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JP7713789B2 - Yag焼結体およびその製造方法 - Google Patents
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JP7713789B2 - Yag焼結体およびその製造方法 - Google Patents

Yag焼結体およびその製造方法

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Description

本発明は、YAG焼結体およびその製造方法に関する。
従来から半導体装置用部材、特にプラズマ環境下で使用される部材として耐プラズマ性の良好なYAl12(YAG)焼結体が使用されていた。
特許文献1は、プラズマ装置に用いられるガスノズルであって、ガスが流れる貫通孔が形成されたセラミック焼結体からなる柱状の本体を備え、該本体の一端面には、前記貫通孔における前記ガスの流出口が形成されており、前記貫通孔の内壁は、前記流出口の近傍に位置する第1領域と該第1領域よりも前記本体の内部に位置する第2領域とを有し、前記第1領域および前記第2領域は、前記セラミック焼結体の焼き肌面からなり、前記第1領域における平均結晶粒径は、前記第2領域における平均結晶粒径よりも大きいガスノズルが開示されている。
また、特許文献2は、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスから成り外表面に試料保持面を有する基体と、該基体の内部に設けられた、前記試料保持面に対向する導体とを備えており、前記基体の内部のうち前記導体よりも前記試料保持面側において、前記セラミックスにおける酸素の含有量が、前記導体の外周の外側に位置する領域よりも内側に位置する領域の方が少なく、前記導体の近傍に位置する前記セラミックスの粒径が、前記試料保持面における前記セラミックスの粒径よりも大きい試料保持具が開示されている。特許文献2には、低酸素領域のうち静電吸着用電極の近傍におけるセラミックスの粒径が、試料保持面におけるセラミックスの粒径よりも大きいことが好ましいこと、試料保持面における粒径を小さくしておくことによって、試料保持面の強度を向上させることができること、試料保持面にクラックが入る場合があるが、この表面のクラックが微細な場合には、クラックの進行が粒界で止まるとともに、加わった力は粒界を通して分散され、微細なクラックの長さはセラミックスの粒径の大きさに比例することが記載されている。
特許第6046752号公報 特許第6093010号公報
セラミックス焼結体は、原料粉そのものや仮焼粉を焼成助剤とともにまたは焼結助剤なしで焼結する方法のほか、コスト低減のため焼結時に反応により焼結体を作製する反応焼結法で製造される。そして、その焼結体の粒子径はその製法により影響を受ける。
焼結体の表層部の粒子径が大きいとプラズマによる腐食により粒子の脱離が生じやすくなる。そして、半導体等の製造歩留まりを低下させるパーティクル発塵の原因となっていた。さらに、気孔の数(焼結体の緻密性)や気孔の存在する位置によっても、同様にパーティクル発塵に影響を与えていた。
しかしながら、プラズマ耐性は化学的な耐性であり、構成する組成によって大きく特性が変化する。特許文献1は、一般論としてセラミックスについて記載され、特許文献2は、AlNセラミックスについてのみ記載されている。しかしながら、プラズマ耐性材料として有望視されているYAGセラミックスに関しては、その製法とプラズマ耐性の関係については、上記文献から明らかではなかった。
そのため、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、これまでよりもプラズマ耐性の高いYAG焼結体が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体およびその製造方法を提供する事を目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明のYAG焼結体は、YAG焼結体であって、平均粒子径が8μm以上15μm以下であり、切断面における気孔のうち、粒内に存在する気孔の数の割合が70%以上であることを特徴としている。
