人工ニューラルネットワーク(以後、ニューラルネットワークと呼称する)において、シナプスの結合強度は、ニューラルネットワークに既存の情報を与えることによって、変化することができる。このように、ニューラルネットワークに既存の情報を与えて、結合強度を決める処理を「学習」と呼称する場合がある。
また、「学習」を行った(結合強度を定めた)ニューラルネットワークに対して、何らかの情報を与えることにより、その結合強度に基づいて新たな情報を出力することができる。このように、ニューラルネットワークにおいて、与えられた情報と結合強度に基づいて新たな情報を出力する処理を「推論」又は「認知」と呼称する場合がある。
ニューラルネットワークのモデルとしては、例えば、ホップフィールド型、階層型などが挙げられる。特に、多層構造としたニューラルネットワークを「ディープニューラルネットワーク」(DNN)と呼称し、ディープニューラルネットワークによる機械学習を「ディープラーニング」と呼称する場合がある。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼称することができる。また、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態(又は実施例)において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
本明細書に記載の実施の形態については、図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“_1”、“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置である、積和演算が可能な回路の一例について説明する。
<演算回路の構成例1>
図1は、正、又は“0”の第1データと、正、又は“0”の第2データと、の積和演算を行う演算回路の構成例を示している。図1に示す演算回路MAC1は、各セルに保持した電位に応じた第1データと、入力された第2データと、の積和演算を行い、かつ当該積和演算の結果を用いて活性化関数の演算を行う回路である。なお、第1データ、及び第2データは、一例としては、アナログデータ、又は多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。
演算回路MAC1は、回路WCSと、回路XCSと、回路WSDと、回路SWS1と、回路SWS2と、セルアレイCAと、変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n](ここでのnは1以上の整数である)と、を有する。
セルアレイCAは、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n](ここでのmは1以上の整数である)と、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]と、を有する。セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれは、第1データに応じた電流量に相当する電位を保持する機能を有し、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]は、保持した電位と積和演算を行うために必要になる第2データに応じた電位を配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に供給する機能を有する。
なお、図1のセルアレイCAは、セルがm行n+1列のマトリクス状に配置されているが、セルアレイCAは、セルが1行以上かつ2列以上、マトリクス状に配置されている構成であればよい。
セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれは、一例として、トランジスタF1と、トランジスタF2と、容量C5と、を有し、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれは、一例として、トランジスタF1mと、トランジスタF2mと、容量C5mと、を有する。
特に、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタF1のサイズ(例えば、チャネル長、チャネル幅、トランジスタの構成など)は互いに等しいことが好ましく、また、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタF2のサイズは互いに等しいことが好ましい。また、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF1mのサイズは互いに等しいことが好ましく、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF2mのサイズは互いに等しいことが好ましい。また、トランジスタF1とトランジスタF1mのサイズは互いに等しいことが好ましく、トランジスタF2とトランジスタF2mのサイズは互いに等しいことが好ましい。
トランジスタのサイズを互いに等しくすることによって、それぞれのトランジスタの電気特性をほぼ等しくすることができる。そのため、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタF1のサイズを等しくし、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタF2のサイズを等しくすることによって、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれは、互いに同一の条件である場合において、ほぼ同じ動作を行うことができる。ここでの同一の条件とは、例えば、トランジスタF1のソース、ドレイン、ゲートなどの電位、トランジスタF2のソース、ドレイン、ゲートなどの電位、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれに入力されている電圧などを指す。また、同様に、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF1mのサイズを等しくし、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF2mのサイズを等しくすることによって、例えば、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]は、互いに同一の条件である場合において、ほぼ同じ動作を行うことができる。ここでの同一の条件とは、例えば、トランジスタF1mのソース、ドレイン、ゲートなどの電位、トランジスタF2mのソース、ドレイン、ゲートなどの電位、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに入力されている電圧などを指す。
なお、トランジスタF1及びトランジスタF1mは、特に断りの無い場合は、オン状態の場合は最終的に線形領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、線形領域で動作する範囲での電圧に適切にバイアスされている場合を含むものとする。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、トランジスタF1、トランジスタF1mは、オン状態のときは飽和領域で動作してもよく、また、線形領域で動作する場合と飽和領域で動作する場合とが混在してもよい。
また、トランジスタF2及びトランジスタF2mは、特に断りの無い場合は、サブスレッショルド領域で動作する場合(つまり、トランジスタF2又はトランジスタF2mにおいて、ゲート-ソース間電圧がしきい値電圧よりも低い場合、より好ましくは、ドレイン電流がゲート-ソース間電圧に対して指数関数的に増大する場合)を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート電圧、ソース電圧、及びドレイン電圧は、サブスレッショルド領域で動作する範囲での電圧に適切にバイアスされている場合を含むものとする。このため、トランジスタF2及びトランジスタF2mは、ソース-ドレイン間にオフ電流が流れるように動作する場合を含む。
また、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mは、一例として、OSトランジスタであることが好ましい。加えて、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mのチャネル形成領域は、インジウム、ガリウム、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物であることがより好ましい。また、当該酸化物の代わりとしては、インジウム、元素M(元素Mとしては、例えば、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種などが挙げられる)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物を用いてもよい。トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mは、特に実施の形態5に記載するトランジスタの構造であることが更に好ましい。
トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mとして、OSトランジスタを用いることにより、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mのリーク電流を抑えることができるため、演算回路の消費電力を低減することができる。具体的には、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF1mが非導通状態である場合における、保持ノードから書き込みワード線へのリーク電流を非常に小さくすることができるため、保持ノードの電位のリフレッシュ動作を少なくすることができる。また、リフレッシュ動作を少なくすることによって、演算回路の消費電力を低減することができる。また、保持ノードから配線WCL、又は配線XCLへのリーク電流を非常に小さくすることによって、セルは保持ノードの電位を長い時間保持できるため、演算回路の演算精度を高くすることができる。
また、トランジスタF2、及び/又はトランジスタF2mに対しても、OSトランジスタを用いることにより、サブスレッショルド領域の広い電流範囲で動作させることができるため、消費電流を低減することができる。また、トランジスタF2、及び/又はトランジスタF2mに対しても、OSトランジスタを用いることで、トランジスタF1、トランジスタF1mと同時に作製することができるため、演算回路の作製工程を短縮することができる場合がある。また、トランジスタF2、及び/又はトランジスタF2mは、OSトランジスタ以外としては、チャネル形成領域にシリコンを含むトランジスタ(以下、Siトランジスタと呼称する)とすることができる。シリコンとしては、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼称する場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることができる。
ところで、半導体装置などをチップなどに高集積化した場合、当該チップには、回路の駆動による熱が発生する場合がある。この発熱により、トランジスタの温度が上がることで、当該トランジスタの特性が変化して、電界効果移動度の変化、動作周波数の低下などが起こることがある。OSトランジスタは、Siトランジスタよりも熱耐性が高いため、温度変化による電界効果移動度の変化が起こりにくく、また動作周波数の低下も起こりにくい。さらに、OSトランジスタは、温度が高くなっても、ドレイン電流がゲート-ソース間電圧に対して指数関数的に増大する特性を維持しやすい。そのため、OSトランジスタを用いることにより、高い温度環境下でも、演算、処理などを実施しやすい。そのため、駆動による発熱に強い半導体装置を構成する場合、トランジスタとしては、OSトランジスタを適用するのが好ましい。
セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれにおいて、トランジスタF1の第1端子は、トランジスタF2のゲートと電気的に接続されている。トランジスタF2の第1端子は、配線VEと電気的に接続されている。容量C5の第1端子は、トランジスタF2のゲートと電気的に接続されている。
また、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれにおいて、トランジスタF1mの第1端子は、トランジスタF2mのゲートと電気的に接続されている。トランジスタF2mの第1端子は、配線VEと電気的に接続されている。容量C5mの第1端子は、トランジスタF2mのゲートと電気的に接続されている。
図1において、トランジスタF1、トランジスタF2、トランジスタF1m、及びトランジスタF2mには、バックゲートが図示され、当該バックゲートの接続構成については図示されていないが、当該バックゲートの電気的な接続先は、設計の段階で決めることができる。例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのオン電流を高めるために、ゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。つまり、例えば、トランジスタF1のゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよいし、また、トランジスタF1mのゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。また、例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのしきい値電圧を変動させるため、又は、そのトランジスタのオフ電流を小さくするために、そのトランジスタのバックゲートと外部回路などとを電気的に接続するための配線を設けて、当該外部回路などによってそのトランジスタのバックゲートに電位を与える構成としてもよい。
また、図1に図示しているトランジスタF1、及びトランジスタF2は、バックゲートを有しているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、図1に図示しているトランジスタF1、及びトランジスタF2は、バックゲートを有さないような構成、つまり、シングルゲート構造のトランジスタとしてもよい。また、一部のトランジスタはバックゲートを有している構成であり、別の一部のトランジスタは、バックゲートを有さない構成であってもよい。
また、図1に図示しているトランジスタF1、及びトランジスタF2は、nチャネル型トランジスタとしているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、トランジスタF1、及びトランジスタF2の一部、又は全部をpチャネル型トランジスタに置き換えてもよい。
なお、上記のトランジスタの構造、極性に関する変更例は、トランジスタF1、及びトランジスタF2だけに限定されない。例えば、トランジスタF1m、トランジスタF2m、後述するトランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]、更に、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様に構造や極性などを変更してもよい。
配線VEは、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]のそれぞれのトランジスタF2の第1端子-第2端子間に電流を流すための配線であって、また、図1に示すとおり、セルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれのトランジスタF2mの第1端子-第2端子間に電流を流すための配線として機能する。一例としては、配線VEは、定電圧を供給する配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位、接地電位などとすることができる。
セルIM[1,1]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[1]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続されている。なお、図1では、セルIM[1,1]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[1,1]としている。
セルIM[m,1]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[m]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[1]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続されている。なお、図1では、セルIM[m,1]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[m,1]としている。
セルIM[1,n]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[1]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続されている。なお、図1では、セルIM[1,n]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[1,n]としている。
セルIM[m,n]において、トランジスタF1の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[m]と電気的に接続されている。トランジスタF2の第2端子は、配線WCL[n]と電気的に接続され、容量C5の第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続されている。なお、図1では、セルIM[m,n]において、トランジスタF1の第1端子と、トランジスタF2のゲートと、容量C5の第1端子と、の接続箇所をノードNN[m,n]としている。
セルIMref[1]において、トランジスタF1mの第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続され、トランジスタF1mのゲートは、配線WSL[1]と電気的に接続されている。トランジスタF2mの第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続され、容量C5mの第2端子は、配線XCL[1]と電気的に接続されている。なお、図1では、セルIMref[1]において、トランジスタF1mの第1端子と、トランジスタF2mのゲートと、容量C5mの第1端子と、の接続箇所をノードNNref[1]としている。
セルIMref[m]において、トランジスタF1mの第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続され、トランジスタF1mのゲートは、配線WSL[m]と電気的に接続されている。トランジスタF2mの第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続され、容量C5mの第2端子は、配線XCL[m]と電気的に接続されている。なお、図1では、セルIMref[m]において、トランジスタF1mの第1端子と、トランジスタF2mのゲートと、容量C5mの第1端子と、の接続箇所をノードNNref[m]としている。
なお、ノードNN[1,1]乃至ノードNN[m,n]、及びノードNNref[1]乃至ノードNNref[m]は、それぞれのセルの保持ノードとして機能する。
セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]において、例えば、トランジスタF1がオン状態となっているとき、トランジスタF2はダイオード接続の構成となる。配線VEが与える定電圧を接地電位(GND)として、トランジスタF1がオン状態で、かつ配線WCLからトランジスタF2の第2端子に電流量Iの電流が流れた時、トランジスタF2のゲート(ノードNN)の電位は、電流量Iに応じて決まる。なお、トランジスタF2の第2端子の電位は、トランジスタF1がオン状態であるため、理想的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN)と等しくなる。ここで、トランジスタF1をオフ状態にすることによって、トランジスタF2のゲート(ノードNN)の電位は保持される。これにより、トランジスタF2は、トランジスタF2の第1端子の接地電位と、トランジスタF2のゲート(ノードNN)の電位に応じた電流量Iの電流をトランジスタF2のソース-ドレイン間に流すことができる。本明細書等では、このような動作を「セルIMのトランジスタF2のソース-ドレイン間に流れる電流量をIに設定する(プログラミングする)」などと呼称する。
回路SWS1は、一例として、トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]を有する。トランジスタF3[1]の第1端子は、配線WCL[1]に電気的に接続され、トランジスタF3[1]の第2端子は、回路WCSに電気的に接続され、トランジスタF3[1]のゲートは、配線SWL1に電気的に接続されている。トランジスタF3[n]の第1端子は、配線WCL[n]に電気的に接続され、トランジスタF3[n]の第2端子は、回路WCSに電気的に接続され、トランジスタF3[n]のゲートは、配線SWL1に電気的に接続されている。
トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]のそれぞれとしては、例えば、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF2に適用できるトランジスタを用いることができる。特に、トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]のそれぞれとしては、OSトランジスタを用いることが好ましい。
回路SWS1は、回路WCSと、配線WCL[1]乃至配線WCL[n]のそれぞれと、の間を、導通状態又は非導通状態にする回路として機能する。
回路SWS2は、一例として、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]を有する。トランジスタF4[1]の第1端子は、配線WCL[1]に電気的に接続され、トランジスタF4[1]の第2端子は、変換回路ITRZ[1]の入力端子に電気的に接続され、トランジスタF4[1]のゲートは、配線SWL2に電気的に接続されている。トランジスタF4[n]の第1端子は、配線WCL[n]に電気的に接続され、トランジスタF4[n]の第2端子は、変換回路ITRZ[n]の入力端子に電気的に接続され、トランジスタF4[n]のゲートは、配線SWL2に電気的に接続されている。
トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]のそれぞれとしては、例えば、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF2に適用できるトランジスタを用いることができる。特に、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]のそれぞれとしては、OSトランジスタを用いることが好ましい。
回路SWS2は、配線WCL[1]と変換回路ITRZ[1]との間、及び配線WCL[n]と変換回路ITRZ[n]との間を、導通状態又は非導通状態にする機能を有する。また、図1には図示していないが、2列目乃至n-1列目のいずれか一においても、同様に、配線WCLと変換回路ITRZとの間を導通状態又は非導通状態にする機能を有する。
回路WCSは、セルアレイCAが有するそれぞれのセルに格納するためのデータを供給する機能を有する。
回路XCSは、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に電気的に接続されている。回路XCSは、セルアレイCAが有するセルIMref[1]乃至セルIMref[m]のそれぞれに対して、後述する参照データに応じた電流量、又は第2データに応じた電流量を流す機能を有する。
回路WSDは、配線WSL[1]乃至配線WSL[m]に電気的に接続されている。回路WSDは、セルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]に第1データを書き込む際に、配線WSL[1]乃至配線WSL[m]に所定の信号を供給することによって、第1データの書き込み先となるセルアレイCAの行を選択する機能を有する。つまり、配線WSL[1]乃至配線WSL[m]は、書き込みワード線として機能する。
また、回路WSDは、一例として、配線SWL1と、配線SWL2と、に電気的に接続されている。回路WSDは、配線SWL1に所定の信号を供給することによって、回路WCSとセルアレイCAとの間を導通状態又は非導通状態にする機能と、配線SWL2に所定の信号を供給することによって、変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]とセルアレイCAとの間を導通状態又は非導通状態にする機能と、を有する。
変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]のそれぞれは、一例として、入力端子と、出力端子と、を有する。例えば、変換回路ITRZ[1]の出力端子は、配線OL[1]に電気的に接続され、変換回路ITRZ[n]の出力端子は、配線OL[n]に電気的に接続されている。
変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]のそれぞれは、入力端子に入力された電流の量に応じて、当該電流を電圧に変換して、出力端子から当該電圧を出力する機能を有する。当該電圧としては、例えば、アナログ電圧、デジタル電圧などとすることができる。また、変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]のそれぞれは、関数系の演算回路を有してもよい。この場合、例えば、変換された電圧を用いて、当該演算回路によって関数の演算を行って、演算の結果を配線OL[1]乃至配線OL[n]に出力してもよい。
特に、階層型のニューラルネットワークの演算を行う場合、上述した関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、ソフトマックス関数、ReLU関数、しきい値関数などを用いることができる。
<<回路WCS、回路XCS>>
ここでは、回路WCS、及び回路XCSの具体例について説明する。
初めに、回路WCSについて説明する。図2Aは、回路WCSの一例を示したブロック図である。なお、図2Aには、回路WCSの周辺の回路との電気的な接続を示すため、回路SWS1、トランジスタF3、配線SWL1、配線WCLも図示している。
回路WCSは、例えば、配線WCLの数だけ回路WCSaを有する。つまり、回路WCSは、回路WCSaをn個有する。
また、回路SWS1も配線WCLの数だけトランジスタF3を有するものとする。つまり、回路SWS1は、トランジスタF3をn個有する。
このため、図2Aに示すトランジスタF3は、図1の演算回路MAC1に含まれているトランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]のいずれか一とすることができる。また、同様に、配線WCLは、図1の演算回路MAC1に含まれている配線WCL[1]乃至配線WCL[n]のいずれか一とすることができる。
したがって、配線WCL[1]乃至配線WCL[n]のそれぞれには、別々のトランジスタF3を介して、別々の回路WCSaが電気的に接続されている。
図2Aに示す回路WCSaは、一例として、スイッチSWWを有する。スイッチSWWの第1端子は、トランジスタF3の第2端子に電気的に接続され、スイッチSWWの第2端子は、配線VINIL1に電気的に接続されている。配線VINIL1は、配線WCLに初期化用の電位を与える配線として機能し、初期化用の電位としては、接地電位(GND)、低レベル電位、高レベル電位などとすることができる。なお、スイッチSWWは、配線WCLに初期化用の電位を与えるときのみオン状態となり、それ以外のときはオフ状態となるものとする。
スイッチSWWとしては、例えば、アナログスイッチ、トランジスタなどの電気的なスイッチなどを適用することができる。なお、スイッチSWWとして、例えば、トランジスタを適用する場合、当該トランジスタは、トランジスタF1、トランジスタF2と同様の構造のトランジスタとすることができる。また、電気的なスイッチ以外では、機械的なスイッチを適用してもよい。
また、図2Aの回路WCSaは、一例として、複数の電流源CSを有する。具体的には、回路WCSaはKビット(2K値)(Kは1以上の整数)の第1データを電流量として出力する機能を有し、この場合、回路WCSaは、2K-1個の電流源CSを有する。なお、回路WCSaは、1ビット目の値に相当する情報を電流として出力する電流源CSを1個有し、2ビット目の値に相当する情報を電流として出力する電流源CSを2個有し、Kビット目の値に相当する情報を電流として出力する電流源CSを2K-1個有している。
図2Aにおいて、それぞれの電流源CSは、端子T1と、端子T2と、を有する。それぞれの電流源CSの端子T1は、回路SWS1が有するトランジスタF3の第2端子に電気的に接続されている。また、1個の電流源CSの端子T2は配線DW[1]に電気的に接続され、2個の電流源CSの端子T2のそれぞれは配線DW[2]に電気的に接続され、2K-1個の電流源CSの端子T2のそれぞれは配線DW[K]に電気的に接続されている。
回路WCSaが有する複数の電流源CSは、それぞれ同一の定電流IWutを端子T1から出力する機能を有する。なお、実際には、演算回路MAC1の作製段階において、それぞれの電流源CSに含まれているトランジスタの電気特性のバラツキによって誤差が現れることがある。そのため、複数の電流源CSの端子T1のそれぞれから出力される定電流IWutの誤差は10%以内が好ましく、5%以内であることがより好ましく、1%以内であることがより好ましい。なお、本実施の形態では、回路WCSaに含まれている複数の電流源CSの端子T1から出力される定電流IWutの誤差は無いものとして説明する。
配線DW[1]乃至配線DW[K]は、電気的に接続されている電流源CSから定電流IWutを出力するための制御信号を送信する配線として機能する。具体的には、例えば、配線DW[1]に高レベル電位が与えられているとき、配線DW[1]に電気的に接続されている電流源CSは、定電流としてIWutをトランジスタF3の第2端子に流し、また、配線DW[1]に低レベル電位が与えられているとき、配線DW[1]に電気的に接続されている電流源CSは、IWutを出力しない。また、例えば、配線DW[2]に高レベル電位が与えられているとき、配線DW[2]に電気的に接続されている2個の電流源CSは、合計2IWutの定電流をトランジスタF3の第2端子に流し、また、配線DW[2]に低レベル電位が与えられているとき、配線DW[2]に電気的に接続されている電流源CSは、合計2IWutの定電流を出力しない。また、例えば、配線DW[K]に高レベル電位が与えられているとき、配線DW[K]に電気的に接続されている2K-1個の電流源CSは、合計2K-1IWutの定電流をトランジスタF3の第2端子に流し、また、配線DW[K]に低レベル電位が与えられているとき、配線DW[K]に電気的に接続されている電流源CSは、合計2K-1IWutの定電流を出力しない。
配線DW[1]に電気的に接続されている1個の電流源CSが流す電流量は、1ビット目の値に相当し、配線DW[2]に電気的に接続されている2個の電流源CSが流す電流量は、2ビット目の値に相当し、配線DW[K]に電気的に接続されているK個の電流源CSが流す電流量は、Kビット目の値に相当する。ここで、Kを2とした場合の回路WCSaを考える。例えば、1ビット目の値が“1”、2ビット目の値が“0”とき、配線DW[1]には高レベル電位が与えられ、配線DW[2]には低レベル電位が与えられる。このとき、回路WCSaから、回路SWS1のトランジスタF3の第2端子に定電流としてIWutが流れる。また、例えば、1ビット目の値が“0”、2ビット目の値が“1”のとき、配線DW[1]には低レベル電位が与えられ、配線DW[2]には高レベル電位が与えられる。このとき、回路WCSaから、回路SWS1のトランジスタF3の第2端子に定電流として2IWutが流れる。また、例えば、1ビット目の値が“1”、2ビット目の値が“1”のとき、配線DW[1]及び配線DW[2]には高レベル電位が与えられる。このとき、回路WCSaから、回路SWS1のトランジスタF3の第2端子に定電流として3IWutが流れる。また、例えば、1ビット目の値が“0”、2ビット目の値が“0”のとき、配線DW[1]及び配線DW「2」には低レベル電位が与えられる。このとき、回路WCSaから、回路SWS1のトランジスタF3の第2端子に定電流は流れない。
なお、図2AではKが3以上の整数である場合の回路WCSaを図示しているが、Kが1である場合は、図2Aの回路WCSaを、配線DW[2]乃至配線DW[K]に電気的に接続されている電流源CSを設けない構成にすればよい。また、Kが2である場合は、図2Aの回路WCSaを、配線DW[3]乃至配線DW[K]に電気的に接続されている電流源CSを設けない構成にすればよい。
次に、電流源CSの具体的な構成例について説明する。
図3Aに示す電流源CS1は、図2Aの回路WCSaに含まれる電流源CSに適用できる回路であって、電流源CS1は、トランジスタTr1と、トランジスタTr2と、を有する。
トランジスタTr1の第1端子は、配線VDDLに電気的に接続され、トランジスタTr1の第2端子は、トランジスタTr1のゲートと、トランジスタTr1のバックゲートと、トランジスタTr2の第1端子と、に電気的に接続されている。トランジスタTr2の第2端子は、端子T1に電気的に接続され、トランジスタTr2のゲートは、端子T2に電気的に接続されている。また、端子T2は、配線DWに電気的に接続されている。
配線DWは、図2Aの配線DW[1]乃至配線DW[n]のいずれか一である。
配線VDDLは、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位とすることができる。
配線VDDLが与える定電圧を高レベル電位としたとき、トランジスタTr1の第1端子には高レベル電位が入力される。また、トランジスタTr1の第2端子の電位は、当該高レベル電位よりも低い電位とする。このとき、トランジスタTr1の第1端子はドレインとして機能し、トランジスタTr1の第2端子はソースとして機能する。また、トランジスタTr1のゲートと、トランジスタTr1の第2端子と、は、電気的に接続されているため、トランジスタTr1のゲート-ソース間電圧は0Vとなる。このため、トランジスタTr1のしきい値電圧が適切な範囲内である場合、トランジスタTr1の第1端子-第2端子間には、サブスレッショルド領域の電流範囲の電流(ドレイン電流)が流れる。当該電流の量としては、トランジスタTr1がOSトランジスタである場合、例えば、1.0×10-8A以下であることが好ましく、また、1.0×10-12A以下であることがより好ましく、また、1.0×10-15A以下であることがより好ましい。また、例えば、当該電流はゲート-ソース間電圧に対して指数関数的に増大する範囲内であることがより好ましい。つまり、トランジスタTr1は、サブスレッショルド領域で動作するときの電流範囲の電流を流すための電流源として機能する。なお、当該電流は上述したIWut、又は後述するIXutに相当する。
トランジスタTr2は、スイッチング素子として機能する。ところで、トランジスタTr2の第1端子の電位がトランジスタTr2の第2端子の電位よりも高い場合、トランジスタTr2の第1端子はドレインとして機能し、トランジスタTr2の第2端子はソースとして機能する。また、トランジスタTr2のバックゲートと、トランジスタTr2の第2端子と、は、電気的に接続されているため、バックゲート-ソース間電圧は0Vとなる。このため、トランジスタTr2のしきい値電圧が適切な範囲内である場合、トランジスタTr2のゲートに高レベル電位が入力されることで、トランジスタTr2はオン状態となるものとし、トランジスタTr2のゲートに低レベル電位が入力されることで、トランジスタTr2はオフ状態となるものとする。具体的には、トランジスタTr2がオン状態のとき、上述したサブスレッショルド領域の電流範囲の電流がトランジスタTr1の第2端子から端子T1に流れ、トランジスタTr2がオフ状態のとき、当該電流はトランジスタTr1の第2端子から端子T1に流れないものとする。
なお、図2Aの回路WCSaに含まれる電流源CSに適用できる回路は、図3Aの電流源CS1に限定されない。例えば、電流源CS1は、トランジスタTr2のバックゲートとトランジスタTr2の第2端子とが電気的に接続されている構成となっているが、トランジスタTr2のバックゲートは別の配線に電気的に接続されている構成としてもよい。このような構成例を図3Bに示す。図3Bに示す電流源CS2は、トランジスタTr2のバックゲートが配線VTHLに電気的に接続されている構成となっている。電流源CS2は、配線VTHLが外部回路などと電気的に接続されることで、当該外部回路などによって配線VTHLに所定の電位を与えて、トランジスタTr2のバックゲートに当該所定の電位を与えることができる。これにより、トランジスタTr2のしきい値電圧を変動させることができる。特に、トランジスタTr2のしきい値電圧を高くすることによって、トランジスタTr2のオフ電流を小さくすることができる。
また、例えば、電流源CS1は、トランジスタTr1のバックゲートとトランジスタTr1の第2端子とが電気的に接続されている構成となっているが、トランジスタTr2のバックゲートと第2端子との間は容量によって電圧を保持する構成としてもよい。このような構成例を図3Cに示す。図3Cに示す電流源CS3は、トランジスタTr1、及びトランジスタTr2に加えて、トランジスタTr3と、容量C6と、を有する。電流源CS3は、トランジスタTr1の第2端子とトランジスタTr1のバックゲートとが容量C6を介して電気的に接続されている点と、トランジスタTr1のバックゲートとトランジスタTr3の第1端子とが電気的に接続されている点で電流源CS1と異なる。また、電流源CS3は、トランジスタTr3の第2端子が配線VTLに電気的に接続され、トランジスタTr3のゲートが配線VWLに電気的に接続されている構成となっている。電流源CS3は、配線VWLに高レベル電位を与えて、トランジスタTr3をオン状態にすることによって、配線VTLとトランジスタTr1のバックゲートとの間を導通状態にすることができる。このとき、配線VTLからトランジスタTr1のバックゲートに所定の電位を入力することができる。そして、配線VWLに低レベル電位を与えて、トランジスタTr3をオフ状態にすることによって、容量C6により、トランジスタTr1の第2端子とトランジスタTr1のバックゲートとの間の電圧を保持することができる。つまり、配線VTLがトランジスタTr1のバックゲートに与える電圧を定めることによって、トランジスタTr1のしきい値電圧を変動させることができ、かつトランジスタTr3と容量C6とによって、トランジスタTr1のしきい値電圧を固定することができる。
また、例えば、図2Aの回路WCSaに含まれる電流源CSに適用できる回路としては、図3Dに示す電流源CS4としてもよい。電流源CS4は、図3Cの電流源CS3において、トランジスタTr2のバックゲートをトランジスタTr2の第2端子でなく、配線VTHLに電気的に接続した構成となっている。つまり、電流源CS4は、図3Bの電流源CS2と同様に、配線VTHLが与える電位によって、トランジスタTr2のしきい値電圧を変動させることができる。
電流源CS4において、トランジスタTr1の第1端子-第2端子間に大きな電流が流れる場合、端子T1から電流源CS4の外部に当該電流を流すために、トランジスタTr2のオン電流を大きくする必要がある。この場合、電流源CS4は、配線VTHLに高レベル電位を与えて、トランジスタTr2のしきい値電圧を低くして、トランジスタTr2のオン電流を高くすることによって、トランジスタTr1の第1端子-第2端子間に流れる大きな電流を、端子T1から電流源CS4の外部に流すことができる。
図2Aの回路WCSaに含まれる電流源CSとして、図3A乃至図3Dに示した電流源CS1乃至電流源CS4を適用することによって、回路WCSaは、Kビットの第1データに応じた電流を出力することができる。また、当該電流の量は、例えば、トランジスタF1がサブスレッショルド領域で動作する範囲内における第1端子-第2端子間に流れる電流量とすることができる。
