JP7728042B2 - 嗅覚受容体を介した発汗制御 - Google Patents
嗅覚受容体を介した発汗制御Info
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Description
本発明は、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む発汗調節剤、並びに発汗調
節剤の候補物質のスクリーニング方法に関する。
節剤の候補物質のスクリーニング方法に関する。
発汗は健康を保つ上で重要なヒトの生理機能である。発汗が減少(無汗)すると体温は上昇し熱中症となり皮膚は乾燥する。発汗が過剰(多汗)になると低体温となり、例えば、社会活動を困難にする。発汗を制御する方法として、多汗であれば、例えば、汗管を塩化アルミニウムで閉塞する方法、あるいは発汗を誘発するアセチルコリンの作用を抑制する薬剤(抗コリン剤)が用いられる。しかしながら、塩化アルミニウムでは刺激性皮膚炎、抗コリン剤では目の乾燥や口渇、頭痛、頻脈などの副作用が生じる可能性が高く、適用範囲が広いとは言えない(非特許文献1及び2)。また、無汗に対して発汗を誘発する方法は現在のところ確立されていない。このような状況から、より無害で有効な発汗制御方法の確立が望まれていた。
S. Gregoriou et al., Clin Cosmet Investig Dermatol. 2019; 12: 733-744
I. Hoorens et al., J Eur Acad Dermatol Venereol. 2012; 26: 1-8
本発明の課題は、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤を提供
することにある。また、本発明の課題は、発汗調節剤の候補物質のスクリーニング方法を提供することである。
することにある。また、本発明の課題は、発汗調節剤の候補物質のスクリーニング方法を提供することである。
本発明者らは、まず、無汗症患者の無汗部と発汗部の汗腺において遺伝子の発現に差異があり、該差異が無汗を引き起こしている可能性があると考えた。そのため、本発明者らは、無汗症患者の無汗部と発汗部の汗腺の組織を用いて、該汗腺に発現している遺伝子をRNAシークエンシングによって網羅的に解析を行った。その結果、驚くべきことに汗腺に
嗅覚受容体が発現していることを見出し、該嗅覚受容体の内、特に無汗症患者の無汗部と発汗部の汗腺において、有意差をもって(p<0.01)発現の差異がみられた3種類(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)について、さらに鋭意検討を行った。その結果、OR51A7の類縁受容体に当たるOR51E2に対するアゴニストであるβ-イオノン(香料)が、定量的軸索反射
性発汗試験において発汗率(mg/min)を顕著に上昇させ、一方、該受容体に対するアンタゴニストであるα-イオノン(香料)が発汗率を低下させることを見出し、本発明を完成
するに至った。
嗅覚受容体が発現していることを見出し、該嗅覚受容体の内、特に無汗症患者の無汗部と発汗部の汗腺において、有意差をもって(p<0.01)発現の差異がみられた3種類(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)について、さらに鋭意検討を行った。その結果、OR51A7の類縁受容体に当たるOR51E2に対するアゴニストであるβ-イオノン(香料)が、定量的軸索反射
性発汗試験において発汗率(mg/min)を顕著に上昇させ、一方、該受容体に対するアンタゴニストであるα-イオノン(香料)が発汗率を低下させることを見出し、本発明を完成
するに至った。
即ち、本発明は以下に関する。
[1] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤。
[2] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアゴニストを含む、[1]に記載の発汗調節剤。
[3] 発汗調節剤が発汗促進剤である、[1]に記載の発汗調節剤。
[4] 前記アゴニストがβ-イオノンである、[1]~[3]の何れか1に記載の発汗調節剤。
[5] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアンタゴニストを含む、[1]に記載の発汗調節剤。
[6] 発汗調節剤が発汗抑制剤である、[5]に記載の発汗調節剤。
[7] 前記アンタゴニストがα-イオノンである、[1]、[5]及び[6]の何れか1に記載の発汗
調節剤。
[8] 発汗調節剤のスクリーニング方法であって、以下:
(1)被験物質と、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少
なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程、
(2)前記被験物質と、前記受容体タンパク質との結合性を測定する工程、及び
(3)前記測定した結合性を指標として、前記被験物質を発汗調節剤の候補物質として選
択する工程
を含む、スクリーニング方法。
[1] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤。
[2] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアゴニストを含む、[1]に記載の発汗調節剤。
[3] 発汗調節剤が発汗促進剤である、[1]に記載の発汗調節剤。
[4] 前記アゴニストがβ-イオノンである、[1]~[3]の何れか1に記載の発汗調節剤。
[5] 嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの
受容体に対するアンタゴニストを含む、[1]に記載の発汗調節剤。
[6] 発汗調節剤が発汗抑制剤である、[5]に記載の発汗調節剤。
[7] 前記アンタゴニストがα-イオノンである、[1]、[5]及び[6]の何れか1に記載の発汗
調節剤。
[8] 発汗調節剤のスクリーニング方法であって、以下:
