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JP7712754B2 - 折り畳み式椅子 - Google Patents
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JP7712754B2 - 折り畳み式椅子 - Google Patents

折り畳み式椅子

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Description

本願は、折り畳み式椅子を開示している。
例えば会議場用の椅子のように、不使用時に倉庫や部屋の隅に片づけておく必要がある椅子において、できるだけ狭いスペースに収納できるようにするために、椅子を折り畳み式に構成することが行われており、更に、折り畳んだ状態で自立性を持たせつつ複数脚を前後にネスティングできるようにしたものもある。
その例として、特許文献1には、座と背もたれとを相対回動可能に連結した椅子において、前脚と後脚とをその中途高さ位置において連結することによってXリンク機構を形成し、前脚の上端は背もたれの側面に連結し、後脚の上端は座の側面に連結することによって折り畳み可能と成し、更に、前脚の下端部と後脚の下端部とを屈曲させることにより、折り畳み姿勢で自立可能及びネスティング可能と成した構成が開示されている。
折り畳み椅子は、折り畳んだ状態で持ち上げて移動させることになるが、脚や座が振れ動いて相対回動すると持ち運びにくいという問題がある。そこで、折り畳み状態が保持される手段を講じていると好適である。また、床において保管した状態でも、折り畳まれた状態に保持されているのが好ましい。
この点について特許文献2には、特許文献1と同様に前後の脚をX字状に連結した折り畳み椅子において、ばねで付勢されたボールやピンを利用して折り畳み状態を保持することが開示されている。すなわち、特許文献2では、一方の脚に、折り畳み方向と交叉した方向から他方の脚に向けて突出するようにばねで付勢された突起体(ボール又はピン)を設け、他方の脚に、折り畳み状態において前記ボール又はピンが嵌まる凹所(長孔)を設けており、椅子を折り畳み状態から展開すると、突起体がばねに抗して後退するようになっている。
従って、特許文献2では、椅子を折り畳むと、その動作に連動して、一方の脚に設けたボール又はピンが他方の脚の凹所に嵌まり込んで折り畳み状態が保持され、折り畳み状態からある程度の力をかけて展開すると、ボール又はピンが凹所から離脱して椅子の展開が行われる。従って、人手によって一々ロックを解除する操作は不要である。
特開2000-210153号公報 特許第6276974号公報
特許文献2では、折り畳み作業及び展開作業の容易性を損なうことなく椅子を折り畳み状態に保持できると云えるが、ボールやピンのような突起体は折り畳み方向と直交した方向に動くため、突起体が前進せずに折り畳み状態に保持できなくなる事態や、突起体が凹所から後退せずに展開できなくなる事態の発生が懸念される。
本願で保護対象として開示する椅子は、このような現状を改善できるものである。
第1観点に係る椅子は、
「座と背もたれ、及び、左右一対ずつの前脚及び後脚、を備え、
前記座着座可能な展開姿勢から前端側または後端側を起こすように跳ね上げ回動されることで前記前脚および前記後脚が折り畳み姿勢に移行し、前記折り畳み姿勢において床上に自立可能であり
前記折り畳み姿勢において前後方向に対向して近接又は当接する2つの部材のうち一方又は両方には、前記折り畳み姿勢において前記2つの部材を当接又は近接した状態に保持するキャッチ部材が、前記2つの部材の接近方向に向けて設けられていて、
前記2つの部材が当接又は近接すると前記キャッチ部材の結合力が発揮されて前記2つの部材が当接又は近接された状態に保持されて、折り畳み姿勢において前記2つの部材を離反させる方向にある程度の大きさの外力が掛かると、前記キャッチ部材が前記両部材の離反方向に後退動して前記キャッチ部材の結合力が解除される構成であり、
