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JP7705090B2 - 紫外光照射装置 - Google Patents
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JP7705090B2 - 紫外光照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外光照射装置に関する。
従来から、殺菌を目的として紫外光を照射する、紫外光照射装置が知られている。紫外光は肉眼で認識できないため、紫外光照射装置から紫外光が照射されているか否かを確認することが難しい。そこで、特許文献1では、紫外光照射装置の筐体の一部を構成する、紫外光を透過しないカバーの一部領域、または基板上の発光素子がない一部領域に、紫外光が入射すると可視光を出射する蛍光体を配置することにより、紫外光照射装置から紫外光が照射されていることを、可視光で確認する方法が知られている。
特開2020-167147号公報
特許文献1の紫外光照射装置では、本来であれば殺菌のために筐体の外部に向けて照射するべき紫外光の一部を、蛍光体が配置された位置に向けて照射せねばならず、紫外光の利用効率が低下する。そこで、紫外光照射装置から紫外光が照射されているか否かを確認でき、かつ、紫外光の利用効率の高い紫外光照射装置を提供することを目的とする。
本発明の紫外光照射装置は、波長が190nm以上240nm未満の第一波長帯域に属する光、及び波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域に属する光を含む、紫外光を発光する固体光源を、主面上に配置した基板と、
前記固体光源を収容し、前記紫外光を外へ取り出す光取出し部を有する筐体と、
前記紫外光の戻り光が入射する位置に配置され、前記戻り光が入射すると可視光を出射する蛍光体と、
前記紫外光のうち、前記第二波長帯域に属する光を透過せず、前記第一波長帯域に属する光と前記可視光を透過する光学フィルタと、を備える。
はじめに、固体光源が発光する紫外光は、「波長が190nm以上240nm未満の第一波長帯域に属する光、及び波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域に属する光」を含んでいる。「波長190nm以上240nm未満の第一波長帯域に属する光」は、被照射物を殺菌する(ウイルスの不活化することを含む。以下同じ。)効果を有するとともに、人体への有害性が極めて低い性質を有する。他方、「波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域に属する光」は、人体への有害性が懸念される紫外光である。
本明細書において、「波長帯域に属する光」という表現は、この光が、当該波長帯域に含まれる少なくとも一部の波長において発光していればよく、当該波長帯域の全域で発光スペクトルを有しなくてもよい。本明細書において、前記第一波長帯域に属する光を、「有益光」と呼ぶことがある。以降、前記第二波長帯域に属する光を、「有害光」と呼ぶことがある。
紫外光照射装置は、前記第二波長帯域に属する光を透過せず、前記第一波長帯域に属する光を透過する光学フィルタを設ける。これにより、固体光源が発光する有益光を有人空間に到達させるとともに、固体光源が発光する有害光を光学フィルタによって反射させて、有害光が有人空間に到達しないようにする。
本明細書において、「有人空間」とは、実際に人がいるか否かは問わず、人が立ち入ることのできる空間を意味する。有人空間には、例えば、住宅、事業所、学校、病院もしくは劇場などの建物内の空間、又は、例えば、自動車、バス、電車もしくは飛行機などの乗り物内の空間を含む。有人空間は屋外でも構わない。
紫外光照射装置を提供することは、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「あらゆる年齢の全ての人々が健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に対応し、また、ターゲット3.3「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに、肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する」に大きく貢献するものである。
