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JP7723001B2 - メッシュ状繊維強化複合材、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料及びメッシュ状繊維強化複合材成形体 - Google Patents
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JP7723001B2 - メッシュ状繊維強化複合材、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料及びメッシュ状繊維強化複合材成形体 - Google Patents

メッシュ状繊維強化複合材、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料及びメッシュ状繊維強化複合材成形体

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JP7723001B2 JP2022554074A JP2022554074A JP7723001B2 JP 7723001 B2 JP7723001 B2 JP 7723001B2 JP 2022554074 A JP2022554074 A JP 2022554074A JP 2022554074 A JP2022554074 A JP 2022554074A JP 7723001 B2 JP7723001 B2 JP 7723001B2
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Description

本発明は、熱硬化性又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料であって、メッシュ状であるために開口率が高く、軽量高強度且つ高耐衝撃性であるため、フィルターやカバー、補強部材、特に保護帽などのプロテクタや義肢(義足、義手)の内外装部材として好適なメッシュ状繊維強化複合材に関するものである。また、本発明は、メッシュ状繊維強化複合材に使用されるメッシュ状繊維強化複合材成形用材料に関するものであり、更に、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料を賦形したメッシュ状繊維強化複合材成形体に関するものである。
従来、メッシュ材料は樹脂若しくは金属にて作製されるものが殆んどであるが、樹脂製は軽量であるが強度が不足し、金属製は強度はあるが重量が重くなるという問題があった。
この問題は特に身体保護のために身に着ける装具において影響が大きく、近年では繊維強化プラスチック部材を適用する事例もみられる。例えば、警備員、駅員、警察官などが制帽として着用し、不測の落下物、或いは、外部からの打撃などに対して頭部を防護することができ、また、子供、高齢者を始め一般の人が運動帽などとして着用して頭部を防護することのできるインナー付き帽子が提案され、また、市販されている。
特許文献1には、本願添付の図20(a)、(b)に記載するように、防護用インナー付き帽子100が記載されており、該帽子100は、布製のキャップ状の帽子本体(クラウン)102と、鍔103とを備えており、帽子本体102の内部には、防護用インナー110が設けられる。また、図示するように、防護用インナー110は、帽子本体102の内側に適合して装着し、且つ、人が着用した場合に、人の頭部に適合し得るように、略球形状に湾曲した椀形状とされ、帽子本体102の頂部領域形状と同様の湾曲形状とされる、繊維強化樹脂材料(FRP)にて作製されたインナーの基本構造をなすインナー本体111と、このインナー本体111の内側に配置されたクッション部材112と、インナー本体111及びクッション部材112を覆って配置されたカバーシート113と、にて構成される。
上記特許文献1に記載の防護用インナー付き帽子100は、軽量で通気性が良く、しかも、耐衝撃性に優れており、且つ、装着性に優れているものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載の防護用インナー付き帽子100にて、インナーの基本構造をなすインナー本体111は、一方向或いは織物とされる強化繊維に熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂とされるマトリクス樹脂が含浸され、硬化された繊維強化樹脂材料(FRP)にて作製される。そのために、軽量高強度ではあるが、長時間の着用において蒸れを感じることがあり、通気性の点で更なる改良が望まれることが分かった。また、上述のように、インナー本体111は、人の頭部に適合し得るように略球形状に湾曲した椀形状とされ、一方向或いは織物とされる強化繊維シートに樹脂含浸して硬化された繊維強化樹脂材料(FRP)とされるが、樹脂含浸前の一方向或いは織物とされる強化繊維シートは伸縮性及びドレープ性の点で問題があり、成形性(賦形性)の点で更なる改良が望まれる。
特許文献2には、炭素繊維を使用して編成したシート状炭素繊維編物を開示しており、該シート状炭素繊維編物が、伸縮性及びドレープ性に優れていることを記載している。
本発明者らは、特許文献2に記載されるシート状炭素繊維編物の優れた伸縮性及びドレープ性に着目し、シート状炭素繊維編物が有する所定の開口率を保有したまま、このシート状炭素繊維織物に所定量の樹脂を含浸し、硬化して作製したメッシュ状の強化繊維複合材が帽子、各種プロテクタ、義肢(義足、義手)などの内装材(インナー)、或いは、外装材(フレーム)などの基本構造を構成するための材料として使用したとき、優れた通気性を提供し、蒸れを防止することができ、しかも、軽量高強度であることを見出した。
そこで、本発明者らは、特許文献3に記載されるように、また、本願添付の図21(a)、(b)に図示するように、
(a)鎖編糸2がループ状に縦方向に連続して鎖編目2Aを形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織20と、前記縦方向の編み組織20に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織20を結束する挿入糸3と、により形成された空隙Gを有するメッシュ状編み構造体1Aを有し、
(b)前記メッシュ状編み構造体1Aにおける前記編み組織20(鎖編糸2)と挿入糸3にのみ樹脂Rを含浸して硬化された、曲面を有する形状に賦形されたメッシュ状の繊維強化複合材10Aであって、
(c)前記鎖編糸2及び挿入糸3の少なくとも一部の糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされ、
(d)前記メッシュ状編み構造体1Aの開口率は20~60%とされる、構成の空隙Gを有したメッシュ状繊維強化複合材10Aを提案した。
特許文献3に記載するメッシュ状繊維強化複合材10Aに使用するメッシュ状編み構造体1Aは、使用する強化繊維が直線的でなく編み構造であることから、伸縮性及びドレープ性に優れ、曲面を有する形状への成形性(賦形性)において優れており、しかも、空隙Gを有することから、通気性に優れており蒸れを防止することができ、軽量で且つ十分な強度を有しており、帽子、各種プロテクタ、義肢(義足、義手)などの内装材(インナー)、或いは、外装材(フレーム)などの基本構造を構成することができる、といった特長を有するものである。
一方、本発明者らは、上記特許文献3に記載するメッシュ状繊維強化複合材10Aについて更に研究実験を続行して行った結果、特許文献3に記載するメッシュ状繊維強化複合材10Aに使用するメッシュ状編み構造体1Aは、上述のように、伸縮性及びドレープ性に優れ、曲面を有する形状への賦形性において優れているが、その反面、伸縮性があるために、樹脂含浸し硬化したメッシュ状繊維強化複合材10Aでは、即ち、FRP構造とした場合には、僅かな外力で樹脂から破壊するといった問題点があることが分かった。従って、斯かるメッシュ状編み構造体1Aを使用したメッシュ状繊維強化複合材10Aを帽子などに使用した場合には、帽子表面に落下物などにより応力(衝撃)が加わると、応力が加わった部分に撓み(歪)が生じる場合があり、変形し易く、引張強度、曲げ弾性等機械的強度が低くなり易い。そのため、鎖編糸2及び挿入糸3の少なくとも一部の糸に炭素繊維からなる炭素繊維ストランドを使用したとしても、上述したように、伸縮性及びドレープ性に優れていることに起因して、衝撃による変形量(撓み量)が大とされ、更に強度の増大及び耐衝撃性を得るべく更なる改良が望まれることが分かった。
そこで、本発明者らは、用途において技術分野を異にするものであるが、特許文献4に記載する定着用アンカーを作製する連続繊維補強部材、即ち、強化繊維シートの構造に着目した。つまり、本願添付の図22(a)、(b)、図23に図示するように、特許文献4に記載する定着用アンカー用の強化繊維シート1Bは、拘束糸(即ち、鎖編糸)2がループ状に縦方向に連続して鎖編目2Aを形成しながら編成されて作製された鎖編み部(編み組織)20を有し、連続繊維ストランド50がこの編み組織20の鎖編目2Aの中に直交させて配置されている。