かつ、前記座には、前記展開姿勢から前記折り畳み姿勢に変更する際に座を起こすための引手が設けられている」
という基本構成において、
「前記左右の前脚は前記座の下方に配置された左右横長のフロントステーで連結されて、前記左右の後脚は前記座の下方に配置された左右横長のリアステーで連結されており、
前記折り畳み姿勢では、前記フロントステーと後脚とが前後に対向するか、又は、前記前脚とリアステーとが前後に対向するように設定されており、前記ステーと脚とのうち一方又は両方に前記キャッチ部材を設けている」
という特徴を有している。
第1観点に係る椅子において、キャッチ部材は、相対動する2つの部材とは別部材に構成されていてもよいし、2つの部材のうち一方又は両方に一体に形成されていてもよい。また、一方の部材にキャッチ部材を設けて、キャッチ部材によって他方の部材を捕捉することも可能であるし、2つの部材にそれぞれキャッチ部材を設けて、キャッチ部材同士を結合させることも可能である。
第1観点に係る椅子において、キャッチ部材は2つの部材が接近する方向に向いているため、椅子が折り畳み姿勢に移行すると、椅子の折り畳みを阻害することなくキャッチ部材を機能させて折り畳み姿勢を保持できる。逆に、折り畳み姿勢から展開姿勢に移行するに際しては、キャッチ部材を確実に離反させることができる。従って、折り畳み及び展開の機能を阻害することなく、椅子を折り畳み姿勢に保持できる。
1観点に係る椅子又は後記第2,3観点の椅子の従属項としての第4観点の椅子では、
「前記2つの部材のうち、一方の部材は磁性体製であり、他方の部材には前記一方の部材に磁着するマグネットを前記キャッチ部材として取り付けている」
という構成になっている。
観点に係る椅子はキャッチ部材としてマグネットを使用したものであるが、ごく簡単な構造で折り畳み姿勢に保持できる。また、キャッチ部材としてマグネットを使用すると、折り畳み状態の終期にマグネットの引き作用によって折り畳み姿勢が自動的に保持されるため、作業性に優れている。
更に、折り畳み姿勢から展開するに際しては、椅子に対して展開方向にある程度の力を掛けるとマグネットは他方の部材から離脱するため、展開姿勢への移行も確実化できる。また、第の観点に係る椅子は、少なくとも他方の部材が磁性体であることを利用してマグネットの機能を発揮させるものであり、他方の部材を折り畳み姿勢保持手段に利用するものであるため、構造簡素化の面で更に有利である。
キャッチ部材としてマグネットを使用する場合、2つの部材の両方にマグネットを設けたり、一方の部材にマグネットも取り付けて他方の部材に磁性体を取り付けたりすることも可能である。この場合は、他方の部材は非磁性体製(例えばアルミ製や合成樹脂製)であってもよい。
観点に係る椅子において、ステーは座の下方に配置されているため、キャッチ部材は展開姿勢において人目に触れにくい。従って、美観の悪化を防止できる。また、座を跳ね上げて折り畳みできるためには、脚の回動支点からステーまでの距離はある程度の長さが必要であることが普通であるため、キャッチ部材に過剰に高い保持力を保持させなくても、折り畳み姿勢を確実に保持できる。従って、コストの抑制に貢献できる(例えば第2の観点に係る椅子のようにマグネットを使用する場合、強力な磁力は要しないため、それだけコストを抑制できる。)。
実施形態のようにステーで座を支持すると、椅子の強度メンバーとしてのステーを有効利用できる。
観点に係る椅子は、第1観点と同じ基本構成において、
「前記前後の脚は、前記展開姿勢では前後間隔が下方に向けて広がる姿勢を成し、折り畳み姿勢では側面視でX字状に交叉するように構成されている
いう構成になっている。この場合は、前後の脚は、展開姿勢において前後に完全に離れている場合と、上端が連結されて側面視逆V形を成している場合とを含んでいる。
観点に係る椅子では、椅子を床において状態で自重が折り畳み姿勢を維持するように作用するため、保管状態での折り畳み姿勢の安定性を向上できる。
