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JP7701554B2 - ペリクル包装体及びペリクル収容体 - Google Patents
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JP7701554B2 - ペリクル包装体及びペリクル収容体 - Google Patents

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Description

本開示は、ペリクル包装体及びペリクル収容体に関する。
電子部品、プリント基板、ディスプレイパネル等の物体の表面に感光性の物質を塗布し、パターン状に露光してパターンを形成する技術(フォトリソグラフィー)では、マスクと呼ばれる片面にパターンが形成された透明基板が使用されている。これらの製造工程では、マスク(露光原板、レチクルともいう)を介して感光層等に光を照射することによってパターニングを行う。その際、マスクに異物が付着していると、光が異物に吸収されたり、異物表面で光が反射されて屈曲したりする。その結果、形成されるパターンが変形したり、エッジががさついたりして、パターニング後の寸法、品質、および外観等が損なわれてしまうといった問題が生じる。このような問題を解消すべく、マスクの表面に、光を透過するペリクル膜を備えるペリクルを装着し、異物の付着を抑制する方法が採用されている。
近年、電子部品の高性能化、回線幅の微細化に伴い、ペリクルについても、従来以上に微量のアウトガスや微細なパーティクルの影響を受けやすくなってきている。アウトガスが部材表面に付着して表面の曇りや、変質を低減するため、例えば、特開2007-12793号公報では、ペリクルを収容する収容容器から発生する揮発性有機ガスの量を低減するために、収容容器をポリカーボネート樹脂と導電性カーボンブラックとを含む仕様としている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ペリクルを包装する包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスが、包装されたペリクルへと付着し、ペリクルを構成する材料自身に由来する揮発性成分のアウトガスとは別に、ペリクルからアウトガスとして発生し、これがペリクル汚染の要因の一つとなることを新たに見出した。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減されたペリクル包装体を提供することである。
本開示の他の一実施形態が解決しようとする課題は、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減されたペリクル収容体を提供することである。
上記課題を解決するための具体的手段は以下の態様を含む。
<1> 100℃、30分の加熱条件下での揮発性有機成分のアウトガスの合計量が90ppm以下である、ペリクル包装体。
<2> シーラント層と、基材層と、の少なくとも2層を含む、前記<1>に記載のペリクル包装体。
<3> 前記シーラント層は、厚みが40μm以下である、前記<2>に記載のペリクル包装体。
<4> 前記シーラント層と前記基材層との間に接着層を有する、前記<2>又は<3>に記載のペリクル包装体。
<5> 前記シーラント層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む、前記<2>~<4>のいずれか1つに記載のペリクル包装体。
<6> 破壊強度が5N以上50N以下である、前記<1>~<5>のいずれか1つに記載のペリクル包装体。
<7> 原版用接着剤を有するペリクル用の包装体であって、前記原版用接着剤がスチレンブタジエン系接着剤を含む、前記<1>~<6>のいずれか1つに記載のペリクル包装体。
<8> ペリクルと、
前記ペリクルを収容するペリクル収容器と、
前記ペリクル収容器を包装する前記<1>~<7>のいずれか1つに記載のペリクル包装体と、
を備えるペリクル収容体。
<9> 前記ペリクルが原版用接着剤を含み、
前記原版用接着剤がスチレンブタジエン系接着剤である、前記<8>に記載のペリクル収容体。
本開示の一実施形態によれば、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減されたペリクル包装体を提供することができる。
本開示の他の一実施形態によれば、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減されるペリクル収容体を提供することができる。
図1は、ペリクルの一例を示す概略断面図である。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
<ペリクル包装体>
本開示のペリクル包装体は、100℃、30分の加熱条件下での揮発性有機成分のアウトガスの合計量が90ppm以下である。
本開示のペリクル包装体によれば、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減される。
ペリクル包装体とは、ペリクルを包装する包装部材のことをいう。
揮発性有機成分とは、25℃での蒸気圧が0.01KPa以上である成分をいう。
揮発性有機成分とは、例えば、芳香族炭化水素化合物、脂肪族炭化水素化合物等の炭化水素化合物が挙げられる。
アウトガスは、樹脂等のペリクル包装体を構成する材料から発生するガスを意味する。