また、各連続繊維ストランド50を拘束する編み組織20は、互いに隣接した編み組織20が互いに挿入糸3により結束される。つまり、挿入糸3は、編み組織20に対して横方向に挿入され、連続繊維ストランド50を囲包して編成された編み組織20に対して、連続繊維ストランド50の長手方向(即ち、縦方向)に沿って所定間隔にて絡み合い、複数の連続繊維ストランド50を平面状に、即ち、強化繊維シート状態に保形している。つまり、特許文献4に記載の強化繊維シート1Bによれば、拘束糸2が縦方向に連続的に、且つ、平面状に編成されて編み組織20を形成し、この縦方向に連続的に編成された編み組織20の中に、多数の連続した強化繊維を一方向に束ねて形成した連続繊維ストランド50が挿入される。そして、縦方向編み組織20の中に挿入された各連続繊維ストランド50は、縦方向の編み組織20に対して横方向に挿入された挿入糸3で連結することによって保形されている。
実用新案登録第3187008号公報 特許第4822528号公報 特許第6362454号公報 特許第4463657号公報
そこで、本発明者らは、上記特許文献4に記載の技術を基に、上記特許文献3に記載するメッシュ状編み構造体1Aにおいて、鎖編糸2がループ状に縦方向に連続して鎖編目2Aを形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織20内に強化繊維糸50を縦針1にて挿入し、且つ、横挿入糸3を縦方向の編み組織20に対して横方向に挿入してシート状とされるメッシュ状編み構造体を作製し、樹脂含浸し、上記特許文献3に記載のメッシュ状繊維強化複合材と同様の構造とされるメッシュ状繊維強化複合材を作製し、この複合材について、研究実験を続行して行った。
斯かるメッシュ状繊維強化複合材は引張強度の増大、引張歪の低下を達成することは出来たが、一方、例えば、メッシュ状繊維強化複合材を使用した帽子表面に落下物などにより応力(衝撃)が加わると、応力が加わった部分における、強化繊維糸を縦方向に保持している縦方向の鎖編糸2(編み組織20)の剛性不足に起因して鎖編糸2が破断し、結果的にメッシュ状繊維強化複合材の強度、耐衝撃性を保証している強化繊維糸50の機能を十分に達成し得ないことが分かった。そのため、剛性を大とし、例えば、帽子頂部に落下物があった場合などにも十分な強度、耐衝撃性を得るべく更なる改良が望まれることが分かった。
そこで、本発明の目的は、従来の材料よりも、伸縮性及びドレープ性に優れ、曲面を有する形状への成形性及び通気性に優れており蒸れを防止するとともに軽量高強度であり、しかも、剛性が大とされ、耐衝撃性に優れたメッシュ状繊維強化複合材、更には、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料及びメッシュ状繊維強化複合材成形体を提供することである。
上記目的は本発明に係るメッシュ状繊維強化複合材、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料及びメッシュ状繊維強化複合材成形体にて達成される。要約すれば、第1の本発明によると、鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸して硬化されたメッシュ状の繊維強化複合材であって、
前記鎖編糸及び前記縦、横挿入糸の少なくとも前記縦挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされ、
前記メッシュ状編み構造体の開口率は20~60%とされる、
ことを特徴とするメッシュ状繊維強化複合材が提供される。
第2の本発明によると、鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
前記メッシュ状編み構造体を所定形状に賦形し、その後、前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸して硬化したメッシュ状の繊維強化複合材であって、
前記鎖編糸及び前記縦、横挿入糸の少なくとも前記縦挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされ、
前記メッシュ状編み構造体の開口率は20~60%とされる、
ことを特徴とするメッシュ状繊維強化複合材が提供される。
上記第1、第2の本発明にて一実施態様によると、前記メッシュ状の編み構造体に含浸する樹脂は、熱可塑性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、若しくは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などの熱可塑性樹脂;又は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、若しくは、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が使用される。
第3の本発明によると、鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸して硬化し、その後、所定形状に賦形されたメッシュ状の繊維強化複合材であって、
前記鎖編糸及び前記縦、横挿入糸の少なくとも前記縦挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされ、
前記メッシュ状編み構造体の開口率は20~60%とされる、
ことを特徴とするメッシュ状繊維強化複合材が提供される。
第3の本発明にて一実施態様によると、前記メッシュ状の編み構造体に含浸する樹脂は、熱可塑性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、若しくは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などの熱可塑性樹脂が使用される。
上記本発明にて一実施態様によると、前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して横方向に2針、3針若しくは4針挿入して配置されているか、又は、前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して横方向に2針、3針若しくは4針挿入して配置され、且つ、前記縦挿入糸の前後に分かれて編地の表裏に配置されている。また、他の実施態様によると、前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して一定のコースごとに振って編み込まれている。更に、他の実施態様によると、前記鎖編糸及び前記横挿入糸は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系の繊維、アラミド繊維などの有機繊維;チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維;を単独で、又は、複数種混入して作製される糸である。
上記本発明にて他の実施態様によると、前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して横方向に直線状に配置されており、前記横挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされる。
上記本発明にて他の実施態様によると、前記鎖編糸は、繊度が10~600dtexである。
上記本発明にて他の実施態様によると、前記縦挿入糸は、
(a)PAN系の炭素繊維であって炭素繊維フィラメント数が24000本以下、繊度が16000dtex以下である炭素繊維ストランドであるか、又は、
(b)ピッチ系の炭素繊維であって炭素繊維フィラメント数が12000本以下、繊度が6000dtex以下である炭素繊維ストランドである。
上記本発明にて他の実施態様によると、前記横挿入糸は、繊度が10~600dtexであり、2~4本引き揃えて使用されており、合計繊度が700~2500dtexとされる。
また、第の本発明によると、鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸したメッシュ状の繊維強化複合材成形用材料が提供される。
また、第の本発明によると、上記メッシュ状繊維強化複合材成形用材料を賦形したメッシュ状繊維強化複合材成形体が提供される。
本発明のメッシュ状繊維強化複合材は、伸縮性及びドレープ性に優れ、曲面を有する形状への成形性において優れている。しかも、通気性に優れており蒸れを防止することができ、軽量で且つ十分な強度を有しており、しかも、剛性が大となり、耐衝撃性も向上する。特に、帽子、各種プロテクタ、義肢(義足、義手)などの内装材(インナー)、或いは、外装材(フレーム)などの基本構造を構成する部材として最適である。また、本発明のメッシュ状繊維強化複合材は、本発明のメッシュ状繊維強化複合材成形用材料にて好適に作製され、また、斯かるメッシュ状繊維強化複合材成形用材料を賦形して所望の形状のメッシュ状繊維強化複合材成形体を好適に作製することができる。