観点に係る椅子は、第1観点と同じ基本構成において、「前記左右前脚の左右間隔と前記左右後脚の左右間隔とを異ならせることにより、前記折り畳み姿勢において他の折り畳み椅子とともに前後にネスティングすることが可能になっている」
という構成になっている。
観点に係る椅子では、折り畳み姿勢を確実に保持してネスティング作業を行えるため、ネスティング作業に際しての作業者の負担を軽減できる。
実施形態の外観を示す図で、(A)は展開状態の前方斜視図、(B)は折り畳み状態の前方斜視図、(C)は展開状態の側面図、(D)は折り畳み状態の側面図である。 実施形態の外観を示す図で、(A)は展開状態の正面図、(B)は展開状態の底面図、(C)は折り畳み状態の後方斜視図、(D)は展開状態の下方斜視図である。 (A)は展開状態の一部分離下方斜視図、(B)は部分的な分離下方斜視図である。 (A)は分離下方斜視図、(B)は座と連動部材とのキャップ付き連結部の下方斜視図、(C)は座と連動部材とのキャップ無し連結部を下方斜視図である。 (A)は図2(B)の VA-VA視中央側断面図、(B)は図2(B)及び図4(C)の VB-VB視側断面図である。 上部の分離下方斜視図である。 (A)は上部の分離上方斜視図、(B)は図1(C)及び図6の VIIB-VIIB視断面図である。 (A)は折り畳み状態での後方斜視図、(B)は(A)のB-B視断面図、(C)は別例図である。
次に、本願で開示する椅子の実施形態(具体例)を図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、この方向は、椅子に普通に腰掛けた人の向きを基準にしている。正面視方向は、着座した人と対向した方向である。
(1).概要
まず、図1,2を参照して椅子の概要を説明する。本実施形態の椅子は、会議室や講堂などで使用することが多いタイプであり、図1に示すように、座1と背もたれ2、及びこれらを支持する棒状(直線状)の前脚3及び後脚4を備えている。前脚3及び後脚4の上端は、座1よりも上に位置している。脚3,4は、スチールパイプのような金属パイプから成っている。
座1は、平面視で後ろに向けて左右幅狭まるような略台形状に形成されている。他方、背もたれ2は、使用者の背にフィットするように平面視では前向きに凹むように緩く湾曲しており、側断面視では緩く後傾している。上下幅は小さくて、シャープなデザインになっている。
図1から理解できるように、座1は、樹脂製又は木製で板状になっている。すなわち、1枚の座板の構造になっている。但し、座1は、座板(インナーシェル)にクッション材を張った構造や、上下に開口した枠体にメッシュ材を張ったタイプなども採用できる。背もたれ2は合成樹脂を使用した成型品であるが、木製でもよい。或いは、前面にクッション材を張った構造も採用できる。
背もたれ2の左右両端には、前後長手のサイド枠部5が一体に形成されている。サイド枠部5は肘当てとしても機能し得る左右幅を備えている。従って、肘当てと背もたれ2とが一体化していると見ることも可能である。図1(A)や図2のとおり、背もたれ2は、左右両側に向けて高さを低くすることにより、サイド枠部5と滑らかに連続している。従って、すっきりとしたデザインになっている。
そして、前脚3の上端はサイド枠部5の前端部に固定されている一方、後脚4は、その上端を支点にして前後回動するようにサイド枠部5に連結されている。従って、前脚3と後脚4とは、側面視で下方に向けて間隔が広がる展開状態から、側面視でX字状に交叉した状態に折り畳むことができる。
例えば図2(C)(D)に示すように、左右の前脚3は、座1の下面部の高さ位置において左右長手のフロントステー6によって一体に固定されており、フロントステー6に座1の前部が回動可能に連結されている。一方、左右の後脚4も、座1の下面部の高さ位置において左右長手のリアステー7を介して固定されており、リアステー7と座1とは台形状に曲がった連動部材8を介して相対回動可能に連結されている。