ペリクル包装体は、100℃、30分の加熱条件下での揮発性有機成分のアウトガスの合計量が90ppm以下であり、30ppm以下であることが好ましく、15ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることがさらに好ましく、5ppm以下であることが特に好ましい。つまり、ペリクル包装体は、100℃、30分の加熱条件下での揮発性有機成分のアウトガスの合計量が0ppmに近いほど好ましく、検出限界以下又は0ppmであることがより好ましい。
ペリクル包装体における上記揮発性有機成分のアウトガスの合計量が上記範囲内であると、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量がより低減される。
上記揮発性有機成分のアウトガス量は、下記のようにして測定する。
ペリクル包装体を、10mgになるように切り取り、これを試験片とする。前記試験片を、2口のキャップが付いたガラスインサートにセットした。次に、キャリアガスとしてHeガスを3.0mL/毎分で流し込みながら、100℃で30分加熱し、揮発した揮発性有機成分を、-20℃のコールドトラップで捕集する。捕集した揮発性有機成分の量を、ガスクロマトグラフ質量分析計(以下、GCMSとも称す。)を用いて測定(n-デカン換算)し、アウトガスの発生量とする。GCMSの測定条件は以下の通りである。
測定装置名 :QP2010plus
カラム :DB-1(内径:0.32mm、長さ:60m、厚み:1.00μm)
スキャン範囲:35~450m/Z
イオン化 :0.78kV
測定方法 :100℃、30分で発生したガス量をデカン換算で算出。
上記揮発性有機成分のアウトガス量を上記範囲とする具体的な手法は特に制限されないが、ペリクル包装体を形成する材料を調整する方法等が挙げられる。例えば、ペリクル包装体をシーラント層と基材層との少なくとも2層を含む積層体とし、前記シーラント層の材料やシーラント層の厚さを調整する方法等が挙げられる。
ペリクル包装体は、使用上の強度の観点から、破壊強度が5N以上50N以下であることが好ましく、7N以上45N以下であることがより好ましく、10N以上40N以下であることがさらに好ましい。
上記破壊強度の測定は、JIS-K7127-5(1999年)((ISO527-3:1995に対応))に準じる。JIS-K7127の試験片タイプ5(全長115mm、並行部分の幅6mm、標線間距離25mm、つかみ部の幅25mmのダンベル形状)の両端を引っ張り、破壊強度を測定する。
上記破壊強度を上記範囲とする具体的な手法は特に制限されないが、例えば、基材層の材料や厚さを調整する方法などが挙げられる。
ペリクル包装体は、シーラント層と、基材層と、の少なくとも2層を含むことが好ましく、シーラント層と、接着層と、基材層と、をこの順で含むことがより好ましい。
ペリクル包装体が、シーラント層と、基材層と、の少なくとも2層を含む積層体である場合、又は、ペリクル包装体が、シーラント層と、接着層と、基材層と、をこの順で含む積層体である場合、ペリクル側の最表面がシーラント層であり、外周面側の最表面が基材層であってもよい。
ペリクル包装体がシーラント層と、基材層と、の2層を少なくとも含んで構成される場合、又は、ペリクル包装体が、シーラント層と、接着層と、基材層と、をこの順で含む積層体である場合、ペリクル包装体における揮発性有機成分のアウトガスは、シーラント層から発生しやすいと考えられる。そのため、ペリクル側の最表面がシーラント層であると、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着も顕著になる。これに対し、本開示のペリクル包装体は、先述の構成を有することにより、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低く維持されやすくなる。
(シーラント層)
シーラント層は、単層体であってもよいし、2層以上からなる積層体であってもよい。
シーラント層の材料は、特に制限されず、公知の樹脂を含む組成物が適用できる。
前記樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)(高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を含む。)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリメチルペンテン等の単独重合体であるポリオレフィン樹脂;エチレン、プロピレン、ブテン、メチルペンテン等のオレフィンからなる群より選択される2種以上の共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ナイロン-6、ナイロン-6,6、メタキシレンジアミン-アジピン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルイミド等のポリアミド樹脂;エチレン-ビニルアルコール共重合体;などが挙げられる。樹脂は、1種単独であっても2種以上の併用であってもよい。
上記の中でも、シーラント層の材料としては、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量をより低減する観点から、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリエステル樹脂及びエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含むことがさらに好ましい。
