JP7735869B2 - 蒸着紙 - Google Patents
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Description
<1> 紙基材の一方の面上に、塗工層、蒸着層およびオーバーコート層をこの順に有する蒸着紙であって、JIS P 8140:1998に準拠して測定される、温度23℃、接触時間120秒での前記オーバーコート層側表面のコッブ吸水度が1.0g/m2以下であり、JIS P8140:1998に準拠して測定される、温度23℃、接触時間120秒での前記オーバーコート層側と逆側の表面のコッブ吸水度が10g/m2以上で
あり、JIS C 2139:2008に準拠して測定される、前記オーバーコート層側表面の表面固有電気抵抗が1.0×1012Ω以上であり、前記蒸着紙の前記オーバーコート層上に厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを貼合して積層シートを形成した場合において、JISK 7126-2:2006に準拠して測定される、温度23℃、相対湿度50%における前記積層シートの酸素透過度が、2.0mL/m2・day・atm以下である、蒸着紙。
<2> JIS Z 0208:1976(カップ法)B法に準拠して測定される、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度が1.0g/m2・day以下である、<1>に記載の蒸着紙。
<3> 前記塗工層が、前記紙基材側からクレーコート層および樹脂層をこの順に有する、<1>または<2>に記載の蒸着紙。
<4> 前記樹脂層および前記オーバーコート層が、水懸濁性高分子を含む、<3>に記載の蒸着紙。
<5> 前記樹脂層および前記オーバーコート層に含まれる水懸濁性高分子が、ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含む、<4>に記載の蒸着紙。
<6> 前記ポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに成形した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度が、100.0mL/(m2・day・atm)以下である、<5>に記載の蒸着紙。
<7> 前記ポリウレタン系樹脂は、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、<5>または<6>に記載の蒸着紙。
<8> 前記ポリウレタン系樹脂が、ヒドロキシ基を有し、かつ水酸基価が50mgKOH/g以上である、<5>~<7>のいずれかに記載の蒸着紙。
<9> 前記ポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対する、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の合計含有量が、50モル%以上である、<5>~<8>のいずれかに記載の蒸着紙。
<10> 前記クレーコート層が、無機顔料およびバインダーを含み、前記無機顔料は、アスペクト比が50以下であり、平均粒子径が5μm以下である、<3>~<9>のいずれかに記載の蒸着紙。
<11> 前記無機顔料が、カオリンである、<10>に記載の蒸着紙。
<12> 前記クレーコート層に含まれるバインダーが、スチレン-ブタジエン系樹脂、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン-不飽和カルボン酸系共重合、及びポリ乳酸からなる群より選ばれる1種以上を含む、<10>または<11>に記載の蒸着紙。<13> 前記オーバーコート層の厚さが、1μm未満である、<1>~<12>のいずれかに記載の蒸着紙。
<14> 前記蒸着層が、無機酸化物を含む蒸着層であり、前記無機酸化物が、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>~<13>のいずれかに記載の蒸着紙。
<15> 前記蒸着層の厚さが、10~1000Åである、<1>~<14>のいずれかに記載の蒸着紙。
℃、接触時間120秒での前記オーバーコート層側表面のコッブ吸水度が1.0g/m2以下であり、JIS P8140:1998に準拠して測定される、温度23℃、接触時間120秒での前記オーバーコート層側と逆側の表面のコッブ吸水度が10g/m2以上であり、JIS C 2139:2008に準拠して測定される、前記オーバーコート層側表面の表面固有電気抵抗が1.0×1012Ω以上であり、かつ、前記蒸着紙の前記オーバーコート層上に厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを貼合して積層シートを形成した場合において、JISK 7126-2:2006に準拠して測定される、温度23℃、相対湿度50%(50%RHと表記することもある)における前記積層シートの酸素透過度が、2.0mL/m2・day・atm以下である。本実施形態の蒸着紙は、優れたバリア性(酸素バリア性、水蒸気バリア性)およびリサイクル性を有する。当該効果を奏するメカニズムは不明であるが、以下のように推測される。