紫外光照射装置には、光取出し部から取り出されない紫外光の戻り光が存在する。鋭意研究の結果、本発明者は、戻り光を活用して蛍光体を発光させることを着想した。戻り光を蛍光体に入射させて可視光を得て、この可視光により固体光源が発光しているか否かを確認する。本明細書において、「可視光」は、人間が視認可能な、波長が380~780nmの波長帯域に属する光である。
詳細は後述するが、「戻り光」とは、固体光源の発光位置から筐体の外へ向かう光が光学フィルタで反射されて戻る光か、または、光学フィルタに入射する入射角を小さくするための透過光学系の入射面又は反射面で反射されて戻る光である。それゆえ、戻り光を使用して蛍光体を発光させても、紫外光の利用効率に影響を与えにくい。
前記光取出し部に前記光学フィルタが配置され、前記固体光源と前記光学フィルタとの間に、前記紫外光及び前記可視光が前記光学フィルタに入射する入射角を小さくする透過光学系が配置されていても構わない。第一波長帯域に属する光が光学フィルタを透過しやすくなり、紫外光照射効率が向上する。
複数の前記固体光源が前記主面上に配列されており、
前記透過光学系は、複数の小レンズが配列されるレンズアレイを含み、前記小レンズの各々は、前記複数の固体光源の各々に一対一で対向配置されていても構わない。
前記蛍光体は、前記主面上の前記複数の前記固体光源を除く領域に、連続して配置されても構わない。
前記蛍光体は、前記固体光源の外縁に接するように配置されても構わない。
前記蛍光体の各々は、前記複数の前記固体光源の各々を囲む枠形状であっても構わない。これにより、紫外光が照射される領域の外縁を強く照明できるため、外縁の視認性を高められる。特に、前記固体光源の外縁に接するような枠形状である場合には、各固体光源の個々の点灯状態を判別し易くなる。
前記蛍光体は、前記小レンズの各々に対向するように、前記主面上に分散して配置されても構わない。これにより、紫外光が照射されているか否かの確認のみならず、紫外光が照射される位置を可視光で視認できる。
前記蛍光体の各々は、前記複数の固体光源と複数の前記蛍光体とが混在するように、配列されても構わない。これにより、紫外光が照射される領域の全部を可視光で照明できるため、照射領域の視認性を高められる。
前記複数の固体光源と複数の前記蛍光体とが混在して配列されるとき、複数の蛍光体で構成される領域が、複数の前記固体光源で構成される領域を囲んでも構わない。または、前記蛍光体と前記固体光源とが交互に配置されても構わない。
前記蛍光体は、前記第二波長帯域における励起光の最低強度が前記第一波長帯域における励起光の最低強度より高い励起スペクトルを有しても構わない。第二波長帯域の光を効果的に利用して、励起光の強度を高めることができる。
前記蛍光体はLaPO:Ce,Tb系蛍光体であっても構わない。
前記蛍光体は二種以上の蛍光体から構成されても構わない。
前記固体光源はLEDであっても構わない。
紫外光を効果的に出射し、かつ、紫外光照射装置から紫外光が照射されているか否かを確認できる、紫外光照射装置を提供できる。
紫外光照射装置の第一実施形態を示す図である。 固体光源を主面上に配置した基板を示す図である。 図1のE1領域の拡大図である。 光学フィルタの透過スペクトルを入射角別に示すグラフである。 紫外光照射装置から出射する紫外光と可視光の配光曲線を示す図である。 蛍光体(LAP)の励起スペクトルの一例を示す図である。 紫外光照射装置の第一実施形態の変形例を示す図である。 紫外光照射装置の第二実施形態を示す図である。 紫外光照射装置の第三実施形態を示す図である。 第三実施形態の、固体光源を配置した基板を示す図である。 第三実施形態の、紫外光と可視光の相対光強度分布を示す図である。 第三実施形態の、固体光源を配置した基板の変形例を示す図である。 第三実施形態の変形例の、紫外光と可視光の相対光強度分布を示す図である。 第三実施形態の、固体光源を配置した基板の変形例を示す図である。 固体光源ではない光源を使用した紫外光照射装置を示す図である。
