および固定刃15が設置されている。なお、回転刃14および固定刃15の材質については特に限定されないが、おからが油分を含むため、ステンレスやサーメットを用いる、あるいはクロムメッキなどの表面処理を施すといった耐食性に優れた材質を使用することが望ましい。
ペレタイザー9内の回転刃14および固定刃15によりおから混練樹脂8は、裁断され、おから混練樹脂ペレット16がペレタイザーの下部が設置された容器17へ蓄積される。このようにして得られたおから混練樹脂材料ペレットは吸湿性材料としての用途の他、射出成形、押出成形といった成形方法によって任意の形状の成形品に成形することが可能である。本明細書において、混練樹脂または混練樹脂ペレットを材料または材料の一部として使用して加工することで得られる物品を成形品という。
おから混練樹脂フィルムの製造方法としては、例えば、Tダイ成形、インフレーション成形、カレンダー成形、スカイフ成形などが挙げられる。特に、インフレーション成形が好ましい。
本発明のおから混練樹脂フィルムのインフレーション成形は、定法に従って実施できる。例えば、インフレーション成形機を用いて、シリンダ温度130℃以上220℃以下、ダイ温度130℃以上220℃以下で実施できる。またブローアップ比(折径/ダイ口径)は1以上5以下、フィルム厚みは0.01mm以上1mm以下、折径は200mm以上600mm以下、成形速度は0.5m/min以上10m/min以下としてよい。
押出機のシリンダ温度とダイ部分の温度は、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブチレンサクシネート、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂、アクリル樹脂の場合では、130℃以上220℃以下が好ましく、150℃以上180℃以下がより好ましく、155℃以上175℃以下が最も好ましい。130℃より低い温度では樹脂が十分に溶融しないために成形時に破断が頻発する懸念があり、また220℃より高い温度の場合にはおからの熱分解が顕著となり分解生成ガスによる気泡形成や破断が頻発する懸念があるためである。高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ニトロセルロースの場合では、上記温度は、170℃以上220℃以下が好ましく、175℃以上200℃以下がより好ましく、180℃以上195℃以下が最も好ましい。170℃より低い温度では樹脂が十分に溶融しないために成形時に破断が頻発する懸念があり、また220℃より高い温度の場合にはおからの熱分解が顕著となり分解生成ガスによる気泡形成や破断が頻発する懸念があるためである。
本発明のおから混練樹脂フィルムは、おからという原料そのものの特性に由来する高い吸湿性により、別途いかなる処理も加えることなく帯電防止効果を有する。また本発明のおから混練樹脂フィルムは、フィルム表面に微細な凹凸があり、フィルムの接触面積を減らす。上記帯電防止効果および低減した接触面積の組み合わせにより、フィルムの取り扱いを容易にし、袋に成形したときに袋の口開き性(ブロッキング指標で評価される)を向上させる。さらに、本発明のおから混練樹脂フィルムは、おからの匂いによる悪臭の抑制効果も併せ持つ。また、特願2021-128396号「育苗ポット」に記載されるように、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどから選択されるものを樹脂の主成分とすることで、おから混練樹脂フィルムを生分解性にすることもできる。
本発明のおから混練樹脂フィルムは、その特性を利用して様々な用途を有する。例を挙げると、シートの形状での用途としては、包装シート、シュリンクフィルム、梱包シート、発泡シート、養生用シート、または農業用シート(例えば、生分解性マルチ)などが挙げられる。特に、生分解性おから混練樹脂フィルムは、特願2021-128396号「育苗ポット」に記載されるように、おからに含まれるミネラル(特にカリウム)が溶出し、農業用シートとして利用した場合に撤去する必要がなく、また施肥の追加効果も期待できる。さらに混練樹脂フィルムに含まれるおからは吸水性を維持しているので、フィルムに市販の液体肥料を含浸した後乾燥すれば、さらに高い施肥効果が期待できる。また別の態様では、複数枚のシートを積層させることで、シート全体の強度を向上させることも想定される。
(おから混練プラスチックペレット(マスターペレット)の作製)
プラスチックにはメルトフローレイトが4.0g/10minの低密度ポリエチレン(以下、LDPE)を使用した。また,おからは、豆乳を絞った際に残る生おからを乾燥した後、粉砕して平均粒径80μmとしたものを用いた。なお,おからに含まれる油分は17.6wt.%だった。