座1は、展開状態ではステー6,7によって前後を支持されているが、ステー6,7はスチールパイプのような金属パイプ製であって脚3,4に溶接で固定されているため、高い支持強度を有する。そして、座1の後端を持ち上げると、座1がフロントステー6を支点にして回動し、これに連動して連動部材8はその後端が高くなるように引き上げ回動させられる。これにより、後脚4が前脚3と座1とサイド枠部5とに対して相対回動して、図1(D)の状態に折り畳まれる。
例えば図1(B)や図2(B)に示すように、正面視や平面視において前脚3の左右間隔は後脚4の左右間隔よりも大きくなっているため、折り畳んだ状態では、複数の椅子を前後に嵌まり合った状態にネスティングできる。サイド枠部5の後端の左右中間部には、折り畳み作業に際して人が手先を掛けやすいように下向きの引手リブ9を設けている。また、リアステー7には、人が引手リブ9に手先を掛けるに際して邪魔にならないように、前向きに突出したクランク状の曲がり部7aを形成している。
(2).座とフロントステーとの連結構造
例えば図3に示すように、サイド枠部5の前部は、左右一対のフロント軸受け部11とこれをすっぽり覆うフロントキャップ12とにより、フロントステー6に回動可能に連結されている。フロント軸受け部11は座1の下面に一体に形成しており、半円状の下向き凹所11aが形成されている。他方、フロントキャップ12に、フロントステー6に下方から嵌まる半円状の上向き凹所12aが形成されており、フロントキャップ12がビス(図示せず)でフロント軸受け部11に固定されている。従って、フロントキャップ12にはビス挿通穴13が形成され、フロント軸受け部11にはタップ穴14が形成されている。
図3(B)に明示するように、フロント軸受け部11(及びフロントキャップ12)には、フロントステー6との摩擦低減等のために多数のリブ(或いは肉盗み凹所)を形成している(肉盗み凹所にグリスを充填することも可能である。)。フロント軸受け部11と座1の左右端との間にはある程度の間隔が空いているため、座1の左右両端部の下面に、フロントステー6に嵌まる半円状凹所を有する補助軸受け部15が下向きに突設されている。従って、座1の前部は、左右方向の4か所においてフロントステー6で支持されている。
実施形態のように補助軸受け部15を設けると、フロントステー6の全長に亙って荷重を分散できるため、フロントステー6の支持強度を向上できる。この場合、補助軸受け部15を左右両端寄りに配置して、フロントキャップ12による連結を左右中間部側に寄せると、こじれを無くして座1の回動をスムース化できる利点がある。
(3).座とリアステーとの連結構造
図3(A)及び図4(A)に示すように、連動部材8は、左右長手の基部8aと、その左右両端から後ろ向きに延びる前後長手のサイド部8bとを備えており、全体として略台形状の形態になっている。そして、基部8aの左右中間部は、リア軸受け部16とリアキャップ17とによって座1の下面に回動可能に連結されて、左右サイド部8bの後端は、上下一対のクランプ式軸受け体18によって回動可能に連結されている。なお、図1,2,8では、リア軸受け部16のみを表示してリアキャップ17は省略している。
リア軸受け部16は座1に一体に形成されており、前後中間部には半円状の下向き凹所16aが形成されている。一方、リアキャップ17はリア軸受け部16をすっぽり覆っており、U形の上向き凹所17aが形成されている。両者の間には合成樹脂製スリーブ19が介在しており、スリーブ19によって連動部材8の基部8aが抱持されている。従って、連動部材8の基部8aは、スリーブ19を介してリア軸受け部16及びリアキャップ17に連結されている。
リアキャップ17は、図5(A)に示すように、前後一対のビス20によってリア軸受け部16に固定されている。従って、リアキャップ17にはビス挿通穴21が形成されて、リア軸受け部16にはタップ穴22が形成されている。また、リア軸受け部16及びリアキャップ17には多数のリブ(或いは肉盗み部)が形成されている。
