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JP7722012B2 - マイクロ流路チップ及びマイクロ流路チップの製造方法 - Google Patents
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JP7722012B2 - マイクロ流路チップ及びマイクロ流路チップの製造方法 - Google Patents

マイクロ流路チップ及びマイクロ流路チップの製造方法

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Description

本開示は、マイクロ流路チップ及びその製造方法に関するものである。
近年、リソプロセスや厚膜プロセス技術を応用して、微細な反応場を形成し、数μLから数nL単位での検査を可能とする技術が提案されている。このような微細な反応場を利用した技術をμ-TAS(Micro Total Analysis system)という。
μ-TASは、遺伝子検査、染色体検査、細胞検査、医薬品開発などの領域や、バイオ技術、環境中の微量な物質検査、農作物等の飼育環境の調査、農作物の遺伝子検査などに応用される。μ-TAS技術の導入により、自動化、高速化、高精度化、低コスト、迅速性、環境インパクトの低減など、大きな効果を得られる。
μ-TASでは、多くの場合、基板上に形成されたマイクロメートルサイズの流路(マイクロ流路、マイクロチャンネル)が利用され、このような基板はチップ、マイクロチップ、マイクロ流路チップなどと呼ばれる。
従来、こうしたマイクロ流路チップは、射出成形、モールド成形、切削加工、エッチングなどの技術を用いて作製されていた。またマイクロ流路チップの基板としては、製造が容易であり、光学的な検出も可能であることから、主にガラス基板が用いられている。一方で、軽量でありながらガラス基板に比べて破損しにくく、且つ、安価な樹脂材料を用いたマイクロ流路チップの開発も進められている。樹脂材料を用いたマイクロ流路チップの製造方法としては、主にフォトリソグラフィーにより流路用樹脂パターンを成形し、そこに蓋材を接合してマイクロ流路チップを作製する方法がある。この方法によれば、従来技術では困難な側面もあった微細な流路パターンの形成も可能である。
また、マイクロ流路チップの基板を貼り合わせる方法としては、熱プレス機や超音波溶着機などを用いた熱圧着(例えば、特許文献1)や、接着剤によって接着する方法がある(例えば、特許文献2)。またこの他に、大気圧またはその近傍下においてプロセスガスをプラズマ化し、基板表面を改質し、接着剤を使うことなく基板を接合する方法も提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2002-139419号公報 特開2003-60127号公報 特開2011-104886号公報
マイクロ流路チップの製造時において、流路を形成する樹脂層と蓋材を接合させる際には樹脂層の硬さが重要となる。
例えば、樹脂層が硬すぎると、樹脂層と蓋材との間に僅かな段差があった場合に、樹脂層の弾性変形による蓋材接触面への追従ができず、密着性が低下して隙間が生じる場合がある。一方、流路を形成する樹脂層が柔らかすぎると、樹脂層と蓋材との貼り合わせの際に流路に大きな変形が生じ、例えば流路の高さが変わることで樹脂層と蓋材との接合面の間に僅かに隙間が生じる場合がある。
このように、樹脂層と蓋材との間に隙間が生じる等の接合不良が発生すると、隙間から流体が漏れてしまうなどといった問題が生じる。またこのような接合不良は、製品の歩留まりを著しく低下させる要因となる。したがって、マイクロ流路チップにおいて、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合性を向上すること、すなわち接合不良の発生を抑制することが求められている。
また、流路を形成する樹脂層が柔らかすぎる場合には、樹脂層が大幅に変形することで微細な流路自体にも変形が生じ、流路が潰されて閉塞状態になるといったことが生じ得る。この場合、μ-TASによる検査に用いられる際に、マイクロ流路チップにおいて反応等が適正に進まず、予定された性能が提供できないといった問題が生じ得る。したがって、マイクロ流路チップにおいて、流路の変形(閉塞を含む)を抑制し予定された性能が提供可能であることが求められている。
そこで、本開示は上記課題に鑑み、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生および流路の変形を抑制することができるマイクロ流路チップ、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るマイクロ流路チップは、基板と、樹脂材料で構成され、前記基板上に設けられて流路を形成する隔壁層と、前記隔壁層の前記基板とは反対側の面に設けられたカバー層と、を備え、前記隔壁層の弾性率が1MPa以上10GPa以下の範囲内である、ことを特徴とする。
また、本開示の他の態様に係るマイクロ流路チップは、基板と、樹脂材料で構成され、前記基板上に設けられて流路を形成する隔壁層と、前記隔壁層の前記基板とは反対側の面に設けられたカバー層と、を備え、前記隔壁層の弾性率が2GPaより大きく10GPa以下となる範囲内である、ことを特徴とする。
また、本開示のさらに他の態様に係るマイクロ流路チップは、基板と、樹脂材料で構成され、前記基板上に設けられて流路を形成する隔壁層と、前記隔壁層の前記基板とは反対側の面に設けられたカバー層と、を備え、前記隔壁層の弾性率が1MPa以上2GPa以下の範囲内であり、前記隔壁層のビッカース硬さが2HV以上である、ことを特徴とする。
また、本開示の一態様に係るマイクロ流路チップの製造方法は、基板上に、樹脂を塗工する工程と、塗工した前記樹脂を露光する工程と、露光した前記樹脂を現像及び洗浄し、前記基板上において流路を画定する隔壁層を形成する工程と、前記隔壁層をポストベーク処理する工程と、前記隔壁層の前記基板とは反対側の面にカバー層を接合する工程と、
を含み、前記隔壁層の弾性率を1MPa以上10GPa以下の範囲内とする。
本開示の態様によれば流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生および流路の変形を抑制することができるマイクロ流路チップを提供することができる。
本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す概略図であって、(a)は本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す平面模式図であり、(b)は本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。 本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの製造方法の一例を示すフローチャートである。 本開示の第二実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。 本開示の第三実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。
以下、実施形態を通じて本開示を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面は特許請求の範囲にかかる発明を模式的に示すものであり、各部の幅、厚さ等の寸法は現実のものとは異なり、これらの比率も現実のものとは異なる。