また、図2Aの回路WCSaとしては、図2Bに示す回路WCSaを適用してもよい。図2Bの回路WCSaは、配線DW[1]乃至配線DW[K]のそれぞれに、図3Aの電流源CSが1つずつ接続された構成となっている。また、トランジスタTr1[1]のチャネル幅をw[1]、トランジスタTr1[2]のチャネル幅をw[2]、トランジスタTr1[K]のチャネル幅をw[K]としたとき、それぞれのチャネル幅の比は、w[1]:w[2]:w[K]=1:2:2K-1となっている。サブスレッショルド領域で動作するトランジスタのソース-ドレイン間に流れる電流は、チャネル幅に比例するため、図2Bに示す回路WCSaは、図2Aの回路WCSaと同様に、Kビットの第1データに応じた電流を出力することができる。
なお、トランジスタTr1(トランジスタTr1[1]乃至トランジスタTr2[K]を含む)、トランジスタTr2(トランジスタTr2[1]乃至トランジスタTr2[K]を含む)、及びトランジスタTr3は、例えば、トランジスタF1、及び/又はトランジスタF2に適用できるトランジスタを用いることができる。特に、トランジスタTr1(トランジスタTr1[1]乃至トランジスタTr2[K]を含む)、トランジスタTr2(トランジスタTr2[1]乃至トランジスタTr2[K]を含む)、及びトランジスタTr3としては、OSトランジスタを用いることが好ましい。
次に、回路XCSの具体例について説明する。
図2Cは、回路XCSの一例を示したブロック図である。なお、図2Cには、回路XCSの周辺の回路との電気的な接続を示すため、配線XCLも図示している。
回路XCSは、例えば、配線XCLの数だけ回路XCSaを有する。つまり、回路XCSは、回路XCSaをm個有する。
このため、図2Cに示す配線XCLは、図1の演算回路MAC1に含まれている配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のいずれか一とすることができる。したがって、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれには、別々の回路XCSaが電気的に接続されている。
図2Cに示す回路XCSaは、一例として、スイッチSWXを有する。スイッチSWXの第1端子は、配線XCLに電気的に接続され、スイッチSWXの第2端子は、配線VINIL2に電気的に接続されている。配線VINIL2は、配線XCLに初期化用の電位を与える配線として機能し、初期化用の電位としては、接地電位(GND)、低レベル電位、高レベル電位などとすることができる。また、配線VINIL2が与える初期化用の電位は、配線VINIL1が与える電位と等しくしてもよい。なお、スイッチSWXは、配線XCLに初期化用の電位を与えるときのみオン状態となり、それ以外のときはオフ状態となるものとする。
スイッチSWXとしては、例えば、スイッチSWWに適用できるスイッチとすることができる。
また、図2Cの回路XCSaの回路構成は、図3Aの回路WCSaとほぼ同様の構成にすることができる。具体的には、回路XCSaは、参照データを電流量として出力する機能と、Lビット(2L値)(Lは1以上の整数)の第2データを電流量として出力する機能と、を有し、この場合、回路XCSaは、2L-1個の電流源CSを有する。なお、回路XCSaは、1ビット目の値に相当する情報を電流として出力する電流源CSを1個有し、2ビット目の値に相当する情報を電流として出力する電流源CSを2個有し、Lビット目の値に相当する情報を電流として出力する電流源CSを2L-1個有している。
ところで、回路XCSaが電流として出力する参照データとしては、例えば、1ビット目の値が“1”、2ビット目以降の値が“0”の情報とすることができる。
図2Cにおいて、1個の電流源CSの端子T2は配線DX[1]に電気的に接続され、2個の電流源CSの端子T2のそれぞれは配線DX[2]に電気的に接続され、2L-1個の電流源CSの端子T2のそれぞれは配線DX[L]に電気的に接続されている。
回路XCSaが有する複数の電流源CSは、それぞれ同一の定電流としてIXutを端子T1から出力する機能を有する。また、配線DX[1]乃至配線DX[L]は、電気的に接続されている電流源CSからIXutを出力するための制御信号を送信する配線として機能する。つまり、回路XCSaは、配線DX[1]乃至配線DX[L]から送られるLビットの情報に応じた電流量を、配線XCLに流す機能を有する。
具体的には、ここで、Lを2とした場合の回路XCSaを考える。例えば、1ビット目の値が“1”、2ビット目の値が“0”とき、配線DX[1]には高レベル電位が与えられ、配線DX[2]には低レベル電位が与えられる。このとき、回路XCSaから、配線XCLに定電流としてIXutが流れる。また、例えば、1ビット目の値が“0”、2ビット目の値が“1”のとき、配線DX[1]には低レベル電位が与えられ、配線DX[2]には高レベル電位が与えられる。このとき、回路XCSaから、配線XCLに定電流として2IXutが流れる。また、例えば、1ビット目の値が“1”、2ビット目の値が“1”のとき、配線DX[1]及び配線DX[2]には高レベル電位が与えられる。このとき、回路XCSaから、配線XCLに定電流として3IXutが流れる。また、例えば、1ビット目の値が“0”、2ビット目の値が“0”のとき、配線DX[1]及び配線DX[2]には低レベル電位が与えられる。このとき、回路XCSaから、配線XCLに定電流は流れない。なお、このとき、本明細書などにおいて、回路XCSaから配線XCLに電流量0の電流が流れると言い換える場合がある。また、回路XCSaが出力する電流量0、IXut、2IXut、3IXutなどは、回路XCSaが出力する第2データとすることができ、特に、回路XCSaが出力する電流量IXutは、回路XCSaが出力する参照データとすることができる。
なお、回路XCSaが有する、それぞれの電流源CSに含まれているトランジスタの電気特性のバラツキによって誤差が生じている場合、複数の電流源CSの端子T1のそれぞれから出力される定電流IXutの誤差は10%以内が好ましく、5%以内であることがより好ましく、1%以内であることがより好ましい。なお、本実施の形態では、回路XCSaに含まれている複数の電流源CSの端子T1から出力される定電流IXutの誤差は無いものとして説明する。
また、回路XCSaの電流源CSとしては、回路WCSaの電流源CSと同様に、図3A乃至図3Dの電流源CS1乃至電流源CS4のいずれかを適用することができる。この場合、図3A乃至図3Dに図示している配線DWを配線DXに置き換えればよい。これにより、回路XCSaは、参照データ、又はLビットの第2データとして、サブスレッショルド領域の電流範囲の電流を配線XCLに流すことができる。
また、図2Cの回路XCSaとしては、図2Bに示す回路WCSaと同様の回路構成を適用することができる。この場合、図2Bに示す回路WCSaを回路XCSaに置き換え、配線DW[1]を配線DX[1]に置き換え、配線DW[2]を配線DX[2]に置き換え、配線DW[K]を配線DX[L]に置き換え、スイッチSWWをスイッチSWXに置き換え、配線VINIL1を配線VINIL2に置き換えて考えればよい。
<<変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]>>
ここでは、図1の演算回路MAC1に含まれる変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]に適用できる回路の具体例について説明する。
図4Aに示す変換回路ITRZ1は、図1の変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]に適用できる回路の一例である。なお、図4Aには、変換回路ITRZ1の周辺の回路との電気的な接続を示すため、回路SWS2、配線WCL、配線SWL2、トランジスタF4も図示している。また、配線WCLは、図1の演算回路MAC1に含まれている配線WCL[1]乃至配線WCL[n]のいずれか一であり、トランジスタF4は、図1の演算回路MAC1に含まれているトランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]のいずれか一である。
図4Aの変換回路ITRZ1は、トランジスタF4を介して配線WCLに電気的に接続されている。また、変換回路ITRZ1は、配線OLに電気的に接続されている。変換回路ITRZ1は、変換回路ITRZ1から配線WCLに流れる電流量、又は配線WCLから変換回路ITRZ1に流れる電流量をアナログ電圧に変換して、配線OLに当該アナログ電圧を出力する機能を有する。つまり、変換回路ITRZ1は、電流電圧変換回路を有する。
図4Aの変換回路ITRZ1は、一例として、抵抗R5と、オペアンプOP1と、を有する。
オペアンプOP1の反転入力端子は、抵抗R5の第1端子と、トランジスタF4の第2端子と、に電気的に接続されている。オペアンプOP1の非反転入力端子は、配線VRLに電気的に接続されている。オペアンプOP1の出力端子は、抵抗R5の第2端子と、配線OLに電気的に接続されている。
配線VRLは、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、接地電位(GND)、低レベル電位などとすることができる。
変換回路ITRZ1は、図4Aの構成にすることによって、配線WCLから、トランジスタF4を介して、変換回路ITRZ1に流れる電流量、又は、変換回路ITRZ1から、トランジスタF4を介して、配線WCLに流れる電流量を、アナログ電圧に変換して配線OLに出力することができる。
特に、配線VRLが与える定電圧を接地電位(GND)とすることによって、オペアンプOP1の反転入力端子は仮想接地となるため、配線OLに出力されるアナログ電圧は接地電位(GND)を基準とした電圧とすることができる。
また、図4Aの変換回路ITRZ1は、アナログ電圧を出力する構成となっているが、図1の変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]に適用できる回路構成は、これに限定されない。例えば、変換回路ITRZ1は、図4Bに示すとおり、アナログデジタル変換回路ADCを有する構成としてもよい。具体的には、図4Bの変換回路ITRZ2は、アナログデジタル変換回路ADCの入力端子がオペアンプOP1の出力端子と、抵抗R5の第2端子と、に電気的に接続され、アナログデジタル変換回路ADCの出力端子が配線OLに電気的に接続されている構成となっている。このような構成にすることによって、図4Bの変換回路ITRZ2は、配線OLにデジタル信号を出力することができる。
また、変換回路ITRZ2において、配線OLに出力されるデジタル信号を1ビット(2値)とする場合、変換回路ITRZ2は、図4Cに示す変換回路ITRZ3に置き換えてもよい。図4Cの変換回路ITRZ3は、図4Aの変換回路ITRZ1にコンパレータCMP1を設けた構成となっている。具体的には、変換回路ITRZ3は、コンパレータCMP1の第1入力端子がオペアンプOP1の出力端子と、抵抗R5の第2端子と、に電気的に接続され、コンパレータCMP1の第2入力端子が配線VRL2に電気的に接続され、コンパレータCMP1の出力端子が配線OLに電気的に接続されている構成となっている。配線VRL2は、コンパレータCMP1の第1端子の電位と比較するための電位を与える配線として機能する。このような構成にすることによって、図4Cの変換回路ITRZ3は、電流電圧変換回路によってトランジスタF4のソース-ドレイン間に流れる電流量から変換された電圧と、配線VRL2が与える電圧と、の大小に応じて、配線OLに低レベル電位又は高レベル電位(2値のデジタル信号)を出力することができる。
また、図1の演算回路MAC1に適用できる変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]は、変換回路ITRZ1乃至変換回路ITRZ3に限定されない。例えば、階層型のニューラルネットワークの演算として、演算回路MAC1を用いる場合、変換回路ITRZ1乃至変換回路ITRZ3には、関数系の演算回路を有することが好ましい。また、関数系の演算回路としては、シグモイド関数、tanh関数、ソフトマックス関数、ReLU関数、しきい値関数などの演算回路とすることができる。
なお、本発明の一態様は、本実施の形態で述べた演算回路MAC1の回路構成に限定されない。演算回路MAC1は、状況に応じて、回路構成を変更することができる。例えば、演算回路MAC1は、図5に示す演算回路MAC1Aの通り、回路SWS1を設けない構成に変更してもよい。演算回路MAC1の場合、回路SWS1によって、回路WCSから配線WCL[1]乃至配線WCL[n]に流れる電流を停止することができるが、演算回路MAC1Aの場合、回路WCSによって、回路WCSから配線WCL[1]乃至配線WCL[n]に流れる電流を停止すればよい。具体的には、例えば、演算回路MAC1Aの回路WCSに含まれる回路WCSaとして図2Aの回路WCSaを適用し、電流源CSとして図3Aの電流源CS1を適用したとき、配線DW[1]乃至配線DW[K]のそれぞれに低レベル電位を入力し、かつスイッチSWWをオフ状態にすればよい。回路WCSaをこのように動作させることで、回路WCSから配線WCL[1]乃至配線WCL[n]に流れる電流を停止することができる。このように、回路WCSから配線WCL[1]乃至配線WCL[n]に流れる電流を停止することにより、演算回路MAC1の代わりに演算回路MAC1Aを用いて演算を行うことができる。
<演算回路の動作例1>
次に、演算回路MAC1の動作例について説明する。
図6に演算回路MAC1の動作例のタイミングチャートを示す。図6のタイミングチャートは、時刻T11から時刻T23までの間、及びそれらの近傍における、配線SWL1、配線SWL2、配線WSL[i](iは1以上m-1以下の整数とする)、配線WSL[i+1]、配線XCL[i]、配線XCL[i+1]、ノードNN[i,j](jは1以上n-1以下の整数とする)、ノードNN[i+1,j]、ノードNNref[i]、ノードNNref[i+1]の電位の変動を示している。更に、図6のタイミングチャートには、セルIM[i,j]に含まれているトランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量IF2[i,j]と、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF2mの第1端子-第2端子間に流れる電流量IF2m[i]と、セルIM[i+1,j]に含まれているトランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量IF2[i+1,j]と、セルIMref[i+1]に含まれているトランジスタF2mの第1端子-第2端子間に流れる電流量IF2m[i+1]と、のそれぞれの変動についても示している。
なお、演算回路MAC1の回路WCSとしては、図2Aの回路WCSを適用し、演算回路MAC1の回路XCSとしては、図2Cの回路XCSを適用するものとする。
なお、本動作例において、配線VEの電位は接地電位GNDとする。また、時刻T11より前では、初期設定として、ノードNN[i,j]、ノードNN[i+1,j]、ノードNNref[i]、及びノードNNref[i+1]のそれぞれの電位を、接地電位GNDにしているものとする。具体的には、例えば、図2Aの配線VINIL1の初期化用の電位を接地電位GNDとし、スイッチSWW、トランジスタF3、及びセルIM[i,j]、セルIM[i+1,j]に含まれているそれぞれのトランジスタF1をオン状態にすることによって、ノードNN[i,j]、ノードNN[i+1,j]の電位を接地電位GNDにすることができる。また、例えば、図2Cの配線VINIL2の初期化用の電位を接地電位GNDとし、スイッチSWX、及びセルIMref[i,j]、セルIMref[i+1,j]に含まれているそれぞれのトランジスタF1mをオン状態にすることによって、ノードNNref[i,j]、ノードNNref[i+1,j]の電位を接地電位GNDにすることができる。
<<時刻T11から時刻T12まで>>
時刻T11から時刻T12までの間において、配線SWL1に高レベル電位(図6ではHighと表記している)が印加され、配線SWL2に低レベル電位(図6ではLowと表記している)が印加されている。これにより、トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]のそれぞれのゲートに高レベル電位が印加されて、トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]のそれぞれがオン状態となり、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]のそれぞれのゲートに低レベル電位が印加されて、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]のそれぞれがオフ状態となる。
また、時刻T11から時刻T12までの間では、配線WSL[i]、配線WSL[i+1]には低レベル電位が印加されている。これにより、セルアレイCAのi行目のセルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]に含まれているトランジスタF1のゲートと、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF1mのゲートと、に低レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタF1とトランジスタF1mとがオフ状態となる。また、セルアレイCAのi+1行目のセルIM[i+1,1]乃至セルIM[i+1,n]に含まれているトランジスタF1のゲートと、セルIMref[i+1]に含まれているトランジスタF1mのゲートと、に低レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタF1とトランジスタF1mとがオフ状態となる。
また、時刻T11から時刻T12までの間では、配線XCL[i]、及び配線XCL[i+1]には接地電位GNDが印加されている。具体的には、例えば、図2Cに記載の配線XCLが配線XCL[i]、配線XCL[i+1]のそれぞれである場合において、配線VINIL2の初期化用の電位を接地電位GNDとし、スイッチSWXをオン状態にすることにより、配線XCL[i]、及び配線XCL[i+1]の電位を接地電位GNDにすることができる。
また、時刻T11から時刻T12までの間では、別々のトランジスタF3を介して、配線WCL[1]乃至配線WCL[n]に電気的に接続されている、それぞれの図2Aの回路WCSaにおいて、配線DW[1]乃至配線DW[K]には第1データが入力されていない。この場合、図2Aの回路WCSaにおいて、配線DW[1]乃至配線DW[K]のそれぞれには低レベル電位が入力されているものとする。また、時刻T11から時刻T12までの間では、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に電気的に接続されている、それぞれの図2Cの回路XCSaにおいて、配線DX[1]乃至配線DX[L]には第2データが入力されていない。この場合、図2Cの回路XCSaにおいて、配線DX[1]乃至配線DX[L]のそれぞれには低レベル電位が入力されているものとする。
また、時刻T11から時刻T12までの間では、配線WCL[j]、配線XCL[i]、配線XCL[i+1]には電流が流れない。そのため、IF2[i,j]、IF2m[i]、IF2[i+1,j]、IF2m[i+1]は0となる。
<<時刻T12から時刻T13まで>>
時刻T12から時刻T13までの間において、配線WSL[i]に高レベル電位が印加される。これにより、セルアレイCAのi行目のセルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]に含まれているトランジスタF1のゲートと、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF1mのゲートと、に高レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタF1とトランジスタF1mとがオン状態になる。また、時刻T12から時刻T13までの間において、配線WSL[i]を除く配線WSL[1]乃至配線WSL[m]には低レベル電位が印加されており、セルアレイCAのi行目以外のセルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]に含まれているトランジスタF1と、i行目以外のセルIMref[1]乃至セルIMref[m]に含まれているトランジスタF1mは、オフ状態になっているものとする。
更に、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]には時刻T12以前から引き続き接地電位GNDが印加されている。
<<時刻T13から時刻T14まで>>
時刻T13から時刻T14までの間において、回路WCSから、トランジスタF3[j]を介してセルアレイCAに第1データとして電流量I0[i,j]の電流が流れる。具体的には、図2Aに記載の配線WCLが配線WCL[j]である場合において、配線DW[1]乃至配線DW[K]のそれぞれに第1データに応じた信号が入力されることによって、回路WCSaからトランジスタF3[j]の第2端子に電流I0[i,j]が流れる。つまり、第1データとして入力されたKビットの信号の値をα[i,j](α[i,j]を0以上2K-1以下の整数とする)としたとき、I0[i,j]=α[i,j]×IWutとなる。
なお、α[i,j]が0のとき、I0[i,j]=0となるので、厳密には、回路WCSaから、トランジスタF3[j]を介してセルアレイCAに電流は流れないが、本明細書などでは、「I0[i,j]=0の電流が流れる」などと記載する場合がある。
時刻T13から時刻T14までの間において、セルアレイCAのi行目のセルIM[i,j]に含まれているトランジスタF1の第1端子と配線WCL[j]との間が導通状態となっており、かつセルアレイCAのi行目以外のセルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]に含まれているトランジスタF1の第1端子と配線WCL[j]との間が非導通状態となっているので、配線WCL[j]からセルIM[i,j]に電流量I0[i,j]の電流が流れる。
ところで、セルIM[i,j]に含まれているトランジスタF1がオン状態になることによって、セルIM[i,j]に含まれているトランジスタF2はダイオード接続の構成となる。そのため、配線WCL[j]からセルIM[i,j]に電流が流れるとき、トランジスタF2のゲートと、トランジスタF2の第2端子と、のそれぞれの電位はほぼ等しくなる。当該電位は、配線WCL[j]からセルIM[i,j]に流れる電流量とトランジスタF2の第1端子の電位(ここではGND)などによって定められる。本動作例では、配線WCL[j]からセルIM[i,j]に電流量I0[i,j]の電流が流れることによって、トランジスタF2のゲート(ノードNN[i,j])の電位は、Vg[i,j]になるものとする。つまり、トランジスタF2において、ゲート-ソース間電圧がVg[i,j]-GNDとなり、トランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流として、電流量I0[i,j]が設定される。
ここで、トランジスタF2のしきい値電圧をVth[i,j]としたとき、トランジスタF2がサブスレッショルド領域で動作する場合の電流量I0[i,j]は次の式の通りに記述できる。
なお、IaはVg[i,j]がVth[i,j]であるときのドレイン電流であって、Jは温度、デバイス構造などによって定められる補正係数である。
また、時刻T13から時刻T14までの間において、回路XCSから、配線XCL[i]に、参照データとして電流量Iref0の電流が流れる。具体的には、図2Cに記載の配線XCLが配線XCL[i]である場合において、配線DX[1]に高レベル電位、配線DX[2]乃至配線DX[K]のそれぞれに低レベル電位が入力されて、回路XCSaから配線XCL[i]に電流Iref0が流れる。つまり、Iref0=IXutとなる。
時刻T13から時刻T14までの間において、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF1mの第1端子と配線XCL[i]との間が導通状態となっているので、配線XCL[i]からセルIMref[i]に電流量Iref0の電流が流れる。
セルIM[i,j]と同様に、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF1mがオン状態になることによって、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF2mはダイオード接続の構成となる。そのため、配線XCL[i]からセルIMref[i]に電流が流れるとき、トランジスタF2mのゲートと、トランジスタF2mの第2端子と、のそれぞれの電位はほぼ等しくなる。当該電位は、配線XCL[i]からセルIMref[i]に流れる電流量とトランジスタF2mの第1端子の電位(ここではGND)などによって定められる。本動作例では、配線XCL[i]からセルIMref[i]に電流量Iref0の電流が流れることによって、トランジスタF2のゲート(ノードNNref[i])はVgm[i]になるものとし、また、このときの配線XCL[i]の電位もVgm[i]とする。つまり、トランジスタF2mにおいて、ゲート-ソース間電圧がVgm[i]-GNDとなり、トランジスタF2mの第1端子-第2端子間に流れる電流として、電流量Iref0が設定される。
ここで、トランジスタF2mのしきい値電圧をVthm[i]としたとき、トランジスタF2mがサブスレッショルド領域で動作する場合の電流量Iref0は次の式の通りに記述できる。なお、補正係数Jは、セルIM[i,j]に含まれているトランジスタF2と同一とする。例えば、トランジスタのデバイス構造、サイズ(チャネル長、チャネル幅)を同一とする。また、製造上のばらつきにより、各トランジスタの補正係数Jはばらつくが、後述の議論が実用上十分な精度で成り立つ程度にばらつきが抑えられているものとする。
ここで、第1データである重み係数w[i,j]を次の通りに定義する。
したがって、式(1.1)は、次の式に書き換えることができる。
なお、図2Aの回路WCSaの電流源CSが出力する電流IWutと、図2Cの回路XCSaの電流源CSが出力する電流IXutと、が等しい場合、w[i,j]=α[i,j]となる。つまり、IWutと、IXutと、が等しい場合、α[i,j]は、第1データの値に相当するため、IWutと、IXutと、は互いに等しいことが好ましい。
<<時刻T14から時刻T15まで>>
時刻T14から時刻T15までの間において、配線WSL[i]に低レベル電位が印加される。これにより、セルアレイCAのi行目のセルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]に含まれているトランジスタF1のゲートと、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF1mのゲートと、に低レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタF1とトランジスタF1mとがオフ状態となる。
セルIM[i,j]に含まれているトランジスタF1がオフ状態になることによって、容量C5には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[i,j])の電位と、配線XCL[i]の電位と、の差であるVg[i,j]-Vgm[i]が保持される。また、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF1がオフ状態になることによって、容量C5mには、トランジスタF2mのゲート(ノードNNref[i])の電位と、配線XCL[i]の電位と、の差である0が保持される。なお、容量C5mが保持する電圧は、時刻T13から時刻T14の動作においてトランジスタF1m、トランジスタF2mのトランジスタ特性などに応じて0ではない電圧(ここでは、例えば、Δとする)となる場合もある。この場合、ノードNNref[i]の電位は、配線XCL[i]の電位にΔを加えた電位として考えればよい。
<<時刻T15から時刻T16まで>>
時刻T15から時刻T16までの間において、配線XCL[i]にGNDが印加される。具体的には、例えば、図2Cに記載の配線XCLが配線XCL[i]である場合において、配線VINIL2の初期化用の電位を接地電位GNDとし、スイッチSWXをオン状態にすることにより、配線XCL[i]の電位を接地電位GNDにすることができる。
このため、i行目のセルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]のそれぞれに含まれている容量C5による容量結合によってノードNN[i,1]乃至ノードNN[i,n]の電位が変化し、セルIMref[i]に含まれている容量C5mによる容量結合によってノードNNref[i]の電位が変化する。
ノードNN[i,1]乃至ノードNN[i,n]の電位の変化量は、配線XCL[i]の電位の変化量に、セルアレイCAに含まれているそれぞれのセルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]の構成によって決まる容量結合係数を乗じた電位となる。該容量結合係数は、容量C5の容量、トランジスタF2のゲート容量、寄生容量などによって算出される。セルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]のそれぞれにおいて、容量C5による容量結合係数をpとしたとき、セルIM[i,j]のノードNN[i,j]の電位は、時刻T14から時刻T15までの間の時点おける電位から、p(Vgm[i]-GND)低下する。
同様に、配線XCL[i]の電位が変化することによって、セルIMref[i]に含まれている容量C5mによる容量結合によって、ノードNNref[i]の電位も変化する。容量C5mによる容量結合係数を、容量C5と同様にpとしたとき、セルIMref[i]のノードNNref[i]の電位は、時刻T14から時刻T15までの間の時点おける電位から、p(Vgm[i]-GND)低下する。
これによって、セルIM[i,j]のノードNN[i,j]の電位が低下するため、トランジスタF2はオフ状態となり、同様に、セルIMref[i]のノードNNref[i]の電位が低下するため、トランジスタF2mもオフ状態となる。そのため、時刻T15から時刻T16までの間において、IF2[i,j]、IF2m[i]のそれぞれは0となる。なお、図6のタイミングチャートの時刻T14から時刻T15までの間では、ノードNN[i,j]の電位は、接地電位GNDよりも低くなっているが、トランジスタF2がオフ状態になるのであれば、接地電位GND以上の電位となってもよい。また、ノードNNref[i]の電位は、接地電位GNDとなっているが(つまり、p=1となっているが)、トランジスタF2mがオフ状態になるのであれば、接地電位GNDよりも高い電位又は接地電位GNDよりも低い電位となってもよい。
<<時刻T16から時刻T17まで>>
時刻T16から時刻T17までの間において、配線WSL[i+1]に高レベル電位が印加される。これにより、セルアレイCAのi+1行目のセルIM[i+1,1]乃至セルIM[i+1,n]に含まれているトランジスタF1のゲートと、セルIMref[i+1]に含まれているトランジスタF1mのゲートと、に高レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタF1とトランジスタF1mとがオン状態となる。また、時刻T16から時刻T17までの間において、配線WSL[i+1]を除く配線WSL[1]乃至配線WSL[m]には低レベル電位が印加されており、セルアレイCAのi+1行目以外のセルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]に含まれているトランジスタF1と、i+1行目以外のセルIMref[1]乃至セルIMref[m]に含まれているトランジスタF1mは、オフ状態になっているものとする。
更に、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]には時刻T16以前から引き続き接地電位GNDが印加されている。
<<時刻T17から時刻T18まで>>
時刻T17から時刻T18までの間において、回路WCSから、トランジスタF3[j]を介してセルアレイCAに第1データとして電流量I0[i+1,j]の電流が流れる。具体的には、図2Aに記載の配線WCLが配線WCL[j+1]である場合において、配線DW[1]乃至配線DW[K]のそれぞれに第1データに応じた信号が入力されることによって、回路WCSaからトランジスタF3[j]の第2端子に電流I0[i+1,j]が流れる。つまり、第1データとして入力されたKビットの信号の値をα[i+1,j](α[i+1,j]は0以上2K-1以下の整数とする)としたとき、I0[i,j]=α[i+1,j]×IWutとなる。
なお、α[i+1,j]が0のとき、I0[i+1,j]=0となるので、厳密には、回路WCSaから、トランジスタF3[j]を介してセルアレイCAに電流は流れないが、本明細書などでは、I0[i,j]=0の場合と同様に、「I0[i+1,j]=0の電流が流れる」などと記載する場合がある。
このとき、セルアレイCAのi+1行目のセルIM[i+1,j]に含まれているトランジスタF1の第1端子と配線WCL[j]との間が導通状態となっており、かつセルアレイCAのi+1行目以外のセルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]に含まれているトランジスタF1の第1端子と配線WCL[j]との間が非導通状態となっているので、配線WCL[j]からセルIM[i+1,j]に電流量I0[i+1,j]の電流が流れる。
ところで、セルIM[i+1,j]に含まれているトランジスタF1がオン状態になることによって、セルIM[i+1,j]に含まれているトランジスタF2はダイオード接続の構成となる。そのため、配線WCL[j]からセルIM[i+1,j]に電流が流れるとき、トランジスタF2のゲートと、トランジスタF2の第2端子と、のそれぞれの電位はほぼ等しくなる。当該電位は、配線WCL[j]からセルIM[i+1,j]に流れる電流量とトランジスタF2の第1端子の電位(ここではGND)などによって定められる。本動作例では、配線WCL[j]からセルIM[i+1,j]に電流量I0[i+1,j]の電流が流れることによって、トランジスタF2のゲート(ノードNN[i+1,j])の電位は、Vg[i+1,j]になるものとする。つまり、トランジスタF2において、ゲート-ソース間電圧がVg[i+1,j]-GNDとなり、トランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流として、電流量I0[i+1,j]が設定される。
ここで、トランジスタF2のしきい値電圧をVth[i+1,j]としたとき、トランジスタF2がサブスレッショルド領域で動作する場合の電流量I0[i+1,j]は次の式の通りに記述できる。なお、補正係数は、セルIM[i,j]に含まれているトランジスタF2、セルIMref[i]に含まれているトランジスタF2mと同様のJとしている。
また、時刻T17から時刻T18までの間において、回路XCSから、配線XCL[i+1]に参照データとして電流量Iref0の電流が流れる。具体的には、時刻T13から時刻T14までの間と同様に、図2Cに記載の配線XCLが配線XCL[i+1]である場合において、配線DX[1]に高レベル電位、配線DX[2]乃至配線DX[K]のそれぞれに低レベル電位が入力されて、回路XCSaから配線XCL[i+1]に電流Iref0=IXutが流れる。
時刻T17から時刻T18までの間において、セルIMref[i+1]に含まれているトランジスタF1mの第1端子と配線XCL[i+1]との間が導通状態となるので、配線XCL[i+1]からセルIMref[i+1]に電流量Iref0の電流が流れる。
セルIM[i+1,j]と同様に、セルIMref[i+1]に含まれているトランジスタF1mがオン状態になることによって、セルIMref[i+1,j]に含まれているトランジスタF2mはダイオード接続の構成となる。そのため、配線XCL[i+1]からセルIMref[i+1]に電流が流れるとき、トランジスタF2mのゲートと、トランジスタF2mの第2端子と、のそれぞれの電位はほぼ等しくなる。当該電位は、配線XCL[i+1]からセルIMref[i+1]に流れる電流量とトランジスタF2mの第1端子の電位(ここではGND)などによって定められる。本動作例では、配線XCL[i+1]からセルIMref[i+1]に電流量Iref0の電流が流れることによって、トランジスタF2のゲート(ノードNNref[i+1])はVgm[i+1]になるものとし、また、このときの配線XCL[i+1]の電位もVgm[i+1]とする。つまり、トランジスタF2mにおいて、ゲート-ソース間電圧がVgm[i+1]-GNDとなり、トランジスタF2mの第1端子-第2端子間に流れる電流として、電流量Iref0が設定される。
ここで、トランジスタF2mのしきい値電圧をVthm[i+1,j]としたとき、トランジスタF2mがサブスレッショルド領域で動作する場合の電流量Iref0は次の式の通りに記述できる。なお、補正係数Jは、セルIM[i+1,j]に含まれているトランジスタF2と同一とする。
ここで、第1データである重み係数w[i+1,j]を次の通りに定義する。
したがって、式(1.5)は、次の式に書き換えることができる。
なお、図2Aの回路WCSaの電流源CSが出力する電流IWutと、図2Cの回路XCSaの電流源CSが出力する電流IXutと、が等しい場合、w[i+1,j]=α[i+1,j]となる。つまり、IWutと、IXutと、が等しい場合、α[i+1,j]は、第1データの値に相当するため、IWutと、IXutと、は互いに等しいことが好ましい。
<<時刻T18から時刻T19まで>>
時刻T18から時刻T19までの間において、配線WSL[i+1]に低レベル電位が印加される。これにより、セルアレイCAのi+1行目のセルIM[i+1,1]乃至セルIM[i+1,n]に含まれているトランジスタF1のゲートと、セルIMref[i+1]に含まれているトランジスタF1mのゲートと、に低レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタF1とトランジスタF1mとがオフ状態となる。
セルIM[i+1,j]に含まれているトランジスタF1がオフ状態になることによって、容量C5には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[i+1,j])の電位と、配線XCL[i+1]の電位と、の差であるVg[i+1,j]-Vgm[i+1]が保持される。また、セルIMref[i+1]に含まれているトランジスタF1がオフ状態になることによって、容量C5mには、トランジスタF2mのゲート(ノードNNref[i+1])の電位と、配線XCL[i+1]の電位と、の差である0が保持される。なお、容量C5mが保持する電圧は、時刻T18から時刻T19の動作においてトランジスタF1m、トランジスタF2mのトランジスタ特性などに応じて0ではない電圧(ここでは、例えば、Δとする)となる場合もある。この場合、ノードNNref[i+1]の電位は、配線XCL[i+1]の電位にΔを加えた電位として考えればよい。
<<時刻T19から時刻T20まで>>
時刻T19から時刻T20までの間において、配線XCL[i+1]に接地電位GNDが印加される。具体的には、例えば、図2Cに記載の配線XCLが配線XCL[i+1]である場合において、配線VINIL2の初期化用の電位を接地電位GNDとし、スイッチSWXをオン状態にすることにより、配線XCL[i+1]の電位を接地電位GNDにすることができる。
このため、i+1行目のセルIM[i+1,1]乃至セルIM[i+1,n]のそれぞれに含まれている容量C5による容量結合によってノードNN[i,1]乃至ノードNN[i+1,n]の電位が変化し、セルIMref[i+1]に含まれている容量C5mによる容量結合によってノードNNref[i+1]の電位が変化する。
ノードNN[i+1,1]乃至ノードNN[i+1,n]の電位の変化量は、配線XCL[i+1]の電位の変化量に、セルアレイCAに含まれているそれぞれのセルIM[i+1,1]乃至セルIM[i+1,n]の構成によって決まる容量結合係数を乗じた電位となる。該容量結合係数は、容量C5の容量、トランジスタF2のゲート容量、寄生容量などによって算出される。セルIM[i+1,1]乃至セルIM[i+1,n]のそれぞれにおいて、容量C5による容量結合係数を、セルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]のそれぞれにおける容量C5による容量結合係数と同様のpとしたとき、セルIM[i+1,j]のノードNN[i+1,j]の電位は、時刻T18から時刻T19までの間の時点おける電位から、p(Vgm[i+1]-GND)低下する。