本実施形態における紙基材を構成するパルプは、植物由来のパルプを主成分とすることが好ましく、木材パルプを主成分とする。木材パルプとしては、たとえば、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ等が挙げられる。非木材パルプとしては、綿パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、竹パルプなどが挙げられる。レーヨン繊維やナイロン繊維等の合成繊維等のパルプ繊維外の材料も、本発明の効果を損なわない限り、副紙材として配合してもよい。
質量%以上であり、100質量%であってもよい。紙基材を構成するパルプ広葉樹パルプの割合が上記範囲であると、リサイクル性に優れる。
紙基材のサイズ度は、特に限定されないが、バリア性を向上させる観点から、JIS P 8122:2004に準ずるステキヒトサイズ度を1秒以上とすることが好ましい。上限は特に制限されないが、好ましくは100秒以下、より好ましくは30秒以下である。紙基材のサイズ度は、内添サイズ剤の種類や含有量、パルプの種類、平滑化処理等によって制御することができる。
紙基材の坪量は、特に限定されないが、20g/m2以上であることが好ましく、30g/m2以上であることがより好ましく、40g/m2以上であることがさらに好ましく、そして、500g/m2以下であることが好ましく、400g/m2以下であることが
より好ましく、200g/m2以下であることがさらに好ましく、100g/m2以下であることがさらにより好ましい。なお、紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
紙基材の厚さは、特に限定されないが、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、そして、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは75μm以下である。なお、紙基材の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
紙基材は、成形加工性の観点から、密度が0.5/cm3以上であることが好ましく、0.6/cm3以上であることがより好ましく、そして、1.2g/cm3以下であることが好ましく、1.0g/cm3以下であることがより好ましい。なお、紙基材の密度は、上述した方法により測定される紙基材の坪量および厚さから算出される。
紙基材は、均一な蒸着層を得る観点から、少なくとも蒸着層を設ける側の面の王研式平滑度が、5秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましく、100秒以上であることがさらに好ましく、300秒以上であることがさらにより好ましい。上限は、特に限定されないが、たとえば、1000秒以下であることが好ましい。なお、紙基材の王研式平滑度は、JIS P 8155:2010に準拠して測定される。
本実施形態の蒸着紙における塗工層は、クレーコート層を有することが好ましく、クレーコート層を、前記紙基材と後述する樹脂層との間に有することがより好ましい。これにより、紙基材を目止めし、平滑化させることができ、より平坦な樹脂層が形成される結果、後述する蒸着紙とした場合に均一な蒸着層を形成でき、バリア性が向上する。
クレーコート層に含まれる無機顔料は、特に限定されないが、カオリン、タルク、マイカなどが挙げられ、カオリンであることが好ましい。クレーコート層中の無機顔料の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、そして、98質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。
無機顔料のアスペクト比は、均一かつ平滑な樹脂層を形成する観点、およびクレーコート層中に細かく散在させ、回収時に蒸着紙用原紙の離解性を向上させる観点から、50以下が好ましく、40以下がより好ましい。下限は、特に限定されないが、1以上が好まし
く、20以上がより好ましい。アスペクト比は、電子顕微鏡による観察やX線回折測定によって測定できる。
無機顔料の平均粒子径は、均一かつ平滑な樹脂層を形成する観点、およびクレーコート層中に細かく散在させ、回収時に蒸着紙用原紙の離解性を向上させる観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。下限は、特に限定されないが、0.05μm以上が好ましく、0.10μm以上がより好ましい。平均粒子径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定によって測定されるメジアン径(d50)を意味する。