本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップについて説明する。なお、以下の説明では、マイクロ流路チップの基板側を「下」、マイクロ流路チップの基板側と反対側(蓋材側)を「上」として説明する場合がある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、マイクロ流路チップにおいて流路を形成する樹脂層の弾性率やビッカース硬さを制御することにより、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合において、樹脂層形成時の樹脂高さのばらつきや蓋材の表面凹凸や平坦性不足等の僅かな段差に当該樹脂層が追従可能となり、隙間の発生などの接合不良および微細な流路の変形を抑制することが可能であることを見出した。これにより、本発明者らは、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生及び流路の変形を抑制することができるマイクロ流路チップ及びその製造方法を発明するに至った。
以下、図面を参照して本開示の各実施形態の各態様について説明する。
1.第一実施形態
(1.1)マイクロ流路チップの基本構成
図1は、本開示の第一実施形態(以下、「本実施形態」という)に係るマイクロ流路チップ1の一構成例を説明するための概略図である。具体的には、図1(a)は本実施形態のマイクロ流路チップ1の平面概略図である。また、図1(b)は、図1(a)に示すA-A線でマイクロ流路チップ1を切断した断面を示す概略断面図である。
図1(a)に示すように、マイクロ流路チップ1は、流体(例えば液体)を導入するための入力部2と、入力部2から導入された流体が流れる流路部3と、流路部3から流体を排出するための出力部4とを備えている。マイクロ流路チップ1において、流路部3は、カバー層12に覆われており、入力部2および出力部4は、カバー層12に設けられた貫通孔である。カバー層12の詳細は後述する。
図1(a)では、透明性を有するカバー層12を介して視認される流路部3を図示している。
マイクロ流路チップ1において、入力部2及び出力部4は、少なくとも1つ以上設けられていればよく、それぞれ複数個設けられていてもよい。またマイクロ流路チップ1において、流路部3は、複数設けられてもよいし、入力部2から導入された流体の合流や分離が可能な設計であってもよい。
ここで、マイクロ流路チップ1において、流路部3を構成する部材の詳細について説明する。図1(b)に示すように、マイクロ流路チップ1は、基板10と、基板10上に設けられて流路を形成する隔壁層11と、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられたカバー層12と、を備えている。入力部2から導入された流体が流れる流路部3は、基板10と隔壁層11とカバー層12とに囲まれた領域である。流路部3は、基板19上に設けられた隔壁層11によって画定され、基板10とは反対側を蓋材となるカバー層12に覆われている。上述のように、流路部3には、カバー層12に設けられた入力部2(図1(a)参照)から流体が導入され、流路部3を流れた流体は出力部4から排出される。
(1.1.1)基板
基板10は、マイクロ流路チップ1の基礎となる部材であり、基板10上に設けられた隔壁層11によって流路部3が構成される。つまり、基板10および隔壁層11は、マイクロ流路チップ1の本体部といえる。
基板10は、透光性材料又は非透光性材料のいずれかによって形成することができる。例えば、流路部3内の状態(流体の状態)を光によって検出、観察する場合は、該光に対して透明性に優れる材料を用いることができる。透光性材料としては、樹脂又はガラス等を用いることができる。基板10を形成する透光性材料に用いる樹脂としては、マイクロ流路チップ1の本体部の形成に適しているという観点から、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
また例えば、流路部3内の状態(流体の状態)を光によって検出、観察する必要がない場合は、非透光性材料を用いてもよい。非透光性材料としては、シリコンウエハ、銅板等が挙げられる。基板10の厚みは特に限定されないが、流路形成工程においてはある程度の剛性は必要となることから、10μm(0.01mm)以上10mm以下の範囲内が好ましい。
(1.1.2)隔壁層
隔壁層11は、基板上に設けられて、流路部3を形成する構成である。隔壁層11は、樹脂材料で形成することができる。隔壁層11の樹脂材料としては、例えば感光性樹脂を用いることができる。
隔壁層11を形成する感光性樹脂は、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有することが望ましい。当該感光性樹脂としては、液体レジスト又はドライフィルムレジスト等のフォトレジストを用いることができる。これらの感光性樹脂は、感光領域が溶解するポジ型、又は感光領域が不溶化するネガ型のいずれであってもよい。マイクロ流路チップ1における隔壁層11の形成に適する感光性樹脂組成物としては、アルカリ可溶性高分子と付加重合性モノマーと光重合開始剤とを含むラジカルネガ型の感光性樹脂を挙げることができる。例えば、感光性樹脂材料としては、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂(ウレタンアクリレート系樹脂)、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、その他の感光性を有する樹脂を単独で又は複数混合あるいは共重合して用いることができる。
なお本実施形態においては、隔壁層11の樹脂材料は感光性樹脂に限定されるものではなく、例えば、シリコーンゴム(PDMS:ポリジメチルシロキサン)や、合成樹脂を用いてもよい。合成樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)などを用いることができる。隔壁層11の樹脂材料は、用途に応じて適宜選択されることが望ましい。
また、基板10上における隔壁層11の厚み、すなわち流路部3の高さは特に限定されないが、流路部3に導入される流体に含まれる解析・検査対象の物質(例えば、薬剤、菌、細胞、赤血球、白血球等)よりは流路部3の高さを大きくする必要がある。このため、隔壁層11の厚み、すなわち流路部3の高さは、5μm以上100μm以下の範囲内が好ましい。
また同様に、解析・検査対象の物質よりは流路部3の幅を大きくする必要から、隔壁層11によって画定される流路部3の幅は、5μm以上100μm以下の範囲内が好ましい
本実施形態によるマイクロ流路チップ1において、隔壁層11は、弾性率が1MPa以上10GPa以下の範囲内である。樹脂材料からなる隔壁層11及びカバー層12(蓋材)には、マイクロ流路チップ1の製造過程での接合時において僅かな段差が生じることがある。隔壁層の弾性率が10GPaを超えると、隔壁層11が過度に硬くなり、僅かな段差に追従できずにカバー層12との接合時に隙間が生じ得る。この場合、隔壁層11とカバー層12との接合において接合不良となり得る。
一方、弾性率が1MPa未満の場合、隔壁層11が過度に柔らかくなり、マイクロ流路チップ1の製造過程での接合時などに、変形が生じ易くなる。この場合、流路部3の変形、閉塞が生じ得る。
本実施形態に係るマイクロ流路チップ1は、隔壁層11の弾性率を、10GPa以下とすることにより、隔壁層11が過度に硬くなることを抑制できる。このため、例えばカバー層12との接合時において隔壁層11が僅かな段差に追従可能となり、隙間の発生等を防いで隔壁層11とカバー層12との接合不良の発生を抑制することができる。
さらに、マイクロ流路チップ1は、隔壁層11の弾性率を1MPa以上とすることにより、隔壁層11が過度に柔らかくなることを抑制できる。このため、例えばカバー層12との接合時に加わる外力等による隔壁層11の大幅な変形が抑制され、流路部3の変形、閉塞を抑制することができる。
このように、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、隔壁層11の弾性率が1MPa以上10GPa以下の範囲内とすることにより、流路を形成する樹脂層である隔壁層11と蓋材であるカバー層12との接合不良の発生および隔壁層11で構成される流路部3の変形(閉塞を含む)を抑制することができる。