同様に、配線XCL[i+1]の電位が変化することによって、セルIMref[i+1]に含まれている容量C5mによる容量結合によって、ノードNNref[i+1]の電位も変化する。容量C5mによる容量結合係数を、容量C5と同様にpとしたとき、セルIMref[i+1]のノードNNref[i+1]の電位は、時刻T18から時刻T19までの間の時点おける電位から、p(Vgm[i+1]-GND)低下する。
これによって、セルIM[i+1,j]のノードNN[i+1,j]の電位が低下するため、トランジスタF2はオフ状態となり、同様に、セルIMref[i+1]のノードNNref[i+1]の電位が低下するため、トランジスタF2mもオフ状態となる。そのため、時刻T19から時刻T20までの間において、IF2[i+1,j]、IF2m[i+1]のそれぞれは0となる。なお、図6のタイミングチャートの時刻T19から時刻T20までの間では、ノードNN[i+1,j]の電位は、接地電位GNDよりも低くなっているが、トランジスタF2がオフ状態になるのであれば、接地電位GND以上の電位となってもよい。また、ノードNNref[i+1]の電位は、接地電位GNDとなっているが(つまり、p=1となっているが)、トランジスタF2mがオフ状態になるのであれば、接地電位GNDよりも高い電位又は接地電位GNDよりも低い電位となってもよい。
<<時刻T20から時刻T21まで>>
時刻T20から時刻T21までの間において、配線SWL1に低レベル電位が印加されている。これにより、トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]のそれぞれのゲートに低レベル電位が印加されて、トランジスタF3[1]乃至トランジスタF3[n]のそれぞれがオフ状態となる。
<<時刻T21から時刻T22まで>>
時刻T21から時刻T22までの間において、配線SWL2に高レベル電位が印加されている。これにより、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]のそれぞれのゲートに高レベル電位が印加されて、トランジスタF4[1]乃至トランジスタF4[n]のそれぞれがオン状態となる。
<<時刻T22から時刻T23まで>>
時刻T22から時刻T23までの間において、回路XCSから、配線XCL[i]に第2データとして電流量Iref0のx[i]倍であるx[i]Iref0の電流が流れる。具体的には、例えば、図2Cに記載の配線XCLが配線XCL[i]である場合において、配線DX[1]乃至配線DX[K]のそれぞれに、x[i]の値に応じて、高レベル電位又は低レベル電位が入力されて、回路XCSaから配線XCL[i]に電流量としてx[i]Iref0=x[i]IXutが流れる。なお、本動作例では、x[i]は、第2データの値に相当する。このとき、配線XCL[i]の電位は、0からVgm[i]+ΔV[i]に変化するものとする。
配線XCL[i]の電位が変化することによって、セルアレイCAのi行目のセルIM[i,1]乃至セルIM[i,n]のそれぞれに含まれている容量C5による容量結合によって、ノードNN[i,1]乃至ノードNN[i,n]の電位も変化する。そのため、セルIM[i,j]のノードNN[i,j]の電位は、Vg[i,j]+pΔV[i]となる。
同様に、配線XCL[i]の電位が変化することによって、セルIMref[i]に含まれている容量C5mによる容量結合によって、ノードNNref[i]の電位も変化する。そのため、セルIMref[i]のノードNNref[i]の電位は、Vgm[i]+pΔV[i]となる。
これによって、時刻T22から時刻T23までの間において、トランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量I1[i,j]、トランジスタF2mの第1端子-第2端子間に流れる電流量Iref1[i,j]は、次の通りに記述できる。
式(1.9)、式(1.10)より、x[i]は次の式で表すことができる。
そのため、式(1.9)は、次の式に書き換えることができる。
つまり、セルIM[i,j]に含まれているトランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量は、第1データw[i,j]と、第2データx[i]と、の積に比例する。
また、時刻T22から時刻T23までの間において、回路XCSから、配線XCL[i+1]に第2データとして電流量Iref0のx[i+1]倍であるx[i+1]Iref0の電流が流れる。具体的には、例えば、図2Cに記載の配線XCLが配線XCL[i+1]である場合において、配線DX[1]乃至配線DX[K]のそれぞれに、x[i+1]の値に応じて、高レベル電位又は低レベル電位が入力されて、回路XCSaから配線XCL[i+1]に電流量としてx[i+1]Iref0=x[i+1]IXutが流れる。なお、本動作例では、x[i+1]は、第2データの値に相当する。このとき、配線XCL[i+1]の電位は、0からVgm[i+1]+ΔV[i+1]に変化するものとする。
配線XCL[i+1]の電位が変化することによって、セルアレイCAのi+1行目のセルIM[i+1,1]乃至セルIM[i+1,n]のそれぞれに含まれている容量C5による容量結合によって、ノードNN[i+1,1]乃至ノードNN[i+1,n]の電位も変化する。そのため、セルIM[i+1,j]のノードNN[i+1,j]の電位は、Vg[i+1,j]+pΔV[i+1]となる。
同様に、配線XCL[i+1]の電位が変化することによって、セルIMref[i+1]に含まれている容量C5mによる容量結合によって、ノードNNref[i+1]の電位も変化する。そのため、セルIMref[i+1]のノードNNref[i+1]の電位は、Vgm[i+1]+pΔV[i+1]となる。
これによって、時刻T22から時刻T23までの間において、トランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量I1[i+1,j]、トランジスタF2mの第1端子-第2端子間に流れる電流量Iref1[i+1,j]は、次の通りに記述できる。
式(1.13)、式(1.14)より、x[i+1]は次の式で表すことができる。
そのため、式(1.13)は、次の式に書き換えることができる。
つまり、セルIM[i+1,j]に含まれているトランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量は、第1データであるw[i+1,j]と、第2データであるx[i+1]と、の積に比例する。
ここで、変換回路ITRZ[j]から、トランジスタF4[j]と配線WCL[j]とを介して、セルIM[i,j]及びセルIM[i+1,j]に流れる電流量の総和を考える。当該電流量の総和をIS[j]とすると、IS[j]は、式(1.12)と式(1.16)より、次の式で表すことができる。
したがって、変換回路ITRZ[j]から出力される電流量は、第1データである重み係数w[i,j]及びw[i+1,j]と、第2データであるニューロンの信号の値x[i]及びx[i+1]と、の積和に比例した電流量となる。
なお、上述の動作例では、セルIM[i,j]、及びセルIM[i+1,j]に流れる電流量の総和について扱ったが、複数のセルとして、セルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]のそれぞれに流れる電流量の総和についても扱ってもよい。この場合、式(1.17)は、次の式に書き直すことができる。
このため、3行以上且つ2列以上のセルアレイCAを有する演算回路MAC1の場合でも、上記の通り、積和演算を行うことができる。この場合の演算回路MAC1は、複数列のうち1列を、電流量としてIref0、及びxIref0を保持するセルとすることで、複数列のうち残りの列の数だけ積和演算処理を同時に実行することができる。つまり、メモリセルアレイの列の数を増やすことで、高速な積和演算処理を実現する半導体装置を提供することができる。
なお、上述した演算回路MAC1の動作例は、正の第1データと正の第2データとの積和を演算する場合に好適である。なお、正又は負の第1データと、正の第2データとの積和を演算する動作例、また、正又は負の第1データと、正又は負の第2データと、の積和を演算する動作例については、実施の形態2で説明する。
また、本実施の形態では、演算回路MAC1に含まれているトランジスタをOSトランジスタ、又はSiトランジスタとした場合について説明したが、本発明の一態様は、これに限定されない。演算回路MAC1に含まれているトランジスタは、例えば、Geなどを活性層としたトランジスタ、ZnSe、CdS、GaAs、InP、GaN、SiGeなどの化合物半導体を活性層としたトランジスタ、カーボンナノチューブを活性層としたトランジスタ、有機半導体を活性層としたトランジスタ等を用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、正又は“0”の第1データと正又は“0”の第2データとの積和を行う演算回路、及びその動作例について説明したが、本実施の形態では、正、負、又は“0”の第1データと、正、又は“0”の第2データと、の積和演算、及び、正、負、又は“0”の第1データと、正、負、又は“0”の第2データと、の積和演算が可能な演算回路について説明する。
<演算回路の構成例1>
図7は、正、負、又は“0”の第1データと、正、又は“0”の第2データとの積和演算を行う演算回路の構成例を示している。図7に示す演算回路MAC2は、図1の演算回路MAC1を変更した構成となっている。そのため、演算回路MAC2の説明において、演算回路MAC1の説明と重複する部分については省略する。
図7に示すセルアレイCAは、1列にm個配置されているセルIMrefと、m×nのマトリクス状に配置されている回路CESと、有する。なお、図7では、セルIMref[1]と、セルIMref[m]と、回路CES[1,j]と、回路CES[m,j]と、を抜粋して図示している。回路CES[1,j]は、セルIM[1,j]と、セルIMr[1,j]と、を有し、回路CES[m,j]は、セルIM[m,j]と、セルIMr[m,j]と、を有する。また、本明細書等では、回路CES[1,j]乃至回路CES[m,j]、セルIM[1,j]、セルIMr[1,j]、セルIM[m,j]、セルIMr[m,j]などを説明する際、それぞれの符号に付記している[m,n]などを省略する場合がある。
セルIMは、図1の演算回路MAC1のセルアレイCAに含まれているセルIM[1,1]乃至セルIM[m,n]と同様の構成とすることができる。
また、セルIMrは、セルIMと同様の構成とすることができる。図7のセルIMrは、一例として、セルIMと同様の構成として図示している。また、セルIMとセルIMrとのそれぞれに含まれているトランジスタ、容量などを互いに区別できるように、セルIMrに含まれているトランジスタ、容量を示す符号には「r」を付している。
具体的には、セルIMrは、トランジスタF1rと、トランジスタF2rと、容量C5rと、を有する。なお、トランジスタF1rはセルIMのトランジスタF1に相当し、トランジスタF2rはセルIMのトランジスタF2に相当し、容量C5rはセルIMの容量C5に相当する。そのため、トランジスタF1rと、トランジスタF2rと、容量C5rと、のそれぞれの電気的な接続構成については、実施の形態1のIM[1,1]乃至セルIM[m,n]の説明を参酌する。
また、セルIMrにおいて、トランジスタF1rの第1端子と、トランジスタF2rのゲートと、容量C5rの第1端子と、の接続箇所をノードNNrとしている。
回路CES[1,j]において、容量C5の第2端子は、配線XCL[1]に電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[1]に電気的に接続され、トランジスタF1の第2端子とトランジスタF2の第2端子とは、配線WCL[j]に電気的に接続されている。また、容量C5rの第2端子は、配線XCL[1]に電気的に接続され、トランジスタF1rのゲートは、配線WSL[1]に電気的に接続され、トランジスタF1rの第2端子とトランジスタF2rの第2端子とは、配線WCLr[j]に電気的に接続されている。
同様に、回路CES[m,j]において、容量C5の第2端子は、配線XCL[m]に電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[m]に電気的に接続され、トランジスタF1の第2端子とトランジスタF2の第2端子とは、配線WCL[j]に電気的に接続されている。また、容量C5rの第2端子は、配線XCL[m]に電気的に接続され、トランジスタF1rのゲートは、配線WSL[m]に電気的に接続され、トランジスタF1rの第2端子とトランジスタF2rの第2端子とは、配線WCLr[j]に電気的に接続されている。
配線WCL[j]及び配線WCLr[j]のそれぞれは、実施の形態1で説明した配線WCL[1]乃至配線WCL[n]と同様に、一例として、回路WCSから回路CESに含まれているセルIMとセルIMrに電流を流す配線として機能する。また、一例として、変換回路ITRZD[j]から回路CESに含まれているセルIMとセルIMrに電流を流す配線として機能する。
また、図7の演算回路MAC2において、回路SWS1は、トランジスタF3[j]と、トランジスタF3r[j]と、を有する。トランジスタF3[j]の第1端子は、配線WCL[j]に電気的に接続され、トランジスタF3[j]の第2端子は、回路WCSに電気的に接続され、トランジスタF3[j]のゲートは、配線SWL1に電気的に接続されている。また、トランジスタF3r[j]の第1端子は、配線WCLr[j]に電気的に接続され、トランジスタF3r[j]の第2端子は、回路WCSに電気的に接続され、トランジスタF3r[j]のゲートは、配線SWL1に電気的に接続されている。
また、図7の演算回路MAC2において、回路SWS2は、トランジスタF4[j]と、トランジスタF4r[j]と、を有する。トランジスタF4[j]の第1端子は、配線WCL[j]に電気的に接続され、トランジスタF4[j]の第2端子は、変換回路ITRZD[j]に電気的に接続され、トランジスタF4[j]のゲートは、配線SWL2に電気的に接続されている。また、トランジスタF4r[j]の第1端子は、配線WCLr[j]に電気的に接続され、トランジスタF4r[j]の第2端子は、変換回路ITRZD[j]に電気的に接続され、トランジスタF4r[j]のゲートは、配線SWL2に電気的に接続されている。
変換回路ITRZD[j]は、演算回路MAC1における変換回路ITRZ[1]乃至変換回路ITRZ[n]に相当する回路であって、例えば、変換回路ITRZD[j]から配線WCL[j]に流れる電流の量と、変換回路ITRZD[j]から配線WCLr[j]に流れる電流の量と、の差分に応じた電圧を生成して、配線OL[j]に出力する機能を有する。
変換回路ITRZD[j]の具体的な構成例を図8Aに示す。図8Aに示す変換回路ITRZD1は、図7の変換回路ITRZD[j]に適用できる回路の一例である。なお、図8Aには、変換回路ITRZD1の周辺の回路との電気的な接続を示すため、回路SWS2、配線WCL、配線WCLr、配線SWL2、トランジスタF4、トランジスタF4r、配線OLなども図示している。また、配線WCL及び配線WCLrのそれぞれは、一例として、図7の演算回路MAC2に含まれている配線WCL[j]及び配線WCLr[j]とし、トランジスタF4及びトランジスタF4rは、一例として、図7の演算回路MAC2に含まれているトランジスタF4[j]及びトランジスタF4r[j]とすることができる。
図8Aの変換回路ITRZD1は、トランジスタF4を介して配線WCLに電気的に接続されている。また、変換回路ITRZD1は、トランジスタF4rを介して配線WCLrに電気的に接続されている。また、変換回路ITRZD1は、配線OLに電気的に接続されている。変換回路ITRZD1は、変換回路ITRZD1から配線WCLに流れる電流量、又は配線WCLから変換回路ITRZD1に流れる電流量を第1の電圧に変換する機能と、変換回路ITRZD1から配線WCLrに流れる電流量、又は配線WCLrから変換回路ITRZD1に流れる電流量を第2の電圧に変換する機能と、第1の電圧と第2の電圧との差に応じたアナログ電圧を配線OLに出力する機能と、を有する。
図8Aの変換回路ITRZD1は、一例として、抵抗RPと、抵抗RMと、オペアンプOPPと、オペアンプOPMと、オペアンプOP2と、を有する。
オペアンプOPPの反転入力端子は、抵抗RPの第1端子と、トランジスタF4の第2端子と、に電気的に接続されている。オペアンプOPPの非反転入力端子は、配線VRPLに電気的に接続されている。オペアンプOPPの出力端子は、抵抗RPの第2端子と、オペアンプOP2の非反転入力端子に電気的に接続されている。また、オペアンプOPMの反転入力端子は、抵抗RMの第1端子と、トランジスタF4rの第2端子と、に電気的に接続されている。オペアンプOPMの非反転入力端子は、配線VRMLに電気的に接続されている。オペアンプOPMの出力端子は、抵抗RMの第2端子と、オペアンプOP2の反転入力端子に電気的に接続されている。オペアンプOP2の出力端子は、配線OLに電気的に接続されている。
配線VRPLは、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、接地電位(GND)、低レベル電位などとすることができる。また、配線VRMLは、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、接地電位(GND)、低レベル電位などとすることができる。また、配線VRPL及び配線VRMLのそれぞれが与える定電圧は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。特に、配線VRPL及び配線VRMLのそれぞれが与える定電圧を接地電位(GND)にすることによって、オペアンプOPPの反転入力端子、及びオペアンプOPMの反転入力端子のそれぞれを仮想接地にすることができる。
変換回路ITRZD1は、図8Aの構成にすることによって、配線WCLから、トランジスタF4を介して、変換回路ITRZD1に流れる電流量、又は、変換回路ITRZD1から、トランジスタF4を介して、配線WCLに流れる電流量を、第1の電圧に変換することができる。また、配線WCLrから、トランジスタF4rを介して、変換回路ITRZD1に流れる電流量、又は、変換回路ITRZD1から、トランジスタF4rを介して、配線WCLrに流れる電流量を、第2の電圧に変換することができる。そして、第1の電圧と第2の電圧との差に応じたアナログ電圧を配線OLに出力することができる。
また、図8Aの変換回路ITRZD1は、アナログ電圧を出力する構成となっているが、図7の変換回路ITRZD[j]に適用できる回路構成は、これに限定されない。例えば、変換回路ITRZD1は、図4Bと同様に、図8Bに示すとおり、アナログデジタル変換回路ADCを有する構成としてもよい。具体的には、図8Bの変換回路ITRZD2は、アナログデジタル変換回路ADCの入力端子がオペアンプOP2の出力端子に電気的に接続され、アナログデジタル変換回路ADCの出力端子が配線OLに電気的に接続されている構成となっている。このような構成にすることによって、図8Bの変換回路ITRZD2は、配線OLにデジタル信号を出力することができる。なお、図8Bの変換回路ITRZD2は、配線OLから多ビットを出力する構成としているが、1ビット(2値)を出力する構成としてもよい。
また、変換回路ITRZD2において、配線OLに出力されるデジタル信号を1ビット(2値)とする場合、変換回路ITRZD2は、図8Cに示す変換回路ITRZD3に置き換えてもよい。図8Cの変換回路ITRZD3は、図4Cと同様に、図8Aの変換回路ITRZD1にコンパレータCMP2を設けた構成となっている。具体的には、変換回路ITRZD3は、コンパレータCMP2の第1入力端子がオペアンプOP2の出力端子に電気的に接続され、コンパレータCMP2の第2入力端子が配線VRL3に電気的に接続され、コンパレータCMP2の出力端子が配線OLに電気的に接続されている構成となっている。配線VRL3は、コンパレータCMP2の第1端子の電位と比較するための電位を与える配線として機能する。このような構成にすることによって、図8Cの変換回路ITRZD3は、トランジスタF4のソース-ドレイン間に流れる電流量から変換された第1の電圧とトランジスタF4rのソース-ドレイン間に流れる電流量から変換された第2の電圧との差と、配線VRL3が与える電圧と、との大小に応じて、配線OLに低レベル電位又は高レベル電位(2値のデジタル信号)を出力することができる。
<<第1データの保持の例>>
次に、図7の演算回路MAC2において、正、負、又は“0”の第1データと、正、又は“0”の第2データとの積和演算を行うための、第1データを回路CESに保持する一例について説明する。
回路CESは、セルIMと、セルIMrと、を有するため、回路CESは、第1データの保持として、セルIMと、セルIMrと、の2つの回路を用いることができる。つまり、回路CESは、2つの電流量を設定して、それぞれの電流量に応じた電位をセルIMと、セルIMrと、に保持することができる。このため、第1データを、セルIMで設定される電流量と、セルIMrで設定される電流量と、で表すことができる。
ここで、回路CESに保持される、正の第1データ、負の第1データ、又は“0”の第1データを次の通りに定義する。
回路CES[1,j]に正の第1データを保持する場合、セルIM[1,j]には、一例として、セルIM[1,j]のトランジスタF2の第1端子-第2端子間に正の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定する。具体的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[1,j])に当該電流量に応じた電位を保持する。一方、セルIMr[1,j]には、一例として、セルIMr[1,j]のトランジスタF2rの第1端子-第2端子間に電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2rのゲート(ノードNNr[1,j])には、配線VEが与える電位、図2Aの回路WCSaの配線VINIL1が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
また、回路CES[1,j]に負の第1データを保持する場合、セルIMr[1,j]には、一例として、セルIMr[1,j]のトランジスタF2rに負の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定する。具体的には、トランジスタF2rのゲート(ノードNNr[1,j])に当該電流量に応じた電位を保持する。一方、セルIM[1,j]は、一例として、セルIM[1,j]のトランジスタF2に電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[1,j])には、配線VEが与える電位、図2Aの回路WCSaの配線VINIL1が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
また、回路CES[1,j]に“0”の第1データを保持する場合、一例として、セルIM[1,j]のトランジスタF2、及びセルIMr[1,j]のトランジスタF2rのそれぞれには電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[1,j])とトランジスタF2rのゲート(ノードNNr[1,j])には、配線VEが与える電位、図2Aの回路WCSaの配線VINIL1が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
なお、他の回路CESについても、正の第1データ、又は負の第1データを保持するとき、上述した回路CES[1,j]と同様に、セルIMと配線WCLとの間、セルIMrと配線WCLrとの間、の一方には第1データに応じた電流量が流れるように設定し、セルIMと配線WCLとの間、セルIMrと配線WCLrとの間、の他方には電流が流れないように設定すればよい。また、他の回路CESに、“0”の第1データを保持するとき、上述した回路CES[1,j]と同様に、セルIMと配線WCLとの間、及びセルIMrと配線WCLrとの間には電流が流れないように設定すればよい。
一例として、第1データとして“+3”、“+2”、“+1”、“0”、“-1”、“-2”、“-3”のそれぞれの場合において回路CESに保持するとき、配線WCLからセルIMに流れる電流量の設定、及び配線WCLrからセルIMrに流れる電流量の設定を上記のとおりに従うことで、第1データ“+3”、“+2”、“+1”、“0”、“-1”、“-2”、“-3”のそれぞれは、例えば、次表のとおりに定義することができる。
ここで、図7の演算回路MAC2において、回路CES[1,j]乃至回路CES[m,j]のそれぞれに第1データが保持され、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれに第2データが入力された場合を考える。このとき、配線SWL1に低レベル電位を与えてトランジスタF3[j]、及びトランジスタF3r[j]をオフ状態にし、このとき、配線SWL2に高レベル電位を与えてトランジスタF4[j]、及びトランジスタF4r[j]をオン状態にする。これにより、変換回路ITRZD[j]と配線WCL[j]との間が導通状態となるので、変換回路ITRZD[j]から配線WCL[j]に電流が流れる場合がある。また、変換回路ITRZD[j]と配線WCLr[j]との間が導通状態となるので、変換回路ITRZD[j]から配線WCLr[j]に電流が流れる場合がある。変換回路ITRZD[j]から配線WCL[j]に流れる電流量の総和をIS[j]とし、変換回路ITRZD[j]から配線WCLr[j]に流れる電流量の総和をISr[j]として、実施の形態1で説明した演算回路MAC1の動作例を参酌すると、IS[j]及びISr[j]は、次の式で表すことができる。
なお、式(2.1)に示すw[i,j]は、セルIM[i,j]に書き込まれる第1データの値であり、式(2.2)に示すwr[i,j]は、セルIMr[i,j]に書き込まれる第1データの値である。なお、w[i,j]、又はwr[i,j]の一方が“0”でない値であるとき、w[i,j]、又はwr[i,j]の他方は“0”の値とすることによって、回路CES[i,j]に保持される第1データは、例えば、表1に示した定義などに従うことができる。
変換回路ITRZD[j]は、例えば、配線WCLに流れる電流量の総和IS[j]を第1の電圧に変換し、配線WCLrに流れる電流量の総和ISr[j]を第2の電圧に変換する。そして、変換回路ITRZD[j]は、第1の電圧と第2の電圧との差に応じた電圧を配線OLに出力することができる。
ところで、図8A乃至図8Cのそれぞれに示した変換回路ITRZD1乃至変換回路ITRZD3は、配線OLに電圧を出力する回路構成としたが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、図7の演算回路MAC2に含まれている変換回路ITRZD[j]は、電流を出力する回路構成としてもよい。
図9に示す変換回路ITRZD4は、図7の演算回路MAC2に含まれている変換回路ITRZD[j]に適用することができる回路であり、積和演算及び活性化関数の演算の結果を電流量として出力する回路構成となっている。
なお、図9には、変換回路ITRZD4の周辺の回路との電気的な接続を示すため、回路SWS2、配線WCL、配線WCLr、配線OL、トランジスタF4、トランジスタF4rも図示している。また、配線WCL及び配線WCLrのそれぞれは、一例として、図7の演算回路MAC2に含まれている配線WCL[j]及び配線WCLr[j]とし、トランジスタF4及びトランジスタF4rは、一例として、図7の演算回路MAC2に含まれているトランジスタF4[j]及びトランジスタF4r[j]とすることができる。
図9の変換回路ITRZD4は、トランジスタF4を介して配線WCLに電気的に接続されている。また、変換回路ITRZD4は、トランジスタF4rを介して配線WCLrに電気的に接続されている。また、変換回路ITRZD4は、配線OLに電気的に接続されている。変換回路ITRZD4は、変換回路ITRZD4から配線WCLに流れる電流量、又は配線WCLから変換回路ITRZD4に流れる電流量の一方と、変換回路ITRZD4から配線WCLrに流れる電流量、又は配線WCLrから変換回路ITRZD4に流れる電流量の一方と、の差分電流を取得する機能を有する。また、当該差分電流を、変換回路ITRZD4と配線OLとの間に流す機能を有する。
図9の変換回路ITRZD4は、一例として、トランジスタF5と、電流源CIと、電流源CIrと、カレントミラー回路CM1と、を有する。
トランジスタF4の第2端子は、カレントミラー回路CM1の第1端子と、電流源CIの出力端子と、に電気的に接続され、トランジスタF4rの第2端子は、カレントミラー回路CM1の第2端子と、電流源CIrの出力端子と、トランジスタF5の第1端子と、に電気的に接続されている。また、電流源CIの入力端子は、配線VHEに電気的に接続され、電流源CIrの入力端子は、配線VHEに電気的に接続されている。また、カレントミラー回路CM1の第3端子は、配線VSEに電気的に接続され、カレントミラー回路CM1の第4端子は、配線VSEに電気的に接続されている。
トランジスタF5の第2端子は、配線OLに電気的に接続され、トランジスタF5のゲートは、配線OELに電気的に接続されている。
カレントミラー回路CM1は、一例として、カレントミラー回路CM1の第1端子の電位に応じた電流量を、カレントミラー回路CM1の第1端子と第3端子との間と、カレントミラー回路CM1の第2端子と第4端子との間と、に流す機能を有する。
配線VHEは、例えば、定電圧を与える配線として機能する。具体的には、例えば、当該定電圧としては、高レベル電位などとすることができる。
配線VSEは、例えば、定電圧を与える配線として機能する。具体的には、例えば、当該定電圧としては、低レベル電位、接地電位などとすることができる。
配線OELは、例えば、トランジスタF5のオン状態、又はオフ状態に切り替えるための信号を送信するための配線として機能する。具体的には、例えば、配線OELには、高レベル電位、又は低レベル電位を入力すればよい。
電流源CIは、電流源CIの入力端子と出力端子との間に定電流を流す機能を有する。また、電流源CIrは、電流源CIrの入力端子と出力端子との間に定電流を流す機能を有する。なお、図9の変換回路ITRZD4において、電流源CIが流す電流の大きさと、電流源CIrが流す電流の大きさと、は等しいことが好ましい。
ここで、図9の変換回路ITRZD4の動作例について、説明する。
初めに、変換回路ITRZD4からトランジスタF4を介して配線WCLに流れる電流の量をISとし、変換回路ITRZD4からトランジスタF4rを介して配線WCLrに流れる電流の量をISrとする。また、電流源CI及び電流源CIrのそれぞれが流す電流の量をI0とする。
ISは、図7の演算回路MAC2において、例えば、j列目に位置するセルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]に流れる電流量の総和とする。また、ISrは、図7の演算回路MAC2において、例えば、j列目に位置するセルIMr[1,j]乃至セルIMr[m,j]に流れる電流量の総和とする。
配線SWL2に高レベル電位が入力されることによって、トランジスタF4、及びトランジスタF4rはオン状態となる。このため、カレントミラー回路CM1の第1端子から第3端子に流れる電流量は、I0-ISとなる。また、カレントミラー回路CM1によって、カレントミラー回路CM1の第2端子から第4端子にI0-ISの電流量が流れる。
次に、配線OELに高レベル電位が入力されて、トランジスタF5がオン状態となる。このとき、配線OLに流れる電流量をIoutとすると、Iout=I0-(I0-IS)-ISr=IS-ISrとなる。
ここで、図7の演算回路MAC2において、正、負、又は“0”の第1データと、正、又は“0”の第2データとの積和演算を行うための、第1データの回路CESへの保持については、上記の第1データの保持の例を参酌する。
つまり、回路CES[i,j]に正の第1データを保持する場合、セルIM[i,j]には、セルIM[i,j]のトランジスタF2の第1端子-第2端子間に正の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定し、セルIMr[i,j]には、セルIMr[i,j]のトランジスタF2rの第1端子-第2端子間に電流が流れないように設定する。また、回路CES[i,j]に負の第1データを保持する場合、セルIM[i,j]には、セルIM[i,j]のトランジスタF2の第1端子-第2端子間に電流が流れないように設定し、セルIMr[i,j]には、セルIMr[i,j]のトランジスタF2rの第1端子-第2端子間に負の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定する。また、回路CES[i,j]に“0”の第1データを保持する場合、セルIM[i,j]には、セルIM[i,j]のトランジスタF2の第1端子-第2端子間に電流が流れないように設定し、セルIMr[i,j]には、セルIMr[i,j]のトランジスタF2rの第1端子-第2端子間に電流が流れないように設定する。
ここで、図7の演算回路MAC2の配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれに第2データが入力された場合、セルIM[i,j]のトランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量、及びセルIMr[i,j]のトランジスタF2rの第1端子-第2端子間に流れる電流量のそれぞれは、第2データに比例する。
ISはj列目に位置するセルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]に流れる電流量の総和である。そのため、ISは、回路CES[1,j]乃至回路CES[m,j]のうち、正の第1データが保持された回路CESに含まれている、セルIMに流れる電流量の総和となり、例えば、式(2.1)と同様に表すことができる。つまり、ISは、正の第1データの絶対値と第2データとの積和演算の結果に対応する。また、ISrはj列目に位置するセルIMr[1,j]乃至セルIMr[m,j]に流れる電流量の総和である。そのため、ISrは、回路CES[1,j]乃至回路CES[m,j]のうち、負の第1データが保持された回路CESに含まれている、セルIMrに流れる電流量の総和となり、例えば、式(2.2)と同様に表すことができる。つまり、ISrは、負の第1データの絶対値と第2データとの積和演算の結果に対応する。
このため、配線OLに流れる電流量Iout=IS-ISrは、正の第1データの絶対値と第2データとの積和演算の結果と、負の第1データの絶対値と第2データとの積和演算の結果と、の差に対応する。つまり、Iout=IS-ISrは、回路CES[1,j]乃至回路CES[m,j]に保持されている、負、“0”、又は正の第1データと、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれに入力される第2データとの積和演算の結果に対応する。
ところで、セルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]に流れる電流量の総和が、セルIMr[1,j]乃至セルIMr[m,j]に流れる電流量の総和よりも大きいとき、すなわちISがISrよりも大きいとき、Ioutは0よりも大きい電流量となり、変換回路ITRZD4から配線OLに流れる。一方、セルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]に流れる電流量の総和が、セルIMr[1,j]乃至セルIMr[m,j]に流れる電流量の総和よりも小さいとき、すなわちISがISrよりも小さいとき、配線OLから変換回路ITRZD4に電流が流れない場合がある。つまり、ISがISrよりも小さいとき、Ioutは概ね0とすることができる。このため、変換回路ITRZD4は、例えば、ReLU関数として作用するとみなすことができる。
当該ReLU関数は、例えば、ニューラルネットワークの活性化関数に利用することができる。ニューラルネットワークの演算では、前層のニューロンのそれぞれの信号の値(例えば、第2データとすることができる)と、対応する重み係数(例えば、第1データとすることができる)と、の積和を算出する必要がある。また、積和の結果に応じて活性化関数の値を計算する必要がある。このため、ニューラルネットワークの活性化関数をReLU関数とした場合、当該ニューラルネットワークの演算は、変換回路ITRZD4を含む演算回路MAC2を用いることによって行うことができる。
なお、階層型のニューラルネットワークについては、実施の形態4で後述する。
次に、図9の変換回路ITRZD4の具体的な回路構成の例について説明する。
図10Aに示す変換回路ITRZD4は、図9の変換回路ITRZD4の一例である。具体的には、図10Aでは、カレントミラー回路CM1、電流源CI、及び電流源CIrのそれぞれの構成の例を示している。
図10Aの変換回路ITRZD4において、カレントミラー回路CM1は、一例として、トランジスタF6と、トランジスタF6rと、を有し、電流源CIは、一例として、トランジスタF7を有し、電流源CIrは、一例として、トランジスタF7rを有する。なお、トランジスタF6、トランジスタF6r、トランジスタF7、及びトランジスタF7rは、nチャネル型トランジスタとしている。
例えば、カレントミラー回路CM1の第1端子は、トランジスタF6の第1端子と、トランジスタF6のゲートと、トランジスタF6rのゲートと、に電気的に接続され、カレントミラー回路CM1の第3端子は、トランジスタF6の第2端子に電気的に接続されている。また、カレントミラー回路CM1の第2端子は、トランジスタF6rの第1端子に電気的に接続され、カレントミラー回路CM1の第4端子は、トランジスタF6rの第2端子に電気的に接続されている。
また、例えば、電流源CIの出力端子は、トランジスタF7の第1端子と、トランジスタF7のゲートと、に電気的に接続され、電流源CIの入力端子は、トランジスタF7の第2端子に電気的に接続されている。
また、例えば、電流源CIrの出力端子は、トランジスタF7rの第1端子と、トランジスタF7rのゲートと、に電気的に接続され、電流源CIrの入力端子は、トランジスタF7rの第2端子に電気的に接続されている。
トランジスタF7、及びトランジスタF7rのそれぞれは、ゲートと第1端子とが電気的に接続されており、かつ第2端子と配線VHEとが電気的に接続されている。したがって、トランジスタF7、及びトランジスタF7rのそれぞれのゲート-ソース間電圧は0Vとなり、トランジスタF7、及びトランジスタF7rのそれぞれのしきい値電圧が適切な範囲内である場合、トランジスタF7、及びトランジスタF7rのそれぞれの第1端子-第2端子間には定電流が流れる。つまり、トランジスタF7、及びトランジスタF7rのそれぞれは電流源として機能する。
なお、図9の変換回路ITRZD4に含まれる電流源CI、及び電流源CIrの構成は、図10Aに示した電流源CI、及び電流源CIrに限定されない。変換回路ITRZD4に含まれる電流源CI、及び電流源CIrのそれぞれの構成は、状況に応じて、変更を行ってもよい。
例えば、図9の変換回路ITRZD4に含まれる電流源CI、及び電流源CIrのそれぞれは、図10Bに示す電流源CI(電流源CIr)としてもよい。
図10Bの電流源CI(電流源CIr)は、一例として、複数の電流源CSAを有する。また、複数の電流源CSAのそれぞれは、トランジスタF7と、トランジスタF7sと、端子U1と、端子U2と、端子U3と、を有する。
電流源CSAは、一例として、端子U2と端子U1との間に電流量としてICSAを流す機能を有する。また、電流源CI(電流源CIr)は、例えば、2P-1個(Pは1以上の整数である)の電流源CSAを有するものとしたとき、電流源CI(電流源CIr)は、出力端子に電流量としてs×ICSA(sは0以上2P-1以下の整数である)を流すことができる。
なお、実際には、電流源CI(電流源CIr)の作製段階において、それぞれの電流源CSAに含まれているトランジスタの電気特性のバラツキによって誤差が現れることがある。そのため、複数の電流源CSAの端子U1のそれぞれから出力される定電流ICSAの誤差は10%以内が好ましく、5%以内であることがより好ましく、1%以内であることがより好ましい。なお、本実施の形態では、電流源CI(電流源CIr)に含まれている複数の電流源CSAの端子U1から出力される定電流ICSAの誤差は無いものとして説明する。