このように、平均粒子径が所定の範囲内にあることで、プラズマの腐食による粒子の脱離が生じにくくなる。また、切断面における気孔のうち、粒内に存在する気孔の数の割合が70%以上であることで、気孔からのプラズマの浸食を受けにくくなる。その結果、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体となる。
(2)また、本発明のYAG焼結体は、焼結体の表層の平均粒子径は、切断面における焼結体の内部の平均粒子径より小さいことを特徴としている。
このように、YAG焼結体の表層の平均粒子径を内部のそれより小さくすることで、表面からのパーティクルの脱離が起きてもプロセス空間外に容易に排出され、パーティクルの基板への付着を最小限に抑制することができる。
(3)また、本発明のYAG焼結体は、焼結体の表層の単位面積当たりの気孔数は、切断面における焼結体の内部の単位面積当たりの気孔数より少ないことを特徴としている。
これにより、表面の組織が内部の組織より気孔数が少なく、緻密な組織となる。そのため、パーティクルの発塵が抑制され、YAG焼結体のプラズマ耐性がさらに高くなる。
(4)また、本発明のYAG焼結体は、焼結体の表層の平均粒子径および切断面における焼結体の内部の平均粒子径が略同一であり、前記粒内に存在する気孔の数の割合が80%以上であり、相対密度が97%以上であることを特徴としている。
これにより、表面と内部の組織が均一かつ、気孔の多くが粒内に存在するため、熱負荷などの外乱に対して表面にクラック等の損傷を受けにくく安定し、かつプラズマ耐性が高くパーティクルの発塵自体が抑制される。
(5)また、本発明のYAG焼結体の製造方法は、YAG焼結体の製造方法であって、Yの酸化物の粉末およびAlの酸化物の粉末を秤量する工程と、前記秤量した粉末にバインダーを添加して混合する工程と、前記混合した粉末を造粒して造粒粉末を形成する工程と、前記造粒粉末を成形して成形体を形成する工程と、前記成形体を炉内にYAG仮焼体が存在する環境で焼成する工程と、を含むことを特徴としている。
このように、炉内に成形体と共にYAG仮焼体が存在する環境で焼結させることにより、反応焼結時の表面での気相との反応を調整することができ、上記(1)から(4)に記載するYAG焼結体を製造することができる。また、従来の、一旦YAG仮焼粉を合成後、成形して焼成する製造方法と比較して低コストで製造できる。
本発明によれば、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体を構成できる。また、そのようなYAG焼結体を製造することができる。
本発明の実施形態に係るYAG焼結体の使用例を示す模式的な断面図である。 実施例および比較例の各試験の結果を示す表である。 (a)、(b)、それぞれ実施例1の焼結体の表層および内部の光学顕微鏡写真である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
[YAG焼結体の構成]
(第1の実施形態)
本発明のYAG焼結体は、YAl12(YAG)結晶からなる。YAG結晶からなるとは、XRD(X線回折装置)法によってYAGの相が確認され、他の相が実質的に存在しない、例えばRIR法等による簡易定量法において1%以下であることをいう。
本発明のYAG焼結体は、平均粒子径が8μm以上15μm以下である。このように、平均粒子径が所定の範囲内にあることで、プラズマの腐食による粒子の脱離が生じにくくなる。平均粒子径は、例えば、1000倍の光学顕微鏡の視野で撮影し、インターセプト法で計算した値の平均値とすることができる。平均粒子径は、YAG焼結体の全体的な値となるように、無作為に3視野観察すればよい。本発明のYAG焼結体は、表面からの深さによって平均粒子径が異なる場合があるため、全体の平均粒子径は、表面から異なる深さの画像でそれぞれ測定し、その平均値とすることが好ましい。また、所定の領域の平均粒子径を求める場合は、その条件を満たす面で測定する。