図1は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の一実施例を示す部分編構造図である。 図2(a)は、図1に示すメッシュ状編み構造体の部分拡大模式図であり、図2(b)は、図2(a)の線A-Aに取った断面模式図であり、メッシュ状編み構造体に対する樹脂含浸状態を説明する図である。 図3は、図1に示すメッシュ状編み構造体の組織図である。 図4は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図5は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図6は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図7は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図8は、図7に示すメッシュ状編み構造体の組織図である。 図9は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図10は、図9に示すメッシュ状編み構造体の組織図である。 図11は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図12は、従来のメッシュ状編み構造体の一例を示す部分編構造図である。 図13は、図12に示すメッシュ状編み構造体の組織図である。 図14は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図15は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図16は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体の他の実施例を示す部分編構造図である。 図17は、図16に示すメッシュ状編み構造体の組織図である。 図18(a)~(e)は、本発明のメッシュ状繊維強化複合材の成形法の一実施例を説明する図である。 図19(a)、(b)は、本発明のメッシュ状繊維強化複合材の成形法の他の実施例を説明する図である。 図20(a)、(b)は、本発明のメッシュ状繊維強化複合材がインナー材として適用可能な帽子の一実施例を示す図である。 図21(a)は、従来のメッシュ状編み構造体の一例を示す部分編構造図であり、図21(b)は、メッシュ状編み構造体に対する樹脂含浸状態を説明するための断面模式図である。 図22(a)、(b)は、従来のメッシュ状編み構造体の他の例を示す部分平面図である。 図23は、図22(a)、(b)に示すメッシュ状編み構造体の模式図である。 図24(a)、(b)は、メッシュ状編み構造体のドレープ性を評価するための試験装置を説明する図であって、図24(a)は、メッシュ状編み構造体の試験片を固定した状態を示すピクチャーフレーム治具を示す写真であり、図24(b)メッシュ状編み構造体の試験片の形状寸法を説明する図である。
以下、本発明に係るメッシュ状繊維強化複合材、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料及びメッシュ状繊維強化複合材成形体を図面に則して更に詳しく説明する。
なお、本明細書における「硬化」とは、熱硬化性樹脂が3次元網状構造を形成することによる硬化だけでなく、熱可塑性樹脂が流動状態から固化することも含む。
実施例1
図1、図2(a)、(b)、図3を参照して、本発明に係るメッシュ状繊維強化複合材10の一実施例を説明する。図1は、本発明にて使用される、シート状強化繊維編物、特に、シート状強化繊維経編物とされるメッシュ状編み構造体、即ち、メッシュ状繊維シート1を説明するための部分拡大編構造図であり、図2(a)は、部分拡大模式図である。図2(b)は、図2(a)の線A-Aに取った断面模式図であり、メッシュ状編み構造体に対する樹脂含浸状態を説明するための図である。図3は、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体1の組織図である。
本発明に係るメッシュ状繊維強化複合材10は、図1に示すメッシュ状編み構造体1の各構成糸に、図2(b)に示すように、樹脂Rを含浸して硬化したメッシュ状の繊維強化複合材(FRP)である。このメッシュ状繊維強化複合材10は、例えば、図20(a)、(b)に示すような帽子、その他の、各種プロテクタ、義肢(義足、義手)などの内装材(インナー)、或いは、外装材(フレーム)などの基本構造を構成するために湾曲した曲面とされる領域を少なくとも有した所定の形状(単に「曲面を有する形状」又は「所定形状」という場合もある。)に賦形された成形物とされる。
更に説明すると、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体1は、図1に示すように、鎖編糸2(2a、2b)がループ状に縦方向に連続し、編地の表裏を交互に鎖編目2A、即ち、表側鎖編目2Aaと裏側鎖編目2Abのダブルの鎖編目2A(2Aa、2Ab)を形成しながら編成されて作製された複数の編み組織20、即ち、表側編み組織20aと裏側編み組織20bのダブルの縦方向の編み組織20(20a、20b)と、編み組織20(20a、20b)の表側編み組織20aと裏側編み組織20b内に1針挿入された縦挿入糸5と、縦方向の編み組織20に対して横方向に挿入し、互いに隣接した編み組織20を結束する横挿入糸3と、によりシート状に形成されることを特徴とする。また、少なくとも縦挿入糸5は、強化繊維として炭素繊維からなる炭素繊維ストランドが使用される。鎖編糸2及び横挿入糸3は、強化繊維として縦挿入糸5と同様に炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとすることもできるが、他の強化繊維を使用することもできる。これら強化繊維については、後で詳述する。なお、メッシュ状編み構造体1はシート状でも良く、ウェブ状もしくはリボン状に形成しても良い。
メッシュ状編み構造体1は、所定形状に賦形後に又は、賦形前において、図2(a)、(b)を参照して上述したように、メッシュ状編み構造体1における鎖編糸2(2a、2b)から成る編み組織20(20a、20b)と、縦挿入糸5と、横挿入糸3と、にのみ樹脂Rが含浸される。つまり、詳しくは後述するが、メッシュ状編み構造体1は、所定形状に賦形し、その後、メッシュ状編み構造体1における鎖編糸2(2a、2b)から成る編み組織20(20a、20b)と、縦、横挿入糸5、3と、にのみ樹脂Rを含浸して硬化して、所定形状のメッシュ状の繊維強化複合材10とされるか、又は、メッシュ状編み構造体1は、先ず、編み組織20(20a、20b)と、縦、横挿入糸5、3と、にのみ樹脂Rを含浸して硬化し、その後、加熱成形して所定形状に賦形されたメッシュ状の繊維強化複合材10とされる。
本発明に係るメッシュ状の繊維強化複合材10は、メッシュ状編み構造体1が編物でありループが3次元にわたっているため、布帛(メッシュ状編み構造体1)及びその成形物(メッシュ状の繊維強化複合材10)には、織物を使用して成形されたFRP材では得られない厚みがあり、その厚みにより成形物(FRP)の剛性が得られるという特長を有している。一方、織物は強化繊維が扁平となり易く、また成形後もその成形圧力により繊維が扁平に広がってしまい成形物の厚みが薄くなってしまい、結果的に剛性が出ない。
一般に、編物基材における鎖編糸は編地内で最も安定した曲線状で存在するために繊維強化複合材にしても高い強度特性は期待できないが、本発明においては、例えば、半球形状に賦形する際、強化繊維である各鎖編糸は賦形に伴って半球状の頂点から放射線状(引き延ばし方向)に向けて引き延ばされた状態で、硬化させているので、特に頂点からの圧縮に対しては高強度を発揮し、曲率を持った成形品などに最適である。
特に、本発明に係るメッシュ状の繊維強化複合材10においては、メッシュ状編み構造体1は、鎖編糸2(2a、2b)がループ状に縦方向に連続して表側鎖編目2Aaと裏側鎖編目2Abのダブルの鎖編目2A(2Aa、2Ab)を形成しながら編成されて作製された複数の表側編み組織20aと裏側編み組織20bのダブルの縦方向の編み組織20(20a、20b)を有しており、且つ、編み組織20(20a、20b)の表側編み組織20aと裏側編み組織20b内に直線的に1針縦挿入糸5が挿入され、しかも、この1針縦挿入糸5は炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされる。
このように、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体1は、炭素繊維ストランドが1針振り縦挿入糸5として挿入されているので、図21(a)、(b)に示す従来のメッシュ状編み構造体1Aに比較すると、縦方向の強度、弾性率が増大し、強度、耐衝撃性の向上を図ることができる。更に、本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体1は、編地の両面に作製された表側編み組織20aと裏側編み組織20bから成る縦方向の編み組織20(20a、20b)と、この縦方向編み組織20(20a、20b)を結束する横挿入糸3とが、1針振り縦挿入糸5である炭素繊維糸のクッション材となって耐衝撃性を向上させる。
本発明に従って構成されるメッシュ状の繊維強化複合材10は、メッシュ状編み構造体1における1針振り縦挿入糸5によって、更には、詳しくは後述するが、横挿入糸3の太繊度化によって、伸縮性が抑制されることがあるが、メッシュ状編み構造体1がせん断変形容易なメッシュ構造とされることから、例えば、半球状などの立体形状への賦形は容易であり、問題はない。