複数の電流源CSAの一において、トランジスタF7sの第1端子は、端子U1に電気的に接続され、トランジスタF7sのゲートは、端子U3に電気的に接続されている。トランジスタF7の第1端子は、トランジスタF7のゲートと、トランジスタF7sの第2端子と、に電気的に接続されている。トランジスタF7の第2端子は、端子U2に電気的に接続されている。
複数の電流源CSAのそれぞれの端子U1は、電流源CI(電流源CIr)の出力端子に電気的に接続されている。また、複数の電流源CSAのそれぞれの端子U2は、電流源CI(電流源CIr)の入力端子に電気的に接続されている。つまり、複数の電流源CSAのそれぞれの端子U2と、配線VHEと、の間は導通となっている。
また、1個の電流源CSAの端子U3は配線CL[1]に電気的に接続され、2個の電流源CSAの端子U3のそれぞれは配線CL[2]に電気的に接続され、2P-1個の電流源CSの端子U3のそれぞれは配線CL[P]に電気的に接続されている。
配線CL[1]乃至配線CL[P]は、電気的に接続されている電流源CSAから定電流ICSAを出力するための制御信号を送信する配線として機能する。具体的には、例えば、配線CL[1]に高レベル電位が与えられているとき、配線CL[1]に電気的に接続されている電流源CSAは、定電流としてICSAを端子U1に流し、また、配線CL[1]に低レベル電位が与えられているとき、配線CL[1]に電気的に接続されている電流源CSAは、ICSAを出力しない。また、例えば、配線CL[2]に高レベル電位が与えられているとき、配線CL[2]に電気的に接続されている2個の電流源CSAは、合計2ICSAを定電流として端子U1に流し、また、配線CL[2]に低レベル電位が与えられているとき、配線CL[2]に電気的に接続されている電流源CSAは、合計2ICSAの定電流を出力しない。また、例えば、配線CL[P]に高レベル電位が与えられているとき、配線CL[P]に電気的に接続されている2P-1個の電流源CSAは、合計2P-1ICSAを定電流として端子U1に流し、また、配線CL[P]に低レベル電位が与えられているとき、配線CL[P]に電気的に接続されている電流源CSAは、合計2P-1ICSAの定電流を出力しない。
このため、電流源CI(電流源CIr)は、配線CL[1]乃至配線CL[P]から選ばれた一本以上の配線に高レベル電位を与えることによって、電流源CI(電流源CIr)の出力端子に電流を流すことができる。また、当該電流の量は、高レベル電位を入力する、配線CL[1]乃至配線CL[P]から選ばれた一本以上の配線の組み合わせによって定めることができる。例えば、配線CL[1]及び配線CL[2]に高レベル電位が与えられ、配線CL[3]乃至配線CL[P]に低レベル電位が与えられているとき、電流源CI(電流源CIr)は、電流源CI(電流源CIr)の出力端子に合計3ICSAの電流を流すことができる。
上記の通り、図10Bの電流源CI(電流源CIr)を用いることによって、状況に応じて、電流源CI(電流源CIr)が出力端子に流す電流量を変化させることができる。
また、図9の変換回路ITRZD4として、図10Aの変換回路ITRZD4を適用することによって、変換回路ITRZD4に含まれるすべてのトランジスタをOSトランジスタとすることができる。また、演算回路MAC2のセルアレイCA、回路WCS、回路XCSなどは、OSトランジスタのみで構成することができるため、変換回路ITRZD4は、セルアレイCA、回路WCS、回路XCSなどと同時に作製することができる。そのため、演算回路MAC2の作製工程を短縮することができる場合がある。なお、これは、図10Aの変換回路ITRZD4の電流源CI及び電流源CIrに図10Bの電流源CI(電流源CIr)を適用した場合についても同様である。
例えば、図9の変換回路ITRZD4に含まれる電流源CI、及び電流源CIrのそれぞれは、互いに同じ電流を流す必要があるため、電流源CI、及び電流源CIrのそれぞれをカレントミラー回路に置き換えてもよい。
図11Aに示す変換回路ITRZD4は、図9の変換回路ITRZD4に含まれる電流源CI、及び電流源CIrをカレントミラー回路CM2に置き換えた構成となっている。カレントミラー回路CM2は、一例として、トランジスタF8と、トランジスタF8rと、を有する。なお、トランジスタF8、及びトランジスタF8rは、pチャネル型トランジスタとしている。
トランジスタF8の第1端子は、トランジスタF8のゲートと、トランジスタF8rのゲートと、トランジスタF4の第2端子と、カレントミラー回路CM1の第1端子と、に電気的に接続されている。トランジスタF8の第2端子は、配線VHEに電気的に接続されている。トランジスタF8rの第1端子は、トランジスタF4rの第2端子と、カレントミラー回路CM1の第2端子と、に電気的に接続されている。トランジスタF8rの第2端子は、配線VHEに電気的に接続されている。
図11Aの変換回路ITRZD4のとおり、図9の変換回路ITRZD4に含まれる電流源CI、及び電流源CIrをカレントミラー回路CM2に置き換えることによって、トランジスタF4の第2端子とカレントミラー回路CM1の第1端子との接続点、及びトランジスタF4rの第2端子とカレントミラー回路CM1の第2端子とトランジスタF5の第1端子との接続点のそれぞれに互いにほぼ等しい電流量を流すことができる。
なお、図11Aでは、カレントミラー回路CM2をトランジスタF8と、トランジスタF8rと、からなる構成として図示したが、カレントミラー回路CM2の回路構成は、これに限定されない。例えば、カレントミラー回路CM2は、後述する図11Cと同様に、カレントミラー回路CM2に含まれるトランジスタをカスコード接続した構成としてもよい。このように、図11Aのカレントミラー回路CM2の回路構成は、状況に応じて変更を行ってもよい。
なお、図11Aの変換回路ITRZD4は、図11Bに示す変換回路ITRZD4に構成のとおり、カレントミラー回路CM1を設けない構成としてもよい。図11Bに示す変換回路ITRZD4は、カレントミラー回路CM2の第1端子からトランジスタF4の第2端子に流れる電流量と、カレントミラー回路CM2の第2端子からトランジスタF4rの第2端子とトランジスタF5の第1端子との接続点に流れる電流量と、を互いにほぼ等しくすることができる。そのため、ISがISrよりも大きい場合に、図11Bの配線OLに流れる電流量Ioutは、図9の変換回路ITRZD4と同様にIS-ISrとすることができる。
図11Bの変換回路ITRZD4は、カレントミラー回路CM1を設けない構成となっているため、図11Aの変換回路ITRZD4よりも回路面積を低減することができる。また、カレントミラー回路CM2からカレントミラー回路CM1に流れる定常電流が無くなるため、図11Bの変換回路ITRZD4は、図11Aの変換回路ITRZD4よりも消費電力を低減することができる。
なお、図11Bでは、トランジスタF8、及びトランジスタF8rを図示せず、カレントミラー回路CM2をブロック図として図示している。そのため、図11Bのカレントミラー回路CM2は、図11Aのカレントミラー回路CM2と同様に、状況に応じて、構成を決めることができる。
例えば、図11Bの変換回路ITRZD4に含まれているカレントミラー回路CM2は、図11Cに示すカレントミラー回路CM2としてもよい。図11Cに示すカレントミラー回路CM2は、図11Bに示すカレントミラー回路CM2に更にpチャネル型トランジスタであるトランジスタF8s及びトランジスタF8srを設けて、トランジスタF8とトランジスタF8sとでカスコード接続し、トランジスタF8rとトランジスタF8srとでカスコード接続した構成となっている。図11Cのとおり、カレントミラー回路に含まれるトランジスタをカスコード接続することによって、当該カレントミラー回路の動作をより安定させることができる。
また、図9の変換回路ITRZD4に含まれるカレントミラー回路CM1は、図10Aに示したカレントミラー回路CM1に限定されない。図10Aの変換回路ITRZD4に含まれるカレントミラー回路CM1の構成は、状況に応じて、変更を行ってもよい。
例えば、図9の変換回路ITRZD4に含まれるカレントミラー回路CM1は、図11Dに示すカレントミラー回路CM1としてもよい。図11Dに示すカレントミラー回路CM1は、図10Aに示すカレントミラー回路CM1に更にnチャネル型トランジスタであるトランジスタF6s及びトランジスタF6srを設けて、トランジスタF6とトランジスタF6sとでカスコード接続し、トランジスタF6rとトランジスタF6srとでカスコード接続した構成となっている。図11Dのとおり、カレントミラー回路に含まれるトランジスタをカスコード接続することによって、当該カレントミラー回路の動作をより安定させることができる。
<演算回路の構成例2>
図12は、正、負、又は“0”の第1データと、正、負、又は“0”の第2データと、の積和演算を行う演算回路の構成例を示している。図12に示す演算回路MAC3は、図7の演算回路MAC2を変更した構成となっている。そのため、演算回路MAC3の説明において、演算回路MAC1及び演算回路MAC2の説明と重複する部分については省略する。
図12に示すセルアレイCAは、1列にm個配置されている回路CESrefと、m×nのマトリクス状に配置されている回路CESと、有する。なお、図12では、回路CESref[i]と、回路CES[i,j]と、を抜粋して図示している。
回路CES[i,j]は、セルIM[i,j]と、セルIMr[i,j]と、セルIMs[i,j]と、セルIMsr[i,j]と、を有する。また、本明細書等では、回路CES[i,j]、セルIM[i,j]、セルIMr[i,j]、セルIMs[i,j]、セルIMsr[i,j]などを説明する際、それぞれの符号に付記している[i,j]などを省略する場合がある。
セルIMs及びセルIMsrは、セルIMと同様の構成とすることができる。図12のセルIMs及びセルIMsrは、一例として、セルIMと同様の構成として図示している。また、セルIMとセルIMsとセルIMsrとのそれぞれに含まれているトランジスタ、容量などを互いに区別できるように、セルIMsに含まれているトランジスタ、容量を示す符号には「s」を付し、セルIMsrに含まれているトランジスタ、容量を示す符号には「sr」を付している。
具体的には、セルIMsは、トランジスタF1sと、トランジスタF2sと、容量C5sと、を有する。なお、トランジスタF1sはセルIMのトランジスタF1に相当し、トランジスタF2sはセルIMのトランジスタF2に相当し、容量C5sはセルIMの容量C5に相当する。そのため、トランジスタF1sと、トランジスタF2sと、容量C5sと、のそれぞれの電気的な接続構成については、実施の形態1のIM[1,1]乃至セルIM[m,n]の説明を参酌する。
また、セルIMsrは、トランジスタF1srと、トランジスタF2srと、容量C5srと、を有する。なお、トランジスタF1srはセルIMのトランジスタF1に相当し、トランジスタF2srはセルIMのトランジスタF2に相当し、容量C5srはセルIMの容量C5に相当する。そのため、トランジスタF1srと、トランジスタF2srと、容量C5srと、のそれぞれの電気的な接続構成については、セルIMsと同様に、実施の形態1のIM[1,1]乃至セルIM[m,n]の説明を参酌する。
また、セルIMsにおいて、トランジスタF1sの第1端子と、トランジスタF2sのゲートと、容量C5sの第1端子と、の接続箇所をノードNNsとし、セルIMsrにおいて、トランジスタF1srの第1端子と、トランジスタF2srのゲートと、容量C5srの第1端子と、の接続箇所をノードNNsrとしている。
回路CES[i,j]において、容量C5の第2端子は、配線XCL[i]に電気的に接続され、トランジスタF1のゲートは、配線WSL[i]に電気的に接続され、トランジスタF1の第2端子とトランジスタF2の第2端子とは、配線WCL[j]に電気的に接続されている。また、容量C5rの第2端子は、配線XCL[i]に電気的に接続され、トランジスタF1rのゲートは、配線WSL[i]に電気的に接続され、トランジスタF1rの第2端子とトランジスタF2rの第2端子とは、配線WCLr[j]に電気的に接続されている。
また、容量C5sの第2端子は、配線XCLs[i]に電気的に接続され、トランジスタF1sのゲートは、配線WSLs[i]に電気的に接続され、トランジスタF1sの第2端子とトランジスタF2sの第2端子とは、配線WCL[j]に電気的に接続されている。また、容量C5srの第2端子は、配線XCLs[i]に電気的に接続され、トランジスタF1srのゲートは、配線WSLs[i]に電気的に接続され、トランジスタF1srの第2端子とトランジスタF2srの第2端子とは、配線WCLr[j]に電気的に接続されている。
図12に示す回路CESref[i]は、セルIMref[i]と、セルIMrefs[i]と、を有する。また、本明細書等では、回路CESref[i]、セルIMref[i]、セルIMrefs[i]などを説明する際、それぞれの符号に付記している[i]などを省略する場合がある。
セルIMrefsは、セルIMrefと同様の構成とすることができる。図12のセルIMrefsは、一例として、セルIMrefと同様の構成として図示している。また、セルIMrefとセルIMrefsとのそれぞれに含まれているトランジスタ、容量などを互いに区別できるように、セルIMrefsに含まれているトランジスタ、容量を示す符号には「s」を付している。
具体的には、セルIMrefsは、トランジスタF1msと、トランジスタF2msと、容量C5msと、を有する。なお、トランジスタF1msはセルIMrefのトランジスタF1mに相当し、トランジスタF2msはセルIMrefのトランジスタF2mに相当し、容量C5msはセルIMrefの容量C5mに相当する。そのため、トランジスタF1msと、トランジスタF2msと、容量C5msと、のそれぞれの電気的な接続構成については、実施の形態1のIMref[1]乃至セルIMref[m]の説明を参酌する。
また、セルIMrefsにおいて、トランジスタF1msの第1端子と、トランジスタF2msのゲートと、容量C5msの第1端子と、の接続箇所をノードNNrefsとしている。
回路CESref[i]において、容量C5mの第2端子は、配線XCL[i]に電気的に接続され、トランジスタF1mのゲートは、配線WSL[i]に電気的に接続され、トランジスタF1mの第2端子とトランジスタF2mの第2端子とは、配線XCL[i]に電気的に接続されている。また、容量C5msの第2端子は、配線XCLs[i]に電気的に接続され、トランジスタF1msのゲートは、配線WSLs[i]に電気的に接続され、トランジスタF1msの第2端子とトランジスタF2msの第2端子とは、配線XCLs[i]に電気的に接続されている。
配線XCL[i]及び配線XCLs[i]のそれぞれは、実施の形態1で説明した配線XCL[1]乃至配線XCL[n]と同様に、一例として、回路XCSから回路CESに含まれているセルIMとセルIMrとセルIMsとセルIMsrとに電流を流す配線、また、一例として、回路XCSから回路CESrefに含まれているセルIMref[i]とセルIMrefs[i]とに電流を流す配線として機能する。
配線WSL[i]及び配線WSLs[i]のそれぞれは、実施の形態1で説明した配線WSL[1]乃至配線WSL[m]と同様に、一例として、回路WSDから回路CESに含まれているセルIM、セルIMr、セルIMs、及びセルIMsrに対して、第1データを書き込むための選択信号を送信する配線、また、一例として、回路WSDから回路CESrefに含まれているセルIMref及びセルIMrefsに対して、参照データを書き込むための選択信号を送信する配線として機能する。
図12の演算回路MAC3に含まれる変換回路ITRZD[j]としては、図7の演算回路MAC2に含まれる変換回路ITRZD[j]に適用できる回路を用いることができる。つまり、演算回路MAC3に含まれる変換回路ITRZD[j]としては、例えば、図8A乃至図8Cに示す変換回路ITRZD1乃至変換回路ITRZD3を適用することができる。
次に、図12の演算回路MAC3において、正、負、又は“0”の第1データと、正、負、又は“0”の第2データとの積和演算を行うための、第1データを回路CESに保持する一例、及び第2データを回路CESに入力する一例について説明する。
回路CESは、セルIMと、セルIMrと、セルIMsと、セルIMsrと、を有するため、回路CESは、第1データの保持として、セルIMと、セルIMrと、セルIMsと、セルIMsrと、の4つの回路を用いることができる。つまり、回路CESは、4つの電流量を設定して、それぞれの電流量に応じた電位をセルIMと、セルIMrと、セルIMsと、セルIMsrと、に保持することができる。このため、第1データを、セルIMで設定される電流量と、セルIMrで設定される電流量と、セルIMsで設定される電流量と、セルIMsrで設定される電流量と、で表すことができる。
ここで、回路CESに保持される、正の第1データ、負の第1データ、又は“0”の第1データを次の通りに定義する。
回路CES[i,j]に正の第1データを保持する場合、セルIM[i,j]には、一例として、セルIM[i,j]のトランジスタF2に正の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定し、また、セルIMsr[i,j]のトランジスタF2srには、一例として、正の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定する。具体的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[i,j])及びトランジスタF2srのゲート(ノードNNsr[i,j])に当該電流量に応じた電位を保持する。また、セルIMr[i,j]には、一例として、セルIMr[i,j]のトランジスタF2rに電流が流れないように設定し、また、セルIMs[i,j]には、一例として、セルIMs[i,j]のトランジスタF2sに電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2rのゲート(ノードNNr[i,j])及びトランジスタF2sのゲート(ノードNNs[i,j])には、配線VEが与える電位、例えば、図2A及び図2Bの回路WCSaの配線VINIL1が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
また、回路CES[i,j]に負の第1データを保持する場合、セルIMr[i,j]には、一例として、セルIMr[1,j]のトランジスタF2rに負の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定し、また、セルIMs[i,j]のトランジスタF2sには、一例として、負の第1データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定する。具体的には、トランジスタF2rのゲート(ノードNNr[i,j])及びトランジスタF2sのゲート(ノードNNs[i,j])に当該電流量に応じた電位を保持する。また、セルIM[i,j]には、一例として、セルIM[i,j]のトランジスタF2に電流が流れないように設定し、また、セルIMsr[i,j]には、一例として、セルIMsr[i,j]のトランジスタF2srに電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[i,j])及びトランジスタF2srのゲート(ノードNNsr[i,j])には、配線VEが与える電位、例えば、図2A及び図2Bの回路WCSaの配線VINIL1が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
また、回路CES[i,j]に“0”の第1データを保持する場合、一例として、セルIM[i,j]のトランジスタF2、セルIMr[i,j]のトランジスタF2r、セルIMs[i,j]のトランジスタF2s、及びセルIMsr[i,j]のトランジスタF2srのそれぞれには電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2のゲート(ノードNN[i,j])とトランジスタF2rのゲート(ノードNNr[i,j])とトランジスタF2sのゲート(ノードNNs[i,j])とトランジスタF2srのゲート(ノードNNsr[i,j])には、配線VEが与える電位、例えば、図2A及び図2Bの回路WCSaの配線VINIL1が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
なお、他の回路CESについても、正の第1データ、又は負の第1データを保持するとき、上述した回路CES[i,j]と同様に、セルIMと配線WCLとの間とセルIMsrと配線WCLrとの間、又はセルIMrと配線WCLrとの間とセルIMsと配線WCLとの間、の一方には第1データに応じた電流量が流れるように設定し、その他方には電流が流れないように設定すればよい。また、他の回路CESに、“0”の第1データを保持するとき、上述した回路CES[i,j]と同様に、セルIMと配線WCLとの間、セルIMrと配線WCLrとの間、セルIMsと配線WCLとの間、及びセルIMsrと配線WCLsrとの間、には電流が流れないように設定すればよい。
一例として、第1データとして“+3”、“+2”、“+1”、“0”、“-1”、“-2”、“-3”のそれぞれの場合において回路CESに保持する場合、配線WCLからセルIMに流れる電流量の設定、配線WCLrからセルIMrに流れる電流量の設定、配線WCLからセルIMsに流れる電流量の設定、及び配線WCLrからセルIMsrに流れる電流量の設定を上記のとおりに従うことで、第1データ“+3”、“+2”、“+1”、“0”、“-1”、“-2”、“-3”のそれぞれは、例えば、次表のとおりに定義することができる。
一方、回路CESには、第2データを入力する配線として、配線XCLと配線XCLsとが電気的に接続されている。このため、回路CESには、第2データとして、2つの信号を入力することができる。つまり、第2データを、配線XCLに入力される信号と、配線XCLsに入力される信号と、で表して、回路CESに入力することができる。ここで、回路CESに入力される、正の第2データ、負の第2データ、又は“0”の第2データを次の通りに定義する。
回路CES[i,j]に正の第2データを入力する場合、セルIMref[i]には、一例として、セルIMref[i]のトランジスタF2mに正の第2データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定する。具体的には、トランジスタF2mのゲート(ノードNNref[i])に当該電流量に応じた電位を保持する。一方、セルIMrefs[i]には、一例として、セルIMrefs[i]のトランジスタF2msに電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2msのゲート(ノードNNrefs[i])には、配線VEが与える電位、図2Cの回路XCSaの配線VINIL2が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
また、回路CES[i,j]に負の第2データを入力する場合、セルIMrefs[i]には、一例として、セルIMrefs[i]のトランジスタF2msに負の第2データの値の絶対値に応じた電流量が流れるように設定する。具体的には、トランジスタF2msのゲート(ノードNNrefs[i])に当該電流量に応じた電位を保持する。一方、セルIMref[i]には、一例として、セルIMref[i]のトランジスタF2mに電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2mのゲート(ノードNNref[i])には、配線VEが与える電位、図2Cの回路XCSaの配線VINIL2が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
また、回路CES[i,j]に“0”の第2データを入力する場合、一例として、セルIMref[i]のトランジスタF2m、及びセルIMrefs[1]のトランジスタF2msのそれぞれには電流が流れないように設定する。具体的には、トランジスタF2mのゲート(ノードNNref[i])とトランジスタF2msのゲート(ノードNNrefs[i])には、配線VEが与える電位、図2Cの回路XCSaの配線VINIL2が与える初期化用の電位などが保持されればよい。
なお、他の回路CESに対して、正の第2データ、又は負の第2データを入力するとき、上述した回路CESref[i]と同様に、セルIMrefと配線XCLとの間、又はセルIMrefsと配線XCLsとの間、の一方には第2データに応じた電流量が流れるように設定し、セルIMrefと配線XCLとの間、又はセルIMrefsと配線XCLsとの間、の他方には電流が流れないように設定すればよい。また、他の回路CESに、“0”の第2データを入力するとき、上述した回路CESref[i]と同様に、セルIMrefと配線XCLとの間、及びセルIMrefsと配線XCLsとの間には電流が流れないように設定すればよい。
一例として、第2データとして“+3”、“+2”、“+1”、“0”、“-1”、“-2”、“-3”のそれぞれの場合において回路CESに入力される場合、配線XCLからセルIMrefに流れる電流量の設定、及び配線XCLsからセルIMrefsに流れる電流量の設定を上記のとおりに従うことで、第2データ“+3”、“+2”、“+1”、“0”、“-1”、“-2”、“-3”のそれぞれは、例えば、次表のとおりに定義することができる。
ここで、回路CESに保持される第1データとして“+3”、“+2”、“+1”、“0”、“-1”、“-2”、“-3”のいずれか一とし、かつ回路CESに入力される第2データとして“+1”、“0”、“-1”のいずれか一としたときにおいて、配線WCLから回路CESのセルIM及びセルIMsに流れる電流量、及び配線WCLrから回路CESのセルIMr及びセルIMsrに流れる電流量について考える。
例えば、回路CESに入力される第2データを“+1”としたとき、回路CESの容量C5及び容量C5rのそれぞれの第2端子には、配線XCLから第2データである“+1”の絶対値に応じた電位が入力され、回路CESの容量C5s及び容量C5srのそれぞれの第2端子には、配線XCLsから接地電位(GND)に応じた電位が入力されるものとする。また、回路CESに保持されている第1データを“+3”としたとき、ノードNN及びノードNNsrのそれぞれには第1データである“+3”の絶対値に応じた電位が保持され、ノードNNr及びノードNNsのそれぞれには接地電位(GND)が保持されているものとする。このとき、回路CESのトランジスタF2の第1端子-第2端子間には、式(1.12)又は式(1.16)より3Iref0の電流量が流れる。また、トランジスタF2r、トランジスタF2s、及びトランジスタF2srのそれぞれの第1端子-第2端子間には、電流は流れない。つまり、配線WCLからセルIMに3Iref0の電流量が流れ、配線WCLからセルIMsに電流が流れず、配線WCLrからセルIMrに電流が流れず、配線WCLrからセルIMsrに電流が流れない。
また、例えば、回路CESに入力される第2データを“+1”とし、回路CESに保持されている第1データを“-3”とする。このため、ノードNNr及びノードNNsのそれぞれには第1データである“-3”の絶対値に応じた電位が保持され、ノードNN及びノードNNsrのそれぞれには接地電位(GND)が保持されているものとする。このとき、回路CESのトランジスタF2rの第1端子-第2端子間には、式(1.12)又は式(1.16)より3Iref0の電流量が流れる。また、トランジスタF2、トランジスタF2s、及びトランジスタF2srのそれぞれの第1端子-第2端子間には、電流は流れない。つまり、配線WCLrからセルIMrに3Iref0の電流量が流れ、配線WCLからセルIMに電流が流れず、配線WCLからセルIMsに電流が流れず、配線WCLrからセルIMsrに電流が流れない。
また、例えば、回路CESに入力される第2データを“-1”としたとき、回路CESの容量C5s及び容量C5srのそれぞれの第2端子には、配線XCLsから第2データである“-1”の絶対値に応じた電位が入力され、回路CESの容量C5及び容量C5rのそれぞれの第2端子には、配線XCLから接地電位(GND)に応じた電位が入力されるものとする。また、回路CESに保持されている第1データを“+3”としたとき、ノードNN及びノードNNsrのそれぞれには第1データである“+3”の絶対値に応じた電位が保持され、ノードNNr及びノードNNsのそれぞれには接地電位(GND)が保持されているものとする。このとき、回路CESのトランジスタF2srの第1端子-第2端子間には、式(1.12)又は式(1.16)より3Iref0の電流量が流れる。また、トランジスタF2、トランジスタF2r、及びトランジスタF2sのそれぞれの第1端子-第2端子間には、電流は流れない。つまり、配線WCLrからセルIMsrに3Iref0の電流量が流れ、配線WCLからセルIMに電流が流れず、配線WCLrからセルIMrに電流が流れず、配線WCLからセルIMsに電流が流れない。
また、例えば、回路CESに入力される第2データを“-1”とし、回路CESに保持されている第1データを“-3”とする。このため、ノードNNr及びノードNNsのそれぞれには第1データである“-3”の絶対値に応じた電位が保持され、ノードNN及びノードNNsrのそれぞれには接地電位(GND)が保持されているものとする。このとき、回路CESのトランジスタF2sの第1端子-第2端子間には、式(1.12)又は式(1.16)より3Iref0の電流量が流れる。また、トランジスタF2、トランジスタF2r、及びトランジスタF2srのそれぞれの第1端子-第2端子間には、電流は流れない。つまり、配線WCLからセルIMsに3Iref0の電流量が流れ、配線WCLからセルIMに電流が流れず、配線WCLrからセルIMrに電流が流れず、配線WCLrからセルIMsrに電流が流れない。
また、例えば、回路CESに入力される第2データを“0”としたとき、回路CESの容量C5、容量C5rのそれぞれの第2端子には、配線XCLから接地電位(GND)が入力され、回路CESの容量C5s、及び容量C5srのそれぞれの第2端子には、配線XCLsから接地電位(GND)が入力されるものとする。このとき、回路CESに保持されている第1データがどのような値でも、トランジスタF2、トランジスタF2r、トランジスタF2s、及びトランジスタF2srのそれぞれの第1端子-第2端子間には、電流は流れない。
また、例えば、回路CESに保持される第1データを“0”としたとき、ノードNN、ノードNNr、ノードNNs、及びノードNNsrのそれぞれには接地電位(GND)が保持されているものとする。このとき、回路CESに入力される第2データがどのような値でも、トランジスタF2、トランジスタF2r、トランジスタF2s、及びトランジスタF2srのそれぞれの第1端子-第2端子間には、電流は流れない。
上記は、第1データが“+3”、“-3”、“0”の場合と、第2データが“+1”、“-1”、“0”の場合について説明したが、他の場合についても同様に考えると、配線WCL及び配線WCLrに流れる電流量は、次の表の通りにまとめることができる。
以上のとおり、演算回路MAC2を用いることによって、正、負、又は“0”の第1データと、正、又は“0”の第2データとの積和演算を行うことができる。また、演算回路MAC3を用いることによって、正、負、又は“0”の第1データと、正、負、又は“0”の第2データと、の積和演算を行うことができる。
なお、本発明の一態様は、本実施の形態で述べた演算回路MAC2、及び演算回路MAC3の回路構成に限定されない。演算回路MAC2、及び演算回路MAC3は、状況に応じて、回路構成を変更することができる。例えば、演算回路MAC3に含まれている、容量C5、容量C5r、容量C5s、容量C5sr、容量C5m、容量C5msは、トランジスタのゲート容量とすることができる(図示しない)。また、演算回路MAC3において、ノードNN、ノードNNr、ノードNNs、ノードNNsr、ノードNNref、及びノードNNrefsと周辺の配線との寄生容量が大きい場合は、容量C5、容量C5r、容量C5s、容量C5sr、容量C5m、容量C5msは、必ずしも設けなくてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC1A、演算回路MAC2、又は演算回路MAC3のいずれか一と、センサと、を組み合わせた構成について説明する。
<センサで発生した電流が入力される演算回路の構成例>
図13Aは、演算回路MAC1と、センサを有する回路SCAと、を組み合わせた構成例を示している。なお、図13Aでは、演算回路MAC1のセルアレイCAを抜粋して図示している。
回路SCAは、一例として、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]を有する。図13Aでは、例えば、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]は、マトリクス状となるように配置されている。
センサSNC[1]乃至センサSNC[m]は、センシングした情報を電流量に変換して、当該電流量を出力する機能を有する。センサSNC[1]乃至センサSNC[m]としては、例えば、フォトダイオードを用いた光センサ、圧力センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、聴覚センサ、温度センサ、湿度センサなどとすることができる。特に、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]として、光センサを適用することで、回路SCAをイメージセンサの一部とすることができる。
センサSNC[1]乃至センサSNC[m]は、例えば、外界の情報のセンシングを行うため、当該外界に近い領域に設けられることが好ましい。このため、回路SCAは、図13Aの通り、回路SCAは、例えば、演算回路MAC1の上方に設けられることが好ましく、より具体的には、セルアレイCAの上方に設けられることが好ましい。
また、センサSNC[i](ここでのiを1以上m以下の整数とする)は、配線XCL[i]に電気的に接続されている。つまり、センサSNC[1]は、配線XCL[1]に電気的に接続され、センサSNC[m]は、配線XCL[m]に電気的に接続されている。
そのため、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のそれぞれにおいて、情報のセンシングが行われたとき、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のそれぞれは、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に対して、当該情報に応じた電流量を流す。
なお、回路SCAは、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のそれぞれが逐次的にセンシングを行って、電流を配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれに順次流すことができる構成とすることが好ましい。この場合、例えば、回路SCAを、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]を選択するための信号線を設けた構成として、信号線に順次信号などを送信してセンサSNC[1]乃至センサSNC[m]を逐次的に動作するようにすればよい。
具体的には、例えば、図13Bに示す通り、図13Aの回路構成において、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に回路VINIを設けてもよい。回路VINIは、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]を有する。スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれの第1端子は、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に電気的に接続され、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれの第2端子は、配線VINIL3に電気的に接続されている。配線VINIL3は、例えば、低レベル電位、接地電位などの定電位を与える配線として機能する。特に、当該定電位としては、配線VEが与える電位よりも低い電位であることが好ましい。ここで、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]の一をオフ状態、残りのスイッチSWをオン状態となるように、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]を順次オフ状態にすることを考える。センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のそれぞれが同時にセンシングを行ったとき、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]は、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれに電流を流す。このとき、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のうちオン状態となっているスイッチSWに電気的に接続されている配線XCLは、配線VINIL3と導通状態となっているため、当該電流は配線VINIL3に流れる。これにより、オン状態となっているスイッチSWに電気的に接続されている配線XCLの電位は、配線VINIL3が与える定電位にほぼ等しくなる。一方、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のうちオフ状態となっているスイッチSWに電気的に接続されている配線XCLの電位は、当該電流の量に応じて定められる。
また、例えば、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]が、フォトダイオードなどによって構成されている光センサである場合、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のうち一のセンサSNCのみに光が照射されるようなフィルタを用意すればよい。このとき、センサSNCがm個であるため、フィルタの種類もm個となる。また、それらに加えて、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のいずれにも光が照射されないフィルタを用意する場合、フィルタの種類はm+1個となる。回路SCAに光が照射されているとき、フィルタを順次切り替えることによって、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]が逐次的にセンシングを行うことができる。
また、例えば、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]が、フォトダイオードなどによって構成されている光センサである場合、演算回路MAC1、演算回路MAC1A、演算回路MAC2、又は演算回路MAC3は、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のそれぞれに個別に光が照射される構成としてもよい。個別に光を照射する構成にすることで、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]のそれぞれに順次、光を照射して、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]が逐次的にセンシングを行うことができる。
ここで、一例として、演算回路MAC1に図13Bの回路SCAと回路VINIを設けた場合の演算回路の動作例について、説明する。
また、当該動作例としては、図6のタイミングチャートを参酌する。そのため、図13Bの回路SCAと回路VINIを設けた演算回路MAC1の動作例の説明のうち、実施の形態1の演算回路の動作例1の説明が重複する内容については、省略する。
また、配線VINIL3が与える定電位は、接地電位とする。
図6のタイミングチャートの時刻T13から時刻T15までにおいて、回路SCAのセンサSNC[i]から配線XCL[i]に電流量としてIref0が流れる。Iref0は、例えば、図13BのセンサSNC[i]がセンシングを行って出力する基準電流の量とすることができる。また、回路VINIにおいて、スイッチSW[i]をオフ状態にすることにより、配線XCL[i]の電位は、例えば、Vgm[i]となるものとする。
また、図6のタイミングチャートの時刻T13から時刻T15までにおいて、センサSNC[i]以外のセンサSNC[1]乃至センサSNC[m]は、センシングを行ってもよいし、行わなくてもよい。また、このとき、スイッチSW[i]以外のスイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]を全てオン状態にすることにより、配線XCL[i]以外の配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれの電位は、例えば、接地電位となるものとする。
