JP7729158B2 - 金属ベース基板 - Google Patents
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Description
この場合、金属基板の熱伝導性と耐熱性とが高いので、金属ベース基板の放熱性と信頼性とがより向上する。
この場合、絶縁層の熱伝導性と応力の緩和能力とがより高くなるので、金属ベース基板の放熱性と信頼性とがさらに向上する。
この場合、絶縁層の膜厚が薄いので、回路層の上にはんだを介して電子部品を実装したときは、電子部品にて発生した熱を金属基板により効率よく伝えることができる。
この場合、回路層の膜厚が薄いので、回路層の上にはんだを介して電子部品を実装したときは、回路層からはんだに付与される熱応力が低減するので、金属ベース基板の信頼性がさらに向上する。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属ベース基板の概略断面図である。
図1において、金属ベース基板10は、金属基板20と、絶縁層30と、回路層40とがこの順で積層された積層体である。金属ベース基板10の回路層40の上には、はんだ50を介して、電子部品60の電極端子61が接続されていて、モジュールが形成されている。
金属基板20は、板厚TMが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にある。板厚TMが0.5mm以上であることによって、金属基板20の強度が高くなるので、熱による反りなどの変形を抑えることができる。また、板厚TMが1.1mm以下であることによって、金属基板20の熱による体積変化量が小さくなる。金属基板20の熱による変形を抑える観点から板厚TMは0.8mm以上であることが好ましい。金属基板20の熱による体積変化量を小さくする観点から、板厚TMは1.0mm以下であることが好ましい。
絶縁層30は、100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:μm)の比TR/ERが30以上1000以下の範囲内にある。TR/ERが1000以下であることによって、絶縁層30の応力緩和機能が向上し、はんだ50に付与される応力を低減させることができる。TR/ERは、30以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましい。また、TR/ERは、300以下であることが好ましく、200以下であることが特に好ましい。絶縁層30の100℃における弾性率は、例えば、次のようにして測定することができる。金属ベース基板10の金属基板20と回路層40をエッチングによって除去し、絶縁層30を単離する。得られた絶縁層30について、動的粘弾性測定(DMA)によって弾性率(引張弾性率)を測定する。
塗布法は、溶媒と絶縁樹脂と無機物フィラーとを含む塗布液を、金属基板20の上に塗布して塗布層を形成し、次いで塗布層を加熱して絶縁層30を得る方法である。塗布液は、絶縁樹脂が溶解した樹脂材料溶液と、その樹脂材料溶液に分散されている無機物フィラーとを含む無機物フィラー分散樹脂材料溶液を用いることができる。塗布液を基板の表面に塗布する方法としては、スピンコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ディップコート法などを用いることができる。
本実施形態の金属ベース基板10において、回路層40の膜厚が80μm以下と薄い場合は、回路層40からはんだ50に付与される熱応力が低減するので、金属ベース基板10の信頼性がさらに向上する。
例えば、本実施形態においては、絶縁層30は単層体であるが、絶縁層30は積層体であってもよい。絶縁層30が積層体である場合、TR/ERは絶縁層30を構成する各層の100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:μm)の比TR/ERの合計である。例えば、絶縁層30が金属基板20の上に形成された第1絶縁層と第1絶縁層の上に積層された第2絶縁層とを有する2層の積層体である場合、絶縁層30のTR/ERは、第1絶縁層の100℃における弾性率ER1(単位:GPa)に対する膜厚TR1(単位:μm)の比TR1/ER1と、第2絶縁層の100℃における弾性率ER2(単位:GPa)に対する膜厚TR2(単位:μm)の比TR2/ER2との合計値である。また、絶縁層30が積層体である場合、TR/CRは絶縁層30を構成する各層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:μm)の比TR/CRの合計である。例えば、絶縁層30が金属基板20側の第1絶縁層と回路層40側の第2絶縁層とからなる2層の積層体である場合、絶縁層30のTR/CRは、第1絶縁層の熱伝導度CR1(単位:W/mK)に対する膜厚TR1(単位:μm)の比TR1/CR1と、第2絶縁層の熱伝導度CR2(単位:W/mK)に対する膜厚TR2(単位:μm)の比TR2/CR2との合計値である。
(アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製)