図5(A)に示すように、スリーブ19は開口を有するC形であって、弾性に抗して広げることによって連動部材8の基部8aに嵌着されている。そして、スリーブ19は開口部を上に向けた姿勢で配置されており、かつ、左右中間部の内面に上向きのストッパー突起23を設けている一方、連動部材8の基部8aには、ストッパー突起23が嵌まるストッパー穴24を空けている。従って、スリーブ19は、連動部材8の基部8aに対してスライド不能で相対回転不能に保持されている。
そして、図4(A)及び図5(B)に示すように、スリーブ19の左右両側部に、展開回転方向(図5(B)のX方向)に向けて深さが浅くなる(換言すると、連動部材8の基部8aとの間の厚さが厚くなる)ダンパ溝25を形成している一方、リア軸受け部16の左右両側部は、ダンパ溝25に当接して転動し得る円柱状のダンパピン26と、ダンパピン26をダンパ溝25に付勢する弾性部材27とを配置している。これらダンパピン26と弾性部材27は、それぞれ横向きに開口した円形の保持穴28,29に配置されており、リアキャップ17によって抜け不能に保持されている。
椅子が折り畳まれた状態では、ダンパピン26はダンパ溝25の最も深い端部に位置しており、座1が水平姿勢に向けて回動していくと、ダンパピン26の回転抵抗が徐々に増大していき、これにより、座1が急激に倒れ回動することが防止される。すなわち、椅子を緩い速度で展開することができる。
ダンパ溝25のうち展開状態でダンパピン26が位置する部位には、ダンパピン26を安定的に保持するロック凹所30を形成している。このため、弾性部材27に加圧力が掛かり続けることを防止できると共に、展開状態も保持できる。椅子の展開に対して抵抗を付与するダンパ手段としては、摩擦板や油圧ダンパ等の様々な機構を採用できる。
図4(A)に示すように、上下のクランプ式軸受け体18は、リアステー7を半分だけ挟む半円状の抱持部18aと、連動部材8のサイド部8bに嵌入する半円筒状のアーム部18bとを有しており、上下の抱持部18aの間にスリーブ31(図4(A)の右上部参照)が介在している。スリーブ31は、上下の抱持部18aに対して回転自在に保持されている。図4(A)から理解できるように、上に位置した抱持部18aに、座1の下面に当たる上向きの緩衝突起32を上向きに膨出形成している。スリーブ31には、リアステー7に形成された位置決め穴(図示せず)に空けられた位置決め穴に嵌まる位置決め突起(図示せず)が形成されている。従って、スリーブ31は、リアステー7に対して回転不能に保持されている。なお、スリーブ31は左右の軸クランプ式軸受け体18に設けている。
上下のアーム部18bは、互いに重ね合わさった状態で連動部材8のサイド部8bに挿入されており、ビス(図示せず)によって連動部材8のサイド部8bに固定されている。そこで、連動部材8のサイド部8bと下方のアーム部18bとにはビス挿通穴33が空けられて、上方のアーム部18bにはタップ穴34を設けている。タップ穴34は、アーム部18aに直接形成してもよいし、六角ナット等のナットを埋設又は装着して形成してもよい。
なお、連動部材8の組み付けの手順としては、上下のクランプ式軸受け体18でリアステー7を抱持してから、重なり合ったアーム部18bに連動部材8のサイド部8bを挿入してビスで固定し、次いで、連動部材の基部8aをリア軸受け部16に連結することになる。
既述のとおり、リアステー7にはクランク状の曲がり部7aが形成されているが、図5(A)に示すように、曲がり部7aは前向きに突出しており、この曲がり部7aの先端に、座1が当たるC形の緩衝材35を嵌着している。緩衝材35はスリーブ19,31と同様に合成樹脂製であり、下向きに突設した位置決め突起35aを曲がり部7aの位置決め穴36に嵌入することにより、曲がり部7aにずれ不能に保持されている。
本実施形態では、展開状態では、上方のクランプ式軸受け体18の抱持部18aにも座1が当接している。従って、座1の後部は、左右3か所においてリアステー7で支持されている。
(4).脚とサイド枠部との連結構造