また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、弾性率を1MPa以上2GPa以下の範囲内とすると、隔壁層11と蓋材であるカバー層12との接合不良の発生および隔壁層11で構成される流路部3の変形(閉塞を含む)を抑制することができることに加え、隔壁層11やカバー層12の接合面にある局所的な凹凸にも追従できるため、好ましい。
また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、弾性率が2GPaを超え且つ10GPa以下の範囲内とすると、隔壁層11と蓋材であるカバー層12との接合不良の発生および隔壁層11で構成される流路部3の変形(閉塞を含む)を抑制することができることに加え、隔壁層11やカバー層12の接合面のうねりや基板自体の反りなどのような大きな凹凸に追従できるため好ましい。
なお、マイクロ流路チップ1における隔壁層11の弾性率の制御及び測定に関しては後述する。
このように隔壁層11においては、カバー層12との接合の際に段差などに追従し、且つ接合時に加わる外力等で流路部3に変形や閉塞が生じることを抑制する程度の柔軟性(弾性率)も重要である。その一方で、隔壁層11においては、例えばカバー層12との接合後に外力が取り除かれた際に、外力による変形が戻ること、つまり塑性変形しにくいことも重要である。
本発明者らは、樹脂材料で形成される隔壁層11のビッカース硬さを所定の値以上にすることでマイクロ流路チップ1の接合において塑性変形が生じにくいことを見出している。具体的には、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において隔壁層11は、ビッカース硬さが2HV以上であることが好ましい。ビッカース硬さが2HV未満の場合、塑性変形が生じ易く、外力による変形がもどりにくい。隔壁層11のビッカース硬さが2HV以上であることにより、隔壁層11に塑性変形が生じにくくなるため、流路部3の変形や閉塞をより確実に抑制することができる。また、隔壁層11のビッカース硬さは、80HV以下であることが好ましい。ビッカース硬さが80HVを超えると、隔壁層11とカバー層12との接合時のプレス圧によっては、クラックやひび等が発生し得る。ビッカース硬さが80HV以下であることにより、隔壁層11とカバー層12との接合時のプレス圧によるクラックやひび等の発生を抑制することができる。
なお、マイクロ流路チップ1における隔壁層11のビッカース硬さの制御及び測定に関しては後述する。
(1.1.3)カバー層
本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、カバー層12は、図1(b)に示すように流路部3を覆う蓋材である。上述のように、カバー層12は、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられており、隔壁層11を挟んで基板10と対向している。より具体的には、図1(b)に示すように、断面視においてカバー層12は側端部が隔壁層11に支持され、中央領域が基板10と対向しており、該中央領域が流路部3の上部を画定している
カバー層12は、透光性材料又は非透光性材料のいずれかによって形成することができる。例えば、流路内の状態を光によって検出、観察する場合は、該光に対して透明性に優れる材料を用いることができる。透光性材料としては、樹脂又はガラス等を用いることができる。カバー層12を形成する樹脂としては、マイクロ流路チップ1の本体部の形成に適しているという観点から、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。カバー層12の厚みは特に限定されないが、カバー層12に対して入力部2および出力部4それぞれに該当する貫通孔を設けることを鑑みると、10μm以上10mm以下の範囲内が好ましい。またカバー層12には、隔壁層11との接合前に、流体(液体)を導入する入力部2、流体を排出する出力部4のそれぞれに相当する孔を予め開けておくことが望ましい。
また、カバー層12の弾性率は、隔壁層11の弾性率より大きくてもよい。この場合、カバー層12は隔壁層11よりも機械的強度が向上され、隔壁層11との接合時に加わる外力への耐久性が向上することとなる。
また、カバー層12の弾性率は、隔壁層11の弾性率より小さくてもよい。この場合、カバー層12は隔壁層11よりも柔らかくなるため、隔壁層11とカバー層12との接合面においてカバー層12の追従性が向上し、接合不良をさらに抑制することができる。また、カバー層12の弾性率が隔壁層11の弾性率よりも小さくなると、入力部2、出力部4のそれぞれに相当する孔を開け易くなるため、製造時の作業負荷を軽減することができる。
本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、カバー層12の弾性率は、隔壁層11の弾性率と同様に、1MPa以上10GPa以下の範囲内であればよい。
(1.2)マイクロ流路チップの製造方法
次に、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法の一例を示すフローチャートである。
ここでは、隔壁層11を感光性樹脂で形成する場合を例にとって説明する。
(ステップS1)
本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法では、まず基板10上へ樹脂を塗工する工程を行う。これにより、基板10上に隔壁層11を形成するための樹脂層を設ける。本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法では、例えば基板10上に感光性樹脂による樹脂層(感光性樹脂層)を形成する。
基板10上への感光性樹脂層の形成方法は、例えば、基板10への感光性樹脂の塗工により行われる。塗工は、例えば、スピンコーティング、スプレーコーティング、バーコーティングなどにより行われることができ、中でも膜厚制御性の観点からはスピンコーティングが好ましい。基板10上には、例えば液状、固体状、ゲル状、フィルム状など種々の形態の感光性樹脂を塗工することができる。中でも、液体レジストによって感光性樹脂層を形成することが好ましい。
また、基板10上には、樹脂層(例えば、感光性樹脂層)の厚み、すなわち隔壁層11の厚みが5μm以上100μm以下の範囲内となるように樹脂(例えば、感光性樹脂)を塗工すればよい。
(ステップS2)
基板10上に感光性樹脂を形成すると、次に、基板10上に塗工した樹脂(例えば、感光性樹脂)内に含まれる溶媒(溶剤)を除去する目的で加熱処理(プリベーク処理)する工程を行う。なお、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法において、プリベーク処理は必須の工程ではなく、適宜、樹脂の特性に合わせて最適な温度、時間で実施すればよい。例えば、基板10上の樹脂層が感光性樹脂である場合は、プリベーク温度、時間は感光性樹脂の特性に応じて、適宜、最適な条件で行う。
(ステップS3)
次に、基板10上に塗工した樹脂(例えば感光性樹脂)を露光する工程を行う。具体的には、基板10上に塗工した感光性樹脂には、露光により流路パターンが描画される。露光は、例えば、紫外線を光源とした露光装置、レーザー描画装置により行うことができる。中でも、紫外線を光源としたプロキシミティ露光やコンタクト露光装置を用いた露光が好ましい。プロキシミティ露光装置の場合、マイクロ流路チップ1における流路パターン配列を有するフォトマスクを介して露光が行われる。フォトマスクはクロム及び酸化クロムの二層構造を遮光膜とするフォトマスクなどを使用すればよい。
また上述のように、隔壁層11には、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有する感光性樹脂が用いられる。したがって、本工程(露光工程)では、基板10上に塗工される感光性樹脂を、190nm以上400nm以下の波長の光に感光させればよい。