(1)被験物質と、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少
なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程、
(2)前記被験物質と、前記受容体タンパク質との結合性を測定する工程、及び
(3)前記測定した結合性を指標として、前記被験物質を発汗調節剤の候補物質として選
択する工程
を含む、スクリーニング方法。
本発明によれば、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤を提供
することができる。本発明の剤を用いることで、人体に無害であり且つ有効な発汗制御を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、嗅覚受容体タンパク質(以下、「嗅覚受容体」と略記することもある)である、OR6C74タンパク質(以下、「OR6C74」と略記することもある)、OR51A7タンパク質(以下、「OR51A7」と略記することもある)、又はOR4A15タンパク質(以下、「OR4A15」と略記することもある)を用いた、発汗調節剤の候補物質のスクリーニング方法を提供することができる。本発明のスクリーニング方法を用いることで、人体に無害であり且つ有効な発汗制御効果を発揮することができる物質を取得することが可能となる。
することができる。本発明の剤を用いることで、人体に無害であり且つ有効な発汗制御を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、嗅覚受容体タンパク質(以下、「嗅覚受容体」と略記することもある)である、OR6C74タンパク質(以下、「OR6C74」と略記することもある)、OR51A7タンパク質(以下、「OR51A7」と略記することもある)、又はOR4A15タンパク質(以下、「OR4A15」と略記することもある)を用いた、発汗調節剤の候補物質のスクリーニング方法を提供することができる。本発明のスクリーニング方法を用いることで、人体に無害であり且つ有効な発汗制御効果を発揮することができる物質を取得することが可能となる。
1.本発明の発汗調節剤
本発明の発汗調節剤は、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む。本明細書に
おいて、「嗅覚受容体」とはGタンパク質共役型受容体(以下、「GPCR」と略記すること
もある)の属する受容体であり、より詳細には、クラスA;ロドプシン様受容体である。
本発明の発汗調節剤は、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む。本明細書に
おいて、「嗅覚受容体」とはGタンパク質共役型受容体(以下、「GPCR」と略記すること
もある)の属する受容体であり、より詳細には、クラスA;ロドプシン様受容体である。
本明細書において、「OR6C74」とは、Olfactory Receptor Family 6 Subfamily C Member 74に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号2)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR6C74遺伝子」(配列番号1)ともいう。
本明細書において、「OR51A7」とは、Olfactory Receptor Family 51 Subfamily A Member 7に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号4)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR51A7遺伝子」(配列番号3)ともいう。
本明細書において、「OR4A15」とは、Olfactory Receptor Family 4 Subfamily A Memb
er 15に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号5)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR4A15遺伝子」(配列番号6)ともいう。
本明細書において、「OR51A7」とは、Olfactory Receptor Family 51 Subfamily A Member 7に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号4)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR51A7遺伝子」(配列番号3)ともいう。
本明細書において、「OR4A15」とは、Olfactory Receptor Family 4 Subfamily A Memb
er 15に分類される嗅覚受容体タンパク質(配列番号5)であり、該タンパク質をコードする核酸を、「OR4A15遺伝子」(配列番号6)ともいう。
本発明において、「アゴニスト」とは、特定の受容体に結合し、細胞内で反応を誘発する物質を意味し、正のアロステリック修飾剤(PAM)(Positive Allosteric Modulator)もアゴニストに包含される。アロステリック修飾剤(allosteric modulator)とは、アロステリック部位に結合し、オルソステリックのリガンドの結合やシグナル伝達を増強又は阻害して、その作用を発揮する分子を意味し、アロステリック修飾薬は、オルソステリックリガンドの活性に対する効果として、増強、減弱、無変化のそれぞれに対応して、PAM
、NAM(Negative Allosteric Modulator)、SAM(Silent(orneutral)Allosteric Modulator)に分類することができる。本発明の剤に含まれる好適なアゴニストは、例えば、β-イオノン、ペラルゴン酸、カプリン酸である。
本発明の剤は、特定の受容体(R6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアゴニストを含