本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体は、ピクチャーフレーム法によるピクチャーフレーム治具を用いたドレープ性の評価において、編み目の縦方向、横方向に対して45°の方向に50mmの変位を与えたときに測定される荷重が100N以下であることが好ましく、50N以下であることがより好ましい。測定される荷重が小さいほど、小さな力でメッシュ状編み構造体が大きく変形することができるため、半球状などの立体形状への賦形が容易となる。
なお、ピクチャーフレーム治具を用いたドレープ性の評価とは、図24(a)に示すように、各辺の支点(可動軸301a~301d)間距離が285mmであり、4隅が可動する正方形の金属製の治具300に、図24(b)に示す形状にカットしたメッシュ状編み構造体(試験片1T)を固定し、対角線(45°)方向から万能試験機によりクロスヘッドスピードを300mm/minにて50mmの変位を引張方向で与えた際に測定される荷重を測定することにより行っており、測定される荷重が小さいほど、編み構造体の変形が容易であることを示す。
次に、本発明のメッシュ状繊維強化複合材10を構成するメッシュ状編み構造体1について更に説明する。
(メッシュ状編み構造体)
本実施例にて、メッシュ状編み構造体1は、編み組織20(20a、20b)、即ち、鎖編糸2(2a、2b)、横挿入糸3、及び1針縦挿入糸5にて作製されるが、少なくとも1針縦挿入糸5は、強化繊維として炭素繊維からなる炭素繊維束(炭素繊維ストランド)が使用される。鎖編糸2(2a、2b)及び横挿入糸3もまた炭素繊維束(炭素繊維ストランド)を使用することができるが、本実施例では、他の強化繊維が使用される。これら鎖編糸2(2a、2b)及び縦、横挿入糸5、3が使用し得る強化繊維については、後で詳述する。
本実施例によると、メッシュ状編み構造体1は、鎖編糸2(2a、2b)を縦方向(繊維シートの長さ方向)に連続したループを形成しながら並行に多数本配列して形成した、ダブルの編み組織20(20a、20b)を有し、この編み組織20(20a、20b)に、3針振り横挿入糸3が編み込まれている。図1に示す本実施例では、2本の引き揃えられた3針横挿入糸3が、編み組織20(20a、20b)の3本毎に、毎コース交錯して方向が反転し(1コース毎にガイドを3針分振って)、経編地が形成されている。
本発明にて使用されるメッシュ状編み構造体1は、上記実施例に限定されるものではない。3針横挿入糸3は、引き揃え本数は、2本とは限定されず、4本、或いは、その他の本数を引き揃えて使用することができる。
また、図1に示す上記実施例では、横挿入糸3は編み組織20(20a、20b)の3本毎に、毎コース、交錯して方向が反転し(毎コース3針挿入)、経編地が形成されているが、その他の構成とすることもできる。すなわち、図4に示す実施例では、横挿入糸3は編み組織20(20a、20b)の4本毎に、毎コース、交錯して方向が反転し(毎コース4針挿入)、図5に示す実施例では、挿入糸は編み組織20(20a、20b)の2本毎に、3コース毎に、交錯して方向が反転し(3コース毎の2針挿入)、図6に示す実施例では、横挿入糸3は編み組織20(20a、20b)の2本毎に、4コース、2コース毎交互に、交錯して方向が反転し(4コース、2コース毎の2針挿入)、経編地が形成されている。
本実施例にて、シート状とされるメッシュ状編み構造体(シート材)1では、鎖編糸2(2a、2b)がループを形成し、また横挿入糸3がループに編みこまれて一体化されているので、例えばシート材の長さ方向に引っ張ると、ループが伸び、また、これにつれて横挿入糸3の配列角も変わるので、シート材が簡単に伸びて伸縮性に富み、かつドレープ性にも富んでいる。このドレープ性は複雑曲面への賦形性を大きく支配する。メッシュ状編み構造体1はこのように伸縮性やドレープ性に優れるので、複雑曲面にも賦形可能である。
また、メッシュ状編み構造体1は、鎖編糸2(2a、2b)がループを形成し、また横挿入糸3も折り返し形態にて幅方向に配列し、全体として多方向に繊維配列しているので、複合材(FRP)10にしたときには、一方向材や織物などの形態のように極端な異方性を示さない。従って、例えば、複数枚のメッシュ状編み構造体1を積層して使用する場合においては、繊維軸が異なるように一枚一枚賦形しながら積層しなくとも、多数枚同方向に積層しても疑似等方性の特性が得られ、成形作業も極めて簡単になる。
本実施例にて、メッシュ状編み構造体1は、タブルラッセル編地とされ、ダブルの編み組織20(20a、20b)に鎖編糸2(2a、2b)が縦方向にループを形成し、また横挿入糸3がループに編み込まれて一体化されているので形態が安定し、積層作業時に繊維配向が乱れるようなことはなく好ましいが、これに限定されるものではない。シングルラッセル編地でも良く、また、編組織において、鎖編変化組織やデンビー組織、或いは、鎖編組織とデンビー組織の組み合わせなど多数存在する。これらは使用用途や使用形態によって適宜設計されると良い。
ここで、編み組織20(20a、20b)の表側編み組織20aと裏側編み組織20b内に直線的に挿入される1針縦挿入糸5について説明する。縦挿入糸5としては、柔軟性を有した連続炭素繊維ストランドが使用される。炭素繊維ストランド5は、一方向に並列に引き揃えられている多数の連続した炭素繊維を集束して炭素繊維束を形成し、この繊維束にて炭素繊維ストランド5が形成される。
本実施例にて使用される炭素繊維は、ポリアクリロニトリルの繊維束を酸素雰囲気中で加熱することによって酸化・耐炎化処理し、これを高温の不活性ガス中に緊張状態で炭化処理することによって製造された、所調、PAN系炭素繊維とされる。従って、処理条件によっても異なるが、引張強度が3~10GPa、引張弾性率が200~600GPaの高強度でかつ高弾性率の高性能の炭素繊維となり、バラツキの少ない均一な特性となる。
本実施例にて使用する連続炭素繊維ストランド5のフィラメント数や繊度は、24000本以下、16000dtex以下とされ、例えば18000本、12000dtex程度でもよいが、あまり炭素繊維ストランドが太いと鎖編糸2と挿入糸3の交差している箇所が厚くなり、一方、編み組織20の中には炭素繊維が存在しない空隙部もあるので、凹凸の大きなFRPとなる。従って、好ましくはフィラメント数が12000本以下(例えば、3000~12000本の範囲)でかつ炭素繊維ストランド5の繊度が8000dtex以下(例えば、2000~8000dtexの範囲)が好ましい。
尚、上記説明では炭素繊維としてPAN系炭素繊維を使用したが、PAN系炭素繊維の代わりに全部を、或いは、一部をピッチ系炭素繊維にて置き換えることもできる。ピッチ系炭素繊維を使用した場合には、炭素繊維ストランドは、炭素繊維フィラメトン数が12000本以下、好ましくは、3000~6000本、炭素繊維ストランドの繊度が6000dtex以下、好ましくは、1000~4000dtexであることが好ましい。炭素繊維フィラメント数が6000本を超え、繊度が6000dtexを超えると、上述と同様に、炭素繊維ストランドが太くなり、炭素繊維ストランドの強度も大となり、メッシュ状編み構造体1自体の製造が困難となるだけでなく、鎖編糸2と縦、横挿入糸5、3とが交差している箇所が厚くなり、樹脂含浸後において凹凸の大きな複合材10となり、また、ドレープ性及び伸縮性を高性能に維持するのが困難となる。
上記説明では、メッシュ状編み構造体1は、鎖編糸2及び横挿入糸3も又、縦挿入糸と同様に、炭素繊維ストランドにて作製された糸条を使用することができるとして説明したが、メッシュ状編み構造体1を全て炭素繊維製とする必要はなく、即ち、メッシュ状編み構造体1を構成する鎖編糸2及び横挿入糸3の全てを炭素繊維ストランドにて作製する必要はなく、メッシュ状繊維強化複合材に要求される性状、即ち、強度、重量などによっては、鎖編糸2及び横挿入糸3のいずれかを、或いは複数使用する鎖編糸2及び横挿入糸3の中の一部を、他の繊維に置き換えることができる。つまり、換言すれば、本発明では少なくとも縦挿入糸5が炭素繊椎からなる炭素繊維ストランドとされ、残りの糸、つまり、鎖編糸2及び横挿入糸3は炭素繊維以外の繊維にて作製した糸条を使用することができる。
本実施例にて、鎖編糸2及び横挿入糸3に使用する炭素繊維以外の繊維としては、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系の繊維、アラミド繊維などの有機繊維;チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;ガラス繊維などの無機繊維;を単独で、又は、複数種混入して作製される糸が使用される。斯かる繊維にて作製された鎖編糸2は、通常、繊度が10~600dtex、好ましくは、30~300dtexとされる。繊度が600dtexを越えると糸が太くなり、鎖編糸2と縦、横挿入糸5、3が交差している箇所が厚くなり、樹脂含浸後において凹凸の大きな複合材となる。また、ドレープ性及び伸縮性を高性能に維持するのが困難となる。また、横挿入糸3は、通常、繊度が10~600dtexとされ、通常、2~4本を引き揃えて使用し、使用する横挿入糸3の合計繊度の範囲は、700~2500dtexとされる。横挿入糸3を、例えば500dtex×2本(合計繊度1000dtex)~500dtex×4本(合計繊度2000dtex)と太繊度とすることにより、鎖編糸2と縦、横挿入糸5、3が交差している箇所を厚くすることなく、樹脂含浸後において耐衝撃性が向上した複合材を得ることができる。