紫外光照射装置の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。なお、グラフを除く各図面は模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比は必ずしも実際の寸法比と一致しておらず、各図面間においても寸法比は必ずしも一致していない。
以下において、図面の一部はXYZ座標系を参照しながら説明される。本明細書において、正負の向きを区別して方向を表現する場合には、例えば、「+X方向」、「-X方向」のように、正負の符号を付して記載される。正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、例えば「X方向」のように、正負の符号を付すことなく記載される。すなわち、本明細書において、単に「X方向」と記載されている場合には、「+X方向」と「-X方向」の双方が含まれる。Y方向及びZ方向についても同様である。以下に述べる実施形態では、紫外光照射装置からの出射光の光軸上の光線が進行する方向を、「+Z方向」として表す。
<第一実施形態>
[紫外光照射装置]
図1を参照しながら、紫外光照射装置の第一実施形態を説明する。図1は、紫外光照射装置10のXZ平面に沿う断面図である。紫外光照射装置10は、少なくとも一つの固体光源1を配置した基板2と、基板2を囲む枠体3と、蛍光体5と、固体光源1が発光する有益光を透過し、固体光源1が発光する有害光の透過を妨げる光学フィルタ7と、を有する。
本実施形態において、固体光源1の出射面、及び固体光源1の配置された基板2の主面は、XY平面に平行に配置されている。そして、基板2は、枠体3とともに、固体光源1を収容する筐体4を構成する。すなわち、基板2が、筐体4の一部として機能する。なお、変形例として、紫外光照射装置は、筐体4として機能しない基板2を、筐体4とは別に備えても構わない。
固体光源1で発光した光を筐体4の外へ取り出す光取出し部6は、筐体4が外に開く領域である。光学フィルタ7が光取出し部6に配置される。光学フィルタ7を透過した光線束F1(各固体光源1から出射する光線のうち最大放射強度を示す光線の1/2以上の放射強度を有する光線で構成される光線の集まり)が、+Z方向に沿うD1方向に出射し、有人空間を殺菌する。
「光学フィルタ7が光取出し部6に配置される」とは、光取出し部6より取り出される光が光学フィルタ7を透過するように、光学フィルタ7が光取出し部6(筐体4が開く領域)を塞ぐように配置されることを表す。本明細書では、基板2及び枠体3で構成される筐体4、並びに光学フィルタ7で囲まれた内部を、筐体4の内部と呼ぶことがある。なお、光学フィルタ7の配置場所は上述した位置に限らない。例えば、光学フィルタ7を固体光源1に組み込むように配置してもよく、光学フィルタ7を固体光源1に接するように配置してもよい。
光学フィルタ7は、波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域に属する光を透過せず、反射する(又は、光の一部を吸収する)機能を有する。光学フィルタ7は、第二波長帯域の全域を透過せず、反射(又は一部を吸収)するとよい。
光学フィルタ7は、母材となる基板上に屈折率の異なる誘電体膜を交互に積層した誘電体多層膜で構成される。特定波長帯域に属する光は誘電体多層膜を貫通せず、誘電体多層膜で反射される。誘電体多層膜として、例えば、HfO層及びSiO層が交互に積層されたもの、並びに、SiO層及びAl層が交互に積層されたものがある。HfO層及びSiO層が交互に積層された誘電体多層膜層は、SiO層及びAl層が交互に積層された誘電多層膜層よりも、同じ波長選択特性を得るための層数を少なくすることができる。よって、選択した紫外光の透過率を高めることができる。母材は、紫外光及び可視光に対して透過性を示す材料、例えば石英ガラスであるとよい。