む場合、発汗促進剤として機能する。該発汗促進剤は、例えば、先天性/遺伝性、又は後
天性の無汗症の予防あるいは治療に用いることができ、好ましくは、突発性の無汗症の、より好ましくは、後天性突発性全身性無汗症の予防あるいは治療に用いることができる。また、該発汗促進剤は、発汗により体温を低下させることができるため、例えば、熱中症の治療に用いることもできる。さらに、該発汗促進剤は、加齢によるドライスキンの保護のために用いることもできる。
、NAM(Negative Allosteric Modulator)、SAM(Silent(orneutral)Allosteric Modulator)に分類することができる。本発明の剤に含まれる好適なアゴニストは、例えば、β-イオノン、ペラルゴン酸、カプリン酸である。
本発明の剤は、特定の受容体(R6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアゴニストを含
む場合、発汗促進剤として機能する。該発汗促進剤は、例えば、先天性/遺伝性、又は後
天性の無汗症の予防あるいは治療に用いることができ、好ましくは、突発性の無汗症の、より好ましくは、後天性突発性全身性無汗症の予防あるいは治療に用いることができる。また、該発汗促進剤は、発汗により体温を低下させることができるため、例えば、熱中症の治療に用いることもできる。さらに、該発汗促進剤は、加齢によるドライスキンの保護のために用いることもできる。
本発明において、「アンタゴニスト」とは、別の分子の作用又は受容体部位の活性を減少、阻害、又は妨げる物質を意味する。アンタゴニストには、競合性アンタゴニスト、非競合性アンタゴニスト、不競合性アンタゴニスト、イオンチャネルの阻害剤、NAMも含ま
れるが、これらに限定されない。競合性アンタゴニストは、内因性リガンド又はアゴニストと同じ結合部位(活性部位)で受容体に可逆的に結合するが、受容体を活性化しない。非競合性アンタゴニスト(アロステリックアンタゴニストとしても知られている)は、アゴニストの結合部位とは異なる部位に結合し、他の結合部位を経由してその受容体に作用を及ぼす。非競合性アンタゴニストは、結合のためにアゴニストと競合しない。結合したアンタゴニストは、その受容体のアゴニストの親和性を低下し、又はアゴニストの結合後に受容体活性化に必要となる、受容体の立体構造の変化を妨げる場合もある。不競合性アンタゴニストは、アロステリック結合部位に結合する前に、アゴニストによる受容体活性化を必要とするという点で、非競合性アンタゴニストと異なる。また、受容体やカルシウムチャネルの機能を阻害する抗体、アプタマー、ドミナントネガティブ変異体などもアンタゴニストに包含される。本発明の剤に含まれる好適なアンタゴニストは、例えば、α-
イオノン、2-エチルヘキサン酸である。
本発明の剤は、特定の受容体(R6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアンタゴニスト
を含む場合、発汗抑制剤として機能する。該発汗抑制剤は、例えば、多汗症、体臭の予防あるいは治療に用いることができる。
れるが、これらに限定されない。競合性アンタゴニストは、内因性リガンド又はアゴニストと同じ結合部位(活性部位)で受容体に可逆的に結合するが、受容体を活性化しない。非競合性アンタゴニスト(アロステリックアンタゴニストとしても知られている)は、アゴニストの結合部位とは異なる部位に結合し、他の結合部位を経由してその受容体に作用を及ぼす。非競合性アンタゴニストは、結合のためにアゴニストと競合しない。結合したアンタゴニストは、その受容体のアゴニストの親和性を低下し、又はアゴニストの結合後に受容体活性化に必要となる、受容体の立体構造の変化を妨げる場合もある。不競合性アンタゴニストは、アロステリック結合部位に結合する前に、アゴニストによる受容体活性化を必要とするという点で、非競合性アンタゴニストと異なる。また、受容体やカルシウムチャネルの機能を阻害する抗体、アプタマー、ドミナントネガティブ変異体などもアンタゴニストに包含される。本発明の剤に含まれる好適なアンタゴニストは、例えば、α-
イオノン、2-エチルヘキサン酸である。
本発明の剤は、特定の受容体(R6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアンタゴニスト
を含む場合、発汗抑制剤として機能する。該発汗抑制剤は、例えば、多汗症、体臭の予防あるいは治療に用いることができる。
本発明の剤は、化粧料又は医薬(医薬部外品を含む)に配合することができ、あるいは本発明の剤は、それ自体を化粧料又は医薬(医薬部外品を含む)としてもよい。
本発明の剤を、化粧料に配合する場合、又は本発明の組成物自体を化粧料とする場合、当該化粧料の種類としては、例えば、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、美容液、パック、マスク等の皮膚用化粧料;白粉、ファンデーション、口紅、チーク、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、眉墨等のメイクアップ化粧料;シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアスタイリング剤、ヘアトリートメント、ヘアミスト等の毛髪用化粧料等が挙げられる。
本発明の剤を、化粧料に配合する場合、又は本発明の剤自体を化粧料とする場合、当該
化粧料には、通常化粧料に添加してもよい成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合してよい。当該成分の具体例としては、油剤、キレート剤、界面活性剤、粉体、糖アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物、低級アルコール、動植物抽出物、核酸、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、制汗剤、顔料、色素、酸化染料、有機及び無機粉体、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤等が挙げられる。