例えば、焼結体の表層の平均粒子径を求める場合は、焼結体の表層の面で撮影した画像を使用する。焼結体の表層とは、焼結体の表面から2.5mm以内の範囲とする。本発明は、YAG焼結体の表層と内部の組織に違いがあることまたはないことが特徴となる場合があるため、焼結体の表層は、できるだけ焼結体の表面に近いことが好ましい。そのため、焼結体の表面が研磨面である場合、焼結体の表面を表層の面として測定してもよい。また、焼結体の表面が焼肌面など平均粒子径を求められない場合、焼結体の表面を500μm程度研磨した面を焼結体の表層の面として測定してもよい。
また、例えば、焼結体の内部の平均粒子径を求める場合は、焼結体の内部の点を含む視野で撮影した画像を使用する。焼結体の内部の点とは、焼結体を表面に垂直に切断した切断面で焼結体の表面から5mm以上離れている点とする。
本発明のYAG焼結体は、切断面における気孔のうち、粒内に存在する気孔の数の割合が70%以上であり、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。このように、切断面における気孔のうち、粒内に存在する気孔の数の割合が70%以上であることで、気孔からのプラズマの浸食を受けにくくなる。その結果、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体となる。
焼結体の気孔は、例えば、光学顕微鏡で切断面または研磨した表面を1000倍の倍率で撮影し、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institute of Health)が開発したフリーソフト「ImageJ」を用いて、撮影した画像データから無作為に決定した100μm×100μmの視野を2値化し、気孔を確定することで測定することができる。なお、測定点としては無作為に3視野観察すればよい。
また、粒内に存在する気孔の割合は、気孔を確定した視野と同一視野で異なる閾値を用いて2値化し、粒子の境界を確定する。そして、粒子の境界に囲まれている気孔を粒内に存在する気孔(粒内気孔)、粒子の3重点にある気孔を粒界に存在する気孔(粒界気孔)とすることで測定することができる。気孔の測定においても、所定の領域の気孔数や粒内に存在する気孔の割合を求める場合は、その条件を満たす面で測定する。
本実施形態に係るYAG焼結体は、焼結体の表層の平均粒子径が、切断面における焼結体の内部の平均粒子径より小さいことが好ましい。このように、YAG焼結体の表層の平均粒子径を内部の平均粒子径より小さくすることで、表面からのパーティクルの脱離が起きてもプロセス空間外に容易に排出され、パーティクルの基板への付着を最小限に抑制することができる。
本発明のYAG焼結体は、焼結体の表層の単位面積当たりの気孔数は、切断面における焼結体の内部の単位面積当たりの気孔数より少ないことが好ましい。これにより、表面の組織が内部の組織より気孔数が少なく、緻密な組織となる。そのため、パーティクルの発塵が抑制され、YAG焼結体のプラズマ耐性がさらに高くなる。
本発明のYAG焼結体は、相対密度が95.0%以上であることが好ましく、97.0%以上であることがより好ましく、98.0%以上であることがさらに好ましい。YAG焼結体は、相対密度が高い方がプラズマ耐性が高くなる傾向にあるからである。YAG焼結体の相対密度は、アルキメデス法で求めることができる。
YAG焼結体は、YおよびAl以外の金属の含有量の合計が100ppm以下であることが好ましい。このように、YおよびAl以外の金属の含有量の合計を十分に低減することで、YAG焼結体にYAG以外の結晶または金属が含まれる虞を十分に低減できる。YAG焼結体にYAG以外の結晶または金属が含まれる場合、そこからプラズマによる腐食が始まる虞が高まる。例えば、SiOが含まれる場合、フッ素系プラズマに対する耐食性が低くなる。なお、YAG焼結体は、金属に限らず、Y、Al、およびO以外の元素の含有量が低いほうが好ましい。