また、本実施例におけるメッシュ状編み構造体1の1平方メートル当たりの強化繊維目付けは100~700gであることが好ましい。FRP成形物であるメッシュ状繊維強化複合材10に表面平滑性が求められる場合には、細い強化繊維糸を使用して100~300g/m、メッシュ状繊維強化複合材10に機械的特性が求められたり、厚みのあるメッシュ状繊維強化複合材10を求められたりする場合には、太い強化繊維糸を使用して300~700g/mの目付けとすることが好ましい。また、目付けが100g/m以下であると、鎖編目2Aの大きな編物(メッシュ状編み構造体1)となり空隙部Gが多くなりメッシュ状繊維強化複合材10の凹凸が大きくなり、700g/m以上になると、鎖編糸2、2同士や縦、横挿入糸5、3との交錯によって炭素繊維ストランドの屈曲(クリンプ)が大きくなり、応力集中よってメッシュ状繊維強化複合材10の機械的特性を低下させるので好ましくない。
本実施例のメッシュ状編み構造体1を使用したメッシュ状繊維強化複合材10においては、衝撃力が加わると、先ず、縦挿入糸5が挿入された編み組織20(20a、20b)の表側編み組織20aと裏側編み組織20bにより衝撃エネルギーを吸収しその衝撃力が緩和され、図22、図23を参照して説明した上述の特許文献4(特許第4463657号公報)に記載する繊維シート1Bを使用した複合材のように、真直ぐ配列した一方向材とされる炭素繊維50に大きな負荷はかからず、炭素繊維が破壊に至るのを抑制し、耐衝撃性に強いFRP成形物となる。
また、図21(a)、(b)に示す特許文献3(特許第6362454号公報)に記載するメッシュ状繊維強化複合材10Aに使用するメッシュ状編み構造体1Aは、上述のように、伸縮性及びドレープ性に優れ、曲面を有する形状への賦形性において優れているが、その反面、伸縮性があるために、樹脂含浸し硬化したメッシュ状繊維強化複合材では、即ち、FRP構造とした場合には、僅かな外力で樹脂から破壊するといった問題点がある。
なお、本発明のメッシュ状繊維強化複合材10にてFRPの耐衝撃性をさらに向上させるには、樹脂部での衝撃吸収エネルギーを多くするため、破断伸度の大きな樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂の場合は熱可塑性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂などが、また、熱硬化性樹脂の場合は常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の破断伸度が4%以上の高破断伸度樹脂が好ましい。
なお、熱可塑性エポキシ樹脂とは、2官能エポキシ化合物と2官能フェノール性化合物とを、エポキシ環の開環を伴う付加重合により鎖延長して生成する熱可塑性を示す線状ポリマーであり、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAとを官能基の比率を1:1となるように配合し、リン系重合触媒存在下で現場重合させることにより得ることができる。
上記メッシュ状編み構造体1は、ラッセル編機を使用して、特に、特許文献2(特許第4822528号公報)に記載されるシート状炭素繊維編物の製造方法を採用して好適に作製することができ、更には、トリコット編機やクロチェット編機などを使用して、編成可能である。斯かる編物製造方法は、当業者には周知の方法であるので、更に詳しい説明は省略する。
(開口率)
本発明にて、上記メッシュ状編み構造体1を使用して作製されるメッシュ状繊維強化複合材10の開口率は重要で、あり、詳しくは後述するように、開口率は20~60%、好ましくは、20~50%、更に好ましくは、30~50%とされる。
なお、本発明によれば、メッシュ状編み構造体1には、メッシュ状編み構造体1における、鎖編糸2にて形成される編み組織20と縦、横挿入糸5、3にのみ樹脂Rを含浸して硬化されるので、換言すれば、メッシュ状編み構造体1の空隙部Gには樹脂は充填されないので、メッシュ状繊維強化複合材10の開口率はメッシュ状編み構造体1の開口率と実質的に同じとされる。
開口率とは、一般には、例えば、スクリーン印刷のメッシュ織物やパンチングメタルなどで用いられている平面での孔の開いている率を意味するものであり、同様に、本発明にて、メッシュ状編み構造体1の開口率とは、メッシュ状ュ編み構造体1の平面での孔の開いている率を意味する。メッシュ状編み構造体1を2次元スキャナーで、読み込み、繊維の有る部分と無い部分の比率で計算する。実際には、2次元スキャナーで読み込み、画像ソフトを用いて、空隙部分と繊維部分に切り分けて開口率を計算する。例えば、このような開口率は、キヤノン株式会社製の2次元スキャナー(商品名「CanoScan4400F」を使用して効率よく求めることができる。
開口率(%)={(空隙部分の面積)/(繊維部分の面積+空隙部分の面積)}×100
上述したように、本発明にて、メッシュ状編み構造体1の開口率は、20~60%とされる。開口率が20%未満だと、剛性は非常に良いが、成形後に孔が開かず、通気性が悪く、非常に重くなる。開口率が60%を超えると、通気性は非常に良く、軽量であるが、全体として補強繊維の量が不足し剛性が不足する。好ましくは、20~50%、より好ましくは、30~50%とされる。
なお、本発明にて、メッシュ状編み構造体1にて、開口部(孔)一個当たりの大きさもまた重要であり、一個当たりの開口部の面積が1.5~80mmとされることが重要である。一個当たりの開口部面積が1.5mm未満では、成形時に孔が空かない可能性があり、また、開口部面積が80mmを超えると、成形後のメッシュが大きくなり過ぎて、メシッュ状繊維強化複合材10としての剛性がなくなってしまう可能性が生じる。
(含浸樹脂)
本発明にて、メッシュ状編み構造体1は、所定形状に賦形後に、又は、賦形前において、メッシュ状編み構造体1における編み組織20と縦、横挿入糸5、3にのみ樹脂Rを含浸して硬化し、メッシュ状繊維強化複合材10とされる。メッシュ状繊維強化複合材10における繊維の含有量は、繊維の重量比率で30~70%、好ましくは、40~70%とされる。
上記実施例にて、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂などを例示し、また、熱硬化性樹脂としては、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などを例示したが、好ましくは熱可塑性樹脂を使用することであり、より好ましくは破断伸度が4%以上の熱可塑性樹脂、更に好ましくは破断伸度が10%以上の熱可塑性樹脂、最も好ましくは破断伸度が50%以上の熱可塑性樹脂を使用することである。
(成形方法)
次に、本発明に係るメッシュ状繊維強化複合材10の成形方法について説明する。
メッシュ状繊維強化複合材10は、プレス成形やシートワインディング成形、テープワインディング成形、手曲げ成形など、従来公知の繊維強化複合材と同様の成形方法が使用できる。
図18(a)~(e)に、成形方法の一つの実施例であるプレス成形法を示す。このプレス成形法によると、凸形状の雄型201にメッシュ状編み構造体1が適合され、押圧することにより、メッシュ状編み構造体1は、雄型201に倣って成形される(図18(a))。この時、本発明に従って作製されたメッシュ状編み構造体1は、上述したように、ドレープ性、伸縮性が良く、成形性が良く、作業が容易である。
次に、メッシュ状編み構造体1の鎖編糸2(2a、2b)からなる編み組織20(20a、20b)と縦、横挿入糸5、3にのみ樹脂を含浸させるべく、含浸用刷毛(ブラシ)などを使用してメッシュ状編み構造体1に樹脂Rを塗布する(図18(b))。樹脂Rとしては、熱硬化性樹脂、或いは、熱可塑性樹脂であってよい。その後、凹状の雌型202を雄型201に適合して設置し、所定の押圧力にて加圧し、加熱することにより、樹脂が硬化され、所定形状に賦形されたメッシュ状繊維強化複合材10が成形される(図18(c))。メッシュ状繊維強化複合材10は、型より取出し(図18(d))、所定形状に仕上げる(図18(e))。
図19(a)、(b)に、成形方法の他の実施例である真空成形法を示す。この真空成形法によると、メッシュ状編み構造体1は、鎖編糸2から成る編み組織20と縦、横挿入糸5、3にのみ樹脂を含浸して硬化させ、FRP材とされる平板状のメッシュ状編み構造体1aが形成される。樹脂としては、熱硬化性樹脂もBステージ状態とすることで適用することができるが、好ましくは熱可塑性樹脂が使用される。なお、メッシュ状編み構造体1への樹脂含浸は事前に予め含浸されていても良いし、成形の直前であっても良い。
樹脂が含浸され硬化されているメッシュ状編み構造体1は、メッシュ状繊維強化複合材成形用材料1aとして凹状の真空型(雌型)202の上に設置され、更に、樹脂フィルム60にて被覆される(図19(a))。雌型202を真空引きするとともに、樹脂フィルム60側より、雌型202に適合して雄型201を所定の押圧力にて加圧し、加熱する。これによりメッシュ状編み構造体1aに含浸硬化された樹脂が軟化(溶融)することにより、雌型202に倣って成形される。成形型を冷却することにより、所定形状に賦形されたメッシュ状繊維強化複合材10が得られる(図19(b))。その後は、プレス成形法と同様に、図18(d)、(e)に示すように、メッシュ状繊維強化複合材10は、型より取出して所定形状に仕上げる。