化粧料には、通常化粧料に添加してもよい成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合してよい。当該成分の具体例としては、油剤、キレート剤、界面活性剤、粉体、糖アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物、低級アルコール、動植物抽出物、核酸、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、制汗剤、顔料、色素、酸化染料、有機及び無機粉体、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤等が挙げられる。
油剤としては、例えば、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸;ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル、安息香酸アルキルエステル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、オクタン酸セチル等のエステル類;
流動パラフィン、ポリイソブテン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ラノリン、還元ラノリン、カルナウバロウ等のロウ;ミンク油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂;エチレン・α-オレフィン・コオリゴマー
;シリコーン油等が挙げられる。
流動パラフィン、ポリイソブテン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ラノリン、還元ラノリン、カルナウバロウ等のロウ;ミンク油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂;エチレン・α-オレフィン・コオリゴマー
;シリコーン油等が挙げられる。
特にシリコーン油の例としては、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体及びポリ(オキシエチレン、オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体等のエーテル変性シリコーン;ステアロキシトリメチルシラン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルシクロポリシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン;メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等のアミノ変性シリコーン;シラノール変性ポリシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン等のアルコキシ変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサンパーフルオロポリエーテル、ポリ酢酸ビニルジメチルポリシロキサン、及びそれらの混合物からなる群より選択されるシリコーン油が挙げられる。
キレート剤としては、特に制限はないが、好ましくはトリエチレンテトラミン、2-テノイルトリフルオロアセトン、チオグリコール酸、酒石酸、コハク酸、8-キノリノール、ピリジン-2,6-ジカルボン酸、ピリジン、1,10-フェナントロリン、乳酸、8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸、グリシン、2,2'-ピリジルエチレンジアミン、オーリントリカルボン酸、キシレノールオレンジ、5-スルホサリチル酸、サリチル酸、ピロカテコール-3,5-ジ
スルホネート、4,5-ジヒドロキシベンゼン-1,3-ジスルホン酸、1,2-ジアミノシクロヘキ
サン-N,N,N',N'-四酢酸、クエン酸、オキサレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン-
N,N,N',N-四酢酸、アセチルアセトンとそれらの塩からなる群より選択されるキレート化剤及びそれらの混合物などが挙げられる。
スルホネート、4,5-ジヒドロキシベンゼン-1,3-ジスルホン酸、1,2-ジアミノシクロヘキ
サン-N,N,N',N'-四酢酸、クエン酸、オキサレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン-
N,N,N',N-四酢酸、アセチルアセトンとそれらの塩からなる群より選択されるキレート化剤及びそれらの混合物などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、N-長鎖アシル酸性アミノ酸塩やN-長鎖アシル中性アミノ酸塩などのN-長鎖アシルアミノ酸塩、N-長鎖脂肪酸アシル-N-メチルタウリン塩、アルキ
ルサルフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩及び弱塩基塩、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、アルキルエーテルカルボン酸等のアニオン界面活性剤;グリセリンエーテル及びそのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型界面活性剤、グリセリンエステルのアルキレンオキシド付加物、ソルビタンエステルのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシ
アルキレン水添ヒマシ油などのエーテルエステル型界面活性剤、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型界面活性剤、アルキルグルコシド類、硬化ヒマシ油ピログルタミン酸ジエステル及びそのエチレンオキシド付加物、並びに脂肪酸アルカノールアミドなどの含窒素型の非イオン性界面活性剤;アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドなどの脂肪族アミン塩、塩化アルキルトリエチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩などの芳香族4級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステル等のカチ