YAG焼結体におけるYおよびAlの酸化物換算の含有量、およびYAG焼結体に含まれるYおよびAl以外の金属の含有量は、WDX(Wavelength Dispersive X-ray spectroscopy:波長分散型X線分析)によって測定することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態に係るYAG焼結体は、焼結体の表層の平均粒子径と切断面における焼結体の内部の平均粒子径との好ましい関係が、第1の実施形態と異なることを除き、第1の実施形態と同様のYAG焼結体である。したがって、第1の実施形態の焼結体の表層の平均粒子径と切断面における焼結体の内部の平均粒子径との好ましい関係以外の用語の定義、好ましい範囲、測定方法等は、全て本実施形態に係るYAG焼結体にも適用できる。
本実施形態に係るYAG焼結体は、焼結体の表層の平均粒子径および切断面における焼結体の内部の平均粒子径が略同一であることが好ましい。焼結体の表層の平均粒子径および切断面における焼結体の内部の平均粒子径が略同一であるとは、焼結体の表層の平均粒子径と切断面における焼結体の内部の平均粒子径との差が内部の平均粒子径を基準に±20%以内であることとする。
これにより、表面と内部の組織が均一かつ、気孔の多くが粒内に存在するため、熱負荷などの外乱に対して表面にクラック等の損傷を受けにくく安定し、かつプラズマ耐性が高くパーティクルの発塵自体が抑制される。
本発明の第1の実施形態に係るYAG焼結体および第2の実施形態に係るYAG焼結体は、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体である。なお、本発明のYAG焼結体を用いた実際の製品に使用される部材では、第1の実施形態の特徴と第2の実施形態の特徴が混在していてもよい。すなわち、部材のある部分が第1の実施形態の特徴を有し、別の部分が第2の実施形態の特徴を有している場合も、本発明のYAG焼結体を用いた部材であるということができる。その理由は、第2の実施形態に係るYAG焼結体は、第1の実施形態に係るYAG焼結体の表層を削ったものだからである。
[YAG焼結体の使用例]
次に、本発明のYAG焼結体の使用例の説明をする。図1は、本発明の実施形態に係るYAG焼結体の使用例を示す模式的な断面図である。本発明のYAG焼結体は、例えば、半導体製造工程または液晶製造工程において、半導体ウエハやガラス基板などの基板Wに薄膜を形成するための成膜装置、または、基板Wに微細加工を施すためのエッチング装置などのプラズマ装置100に用いられるガスノズル10として使用される。
例えば、成膜装置においては、腐食性ガスを含む原料ガスをガスノズル10を用いて反応容器20内に導入し、この原料ガスをプラズマ化させるプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により、基板W上に薄膜を形成することがある。また、エッチング装置においては、原料ガスとしてハロゲン系腐食性ガスをガスノズル10を用いて反応容器20内に導入し、この腐食性ガスをプラズマ化してエッチングガスとすることにより、基板Wに微細加工を施すことがある。
ガスノズル10には、図示しないガス供給部から腐食性ガスなどのガスが供給されるガス供給口11、反応容器20内にガスを排出するガス排出口12、およびガス供給口11とガス排出口12とを連通するノズル孔13とを有している。
本発明の実施形態に係るYAG焼結体は、腐食性ガスに曝される部分を有する部材であり、ここでは、ガスノズル10のうち腐食性ガスに曝される部分、例えば、ノズル孔13を含む部分、反応容器20内に露出する部分のうちの少なくとも一部を構成する部材である。ただし、YAG焼結体は、ガスノズル10の全体を構成するものであってもよい。また、YAG焼結体は、例えば、反応容器20を構成する容器本体21または蓋部22であってもよいし、その一部であってもよい。
[YAG焼結体の製造方法]
次に、本発明のYAG焼結体の製造方法の一例を説明する。まず、セラミックス焼結体の原料粉末として、Yの酸化物およびAlの酸化物を準備する。Yの酸化物はYであることが好ましく、Alの酸化物はAlであることが好ましいが、大気雰囲気での焼結後にYAGになる物質を用いてもよい。各粉末の純度は、99.9%以上であることが好ましく、99.99%以上であることがより好ましい。また、各粉末の平均粒径は、0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