この真空成形法においても、樹脂が軟化、或いは、溶融したときのメッシュ状編み構造体1aは、ドレープ性、伸縮性が良く、成形性が良く、雄型に倣って成形され、作業が容易である。
上記真空成形法によると、予め樹脂が含浸され硬化されているメッシュ状編み構造体1をメッシュ状繊維強化複合材成形用材料1aとしてプリプレグのように使用できるので生産性が良好であり、成形時にメッシュ状編み構造体1の孔が潰れることがなく、また、シート厚みが成形時に薄くならないため、断面が厚い複合材となり、高強度が得られ易いというメリットがある。
実施例2
図7、図8を参照して、本発明に係るメッシュ状繊維強化複合材10の他の実施例を説明する。図7は、本実施例にて使用される、シート状強化繊維編物、即ち、シート状強化繊維経編物とされるメッシュ状編み構造体、即ち、メッシュ状繊維シート1を説明するための部分拡大編構造図であり、図8は本実施例のメッシュ状編み構造体の組織図を示す図である。
本実施例のメッシュ状繊維強化複合材10は、図7に示すメッシュ状編み構造体1の各構成糸に、図2(a)、(b)を参照して、実施例1にて説明したと同様に、樹脂Rを含浸して硬化することによって作製される。
本実施例のメッシュ状編み構造体1は、実施例1にて説明したと同様に、鎖編糸2(2a、2b)がループ状に縦方向に連続し、編地の表裏を交互に鎖編目2A、即ち、表側鎖編目2Aaと裏側鎖編目2Abのダブルの鎖編目2A(2Aa、2Ab)を形成しながら編成されて作製された複数の編み組織20、即ち、表側編み組織20aと裏側編み組織20bのタブルの縦方向の編み組織20(20a、20b)と、編み組織20(20a、20b)の表側編み組織20aと裏側編み組織20b内に1針挿入された縦挿入糸5を有している。
ここで、実施例1のメッシュ状編み構造体1は、図1、図4~図6に示すように、横挿入組織を形成する横挿入糸3が、縦方向の編み組織20に対して横方向に、例えば2針、3針又は4針挿入し、互いに隣接した編み組織20を結束することによりシート状に形成される構成とされた。
これに対して、本実施例2では、図7、図8に示すように、横挿入糸3(3a、3b)は、縦方向の編み組織20に対して横方向に(本実施例では3針にて挿入して配置されているが、2針又は4針にて挿入して配置することもでき)2本又は4本とされる横挿入糸3が横挿入糸3a、3bに分離して、縦挿入糸5の前後に分かれて、編地の表側及び裏側にそれぞれ表側挿入糸3a及び裏側挿入糸3bとして配置される。本実施例2のメッシュ状編み構造体1は、編地の表裏が同じ(鏡面対称)とされることを特徴とする。
また、本実施例2においても、少なくとも縦挿入糸5は、強化繊維として炭素繊維からなる炭素繊維ストランドが使用される。鎖編2糸及び横挿入糸3(3a、3b)は、強化繊維として縦挿入糸5と同様に炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとすることもできるが、他の強化繊維を使用することもできる。これら強化繊維については、実施例1で説明した通りであり、ここでの再度の説明は省略する。
メッシュ状編み構造体1は、所定形状に賦形後に、又は、賦形前において、また、実施例1にて上述したように、メッシュ状編み構造体1における鎖編糸2(2a、2b)から成る編み組織20(20a、20b)と、縦挿入糸5と、横挿入糸3(3a、3b)と、にのみ樹脂Rが含浸される。
本実施例2のメッシュ状繊維強化複合材10もまた、上記実施例1のメッシュ状繊維強化複合材10と同様の作用効果を達成し得る。つまり、上述のようにして成形された本実施例2のメッシュ状繊維強化複合材10は、上述にて理解されるように、炭素繊維糸を1針縦挿入しているので、縦方向の強度、弾性率が増大する。また、編地の両面に位置する編目形成の鎖編糸2(2a、2b)と、2本或いは4本引き揃えた2針、3針又は4針横挿入糸3(3a、3b)が1針振り縦挿入糸5の炭素繊維糸のクッション材となって耐衝撃特性が向上する。更に、1針振り縦挿入糸5の挿入や、横挿入糸3(3a、3b)の太繊度化で伸縮性が抑制されても、せん断変形容易なメッシュ構造であるから半球状などの立体形状の成形(賦形)は容易に可能である。
実施例3
図9、図10を参照して、本発明に係るメッシュ状繊維強化複合材10の他の実施例を説明する。図9は、本実施例にて使用される、シート状強化繊維編物、即ち、シート状強化繊維経編物とされるメッシュ状編み構造体、即ち、メッシュ状繊維シート1を説明するための部分拡大編構造図であり、図10は本実施例のメッシュ状編み構造体1の組織図を示す図である。
本実施例のメッシュ状繊維強化複合材10は、図9に示すメッシュ状編み構造体の各構成糸に、図2(a)、(b)を参照して、実施例1にて説明したと同様に、樹脂Rを含浸して硬化することによって作製される。
本実施例のメッシュ状編み構造体1は、図9に示すように、実施例1にて説明したと同様に、鎖編糸2(2a、2b)がループ状に縦方向に連続し、編地の表裏を交互に鎖編目2A、即ち、表側鎖編目2Aaと裏側鎖編目2Abのダブルの鎖編目2A(2Aa、2Ab)を形成しながら編成されて作製された複数の編み組織20、即ち、表側編み組織20aと裏側編み組織20bのダブルの縦方向の編み組織20(20a、20b)と、編み組織20(20a、20b)の表側編み組織20aと裏側編み組織20b内に1針挿入された縦挿入糸5を有している。
ここで、実施例1のメッシュ状編み構造体1は、図1、図4~図6に示すように、横挿入組織を形成する横挿入糸3が、縦方向の編み組織20に対して横方向に、例えば2針、3針又は4針挿入し、互いに隣接した編み組織20を結束することによりシート状に形成される構成とされた。
これに対して、本実施例3では、図9、図10に示すように、横挿入糸3は、縦方向の編み組織20に対して横方向に直線状に配置されることを特徴とする。なお、本実施例3においては、横挿入糸3は、縦挿入糸5と共に、強化繊維として炭素繊維からなる炭素繊維ストランドが使用される。鎖編糸2(2a、2b)は、横挿入糸3及び縦挿入糸5と同様に、強化繊維として炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとすることもできるが、他の強化繊維を使用することもできる。これら強化繊維については、実施例1で説明した通りであり、ここでの再度の説明は省略する。
メッシュ状編み構造体1は、所定形状に賦形後に、又は、賦形前において、実施例1にて上述したように、メッシュ状編み構造体1における鎖編糸2(2a、2b)から成る編み組織20(20a、20b)と、縦挿入糸5と、横挿入糸3と、にのみ樹脂Rが含浸される。
本実施例3のメッシュ状繊維強化複合材10は、炭素繊維糸を1針縦挿入、並びに、横方向にも直線的に導入しているので、縦、横方向の両方向の強度、弾性率が増大する。一方、上記実施例1、2に比べ賦形性はやや劣るが、メッシュ構造であることからせん断能を有し、半球状などの立体形状への成形性(賦形性)は何ら問題ない。
(実験例1~9、比較例1~5)
次に、本発明によるメッシュ状繊維強化複合材10及びメッシュ状編み構造体1の作用効果を立証するために、メッシュ状編み構造体1の鎖編糸2、縦挿入糸5、横挿入糸3の種類、開口率、などを変えて編地を編成し、樹脂を含浸して成形加工を行ってメッシュ状繊維強化複合材10を作製して各種評価を行った。実験結果を表1に示す。なお、実験例、比較例にて複合材における繊維の含有量は、繊維の重量比率で65%とした。
実験例1
カールマイヤー製のHDR8EH-S型6ゲージのダブルラッセル経編機を用い、図1~図3を参照して説明した実施例1に示すメッシュ状編構造及び編組織図に示すように、鎖編糸2として(株)クラレ製ビニロン500T-200(繊度:500dtex)を用いて、鎖編み組織20で表裏に交互に鎖編目2Aを形成すると同時に、1針振りの縦挿入糸5として(株)三菱ケミカル製炭素繊維糸TR50S-12L-AL(繊度:8000dtex)を、そして3針振りの横挿入糸3に鎖編糸2に用いたビニロン500T-200、2本を引き揃え、合計1000dtexの繊度にして編機の各ガイド孔に供給し、幅40cm、コース密度を9.5本/25.4mmの設定で編成した。
得られた編地は、目付(実績質量)が372g/m、厚さが1.50mmであって、開口率が43.8%、一個当たりの開口部(孔)の面積が4.96mmであり、編地長さ方向に引っ張り弾性率の高い炭素繊維糸が配列されて伸びが殆どない編地であるが、斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、上記編地に熱可塑性エポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「XNR6850V」)を含浸させたのち、オーブン内で120℃、10分で溶剤乾燥、160℃、30分で加熱することで平板を得た。
メッシュ状繊維強化複合材10はInstron製万能試験機「CEAST9310」にて打抜衝撃強度試験(落下質量:1.59kg、落下高さ:580mm、ストライカ:20mm 半球状)を行った。なお、ロードセル容量は10kN(上限設計5kN)、衝撃エネルギー(位置エネルギー)は9.03Jであった。結果を表1に示す。表1にて、「Peak Force」は衝撃試験における最大荷重であり、「Total Energy」は衝撃試験における変位-荷重曲線の面積である。「Peak Force/設計質量」は、単位質量あたりの最大荷重であり、この値が大きいほど耐衝撃性に優れた組織と判断できる。