オン界面活性剤;並びにカルボキシベタインなどのベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活性剤等が挙げられる。
ルサルフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩及び弱塩基塩、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、アルキルエーテルカルボン酸等のアニオン界面活性剤;グリセリンエーテル及びそのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型界面活性剤、グリセリンエステルのアルキレンオキシド付加物、ソルビタンエステルのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシ
アルキレン水添ヒマシ油などのエーテルエステル型界面活性剤、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型界面活性剤、アルキルグルコシド類、硬化ヒマシ油ピログルタミン酸ジエステル及びそのエチレンオキシド付加物、並びに脂肪酸アルカノールアミドなどの含窒素型の非イオン性界面活性剤;アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドなどの脂肪族アミン塩、塩化アルキルトリエチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩などの芳香族4級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステル等のカチ
オン界面活性剤;並びにカルボキシベタインなどのベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活性剤等が挙げられる。
粉体としては、例えば、ナイロンビーズ、シリコーンビーズ等の樹脂粉体、ナイロンパウダー、金属脂肪酸石鹸、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、カーボンブラック、群青、紺青、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、雲母チタン、窒化ホウ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭化珪素、色素、レーキ、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、板状硫酸バリウム、バタフライ状硫酸バリウム、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、アシルリジン、アシルグルタミン酸、アシルアルギニン、アシルグリシン等のアシルアミノ酸等が挙げられ、更にシリコーン処理、フッ素化合物処理、シランカップリング剤処理、シラン処理有機チタネート処理、アシル化リジン処理、脂肪酸処理、金属石鹸処理、油剤処理、アミノ酸処理等の表面処理が施してあっても構わない。
糖アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物としては、マンニトール等が挙げられる。
低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール等が挙げられる。
本発明の剤を、医薬(医薬部外品を含む)に配合する場合、又は本発明の剤自体を医薬(医薬部外品を含む)とする場合、当該医薬の剤形としては、例えば、軟膏剤(水性軟膏剤、油脂性軟膏剤等)、クリーム剤、液剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤等の塗布剤;パップ剤、プラスター剤、テープ剤、パッチ剤等の貼付剤;エアゾール剤、スプレー剤等の噴霧剤;坐剤等が挙げられる。
本発明の剤を、医薬(医薬部外品を含む)に配合する場合、又は本発明の剤自体を医薬(医薬部外品を含む)とする場合、当該医薬には、薬理学的に許容し得る担体、賦形剤、希釈剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤等を本発明の効果を阻害しない範囲で配合してよい。
本発明の剤は、皮膚用組成物であり、皮膚用化粧料又は皮膚用医薬(皮膚用医薬部外品を含む)に配合することが好ましく、あるいは本発明の剤自体を皮膚用化粧料又は皮膚用医薬(皮膚用医薬部外品を含む)とすることが好ましい。ここで「皮膚」とは、体(例えば、顔、頭、首、胸、腹、腰、背中、尻、腕、脚、手等)の表皮だけでなく、粘膜も包含する概念であり、「皮膚用」とは皮膚に適用することを意味する。
本発明の剤の適用対象としては、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。
本発明の剤の投与量及び対象への適用回数は、剤の形態、適用する対象、該対象の体重
等に応じて適宜調節し得る。
等に応じて適宜調節し得る。
また、本発明の剤は、上記以外にも、例えば、洗浄剤に配合することができ、あるいは本発明の剤は、それ自体を洗浄剤としてもよい。
該洗浄剤が、液体洗浄剤の場合のpHは、通常6~10であるが、7~10が好ましく、7.5~9.5がより好ましい。この範囲であれば使用感に優れた洗浄剤組成物を提供することができる。該洗浄剤が液体以外の場合のpHは、10%水溶液(25℃)でのpHと定義され、上記pHの範囲に準じる。
上記洗浄剤において、本発明の効果を阻害しない範囲で通常使用される各種添加剤を添加することができる。例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール、硬化牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の高級脂肪酸及びその塩(炭素原子数6~24の脂肪酸又はその塩を除く)、トリメチル