シリンダ径25mmφの1軸押出機(スクリュー圧縮比=2.8,シリンダ長/シリンダ径=25)にダイリップ径25mmφ、ダイリップクリアランス(環状ダイから樹脂が出てくる部分の幅)0.75mmの環状ダイを取り付け、100メッシュスクリーンを通して押出機のスクリュー回転数を61.9rpmとして環状ダイから成形温度(ダイ出口での樹脂温度)を160℃として成形速度1.4m/min、吐出量588g/minで溶融押出を行い、ダイ出口より約30mm上に設けた外径60mmφのエアリングから空気を吹付けながら、ブローアップ比を2.5、引取速度を25m/minとなるようにインフレーション成形を行い、ダイ出口上約1000mmにあるニップロール、ガイドロール、第2ニップロールを通して、厚み0.6mm、折り径360mmのおから混練樹脂フィルム(実施例1)を作製した。
口開き性の評価(ブロッキング指標)
以下の表に示す判断基準を設定し、3以上で口開き性が改善されたと判断した。
図9に示すように試料を20mm×50mmの大きさに裁断し、短辺の中心部分に25mmの切れ込みを入れた後、材料試験機を用いてクロスヘッドスピード30mm/minで引っ張った。さらに引裂強度を試料の厚みで割ったものを引裂強度指標として評価した。
多検体ガス吸着量測定装置(アントンパール製,Autosorb-iQ2-XR-VP)を用い,予め40℃で24時間真空加熱排気した後,吸着温度25℃,相対圧0~0.9の範囲で0.05毎に水蒸気吸着量を測定した。また,相対圧0.20、0.25および0.30における水蒸気吸着量からBET3点法により比表面積(以下、H2O比表面積)を算出した。なお,水蒸気の占有面積は0.112nm2とした。
手順
(1)各実施例及び比較例で得られた袋状試料を図10に示すようにラミネート融着し、さらにガス排気および導入のためコックを取り付けた後、試料袋内に空気とアンモニアの混合ガスを1L入れた。この時、アンモニアガス濃度は100ppmとした。
(2)10分間放置した後、混合ガスの入った袋状試料の直上15cmの高さに被験者の顔を近づけ、アンモニア臭をかぎ分けられるか否かを確認した。
(3)表2を基に、おから混練による消臭効果について評価した。
上記おから混練袋の評価方法にしたがって試験した実施例および比較例の結果を以下の表3に記載する。
2 自動排気弁
3 ホッパー
4 スクリュー
5 吐出口
6a、6b、6c、6n ヒーター
7 制御部
8 ロッド状のおから混練樹脂
9 ペレタイザー
10 送り台
11 送風機
12 冷却ブロック
13 水槽
14 回転刃
15 固定刃
16 おから混練樹脂ペレット
17 容器
Claims (7)
- おから混練樹脂を含むフィルムであって、前記おから混練樹脂が、メルトフローレイトが約2.0g/10min~約50g/10minの樹脂100重量部に対し、おからを約1重量部~約20重量部の割合で含み、前記樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレンのうちの少なくともいずれか一種以上を含み、前記おからの平均粒径が約1μm~約100μmであり、前記フィルムの厚さが0.01mm~0.6mmであり、前記おから混練樹脂が、
(a)前記おからと前記樹脂とからなるか、または
(b)前記おからと、前記樹脂と、さらに強度向上剤を約0.5重量部~約51重量部の割合で含み、前記強度向上剤が無機粉末および消泡剤を含み、前記無機粉末が、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、および硝酸バリウムのうちの少なくともいずれか一種以上を含み、
前記メルトフローレイトがJIS K6922-2に準拠して測定したものであることを特徴とする、フィルム。 - 前記消泡剤が、シリコーン樹脂、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択され、ここで前記脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸またはリノール酸を含む炭素数約14~約24の飽和または不飽和の脂肪酸である、請求項1に記載のフィルム。
- 前記おからの油分含有量が約0.5wt.%~約20wt.%である、請求項1に記載のフィルム。
- クロスヘッドスピードが30mm/minの場合の前記フィルムの引裂強度(N)を、前記フィルムの厚さ(mm)で割った値が30N/mm以上である、請求項1に記載のフィルム。
- 前記フィルムのH2O比表面積が約1m2/g以上である、請求項1に記載のフィルム。
- 請求項1に記載のフィルムを含む、包装袋。
- 前記フィルムがインフレーション成形によって製造される、請求項1に記載のフィルム。
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