基板10上に塗工された感光性樹脂がポジ型レジストの場合、露光領域が溶解して流路部3となり、未露光領域に残存する感光性樹脂が隔壁層11となる。また、基板10上に塗工された感光性樹脂がネガ型レジストの場合、露光領域に残存する感光性樹脂が隔壁層11となり、未露光領域が溶解して流路部3となる。このように、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法では、フォトリソグラフィーを用いて基板10上に流路部3を構成する隔壁層11を形成することができる。
なお、基板10上における樹脂層の形成に化学増幅型レジストなどを用いる場合には、露光により発生した酸の触媒反応を促すために、露光後にさらに加熱処理(ポストエクスポージャーベーク:PEB)を行うとよい。
(ステップS4)
次に、露光した感光性樹脂に対して現像を行い、流路パターンを形成する工程を行う。
現像は、例えば、スプレー、ディップ、パドル形式などの現像装置にて感光性樹脂と現像液の反応により行われる。現像液は、例えば炭酸ナトリウム水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、有機溶剤などを用いることができる。現像液は感光性樹脂の特性に応じた最適なものを適宜使用すればよく、これらに限定されるものではない。また、濃度や現像処理時間は、感光性樹脂の特性に合わせて適宜最適な条件に調整することができる。
(ステップS5)
次に、洗浄により基板10上の樹脂層(感光性樹脂層)から現像に用いた現像液を完全に除去する工程を行う。洗浄は、例えば、スプレー、シャワー、浸漬形式などの洗浄装置によって行うことができる。洗浄水としては、例えば純水、イソプロピルアルコールなどから、現像処理に用いた現像液を除去するために最適な洗浄水を適宜使用すればよい。洗浄後はスピンドライヤ、IPAベーパドライヤ、自然乾燥などにより乾燥を行う。
(ステップS6)
次に、流路パターン、すなわち流路部3を形成する隔壁層11に対して加熱処理(ポストベーク)する工程を行う。このポストベーク処理により、現像や洗浄時の残留水分を除去する。ポストベーク処理は、例えば、ホットプレート、オーブン、などを用いて行われる。上記ステップS5の洗浄工程での乾燥が不十分な場合、現像液や洗浄時の水分が隔壁層11に残留している場合がある。また、プリベーク処理において除去されなかった溶剤も隔壁層11に残留している場合がある。ポストベーク処理を行うことで、それらを除去することができる。
(ステップS7)
ポストベーク処理後に、隔壁層11、及び隔壁層11との接合前のカバー層12(蓋材)に対して表面改質処理する工程を行う。表面改質処理の一例として、プラズマ処理を行う。なお、表面改質処理は、必要に応じて適宜実行すればよく、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法において必須の工程ではない。
(ステップS8)
次に、ポストベーク処理後の隔壁層11にカバー層12を接合する工程を行う。本工程では、図1(b)に示すように、隔壁層11の基板10とは反対側の面にカバー層12を接合する。これにより、流路部3がカバー層12に覆われ、図1(a)、図1(b)に示すマイクロ流路チップ1が形成される。
上記ステップS7において表面改質処理を行った基板同士を接合させる方法としては、例えば熱プレス機や熱ロール機を用いた熱圧着を用いることが好ましい。
カバー層12には、隔壁層11との接合前に、予め流体の入力部2、出力部4(図1(A)参照)に相当する孔をおくことが望ましい。これにより、隔壁層11との接合後に孔を開ける場合よりも、ゴミやコンタミネーションの問題が生じることを抑制することができる。
隔壁層11とカバー層12との接合方法は、上記熱圧着に限られず、接着剤を用いる方法や、接着剤を用いずに隔壁層11とカバー層12との接合面の表面改質処理により接路接合する方法を実施してもよい。
接着剤を用いて接合する場合、接着剤は隔壁層11およびカバー層12を構成する材料との親和性などに基づいて決定することができる。接着剤は、隔壁層11とカバー層12とを接合できるものであれば、特に限定されない。例えば、本実施形態における接着剤としては、アクリル樹脂系接着剤や、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等を用いることができる。
また、接着剤を用いずに表面改質処理によって接合する方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、エキシマレーザー処理などがある。この場合、隔壁層11の表面の反応性を向上させ、隔壁層11とカバー層12との親和性及び接着の相性に応じて、適宜最適な処理方法を選択すればよい。なお、表面改質処理によって接合する場合、上記ステップS7において隔壁層11とカバー層12との接合まで実行すればよい。
以上説明したように、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法は、基板10上に、樹脂を塗工する工程(上記ステップS1)と、塗工した樹脂を露光する工程(上記ステップS3)と、露光した樹脂を現像及び洗浄し基板10上に流路部3を構成する隔壁層11を形成する工程(上記ステップ4および上記ステップS5)と、流路部3を構成する隔壁層11をポストベーク処理する工程(上記ステップS6)と、隔壁層11の基板10とは反対側の面にカバー層12を接合する工程(上記ステップS8)と、を含んでいる。
ここでは、基板10上に感光性樹脂を塗工し、フォトリソグラフィーを用いて流路部3を構成するための隔壁層11を形成する例を説明したが、本開示はこれに限られない。基板10上において隔壁層11となる樹脂層の形成に用いる樹脂は、例えばシリコーンゴム(PDMS)や、合成樹脂(PMMA、PC、PS、PP、COP、COCなど)であってもよい。例えば、シリコーンゴムを用いて隔壁層11を形成する場合は、フォトリソグラフィーを用いて流路パターンの鋳型を形成し、当該流路パターンの鋳型をシリコーンゴムに転写することで、流路パターン(流路部3を構成する隔壁層11)を形成してもよい。
(1.3)隔壁層の弾性率及びビッカース硬さの制御方法
本実施形態では、上述の製造方法によってマイクロ流路チップ1を製造する際に、隔壁層11の弾性率を1MPa以上10GPa以下の範囲内となり、さらに隔壁層11のビッカース硬さが2HV以上となる。
(1.3.1)ポストベーク処理による弾性率及びビッカース硬さの制御方法
本実施形態において、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さは、マイクロ流路チップ1の製造方法におけるポストベーク処理(上記ステップS6)によって制御することができる。具体的には、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さは、ポストベーク処理時の温度、時間によって制御される。ポストベーク処理の本来の目的は、前述のように、現像液や洗浄時の水分(場合によっては基板10に塗布した樹脂の溶剤)を除去させるものであるが、このとき、水分の除去に伴って隔壁層11の硬化が進行する。この硬化の進行の制御により、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さを制御することができる。
ポストベーク処理の実施時における温度が高すぎる、または、ポストベーク処理の時間が長すぎる場合、必要以上に隔壁層11の硬化が進んでしまい、弾性率及びビッカース硬さが過度に上昇し得る。このため、弾性率及びビッカース硬さを制御する際の最適な温度は、隔壁層11を形成する樹脂材料のガラス転移温度よりも、30℃から50℃低い温度で実施することが好適である。また、ポストベーク処理の処理時間としては、30分以内、より好ましくは10分以内で実施するのがよい。また、ポストベーク処理の処理時間は、5分以上であることが好ましい。