ポリイミド樹脂AとNMP(N-メチル-2-ピロリドン)とを混合し、ポリイミド樹脂を溶解させることによって、ポリイミド樹脂濃度が10質量%のポリイミド樹脂溶液を調製した。ポリイミド樹脂Aはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が0.27GPaとなるものを選んだ。また、アルミナ粉末(平均粒子径:0.3μm)とNMPとを混合し、30分間超音波処理を行なうことによって、α-アルミナ粒子濃度が10質量%のα-アルミナ粒子分散液を調製した。ポリイミド樹脂溶液とアルミナ粒子分散液とを、アルミナ濃度が60体積%となる割合で混合した。得られた混合物を、株式会社スギノマシン社製スターバーストを用い、圧力50MPaの高圧噴射処理を10回繰り返すことにより分散処理を行なって、アルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を調製した。なお、アルミナ濃度は、アルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を加熱して乾燥したときに生成する固形物中のアルミナ粒子の含有量である。
金属基板として、板厚TMが0.7mmで、弾性率EMが74GPaのアルミニウム基板(縦:30mm、横:20mm)を用意した。このアルミニウム基板の上に、上記で調製したアルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を、バーコート法により塗布して塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を形成したアルミニウム基板をホットプレート上に配置して、室温から3℃/分で60℃まで昇温し、60℃で100分間加熱した後、さらに1℃/分で120℃まで昇温し、120℃で100分間加熱して、塗布層を乾燥させた。次いで、アルミニウム基板を250℃で1分間加熱した後、400℃で1分間加熱した。こうして、アルミニウム基板の表面に、アルミナ粒子が分散されたポリイミド樹脂からなる膜厚TRが30μmの絶縁層を形成して、絶縁層付きアルミニウム基板を得た。
金属基板として、板厚TMが下記の表1に記載の板厚であるアルミニウム基板を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
絶縁層の膜厚TRを下記の表1に記載の膜厚としたこと以外は、本発明例3と同様にして金属ベース基板を作製した。
アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製において、ポリイミド樹脂Aをポリイミド樹脂Bに変えたこと以外は、本発明例3と同様にして金属ベース基板を作製した。ポリイミド樹脂Bはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が0.32GPaとなるものを選んだ。
アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製において、ポリイミド樹脂Aをポリイミド樹脂Cに変えたこと以外は、本発明例3と同様にして金属ベース基板を作製した。ポリイミド樹脂Cはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が1.01GPaとなるものを選んだ。
金属基板として、板厚TMが下記の表1に記載の板厚で、弾性率EMが下記の表1に記載の弾性率である銅基板を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
金属基板として、板厚TMが下記の表1に記載の板厚で、弾性率EMが下記の表1に記載の弾性率である炭素鋼を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
金属基板として、材質、板厚TM、弾性率EMが下記の表1に記載のものを用い、絶縁層の膜厚TRを下記の表1に記載の膜厚としたこと以外は、本発明例1と同様にして金属ベース基板を作製した。
(金属基板のTM 3×EM)
金属基板の板厚TM(単位:mm)の3乗値と、金属基板の弾性率EM(単位:GPa)との積TM 3×EMを算出した。その結果を、下記の表1に示す。
絶縁層の弾性率ERを上述の方法により測定し、弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:μm)の比TR/ERを算出した。絶縁層の熱伝導度CRを上述の方法により測定し、熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:μm)の比TR/CRを算出した。その結果を、下記の表1に示す。
銅箔を張り付けた金属ベース基板の銅箔上に、放熱シート(BFG-30A:デンカ株式会社製)を介して発熱体(TO-3P)を載置した。発熱体を載置した金属ベース基板を、発熱体の上部からトルク40Ncmのねじによって積層方向に加圧した。そして、T3Ster(シーメンス社製)を用いて、発熱体から銅基板までの熱抵抗を測定した。発熱体の発熱条件は10A、30秒とし、熱抵抗の測定条件は、0.01A、測定時間60秒とした。同様の測定を、絶縁膜を形成していない銅基板単体に対して行い、その熱抵抗を金属ベース基板の測定値から減じた値を、熱抵抗とした。