クレーコート層に含まれるバインダーとしては、特に限定されないが、スチレン-ブタジエン系樹脂;(メタ)アクリル系(共)重合体;スチレン-(メタ)アクリル系樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のオレフィン-不飽和カルボン酸系共重合体;ポリ乳酸などが挙げられる。バインダーは、スチレン-ブタジエン系樹脂、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン-不飽和カルボン酸系共重合、及びポリ乳酸からなる群より選ばれる1種以上を含むこと好ましく、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ乳酸からなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
本実施形態の蒸着紙において、塗工層は、樹脂層を有することが好ましく、クレーコート層上に樹脂層を有することがより好ましい。樹脂層を設けることで、蒸着紙の蒸着層と紙基材との密着性が向上し、バリア性が向上する。また、樹脂層が酸素バリア性や水蒸気バリア性を有することで、蒸着紙のバリア性を向上する機能をも有する。
樹脂層に含まれる水懸濁性高分子としては、特に限定されないが、アルキッド樹脂;(メタ)アクリル系(共)重合体、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のオレフィン-不飽和カルボン酸系共重合体;ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン変性ポリビニルアルコール)等のビニルアルコール系樹脂;セルロース系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸などが挙げられる。これらの中でも、ビニルアルコール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリ乳酸から選ばれる1種以上であることが好ましく、生分解度およびリサイクル性のさらなる向上の観点から、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましく、ポリウレタン系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選ばれる1種以上であることがさらに好ましく、ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種以上であることがさらにより好ましく、ポリウレタン系樹脂であることがさらに一層好ましい。
樹脂層に含まれるポリエステル系樹脂としては、特に限定されず、たとえば、ポリエステル系樹脂ディスパーションおよびエマルションよりなる群から選ばれる1種以上に調製可能なものであることがより好ましく、ポリエステル系樹脂ディスパーションまたはエマルションに調製可能なものであることがさらに好ましく、ポリエステル系樹脂ディスパーションに調製可能なものであることがさらにより好ましい。
樹脂層に含まれるポリウレタン系樹脂としては、特に限定されず、たとえば、ポリウレタン系樹脂ディスパーションおよびエマルションよりなる群から選ばれる1種以上に調製可能なものであることがより好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションまたはエマルションに調製可能なものであることがさらに好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションに調製可能なものであることがさらにより好ましい。
応により得ることもできる。
前記樹脂層に含まれるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに成形した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度が、100.0mL/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50.0mL/(m2・day・atm)以下であることがより好ましく、25.0mL/(m2・day・atm)以下であることがさらに好ましく、10.0mL/(m2・day・atm)以下であることがさらにより好ましく、3.0mL/(m2・day・atm)以下であることが特に好ましい。なお、25μm厚のシートに成形した際の23℃、相対湿度50%における酸素透過度は0mL/(m2・day・atm)であってもよい。
なお、25μm厚のシートに成形した際の酸素透過度は、対象のポリウレタン系樹脂を用いて厚さ25μmのシートを形成し、該シートを用いて測定した酸素透過度を示す。本明細書において、酸素透過度は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/22)を使用し、JISK 7126-2:2006に準拠して、23℃、50%RHの条件にて測定される。