このように、ポストベーク処理の実施時における温度および処理時間を制御することにより、隔壁層11の弾性率を1MPa以上10GPa以下の範囲内に制御することができる。さらに、隔壁層のビッカース硬さを2HV以上になるように制御することができる。
(1.3.2)露光による弾性率及びビッカース硬さの制御方法
また、本実施形態において、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さは、マイクロ流路チップ1の製造時において基板10上の樹脂を露光する工程における紫外線露光の露光量によっても制御することができる。マイクロ流路チップ1の製造時における上述の露光工程(例えば上記ステップS3)は、本来、隔壁層11によって画定される流路部3(流路パターン)を形成する目的で行うものであるが、例えばラジカル重合型のネガ型感光性樹脂においては、露光時に感光領域の硬化が進行する。この硬化の進行の制御により、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さを制御することができる。
露光量が過剰である場合、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さが過度に上昇することが確認されている。また、露光量が過剰であるとパターン解像性の悪化や残渣の発生、あるいは、パターン寸法が設計値よりも大幅にずれるといった不具合も生じうる。一方、露光量が不足している場合にも、同様にパターン寸法が設計値から大幅なずれや、流路パターンそのものが形成出来ないという問題が生じ得る。このため、流路パターン形成のための露光ステップ(第一の露光ステップ)では、まずは流路パターン形成のために適切な露光量を設定する。ここでは、流路パターン形成に問題が生じない範囲において、基板10上に塗布した樹脂の弾性率及びビッカース硬さを制御するための露光量の調整を行う。次いで、流路部3を形成する隔壁層11とカバー層12との接合不良の発生および流路部3の変形を抑制する目的で、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さを制御するための露光ステップ(第二の露光ステップ)を実施する。第二の露光ステップにおける露光量は、隔壁層11の樹脂材料に応じて適宜設定する必要があるが、流路パターンを形成する第一の露光ステップでの露光量よりも大きく、且つ、10mJ/cm以上1000mJ/cm以下の範囲内であることが望ましい。
また、第二の露光ステップは、第一の露光ステップに続いて(上記ステップS3の処理として)現像前の流路パターンに対して行ってもよいし、ポストベーク処理(上記ステップS6)の前に、現像後の流路パターンに対して行ってもよい。
また、第一の露光ステップおよび第二の露光ステップには、例えばプロキシミティ露光装置を用いることができる。また、第二の露光ステップにおいても、流路パターンを上記ステップS3と同様の波長(190nm以上400nm以下の波長)の光に感光させればよい。
このように、本実施形態係るマイクロ流路チップ1の製造時において、上述のような第二の露光ステップを実行することにより、隔壁層11の弾性率を1MPa以上10GPa以下の範囲内に制御することができる。さらに、隔壁層のビッカース硬さを2HV以上になるように制御することができる。
また、隔壁層11の弾性率は、樹脂材料によっても変化する。例えば、隔壁層11をシリコーンゴム(PDMS)で形成した場合、弾性率は10MPa程度となり、ビッカース硬さは0.1HV程度となる。また、隔壁層11を感光性樹脂で形成した場合、弾性率は2GPa以上10GPa以下の範囲内となり、ビッカース硬さは40HV程度となる。
このように、本開示によれば、フォトリソグラフィーを用いて流路を形成した隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さを制御することで、僅かな段差に追従でき、且つ、微細な流路の変形を抑制させた状態で接合が可能であるマイクロ流路チップ1を製造できる。
具体的には、上述のようにマイクロ流路チップ1の製造時において、弾性率及びビッカース硬さを制御することで、基板10と、樹脂材料で構成され、基板10上に設けられて流路部3を形成する隔壁層11と、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられたカバー層12と、を備え、隔壁層11の弾性率が1MPa以上10GPa以下の範囲内であるマイクロ流路チップ1を得ることができる。これにより、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生および流路の変形を抑制することができるマイクロ流路チップを提供することができる。
(1.4)弾性率及びビッカース硬さの測定方法
隔壁層11およびカバー層12の弾性率及びビッカース硬さの測定には、マイクロインデンテーション試験機を用いることが好ましい。マイクロインデンテーション試験機では、試料に対して準静的な押しこみ試験を行い、試料の機械特性を取得することができる。また、マイクロインデンテーション試験機では、試料に対する最大荷重印加時の押込み深さや、その曲線を解析することで硬度・弾性率、塑性変形と弾性変形との仕事率等の情報を求めることができ、これらの情報を解析可能である。
例えば、隔壁層11の試料に対し、マイクロインデンテーション試験機にて、対面角136°の四角錐圧子を使用して、押し込み荷重2mNで押しこみ試験を行い、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さを測定する。測定結果における除荷時の曲線の傾きから弾性変形域の硬さである弾性率が算出される。また圧子の押し込み量から圧痕を推定し、塑性変形域の硬さであるビッカース硬さが算出される。カバー層12についても、同様にして弾性率及びビッカース硬さを測定することができる。
(1.5)第一実施形態の効果
以上のようなマイクロ流路チップ1は、以下の効果を有する。
(1)本実施形態に係るマイクロ流路チップ1は、基板10と、樹脂材料で構成され、基板10上に設けられて流路部3を形成する隔壁層11と、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられたカバー層12と、を備え、隔壁層11の弾性率が1MPa以上10GPa以下の範囲内である。
これにより、流路部3を形成する樹脂層である隔壁層11と蓋材であるカバー層12との接合不良の発生および流路部3の変形を抑制することができる。
(2)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1は、基板10と、樹脂材料で構成され、基板10上に設けられて流路部3を形成する隔壁層11と、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられたカバー層12と、を備え、隔壁層11の弾性率が2GPaより大きく10GPa以下となる範囲内であってもよい。
これにより、流路部3を形成する樹脂層である隔壁層11と蓋材であるカバー層12との接合不良の発生および流路部3の変形を抑制することができる。
(3)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1は、基板10と、樹脂材料で構成され、基板10上に設けられて流路部3を形成する隔壁層11と、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられたカバー層12と、を備え、隔壁層11の弾性率が1MPa以上2GPa以下の範囲内であり、隔壁層11のビッカース硬さが2HV以上であってもよい。
これにより、流路部3を形成する樹脂層である隔壁層11と蓋材であるカバー層12との接合不良の発生および流路部3の変形を抑制することができる。