図6のタイミングチャートの時刻T17から時刻T19までにおいて、回路SCAのセンサSNC[i+1]から配線XCL[i+1]に電流としてIref0が流れる。Iref0は、例えば、図13BのセンサSNC[i+1]がセンシングを行って出力する電流の量とすることができる。また、回路VINIにおいて、スイッチSW[i+1]をオフ状態にすることにより、配線XCL[i+1]の電位は、例えば、Vgm[i+1]となるものとする。
また、図6のタイミングチャートの時刻T17から時刻T19までにおいて、センサSNC[i+1]以外のセンサSNC[1]乃至センサSNC[m]は、センシングを行ってもよいし、行わなくてもよい。また、このとき、スイッチSW[i+1]以外のスイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]をオン状態にすることにより、配線XCL[i+1]以外の配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれの電位は、例えば、接地電位となるものとする。
図6のタイミングチャートの時刻T22から時刻T23までにおいて、回路SCAのセンサSNC[i]から配線XCL[i]にIref0のx[i]倍であるx[i]Iref0の電流量が流れる。電流x[i]Iref0は、例えば、図13BのセンサSNC[i]がセンシングを行って出力する電流とすることができる。また、回路VINIにおいて、スイッチSW[i]をオフ状態にすることにより、配線XCL[i]の電位は、例えば、Vgm[i]+ΔV[i]に変化するものとする。
また、図6のタイミングチャートの時刻T22から時刻T23までにおいて、回路SCAのセンサSNC[i+1]から配線XCL[i+1]にIref0のx[i+1]倍であるx[i+1]Iref0の電流量が流れる。電流x[i+1]Iref0は、例えば、図13BのセンサSNC[i+1]がセンシングを行って出力する電流とすることができる。また、回路VINIにおいて、スイッチSW[i+1]をオフ状態にすることにより、配線XCL[i+1]の電位は、例えば、Vgm[i+1]+ΔV[i+1]に変化するものとする。
その後、図6のタイミングチャートの説明と同様に、変換回路ITRZ[j]と配線WCL[j]との間に流れる電流量は、セルIM[i,j]のトランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量I1[i,j]と、セルIM[i+1,j]のトランジスタF2の第1端子-第2端子間に流れる電流量I1[i+1,j]と、の総和(式(1.17)に相当する)となる。このため、変換回路ITRZ[j]から配線WCL[j]に出力される電流量は、第1データである重み係数w[i,j]及びw[i+1,j]と、第2データであるニューロンの信号の値x[i]及びx[i+1]と、の積和の値、つまり、x[i]w[i,j]+x[i+1]w[i+1,j]に比例した電流量となる。
回路SCAを適用した演算回路MAC1は、例えば、階層型のニューラルネットワークの1層目(入力層)から2層目(中間層)までの演算を行うことができる。つまり、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]がセンシングして得られた情報(値)は、当該1層目のニューロンが当該2層目のニューロンに送信される信号に相当する。また、当該1層目のニューロンと当該2層目のニューロンとの間の重み係数をセルIM[1,j]乃至セルIM[m,j]に保持することで、演算回路MAC1は、当該情報(値)と当該重み係数との積和を計算することができる。
なお、階層型のニューラルネットワークについては、実施の形態4で詳述する。
図14には、図13AのセンサSNC[1]乃至センサSNC[m]として、例えば、フォトダイオードPD[1]乃至フォトダイオードPD[m]を適用した回路SCAを図示している。つまり、図14の回路SCAは、一例としてイメージセンサを想定している。
このように光センサを利用する場合、光センサに照射される光の強度は、当該光センサを利用する環境で照射される範囲の強度とすることが望ましい。
<センサを有する演算回路の構成例>
また、図13A、及び図13Bに示している半導体装置の構成において、センサSNC[1]乃至センサSNC[m]は、フォトダイオードのようにセンシングした情報を電流量に変換して当該電流量を出力する素子と、当該素子の周辺回路を含めた回路構成に置き換えてもよい。具体的には、例えば、図13Aの半導体装置の構成は、図15に示すとおり、図13AのセンサSNC[1]乃至センサSNC[m]を、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]に置き換えてもよい。
回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれは、ある情報をセンシングする機能と、当該情報を電流量に変換して当該電流量を出力する機能と、を有するセンサSNCを有する。また、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれは、センサSNCだけでなく、別の機能を有する回路、素子などが含まれていてもよい。ここでいう別の機能とは、例えば、センサSNCと配線XCLとの導通状態と非導通状態との切り替えを行うスイッチングの機能、センサSNCを一時的に停止するために電源の供給を遮断する機能などが挙げられる。
また、図15の半導体装置には、一例として、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれに電気的に接続されている回路CIRも示している。回路CIRとしては、例えば、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]とは別の、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に電流を流す回路、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に電位を供給する回路などとすることができる。
また、図15の半導体装置では、セルアレイCAと、回路CIRと、を同じ層に含まれるように図示しているが、本発明の一態様の半導体装置の構成は、これに限定されない。例えば、図16に示すとおり、回路CIRは、セルアレイCAの下方に位置するように設けてもよい。また、例えば、図17に示すとおり、回路CIRは、回路SCAと同じ層に含まれるように設けてもよい。つまり、回路SCAと、回路CIRと、を同じ基板上に形成してもよい。また、図示しないが、例えば、回路CIRは、セルアレイCAよりも上方に位置し、かつ回路SNCよりも下方に位置するように設けてもよい。また、例えば、回路CIRは、複数の層に分けて設けてもよい。具体的には、例えば、回路CIRの一部分を回路SCAと同じ層に設けて、回路CIRの残りの部分をセルアレイCAの下方に設けてもよい。
ここで、一例として、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれが、センサSNCと配線XCLとの導通状態と非導通状態との切り替えを行うスイッチングの機能を有する場合における、演算回路の構成について説明する。
図18に示す演算回路MAC4は、図1の演算回路MAC1の構成、又は図7の演算回路MAC2の構成と、図15に示した回路SCAとを組み合わせた構成例である。図18の演算回路MAC4を構成することによって、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]からセルアレイCAに入力される電流の自由度を高めることができる。電流の自由度を高めることによって、例えば、実施の形態1で説明した参照データ、又は第2データに応じた電流を状況に応じて設定することができる。
なお、図18に示す演算回路MAC4は、一例として、回路LGCと、回路LSと、を図示している。
回路LGCは、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]によって、回路LSに電気的に接続されている。また、回路LSは、配線DXS[1]乃至配線DXS[m]によって、回路XCSに電気的に接続されている。
回路XCSは、実施の形態1で説明したとおり、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のそれぞれに対して、参照データに応じた電流量、又は第2データに応じた電流量を流す機能を有する。回路XCSは、一例として、図2Cに示した回路XCSの構成を適用することができる。
特に、回路XCSとして、図2Cに示した回路XCSを適用した場合、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]の一に流れる電流量は、その配線に電気的に接続されている回路XCSaの配線DX[1]乃至配線DX[L]に入力されている電位の組み合わせに応じて定められる。ここで、図18において、配線DXS[1]は、配線XCL[1]に電気的に接続されている回路XCSaの配線DX[1]乃至配線DX[L]とし、配線DXS[m]は、配線XCL[m]に電気的に接続されている回路XCSaの配線DX[1]乃至配線DX[L]とする。つまり、配線DXS[1]乃至配線DXS[m]の一は、デジタル信号を送信するバス配線とすることができる。
回路LSは、一例として、入力された電位を所望の電位にレベルシフトを行う機能を有する。具体的には、回路LSは、配線LXS[1]から入力された電位を所望の電位にレベルシフトして、配線DXS[1]にレベルシフトした電位を出力する。そのため、配線LXS[1]の配線数は、配線DXS[1]と同数とすることができる。また、同様に、回路LSは、配線LXS[m]から入力された電位を所望の電位にレベルシフトして、配線DXS[m]にレベルシフトした電位を出力する。そのため、配線LXS[m]の配線数は、配線DXS[m]と同数とすることができる。また、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]の一は、デジタル信号を送信するバス配線とすることができる。
回路LGCは、一例として、回路LGCに入力されるデータDTを順次保持し、所望のタイミングで配線LXS[1]乃至配線LXS[m]にパラレルに同時に、又は逐次的にデータDTを出力する機能を有する。ここでのデータDTとしては、例えば、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に入力される参照データ、又は第2データとすることができる。つまり、回路LGCは、演算回路MAC4の配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に参照データに応じた電流量、又は第2データに応じた電流量を流すために、回路LGCの外部から受け取った当該参照データ、又は当該第2データを保持し、当該参照データ、又は当該第2データを所定のタイミングで配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれに出力する。なお、回路LGCの具体的な回路の構成例については、後述する。
なお、回路LGCから出力された電圧をレベルシフトする必要がない場合は、図18に示す演算回路MAC4において、回路LSを設けず、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれと、配線DXS[1]乃至配線DXS[m]のそれぞれと、を電気的に接続すればよい。
次に、図18に示す回路SCAの構成について説明する。回路SCAに含まれている回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれは、一例として、トランジスタF9と、センサSNCと、を有する。
配線XCL[1]に電気的に接続されている回路SPR[1]において、トランジスタF9の第1端子は、配線XCL[1]に電気的に接続され、トランジスタF9の第2端子は、センサSNCの第1端子に電気的に接続され、トランジスタF9のゲートは、配線VTXLに電気的に接続され、トランジスタF9のバックゲートは、配線VBGLに電気的に接続されている。また、センサSNCの第2端子は、配線VANLに電気的に接続されている。
配線XCL[m]に電気的に接続されている回路SPR[m]において、トランジスタF9の第1端子は、配線XCL[m]に電気的に接続され、トランジスタF9の第2端子は、センサSNCの第1端子に電気的に接続され、トランジスタF9のゲートは、配線VTXLに電気的に接続され、トランジスタF9のバックゲートは、配線VBGLに電気的に接続されている。また、センサSNCの第2端子は、配線VANLに電気的に接続されている。
センサSNCは、上述したとおり、情報をセンシングする機能と、当該情報を電流量に変換して当該電流量を出力する機能と、を有する。
図18に示す演算回路MAC4において、トランジスタF9は、バックゲートを有するトランジスタを図示しているが、本発明の一態様はこれに限定されず、例えば、トランジスタF9は、シングルゲート構造のトランジスタとしてもよい。また、トランジスタF9は、例えば、OSトランジスタ、Siトランジスタなどとすることができ、特に、トランジスタF9として、OSトランジスタを用いることによって、トランジスタF9のオフ電流を極めて小さくすることができる。このため、トランジスタF9をオフ状態にすることによって、配線XCLに流れるセンサSNCで発生した電流を極めて小さくすることができる。
配線VTXLは、一例として、トランジスタF9のオン状態とオフ状態との切り替えを行うための配線として機能する。そのため、配線VTXLには、高レベル電位、又は低レベル電位が供給される。
配線VANLは、一例として、センサSNCに供給するための電源電圧を与える配線として機能する。なお、当該電源電圧としては、センサSNCの構成によるが、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。
配線VBGLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。
配線VBGLに所望の電圧を与えることによって、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF9のしきい値電圧を調整することができる。例えば、配線VBGLに高レベル電位を与えることによって、トランジスタF9のしきい値電圧を低くすることができ、また、例えば、配線VBGLに低レベル電位を与えることによって、トランジスタF9のしきい値電圧を高くすることができる。
回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれに含まれているセンサSNCは、図13A、及び図13BのセンサSNC[1]乃至センサSNC[m]と同様に、センシングした情報を電流量に変換して、当該電流量を出力する機能を有する。また、センサSNCとしては、例えば、上述したとおり、フォトダイオードを用いた光センサ、圧力センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、聴覚センサ、温度センサ、湿度センサなどとすることができる。
一例として、ここでは、センサSNCは、フォトダイオードを用いた光センサを含む構成とする。図19Aの回路SPR[i]は、センサSNCにフォトダイオードPDmが含まれている構成としており、フォトダイオードPDmの入力端子(アノードという場合がある)は、配線VANLに電気的に接続され、フォトダイオードPDmの出力端子(カソードという場合がある)は、トランジスタF9の第2端子に電気的に接続されている。なお、このとき、配線VANLが与える定電圧としては、低レベル電位、接地電位、負電位などとする。このため、フォトダイオードPDmに光が照射されると、フォトダイオードPDmの出力端子から、入力端子を介して配線VANLに電流が流れる。
図19Aの回路SCAにおける配線XCL[i]からセルアレイCAへの電流の入力のモードの1つとしては、例えば、トランジスタF9をオフ状態にするモードがある。トランジスタF9をオフ状態にすることによって、フォトダイオードPDmで発生した電流が配線XCL[i]に流れなくなる。このため、配線XCL[i]からセルアレイCAに流れる電流を、回路XCSによって生成された参照データ、又は第2データに応じた電流とすることができる。
また、例えば、図19Aの回路SCAにおける配線XCL[i]からセルアレイCAへの電流の入力のモードの1つとしては、トランジスタF9をオン状態にするモードがある。トランジスタF9をオン状態にすることによって、配線XCL[i]からセルアレイCAに流れる電流を、回路XCSによって生成された所望の電流と、フォトダイオードPDmで発生した電流と、の差分電流とすることができる。
ところで、演算回路MAC4の回路構成としては、図19AのフォトダイオードPDmの入力端子と出力端子とを入れ替えてもよい。具体的には、図19Bに示すとおり、回路SPR[i]は、フォトダイオードPDmの入力端子がトランジスタF9の第2端子に電気的に接続され、フォトダイオードPDmの出力端子が配線VANLに電気的に接続されている構成となっている。なお、このとき、配線VANLが与える定電圧としては、高レベル電位などとする。このため、フォトダイオードPDmに光が照射されると、フォトダイオードPDmの出力端子から入力端子に電流が流れる。このため、フォトダイオードPDmに光が照射されると、配線VANLから、フォトダイオードPDmの出力端子を介して、入力端子に電流が流れる。
図19Bの回路SCAにおける配線XCL[i]からセルアレイCAへの電流の入力のモードの1つとしては、例えば、トランジスタF9をオフ状態にするモードがある。このモードで動作することによって、図19Aの回路SCAでトランジスタF9をオフ状態にすることと同様に、フォトダイオードPDmで発生した電流が配線XCL[i]に流れなくすることができ、配線XCL[i]からセルアレイCAに流れる電流を、回路XCSによって生成された参照データ、又は第2データに応じた電流とすることができる。
また、例えば、図19Bの回路SCAにおける配線XCL[i]からセルアレイCAへの電流の入力のモードの1つとしては、例えば、トランジスタF9をオン状態にするモードがある。このモードで動作することによって、トランジスタF9をオン状態にすることによって、配線XCL[i]からセルアレイCAに流れる電流を、回路XCSによって生成された所望の電流と、フォトダイオードPDmで発生した電流と、の総和とすることができる。
また、このとき、回路XCSから配線XCL[i]に流れる電流量を0にする、つまり、回路XCSから配線SCL[i]への電流の供給を行わないようにすることで、配線XCL[i]からセルアレイCAに流れる電流は、フォトダイオードPDmで発生した電流のみとすることができる。
上述したとおり、図18の演算回路MAC4を構成することによって、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]からセルアレイCAに入力される電流の自由度を高めることができ、実施の形態1で説明した参照データ、又は第2データに応じた電流を状況に応じて設定することができる。
例えば、演算回路MAC4のセルアレイCAに参照データ、又は第2データを入力するとき、センサSNCによって生成された電流を用いない場合は、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF9をオフ状態にして、回路XCSによって、参照データ、又は第2データに応じた電流を生成して、当該電流を配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流せばよい。
また、例えば、演算回路MAC4のセルアレイCAに参照データ、又は第2データを入力するとき、センサSNCによって生成された電流を用いる場合は、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]のそれぞれに含まれているトランジスタF9をオン状態にして、センサSNCによって生成された電流を配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流せばよい。なお、場合によっては、回路XCSから配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流れる電流量は、所望の量としてもよいし、0としてもよい。
特に、演算回路MAC4で図6のタイミングチャートの動作例を行う場合、例えば、時刻T13から時刻T14までの間、及び時刻T17から時刻T19までの間では、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]に含まれているトランジスタF9をオフ状態にして、回路XCSから参照データに応じた電流を配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流せばよい。また、例えば、時刻T22から時刻T23までの間では、回路XCSから配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流れる電流量を0とし、回路SPR[1]乃至回路SPR[m]に含まれているトランジスタF9をオン状態にして、センサSNCによって生成された電流を配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流せばよい。
また、例えば、演算回路MAC4のセルアレイCAに参照データ、又は第2データを入力するとき、回路XCSによって生成された電流と、センサSNCによって生成された電流と、の総和の電流(又は差分電流)を、参照データ、又は第2データとして、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流してもよい。ここで、センサSNCを図19(A)、及び図19(B)に示すフォトダイオードPDmを含む構成としたとき、回路SCAから配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流れる電流は、フォトダイオードPDmによって撮像されたデータに応じたものとなる。このとき、撮像されたデータに対する補正データを回路XCSから配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に流れる電流として生成することによって、配線XCL[1]乃至配線XCL[m]から演算回路MAC4のセルアレイCAに、補正が行われた撮像データに応じた電流を流すことができる。当該補正としては、例えば、特定の色に対して強弱をつける色調補正などが挙げられる。
[回路LGCの構成例]
次に、回路LGCの具体的な回路の構成例について説明する。配線LXS[1]乃至配線LXS[m]の一はデジタル信号を送信するバス配線としたとき、回路LGCに入力されるデータDT(参照データ、及び当該第2データ)はデジタル信号として入力されることが好ましい。データDTをデジタル信号として扱うことによって、回路LGCは論理回路として構成することができる。
回路LGCを論理回路として構成する場合、回路LGCは、一例として、図20Aに示す回路構成とすることができる。図20Aに示す回路LGCは、シフトレジスタSRと、ラッチ回路LTA[1]乃至ラッチ回路LTA[m]と、ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]と、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]を有する。
シフトレジスタSRは、配線SPLと、配線SCLと、配線SEL[1]乃至配線SEL[m]と、に電気的に接続されている。
ラッチ回路LTA[1]乃至ラッチ回路LTA[m]のそれぞれの制御端子(クロック入力端子、イネーブル信号入力端子などと呼ばれる場合がある)には、配線SEL[1]乃至配線SEL[m]が電気的に接続され、ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれの制御端子には配線LATが電気的に接続されている。また、ラッチ回路LTA[1]乃至ラッチ回路LTA[m]のそれぞれの入力端子Dは、配線DATに電気的に接続され、ラッチ回路LTA[1]乃至ラッチ回路LTA[m]のそれぞれの出力端子Qは、配線DL[1]乃至配線DL[m]のそれぞれに電気的に接続されている。ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれの入力端子Dは、配線DL[1]乃至配線DL[m]に電気的に接続され、ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれの出力端子Qは、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれの第1端子に電気的に接続されている。スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれの第2端子は、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれに電気的に接続され、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれの制御端子は、配線SWL[1]乃至配線SWL[m]のそれぞれに電気的に接続されている。
スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]としては、例えば、アナログスイッチ、トランジスタなどの電気的なスイッチを適用することができる。また、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]としては、例えば、機械的なスイッチを適用してもよい。なお、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]にトランジスタを適用する場合、当該トランジスタは、OSトランジスタ、またはSiトランジスタとすることができる。
また、図20Aに示すスイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれは、制御端子に高レベル電位が入力された時にオン状態となり、また、制御端子に低レベル電位が入力された時にオフ状態となる。
配線SWL[1]乃至配線SWL[m]は、一例として、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]の導通状態と非導通状態とを切り替えを行うための配線として機能する。
配線SPLは、一例として、シフトレジスタSRにスタートパルス信号を送信する配線として機能する。
また、配線SCLは、一例として、シフトレジスタSRにクロック信号を送信する配線として機能する。
また、配線DATは、一例として、回路LGCにデータDTを送信する配線として機能する。
配線SEL[1]乃至配線SEL[m]、配線DL[1]乃至配線DL[m]、及び配線DATのそれぞれは、デジタル信号を送信する配線とすることができる。そのため、配線SEL[1]乃至配線SEL[m]、配線DL[1]乃至配線DL[m]、及び配線DATのそれぞれは、バス配線とすることができる。また、配線SWLもバス配線とすることができる。
シフトレジスタSRは、一例として、配線SPL及び配線SCLに入力される電位の変化に従って、逐次的に配線SEL[1]乃至配線SEL[m]に高レベル電位を出力する機能を有する。なお、シフトレジスタSRは、配線SEL[1]乃至配線SEL[m]のうち2本以上に高レベル電位を出力することはできず、配線SEL[1]乃至配線SEL[m]のいずれか一が高レベル電位を出力しているとき、配線SEL[1]乃至配線SEL[m]の残りの配線は低レベル電位を出力するものとする。
例えば、配線SPLにスタートパルス信号として高レベル電位が入力されている状態で、配線SCLからのクロック信号で、電位が低レベル電位から高レベル電位に立ち上がったとき、配線SEL[1]は高レベル電位を出力する。続いて、配線SPLに低レベル電位が入力されている状態で、配線SCLからのクロック信号で、再び、電位が低レベル電位から高レベル電位に立ち上がったとき、配線SEL[1]は低レベル電位を出力し、配線SEL[2]は高レベル電位を出力する。更に、その後に、配線SPLに低レベル電位が入力されている状態で、配線SCLからのクロック信号で、例えば、3回目の電位の立ち上がりが起きたとき、配線SEL[1]、及び配線SEL[2]は低レベル電位を出力し、配線SEL[3]は高レベル電位を出力する。
このように、配線SCLからのクロック信号で、電位の立ち上がりが起こるたびに、シフトレジスタSRは、逐次的に配線SEL[1]乃至配線SEL[m]の一に高レベル電位を出力し、それ以外の配線に低レベル電位を出力することができる。
ラッチ回路LTA[1]乃至ラッチ回路LTA[m]、及びラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれは、例えば、制御端子に高レベル電位が入力された時にイネーブル状態となって、入力端子Dに入力されているデータを保持し、かつ当該データを出力端子Qに出力する機能を有する。なお、ラッチ回路LTA[1]乃至ラッチ回路LTA[m]、及びラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれは、例えば、制御端子に低レベル電位が入力されているときにディセーブル状態となり、入力端子Dに入力されているデータを保持せず、当該データを出力端子Qにも出力しない。
ここで、回路LGCの動作例について説明する。
図21Aは、回路LGCの動作例を示すタイミングチャートである。当該タイミングチャートは、配線SPL、配線SCL、配線SEL[1]、配線SEL[2]、配線SEL[m-1]、配線SEL[m]、配線SWL[1]乃至配線SWL[m]、及び配線LATにおける電位の変化を示し、かつ配線DAT、配線LXS[1]、配線LXS[2]、配線LXS[m-1]、及び配線LXS[m]に入力されているデータを示している。なお、配線SPL、配線SCL、配線SEL[1]、配線SEL[2]、配線SEL[m-1]、配線SEL[m]、配線SWL、及び配線LATにおいて、高レベル電位についてはHighと記載し、低レベル電位についてはLowと記載している。
また、図21Aのタイミングチャートは、時刻T31から時刻T40までの間とその近傍の時刻において、回路LGCが、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれに同時にデータDTを出力する動作例を示している。この動作例としては、例えば、図6のタイミングチャートの時刻T21から時刻T23までの間に行われるものとする。
また、時刻T31より前の時刻において、配線LATには低レベル電位が入力され、配線SWL[1]乃至配線SWL[m]のそれぞれには低レベル電位が入力されているものとする。また、シフトレジスタSRは、配線SEL[1]乃至配線SEL[m]のそれぞれに低レベル電位を出力しているものとする。
時刻T31から時刻T32までの間において、配線SPLにはスタートパルス信号として高レベル電位が入力される。また、配線SCLには、クロック信号として、パルス電圧が入力される。シフトレジスタSRは、クロック信号のパルス電圧の立ち上がりが入力されることで、配線SPLに入力されるスタートパルス信号である高レベル電位を取得する。
時刻T32から時刻T33までの間において、配線DATには、データDT[1]が入力される。また、配線SCLには、クロック信号として、2回目のパルス電圧が入力される。シフトレジスタSRは、クロック信号の2回目のパルス電圧の立ち上がりが入力されることで、配線SEL[1]に高レベル電位を出力する。
このとき、ラッチ回路LTA[1]はイネーブル状態となるので、入力端子Dに入力されているデータDT[1]を保持し、出力端子QにデータDT[1]を出力する。データDT[1]は、ラッチ回路LTB[1]の入力端子Dに入力される。なお、このとき、ラッチ回路LTB[1]の制御端子には低レベル電位が入力されているため、ラッチ回路LTB[1]は、ラッチ回路LTB[1]の入力端子Dに入力されるデータDT[1]を保持せず、かつラッチ回路LTB[1]の出力端子Qに入力されるデータDT[1]を出力しない。
時刻T33から時刻T34までの間において、配線DATには、データDT[2]が入力される。また、配線SCLには、クロック信号として、3回目のパルス電圧が入力される。シフトレジスタSRは、クロック信号の3回目のパルス電圧の立ち上がりが入力されることで、配線SEL[1]に低レベル電位を出力し、配線SEL[2]に高レベル電位を出力する。
このとき、ラッチ回路LTA[1]はディセーブル状態となるので、ラッチ回路LTA[1]の入力端子Dに入力されるデータDT[2]を保持しない。また、ラッチ回路LTA[1]は、時刻T33以前から引き続き、データDT[1]を保持し続け、出力端子QからデータDT[1]を出力する。
また、ラッチ回路LTA[2]はイネーブル状態となるので、入力端子Dに入力されているデータDT[2]を保持し、出力端子QにデータDT[2]を出力する。データDT[2]は、ラッチ回路LTB[2]の入力端子Dに入力される。なお、このとき、ラッチ回路LTB[2]の制御端子には低レベル電位が入力されているため、ラッチ回路LTB[2]は、ラッチ回路LTB[2]の入力端子Dに入力されるデータDT[2]を保持せず、かつラッチ回路LTB[2]の出力端子Qに入力されるデータDT[2]を出力しない。
時刻T34から時刻T35までの間では、配線DATにデータDT[3]乃至DT[m-2]が逐次的に入力され、かつシフトレジスタSRによって配線SEL[3]乃至配線SEL[m-2]に逐次的に高レベル電位が入力される。これにより、ラッチLTA[3]乃至ラッチ回路LTA[m-2]のそれぞれにデータDT[3]乃至データDT[m-2]が保持される。また、ラッチLTA[3]乃至ラッチ回路LTA[m-2]のそれぞれの出力端子QからデータDT[3]乃至データDT[m-2]を出力する。
時刻T35から時刻T36までの間において、配線DATには、データDT[m-1]が入力される。また、配線SCLには、クロック信号として、m回目のパルス電圧が入力される。シフトレジスタSRは、クロック信号のm回目のパルス電圧の立ち上がりが入力されることで、配線SEL[m-2]に低レベル電位を出力し、配線SEL[m-1]に高レベル電位を出力する。
このとき、ラッチ回路LTA[m-2]はディセーブル状態となるので、ラッチ回路LTA[m-2]の入力端子Dに入力されるデータDT[m-1]を保持しない。また、ラッチ回路LTA[m-2]は、時刻T35以前から引き続き、データDT[m-2]を保持し続け、出力端子QからデータDT[m-2]を出力する。
また、ラッチ回路LTA[m-1]はイネーブル状態となるので、入力端子Dに入力されているデータDT[m-1]を保持し、出力端子QにデータDT[m-1]を出力する。データDT[m-1]は、ラッチ回路LTB[m-1]の入力端子Dに入力される。なお、このとき、ラッチ回路LTB[m-1]の制御端子には低レベル電位が入力されているため、ラッチ回路LTB[m-1]は、ラッチ回路LTB[m-1]の入力端子Dに入力されるデータDT[m-1]を保持せず、かつラッチ回路LTB[m-1]の出力端子Qに入力されるデータDT[m-1]を出力しない。
時刻T36から時刻T37までの間において、配線DATには、データDT[m]が入力される。また、配線SCLには、クロック信号として、m+1回目のパルス電圧が入力される。シフトレジスタSRは、クロック信号のm+1回目のパルス電圧の立ち上がりが入力されることで、配線SEL[m-1]に低レベル電位を出力し、配線SEL[m]に高レベル電位を出力する。
このとき、ラッチ回路LTA[m-1]はディセーブル状態となるので、ラッチ回路LTA[m-1]の入力端子Dに入力されるデータDT[m]を保持しない。また、ラッチ回路LTA[m-1]は、時刻36以前から引き続き、データDT[m-1]を保持し続け、出力端子QからデータDT[m-1]を出力する。
また、ラッチ回路LTA[m]はイネーブル状態となるので、入力端子Dに入力されているデータDT[m]を保持し、出力端子QにデータDT[m]を出力する。データDT[m]は、ラッチ回路LTB[m]の入力端子Dに入力される。なお、このとき、ラッチ回路LTB[m]の制御端子には低レベル電位が入力されているため、ラッチ回路LTB[m]は、ラッチ回路LTB[m]の入力端子Dに入力されるデータDT[m]を保持せず、かつラッチ回路LTB[m]の出力端子Qに入力されるデータDT[m]を出力しない。
時刻T38から時刻T39までの間において、配線LATには高レベル電位が入力される。これにより、ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれの制御端子に高レベル電位が入力されるため、ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれは、イネーブル状態となる。このため、ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]は、それぞれの入力端子Dに入力されているデータDT[1]乃至データDT[m]を保持して、それぞれの出力端子QからデータDT[1]乃至データDT[m]を出力する。
時刻T39から時刻T40までの間において、配線SWL[1]乃至配線SWL[m]には高レベル電位が入力される。これにより、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]がオン状態となり、ラッチ回路LTB[1]乃至ラッチ回路LTB[m]のそれぞれの出力端子Qと配線LXS[1]乃至配線LXS[m]との間が導通状態となる。このため、回路LGCは、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれからデータDT[1]乃至データDT[m]を同時に出力することができる。
回路LGCは、図21Aに示したタイミングチャートの動作を行うことによって、回路LGCに逐次的に入力されたデータDT[1]乃至データDT[m]を同時にパラレルに配線LXS[1]乃至配線LXS[m]に出力することができる。これにより、例えば、図6のタイミングチャートの時刻T21から時刻T23までの間において、演算回路MAC4の配線XCL[1]乃至配線XCL[m]に同時に所望の電流を供給することができる。
ところで、図21Aのタイミングチャートでは、回路LGCが配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれに同時にデータDTを出力する動作例を示したが、回路LGCは、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれに逐次的にデータDTを出力してもよい。図21Bのタイミングチャートでは、回路LGCが配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれに逐次的にデータDTを出力する動作例を示したものである。なお、図21Bのタイミングチャートにおける時刻T39より前の動作については、図21Aのタイミングチャートにおける時刻T31より前から時刻T39までの動作例が行われたものとする。
図21(B)のタイミングチャートは、配線SWL[1]、配線SWL[2]、配線SWL[m-1]、及び配線SWL[m]における電位の変化を示し、かつ配線LXS[1]、配線LXS[2]、配線LXS[m-1]、及び配線LXS[m]に入力されているデータを示している。なお、配線SWL[1]、配線SWL[2]、配線SWL[m-1]、及び配線SWL[m]において、高レベル電位についてはHighと記載し、低レベル電位についてはLowと記載している。
時刻T39から時刻T40までの間において、配線SWL[1]には高レベル電位が入力される。これにより、スイッチSW[1]がオン状態となり、ラッチ回路LTB[1]の出力端子Qと配線LXS[1]との間が導通状態となるため、配線LXS[1]にラッチ回路LTBの出力端子Qから出力されたデータDT[1]が送信される。
時刻T40から時刻T41までの間において、配線SWL[1]には低レベル電位が入力され、配線SWL[2]には高レベル電位が入力される。これにより、スイッチSW[1]がオフ状態となり、スイッチSW[2]がオン状態となる。ラッチ回路LTB[1]の出力端子Qと配線LXS[1]との間が非導通状態となるため、配線LXS[1]にラッチ回路LTBの出力端子Qから出力されたデータDT[1]は送信されない。また、ラッチ回路LTB[2]の出力端子Qと配線LXS[2]との間が導通状態となるため、配線LXS[2]にラッチ回路LTBの出力端子Qから出力されたデータDT[2]が送信される。