前記樹脂層に含まれるポリウレタン系樹脂のガラス転移温度は、後述する蒸着紙の蒸着層の保護の観点から、成膜性が高いことが重要であり、150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、135℃以下であることが特に好ましい。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7122:2012に準拠して測定される。
5/016069号に記載のポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
樹脂層の耐屈曲性向上の観点から、樹脂層は、上記の水懸濁性高分子に加えて、シランカップリング剤および/またはこれの反応生成物を含有することが好ましく、シランカップリング剤を配合してなるものであることがより好ましい。
本実施形態の蒸着紙において、蒸着層は、リサイクル性の観点から、無機酸化物を含む蒸着層であることが好ましい。無機酸化物としては、特に限定されないが、酸化ケイ素(シリカ)および酸化アルミニウム(アルミナ)からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、酸化ケイ素(シリカ)を含むことがより好ましい。蒸着層は、酸化ケイ素(シリカ)および酸化アルミニウム(アルミナ)を含んでいてもよい。酸化ケイ素および酸化アルミニウムを併用する場合、その混合比(酸化ケイ素:酸化アルミニウム)は、質量基準で、1:10~10:1であることが好ましく、1:2~2:1であることがより好ましい。蒸着層は、酸化ケイ素蒸着層、酸化アルミニウム蒸着層、又は酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの混合物からなる蒸着層であることがより好ましい。
本実施形態の蒸着紙は、蒸着層の上にオーバーコート層を有する。オーバーコート層を設けることで、蒸着紙の耐水性、耐酸化性能が向上し、バリア性が向上する。また、オーバーコート層が酸素バリア性や水蒸気バリア性を有することで、蒸着紙のバリア性を向上する機能をも有する。
オーバーコート層に含まれる水懸濁性高分子としては、特に限定されないが、アルキッド樹脂;(メタ)アクリル系(共)重合体、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のオレフィン-不飽和カル
ボン酸系共重合体;ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン変性ポリビニルアルコール)等のビニルアルコール系樹脂;セルロース系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ビニルアルコール系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、生分解度およびリサイクル性のさらなる向上の観点から、ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、ポリウレタン系樹脂を含むことがさらに好ましい。
オーバーコート層に含まれるポリエステル系樹脂としては、特に限定されず、たとえば、ポリエステル系樹脂ディスパーションおよびエマルションよりなる群から選ばれる1種以上に調製可能なものであることがより好ましく、ポリエステル系樹脂ディスパーションまたはエマルションに調製可能なものであることがさらに好ましく、ポリエステル系樹脂ディスパーションに調製可能なものであることがさらにより好ましい。
オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂としては、特に限定されず、たとえば、ポリウレタン系樹脂ディスパーションおよびエマルションよりなる群から選ばれる1種以上に調製可能なものであることがより好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションまたはエマルションに調製可能なものであることがさらに好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションに調製可能なものであることがさらにより好ましい。
前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに成形した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度が、100.0mL/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50.0mL/(m2・day・atm)以下であることがより好ましく、25.0mL/(m2・day・atm)以下であることがさらに好ましく、10.0mL/(m2・day・atm)以下であることがさらにより好ましく、3.0mL/(m2・day・atm)以下であることが特に好ましい。なお、25μm厚のシートに成形した際の23℃、相対湿度50%における酸素透過度は0mL/(m2・day・atm)であってもよい。