金属ベース基板を縦50mm×横50mmのサイズに切断した。切断した金属ベース基板の銅箔上に、Sn-Ag-Cuはんだを塗布して、縦25mm×横25mm×厚み100μmのはんだ層を形成し、そのはんだ層の上に、25mm角のSiチップを搭載して、試験体を作製した。作製した試験体に、1サイクルが-30℃×30分間~105℃×30分間の冷熱サイクルを3000サイクル付与した。冷熱サイクル付与後の試験体を、樹脂埋めし、断面を研磨によって出した試料を用いて観察し、はんだ層に生じたクラックの長さ(mm)を測定した。はんだ層の一辺の長さと、測定したクラックの長さとから下記式より算出した値を、耐クラック率とした。耐クラック率が高いことは、クラックが発生しにくいこと、すなわち信頼性が高いことを意味する。
耐クラック率(%)={(はんだ層の一辺の長さ(25mm)-2×クラックの長さ)/接合層の一辺の長さ(25mm)}×100
耐クラック率の測定後のサンプルの反りを隙間ゲージによって測定した。サンプルを平板上に配置して、平板とサンプルの端部の隙間を反りとして計測した。最も大きな反りが50μm以下であったものを〇とし、反りが50μmより大きく70μm以下であったものを△とし、反りが70μmより大きいものを×とした。
(アルミナ粒子分散ポリイミド溶液の調製)
ポリイミド樹脂Aをポリイミド樹脂Dに変えたこと以外は、本発明例1と同様にしてアルミナ粒子分散ポリイミド溶液を調製した。なお、ポリイミド樹脂Dはアルミナとの混合物の100℃における弾性率が2.15GPaとなるものを選んだ。
100℃における弾性率が0.01GPaのポリイミド樹脂とNMPとを混合し、ポリイミド樹脂を溶解させて、ポリイミド樹脂濃度が10質量%のポリイミド樹脂溶液を調製した。
金属基板として、板厚TMが1.0mmで、弾性率EMが74GPaのアルミニウム基板(縦:30mm、横:20mm)を用意した。このアルミニウム基板の上に、上記で調製したアルミナ粒子分散ポリイミド樹脂溶液を、バーコート法により塗布して塗布膜を形成した。次いで、塗布膜を形成したアルミニウム基板をホットプレート上に配置して、室温から3℃/分で60℃まで昇温し、60℃で100分間加熱した後、さらに1℃/分で120℃まで昇温し、120℃で100分間加熱して、塗布層を乾燥させた。次いで、アルミニウム基板を250℃で1分間加熱した後、400℃で1分間加熱した。こうして、アルミニウム基板の表面に、アルミナ粒子が分散されたポリイミド樹脂からなる膜厚TR1が10μmの第1絶縁層を形成して、第1絶縁層付きアルミニウム基板を得た。
第1絶縁層の膜厚TR1を30μmとし、第2絶縁層を形成しなかったこと以外は、本発明例12と同様にして金属ベース基板を作製した。
金属基板のTM 3×EM、絶縁層のTR/ER(=TR1/ER1+TR2/ER2)及びTR/CR(=TR1/CR1+TR2/CR2)を上記の方法により算出した。また熱抵抗、耐クラック率、反りを上記の方法により測定した。その結果を下記の表2に示す。
20 金属基板
30 絶縁層
31 絶縁樹脂
32 無機物フィラー
40 回路層
50 はんだ
60 電子部品
61 電極端子
Claims (7)
- 金属基板と、少なくとも1層の絶縁層と、回路層とがこの順で積層された金属ベース基板であって、
前記金属基板の板厚TMが0.5mm以上1.1mm以下の範囲内にあり、
前記金属基板の板厚TM(単位:mm)の3乗値と、前記金属基板の25℃における弾性率EM(単位:GPa)との積TM 3×EMが10以上1000以下の範囲内にあって、
前記絶縁層を構成する各層の100℃における弾性率ER(単位:GPa)に対する膜厚TR(単位:μm)の比TR/ERの合計が30以上1000以下の範囲内にあり、
前記絶縁層を構成する各層の熱伝導度CR(単位:W/mK)に対する膜厚TR(単位:μm)の比TR/CRの合計が2以上40以下の範囲内にあることを特徴とする金属ベース基板。 - 前記金属基板が、アルミニウム、銅、鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む請求項1に記載の金属ベース基板。
- 前記絶縁層が単層体または積層体である請求項1または2に記載の金属ベース基板。
- 前記絶縁層が単層体であって、前記単層体は、フィラーの含有率が30体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物である請求項3に記載の金属ベース基板。
- 前記絶縁層が金属層の上に形成された第1絶縁層と前記第1絶縁層の上に積層された第2絶縁層とを有する積層体であって、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の一方の層は、フィラーの含有率が50体積%以上85体積%以下の範囲内にある樹脂組成物の層であって、他方の層は、樹脂もしくはフィラーの含有率が1体積%以下の樹脂組成物の層である請求項3に記載の金属ベース基板。
- 前記絶縁層の膜厚が100μm以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の金属ベース基板。
- 前記回路層の膜厚が80μm以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の金属ベース基板。
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