次に、焼結後のYAG焼結体における酸化物換算で所定の組成割合になるように、各粉末を秤量する。所定の組成割合とは、焼成後の焼結体における酸化物(Y)換算でYが37.5mоl%、酸化物(Al)換算でAlが62.5mоl%の組成である。なお、1.0mоl%程度ずれることは許容されるが、できるだけ所定の組成割合に近いことが好ましい。
次に、原料粉末を混合する。各粉末を、例えば、溶媒としてのPVAとともにボールミルへ投入し、粉砕および混合する。ボールミルは、例えば、アルミナボールを用いることができる。混合時間は、例えば、20時間とすることができる。
次に、スラリーを乾燥および造粒する。スラリーから造粒粉末を得る方法としては、例えば、スラリーを湯煎しつつ乾燥させることによりスラリー中から溶媒を除去して粉体を得て、得られた粉体を篩に通す方法を挙げることができる。また、スプレードライヤーを使用することもできる。
次に、造粒粉末を成形する。得られた造粒粉末をプレス機によって成形して、成形体を得る。成形方法は、プレス成形、CIP、ホットプレス、HIP等を使用できる。また、成形圧力は、プレス成形の場合、例えば、98MPaとすることができる。
次に、成形体を炉内にYAG仮焼体が存在する環境で焼成する。炉内にYAG仮焼体が存在する環境とは、炉内に焼成する成形体以外に、既にYAGの組成となっている仮焼体、焼結体が存在することをいう。
このように、炉内に成形体と共にYAG仮焼体が存在する環境で焼結させることにより、反応焼結時の表面での気相との反応を調整することができ、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体を製造することができる。また、従来の、一旦YAG仮焼粉を合成後、成形して焼成する製造方法と比較して低コストで製造できる。
焼成条件は、既存の方法の条件でよい。例えば、大気雰囲気下、1700℃の温度で1時間以上焼成することで、成形体を焼成し、焼結体を得ることができる。なお、焼成体を、HIPを用いて加圧し、緻密化する工程を設けてもよい。
また、焼結体の表層の平均粒子径および切断面における焼結体の内部の平均粒子径が略同一となる程度、YAG焼結体の表層を研削または研磨する工程を設けてもよい。
このような工程により、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体を製造することができる。
[実施例および比較例]
(実施例1、2の試験片の作製方法)
およびAlの混合割合が、原子のモル比換算でY:37.5mol%、Al:62.5mol%の混合割合となるように、Y原料粉(純度99.9%、平均粒子径1μm)、およびAl原料粉(純度99.99%、平均粒子径0.5μm)を秤量した。次に、秤量した原料粉にバインダー(PVA)を2wt%添加して混合し、造粒した。その後、一軸プレス成形をした。そして、成形体をアルミナ製のサヤに収め、大気雰囲気炉で1700℃、10時間焼成して試験片を準備した。実施例1は、サヤ内に成形体以外にYAG仮焼体を入れた。実施例2は、サヤ内に成形体以外にYAG仮焼体を入れたが、その量を実施例1の量の約半分とした。
(比較例1の試験片の作製方法)
およびAlの混合割合が、原子のモル比換算でY:37.5mol%、Al:62.5mol%の混合割合となるように、Y原料粉(純度99.9%、平均粒子径1μm)、およびAl原料粉(純度99.99%、平均粒子径0.5μm)を秤量した。次に、秤量した原料粉にバインダー(PVA)を2wt%添加して混合し、造粒した。造粒粉を大気雰囲気炉で1700℃、10時間焼成してYAG仮焼粉を作製した。
これをボールミルで粉砕し、平均粒子径3μmのYAG原料粉を作製した。作製したYAG原料粉にバインダー(PVA)を2wt%添加して混合し、造粒した。その後、一軸プレス成形をした。そして、成形体をアルミナ製のサヤに収め、大気雰囲気炉で1700℃、10時間焼成して試験片を準備した。