例えば図7(B)に示すように、サイド枠部5は、基本的には、人の肘を載せ得る左右幅で上面を平坦面と成した板状になっており、内側部に、その全長に亙って延びる下向きのリブ5aを形成している。従って、サイド枠部5はおおよそ断面逆L形になっている。そして、下向きのリブ5aを有することにより、スリムでありながら上からの荷重に対する剛性が格段に向上している。
サイド枠部5の前端には、前脚取り付け部の一例として下窄まりのフロントボス部37を形成しており、このフロントボス部37に継手軸39を強制嵌合によって抜け不能に嵌着している。継手軸39には、上ブッシュ40と抜け止めワッシャ41と下ブッシュ42とをビス43によって固定し、これら姿勢保持用のブッシュ40,42と抜け止めワッシャ41とを前脚3に強制嵌合している。
すなわち、継手軸39と上下の姿勢保持用ブッシュ40,42と抜け止めワッシャ41とビス43とで継手ユニットが構成されており、サイド枠部5は、継手ユニットによって前脚3に固定されている。継手軸39には、接着剤充填用等の環状溝を多段に形成している。ブッシュ40,42には、寸法誤差を吸収するための縦長リブを複数条形成している。
抜け止めワッシャ41は上広がりの花びら状に形成されており、上下のブッシュ40,42によって挟み固定されている。そして、抜け止めワッシャ41は、窄まって前脚3の内部を下方に進入しつつ、上向き抜け不能に保持される。すなわち、抜け止めワッシャ41が前脚3の内面に食い込むことにより、抜けが阻止されている。従って、前脚3は、フロントボス部37に対して抜け不能に固定されている。フロントボス部37の下端には、前脚3が嵌合する小径部37aを形成している。
後脚4には、前脚3と同様に、上下の姿勢保持用のブッシュ40,42と抜け止めワッシャ41とビス43から成る継手ユニットが上から嵌着されている。そして、上ブッシュ40にジョイント(レバー部)44が一体に形成されており、ジョイント44が、サイド枠部5に形成されたリアボス部45に枢支ピン46で連結されている。リアボス部45は、後脚取り付け部の一例である。
リアボス部45はリブ5aと一体に繋がっており、ジョイント44が下方から嵌入する溝47を切り開き形成している。そして、ジョイント44は、左右長手の軸心を有する枢支ピン46でリアボス部45に連結されている。従って、後脚4は、枢支ピン46を支点にして前後に回動する。図7(B)に示すように、枢支ピン46はビス47によって抜け不能に保持されている。
ジョイント44は、上端が前向きに突出した形態で側面視逆L字に近い形態になっており、その前部に連結穴48が空いている。そして、展開状態では、ジョイント44の上面44aのうち連結穴48よりも後ろの部位がリアボス部45の内底面に当たるように設定している。このため、サイド枠部5に下向きの大きな荷重が作用しても、その荷重は枢支ピン46に作用することはなくて、ジョイント44の上面に作用する。すなわち、サイド枠部5に作用した下向きの荷重は、後脚4に対して軸方向の圧縮力として作用する。このため、高い支持強度を有する。
(5).折り畳み状態の保持手段
本実施形態の椅子は、折り畳み状態を保持しつつ展開は容易に行える手段を講じている。すなわち、例えば図3に示すように、フロントステー6のうち後脚4の真正面の部位に、キャッチ部材(折り畳み状態保持手段)の一例として、後ろ下方に向いた(後脚4に対して接近する方向に突出した)マグネット49をビス止めしている。そして、図8に示すように、折り畳み状態では、マグネット49は後脚4に当たって磁着しており、マグネット49の磁力(結合力)が後脚4をフロントステー6に引きつけるように作用していることにより、椅子は折り畳み状態に保持される。フロントステー6と後脚4とを離反させる方向にある程度の力が掛かるとマグネット49と後脚4とは離反するため、展開作業の容易性は損なわれない。
図8(C)では、折り畳み状態保持手段の別例として、リアステー7を左右両側から抱持するクランプ部材50を設けている。クランプ部材50はフロントステー6にビス51で固定されている。クランプ部材50は、板ばねのような金属板製であってもよいし、合成樹脂製であってもよい。