シーラント層は、厚み(2層以上からなる積層構造である場合には総厚)が、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、40μm以下であることが特に好ましい。
シーラント層の厚みが上記範囲以下であると、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量がより低減される。
シーラント層は、厚み(2層以上からなる積層構造である場合には総厚)が、シール性の観点からは、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。
上記観点から、シーラント層は、厚み(2層以上からなる積層構造である場合には総厚)が3μm以上500μm以下であってもよく、3μm以上40μm以下であってもよい。
シーラント層は、厚み(2層以上からなる積層構造である場合には総厚)が40μm以上であってもよく、70μm以上であってもよく、90μm以上であってもよい。
先述の通り、ペリクル包装体がシーラント層と基材層との2層を少なくとも含んで構成される場合、ペリクル包装体における揮発性有機成分のアウトガスは、シーラント層から発生しやすいと考えられる。そのため、シーラント層の厚みが大きくなるに伴い、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着も顕著になりやすい。これに対し、本開示のペリクル包装体は、先述の構成を有することにより、シーラント層の厚みが上記範囲内であっても、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低く維持されやすくなる。
(基材層)
基材層は、単層体であってもよいし、2層以上からなる積層体であってもよい。
基材層の材料は、特に制限されず、公知の樹脂を含む組成物が適用できる。
前記樹脂としては、例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を含む。)、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-オクテン共重合体、ポリプロピレン(PP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン-6、ナイロン-6,6、メタキシレンジアミン-アジピン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルイミド等のアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレン-アクリロニトリル系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース等の疎水化セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(登録商標)等のハロゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体等の高水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、液晶樹脂等のエンジニアリングプラスチック系樹脂;などが挙げられる。樹脂は、1種単独であっても2種以上の併用であってもよい。
上記の中でも、基材層の材料としては、ペリクル包装体の表面にホコリ等のごみが付着することを防止する観点からは、静電気の生じ難い材料(好ましくは静電防止処理をされた樹脂を含む、より好ましくはポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートのいずれか一方を含む樹脂)などが好ましい。
基材層の厚み(2層以上からなる積層構造である場合には総厚)は、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上500μm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
(接着層)
本開示のペリクル包装体は、必要に応じて、シーラント層と基材層との間に接着層を有していてもよい。
接着層は、単層体であってもよいし、2層以上からなる積層体であってもよい。
接着層の材料は、特に制限されず、公知の樹脂を含む組成物が適用できる。
前記樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、接着強度の観点からは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。
接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、接着層形成の際の硬化反応の時間を短縮する観点、及び、効果反応の際の未反応物や残留溶剤の割合を低減する観点からは、5μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましい。
(ペリクル包装体の形状や性質)
ペリクル包装体の形状は、特に制限されない。
ペリクル包装体の形状は、例えば、シート状、袋状、パック状、箱状等が挙げられる。
ペリクル包装体は、本開示の効果が得られる範囲において、必要に応じ、100℃、30分の加熱条件下での揮発性有機成分のアウトガスの合計量が90ppm超えである包装部材を、包装体の一部に含んで構成されていてもよい。一方、ペリクル包装体における前記アウトガスの合計量が90ppm超えである包装部材の割合は、ペリクル包装体全体の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。ペリクル包装体は、前記アウトガスの合計量が90ppm超えである包装部材を含まないことが好ましい。