(4)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1は、隔壁層のビッカース硬さが2HV以上であることが好ましい。これにより、隔壁層11に塑性変形が生じにくくなるため、流路部3の変形や閉塞をより確実に抑制することができる。
(5)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、カバー層12の弾性率は、隔壁層11よりも大きくてもよい。
これにより、カバー層12は隔壁層11よりも機械的強度が向上され、隔壁層11との接合時に加わる外力への耐久性が向上することとなる。
(6)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、カバー層の弾性率は、前記隔壁層よりも小さくてもよい。
これにより、カバー層12は隔壁層11よりも柔らかくなるため、隔壁層11とカバー層12との接合面においてカバー層12の追従性が向上し、接合不良をさらに抑制することができる。
(7)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、隔壁層11を形成する樹脂材料は、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有する感光性樹脂であることが好ましい。
これにより、フォトリソグラフィーによって基板10上に流路部3を構成する隔壁層11を形成することができる。
(8)本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法は、基板10上に、樹脂を塗工する工程と、塗工した樹脂を露光する工程と、露光した当該樹脂を現像及び洗浄し、基板10上において流路部3を画定する隔壁層11を形成する工程と、隔壁層11をポストベーク処理する工程と、隔壁層11の基板とは反対側の面にカバー層12を接合する工程と、を含み、隔壁層11の弾性率を1MPa以上10GPa以下の範囲内とする。
これにより、流路部3を形成する樹脂層である隔壁層11と蓋材であるカバー層12との接合不良の発生および流路部3の変形を抑制することができるマイクロ流路チップを提供することができる。
(9)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法において、隔壁層11のビッカース硬さを2HV以上とする。
これにより、隔壁層11に塑性変形が生じにくく、流路部3の変形や閉塞をより確実に抑制することができるマイクロ流路チップを提供することができる。
(10)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法において、隔壁層11の弾性率及びビッカース硬さは、ポストベーク処理によって制御される。
これにより、フォトリソグラフィーによって弾性率及びビッカース硬さを制御することができる。
(11)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法において、隔壁層11の弾性率およびビッカース硬さは、樹脂を露光する工程における紫外線の露光量よって制御される。
これにより、フォトリソグラフィーによって弾性率及びビッカース硬さを制御することができる。
(12)また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法では、樹脂を露光する工程において、感光性樹脂を、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に感光させる。
これにより、フォトリソグラフィーによって基板10上に流路部3を構成する隔壁層11を形成することができる。
2.第二実施形態
以下、本開示の第二実施形態に係るマイクロ流路チップについて、図3を用いて説明する。図3は、本開示の第二実施形態に係るマイクロ流路チップ102の一構成例を説明するための断面図である。
マイクロ流路チップ102は、基板20と、基板20上に配置された密着層24と、基板20上に流路部23を形成する隔壁層21と、カバー層22と、を備えている。すなわち、マイクロ流路チップ102は、基板と隔壁層との間に密着層24を備える点で、第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1と相違する。
以下、密着層24について説明する。なお、密着層24以外の各構成(基板20、隔壁層21、カバー層22及び流路部23)については、マイクロ流路チップ1の基板10、隔壁層11、カバー層12及び流路部3と同様の構成であるため説明を省略する。
マイクロ流路チップ102には、基板10と樹脂層(例えば感光性樹脂層)との密着性を上げる目的で、基板20上に疎水化表面処理(HMDS処理)を施したり、薄膜の樹脂をコートしてもよい。特に基板10にガラスを用いる場合などは、図3に示すように基板20と隔壁層21(感光性樹脂層)との間に薄膜による密着層24を設けてもよい。この場合、流路部23を流れる流体(例えば液体)は、基板ではなく密着層24接することになる。このため、密着層24は、流路部23に導入される流体への耐性を有していればよい。基板20上に密着層24を設けることで、感光性樹脂による流路パターンの解像性向上などへも寄与することができる。
3.第三実施形態
以下、本開示の第三実施形態に係るマイクロ流路チップについて、図4を用いて説明する。図4は、本開示の第三実施形態に係るマイクロ流路チップ103の一構成例を説明するための断面図である。
マイクロ流路チップ103は、基板30と、基板30上に流路部33を形成する隔壁層31と、カバー層32と、隔壁層31とカバー層32との間に設けられた密着層34とを備えている。すなわち、マイクロ流路チップ103は、密着層34を備える点で、第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1と相違する。
以下、密着層34について説明する。なお、密着層34以外の各構成(基板30、隔壁層31、カバー層32及び流路部33)については、マイクロ流路チップ1の基板10、隔壁層11、カバー層12及び流路部3と同様の構成であるため説明を省略する。
隔壁層とカバー層との接合に接着剤を用いる場合、図4に示すように、接着剤を隔壁層31の上に塗布することで、カバー層32との間に密着層34を形成することができる。この場合、流路部33を流れる流体(例えば液体)が、密着層34接することになる。このため、密着層34は、流路部33に導入される流体への耐性を有していればよい。密着層34を設けることにより、隔壁層31とカバー層32との接着をより強固にすることができ、マイクロ流路チップ103自体の耐久性を向上させることができる。
<実施例>
以下、本開示に係るマイクロ流路チップについて、具体的な実施例を用いて説明する
なお、本開示は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ガラス基板上へ透明体の感光性樹脂を塗工して、感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂にPDMSを使用した。感光性樹脂は、スピンコーターにて回転数1100rpm、30秒でガラス基板上に塗工した。膜厚は50μmになるように回転数、時間を調整した。次に、ホットプレート上にて感光性樹脂内に含まれる残留溶媒を除去する目的で加熱処理(プリベーク)を行った。プリベークは、温度90℃で20分実施した。
次に、ガラス基板上の感光性樹脂層を露光して流路パターンを描画した。具体的には、マイクロ流路のパターン配列を有するフォトマスクを介して、感光性樹脂へパターン露光した。フォトマスクはクロム及び酸化クロムの二層構造を遮光膜とするフォトマスクを使用した。露光には、プロキシミティ露光装置を用いた。露光装置は高圧水銀灯を光源とし、露光波長はg、h、i線を含むブロードバンドとした。流路パターン形成のための露光(第一の露光ステップ)における露光量は「100mJ/cmとした」。