グリシン等の保湿剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、植物油、動物系油脂、天然系油脂誘導体、鉱物系油脂、低級および高級脂肪酸エステル等の合成系油脂、シリコーン化合物、高分子物質、動植物抽出物、アミノ酸、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、酸化染料、pH調整剤、パール化剤等の化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、医薬部外品原料規格、日本薬局方、日本薬局外医薬品成分規格、食品添加物公定書等の各種公定書記載の原料等が挙げられる。
グリシン等の保湿剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、植物油、動物系油脂、天然系油脂誘導体、鉱物系油脂、低級および高級脂肪酸エステル等の合成系油脂、シリコーン化合物、高分子物質、動植物抽出物、アミノ酸、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、制汗剤、酸化染料、pH調整剤、パール化剤等の化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、医薬部外品原料規格、日本薬局方、日本薬局外医薬品成分規格、食品添加物公定書等の各種公定書記載の原料等が挙げられる。
上記洗浄剤は使用する目的により、シャンプー、洗顔料、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング剤、台所用洗浄剤、洗濯用洗剤に用いることができる。
2.本発明の発汗調節剤のスクリーニング方法
本発明の発汗調節剤のスクリーニング方法は、以下:
(1)被験物質と、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少
なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程、
(2)前記被験物質と、前記受容体タンパク質との結合性を測定する工程、及び
(3)前記測定した結合性を指標として、前記被験物質を発汗調節剤の候補物質として選
択する工程
を含む、スクリーニング方法である。
本発明の発汗調節剤のスクリーニング方法は、以下:
(1)被験物質と、嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少
なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程、
(2)前記被験物質と、前記受容体タンパク質との結合性を測定する工程、及び
(3)前記測定した結合性を指標として、前記被験物質を発汗調節剤の候補物質として選
択する工程
を含む、スクリーニング方法である。
被検物質(即ち、発汗調節剤の候補物質)に対する嗅覚受容体タンパク質の結合性の測定は、例えば、被験物質と嗅覚受容体タンパク質との結合を直接測定してもよく、あるいは被験物質による嗅覚受容体タンパク質の活性化を測定して該測定値を結合性の指標としてもよい。また、被検物質に対する嗅覚受容体タンパク質の結合性の測定方法は、上記の結合や活性化を測定し得る限り特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
被験物質と嗅覚受容体タンパク質との結合は、例えば、該タンパク質とリガンド間の結合等の物質間の結合を測定する公知の方法により測定することができる。具体的には、例えば、等温滴定型熱量測定(Isothermal Titration Calorimetry;ITC)、表面プラズモ
ン共鳴(Surface Plasmon Resonance;SPR)、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance;NMR)蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy;FCS)等が挙げられ
る。
ン共鳴(Surface Plasmon Resonance;SPR)、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance;NMR)蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy;FCS)等が挙げられ
る。
被験物質による嗅覚受容体タンパク質の活性化は、例えば、嗅覚受容体等の受容体の活動を測定する公知の方法により測定することができる。具体的には、例えば、細胞内カル
シウム量測定法や細胞内cAMP量測定法が挙げられる。被検物質による嗅覚受容体タンパク質の活性化は、例えば、細胞内カルシウム量又は細胞内cAMP量を指標として測定することができる。例えば、HEK293T細胞において、嗅覚受容体は、香気成分によって活性化され
ると、細胞内のGタンパク質(Golf等)と共役してアデニル酸シクラーゼを活性化し、細
胞内cAMP量を増加させることが知られている(Kajiya K. et al., Journal of Neuroscience, 2001, 21:6018-6025)。
シウム量測定法や細胞内cAMP量測定法が挙げられる。被検物質による嗅覚受容体タンパク質の活性化は、例えば、細胞内カルシウム量又は細胞内cAMP量を指標として測定することができる。例えば、HEK293T細胞において、嗅覚受容体は、香気成分によって活性化され
ると、細胞内のGタンパク質(Golf等)と共役してアデニル酸シクラーゼを活性化し、細
胞内cAMP量を増加させることが知られている(Kajiya K. et al., Journal of Neuroscience, 2001, 21:6018-6025)。
細胞内cAMP量を測定する方法としては、例えば、ELISAやレポーターアッセイが挙げら