時刻T41から時刻T42までの間では、配線SWL[3]乃至配線SWL[m-2]のそれぞれに高レベル電位が逐次的に入力されて、スイッチSW[3]乃至スイッチSW[m-2]が順次オン状態となる。これにより、ラッチ回路LTB[3]乃至ラッチ回路LTB[m-2]のそれぞれの出力端子Qに出力されているデータDT[3]乃至データDT[m-2]が、それぞれ配線LXS[3]乃至配線LXS[m-2]から順次出力される。
時刻T42から時刻T43までの間において、配線SWL[m-2]には低レベル電位が入力され、配線SWL[m-1]には高レベル電位が入力される。これにより、スイッチSW[m-2]がオフ状態となり、スイッチSW[m-1]がオン状態となる。ラッチ回路LTB[m-2]の出力端子Qと配線LXS[m-2]との間が非導通状態となるため、配線LXS[m-2]にラッチ回路LTBの出力端子Qから出力されたデータDT[m-2]は送信されない。また、ラッチ回路LTB[m-1]の出力端子Qと配線LXS[m-1]との間が導通状態となるため、配線LXS[m-1]にラッチ回路LTBの出力端子Qから出力されたデータDT[m-1]が送信される。
時刻T43から時刻T44までの間において、配線SWL[m-1]には低レベル電位が入力され、配線SWL[m]には高レベル電位が入力される。これにより、スイッチSW[m-1]がオフ状態となり、スイッチSW[m]がオン状態となる。ラッチ回路LTB[m-1]の出力端子Qと配線LXS[m-1]との間が非導通状態となるため、配線LXS[m-1]にラッチ回路LTBの出力端子Qから出力されたデータDT[m-1]は送信されない。また、ラッチ回路LTB[m]の出力端子Qと配線LXS[m]との間が導通状態となるため、配線LXS[m]にラッチ回路LTBの出力端子Qから出力されたデータDT[m]が送信される。
回路LGCは、図21Aに示したタイミングチャートにおいて時刻T39まで動作を行った後に、図21Bに示したタイミングチャートの動作を行うことによって、回路LGCに逐次的に入力されたデータDT[1]乃至データDT[m]を配線LXS[1]乃至配線LXS[m]に順次出力することができる。
なお、図21Bに示したタイミングチャートの動作例では、スイッチSWL[1]乃至スイッチSWL[m]のそれぞれを順次オン状態にして、データDT[1]乃至データDT[m]を配線LXS[1]乃至配線LXS[m]に順次出力する例を示したが、スイッチSWL[1]乃至スイッチSWL[m]からオン状態にするスイッチを選択して、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]から選ばれた配線にデータDTを出力する動作としてもよい。
上述した動作例によって、例えば、図6のタイミングチャートの時刻T13から時刻T15までの間、又は時刻T17から時刻T19までの間において、演算回路MACの配線XCL[1]乃至配線XCL[m]のいずれか一に所望の電流を供給することができる。
また、本発明の一態様の半導体装置に備えられる図18の回路LGCは、図20Aに示す回路LGCでなく、状況に応じて、図20Aの回路LGCの回路構成を変更したものとしてもよい。例えば、図20Aの回路LGCは、図20Aに示すスイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれと、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれとの間には、バッファ回路を設けた構成としてもよい。図20Bに示す回路LGCは、スイッチSW[1]乃至スイッチSW[m]のそれぞれと、配線LXS[1]乃至配線LXS[m]のそれぞれとの間にバッファ回路BF[1]乃至バッファ回路BF[m]を設けた構成となっている。図20Bに示すとおり、回路LGCにバッファ回路BF[1]乃至バッファ回路BF[m]を設けることによって、回路LGCから配線LXS[1]乃至配線LXS[m]に出力された電気信号(電位)を安定させることができる。
図18に示す演算回路MAC4を用いることによって、参照データ、又は第2データに応じた電流として、回路XCSで生成された電流、及び/又はセンサSNCで生成された電流をセルアレイCAに入力することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、階層型のニューラルネットワークについて説明する。なお、階層型のニューラルネットワークの演算は、上記の実施の形態で説明した半導体装置を用いることによって行うことができる。
<階層型のニューラルネットワーク>
階層型のニューラルネットワークは、一例としては、一の入力層と、一又は複数の中間層(隠れ層)と、一の出力層と、を有し、合計3以上の層によって構成されている。図22Aに示す階層型のニューラルネットワーク100はその一例を示しており、ニューラルネットワーク100は、第1層乃至第R層(ここでのRは4以上の整数とすることができる)を有している。特に、第1層は入力層に相当し、第R層は出力層に相当し、それら以外の層は中間層に相当する。なお、図22Aには、中間層として第(k-1)層、第k層(ここでのkは3以上R-1以下の整数とする)を図示しており、それ以外の中間層については図示を省略している。
ニューラルネットワーク100の各層は、一又は複数のニューロンを有する。図22Aにおいて、第1層はニューロンN1
(1)乃至ニューロンNp
(1)(ここでのpは1以上の整数である)を有し、第(k-1)層はニューロンN1
(k-1)乃至ニューロンNm
(k-1)(ここでのmは1以上の整数である)を有し、第k層はニューロンN1
(k)乃至ニューロンNn
(k)(ここでのnは1以上の整数である)を有し、第R層はニューロンN1
(R)乃至ニューロンNq
(R)(ここでのqは1以上の整数である)を有する。
なお、図22Aには、ニューロンN1
(1)、ニューロンNp
(1)、ニューロンN1
(k-1)、ニューロンNm
(k-1)、ニューロンN1
(k)、ニューロンNn
(k)、ニューロンN1
(R)、ニューロンNq
(R)に加えて、第(k-1)層のニューロンNi
(k-1)(ここでのiは1以上m以下の整数である)、第k層のニューロンNj
(k)(ここでのjは1以上n以下の整数である)も図示しており、それ以外のニューロンについては図示を省略している。
次に、前層のニューロンから次層のニューロンへの信号の伝達、及びそれぞれのニューロンにおいて入出力される信号について説明する。なお、本説明では、第k層のニューロンNj
(k)に着目する。
図22Bには、第k層のニューロンNj
(k)と、ニューロンNj
(k)に入力される信号と、ニューロンNj
(k)から出力される信号と、を示している。
具体的には、第(k-1)層のニューロンN1
(k-1)乃至ニューロンNm
(k-1)のそれぞれの出力信号であるz1
(k-1)乃至zm
(k-1)が、ニューロンNj
(k)に向けて出力されている。そして、ニューロンNj
(k)は、z1
(k-1)乃至zm
(k-1)に応じてzj
(k)を生成して、zj
(k)を出力信号として第(k+1)層(図示しない)の各ニューロンに向けて出力する。
前層のニューロンから次層のニューロンに入力される信号は、それらのニューロン同士を接続するシナプスの結合強度(以後、重み係数と呼称する)によって、信号の伝達の度合いが定まる。ニューラルネットワーク100では、前層のニューロンから出力された信号は、対応する重み係数を乗じられて、次層のニューロンに入力される。iを1以上m以下の整数として、第(k-1)層のニューロンNi
(k-1)と第k層のニューロンNj
(k)との間のシナプスの重み係数をwi
(k-1)
j
(k)としたとき、第k層のニューロンNj
(k)に入力される信号は、式(4.1)で表すことができる。
つまり、第(k-1)層のニューロンN1
(k-1)乃至ニューロンNm
(k-1)のそれぞれから第k層のニューロンNj
(k)に信号が伝達するとき、当該信号であるz1
(k-1)乃至zm
(k-1)には、それぞれの信号に対応する重み係数(w1
(k-1)
j
(k)乃至wm
(k-1)
j
(k))が乗じられる。そして、第k層のニューロンNj
(k)には、w1
(k-1)
j
(k)・z1
(k-1)乃至wm
(k-1)
j
(k)・zm
(k-1)が入力される。このとき、第k層のニューロンNj
(k)に入力される信号の総和uj
(k)は、式(4.2)となる。
また、重み係数w1
(k-1)
j
(k)乃至wm
(k-1)
j
(k)と、ニューロンの信号z1
(k-1)乃至zm
(k-1)と、の積和の結果には、偏りとしてバイアスを与えてもよい。バイアスをbとしたとき、式(4.2)は、次の式に書き直すことができる。
ニューロンNj
(k)は、uj
(k)に応じて、出力信号zj
(k)を生成する。ここで、ニューロンNj
(k)からの出力信号zj
(k)を次の式で定義する。
関数f(uj
(k))は、階層型のニューラルネットワークにおける活性化関数であり、ステップ関数、線形ランプ関数、シグモイド関数などを用いることができる。なお、活性化関数は、全てのニューロンにおいて同一でもよいし、又は異なっていてもよい。加えて、ニューロンの活性化関数は、層毎において、同一でもよいし、異なっていてもよい。
ところで、各層のニューロンが出力する信号、重み係数w、または、バイアスbは、アナログ値としてもよいし、デジタル値としてもよい。デジタル値としては、例えば、2値としてもよいし、3値としてもよい。さらに大きなビット数の値でもよい。一例として、アナログ値の場合、活性化関数として、例えば、線形ランプ関数、シグモイド関数などを用いればよい。デジタル値の2値の場合、例えば、出力を-1又は1とするステップ関数を用いればよい。若しくは、出力を0又は1とするステップ関数を用いればよい。また、各層のニューロンが出力する信号は3値以上としてもよく、この場合、活性化関数は3値、例えば出力は-1、0、又は1とするステップ関数、又は、0、1、若しくは2とするステップ関数などを用いればよい。また、例えば、5値を出力する活性化関数として、-2、-1、0、1、又は2とするステップ関数などを用いてもよい。各層のニューロンが出力する信号、重み係数w、または、バイアスbについて、少なくとも一つについて、デジタル値を用いることにより、回路規模を小さくすること、消費電力を低減すること、または、演算スピードを速くすること、などが出来る。また、各層のニューロンが出力する信号、重み係数w、または、バイアスbについて、少なくとも一つについて、アナログ値を用いることにより、演算の精度を向上させることが出来る。
ニューラルネットワーク100は、第1層(入力層)に入力信号が入力されることによって、第1層(入力層)から最後の層(出力層)までの各層において順次に、前層から入力された信号を基に、式(4.1)、式(4.2)(又は式(4.3))、式(4.4)を用いて出力信号を生成して、当該出力信号を次層に出力する動作を行う。最後の層(出力層)から出力された信号が、ニューラルネットワーク100によって計算された結果に相当する。
実施の形態1で述べた演算回路MAC1を、上述した隠れ層として適用する場合、重み係数ws[k-1]
(k-1)
s[k]
(k)(s[k-1]は1以上m以下の整数とし、s[k]は1以上n以下の整数とする)を第1データとして、第1データに応じた電流量を同じ列の各セルIMに順次記憶させて、第(k-1)層のニューロンNs[k-1]
(k-1)からの出力信号zs[k-1]
(k-1)を第2データとして、第2データに応じた電流量を回路XCSから各行の配線XCLに対して流すことで、変換回路ITRZに入力される電流量ISから第1データと第2データとの積和を求めることができる。加えて、当該積和の値を用いて活性化関数の値を求めることによって、活性化関数の値を信号として第k層のニューロンNs[k]
(k)の出力信号zs[k]
(k)とすることができる。
また、実施の形態1で述べた演算回路MAC1を、上述した出力層として適用する場合、重み係数ws[R-1]
(R-1)
s[R]
(R)(s[R-1]は1以上の整数とし、s[R]は1以上q以下の整数とする)を第1データとして、第1データに応じた電流量を同じ列の各セルIMに順次記憶させて、第(R-1)層のニューロンNs[R-1]
(R-1)からの出力信号zs[R-1]
(R-1)を第2データとして、第2データに応じた電流量を回路XCSから各行の配線XCLに対して流すことで、変換回路ITRZに入力される電流量ISから、第1データと第2データとの積和を求めることができる。加えて、当該積和の値を用いて活性化関数の値を求めることによって、活性化関数の値を信号として第R層のニューロンNs[R]
(R)の出力信号zs[R]
(R)とすることができる。
なお、本実施の形態で述べた入力層は、入力信号を第2層に出力するバッファ回路として機能してもよい。
また、実施の形態2で述べた、変換回路ITRZD[j]を図9の変換回路ITRZD4とした演算回路MAC2を、上述した隠れ層として適用する場合、重み係数ws[k-1]
(k-1)
s[k]
(k)を第1データとして、第1データに応じた電流量を同じ列の各回路CESのセルIMとセルIMrに順次記憶させて、第(k-1)層のニューロンNs[k-1]
(k-1)からの出力信号zs[k-1]
(k-1)を第2データとして、第2データに応じた電流量を回路XCSから各行の配線XCLに対して流すことで、変換回路ITRZD4に入力される電流量IS、及びISrから第1データと第2データとの積和に応じた活性化関数の値を算出することができる。つまり、当該値を信号として第k層のニューロンNs[k]
(k)の出力信号zs[k]
(k)とすることができる。また、変換回路ITRZD4は、当該値に応じた電流量を出力する構成となっているため、例えば、第(k+1)層の複数のニューロンに入力される、第k層のニューロンNs[k]
(k)の出力信号zs[k]
(k)は、電流とすることができる。つまり、第(k+1)層の隠れ層として演算回路MAC2を適用する場合、演算回路MAC2の配線XCLに入力される第k層のニューロンNs[k]
(k)の出力信号zs[k]
(k)は、回路XCSで生成せず、第k層の隠れ層の演算回路MAC2の変換回路ITRZD4から出力された電流とすることができる。
具体的には、図23に示す演算回路を用いることによって、上述した階層型のニューラルネットワークの演算を行うことができる。図23の演算回路は、一例として、図7の演算回路MAC2と同様の構成の演算回路MAC2-1と、図7の演算回路MAC2において回路XCSを設けていない構成の演算回路MAC2-2と、を有する。なお、演算回路MAC2-1のセルアレイCAには、m×n個の回路CESがマトリクス状に配置され、演算回路MAC2-2のセルアレイCAには、n×t個(tは1以上の整数とする)の回路CESがマトリクス状に配置されている。また、演算回路MAC2-1の配線OL[1]乃至配線OL[n]のそれぞれは、演算回路MAC2-2の配線XCL[1]乃至配線XCL[n]に電気的に接続されている。
例えば、図23の演算回路MAC2-1で、第(k-1)層のニューロンと第k層のニューロンとの間の重み係数を第1データとして、セルアレイCAの回路CES[1,1]乃至回路CES[m,n]に保持し、第(k-1)層のニューロンNs[k-1]
(k-1)からの出力信号zs[k-1]
(k-1)を第2データとして、第2データに応じた電流量を回路XCSから各行の配線XCLに対して流すことで、配線OL[1]乃至配線OL[n]のそれぞれから第k層のニューロンN1
(k)乃至ニューロンNn
(k)の出力信号z1
(k)乃至zn
(k)を出力することができる。なお、出力信号z1
(k)乃至zn
(k)のそれぞれの値は、変換回路ITRZD4[1]乃至変換回路ITRZD4[n]から出力される電流の量として表すことができる。
ここで、図23の演算回路MAC2-2で、第k層のニューロンと第(k+1)層のニューロンとの間の重み係数を第1データとして、セルアレイCAの回路CES[1,1]乃至回路CES[n,t]に保持し、各行の配線XCLに流れる電流量、すなわち第k層のニューロンN1
(k)乃至ニューロンNn
(k)の出力信号z1
(k)乃至zn
(k)を第2データとすることで、配線OL[s[k+1]](ここでのs[k+1]は1以上t以下の整数とする)から第(k+1)層のニューロンNs[k+1]
(k+1)の出力信号zs[k+1]
(k+1)を出力することができる。
ところで、実施の形態2で説明したとおり、図23の演算回路MAC2-1の変換回路ITRZD4[1]乃至変換回路ITRZD4[n]に、図9、図10A、図11A乃至図11Dのいずれか一の変換回路ITRZD4を適用することで、変換回路ITRZD4[1]乃至変換回路ITRZD4[n]はReLU関数として作用する。そのため、例えば、回路CES[1,j]乃至回路CES[m,j]における積和演算の結果が“負”であるとき、変換回路ITRZD4から配線OL[j]に流れる電流量は、理想的には0となることが好ましい。しかし、実際には、変換回路ITRZD4から配線OL[j]に微小の電流が流れる、又は配線OL[j]から変換回路ITRZD4に微小の電流が流れる場合がある。
そのため、階層型のニューラルネットワークの次層以降の演算を適切に行うための演算回路MAC2-2の構成例を図24に示す。図24に示す演算回路MAC2-2は、図7の演算回路MAC2においてセルアレイCAに配置されている回路CESを、m×nのマトリクス状からn×tのマトリクス状に変更し、かつ回路XCSを設けていない構成となっている。また、演算回路MAC2-2のセルアレイCAの回路CESは、n×tのマトリクス状に配置されているため、図24に記載している配線、回路などの符号に付与している[ ]などの括弧内の値も変更している。
さらに、図24の演算回路MAC2-2では、一例として、演算回路MAC2-2に配線TM[1]、配線TM[n]、配線TH[1,h](hは1以上t以下の整数である)、配線TH[n,h]、配線THr[1,h]、配線THr[n,h]を設けた回路構成の例を示している。図24の演算回路MAC2-2において、セルIMref[1]のトランジスタF2mのバックゲートには配線TM[1]が電気的に接続され、セルIMref[n]のトランジスタF2mのバックゲートには配線TM[n]が電気的に接続され、セルIM[1,h]のトランジスタF2のバックゲートには配線TH[1,h]が電気的に接続され、セルIMr[1,h]のトランジスタF2rのバックゲートには配線THr[1,h]が電気的に接続され、セルIM[n,h]のトランジスタF2のバックゲートには配線TH[n,h]が電気的に接続され、セルIMr[n,h]のトランジスタF2rのバックゲートには配線THr[n,h]が電気的に接続されている。
配線TM[1]、配線TM[n]、配線TH[1,h]、配線TH[n,h]、配線THr[1,h]、配線THr[n,h]のそれぞれに低レベル電位を与えることによって、それぞれの配線に電気的に接続されているバックゲートを有するトランジスタのしきい値電圧を高くすることができる。これにより、演算回路MAC2-1の配線OLに流れる微小の電流量が、演算回路MAC2-2のセルIMrefを介して、配線VEに流れることを防ぐことができる。つまり、変換回路ITRZD4[1]乃至変換回路ITRZD4[n]における出力特性を、ReLU関数に近づけることができる。そのため、階層型のニューラルネットワークの次層の演算を適切に行うことができる。
また、例えば、図24の演算回路MAC2-2の構成を、図23の演算回路MAC2-1に適用してもよい。このような構成にすることによって、演算回路MAC2-2と同様に、演算回路MAC2-1に含まれているトランジスタF2とトランジスタF2rとトランジスタF2mとのそれぞれのしきい値電圧も変動させることができる。
なお、図24では、配線TM[1]、配線TM[n]、配線TH[1,h]、配線TH[n,h]、配線THr[1,h]、配線THr[n,h]を図示しているが、図24の演算回路MAC2-2は、例えば、配線TM[1]と配線TH[1,h]と配線THr[1,h]とを1本の配線としてまとめ、かつ配線TM[n]と配線TH[n,h]と配線THr[n,h]とを1本の配線としてまとめた構成としてもよい。
上述した通り、階層型のニューラルネットワークの演算を、図23に示す演算回路を構成することにより、演算回路MAC2-1で出力したニューロンの出力信号の値(電流量)をそのまま演算回路MAC2-2に入力することができるため、階層型のニューラルネットワークの演算を、一例として、第1層から連続して行うことができる。また、演算回路MAC2-1の配線OL[1]乃至配線OL[n]から出力された出力信号を、外部回路等によって一時的に記憶する必要が無いため、一時記憶に必要な記憶装置を別途設けなくてもよい。つまり、図23の演算回路を構成することによって、回路面積を低減することができ、また、一時記憶のためのデータ送信に必要な電力を低減することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置の構成例、及び上記の実施の形態で説明した半導体装置に適用できるトランジスタの構成例について説明する。
<半導体装置の構成例>
図25は、一例として、実施の形態3で説明した演算回路MAC4であって、センサSNCにフォトダイオードとして光電変換素子を適用した構成を示している。具体的には、図25に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ500と、容量素子600と、光電変換素子700と、を有している。図27Aはトランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図27Bはトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図であり、図27Cはトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図である。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さく、また、高温でも電界効果移動度が変化しない特性を有する。トランジスタ500を、半導体装置、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC1A、演算回路MAC2、演算回路MAC3、演算回路MAC4などに含まれるトランジスタに適用することにより、高温でも動作能力が低下しない半導体装置を実現できる。特に、オフ電流が小さい特性を利用して、トランジスタ500として、トランジスタF1、トランジスタF1mに適用することにより、セルIM、セルIMrefなどに書き込んだ電位を長時間保持することができる。
トランジスタ500は、例えば、トランジスタ300の上方に設けられ、容量素子600は、例えば、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に設けられている。光電変換素子700は、例えば、容量素子600の上方に設けられている。なお、容量素子600は、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC1A、演算回路MAC2、演算回路MAC3などに含まれる容量などとすることができる。なお、回路構成によっては、図25に示す容量素子600は必ずしも設けなくてもよい。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。なお、トランジスタ300は、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC1A、演算回路MAC2、演算回路MAC3などに含まれるトランジスタなどに適用することができる。具体的には、例えば、図4A乃至図4Cの変換回路ITRZ1乃至変換回路ITRZ3が有するオペアンプOP1などに含まれているトランジスタとすることができる。なお、図25では、トランジスタ300のゲートが、容量素子600の一対の電極の一方を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成を示しているが、演算回路MAC1、演算回路MAC1A、演算回路MAC2、演算回路MAC3などの構成によっては、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極の一方を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成としてもよく、また、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極の一方を介して、トランジスタ500のゲートに電気的に接続されている構成としてもよく、また、トランジスタ300の各端子は、トランジスタ500の各端子、容量素子600の各端子のそれぞれに電気的に接続されない構成としてもよい。
また、基板311としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)を用いることが好ましい。
トランジスタ300は、図27Cに示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)、GaN(窒化ガリウム)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタン、窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステン、アルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図25に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法などに応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、半導体装置をOSトランジスタのみの単極性回路とする場合、図26に示すとおり、トランジスタ300の構成を、酸化物半導体を用いているトランジスタ500と同様の構成にすればよい。なお、トランジスタ500の詳細については後述する。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、又はトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素、不純物などが拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には容量素子600、又はトランジスタ500と接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウム、銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図25において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお、導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、及び導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図25において、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364が順に積層して設けられている。また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364には、導電体366が形成されている。導電体366は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体360は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体366は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体360が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
また、絶縁体364、及び導電体366上に、配線層を設けてもよい(図示しない)。
上記において、導電体356を含む配線層、及び導電体366を含む配線層について説明したが、本実施の形態に係る半導体装置はこれに限られるものではない。導電体356を含む配線層と同様の配線層を1層以下にしてもよいし、導電体356を含む配線層と同様の配線層を3層以上にしてもよい。また、導電体366を含む配線層と同様の配線層を2層以上にしてもよい。
絶縁体364上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素、水素などに対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、例えば、基板311、又はトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ500を設ける領域に、水素、不純物などが拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量素子600、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図27A、及び図27Bに示すように、トランジスタ500は、絶縁体514及び絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503と、絶縁体516及び導電体503の上に配置された絶縁体520と、絶縁体520の上に配置された絶縁体522と、絶縁体522の上に配置された絶縁体524と、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、酸化物530b上に互いに離れて配置された導電体542a及び導電体542bと、導電体542a及び導電体542b上に配置され、導電体542aと導電体542bの間に重畳して開口が形成された絶縁体580と、開口の底面及び側面に配置された酸化物530cと、酸化物530cの形成面に配置された絶縁体550と、絶縁体550の形成面に配置された導電体560と、を有する。なお、本明細書等では、導電体542aと導電体542bとをまとめて、導電体542と記載する。
また、図27A、及び図27Bに示すように、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、及び導電体542bと、絶縁体580との間に絶縁体544が配置されることが好ましい。また、図27A、及び図27Bに示すように、導電体560は、絶縁体550の内側に設けられた導電体560aと、導電体560aの内側に埋め込まれるように設けられた導電体560bと、を有することが好ましい。また、図27A、及び図27Bに示すように、絶縁体580、導電体560、及び絶縁体550の上に絶縁体574が配置されることが好ましい。
なお、以下において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cをまとめて酸化物530という場合がある。
なお、トランジスタ500では、チャネルが形成される領域と、その近傍において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの3層を積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、酸化物530bの単層、酸化物530bと酸化物530aの2層構造、酸化物530bと酸化物530cの2層構造、又は4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体560を2層の積層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体560が、単層構造であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。また、図25、図27A、及び図27Bに示すトランジスタ500は一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法などに応じて適切なトランジスタを用いればよい。
ここで、導電体560は、トランジスタのゲート電極として機能し、導電体542a及び導電体542bは、それぞれソース電極又はドレイン電極として機能する。上記のように、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に埋め込まれるように形成される。導電体560、導電体542a及び導電体542bの配置は、絶縁体580の開口に対して、自己整合的に選択される。つまり、トランジスタ500において、ゲート電極を、ソース電極とドレイン電極の間に、自己整合的に配置させることができる。よって、導電体560を位置合わせのマージンを設けることなく形成することができるので、トランジスタ500の占有面積の縮小を図ることができる。これにより、半導体装置の微細化、高集積化を図ることができる。
さらに、導電体560が、導電体542aと導電体542bの間の領域に自己整合的に形成されるので、導電体560は、導電体542a又は導電体542bと重畳する領域を有さない。これにより、導電体560と導電体542a及び導電体542bとの間に形成される寄生容量を低減することができる。よって、トランジスタ500のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有せしめることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のしきい値電圧を大きくして、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
導電体503は、酸化物530、及び導電体560と、重なるように配置する。これにより、導電体560、及び導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界と、がつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。本明細書等において、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
また、導電体503は、導電体518と同様の構成であり、絶縁体514及び絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。なお、トランジスタ500では、導電体503a及び導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、又は酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、又は上記酸素のいずれか一又は、すべての拡散を抑制する機能とする。
例えば、導電体503aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。
また、導電体503が配線の機能を兼ねる場合、導電体503bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする、導電性が高い導電性材料を用いることが好ましい。また、当該配線の導電性を高く維持できる場合、導電体503aは、必ずしも設けなくともよい。なお、導電体503bを単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524は、第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。
ここで、酸化物530と接する絶縁体524は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体524には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物530に接して設けることにより、酸化物530中の酸素欠損を低減し、トランジスタ500の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3以上、又は3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、又は100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、上記過剰酸素領域を有する絶縁体と、酸化物530と、を接して加熱処理、マイクロ波処理、またはRF処理のいずれか一または複数の処理を行っても良い。当該処理を行うことで、酸化物530中の水、または水素を除去することができる。例えば、酸化物530において、VoHの結合が切断される反応が起きる、別言すると「VOH→VO+H」という反応が起きて、脱水素化することができる。このとき発生した水素の一部は、酸素と結合してH2Oとして、酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体から除去される場合がある。また、水素の一部は、導電体542a、及び導電体542bに拡散または捕獲(ゲッタリングともいう)される場合がある。
また、上記マイクロ波処理は、例えば、高密度プラズマを発生させる電源を有する装置、または、基板側にRFを印加する電源を有する装置を用いると好適である。例えば、酸素を含むガスを用い、且つ高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを、効率よく酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体中に導入することができる。また、上記マイクロ波処理は、圧力を133Pa以上、好ましくは200Pa以上、さらに好ましくは400Pa以上とすればよい。また、マイクロ波処理を行う装置内に導入するガスとしては、例えば、酸素と、アルゴンとを用い、酸素流量比(O2/(O2+Ar))が50%以下、好ましくは10%以上30%以下で行うとよい。
また、トランジスタ500の作製工程中において、酸化物530の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上450℃以下、より好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物530に酸素を供給して、酸素欠損(VO)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で行ってもよい。または、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行っても良い。
なお、酸化物530に加酸素化処理を行うことで、酸化物530中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「VO+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物530中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をH2Oとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物530中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVOHが形成されるのを抑制することができる。
また、絶縁体524が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体522が、酸素や不純物の拡散を抑制する機能を有することで、酸化物530が有する酸素は、絶縁体520側へ拡散することがなく、好ましい。また、導電体503が、絶縁体524、酸化物530などが有する酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、又は(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁膜として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、及び酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料であるアルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530からの酸素の放出、及びトランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の混入、を抑制する層として機能する。
又は、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又はこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体520は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、好適である。また、high-k材料の絶縁体と、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、を組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造の絶縁体520を得ることができる。