次に、露光した感光性樹脂層に対して現像を行い、流路パターンを形成した。具体的には、アルカリ現像液(TMAH2.38%)を用いて感光性樹脂層を60秒間現像することにより、未露光部分を溶解し、流路構造をパターニングした。
続いて、超純水によるシャワー洗浄を行い、基板上の感光性樹脂層から現像液を除去し、スピンドライヤにて乾燥を行った。
次に、弾性率及びビッカース硬さを制御するための露光ステップ(第二の露光ステップ)を実行した。第二の露光ステップにおける露光量は、50mJ/cmとした。
次に、流路パターンをオーブンで100℃、10分、加熱処理(ポストベーク)した。これにより、隔壁層で確定された流路部(流路パターン)が形成された。対向する隔壁層の最小幅、すなわち流路の最小幅は、50μmとした。
ポストベーク後に、隔壁層に対し弾性率及びビッカース硬さの測定を行った。測定には、マイクロインデンテーション試験機(HM2000)を用いた。具体的には、対面角136°の四角錐圧子を使用して、押し込み荷重2mNで弾性率及びビッカース硬さを測定した。測定結果曲線の除荷時の傾きから弾性変形域の硬さである弾性率を測定し、圧子の押し込み量から圧痕を推定し、塑性変形域の硬さであるビッカース硬さを測定した。弾性率の測定結果は、0.001GPa(1MPa)であった。またビッカース硬さの測定結果は、0.008HVであった。
次に、流路パターンの隔壁層と別途作製したカバー層との接合面に対して表面改質処理を行った。カバー層は予め流路の入出口の孔を開けたPMMAを使用した。表面改質処理としてはプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件は、圧力10Pa、酸素ガス流量10sccm、RFパワー100W、処理時間は30秒であった。
次に、熱プレス機を用いて流路パターンの隔壁層とカバー層との接合を行った。熱プレス処理条件は、温度100℃、プレス圧5kN、処理時間は30秒であった。これにより、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
(実施例2)
ガラス基板上へ塗工する感光性樹脂としてウレタンアクリレート系樹脂を用いた。またプロキシミティ露光装置による第二の露光ステップにおける露光量を100mJ/cmとした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
また本実施例によるマイクロ流路チップにおいて、ポストベーク後に実施例1と同様にして弾性率及びビッカース硬さを測定した。本実施例において、弾性率の測定結果は、0.25GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、2HVであった。
(実施例3)
ガラス基板上へ塗工する感光性樹脂として上記実施例2と同様のウレタンアクリレート系樹脂を用いた。またプロキシミティ露光装置による第二の露光ステップにおける露光量を170mJ/cmとし、ポストベーク温度を120℃とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
また本実施例によるマイクロ流路チップにおいて、ポストベーク後に実施例1と同様にして弾性率及びビッカース硬さを測定した。本実施例において、弾性率の測定結果は、0.7GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、0.8HVであった。
(実施例4)
ガラス基板上へ塗工する感光性樹脂としてアクリル系樹脂を用いた。またポストベーク温度を150℃とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
本実施例において、弾性率の測定結果は、1.5GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、1.3HVであった。
(実施例5)
ガラス基板上へ塗工する感光性樹脂として上記実施例4と同様のアクリル系樹脂を用いた。またプロキシミティ露光装置による第二の露光ステップにおける露光量を130mJ/cmとし、ポストベーク温度を120℃とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
本実施例において、弾性率の測定結果は、2.5GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、20HVであった。
(実施例6)
ガラス基板上へ塗工する感光性樹脂として上記実施例4と同様のアクリル系樹脂を用いた。またプロキシミティ露光装置による第二の露光ステップにおける露光量を170mJ/cmとし、ポストベーク温度を150℃とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
本実施例において、弾性率の測定結果は、5GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、40HVであった。
(実施例7)
ガラス基板上へ塗工する感光性樹脂として上記実施例4と同様のアクリル系樹脂を用いた。またプロキシミティ露光装置による第二の露光ステップにおける露光量を170mJ/cmとし、ポストベーク温度を150℃とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
本実施例において、弾性率の測定結果は、5.1GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、42HVであった。
(実施例8)
ガラス基板上へ塗工する感光性樹脂としてエポキシ系樹脂によるネガ型液体樹脂(ネガ型の液体レジスト)を用いた。またプロキシミティ露光装置による第二の露光ステップにおける露光量を500mJ/cmとし、ポストベーク温度を250℃とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例によるマイクロ流路チップを得た。
本実施例において、弾性率の測定結果は、10GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、80HVであった。
(比較例1)
ポストベーク温度を300℃とした以外は、上記実施例8と同様にして、本比較例によるマイクロ流路チップを得た。
本比較例において、弾性率の測定結果は、11.7GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、20.8HVであった。
(比較例2)
プロキシミティ露光装置による第二の露光ステップにおける露光量を600mJ/cmとした以外は、比較例1と同様にしてマイクロ流路チップを得た。
本比較例において、弾性率の測定結果は、14.2GPaであった。またビッカース硬さの測定結果は、30.4HVであった。
<評価>
(接合状態試験)
実施例1~8及び比較例1、2のマイクロ流路チップに対し、着色した反応溶液10μLの量をピペットにて採取し、流路の入口ポートより導入し、その送液の様子を顕微鏡にて観察した。
観察結果に基づいて、以下の基準により「〇」、「×」の2段階でマイクロ流路チップの隔壁層とカバー層との接合状態を評価した。
<評価基準>
〇:隔壁層とカバー層との接合箇所において流路内からの液漏れが観察されなかった
×:隔壁層とカバー層との接合箇所において流路内からの液漏れが観察された
(ビーズ通過試験)
実施例1~8及び比較例1、2のマイクロ流路チップに対して、以下のビーズ通過試験を行った。
着色した反応溶液100質量部に対して直径40μmのマイクロビーズを30質量部添加し、撹拌した。10個以上のマイクロビーズを含むように当該反応溶液10μLをピペットにて採取し、採取した反応溶液を顕微鏡によって観察して当該溶液内のマイクロビーズの個数を計測した。その後、ピペット内の反応溶液をマイクロ流路チップにおける入力ポートから流路内に導入して出力ポートまで送液した。出力ポートにおいて反応溶液を回収して顕微鏡で観察し、当該反応溶液中のマイクロビーズの個数を再度計測した。