図2は、固体光源1を主面上に配置した基板2を示す図である。図2に示されるように、複数の固体光源1が、基板2の+Z側の主面上でX方向とY方向に一定間隔で配列されている。図2では9個の固体光源1を示しているが、固体光源1は、10個以上の固体光源1を有していてもよく、9個未満でもよく、少なくとも一つ有しているとよい。固体光源1は、+Z方向に光を出射する。
固体光源1は、波長が190nm以上240nm未満の第一波長帯域に属する光と、波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域に属する光と、を出射する。固体光源1は、例えば、最大強度を示す発光波長が235nmの発光波長スペクトルを有するLEDでもよいし、他の発光波長スペクトルを有するLEDでもよい。また、LEDではなく、他の固体光源、例えば、LDや有機ELなどを使用してもよい。なお、本明細書において、「固体光源」という用語は、LED、LD及び有機ELを含み、電球及びランプ(例えば、水銀ランプ又はエキシマランプ)を含まない概念である。
[蛍光体の配置]
蛍光体5(図2におけるハッチング領域)は、固体光源1より発光される紫外光によって励起されて、可視光を発光する波長変換素子の一種である。蛍光体5の具体的な材料については後述する。蛍光体5が、基板2の固体光源1が配置される主面上の、固体光源1を除く領域に、連続して配置されている。連続して配置された状態とは、複数の蛍光体5が互いに繋がって一つの蛍光体を構成しているような状態を表す。なお、後述する他の実施形態で示される、蛍光体5が分散された状態とは、複数の蛍光体5が互いに繋がっていない状態を表す。また、図1及び図2に示す実施形態において、蛍光体5は、基板2の固体光源1が配置される主面上の、固体光源1の外縁に接するように配置されているが、蛍光体5は、固体光源1の外縁から離れるように配置されても構わない。
本実施形態では、蛍光体5が、固体光源1を除く領域の全体に薄膜状に積層されている。斯かる薄膜状の蛍光体5は、例えば、基板2上に蛍光体5を含むペーストをスクリーン印刷して形成されてもよく、蛍光体5を含むスラリーを塗布して焼成してもよい。
固体光源1から出射する光は+Z方向である。蛍光体5は、基板2上の固体光源1を除く領域に配置されており、固体光源1で発光した光が蛍光体5に直接入射しにくい位置に配置されている。固体光源1と蛍光体5との間に隙間があってもよいし、固体光源1と蛍光体5の間に遮光部材を配置してもよい。固体光源1からの光が蛍光体5に直接入射しないことは、固体光源1で発光した光を、蛍光体5で消費せず、有人空間に向けて照射できる。よって、紫外光の利用効率が低下しにくい。
図3は、図1のE1領域の拡大図である。図3を参照しながら、固体光源1で発光した光の戻り光について説明する。光線L0は、固体光源1で発光した、第二波長帯域に属する有害光の光線の一例を表す。光線L0は光学フィルタ7で反射して、蛍光体5に向かう戻り光となる。詳細は後述するが、有害光は、光学フィルタ7に対する入射角にかかわらず、光学フィルタ7で反射されて、蛍光体5へ向かう戻り光となる。
光線L1と光線L2は、いずれも、固体光源1で発光した、第一波長帯域に属する有益光の光線の一例を示す。入射角(θ1,θ2)は、光学フィルタに入射する光線(L1,L2)と、光学フィルタ7の入射面に対する法線7Nとの間になす角で表される。光線L1は、光学フィルタ7に対する入射角の小さい低角度光線であるのに対し、光線L2は、光学フィルタ7に対する入射角の大きい高角度光線である。つまり、入射角θ2は、入射角θ1より大きい。有益光が光学フィルタ7を透過する透過率は、入射角の角度に依存する。図3では、低角度光線である光線L1が光学フィルタ7を透過するのに対し、高角度光線である光線L2は、光学フィルタ7を透過せずに反射されて、蛍光体5に向かう戻り光となる様子を示している。
図4は、光学フィルタ7の透過率スペクトルの一例を、紫外光が光学フィルタ7に対して入射する際の入射角別に示すグラフである。図4の240nm未満の透過率から、同じ波長の光線であっても、入射角θ(deg)が大きくなるほど透過率が低下する様子がわかる。