なお、25μm厚のシートに成形した際の酸素透過度は、対象のポリウレタン系樹脂を用いて厚さ25μmのシートを形成し、該シートを用いて測定した酸素透過度を示す。
前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂のガラス転移温度は、後述する蒸着紙の蒸着層の保護の観点から、成膜性が高いことが重要であり、150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、135℃以下であることが特に好ましい。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7122:2012に準拠して測定される。
オーバーコート層の耐屈曲性向上の観点から、オーバーコート層は、上記の水懸濁性高分子に加えて、シランカップリング剤および/またはこれの反応生成物を含有することが好ましく、シランカップリング剤を配合してなるものであることが好ましい。シランカップリング剤に関する好ましい態様については、樹脂層で記載したものと同様である。
本実施形態の蒸着紙は、オーバーコート層上に、熱可塑性樹脂を含むヒートシール層を有していてもよい。ヒートシール層を形成する方法としては、熱可塑性樹脂溶液または熱可塑性樹脂分散液を塗工し、乾燥して得ること、押出ラミネートすることなどが挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂溶液または熱可塑性樹脂分散液を塗工し、乾燥して得ることが好ましい。
(コッブ吸水度)
本実施形態の蒸着紙は、JIS P 8140:1998に準拠して測定される、温度23℃、接触時間120秒でのオーバーコート層側表面(例えばオーバーコート層表面)のコッブ吸水度が1.0g/m2以下であり、好ましくは0.5g/m2以下であり得る。オーバーコート層側表面のコッブ吸水度を上記範囲内とすることで、水を通さない欠陥の少ない膜を形成できるため、得られた蒸着紙は、優れたバリア性を発揮することができると考えられる。オーバーコート層側表面のコッブ吸水度の下限は、特に限定されないが、例えば0g/m2以上、0.1g/m2以上、0.2g/m2以上である。オーバーコート層側表面のコッブ吸水度は、塗工層(例えば樹脂層)およびオーバーコート層の成分や塗工量を調整することで、上記範囲内に調整することができる。
透しやすくなるため、これにより、得られた蒸着紙は、優れたリサイクル性を発揮することができると考えられる。オーバーコート層側と逆側の表面のコッブ吸水度の上限は、特に限定されないが、好ましくは40g/m2以下であり、より好ましくは30g/m2以下である。オーバーコート層側と逆側の表面のコッブ吸水度は、紙基材の選定などにより、上記範囲内に調整することができる。
本実施形態の蒸着紙は、JIS C 2139:2008に準拠して測定される、前記オーバーコート層側表面の表面固有電気抵抗が、1.0×1012Ω以上であり、より好ましくは2.0×1012Ω以上であり、さらに好ましくは1.0×1013Ω以上であり、さらにより好ましくは2.0×1014Ω以上である。蒸着紙のオーバーコート層側表面の表面固有電気抵抗を上記範囲内とすることで、金属異物の混入を抑制し、リサイクル性が向上する。オーバーコート層側表面の表面固有電気抵抗の上限は、特に限定されないが、例えば1.0×1015Ω以下である。表面固有電気抵抗は、塗工層(例えば樹脂層)およびオーバーコート層の塗工量の調整や、塗工層(例えば、樹脂層の樹脂)およびオーバーコート層の成分、蒸着層の選定などにより、上記範囲内に調整することができる。
本実施形態の蒸着紙の厚さは、10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、そして、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。
本実施形態の蒸着紙のオーバーコート層上に厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)を貼合して積層シートを形成した場合において、JISK 7126-2:2006に準拠して測定される、温度23℃、相対湿度50%における積層シートの酸素透過度が、2.0mL/m2・day・atm以下であり、好ましくは1.0mL/m2・day・atm以下である。下限は特に制限されないが、好ましくは0mL/m2・day・atm以上、0.05mL/m2・day・atm以上である。蒸着紙とCPPフィルムの貼合には、例えば、接着剤を使用する。接着剤の種類および塗布量は、ガスバリア性を有さない限り特に限定されないが、例えば実施例に記載したとおりである。酸素透過度は、例えば、樹脂層を前述の最適な厚みにすること、樹脂層の平滑性を向上させること、蒸着層の厚さを増やすことにより小さくすることができる。ここで、「接着剤がガスバリア性を有さない」とは、JIS P 8117:2009に準拠して測定される王研式透気抵抗度が100秒以下の紙基材に、対象の接着剤を4g/m2塗布し、厚さ20μmのCPPフィルムを貼り合わせた積層シートについて、JIS K 7126-2:2006に準拠して測定される、温度23℃、相対湿度50%における酸素透過度が、2000mL/m2・day・atm以上であることを意味する。