(評価方法)
各試験片の平均粒子径、気孔の数、相対密度、および耐プラズマ性を以下の試験により測定し、評価した。各試験片のサイズは、□30mm×15mmである。図2は、実施例および比較例の各試験の結果を示す表である。
(平均粒子径)
各試験片の焼結体の表層、切断面における焼結体の内部、および切断面所定の位置の組織を1000倍の光学顕微鏡の視野でそれぞれ撮影し、インターセプト法で計算した値の平均値をそれぞれの領域または全体の平均粒子径とした。焼結体の表層は、焼肌面を500μm研磨した面をランダムに3箇所撮影した。切断面における焼結体の内部は、表面に垂直に切断した異なる3つの切断面の表面から5mm以上離れた点をそれぞれランダムに選択し、その点を含む視野で撮影した。切断面所定の位置は、表面に垂直に切断した3つの切断面の表面直下の点、切断面の中心、切断面の中心と表面の中点を選択し、それぞれの点を含む視野で撮影した。
(気孔の数)
各試験片の焼結体の表層、および切断面における焼結体の内部の組織を1000倍の光学顕微鏡の視野でそれぞれ撮影し、□100μm(100μm×100μmの正方形)の視野をランダムに3箇所撮影し、気孔の数の平均値を気孔の数とした。焼結体の表層は、焼肌面を500μm研磨した面をランダムに3箇所撮影した。切断面における焼結体の内部は、表面に垂直に切断した異なる3つの切断面の表面から5mm以上離れた点をそれぞれランダムに選択し、その点を含む視野で撮影した。図2の表に示される値は、平均値を四捨五入した値である。
(相対密度)
焼結体のかさ密度をアルキメデス法で測定して、理論密度から相対密度を算出した。相対密度が95%以上である試験片は、焼結体として緻密である。このように緻密な場合、大型の半導体製造装置用の部材として好適に使用できる。
(耐プラズマ性)
試験片の片面を鏡面研磨しその一部をポリイミドテープでマスクした後、真空チャンバ内の平行平板型のRIEエッチング装置内に試験片を載置し、CF+20%Oプラズマで10時間暴露し、耐食深さを測定した。耐食深さが、1μm以下のものを良(〇)、それより大きい場合を不良(×)とした。
(評価結果)
実施例1および2の平均粒子径は、焼結体の表層の平均粒子径が焼結体の内部の平均粒子径より小さかった。これに対し、比較例1の平均粒子径は、焼結体の表層の平均粒子径が焼結体の内部の平均粒子径よりやや大きかった。
また、実施例1および2の気孔数は、焼結体の表層の気孔数が焼結体の内部の気孔数より少なかった。これに対し、比較例1の気孔数は、焼結体の表層の気孔数が焼結体の内部の気孔数よりやや多かった。また、実施例1および2の全ての気孔の数(表層の気孔の数と内部の気孔の数の合計)に対する粒内気孔の数の割合は、総じて高く、いずれの実施例でも75%以上であった。図3(a)、(b)は、それぞれ実施例1の焼結体の表層および内部の光学顕微鏡写真である。
また、図3(a)、(b)に示されるように、実施例1および2の焼結体の内部の気孔はほとんどが粒内気孔であり、表層に近づくほど粒界気孔がみられた。このような特徴により、表層を一定程度研磨した場合、粒界気孔が減少するため、耐プラズマ性がより向上すると考えられる。
これに対して、比較例1は粒内気孔の割合が小さく、ほとんどが粒界気孔であった。したがって、同じ程度の相対密度で比較すると、実施例のYAG焼結体の方が、比較例のYAG焼結体よりも耐プラズマ性が高くなると考えられる。
これらは、実施例はいずれもAlとYの反応により粒界がぬれやすくなったため、粒界に気孔が生成しにくくなったものと思われる。これに対して、比較例はYAG粒子の体積拡散による焼結であり粒子間の3重点での気孔が残りやすいためであると考えられる。
相対密度は、実施例1および2で97%以上であり緻密であった。また、耐プラズマ性の評価は、実施例1および2のどちらも良好な範囲であった。
(実施例3)
実施例1と同様の条件で作製した焼結体の表層を500μm研削および研磨する加工を行った焼結体を実施例3の焼結体とした。これは、実施例1の粒子径が小さい領域が、表面より約500μmであったためである。新たな表面の平均粒子径は、11.3μmであり、切断面における焼結体の内部の平均粒子径は、12.8μmであった。すなわち、実施例3の焼結体の表層の平均粒子径および切断面における焼結体の内部の平均粒子径は、略同一であるといってよい。