まとめると、本実施形態では、第二波長帯域に属する有害光、及び第一波長帯域に属する光学フィルタ7に対する入射角θの大きな高角度成分の有益光が、光学フィルタ7から蛍光体5に向かう戻り光となる。そして、戻り光が蛍光体5に入射すると、蛍光体5が励起されて可視光を出射する。なお、光学フィルタ7は、可視光に対して高い透過率を有し、可視光線の光学フィルタ7に対する入射角が大きくなっても、戻り光となることは少ない。よって、光学フィルタ7は、蛍光体5から出射される可視光に制限を与えにくい。
[蛍光体を使用した発光確認]
図5は、紫外光照射装置10から出射する紫外光(有益光)と可視光の配光曲線を示す図である。図5において、紫外光の配光曲線にはUVと付され、可視光の配光曲線にはVISと付されている。0度と180度を結ぶ線は、紫外光照射装置10における光学フィルタ7の出射面と平行な線である。紫外光照射装置10から90度方向に延びる線は、光学フィルタ7の出射面に対する法線と重なり、出射光の光軸に沿う線である。紫外光(有益光)は、入射角の小さい光成分の比率が高まる。よって、光学フィルタ7を出射する紫外光の配光分布UVは配光角が小さく、光軸方向に指向性を有する光となる。
可視光VISは、光学フィルタ7における透過率の入射角依存性が小さい。そのため、可視光VISは、ランベルトの余弦則に従う円形に近い配光分布となり、可視光VISの指向性は小さい。
これより、可視光の配光曲線VISが紫外光の配光曲線UVよりも広くなる。図5に示されるように、具体的には、放射強度がピーク強度に対して半値となる配光角度は、可視光の配光曲線VISでは53度付近であるのに対し、紫外光の配光曲線UVは17度付近となり、可視光の配光曲線VISの方が、紫外光の配光曲線UVよりも広い配光角度となる。そうすると、紫外光の被照射領域に入らなくても、可視光が出射されているかを認識することで、紫外光が出射しているか否かを知ることができる。これにより、紫外光照射装置の動作確認を簡単にできる。また、蛍光体5から出射する可視光を、通常の照明光として利用できる。
[蛍光体の材料]
本実施形態では、蛍光体5として、LaPO:Ce,Tb系(LAP)の蛍光体を使用している。LAPは、紫外光が入射すると緑色の光を出射する。
図6は、本実施形態の蛍光体5の励起スペクトルを示す。相対強度が高いほど、当該波長における光を多く吸収し、可視光に変換する。図6を見ると、波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域WB2における励起光の相対強度の最低値P1が、波長が190nm以上240nm未満の第一波長帯域WB1における励起光の相対強度の最低値P2より高いことがわかる。これは、有害光による発光効率が、有益光の発光効率より高い蛍光体であることを示す指標のひとつである。光学フィルタ7からの戻り光は有害光を多く含むため、有害光に対して発光しやすい蛍光体5を使用すると、戻り光からより多くの可視光を出射できる。なお、図6に示される励起スペクトルは、LAPの一例であり、励起スペクトルは蛍光体5を構成するCe又はTbの成分比等によって異なる。
蛍光体5はLAPに限定されない。他の色の蛍光体(例えば、BaMgAl1017:Euの青色蛍光体、又は、(Y,Gd)BO:Euの赤色蛍光体)でもよく、二種以上の蛍光体を使用してもよい。例えば、緑色、赤色及び青色の3波長を混合したPDP用蛍光体でもよく、ハロリン酸カルシウムのような照明用白色蛍光灯に使用される蛍光体でもよい。
[変形例]
図7を参照しながら、第一実施形態の変形例を説明する。図7は、紫外光照射装置20のXZ平面に沿う断面図である。なお、以下に説明する事項以外については、上述した紫外光照射装置10と異なる部分を中心に説明し、説明していない事項は、上述した紫外光照射装置10と同様の構成である。後述する他の実施形態及びその変形例についても同様に、異なる部分を中心に説明する。
紫外光照射装置20では、蛍光体5は、基板2上に設けられるだけでなく、枠体3の内壁面と、光学フィルタ7の内側面に設けられている。蛍光体5が配置される枠体3の内壁面、及び光学フィルタ7の内側面は、光線束F2の外に位置している。光線束F2は、各固体光源1から出射する光線のうち最大放射強度を示す光線の1/2以上の放射強度を有する光線で構成される光線の集まりを表す。固体光源1で発光した光は、光線束F2の外に位置している蛍光体5に直接入射しにくい。しかしながら、光学フィルタ7で反射した戻り光は、枠体3の内壁面、及び光学フィルタ7の内側面に配置された蛍光体5に入射する。このようにして蛍光体5の形成領域を増やすことで、蛍光体5から、より強い可視光を出射できる。