ペリクル包装体の容積は、特に制限されず、ペリクルのサイズや包装形態によって適宜設定できる。包装体の容積は、例えば、2000cm~70000cmであることが好ましく、4000cm~30000cmであることがより好ましく、5000cm~10000cmであることがより好ましい。
ペリクル包装体の容積が上記範囲内であると、ペリクル包装体に包装されるペリクル又はペリクルケースの体積と、ペリクル包装体の表面積とバランスが最適化されやすい。そのため、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの割合がより少なくなり、ペリクル包装体から派生するアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量もより低減される。
一態様として、本開示のペリクル包装体は、スチレンブタジエン系接着剤を含む原版用接着剤を有するペリクル用の包装体であってもよい。
≪ペリクル収容体≫
本開示のペリクル収容体は、ペリクルと、前記ペリクルを収容するペリクル収容器と、前記ペリクル収容器を包装する本開示のペリクル包装体と、を備える。
本開示のペリクル収容体によれば、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減される。
ペリクル収容体は、ペリクルを収容した収容器を本開示のペリクル包装体で包装した構造体のことをいう。
ペリクルは、公知のペリクルが適用できる。ペリクルは、例えば、ペリクル膜と、前記ペリクル膜を支持する支持枠と、を含んで構成される。
ペリクル収容器の形状は、特に制限されないが、例えば、箱状等が挙げられる。
以下、図面を参照しながら、ペリクルの一態様について説明する。図1は、ペリクル10を示す概略断面図である。ペリクル10において、膜用接着剤層13を介してペリクル膜12と支持枠14とが接着されている。支持枠14には、通気孔16が形成され、かつ、原版用接着剤層15が形成されている。図示はしないが、原版用接着剤層15の表面には、原版用接着剤層15を保護するための離型シート(例えばセパレータ)が更に配置されてもよい。支持枠14には、通気孔16が形成されていなくてもよく、支持枠14が複数の層から積層される構造であってもよい。
ペリクル膜12は、支持枠14によって支持されている。
ペリクル膜12の材料としては、石英ガラスや、フッ素系樹脂や酢酸セルロース、カーボンナノチューブ等の透明性を有する材料が挙げられる。
支持枠14の材料としては、アルマイト処理されたアルミニウムフレーム、チタンフレーム、シリコンフレーム等が挙げられる。支持枠14は、露光光の反射を防ぐとともに、付着した異物等の有無を検査し易くする観点から、黒色であることが好ましい。
膜用接着剤層13は、支持枠とペリクル膜とを接着する。
膜用接着剤層13の材料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、含フッ素シリコーン接着剤等のフッ素ポリマー等が挙げられる。
原版用接着剤層15は、公知の接着剤を塗布し乾燥する等で形成することができる。
原版用接着剤層15の材料(以下、原版用接着剤とも称す。)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系、シリコーン系、スチレンブタジエン系、ウレタン系、オレフィン系接着剤等が挙げられる。
つまり、本開示のペリクル収容体は、ペリクルが原版用接着剤を含み、前記原版用接着剤がスチレンブタジエン系接着剤であってもよい。
スチレンブタジエン系接着剤は、原版の歪みを抑制しやすくするため、支持枠14と原版とを接着する原版用接着剤層15の材料として好ましい。
スチレンブタジエン系接着剤は、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスがペリクルに付着した後、ペリクルから発生するアウトガスとしてより生じやすい。本開示に係るペリクル包装体は、先述の構成を有することにより、原版用接着剤層15の材料としてスチレンブタジエン系接着剤を用いた場合にも、ペリクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減される。
本開示において、「接着剤」は、接着剤及び粘着剤を包含する概念である。
本開示において、「接着層」は、接着層及び粘着層を包含する概念である。
離型シートの材料としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
ペリクル膜12と支持枠14の材料によっては、膜用接着剤層13を介さずに、支持枠とペリクル膜とが接着されていてもよい。
ペリクル収容器は、公知のペリクル収容器が適用できる。
ペリクル収容器の材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、カーボンナノチューブ、導電性カーボンブラック、無機粒子等の導電性材料が挙げられる。
本開示のペリクル収容体におけるペリクル包装体の好ましい態様は、本開示のペリクル包装体で挙げる好ましい態様と同様である。
以下、実施例等により本開示をさらに詳細に説明するが、本開示の発明がこれら実施例のみに限定されるものではない。
<実験例1~実施例3及び比較例1>