上記の再計測結果に基づいて、以下の基準により「〇」、「△」、「×」の3段階でマイクロ流路チップにおけるビーズの通過状態(流路の変形による滞留の程度)を評価した
<評価基準>
〇:出力部で回収された溶液内のマイクロビーズの個数が送液前の計測時の90%以上
△:出力部で回収された溶液内のマイクロビーズの個数が送液前の計測時の70%以上
×:出力部で回収された溶液内のマイクロビーズの個数が送液前の計測時の70%未満
実施例および比較例の評価結果を、マイクロ流路チップのプロセス条件とともに表1に示す。
表1中に表されるように、実施例1~8のマイクロ流路チップは、接合状態試験の結果が全て合格(「〇」)であり、流路内からの液漏れも一切無く、送液は良好であった。さらに、実施例1~8のマイクロ流路チップは、いずれもビーズ通過試験の結果が合格(「△」以上)であっって、流路内において隔壁層の高さが低く変形(塑性変形)することによるビーズの滞留の影響は限定的であって、実用に問題が生じるものではなかった。また実施例2、5~8のマイクロ流路チップは、ビーズ通過試験の結果が「〇」と良好であった。つまり、実施例1~8のマイクロ流路チップは、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生及び流路の変形を抑制することができることが分かった。
一方、比較例1及び2のマイクロ流路チップでは、接合状態試験の結果が全て不合格(「×」)であった。これは、比較例1及び2ではの隔壁層の弾性率が過度に大きい(10GPaを超過している)ために僅かな段差に追従できずにカバー層との接合時に隙間が生じ、隔壁層とカバー層との接合箇所において流路内からの液漏れが発生したためである。
以上のことから、本実施例のマイクロ流路チップは隔壁層の弾性率、ビッカース硬さを制御することで流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生及び流路の変形を抑制可能であることが確認できた。
具体的には、実施例1から8のマイクロ流路チップのように、隔壁層の弾性率が1MPa以上10GPa以下の範囲内であることにより、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生および流路の変形を抑制することができることが分かった。また、隔壁層の弾性率が2GPaより大きく10GPa以下となる範囲内である場合も同様に、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生および流路の変形を抑制することができることが分かった。さらに、実施例2のマイクロ流路チップのように、弾性率が1MPa以上2GPa以下の範囲内であり、ビッカース硬さが2HV以上である場合も同様に、流路を形成する樹脂層と蓋材との接合不良の発生および流路の変形を抑制することができることが分かった。
また、実施例1、3、4に比べて、実施例2、5~8では、ビーズ通過試験の結果に差が出たのは、ビッカース硬さが2HV以上であることが影響しているものと推測できる。すなわち、ビッカース硬さが2HV以上であることにより隔壁層の塑性変形がより確実に抑制され、これにより流路の変形の抑制(ビーズの通過性)の評価において有利であるものと推測できる。
なお、本開示のマイクロ流路チップ及びマイクロ流路チップの製造方法は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
本発明は、研究用途、診断用途、検査、分析、培養などを目的としたマイクロ流路チップにおいて、隔壁層の弾性率及びビッカース硬さを制御することで接合不良が無く流路の変形が無い高品質なマイクロ流路チップ及びその製造方法として好適に使用することができる。
1、102、103 マイクロ流路チップ
2 入力部
3、23、33 流路部
4 出力部
10、20、30 基板
11、21、31 隔壁層
12、22、32 カバー層
24、34 密着層

Claims (12)

  1. 基板と、
    樹脂材料で構成され、前記基板上に設けられて流路を形成する隔壁層と、
    前記隔壁層の前記基板とは反対側の面に設けられたカバー層と、を備え、
    前記隔壁層の弾性率が2GPaより大きく10GPa以下となる範囲内であ
    前記隔壁層が含む樹脂材料が1種類のみである、
    ことを特徴とするマイクロ流路チップ。
  2. 基板と、
    樹脂材料で構成され、前記基板上に設けられて流路を形成する隔壁層と、
    前記隔壁層の前記基板とは反対側の面に設けられたカバー層と、を備え、
    前記隔壁層の弾性率が1MPa以上2GPa以下の範囲内であり、
    前記隔壁層のビッカース硬さが2HV以上であ
    前記隔壁層が含む樹脂材料が1種類のみである、
    ことを特徴とするマイクロ流路チップ。
  3. 前記隔壁層が含む樹脂材料は、ポリジメチルシロキサン、ウレタンアクリレート系樹脂、アクリル系樹脂及びエポキシ系樹脂のうちいずれか1種類のみである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ流路チップ。
  4. 前記隔壁層のビッカース硬さが2HV以上である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ流路チップ。
  5. 前記カバー層の弾性率は、前記隔壁層よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。
  6. 前記カバー層の弾性率は、前記隔壁層よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。
  7. 前記隔壁層を形成する樹脂材料は、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有する感光性樹脂である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。
  8. 基板上に、樹脂を塗工する工程と、
    塗工した前記樹脂を露光する工程と、
    露光した前記樹脂を現像及び洗浄し、前記基板上において流路を画定する隔壁層を形成する工程と、
    前記隔壁層をポストベーク処理する工程と、
    前記隔壁層の前記基板とは反対側の面にカバー層を接合する工程と、
    を含み、
    前記隔壁層の弾性率を2GPaより大きく10GPa以下の範囲内と
    前記隔壁層が含む樹脂材料が1種類のみである、
    ことを特徴とするマイクロ流路チップの製造方法。
  9. 前記隔壁層のビッカース硬さを2HV以上とする、
    請求項8記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  10. 前記隔壁層の前記弾性率及びビッカース硬さは、前記ポストベーク処理によって制御されることを特徴とする、
    請求項9記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  11. 前記隔壁層の前記弾性率および前記ビッカース硬さは、前記樹脂を露光する工程における紫外線の露光量よって制御されることを特徴とする、
    請求項9または請求項10に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  12. 前記樹脂を露光する工程において、感光性樹脂を、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に感光させる、
    ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
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