また、焼結体の表層の単位面積当たりの気孔数は、42個であり、切断面における焼結体の内部の単位面積当たりの気孔数は、40個であり、ほとんど差がなかった。これにより、焼結体の表層を所定の厚さ除いたYAG焼結体は、全体として粒子径および気孔の分布が極めて均質な焼結体であることが分かった。また、実施例3の耐プラズマ性は良好であった。
なお、平均粒子径が大きく異なる範囲の厚みは製造条件によって調整することができ、実施例1では約500μmであったが、実施例2では約2.5mmであった。
以上の結果によって、本発明のYAG焼結体は、プラズマ環境下で使用されてもパーティクル発塵が抑えられ、プラズマ耐性の高いYAG焼結体であることが確認された。また、本発明のYAG焼結体の製造方法は、このようなYAG焼結体を製造できることが確認された。
なお、本発明は、上記の実施態様に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更可能である。
10 ガスノズル
11 ガス供給口
12 ガス排出口
13 ノズル孔
20 反応容器
21 容器本体
22 蓋部
100 プラズマ装置
W 基板

Claims (4)

  1. YAG焼結体であって、
    前記YAG焼結体の表層の平均粒子径、切断面における前記YAG焼結体の内部の平均粒子径、および、前記切断面の所定の位置の平均粒子径の平均値が8μm以上15μm以下であり、
    前記YAG焼結体の表層の平均粒子径は、前記YAG焼結体の焼肌面を500μm研磨した面からランダムに選択した3つの領域の組織を1000倍の光学顕微鏡の視野でそれぞれ撮影し、前記撮影した画像を使用してインターセプト法で計算した粒子径の値の平均値であり、
    前記切断面における前記YAG焼結体の内部の平均粒子径は、前記YAG焼結体の表面に垂直に切断した異なる3つの切断面の前記表面から5mm以上離れた点をそれぞれランダムに選択し、前記表面から5mm以上離れた点を含む領域の組織を1000倍の光学顕微鏡の視野でそれぞれ撮影し、前記撮影した画像を使用してインターセプト法で計算した粒子径の値の平均値であり、
    前記切断面の所定の位置の平均粒子径は、前記3つの切断面の前記表面の直下の点、前記切断面の中心、前記切断面の中心と前記表面の中点を選択し、それぞれの点を含む領域の組織を1000倍の光学顕微鏡の視野でそれぞれ撮影し、前記撮影した画像を使用してインターセプト法で計算した粒子径の値の平均値であり、
    前記切断面における気孔のうち、粒内に存在する気孔の数の割合が70%以上であり、
    前記気孔の数とは、組織を1000倍の光学顕微鏡の視野で撮影して一辺が100μmの正方形の領域をランダムに3箇所選択し、前記一辺が100μmの正方形の領域に含まれる気孔の数の平均値であることを特徴とするYAG焼結体。
  2. 前記YAG焼結体の表層の平均粒子径は、前記切断面における前記YAG焼結体の内部の平均粒子径より小さいことを特徴とする請求項1に記載のYAG焼結体。
  3. 前記YAG焼結体の焼肌面を500μm研磨した面からランダムに選択した3つの領域の単位面積当たりの前記気孔の数は、前記YAG焼結体の表面に垂直に切断した異なる3つの切断面の前記表面から5mm以上離れた点をそれぞれランダムに選択し、前記表面から5mm以上離れた点を含む領域の単位面積当たりの前記気孔の数より少ないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のYAG焼結体。
  4. 前記YAG焼結体の表層の平均粒子径および前記切断面における前記YAG焼結体の内部の平均粒子径が略同一であり、
    前記粒内に存在する気孔の数の割合が80%以上であり、
    相対密度が97%以上であることを特徴とする請求項1に記載のYAG焼結体。

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