表に示す材料と膜厚の基材層とシーラント層とを備えるペリクル包装体をそれぞれ作製した。得られた各例のペリクル包装体について、先述の測定方法により測定した、100℃、30分の加熱条件下での揮発性有機成分のアウトガスの合計量(表中、「ペリクル包装体のアウトガスの合計量」と称す。)の結果をそれぞれ表1に示す。また、各例のペリクル包装体について、先述の測定方法により測定された破壊強度の値は、いずれも10N以上40N以下の範囲内であった。
<ペリクルのアウトガスの合計量の評価>
(1)マスク接着剤の原料である各種成分の準備
・熱可塑性エラストマー(A)
スチレン-水素添加イソプレン-スチレンブロック共重合体(商品名「ハイブラー7125」(株式会社クラレ製)、tanδピーク温度:-5℃、スチレン含有割合:20質量%)
・粘着付与樹脂(B)
脂環族系石油樹脂の水素化物:C9系水素添加石油樹脂(商品名「アルコンP-100」(荒川化学工業株式会社製)、軟化点:100±5℃、数平均分子量(Mn):610)ロジンエステル樹脂(商品名「パインクリスタルKE-311」(荒川化学工業株式会社製)、軟化点:100±5℃)
・軟化剤
ポリブテン(商品名「ニッサンポリブテン30N」(日油社製))
・ワックス
ポリプロピレン熱分解型ワックス(商品名「ハイワックスNP055」(三井化学社製))
(2)ペリクルの製造
熱可塑性エラストマー(A)100質量部、粘着付与樹脂(B)100質量部、及び軟化剤200質量部を全体で48gとなるように混合して原料混合物を得た。得られた原料混合物をラボプラストミル(東洋精機製作所社製、内容量:60mL)に投入した後、密閉した。200℃、100rpmで20分間混練して、塊状のマスク接着剤を得た。約10gのマスク接着剤を加熱タンク(タンク内温度:200℃)に投入して溶融させた。一方、図1に示すような、陽極酸化処理したアルミニウム製の支持枠14(外寸:148.77mm×114.9mm、枠高さH:2.5mm、枠幅W:2mm)を用意した。加熱タンクに連通する針先から押し出した溶融状態のマスク接着剤を、支持枠14の一方の端面上に塗布して原版用接着剤層15を形成した。形成された原版用接着剤層15の厚さは0.6mmであった。また、原版用接着剤層15の表面にセパレータを配置した。支持枠14の他方の端面(つまり原版用接着剤層15が形成されていない側の端面)上に、膜用接着剤層13(フッ素ポリマー(AGC社、CYTOP Aタイプ))を介してペリクル膜12を貼付してペリクル10を得た。
(アウトガス合計量の評価)
各例のペリクルを、大気雰囲気下のクリーンオーブンに設置し、70℃~80℃の範囲内で20時間加熱して脱ガス処理したものを準備した。
各例のペリクル包装体を用いてペリクルを包装し、これを23℃下で1週間保管した。保管後、ペリクルを、ペリクル包装体から取り出し、オーブン内にセットした。そして、50℃、4時間の加熱条件下で発生したアウトガスを、粉状の吸着材であるTenax(商標、ジーエルサイエンス株式会社製)に吸着させた。その後、Tenaxを、GCMSにセットし、280℃、10分の加熱条件下で、ペリクルから発生した揮発性有機成分のアウトガスガスの合計量(μg)を測定(n-デカン換算)し、これを「ペリクルのアウトガスの合計量(μg/ペリクル)」とした。結果を表1に示す。
表1中、ポリエチレンをPE、ポリエチレンテレフタレートをPETとそれぞれ表記する。
表1に示すように、実施例のペリクル包装体は、比較例のペリクル包装体に比べて、ペ
リクル包装体から発生する揮発性有機成分のアウトガスの付着に起因する、ペリクルからのアウトガス量が低減されることがわかった。
2022年3月22日に出願された日本国特許出願2022-045759号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (9)

  1. 100℃、30分の加熱条件下での揮発性有機成分のアウトガスの合計量が90ppm以下である、ペリクルを収容した収容器を包装するペリクル包装体。
  2. シーラント層と、基材層と、の少なくとも2層を含む、請求項1に記載のペリクル包装体。
  3. 前記シーラント層は、厚みが40μm以下である、請求項2に記載のペリクル包装体。
  4. 前記シーラント層と前記基材層との間に接着層を有する、請求項2に記載のペリクル包装体。
  5. 前記シーラント層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む、請求項2~請求項4のいずれか1項に記載のペリクル包装体。
  6. 破壊強度が5N以上50N以下である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のペリクル包装体。
  7. スチレンブタジエン系接着剤を含む原版用接着剤を有するペリクルを包装するための、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のペリクル包装体。
  8. ペリクルと、
    前記ペリクルを収容するペリクル収容器と、
    前記ペリクル収容器を包装する請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のペリクル包装体と、
    を備えるペリクル収容体。
  9. 前記ペリクルが原版用接着剤を含み、
    前記原版用接着剤がスチレンブタジエン系接着剤である、請求項8に記載のペリクル収容体。
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