<第二実施形態>
図8を参照しながら、紫外光照射装置の第二実施形態を説明する。図8は、紫外光照射装置30のXZ平面に沿う断面図である。紫外光照射装置30は、光取出し部6に光学フィルタ7が配置され、固体光源1と光学フィルタ7との間に、紫外光及び可視光が光学フィルタ7に入射する入射角を小さくする透過光学系が配置されている。透過光学系は、少なくとも一つの光学レンズから構成される。本実施形態では、透過光学系として、複数の小レンズが配列された、一つのレンズアレイ15が使用されるが、レンズアレイでなくても構わないし、複数枚のレンズを使用しても構わない。
レンズアレイ15を構成する複数の小レンズの各々は、複数の固体光源1の各々に一対一で対向配置される。各小レンズは、各固体光源1からの光線束F2を平行光に近づけるように偏向することで、光学フィルタ7に入射する光線の入射角を小さくできる。これにより有益光が光学フィルタ7を透過しやすくなり、紫外光照射効率が向上する。さらに、本実施形態では、固体光源1から出射した紫外光の一部が、光学フィルタ7だけでなく、レンズアレイ15の入射面又は出射面においても反射する。よって、レンズアレイ15の入射面又は出射面で反射した紫外光が、蛍光体5を発光させる戻り光となる。
<第三実施形態>
図9を参照しながら、紫外光照射装置の第三実施形態を説明する。図9は、紫外光照射装置40のXZ平面に沿う断面図である。紫外光照射装置40は、光取出し部6に光学フィルタ7が配置され、固体光源1と光学フィルタ7との間には、第二実施形態と同様に、複数の小レンズが配列された、一つのレンズアレイ15が配置されている。
図10は、紫外光照射装置40に使用される、固体光源1を主面上に配置した基板22を示す図である。複数の固体光源1が、基板22の+Z側の主面上でX方向とY方向に配列されている。そして、蛍光体5(図10におけるハッチング領域)は、分散して配置されており、かつ、分散して配置された蛍光体5の各々は、各固体光源1を囲む枠形状を呈する。枠形状の蛍光体5で発光された可視光は、各固体光源1から出射する紫外光と同様に、レンズアレイ15を構成する各小レンズで屈折し、平行光に近づけられる。
特に、図9及び図10では、蛍光体5は、基板2の固体光源1が配置される主面上の、固体光源1の外縁に接するように配置されている。これにより、各固体光源の個々の点灯状態を判別し易くなる。
図11を参照しながら、基板22を有する紫外光照射装置40の効果を説明する。図11は、光学フィルタ7から+Z方向に200mm離れた被照射面における、紫外光照射装置の紫外光(有益光)UVと、可視光VISの相対光強度分布を示す図である。横軸は、出射光の光軸位置(位置0mm)からの距離を表す。縦軸は最大光強度を1とした場合の光強度の相対値である。この相対光強度分布は、シミュレーションにより求められる。
図11をみると、紫外光UVは、+20mmから+50mmに向かうにつれて相対強度が低下し、-20mmから-50mmに向かうにつれて相対強度が低下している。相対光強度が0.5以上の光強度となる、紫外光UVの被照射領域は、-35mm~+35mmである。
これに対し、固体光源1を囲む枠形状の蛍光体5により発光される可視光VISは、紫外光UVの被照射領域の外縁付近である、+30mm~+50mmの間、及び、-30mm~-50mmの間で可視光VISの光強度が高くなる。そうすると、可視光VISは、紫外光UVの被照射領域の外縁を形成するように、被照射面に照射される。これにより、可視光VISを使用して、紫外光の被照射位置を視認できる。つまり、本実施形態では、可視光を使用することにより、紫外光が出射しているか否かの確認のみならず、肉眼で視認できない紫外光の被照射位置を視認できる。特に、紫外光が照射される領域と照射されない領域の境界である被照射領域の外縁付近が強く照明されるため、被照射領域の外縁の視認性が高い。
[変形例]