クランプ部材50も後脚4に接近する方向に向けて突出しており、弾性に抗して広がり変形(逃げ変形)することにより、クランプ部材50と後脚4とは、互いに接近した折り畳み状態と互いに離反した展開状態とに切り替わる。
既に説明したように、展開状態において座1の後端を持ち上げると、座1は、フロントステー6を支点にして後端が高くなるように跳ね上げ回動させられ、これに連動して、連動部材8の基部8aが上向きに引かれる。すると、後脚4は、上端を支点にして回動する。
そして、椅子の全体を床から浮いた状態に持ち上げたり、前脚3の下端のみが床に着いた状態で持ち上げたりして座1が回動しきると、引手リブ9の真下に重心がくるため、前脚3は前傾姿勢に変化して後脚4は後傾姿勢に変化し、その結果、前脚3と後脚4とは、側面視でX字状に交叉した姿勢になる。
座1はその前端寄り部位がフロントステー6に連結されているため、座1は、その後端の引手リブ9に手を掛けて持ち上げることによって回動するが、引手リブ9からフロントステー6までのスパンは大きいため、座1を確実に跳ね上げ回動させることができる。
そして、座1の跳ね上げ回動と同時に、連動部材8はその後端を支点にした回動を開始し、これに伴って後脚4も回動を開始するが、連動部材8の基部8aは座1の前後中途部に連結されているため、連動部材8はテコ作用によって軽快に回動する。従って、連動部材8の回動と後脚4の回動とはスムースであり、椅子の全体を持ち上げたり、前脚3の下端を床に付けた状態で後脚4も持ち上げたりすると、重心の移動により、前脚3は前傾姿勢になって後脚4は後傾姿勢になり、自動的に折り畳み状態に移行する。
そして、座1の後端に人が手を掛けて椅子全体を持ち上げると、重心が人の手の真下に移動することによって折り畳み姿勢に自動的に移行し、すると、マグネット49が後脚4に磁着することにより、折り畳み姿勢が自動的に保持される。従って、椅子をぶら下げて移動させるに際して前後の脚2,3や座1が互いに触れ動くことはなくて、安定させた状態で持ち運ぶことができる。
実施形態のように、キャッチ部材としてマグネット49を使用すると、椅子を持ち上げた状態でマグネット49と後脚4とが引き合うことにより、折り畳み姿勢の保持を自動的に行える利点がある。
折り畳んだ椅子を床におくと自立するが、床においた状態では、椅子の自重が前脚3の下端と後脚4の下端との間隔を広げるように作用するため、床に置いた状態では折り畳み状態が保持される。従って、保管状態で展開姿勢に移行する不測の事態は生じない。
以上、本開示に係る思想の実施形態を説明したが、本思想は他にも様々に具体化できる。例えば、キャッチ部材としては、面ファスナや両面粘着テープ、真空吸着具なども使用できる。椅子の折り畳み構造も、様々な態様を選択できる。
本開示に係る思想は、折り畳み式椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 座
2 背もたれ
3 前脚
4 後脚
5 サイド枠部
6 フロントステー
7 リアステー
8 連動部材
9 引手リブ
11 フロント軸受け部
12 フロントキャップ
16 リア軸受け部
17 リアキャップ
18 クランプ式軸受け体
37 フロントボス部
45 リアボス部
49 キャッチ部材の一例としてのマグネット
50 キャッチ部材の一例としてのクランプ部材

Claims (4)

  1. 座と背もたれ、及び、左右一対ずつの前脚及び後脚、を備え、
    前記座着座可能な展開姿勢から前端側または後端側を起こすように跳ね上げ回動されることで前記前脚および前記後脚が折り畳み姿勢に移行し、前記折り畳み姿勢において床上に自立可能であり
    前記折り畳み姿勢において前後方向に対向して近接又は当接する2つの部材のうち一方又は両方には、前記折り畳み姿勢において前記2つの部材を当接又は近接した状態に保持するキャッチ部材が、前記2つの部材の接近方向に向けて設けられていて、