なお、図27A、及び図27Bのトランジスタ500では、3層の積層構造からなる第2のゲート絶縁膜として、絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524が図示されているが、第2のゲート絶縁膜は、単層、2層、又は4層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、酸化物530として適用できるIn-M-Zn酸化物は、CAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite Oxide Semiconductor)であることが好ましい。また、酸化物530として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、In酸化物などを用いてもよい。
また、トランジスタ500には、キャリア濃度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア濃度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。なお、金属酸化物中の不純物としては、例えば、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
特に、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成する場合がある。また、酸化物530中の酸素欠損に水素が入った場合、酸素欠損と水素とが結合しVOHを形成する場合がある。VOHはドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。従って、水素が多く含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。また、金属酸化物中の水素は、熱、電界などのストレスによって動きやすいため、金属酸化物に多くの水素が含まれると、トランジスタの信頼性が悪化する恐れもある。本発明の一態様においては、酸化物530中のVOHをできる限り低減し、高純度真性または実質的に高純度真性にすることが好ましい。このように、VOHが十分低減された金属酸化物を得るには、金属酸化物中の水分、水素などの不純物を除去すること(脱水、脱水素化処理と記載する場合がある)と、金属酸化物に酸素を供給して酸素欠損を補填すること(加酸素化処理と記載する場合がある)が重要である。VOHなどの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
酸素欠損に水素が入った欠陥は、金属酸化物のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、金属酸化物においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、金属酸化物のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
よって、金属酸化物を酸化物530に用いる場合、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。水素などの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、当該金属酸化物は、バンドギャップが高く、真性(I型ともいう)、又は実質的に真性である半導体であって、かつチャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm-3未満であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、導電体542a及び導電体542bと酸化物530とが接することで、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散し、導電体542a及び導電体542bが酸化する場合がある。導電体542a及び導電体542bが酸化することで、導電体542a及び導電体542bの導電率が低下する蓋然性が高い。なお、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することを、導電体542a及び導電体542bが酸化物530中の酸素を吸収する、と言い換えることができる。
また、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することで、導電体542aと酸化物530bとの間、および、導電体542bと酸化物530bとの間に異層が形成される場合がある。当該異層は、導電体542a及び導電体542bよりも酸素を多く含むため、当該異層は絶縁性を有すると推定される。このとき、導電体542a又は導電体542bと、当該異層と、酸化物530bとの3層構造は、金属-絶縁体-半導体からなる3層構造とみなすことができ、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と呼称する、またはMIS構造を主としたダイオード接合構造と呼称する場合がある。
なお、上記異層は、導電体542a及び導電体542bと酸化物530bとの間に形成されることに限られず、例えば、異層が、導電体542a及び導電体542bと酸化物530cとの間に形成される場合、導電体542a及び導電体542bと酸化物530bとの間、導電体542a及び導電体542bと酸化物530cとの間に形成される場合、などがある。
酸化物530においてチャネル形成領域にとして機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる複数の酸化物層により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530a又は酸化物530bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
具体的には、酸化物530aとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、または1:1:0.5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3、または1:1:1の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1、またはGa:Zn=2:5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cを積層構造とする場合の具体例としては、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3と、In:Ga:Zn=1:3:4との積層構造、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、GaとZnの原子数比がGa:Zn=2:5と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、酸化ガリウムと、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造などが挙げられる。
また、例えば、酸化物530aに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比より小さい場合、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍、In:Ga:Zn=5:1:3またはその近傍、In:Ga:Zn=10:1:3またはその近傍などの組成であるIn-Ga-Zn酸化物を用いることができる。
また、上述した以外の組成としては、酸化物530bには、例えば、In:Zn=2:1の組成、In:Zn=5:1の組成、In:Zn=10:1の組成、これらのいずれか一の近傍の組成などを有する金属酸化物を用いることができる。
これらの酸化物530a、酸化物530b、酸化物530cを上記の原子数比の関係を満たして組み合わせることが好ましい。例えば、酸化物530a、および酸化物530cを、In:Ga:Zn=1:3:4の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物、酸化物530bを、In:Ga:Zn=4:2:3から4.1の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物とすることが好ましい。なお、上記組成は、基体上に形成された酸化物中の原子数比、またはスパッタターゲットにおける原子数比を示す。また、酸化物530bの組成として、Inの比率を高めることで、トランジスタのオン電流、または電界効果移動度などを高めることが出来るため好適である。
また、酸化物530a及び酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530a及び酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、酸化物530a及び酸化物530cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
酸化物530b上には、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電体542a、及び導電体542bが設けられる。導電体542a、及び導電体542bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、又は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。更に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素又は酸素に対するバリア性があるため好ましい。
また、図27A、及び図27Bでは、導電体542a、及び導電体542bを単層構造として示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層してもよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、図27Aに示すように、酸化物530の、導電体542a(導電体542b)との界面とその近傍には、低抵抗領域として、領域543a、及び領域543bが形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域又はドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域又はドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
酸化物530と接するように上記導電体542a(導電体542b)を設けることで、領域543a(領域543b)の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543a(領域543b)に導電体542a(導電体542b)に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543a(領域543b)のキャリア濃度が増加し、領域543a(領域543b)は、低抵抗領域となる。
絶縁体544は、導電体542a、及び導電体542bを覆うように設けられ、導電体542a、及び導電体542bの酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530及び絶縁体524のそれぞれの側面を覆い、絶縁体522と接するように設けられてもよい。
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、ネオジム、ランタン又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。また、絶縁体544として、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなども用いることができる。
特に、絶縁体544として、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542a、及び導電体542bが耐酸化性を有する材料、又は、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体544を有することで、絶縁体580に含まれる水、及び水素などの不純物が酸化物530c、絶縁体550を介して、酸化物530bに拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580が有する過剰酸素により、導電体560が酸化するのを抑制することができる。
絶縁体550は、第1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面、及び側面)に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、上述した絶縁体524と同様に、過剰に酸素を含み、かつ加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とすることが好ましい。
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
なお、絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜と同様に、積層構造としてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合があるため、ゲート絶縁膜として機能する絶縁体を、high-k材料と、熱的に安定している材料との積層構造とすることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図27A、及び図27Bでは2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、導電体560aとして、酸化物530に適用できる酸化物半導体を用いることができる。その場合、導電体560bをスパッタリング法で成膜することで、導電体560aの電気抵抗値を低下させて導電体にすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼称することができる。
また、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542a、及び導電体542b上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
半導体装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、及び絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550、及び絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、及び窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
また、絶縁体574の上に、層間膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体581、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に形成された開口に、導電体540a、及び導電体540bを配置する。導電体540a及び導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設ける。導電体540a及び導電体540bは、後述する導電体546、及び導電体548と同様の構成である。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられている。絶縁体582は、酸素、水素などに対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体582上には、絶縁体586が設けられている。絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体581、絶縁体582、及び絶縁体586には、導電体546、及び導電体548等が埋め込まれている。
導電体546、及び導電体548は、容量素子600、トランジスタ500、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体546、及び導電体548は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、トランジスタ500の形成後、トランジスタ500を囲むように開口を形成し、当該開口を覆うように、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体を形成してもよい。上述のバリア性の高い絶縁体でトランジスタ500を包み込むことで、外部から水分、および水素が侵入するのを防止することができる。または、複数のトランジスタ500をまとめて、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体で包み込んでもよい。なお、トランジスタ500を囲むように開口を形成する場合、例えば、絶縁体514または絶縁体522に達する開口を形成し、絶縁体514または絶縁体522に接するように上述のバリア性の高い絶縁体を形成すると、トランジスタ500の作製工程の一部を兼ねられるため、好適である。なお、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体としては、例えば、絶縁体522と同様の材料を用いればよい。
続いて、トランジスタ500の上方には、容量素子600が設けられている。容量素子600は、導電体610と、導電体620と、絶縁体630とを有する。
また、導電体546、及び導電体548上に、導電体612を設けてもよい。導電体612は、トランジスタ500と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体610は、容量素子600の電極としての機能を有する。なお、導電体612、及び導電体610は、同時に形成することができる。
導電体612、及び導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図25では、導電体612、及び導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳するように、導電体620を設ける。なお、導電体620は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)、Al(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体620、及び絶縁体630上には、絶縁体650が設けられている。絶縁体650は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体650は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
本構造を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。又は、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化又は高集積化を図ることができる。
次に、図25、図26、図27Aに図示している、OSトランジスタの別の構成例について説明する。
図28A、及び図28Bは、図27A、及び図27Bに示すトランジスタ500の変形例であって、図28Aは、トランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図28Bはトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図である。なお、図28A、及び図28Bに示す構成は、トランジスタ300等、本発明の一態様の半導体装置が有する他のトランジスタにも適用することができる。
図28A、及び図28Bに示す構成のトランジスタ500は、絶縁体402及び絶縁体404を有する点が、図27A、及び図27Bに示す構成のトランジスタ500と異なる。また、導電体540aの側面に接して絶縁体552が設けられ、導電体540bの側面に接して絶縁体552が設けられる点が、図27A、及び図27Bに示す構成のトランジスタ500と異なる。さらに、絶縁体520を有さない点が、図27A、及び図27Bに示す構成のトランジスタ500と異なる。
図28A、及び図28Bに示す構成のトランジスタ500は、絶縁体512上に絶縁体402が設けられている。また、絶縁体574上、及び絶縁体402上に絶縁体404が設けられている。
図28A、及び図28Bに示す構成のトランジスタ500では、絶縁体514、絶縁体516、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、及び絶縁体574が設けられており、絶縁体404がこれらを覆う構造になっている。つまり、絶縁体404は、絶縁体574の上面、絶縁体574の側面、絶縁体580の側面、絶縁体544の側面、絶縁体524の側面、絶縁体522の側面、絶縁体516の側面、絶縁体514の側面、絶縁体402の上面とそれぞれ接する。これにより、酸化物530等は、絶縁体404と絶縁体402によって外部から隔離される。
絶縁体402及び絶縁体404は、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)又は水分子の拡散を抑制する機能が高いことが好ましい。例えば、絶縁体402及び絶縁体404として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを用いることが好ましい。これにより、酸化物530に水素等が拡散することを抑制することができるので、トランジスタ500の特性が低下することを抑制することができる。よって、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
絶縁体552は、絶縁体581、絶縁体404、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に接して設けられる。絶縁体552は、水素又は水分子の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。たとえば、絶縁体552として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン、酸化アルミニウム、又は窒化酸化シリコン等の絶縁体を用いることが好ましい。特に、窒化シリコンは水素バリア性が高い材料であるので、絶縁体552として用いると好適である。絶縁体552として水素バリア性が高い材料を用いることにより、水又は水素等の不純物が、絶縁体580等から導電体540a及び導電体540bを通じて酸化物530に拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580に含まれる酸素が導電体540a及び導電体540bに吸収されることを抑制することができる。以上により、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
図29は、トランジスタ500及びトランジスタ300を図28A、及び図28Bに示す構成とした場合における、半導体装置の構成例を示す断面図である。導電体546の側面に、絶縁体552が設けられている。
また、図28A、及び図28Bに示すトランジスタ500は、状況に応じて、トランジスタの構成を変更してもよい。例えば、図28A、及び図28Bのトランジスタ500は、変更例として、図30A、及び図30Bに示すトランジスタにすることができる。図30Aはトランジスタのチャネル長方向の断面図であり、図30Bはトランジスタのチャネル幅方向の断面図である。図30A、及び図30Bに示すトランジスタは、酸化物530cが酸化物530c1及び酸化物530c2の2層構造である点で、図28A、及び図28Bに示すトランジスタと異なる。
酸化物530c1は、絶縁体524の上面、酸化物530aの側面、酸化物530bの上面及び側面、導電体542a及び導電体542bの側面、絶縁体544の側面、及び絶縁体580の側面と接する。酸化物530c2は、絶縁体550と接する。
酸化物530c1として、例えばIn-Zn酸化物を用いることができる。また、酸化物530c2として、酸化物530cが1層構造である場合に酸化物530cに用いることができる材料と同様の材料を用いることができる。例えば、酸化物530c2として、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、Ga:Zn=2:1[原子数比]、またはGa:Zn=2:5[原子数比]の金属酸化物を用いることができる。
酸化物530cを酸化物530c1及び酸化物530c2の2層構造とすることにより、酸化物530cを1層構造とする場合より、トランジスタのオン電流を高めることができる。そのため、トランジスタは、例えばパワーMOSトランジスタとして適用することができる。なお、図27A、及び図27Bに示す構成のトランジスタが有する酸化物530cも、酸化物530c1と酸化物530c2の2層構造とすることができる。
図30A、及び図30Bに示す構成のトランジスタは、例えば、図25、図26に示すトランジスタ300に適用することができる。また、例えば、トランジスタ300は、前述のとおり、上記実施の形態で説明した半導体装置、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC1A、演算回路MAC2、演算回路MAC3に含まれるトランジスタなどに適用することができる。なお図30A、及び図30Bに示すトランジスタは、本発明の一態様の半導体装置が有する、トランジスタ300、500以外のトランジスタにも適用することができる。
図31は、トランジスタ500を図27Aに示すトランジスタの構成とし、トランジスタ300を図30Aに示すトランジスタ構成とした場合における、半導体装置の構成例を示す断面図である。なお、図29と同様に、導電体546の側面に絶縁体552を設ける構成としている。図31に示すように、本発明の一態様の半導体装置は、トランジスタ300とトランジスタ500を両方ともOSトランジスタとしつつ、トランジスタ300とトランジスタ500のそれぞれを異なる構成にすることができる。
次に、図25、図26、図29、及び図31の半導体装置に適用できる容量素子について説明する。
図32A乃至図32Cでは、図25、図26、図29、及び図31に示す半導体装置に適用できる容量素子600の一例として容量素子600Aについて示している。図32Aは容量素子600Aの上面図であり、図32Bは容量素子600Aの一点鎖線L3-L4における断面を示した斜視図であり、図32Cは容量素子600Aの一点鎖線W3-L4における断面を示した斜視図である。
導電体610は、容量素子600Aの一対の電極の一方として機能し、導電体620は、容量素子600Aの一対の電極の他方として機能する。また、絶縁体630は、一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
絶縁体630としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウム、酸化ジルコニウムなどを用いればよく、積層または単層で設けることができる。
なお、本明細書中において、酸化窒化ハフニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化ハフニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
また、例えば、絶縁体630には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料と、高誘電率(high-k)材料との積層構造を用いてもよい。当該構成により、容量素子600Aは、高誘電率(high-k)の絶縁体を有することで、十分な容量を確保でき、絶縁耐力が大きい絶縁体を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子600Aの静電破壊を抑制することができる。
なお、高誘電率(high-k)材料(高い比誘電率の材料)の絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
または、絶縁体630は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba、Sr)TiO3(BST)などのhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いてもよい。例えば、絶縁体630を積層とする場合、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、酸化ジルコニウムと、が順に形成された3層積層、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、が順に形成された4層積層などを用いれば良い。また、絶縁体630としては、ハフニウムと、ジルコニウムとが含まれる化合物などを用いても良い。半導体装置の微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体の薄膜化により、トランジスタ、容量素子などのリーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減、および容量素子の容量の確保が可能となる。
容量素子600は、導電体610の下部において、導電体546と、導電体548とに電気的に接続されている。導電体546と、導電体548は、別の回路素子と接続するためのプラグ、又は配線として機能する。また図32A乃至図32Cでは、導電体546と、導電体548と、をまとめて導電体540と記載している。
また、図32A乃至図32Cでは、図を明瞭に示すために、導電体546及び導電体548が埋め込まれている絶縁体586と、導電体620及び絶縁体630を覆っている絶縁体650と、を省略している。
なお、図25、図26、図29、図31、図32A、図32B、及び図32Cに示す容量素子600はプレーナ型であるが、容量素子の形状はこれに限定されない。例えば、容量素子600は、図33A乃至図33Cに示すシリンダ型の容量素子600Bとしてもよい。
図33Aは容量素子600Bの上面図であり、図33Bは容量素子600Bの一点鎖線L3-L4における断面図であり、図33Cは容量素子600Bの一点鎖線W3-L4における断面を示した斜視図である。
図33Bにおいて、容量素子600Bは、導電体540が埋め込まれている絶縁体586上の絶縁体631と、開口部を有する絶縁体651と、一対の電極の一方として機能する導電体610と、一対の電極の他方として機能する導電体620と、を有する。
また、図33Cでは、図を明瞭に示すために、絶縁体586と、絶縁体650と、絶縁体651と、を省略している。
絶縁体631としては、例えば、絶縁体586と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体631には、導電体540に電気的に接続されるように導電体611が埋め込まれている。導電体611は、例えば、導電体330、導電体518と同様の材料を用いることができる。
絶縁体651としては、例えば、絶縁体586と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体651は、前述の通り、開口部を有し、当該開口部は導電体611に重畳している。
導電体610は、当該開口部の底部と、側面と、に形成されている。つまり、導電体610は、導電体611に重畳し、かつ導電体611に電気的に接続されている。
なお、導電体610の形成方法としては、エッチング法などによって絶縁体651に開口部を形成し、次に、スパッタリング法、ALD法などによって導電体610を成膜する。その後、CMP(Chemichal Mechanical Polishing)法などによって、開口部に成膜された導電体610を残して、絶縁体651上に成膜された導電体610を除去すればよい。
絶縁体630は、絶縁体651上と、導電体610の形成面上と、に位置する。なお、絶縁体630は、容量素子において、一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
導電体620は、絶縁体651の開口部が埋まるように、絶縁体630上に形成されている。
絶縁体650は、絶縁体630と、導電体620と、を覆うように形成されている。
図33A乃至図33Cに示すシリンダ型の容量素子600Bは、プレーナ型の容量素子600Aよりも静電容量の値を高くすることができる。
次に、図25、図26、図29、及び図31の容量素子600の上方に設けられている光電変換素子700について説明する。
光電変換素子700は、一例として、層767aと、層767bと、層767cと、層767dと、層767eと、を有する。
図25、図26、図29、及び図31に示す光電変換素子700は、有機光導電膜の一例であり、層767aは下部電極、層767eは透光性を有する上部電極であり、層767b、層767c、層767dは光電変換部に相当する。なお、図25、図26、図29、及び図31に示す光電変換素子700の代わりとして、例えば、pn接合型フォトダイオード、アバランシェフォトダイオードなどを用いてもよい。
下部電極である層767aは、アノード又はカソードの一方とすることができ、上部電極である層767eは、アノード又はカソードの他方とすることができる。なお、本実施の形態では、層767aをカソードとし、層767eをアノードとする。
層767aとしては、例えば、低抵抗の金属層などとすることが好ましい。具体的には、層767aとしては、例えば、アルミニウム、チタン、タングステン、タンタル、銀またはそれらの積層を用いることができる。
層767eとしては、例えば、可視光に対して高い透光性を有する導電層を用いることが好ましい。具体的には、層767eとしては、例えば、インジウム酸化物、錫酸化物、亜鉛酸化物、インジウム-錫酸化物、ガリウム-亜鉛酸化物、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物、またはグラフェンなどを用いることができる。なお、層767eを省略した構成とすることもできる。
光電変換部の層767b、層767dのいずれか一方はホール輸送層、他方は電子輸送層とすることができる。また、層767cは光電変換層とすることができる。
ホール輸送層としては、例えば酸化モリブデンなどを用いることができる。電子輸送層としては、例えば、C60、C70などのフラーレン、またはそれらの誘導体などを用いることができる。
光電変換層としては、n型有機半導体およびp型有機半導体の混合層(バルクヘテロ接合構造)を用いることができる。
図25、図26、図29、及び図31の半導体装置において、絶縁体751は、絶縁体650上に設けられ、層767aは、絶縁体751上に設けられている。また、絶縁体752は、絶縁体751上と層767a上と、に設けられている。層767bは、絶縁体752上と層767a上に設けられている。
また、層767b上には、層767c、層767d、層767e、絶縁体753が順に積層して設けられている。
絶縁体751は、一例として、層間絶縁膜として機能する。絶縁体751は、例えば、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。絶縁体751に水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることにより、トランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。そのため、絶縁体751としては、一例として、絶縁体324に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体752は、一例として、素子分離層として機能する。絶縁体752は、図示しないが、隣に位置する別の光電変換素子との短絡を防止するために設けられている。絶縁体752としては、例えば、有機絶縁体などを用いることが好ましい。
絶縁体753は、一例として、透光性を有する平坦化膜として機能する。絶縁体753としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどの材料を用いることができる。
絶縁体753の上方には、一例として、遮光層771と、光学変換層772と、マイクロレンズアレイ773と、が設けられている。
絶縁体753上に設けられている遮光層771は、隣接するフォトダイオードへの光の進入を抑えることができる。遮光層771には、アルミニウム、タングステンなどの金属層を用いることができる。また、当該金属層と反射防止膜としての機能を有する誘電体膜を積層してもよい。
絶縁体753上と遮光層771上とに設けられている光学変換層772には、カラーフィルタを用いることができる。カラーフィルタにR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、C(シアン)、M(マゼンタ)などの色を画素別に割り当てることにより、カラー画像を得ることができる。
また、光学変換層772に波長カットフィルタを用いれば、様々な波長領域における画像が得られる撮像装置とすることができる。
例えば、光学変換層772に可視光線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば、赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層772に近赤外線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば、遠赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層772に可視光線の波長以上の光を遮るフィルタを用いれば、紫外線撮像装置とすることができる。
また、光学変換層772にシンチレータを用いれば、X線撮像装置などに用いる放射線の強弱を可視化した画像を得る撮像装置とすることができる。被写体を透過したX線等の放射線がシンチレータに入射されると、フォトルミネッセンス現象により可視光線、紫外光線などの光(蛍光)に変換される。そして、当該光を光電変換素子700で検知することにより画像データを取得する。また、放射線検出器などに当該構成の撮像装置を用いてもよい。
シンチレータは、X線やガンマ線などの放射線が照射されると、そのエネルギーを吸収して可視光、紫外光などを発する物質を含む。例えば、Gd2O2S:Tb、Gd2O2S:Pr、Gd2O2S:Eu、BaFCl:Eu、NaI、CsI、CaF2、BaF2、CeF3、LiF、LiI、ZnOなどを樹脂、セラミクスなどに分散させたものを用いることができる。
遮光層771上と、光学変換層772上にはマイクロレンズアレイ773が設けられる。マイクロレンズアレイ773が有する個々のレンズを通る光が直下の光学変換層772を通り、光電変換素子700に照射されるようになる。マイクロレンズアレイ773を設けることにより、集光した光を光電変換素子700に入射することができるため、効率よく光電変換を行うことができる。マイクロレンズアレイ773は、可視光に対して透光性の高い樹脂またはガラスなどで形成することが好ましい。
ところで、図25、図26、図29、及び図31には、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に有機光導電膜を用いた光電変換素子700を設けた半導体装置の構成を示しているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、本発明の一態様の半導体装置は、光電変換素子700の代わりとして、裏面照射型であってpn接合型の光電変換素子を設けた構成としてもよい。
図34は、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に、裏面照射型であってpn接合型の光電変換素子700Aを設けた半導体装置の構成例を示している。図34に示している半導体装置は、トランジスタ300、トランジスタ500、及び容量素子600が設けられた基板311の上方に、光電変換素子700Aを有する構造体SAが貼り合わされた構成となっている。
なお、構造体SAには、遮光層771と、光学変換層772と、マイクロレンズアレイ773と、が含まれており、これらの説明については、上述した説明を参酌する。
光電変換素子700Aは、シリコン基板に形成されたpn接合型のフォトダイオードであり、p型領域に相当する層765bおよびn型領域に相当する層765aを有する。光電変換素子700Aは埋め込み型フォトダイオードであり、層765aの表面側(電流の取り出し側)に設けられた薄いp型の領域(層765bの一部)によって暗電流を抑えノイズを低減させることができる。