また、メッシュ状繊維強化複合材10の補助糸(縦糸・鎖編)方向が試験片の長手方向に連なる場合を縦(縦、0°)方向、試験片の幅方向に連なる場合を横(横、90°)方向として、縦方向または横方向をそれぞれ長辺としたメッシュ状繊維強化複合材10の平板状試験片を作成し、JIS K 7164(プラスチックー引張特性の試験方法)に準拠してAND社製万能試験機「RTF-2410」にて引張強度を測定した。
実験例2
実験例1において、3針振り横挿入糸3としてビニロン500T-200を引き揃えて供給した2本の横挿入糸3a、3bを、図7、図8を参照して説明した実施例2に示すメッシュ状編構造及び編組織図で示すように、編地の厚さ方向に対して1針縦挿入された炭素繊維糸の上下に1本ずつ配置するように分けて挿入した以外は実験例1と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付が426g/m、厚さが1.58mmであって、開口率は44.1%、一個当たりの開口部(孔)の面積が5.00mmであり、実験例1と同様、編地の長さ方向には伸びが殆どない編地であるが、斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
実験例3
実験例1において、3針振りの横挿入糸3としてビニロン500T-200を引き揃えて供給した2本の挿入糸を4本に増やし合計2000dtexの繊度に引き揃えて供給した以外は実験例1と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は445g/m、厚さは1.82mmであって、開口率は24.8%、一個当たりの開口部(孔)の面積が2.78mmであり、実験例1、2と同様、編地の長さ方向には伸びが殆どない編地であるが、斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
実験例4
実験例3において、鎖編糸2及び4本引き揃えた3針振り横挿入糸3に使用したビニロン500T-200糸を、(株)帝人製ポリエステルフィラメント糸PET560T-96-P703B(繊度:560dtex)(横挿入糸合計繊度2240dtex)に変更した以外は実験例3と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は507g/m、厚さは1.70mmで、開口率は26.0%、一個当たりの開口部(孔)の面積が2.91mmであり、実験例1、2と同様、編地の長さ方向には伸びが殆どない編地であるが、斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
実験例5
実験例2において、1針振り縦挿入した炭素繊維糸の上下に分けて3針振り横挿入した横挿入糸3a、3bの2本のビニロン500T-200糸を各々2本ずつ引き揃えて合計4本(横挿入糸合計繊度2000dtex)に増やした以外は実験例2と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は483g/m、厚さは1.70mmで、開口率は25.2%、一個当たりの開口部(孔)の面積が2.82mmであり、実験例1、2と同様、編地の長さ方向には伸びが殆どない編地であるが、斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
実験例6
実験例5で使用した鎖編糸2及び3針振り横挿入した横挿入糸3a、3bの2本のビニロン500T-200糸をポリエステルフィラメント糸PET560T-96-P703B(繊度:560dtex)(横挿入糸合計繊度2240dtex)に変更した以外は実験例5と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は533g/m、厚さは1.65mmで、開口率は26.2%、一個当たりの開口部(孔)の面積が2.94mmであり、実験例5と同様、編地の長さ方向には伸びが殆どない編地であるが、斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
実験例7
実験例1の編成要件であるコース密度9.5本/25.4mmを、15.0本/25.4mmにアップした以外が実験例1と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は426g/m、厚さは1.85mmで、開口率は21.1%、一個当たりの開口部(孔)の面積が1.52mmであり、実験例1の編地に比べコース密度がアップされて開口部の面積が減少したことで斜め方向の伸長性が実験例1より低いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
実験例8
図9、図10を参照して説明した実施例3に示すメッシュ状編構造及び編組織図で示すように、鎖編糸2としてポリエステルフィラメント糸PET560T-96-P703B(繊度:560dtex)を用いて実験例1と同様に鎖編み組織20で表裏に交互に鎖編目2Aを形成すると同時に、1針振りの縦挿入糸5に(株)三菱ケミカル製炭素繊維糸TR50S-12L-AL(繊度:8000dtex)を用い、前記1針振り縦挿入糸5に用いた炭素繊維糸と同じ炭素繊維糸を、横挿入糸3として表裏の編目間に編地の幅方向の全幅に亘ってコース毎に直線状に挿入し、実験例1と同様に幅40cm、コース密度を9.5本/25.4mmの設定で編成した。
得られた編地は、目付は467g/m、厚さは1.25mmで、開口率が21.1%、一個当たりの開口部(孔)の面積が2.39mmであり、編地の長さ方向及び幅方向に連続した高弾性の炭素繊維糸が挿入されているために両方向には殆ど伸びないが、斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
実験例9
実験例8において幅方向に連続してコース毎に横挿入した炭素繊維糸(横挿入糸3)を図11の編み構図に示すように、2コースに1本毎(1in1out)に挿入した以外は実験例8と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は471g/m、厚さは1.57mmで、開口率が57.4%、一個当たりの開口部(孔)の面積が6.5mmであり、実験例8と同様、編地の長さ方向と幅方向に対して殆ど伸びがないが、開口率が大きいことから実験例8の編地に比べて斜め方向には伸長し易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
比較例1は、上記特許文献3(特許第6362454号公報)に記載するメッシュ状繊維強化複合材と同様の編地であって、本発明のメッシュ状繊維強化複合材10と比較することを目的としたものである。本比較例においても、上記実験例で編成を行った同じダブルラッセル経編機を使用し、図12、図13示す編構造、編組織図において、鎖編糸2には実験例1で用いたビニロン500T-200(繊度:500dtex)を用い、そして2針振り横挿入糸3には実験例1で用いた炭素繊維糸TR50S-12L-AL(繊度:8000dtex)を用い幅40cm、コース密度を9.5本/25.4mmに設定して編成した。
得られた編地は、目付は550g/m、厚さは1.50mmで、開口率は55.0%、一個当たりの開口部(孔)の面積が6.04mmであり、編地の長さ方向、幅方向ともに伸縮性を有するメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
比較例2
比較例2では、実験例1の編地に対して図14に示すように、横挿入糸3にビニロン500T-200(繊度:500dtex)、1本を用い、横挿入組織を2針振りに変更した以外は実験例1と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は347g/m、厚さは1.40mmで、開口率は45.2%、一個当たりの開口部(孔)の面積が5.03mmであり、編地の長さ方向には実験例1の編地と同様に殆ど伸びがないが、2針振り横挿入組織であることから幅方向には伸び易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
比較例3
比較例3の編地は、比較例2の編地の1針振り縦挿入糸5の炭素繊維糸と2針振り横挿入糸3のビニロン糸を入れ替えた以外が同じ条件で編成した。
得られた編地の目付は568g/m、厚さは1.70mmで、開口率は40.5%、一個当たりの開口部(孔)の面積が4.85mmであり、比較例2と同様、編地の長さ方向には実験例1の編地と同様に殆ど伸びがないが、2針振り横挿入組織であることから幅方向には伸び易いメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
比較例4
比較例4の編地は図15に示すように比較例2の編地の2針振り横挿入糸3の振り幅を3針振りに変更した以外は比較例2と同じ条件で編成した。
得られた編地は、目付は324g/m、厚さは1.35mmで、開口率51.3%、一個当たりの開口部(孔)の面積が5.70mmであり、編地の長さ方向には炭素繊維が1針振りで縦挿入されているから比較例2と同様に伸びが殆どなく、また幅方向には僅かに伸びるメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