本実施形態の蒸着紙は、JIS Z 0208:1976(カップ法)B法に準拠して測定される、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、1.0g/(m2・day)以下であることが好ましく、0.7g/(m2・day)以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは0g/(m2・day)以上、0.1g/(m2・day)以上、0.2g/(m2・day)以上である。水蒸気透過度は、例えば、樹脂層を前述の最適な厚みにすること、樹脂層の平滑性を向上させること、蒸着層の厚さを増やすことにより小さくすることができる。
紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、樹脂層、蒸着層、オーバーコート層をこの順で有する蒸着紙の製造方法としては、以下の方法が挙げられる。無機顔料およびバインダーを含むクレーコート層用塗工液を紙基材上に塗工および乾燥してクレーコート層を形成する工程、クレーコート層上に水懸濁性高分子を含む樹脂層用塗工液を塗工および乾燥して樹脂層を形成する工程、樹脂層上に蒸着層の材料を真空蒸着させて蒸着層を形成する工程、及び蒸着層上にオーバーコート層用塗工液を塗工および乾燥してオーバーコート層を形成する工程を含む製造方法が好ましい。
カオリン(イメリス社製Contour Xtreme、アスペクト比33、平均粒子径d50:0.26μm)80質量部と、スチレン-アクリル共重合体バインダー(BASF社製JONCRYL HSL-9012)20質量部(固形分)と、を混合し、クレーコート層用塗布液を調製した。片艶紙(王子エフテックス株式会社製、広葉樹パルプ配合比率:100質量%、離解フリーネス420ml、坪量:50g/m2、厚さ:60μm、密度:0.83g/m3、サイズ度:9秒、艶面の王研式平滑度:499秒、非艶面の王研式平滑度:15秒)の艶面に上記クレーコート層用塗布液をメイヤーバー塗工し、120℃で1分乾燥して、クレーコート層(12g/m2)を形成した。
次に、上記クレーコート層上に、25μm厚シートに成形した際の酸素透過度(23℃、50%RH)が2.0ml/(m2・day・atm)であるポリウレタン系樹脂バインダーの水性分散液(三井化学製タケラックWPB-341:ガラス転移温度130℃、固形分濃度30%)100質量部にアミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE-903)0.15質量部を混合して調製した樹脂層用塗工液をメイヤーバー塗工し、120℃で1分乾燥して、樹脂層(2g/m2)を形成し、蒸着紙用原紙を得た。
得られた蒸着紙用原紙の樹脂層上に、真空蒸着により、酸化ケイ素蒸着層(厚さ100Å(10nm))を形成した。上記酸化ケイ素蒸着層上に、25μm厚シートに成形した際の酸素透過度(23℃、50%RH)が2.0ml/(m2・day・atm)であるポリウレタン系樹脂バインダーの水性分散液(三井化学株式会社製、タケラックWPB-341)をメイヤーバー塗工し、120℃で1分乾燥して、オーバーコート層(0.5g/m2、厚さ:0.5μm)を形成し、厚さ68μmの蒸着紙を得た。
なお、樹脂層層およびオーバーコート層に使用したポリウレタン系樹脂について、1H-NMR測定を行ったところ、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対するメタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の含有量は、85モル%であり、50モル%以上であった。また、ポリウレタン系樹脂バインダーの25℃の水に対する溶解度は、10g/L以下であった。
樹脂層の塗工量を1g/m2としたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ67μmの
蒸着紙を得た。
ポリ乳酸エマルション(ミヨシ油脂社製ランディ PL-3000、固形分濃度40%)を用いて樹脂層(2g/m2)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、厚さ68μmの蒸着紙を得た。また、上記ポリ乳酸の25℃の水に対する溶解度は、10g/L以下であった。