絶縁体701、導電体741、導電体742は、貼り合わせ層としての機能を有する。絶縁体754は、層間絶縁膜および平坦化膜としての機能を有する。絶縁体755は、素子分離層としての機能を有する。絶縁体756は、キャリアの流出を抑制する機能を有する。
シリコン基板には画素を分離する溝が設けられ、絶縁体756はシリコン基板上面および当該溝に設けられる。絶縁体756が設けられることにより、光電変換素子700A内で発生したキャリアが隣接するフォトダイオードに流出することを抑えることができる。また、絶縁体756は、迷光の侵入を抑制する機能も有する。したがって、絶縁体756により、混色を抑制することができる。なお、シリコン基板の上面と絶縁体756との間に反射防止膜が設けられていてもよい。
素子分離層は、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法を用いて形成することができる。または、STI(Shallow Trench Isolation)法等を用いて形成してもよい。絶縁体756としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンなどの無機絶縁膜、ポリイミド、アクリルなどの有機絶縁膜を用いることができる。なお、絶縁体756は多層構成であってもよい。
光電変換素子700Aの層765a(n型領域、カソードに相当)は、導電体741と電気的に接続される。層765b(p型領域、アノードに相当)は、導電体742と電気的に接続される。導電体741、導電体742は、絶縁体701に埋設された領域を有する。また、絶縁体701、導電体741、導電体742の表面は、それぞれ高さが一致するように平坦化されている。
絶縁体650の上方には、絶縁体691、絶縁体692、及び絶縁体693が順に積層されている。また、絶縁体691、絶縁体692、及び絶縁体693には開口部が設けられており、当該開口部を埋めるように導電体743が形成されている。
絶縁体691としては、例えば、絶縁体751に適用できる材料を用いることができる。
また、絶縁体692としては、例えば、絶縁体650に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体693と、絶縁体701と、のそれぞれは貼り合わせ層の一部として機能する。また、導電体741、導電体742と、導電体743のそれぞれも貼り合わせ層の一部として機能する。
絶縁体693、及び絶縁体701としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、窒化チタンなどを用いることができる。特に、絶縁体693と絶縁体701とを接合するため、絶縁体693及び絶縁体701は、同一の成分で構成されていることが好ましい。
導電体741、導電体742、及び導電体743としては、例えば、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、タングステン、銀、白金または金などを用いることができる。特に、導電体741と導電体743、及び導電体742と導電体743とを接合しやすくするには、銅、アルミニウム、タングステン、又は金を用いることが好ましい。
なお、導電体741、導電体742、及び導電体743は、複数の層を含む多層構造としてもよい。例えば、導電体741、導電体742、又は導電体743が設けられる開口部の側面に第1の導電体を形成し、その後に開口部を埋めるように第2の導電体を形成してもよい。第1の導電体としては、例えば、窒化タンタルなど水素に対するバリア性を有する導電体を用いることができ、また、第2の導電体としては、例えば、導電性の高いタングステンを用いることができる。
基板311側の貼り合わせ層と構造体SA側の貼り合わせ層との貼り合わせを行う前工程では、基板311側において、絶縁体693と導電体743との表面はそれぞれ高さが一致するように平坦化が行われる。同様に、構造体SA側において、絶縁体701と、導電体741と、導電体742と、の表面はそれぞれ高さが一致するように平坦化が行われる。
貼り合わせ工程で、絶縁体693と絶縁体701との接合、つまり絶縁層同士の接合を行うとき、研磨などによって高い平坦性を与えた後に、酸素プラズマ等で親水性処理をした表面同士を接触させて仮接合し、熱処理による脱水で本接合を行う親水性接合法などを用いることができる。親水性接合法も原子レベルでの結合が起こるため、機械的に優れた接合を得ることができる。
また、例えば、導電体741と導電体743との接合、及び導電体742と導電体743との接合、つまり導電体同士の接合をおこなうとき、表面の酸化膜および不純物の吸着層などをスパッタリング処理などで除去し、清浄化および活性化した表面同士を接触させて接合する表面活性化接合法を用いることができる。または、温度と圧力を併用して表面同士を接合する拡散接合法などを用いることができる。どちらも原子レベルでの結合が起こるため、電気的だけでなく機械的にも優れた接合を得ることができる。
上述した、貼り合わせ工程を行うことによって、基板311側の導電体743を、構造体SA側の導電体741、及び導電体742に電気的に接続することができる。また、基板311側の絶縁体693と、構造体SA側の絶縁体701と、の機械的な強度を有する接続を得ることができる。
基板311と構造体SAを貼り合わせる場合、それぞれの接合面には絶縁層と金属層が混在するため、例えば、表面活性化接合法および親水性接合法を組み合わせて行えばよい。
例えば、研磨後に表面を清浄化し、金属層の表面に酸化防止処理を行ったのちに親水性処理を行って接合する方法などを用いることができる。また、金属層の表面を金などの難酸化性金属とし、親水性処理を行ってもよい。なお、上述した方法以外の接合方法を用いてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、コバルトなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
<結晶構造の分類>
まず、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図35Aを用いて説明を行う。図35Aは、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図35Aに示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)が含まれる(excluding single crystal and poly crystal)。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図35Aに示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」、及び「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜または基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC-IGZO膜のGIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図35Bに示す(縦軸は強度(Intensity)を任意単位(a.u.)で表している)。なお、GIXD法は、薄膜法またはSeemann-Bohlin法ともいう。以降、図35Bに示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す。なお、図35Bに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図35Bに示すCAAC-IGZO膜の厚さは、500nmである。
図35Bに示すように、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図35Bに示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度(Intensity)が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜または基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう)にて評価することができる。CAAC-IGZO膜の回折パターンを、図35Cに示す。図35Cは、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図35Cに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図35Cに示すように、CAAC-IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図35Aとは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、などが含まれる。
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つまたは複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタンなどから選ばれた一種、または複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°またはその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないこと、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化すること、などによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下などを引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入、欠陥などの生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物、欠陥(酸素欠損など)などの少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OS、非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、およびZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、および[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下、さらに好ましくは1×1013cm-3以下、より好ましくは1×1011cm-3以下、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼称する場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコン、炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコン、炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコン、炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。または、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態は、上記実施の形態に示す半導体装置などが形成された半導体ウェハ、及び当該半導体装置が組み込まれた電子部品の一例を示す。
<半導体ウェハ>
初めに、半導体装置などが形成された半導体ウェハの例を、図36Aを用いて説明する。
図36Aに示す半導体ウェハ4800は、ウェハ4801と、ウェハ4801の上面に設けられた複数の回路部4802と、を有する。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング4803であり、ダイシング用の領域である。
半導体ウェハ4800は、ウェハ4801の表面に対して、前工程によって複数の回路部4802を形成することで作製することができる。また、その後に、ウェハ4801の複数の回路部4802が形成された反対側の面を研削して、ウェハ4801の薄膜化をしてもよい。この工程により、ウェハ4801の反りなどを低減し、部品としての小型化を図ることができる。
次の工程としては、ダイシング工程が行われる。ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1及びスクライブラインSCL2(ダイシングライン、又は切断ラインと呼称する場合がある)に沿って行われる。なお、スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブラインSCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設けることが好ましい。
ダイシング工程を行うことにより、図36Bに示すようなチップ4800aを、半導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801aと、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング4803aは、極力小さくなるようにすることが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、又はスクライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図36Aに図示した半導体ウェハ4800の形状に限定されない。例えば、矩形の形状の半導体ウェハであってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、及び素子を作製するための装置に応じて、適宜変更することができる。
<電子部品>
図36Cに電子部品4700および電子部品4700が実装された基板(実装基板4704)の斜視図を示す。図36Cに示す電子部品4700は、モールド4711内にチップ4800aを有している。なお、図36Cに示すとおり、チップ4800aは、回路部4802が積層された構成としてもよい。図36Cは、電子部品4700の内部を示すために、一部を省略している。電子部品4700は、モールド4711の外側にランド4712を有する。ランド4712は電極パッド4713と電気的に接続され、電極パッド4713はチップ4800aとワイヤ4714によって電気的に接続されている。電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板4702上で電気的に接続されることで実装基板4704が完成する。
図36Dに電子部品4730の斜視図を示す。電子部品4730は、SiP(System in package)またはMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品4730は、パッケージ基板4732(プリント基板)上にインターポーザ4731が設けられ、インターポーザ4731上に半導体装置4735、および複数の半導体装置4710が設けられている。
電子部品4730は、半導体装置4710を有する。半導体装置4710としては、例えば、上記実施の形態で説明した半導体装置、広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などとすることができる。また、半導体装置4735は、CPU、GPU、FPGA、記憶装置などの集積回路(半導体装置)を用いることができる。
パッケージ基板4732は、セラミック基板、プラスチック基板、またはガラスエポキシ基板などを用いることができる。インターポーザ4731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザなどを用いることができる。
インターポーザ4731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層または多層で設けられる。また、インターポーザ4731は、インターポーザ4731上に設けられた集積回路をパッケージ基板4732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」または「中間基板」と呼称する場合がある。また、インターポーザ4731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板4732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
インターポーザ4731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、シリコンインターポーザを用いたSiP、MCMなどでは、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、電子部品4730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ4731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品4730では、半導体装置4710と半導体装置4735の高さを揃えることが好ましい。
電子部品4730を他の基板に実装するため、パッケージ基板4732の底部に電極4733を設けてもよい。図36Dでは、電極4733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板4732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極4733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板4732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
電子部品4730は、BGAおよびPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、またはQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの実装方法を用いることができる。
次に、光電変換素子が含まれているイメージセンサチップ(撮像装置)を有する、電子部品について説明する。
図37Aは、イメージセンサチップを収めたパッケージの上面側の外観斜視図である。当該パッケージは、イメージセンサチップ4550(図37C参照)を固定するパッケージ基板4510、カバーガラス4520および両者を接着する接着剤4530等を有する。
図37Bは、当該パッケージの下面側の外観斜視図である。パッケージの下面には、半田ボールをバンプ4540としたBGA(Ball grid array)を有する。なお、BGAに限らず、LGA(Land grid array)、PGA(Pin Grid Array)などを有していてもよい。
図37Cは、カバーガラス4520および接着剤4530の一部を省いて図示したパッケージの斜視図である。パッケージ基板4510上には電極パッド4560が形成され、電極パッド4560およびバンプ4540はスルーホールを介して電気的に接続されている。電極パッド4560は、イメージセンサチップ4550とワイヤ4570によって電気的に接続されている。
また、図37Dは、イメージセンサチップをレンズ一体型のパッケージに収めたカメラモジュールの上面側の外観斜視図である。当該カメラモジュールは、イメージセンサチップ4551(図37F)を固定するパッケージ基板4511、レンズカバー4521、およびレンズ4535等を有する。また、パッケージ基板4511およびイメージセンサチップ4551の間には撮像装置の駆動回路および信号変換回路などの機能を有するICチップ4590(図37F)も設けられており、SiP(System in package)としての構成を有している。
図37Eは、当該カメラモジュールの下面側の外観斜視図である。パッケージ基板4511の下面および側面には、実装用のランド4541が設けられたQFN(Quad flat no-lead package)の構成を有する。なお、当該構成は一例であり、QFP(Quad flat package)、前述したBGAなどが設けられていてもよい。
図37Fは、レンズカバー4521およびレンズ4535の一部を省いて図示したモジュールの斜視図である。ランド4541は電極パッド4561と電気的に接続され、電極パッド4561はイメージセンサチップ4551またはICチップ4590とワイヤ4571によって電気的に接続されている。
イメージセンサチップを上述したような形態のパッケージに収めることでプリント基板等への実装が容易になり、イメージセンサチップを様々な半導体装置、電子機器などに組み込むことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置を有する電子機器の一例について説明する。なお、図38には、当該半導体装置を有する電子部品4700が各電子機器に含まれている様子を図示している。
[携帯電話]
図38に示す情報端末5500は、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)である。情報端末5500は、筐体5510と、表示部5511と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5511に備えられ、ボタンが筐体5510に備えられている。
情報端末5500は、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、会話を認識してその会話内容を表示部5511に表示するアプリケーション、表示部5511に備えるタッチパネルに対してユーザが入力した文字、図形などを認識して、表示部5511に表示するアプリケーション、指紋、声紋などの生体認証を行うアプリケーションなどが挙げられる。
[ウェアラブル端末]
また、図38には、ウェアラブル端末の一例として腕時計型の情報端末5900が図示されている。情報端末5900は、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有する。
ウェアラブル端末は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、ウェアラブル端末を装着した人の健康状態を管理するアプリケーション、目的地を入力することで最適な道を選択して誘導するナビゲーションシステムなどが挙げられる。
[情報端末]
また、図38には、デスクトップ型情報端末5300が図示されている。デスクトップ型情報端末5300は、情報端末の本体5301と、ディスプレイ5302と、キーボード5303と、を有する。
デスクトップ型情報端末5300は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、設計支援ソフトウェア、文章添削ソフトウェア、献立自動生成ソフトウェアなどが挙げられる。また、デスクトップ型情報端末5300を用いることで、新規の人工知能の開発を行うことができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、デスクトップ用情報端末、ウェアラブル端末を例として、それぞれ図38に図示したが、スマートフォン、デスクトップ用情報端末、ウェアラブル端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、デスクトップ用情報端末、ウェアラブル端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型情報端末、ワークステーションなどが挙げられる。
[電化製品]
また、図38には、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫5800が図示されている。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。
電気冷凍冷蔵庫5800に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有する電気冷凍冷蔵庫5800を実現することができる。人工知能を利用することによって電気冷凍冷蔵庫5800は、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材、その食材の消費期限などを基に献立を自動生成する機能、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材に合わせた温度に自動的に調節する機能、などを有することができる。
本一例では、電化製品として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH(Induction Heating)調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
[ゲーム機]
また、図38には、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5200が図示されている。携帯ゲーム機5200は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。
更に、図38には、ゲーム機の一例である据え置き型ゲーム機7500が図示されている。据え置き型ゲーム機7500は、本体7520と、コントローラ7522を有する。なお、本体7520には、無線または有線によってコントローラ7522を接続することができる。また、図38に示していないが、コントローラ7522は、ゲームの画像を表示する表示部、ボタン以外の入力インターフェースとなるタッチパネル、スティック、回転式つまみ、スライド式つまみなどを備えることができる。また、コントローラ7522は、図38に示す形状に限定されず、ゲームのジャンルに応じて、コントローラ7522の形状を様々に変更してもよい。例えば、FPS(First Person Shooter)などのシューティングゲームでは、トリガーをボタンとし、銃を模した形状のコントローラを用いることができる。また、例えば、音楽ゲームなどでは、楽器、音楽機器などを模した形状のコントローラを用いることができる。更に、据え置き型ゲーム機は、コントローラを使わず、代わりにカメラ、深度センサ、マイクロフォンなどを備えて、ゲームプレイヤーのジェスチャー、及び/又は音声によって操作する形式としてもよい。
また、上述したゲーム機の映像は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ゲーム用ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置によって、出力することができる。
携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力の携帯ゲーム機5200を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有する携帯ゲーム機5200を実現することができる。
本来、ゲームの進行、ゲーム上に登場する生物の言動、ゲーム上で発生する現象などの表現は、そのゲームが有するプログラムによって定められているが、携帯ゲーム機5200に人工知能を適用することにより、ゲームのプログラムに限定されない表現が可能になる。例えば、プレイヤーが問いかける内容、ゲームの進行状況、時刻、ゲーム上に登場する人物の言動が変化するといった表現が可能となる。
また、携帯ゲーム機5200で複数のプレイヤーが必要なゲームを行う場合、人工知能によって擬人的にゲームプレイヤーを構成することができるため、対戦相手を人工知能によるゲームプレイヤーとすることによって、1人でもゲームを行うことができる。
図38では、ゲーム機の一例として携帯ゲーム機を図示しているが、本発明の一態様の電子機器はこれに限定されない。本発明の一態様の電子機器としては、例えば、家庭用の据え置き型ゲーム機、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
[移動体]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、移動体である自動車、及び自動車の運転席周辺に適用することができる。
図38には移動体の一例である自動車5700が図示されている。
自動車5700の運転席周辺には、スピードメーター、タコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することができるインストゥルメントパネルが備えられている。また、運転席周辺には、それらの情報を示す表示装置が備えられていてもよい。
特に当該表示装置には、自動車5700に設けられた撮像装置(図示しない)からの映像を映し出すことによって、ピラーなどで遮られた視界、運転席の死角などを補うことができ、安全性を高めることができる。すなわち、自動車5700の外側に設けられた撮像装置からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めることができる。
上記実施の形態で説明した半導体装置は人工知能の構成要素として適用できるため、例えば、当該コンピュータを自動車5700の自動運転システムに用いることができる。また、当該コンピュータを道路案内、危険予測などを行うシステムに用いることができる。当該表示装置には、道路案内、危険予測などの情報を表示する構成としてもよい。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができ、これらの移動体に本発明の一態様のコンピュータを適用して、人工知能を利用したシステムを付与することができる。
[カメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、カメラに適用することができる。
図38には、撮像装置の一例であるデジタルカメラ6240が図示されている。デジタルカメラ6240は、筐体6241、表示部6242、操作ボタン6243、シャッターボタン6244等を有し、また、デジタルカメラ6240には、着脱可能なレンズ6246が取り付けられている。なお、ここではデジタルカメラ6240を、レンズ6246を筐体6241から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ6246と筐体6241とが一体となっていてもよい。また、デジタルカメラ6240は、ストロボ装置、ビューファインダー等を別途装着することができる構成としてもよい。
デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力のデジタルカメラ6240を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有するデジタルカメラ6240を実現することができる。人工知能を利用することによって、デジタルカメラ6240は、顔、物体など被写体を自動的に認識する機能、又は当該被写体に合わせたピント調節、環境に合わせて自動的にフラッシュを焚く機能、撮像した画像を調色する機能などを有することができる。
[ビデオカメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、ビデオカメラに適用することができる。
図38には、撮像装置の一例であるビデオカメラ6300が図示されている。ビデオカメラ6300は、第1筐体6301、第2筐体6302、表示部6303、操作キー6304、レンズ6305、接続部6306等を有する。操作キー6304及びレンズ6305は第1筐体6301に設けられており、表示部6303は第2筐体6302に設けられている。そして、第1筐体6301と第2筐体6302とは、接続部6306により接続されており、第1筐体6301と第2筐体6302の間の角度は、接続部6306により変更が可能である。表示部6303における映像を、接続部6306における第1筐体6301と第2筐体6302との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
ビデオカメラ6300で撮影した映像を記録する際、データの記録形式に応じたエンコードを行う必要がある。人工知能を利用することによって、ビデオカメラ6300は、エンコードの際に、人工知能によるパターン認識を行うことができる。このパターン認識によって、連続する撮像画像データに含まれる人、動物、物体などの差分データを算出して、データの圧縮を行うことができる。
[PC用の拡張デバイス]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、PC(Personal Computer)などの計算機、情報端末用の拡張デバイスに適用することができる。
図39Aは、当該拡張デバイスの一例として、持ち運びのできる、演算処理が可能なチップが搭載された、PCに外付けする拡張デバイス6100を示している。拡張デバイス6100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などでPCに接続することで、当該チップによる演算処理を行うことができる。なお、図39Aは、持ち運びが可能な形態の拡張デバイス6100を図示しているが、本発明の一態様に係る拡張デバイスは、これに限定されず、例えば、冷却用ファンなどを搭載した比較的大きい形態の拡張デバイスとしてもよい。
拡張デバイス6100は、筐体6101、キャップ6102、USBコネクタ6103及び基板6104を有する。基板6104は、筐体6101に収納されている。基板6104には、上記実施の形態で説明した半導体装置などを駆動する回路が設けられている。例えば、基板6104には、チップ6105(例えば、上記実施の形態で説明した半導体装置、電子部品4700、メモリチップなど)、コントローラチップ6106が取り付けられている。USBコネクタ6103は、外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
拡張デバイス6100をPCなど用いることにより、当該PCの演算処理能力を高くすることができる。これにより、処理能力の足りないPCでも、例えば、人工知能、動画処理などの演算を行うことができる。
[放送システム]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、放送システムに適用することができる。
図39Bは、放送システムにおけるデータ伝送を模式的に示している。具体的には、図39Bは、放送局5680から送信された電波(放送信号)が、各家庭のテレビジョン受信装置(TV)5600に届くまでの経路を示している。TV5600は、受信装置を備え(図示しない)、アンテナ5650で受信された放送信号は、当該受信装置を介して、TV5600に送信される。
図39Bでは、アンテナ5650は、UHF(Ultra High Frequency)アンテナを図示しているが、アンテナ5650としては、BS・110°CSアンテナ、CSアンテナなども適用できる。
電波5675A、電波5675Bは地上波放送用の放送信号であり、電波塔5670は受信した電波5675Aを増幅して、電波5675Bの送信を行う。各家庭では、アンテナ5650で電波5675Bを受信することで、TV5600で地上波放送を視聴することができる。なお、放送システムは、図39Bに示す地上波放送に限定せず、人工衛星を用いた衛星放送、光回線によるデータ放送などとしてもよい。
上述した放送システムは、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用して、人工知能を利用した放送システムとしてもよい。放送局5680から各家庭のTV5600に放送データを送信するとき、エンコーダによって放送データの圧縮が行われ、アンテナ5650が当該放送データを受信したとき、TV5600に含まれる受信装置のデコーダによって当該放送データの復元が行われる。人工知能を利用することによって、例えば、エンコーダの圧縮方法の一である動き補償予測において、表示画像に含まれる表示パターンの認識を行うことができる。また、人工知能を利用したフレーム内予測などを行うこともできる。また、例えば、解像度の低い放送データを受信して、解像度の高いTV5600で当該放送データの表示を行うとき、デコーダによる放送データの復元において、アップコンバートなどの画像の補間処理を行うことができる。
上述した人工知能を利用した放送システムは、放送データの量が増大する超高精細度テレビジョン(UHDTV:4K、8K)放送に対して好適である。
また、TV5600側における人工知能の応用として、例えば、TV5600に人工知能を有する録画装置を設けてもよい。このような構成にすることによって、当該録画装置にユーザの好みを人工知能に学習させることで、ユーザの好みにあった番組を自動的に録画することができる。
[認証システム]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、認証システムに適用することができる。
図39Cは、掌紋認証装置を示しており、筐体6431、表示部6432、掌紋読み取り部6433、配線6434を有している。
図39Cには、掌紋認証装置が手6435の掌紋を取得する様子を示している。取得した掌紋は、人工知能を利用したパターン認識の処理が行われ、当該掌紋が本人のものであるかどうかの判別を行うことができる。これにより、セキュリティの高い認証を行うシステムを構築することができる。また、本発明の一態様に係る認証システムは、掌紋認証装置に限定されず、指紋、静脈、顔、虹彩、声紋、遺伝子、体格などの生体情報を取得して生体認証を行う装置であってもよい。
[報知器]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、報知器に適用することができる。
図40Aには、報知器6900が図示されており、報知器6900は、感知機6901と、受信機6902と、発信機6903とを有する。
感知機6901は、センサ回路6904、通気口6905、操作キー6906等を有する。通気口6905を通過した検知対象物は、センサ回路6904にセンシングされる。センサ回路6904としては、例えば、漏水、漏電、ガス漏洩、火災、氾濫する恐れのある河川の水位、地震の震度、放射線などを検知対象物とする検知器とすることができる。
感知機6901は、例えば、規定値以上の検知対象物がセンサ回路6904にて感知されると、その情報を受信機6902に送る。受信機6902は、表示部6907、操作キー6908、操作キー6909、配線6910等を有する。受信機6902は、感知機6901からの情報に従って、発信機6903の動作を制御する。発信機6903は、スピーカ6911、照明装置6912などを有する。発信機6903は、発信機6903からの命令に従って、警報を発信する機能を有する。図40Aでは、発信機6903が、スピーカ6911を用いた音声による警報と、赤色灯などの照明装置6912を用いた光による警報とを共に行う例を示しているが、いずれか一方のみの警報またはそれ以外の警報を、発信機6903が行うようにしてもよい。
また、センサ回路が火災報知器として機能する場合、警報の発信に伴い、シャッターなどの防火設備に、所定の動作を行う旨の命令を受信機6902が送るようにしてもよい。また、図40Aでは、受信機6902と感知機6901との間において無線で信号の送受信が行われる場合を例示したが、配線等を介して信号の送受信が行われていてもよい。また、図40Aでは、受信機6902から発信機6903へ、配線6910を介して信号の送信が行われている場合を例示したが、無線で信号の送信が行われていてもよい。
[ロボット]
上記で説明した半導体装置は、ロボットに適用することができる。
図40Bは、ロボットの一例を示している。ロボット6140は、それぞれの触覚センサ6141a乃至触覚センサ6141eを有する。ロボット6140は、触覚センサ6141a乃至触覚センサ6141eを用いて、対象物をつかむことができる。触覚センサ6141a乃至触覚センサ6141eとしては、例えば、対象物に触れたときの接地面積に応じて、対象物に対して電流が流れる機能を有し、流れる電流の量からロボット6140が対象物をつかんでいるという認識をすることができる。
図40Cは、産業用ロボットの一例を示している。産業用ロボットは、駆動範囲を細かく制御するために複数の駆動軸を有することが好ましい。産業用ロボット6150は、機能部6151、制御部6152、駆動軸6153、駆動軸6154、及び駆動軸6155を備えた例を示している。機能部6151は画像検出モジュールなどのセンサを有していることが好ましい。
また、機能部6151は、対象物をつかむ、切る、溶接する、塗布する、貼付するなどの機能のいずれか一もしくは複数の機能を有していることが好ましい。産業用ロボット6150は、応答性が向上すると、生産性が比例して向上する。また、産業用ロボット6150が精密な動作を行うためには、微小電流を検知するセンサなどを設けることが好ましい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。