比較例5
比較例5の編地は、図16、図17に示すメッシュ状編構造及び編組織図とされ、振り幅を4針振りと変更した以外は比較例2と同条件で編成した。
得られた編地は、目付は339g/m、厚さは1.45mm、開口率は40.6%、一個当たりの開口部(孔)の面積が4.60mmであり、比較例4の3針振り横挿入糸3の編地よりも幅方向の伸びが少ないメッシュ構造であった。
次いで、実験例1と同様にしてメッシュ状繊維強化複合材10を作製し、打抜衝撃強度試験を行った。結果を表1に示す。
(考察)
上記実験例及び比較例から、メッシュ編み構造体の縦方向又は横方向に高強度・高弾性な炭素繊維糸を挿入して構造体に高い引張強度と衝撃強度を付与できることが分かった。特に、この高い衝撃強度の発現については、連続的に配置された炭素繊維が衝撃を受けた際に即応し、その衝撃エネルギーを吸収するためと考えられる。一方、連続的に配置された炭素繊維は、プレス成形時には動きを抑制するため、賦形性では不利に働く可能性があるが、特に大きな賦形性を求められる場合に限られるほか、用途により編み構造体の仕様を選択することで対応することができる。
一方、その炭素繊維糸の周りに合成繊維からなる太繊度な編目糸或いは挿入糸をクッション材として配置することにより、炭素繊維が保護され、高い耐衝撃性を有したメッシュ状繊維強化複合材を得ることが確認できた。
また、実験例1~9と比較例2、4、5から、横挿入糸を太繊度とすることにより、樹脂含浸後において耐衝撃性が向上することが分かった。
本発明の多孔構造体は、保護帽などのプロテクタや義肢(義足、義手)の内外装部材として特に好適であるが、用途としてこれらに限られるものではない。例えば、患部固定用のギプスなどの医療用資材や、スポーツ・レジャー用の靴や帽子といった被服品や用具、フィルターやハウジング部材、配管・ホース等の補強もしくは保護部材、構造体の補強用部材としての用途や、高い剛性を保持したまま複雑な曲面形状へ成形加工することが要求される航空機やロケット、人工衛星、自動車、自動二輪車、鉄道列車、自転車、家屋、光学機器、家電、携帯電子機器などの構造部材や修飾部材に対して産業用途、民生用途問わず広く好適に用いることができる。
1 メッシュ状編み構造体
1a メッシュ状繊維強化複合材成形用材料
2(2a、2b) 鎖編糸
2A 鎖編目
3(3a、3b) 横挿入糸
5 縦挿入糸
10 メッシュ状繊維強化複合材
20 編み組織

Claims (15)

  1. 鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
    前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸して硬化されたメッシュ状の繊維強化複合材であって、
    前記鎖編糸及び前記縦、横挿入糸の少なくとも前記縦挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされ、
    前記メッシュ状編み構造体の開口率は20~60%とされる、
    ことを特徴とするメッシュ状繊維強化複合材。
  2. 鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
    前記メッシュ状編み構造体を所定形状に賦形し、その後、前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸して硬化したメッシュ状の繊維強化複合材であって、
    前記鎖編糸及び前記縦、横挿入糸の少なくとも前記縦挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされ、
    前記メッシュ状編み構造体の開口率は20~60%とされる、
    ことを特徴とするメッシュ状繊維強化複合材。
  3. 前記メッシュ状の編み構造体に含浸する樹脂は、熱可塑性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、若しくは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などの熱可塑性樹脂;又は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、若しくは、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  4. 鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
    前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸して硬化し、その後、所定形状に賦形されたメッシュ状の繊維強化複合材であって、
    前記鎖編糸及び前記縦、横挿入糸の少なくとも前記縦挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされ、
    前記メッシュ状編み構造体の開口率は20~60%とされる、
    ことを特徴とするメッシュ状繊維強化複合材。
  5. 前記メッシュ状の編み構造体に含浸する樹脂は、熱可塑性エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、若しくは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などの熱可塑性樹脂が使用されることを特徴とする請求項4に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  6. 前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して横方向に2針、3針又は4針挿入して配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  7. 前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して横方向に2針、3針又は4針挿入して配置され、且つ、前記縦挿入糸の前後に分かれて編地の表裏に配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  8. 前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して一定のコースごとに振って編み込まれていることを特徴とする請求項6又は7に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  9. 前記鎖編糸及び前記横挿入糸は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系の繊維、アラミド繊維などの有機繊維;チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維;を単独で、又は、複数種混入して作製される糸であることを特徴とする請求項1~8のいずれかの項に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  10. 前記横挿入糸は、前記縦方向の編み組織に対して横方向に直線状に配置されており、前記横挿入糸は、炭素繊維からなる炭素繊維ストランドとされることを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  11. 前記鎖編糸は、繊度が10~600dtexであることを特徴とする請求項1~10のいずれかの項に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  12. 前記縦挿入糸は、
    (a)PAN系の炭素繊維であって炭素繊維フィラメント数が24000本以下、繊度が16000dtex以下である炭素繊維ストランドであるか、又は、
    (b)ピッチ系の炭素繊維であって炭素繊維フィラメント数が12000本以下、繊度が6000dtex以下である炭素繊維ストランドである、
    ことを特徴とする請求項1~11のいずれかの項に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  13. 前記横挿入糸は、繊度が10~600dtexであり、2~4本引き揃えて使用されており、合計繊度が700~2500dtexとされることを特徴とする請求項1~12のいずれかの項に記載のメッシュ状繊維強化複合材。
  14. 鎖編糸が縦方向に連続し、鎖編目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織と、鎖編目に沿って縦方向に1針挿入された縦挿入糸と、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入し、互いに隣接した前記編み組織を結束する横挿入糸と、により形成されたメッシュ状編み構造体を有し、
    前記メッシュ状編み構造体における前記編み組織と前記縦、横挿入糸とにのみ樹脂を含浸したメッシュ状繊維強化複合材成形用材料。
  15. 請求項14のメッシュ状繊維強化複合材成形用材料を賦形したメッシュ状繊維強化複合材成形体。
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