れる。レポーターアッセイとしては、例えば、ルシフェラーゼアッセイが挙げられる。レポーターアッセイによれば、cAMP量に依存して発現するように構成されたレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ遺伝子等)を利用して細胞内cAMP量を測定することができる。細胞内カルシウム量を測定する方法としては、例えば、カルシウムイメージング法やパッチクランプ法が挙げられる。カルシウムイメージングでは、カルシウム指示薬を利用して細胞内カルシウム量を測定することができる。カルシウム指示薬としては、カルシウム感受性蛍光色素やカルシウム感受性蛍光タンパク質が挙げられる。カルシウム感受性蛍光色素としては、例えば、Fura 2、Fluo 4が挙げられる。また、カルシウム感受性蛍光タンパク質としては、例えば、Cameleon、TN-XL、GCaMP、G-GECOが挙げられる。
れる。レポーターアッセイとしては、例えば、ルシフェラーゼアッセイが挙げられる。レポーターアッセイによれば、cAMP量に依存して発現するように構成されたレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ遺伝子等)を利用して細胞内cAMP量を測定することができる。細胞内カルシウム量を測定する方法としては、例えば、カルシウムイメージング法やパッチクランプ法が挙げられる。カルシウムイメージングでは、カルシウム指示薬を利用して細胞内カルシウム量を測定することができる。カルシウム指示薬としては、カルシウム感受性蛍光色素やカルシウム感受性蛍光タンパク質が挙げられる。カルシウム感受性蛍光色素としては、例えば、Fura 2、Fluo 4が挙げられる。また、カルシウム感受性蛍光タンパク質としては、例えば、Cameleon、TN-XL、GCaMP、G-GECOが挙げられる。
上述するような方法により得られた、被検物質(即ち、発汗調節剤の候補物質)に対する嗅覚受容体タンパク質の結合性の測定値を、所望する発汗調節能の程度に合わせて適宜基準値を設定し、該基準値と該測定値を比較することで候補物質の選択を行い得る。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
実施例1 トランスクリプトーム解析
無汗患者3例の発汗部(発汗機能の残っている皮膚)と無汗部(発汗機能の損なわれた
皮膚)から得られた皮膚のパラフィンブロックサンプルを用い、laser micro dissectionで回収した汗腺から、Rneasy(登録商標)FFPE kit(QIAGEN社)をメーカー推奨のプロトコールでtotalRNAを抽出し、RNAシーケンスを実施した。
ライブラリーの調製を、TruSeq(登録商標)Strand mRNAサンプル調製キット(illumina社)を用いて、メーカー推奨プロトコールで行った。シーケンスを、HiSeq(登録商標)2500プラットフォーム(Illumina社)で実行した。ベースコールに、Casava(登録商標)1.8.2ソフトウェア(Illumina社)を使用した。リードをヒトゲノムのリファレンス情報
にマッピングする際、JohnHopkins UniversityのTopHat(登録商標)v2.0.13とBowtie(
登録商標)2 ver 2.2.3, SAMtools(登録商標)ver. 0.1.19を組み合わせて使用した。マッピングされたフラグメントを、Cufflinks(登録商標)ver.2.2.1を使用して計算した。同一個体の発汗部と無汗部の汗腺を比較し、RNAの発現が2倍以上、p値<0.01で変化した遺伝子で、且つ3個体ともに同じ変化を認めた遺伝子を抽出した。
その結果、発汗部で発現し、無汗部で発現が低下する嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)の存在を見出した(図1)。
無汗患者3例の発汗部(発汗機能の残っている皮膚)と無汗部(発汗機能の損なわれた
皮膚)から得られた皮膚のパラフィンブロックサンプルを用い、laser micro dissectionで回収した汗腺から、Rneasy(登録商標)FFPE kit(QIAGEN社)をメーカー推奨のプロトコールでtotalRNAを抽出し、RNAシーケンスを実施した。
ライブラリーの調製を、TruSeq(登録商標)Strand mRNAサンプル調製キット(illumina社)を用いて、メーカー推奨プロトコールで行った。シーケンスを、HiSeq(登録商標)2500プラットフォーム(Illumina社)で実行した。ベースコールに、Casava(登録商標)1.8.2ソフトウェア(Illumina社)を使用した。リードをヒトゲノムのリファレンス情報
にマッピングする際、JohnHopkins UniversityのTopHat(登録商標)v2.0.13とBowtie(
登録商標)2 ver 2.2.3, SAMtools(登録商標)ver. 0.1.19を組み合わせて使用した。マッピングされたフラグメントを、Cufflinks(登録商標)ver.2.2.1を使用して計算した。同一個体の発汗部と無汗部の汗腺を比較し、RNAの発現が2倍以上、p値<0.01で変化した遺伝子で、且つ3個体ともに同じ変化を認めた遺伝子を抽出した。
その結果、発汗部で発現し、無汗部で発現が低下する嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)の存在を見出した(図1)。
実施例2 嗅覚受容体の評価試験1
実施例1で見出した無汗部で発現が低下する嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15
)を選択的に刺激するβ-イオノンを用いて、該嗅覚受容体の発汗に関する機能を評価す
るための試験(アセチルコリン(Ach)刺激性の発汗をリアルタイム発汗計で計測する、
軸索反射性発汗試験(QSART))を行った。
実験方法としては、一方の腕には基剤とβ-イオノンを含む剤を、他方の腕には基剤の
みを塗布し、左右同時に5分あたりの発汗量を測定した。結果から分かるように、基剤と
β-イオノンを含む剤を塗布した腕では、1.829 mg/5 minの発汗率であったのに比して、