    前記2つの部材が当接又は近接すると前記キャッチ部材の結合力が発揮されて前記2つの部材が当接又は近接された状態に保持されて、折り畳み姿勢において前記2つの部材を離反させる方向にある程度の大きさの外力が掛かると、前記キャッチ部材が前記両部材の離反方向に後退動して前記キャッチ部材の結合力が解除される構成であり、
    かつ、前記座には、前記展開姿勢から前記折り畳み姿勢に変更する際に座を起こすための引手が設けられている、
    という折り畳み式椅子であって、
    前記左右の前脚は前記座の下方に配置された左右横長のフロントステーで連結されて、前記左右の後脚は前記座の下方に配置された左右横長のリアステーで連結されており、
    前記折り畳み姿勢では、前記フロントステーと後脚とが前後に対向するか、又は、前記前脚とリアステーとが前後に対向するように設定されており、前記ステーと脚とのうち一方又は両方に前記キャッチ部材を設けている、
    折り畳み式椅子。
  2. 座と背もたれ、及び、左右一対ずつの前脚及び後脚、を備え、
    前記座が着座可能な展開姿勢から前端側または後端側を起こすように跳ね上げ回動されることで前記前脚および前記後脚が折り畳み姿勢に移行し、前記折り畳み姿勢において床上に自立可能であり
    前記折り畳み姿勢において前後方向に対向して近接又は当接する2つの部材のうち一方又は両方には、前記折り畳み姿勢において前記2つの部材を当接又は近接した状態に保持するキャッチ部材が、前記2つの部材の接近方向に向けて設けられていて、
    前記2つの部材が当接又は近接すると前記キャッチ部材の結合力が発揮されて前記2つの部材が当接又は近接された状態に保持されて、折り畳み姿勢において前記2つの部材を離反させる方向にある程度の大きさの外力が掛かると、前記キャッチ部材が前記両部材の離反方向に後退動して前記キャッチ部材の結合力が解除される構成であり、
    かつ、前記座には、前記展開姿勢から前記折り畳み姿勢に変更する際に座を起こすための引手が設けられている、
    という折り畳み式椅子であって、
    前記前後の脚は、前記展開姿勢では前後間隔が下方に向けて広がる姿勢を成し、折り畳み姿勢では側面視でX字状に交叉するように構成されている、
    り畳み式椅子。
  3. 座と背もたれ、及び、左右一対ずつの前脚及び後脚、を備え、
    前記座が着座可能な展開姿勢から前端側または後端側を起こすように跳ね上げ回動されることで前記前脚および前記後脚が折り畳み姿勢に移行し、前記折り畳み姿勢において床上に自立可能であり、
    前記折り畳み姿勢において前後方向に対向して近接又は当接する2つの部材のうち一方又は両方には、前記折り畳み姿勢において前記2つの部材を当接又は近接した状態に保持するキャッチ部材が、前記2つの部材の接近方向に向けて設けられていて、
    前記2つの部材が当接又は近接すると前記キャッチ部材の結合力が発揮されて前記2つの部材が当接又は近接された状態に保持されて、折り畳み姿勢において前記2つの部材を離反させる方向にある程度の大きさの外力が掛かると、前記キャッチ部材が前記両部材の離反方向に後退動して前記キャッチ部材の結合力が解除される構成であり、
    かつ、前記座には、前記展開姿勢から前記折り畳み姿勢に変更する際に座を起こすための引手が設けられている、
    という折り畳み式椅子であって、
    前記左右前脚の左右間隔と前記左右後脚の左右間隔とを異ならせることにより、前記折り畳み姿勢において他の折り畳み椅子とともに前後にネスティングすることが可能になっている、
    り畳み式椅子。
  4. 前記2つの部材のうち、一方の部材は磁性体製であり、他方の部材には前記一方の部材に磁着するマグネットを前記キャッチ部材として取り付けている、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載した折り畳み式椅子。
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