第三実施形態の変形例を説明する。当該変形例では基板32(図12参照)を使用している。基板32を除く紫外光照射装置40の構成は、第三実施形態と同様である。
図12に示されるように、基板32上において、蛍光体5(図12におけるハッチング領域)は分散配置されている。蛍光体5は固体光源1と似た形状及び大きさをしている。そして、複数の固体光源1と複数の蛍光体5とが、基板32上で混在して配列されている。複数の蛍光体5で構成される領域5aが、複数の固体光源1で構成される領域1aを囲んでいる。
図13は、光学フィルタ7から+Z方向に200mm離れた被照射面における、基板32を使用した紫外光照射装置40の紫外光(有益光)UVと、可視光VISの相対光強度分布を示す図である。横軸は、出射光の光軸位置(位置0mm)からの距離を表す。縦軸は最大光強度を1とした場合の光強度の相対値である。この相対光強度分布は、シミュレーションにより求められる。
図13では、可視光VISの被照射領域が、紫外光UVの被照射領域に概ね一致している。つまり、基板32を使用すると、可視光VISが視認できる領域が、紫外光UVの被照射領域といえる。つまり、本変形例においても、可視光を使用することにより、紫外光が出射しているか否かの確認のみならず、肉眼で視認できない紫外光の被照射位置を、可視光で視認できる。可視光の照射領域が紫外光の照射領域と概ね重なるため、人は紫外光の照射領域を直感的に理解できる。
図13の相対光強度分布は、図12に示される基板32でのみ得られるものではなく、例えば、図14のように、蛍光体5と固体光源1とが交互に配置される形態の基板42を使用しても得られる。
以上で、紫外光照射装置の各実施形態及びその変形例を説明した。本発明は上記した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態又は変形例を組み合わせたり、上記の実施形態に種々の変更又は改良を加えたりできる。例えば、第三実施形態又は第三実施形態の変形例の紫外光照射装置40から、レンズアレイ15(透過光学系)を取り除いてもよい。
また、紫外光照射装置として、固体光源を使用する例を説明したが、固体光源ではない光源(例えば、水銀ランプ、又はエキシマランプ)を使用した紫外光照射装置にも、蛍光体を配置してもよい。すなわち、光源の特定されない紫外光照射装置について、波長が190nm以上240nm未満の第一波長帯域に属する光、及び波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域に属する光を含む紫外光を発光する光源と、前記光源を収容し、前記紫外光を外へ取り出す光取出し部を有する筐体と、前記紫外光の戻り光が入射する位置に配置され、前記戻り光が入射すると可視光を出射する蛍光体と、前記紫外光のうち、前記第二波長帯域に属する光を透過せず、前記第一波長帯域に属する光と前記可視光を透過する光学フィルタと、を備えることを特徴とする紫外光照射装置であってもよい。
前段落の紫外光照射装置の構成において、蛍光体は、光源から放射された紫外光が直接入射せず、戻り光が入射する位置に配置されることが望ましい。上述のとおり、「戻り光」とは、光源の発光位置から筐体の外へ向かう光が光学フィルタで反射されて戻る光か、または、光学フィルタに入射する入射角を小さくするための透過光学系の入射面又は反射面で反射されて戻る光である。特に、光学フィルタで反射される有害光が「戻り光」として入射される位置に、蛍光体を配置することが望ましい。また、上述した固体光源を使用した紫外光照射装置の構成は、固体光源ではない光源を使用した紫外光照射装置にも適用できる。
図15では、エキシマランプ11を使用した紫外光照射装置50を示している。紫外光照射装置50は、Y方向に延びる円筒状のエキシマランプ11(例えば、主たる発光ピーク波長が222nmのKrClエキシマランプ)と、筐体4と、電極ブロック19と、蛍光体5と、光学フィルタ7と、紫外光を拡散する拡散板13とを備える。電極ブロック19は、エキシマランプ11の電極として機能するだけでなく、エキシマランプ11から出射した紫外光の一部を反射する反射鏡として機能する。そして、蛍光体5は、電極ブロック19が、反射鏡として使用されない位置(すなわち、エキシマランプ11からの光が直接入射しない位置)の表面に配置されている。蛍光体5には、光学フィルタ7からの戻り光が入射する。なお、紫外光照射装置50に透過光学系を配置してもよい。その場合には、透過光学系として、例えば、小レンズがシリンドリカルタイプのレンズアレイを使用できる。