基剤のみでは、0.568 mg/5 minであり(図2)、約3.22倍、発汗量が増加した。該結果よ
り、β-イオノンが、嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアゴニストと
して使用でき、発汗を促進し得ることを確認した。
実施例1で見出した無汗部で発現が低下する嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15
)を選択的に刺激するβ-イオノンを用いて、該嗅覚受容体の発汗に関する機能を評価す
るための試験(アセチルコリン(Ach)刺激性の発汗をリアルタイム発汗計で計測する、
軸索反射性発汗試験(QSART))を行った。
実験方法としては、一方の腕には基剤とβ-イオノンを含む剤を、他方の腕には基剤の
みを塗布し、左右同時に5分あたりの発汗量を測定した。結果から分かるように、基剤と
β-イオノンを含む剤を塗布した腕では、1.829 mg/5 minの発汗率であったのに比して、
基剤のみでは、0.568 mg/5 minであり(図2)、約3.22倍、発汗量が増加した。該結果よ
り、β-イオノンが、嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアゴニストと
して使用でき、発汗を促進し得ることを確認した。
実施例3 嗅覚受容体の評価試験2
β-イオノン以外の化合物の嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対する影響
を評価するために、QSART試験を行った。該β-イオノン以外の化合物としてα-イオノン
を用いた以外は、実施例2と同様に試験を行った。結果から分かるように、基剤とα-イオノンを含む剤を塗布した腕では、1.182 mg/5 minの発汗率であったのに比して、基剤のみでは、2.119 mg/5 minであり(図3)、約0.56倍、発汗量が低減した。該結果より、α-イオノンが、嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアンタゴニストとして使用でき、発汗を抑制し得ることを見出した。
β-イオノン以外の化合物の嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対する影響
を評価するために、QSART試験を行った。該β-イオノン以外の化合物としてα-イオノン
を用いた以外は、実施例2と同様に試験を行った。結果から分かるように、基剤とα-イオノンを含む剤を塗布した腕では、1.182 mg/5 minの発汗率であったのに比して、基剤のみでは、2.119 mg/5 minであり(図3)、約0.56倍、発汗量が低減した。該結果より、α-イオノンが、嗅覚受容体(OR6C74、OR51A7、及びOR4A15)に対するアンタゴニストとして使用でき、発汗を抑制し得ることを見出した。
本発明の嗅覚受容体OR6C74、OR51A7、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストを含む、発汗調節剤は、人体に無害
であり且つ有効な発汗制御を行うために利用可能である。
であり且つ有効な発汗制御を行うために利用可能である。
Claims (7)
- 発汗調節剤のスクリーニング方法であって、以下:
(1)被験物質と、嗅覚受容体OR51E2、OR51A7、OR6C74、及びOR4A15からなる群から選択される少なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程、
(2)前記被験物質と、前記受容体タンパク質との結合性を測定する工程、及び
(3)前記測定した結合性を指標として、前記被験物質を発汗調節剤の候補物質として選択する工程
を含む、スクリーニング方法。 - 工程(1)が、被験物質と、嗅覚受容体OR51E2及びOR51A7からなる群から選択される少なくとも1つの受容体タンパク質とを接触させる工程である、
請求項1に記載のスクリーニング方法。 - 工程(1)が、被験物質と、嗅覚受容体OR51E2の受容体タンパク質とを接触させる工程である、
請求項1に記載のスクリーニング方法。 - 工程(1)において、被験物質が香料である、請求項1~3のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- 工程(3)において、前記測定した結合性が、受容体に対するアゴニスト活性である被験物質を、発汗促進剤の候補物質として選択する、
請求項1~4のいずれかに記載のスクリーニング方法。 - 工程(3)において、前記測定した結合性が、受容体に対するアンタゴニスト活性である被験物質を、発汗抑制剤の候補物質として選択する、
請求項1~4のいずれかに記載のスクリーニング方法。 - β-イオノンを発汗促進成分として含有する、皮膚用発汗促進剤。
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|---|---|---|---|---|
| JP2003061613A (ja) | 2001-08-09 | 2003-03-04 | Wansooku Han | 肝臓保護用健康食品組成物(Healthyfoodcompositionforprotectinghepatic) |
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- 2020-02-10 JP JP2020020740A patent/JP2021127293A/ja active Pending
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Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Naoya Murayama et al.,JID Innovations,2023年,Vol. 3, No. 4 |
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