1 :固体光源
2,22,32,42:基板
3 :枠体
4 :筐体
5 :蛍光体
6 :光取出し部
7 :光学フィルタ
10,20,30,40,50:紫外光照射装置
11 :エキシマランプ
13 :拡散板
15 :レンズアレイ
19 :電極ブロック

Claims (14)

  1. 波長が190nm以上240nm未満の第一波長帯域に属する光、及び波長が240nm以上280nm以下の第二波長帯域に属する光を含む紫外光を発光する固体光源を、主面上に配置した基板と、
    前記固体光源を収容し、前記紫外光を外へ取り出す光取出し部を有する筐体と、
    前記紫外光の戻り光が入射する位置に配置され、前記戻り光が入射すると可視光を出射する蛍光体と、
    前記紫外光のうち、前記第二波長帯域に属する光を透過せず、前記第一波長帯域に属する光と前記可視光を透過する光学フィルタと、を備えることを特徴とする、紫外光照射装置。
  2. 前記光取出し部に前記光学フィルタが配置され、前記固体光源と前記光学フィルタとの間に、前記紫外光及び前記可視光が前記光学フィルタに入射する入射角を小さくする透過光学系が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の紫外光照射装置。
  3. 複数の前記固体光源が前記主面上に配列されており、
    前記透過光学系は、複数の小レンズが配列されるレンズアレイを含み、前記小レンズの各々は、前記複数の固体光源の各々に一対一で対向配置されることを特徴とする、請求項2に記載の紫外光照射装置。
  4. 前記蛍光体は、前記主面上の前記複数の前記固体光源を除く領域に、連続して配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の紫外光照射装置。
  5. 前記蛍光体は、前記固体光源の外縁に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の紫外光照射装置。
  6. 前記蛍光体の各々は、前記複数の前記固体光源の各々を囲む枠形状であることを特徴とする、請求項5に記載の紫外光照射装置。
  7. 前記蛍光体は、前記小レンズの各々に対向するように、前記主面上に分散して配置されることを特徴とする、請求項3に記載の紫外光照射装置。
  8. 前記蛍光体の各々は、前記複数の固体光源と複数の前記蛍光体とが混在するように、配列されていることを特徴とする、請求項7に記載の紫外光照射装置。
  9. 複数の蛍光体で構成される領域が、複数の前記固体光源で構成される領域を囲むことを特徴とする、請求項8に記載の紫外光照射装置。
  10. 前記蛍光体と前記固体光源とが交互に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の紫外光照射装置。
  11. 前記蛍光体は、前記第二波長帯域における励起光の最低強度が前記第一波長帯域における励起光の最低強度より高い励起スペクトルを有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
  12. 前記蛍光体はLaPO:Ce,Tb系蛍光体であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
  13. 前記蛍光体は二種以上の蛍光体から構成されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
  14. 前記固体光源はLEDであることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の紫外光照射装置。
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