ヒドロキシ基を有するポリウレタン樹脂バインダーの水性分散液(大日精化社製、HPU W-003、水酸基価235mgKOH/g、固形分濃度30%)を用いて樹脂層(2g/m2)およびオーバーコート層(0.5g/m2、厚さ:0.5μm)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、厚さ68μmの蒸着紙を得た。また、ヒドロキシ基を有するポリウレタン系樹脂バインダーの25℃の水に対する溶解度は、10g/L以下であった。
真空蒸着により、酸化ケイ素の代わりに酸化アルミニウムを使用し、蒸着層(厚さ10nm)を形成したこと以外、実施例1と同様にして、厚さ68μmの蒸着紙を得た。
真空蒸着により、酸化ケイ素の代わりに酸化ケイ素と酸化アルミニウムを同時に使用し(質量比、酸化ケイ素:酸化アルミニウム=50:50)、蒸着層(厚さ10nm)を形成したこと以外、実施例1と同様にして、蒸着紙を得た。
蒸着層をアルミニウム蒸着層(厚さ500Å(50nm))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ68μmの蒸着紙を得た。
エチレン-アクリル酸共重合体バインダーの水性分散液(住友精化株式会社製ザイクセンAC、固形分濃度29%)を用いて樹脂層(2g/m2)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ68μmの蒸着紙を得た。
実施例1と同様にして、クレーコート層および樹脂層を紙基材の両面に塗工し、さらに、一方の樹脂層上のみに蒸着層およびオーバーコート層を形成し、厚さ75μmの蒸着紙を得た。
実施例および比較例で得られた蒸着紙について、以下の評価を行った。
JIS P 8140:1998に準拠して試験を行った。接触させる水(蒸留水を使用)の水温は23℃、接触時間は120秒とし、蒸着紙のオーバーコート層表面およびその逆側の表面(すなわち紙基材表面)に水を接触させた。
JIS C 2139:2008に準拠して、オーバーコート層側表面(オーバーコート層表面)の表面固有電気抵抗を測定した。
[酸素透過度]
酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/22)を使用し、温度23℃、相対湿度50%の条件にて、蒸着紙の酸素透過度を測定した。具体的には、実施例および比較例で得られた蒸着紙のオーバーコート層上に、イソシアネート系接着剤(DIC株式会社製、ディックドライLX-500を10部に対してディックドライKW―75を1部混合)を5g/m2塗布した後、厚さ20μmのCPPフィルム(北越化成株式会社製、GP-32)を貼合して積層シートを形成した。積層シートについて、JISK 7126-2:2006に準拠して、温度23℃、相対湿度50%における酸素透過度を測定した。酸素透過度の値は低いほど酸素バリア性に優れる。
JIS Z 0208:1976(カップ法)B法(温度40℃±0.5℃、相対湿度90%±2%)に準拠して、蒸着紙のオーバーコート層が内側(低湿度側)に来るように配置して、水蒸気透過性を測定した。水蒸気透過度の値は低いほど水蒸気バリア性に優れる。
実施例および比較例の蒸着紙について、上記で測定した酸素透過度および水蒸気透過度に基づき、バリア包装材適性としての評価を実施した。
〇:酸素透過度が2mL/m2・day・atm以下であり、かつ、水蒸気透過度が5g/m2・day以下
×:酸素透過度が2mL/m2・day・atmより大きい、または水蒸気透過度が5g/m2・dayより大きい。
得られた蒸着紙をJIS P 8220-1:2012に準拠して離解した。このとき、離解開始から10分後に分散液を、6カットスクリーンを設置した振動フラットスクリーンで処理し、6カットスクリーン(目開き0.15mm)上の試料を回収して乾燥させることで残渣の質量比率(%)を算出し、100%から残渣の質量比率(%)を差し引いた値を再離解後のパルプ回収率(%)とした。また、回収したパルプについて着色異物の有無を目視評価した。パルプ回収率と着色異物の有無からリサイクル性を評価した。
〇:パルプ回収率が80%以上であり、かつ、着色異物がない。
×:パルプ回収率が80%未満である、または着色異物がある。
Claims (7)
- 紙基材の一方の面上に、塗工層、蒸着層およびオーバーコート層をこの順に有する蒸着紙であって、
JIS P 8140:1998に準拠して測定される、温度23℃、接触時間120秒での前記オーバーコート層側表面のコッブ吸水度が1.0g/m2以下であり、
JIS P8140:1998に準拠して測定される、温度23℃、接触時間120秒での前記オーバーコート層側と逆側の表面のコッブ吸水度が10g/m2以上であり、
JIS C 2139:2008に準拠して測定される、前記オーバーコート層側表面の表面固有電気抵抗が1.0×1012Ω以上であり、
前記蒸着紙の前記オーバーコート層上に厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを貼合して積層シートを形成した場合において、JISK 7126-2:2006に準拠して測定される、温度23℃、相対湿度50%における前記積層シートの酸素透過度が、2.0mL/m2・day・atm以下であり、
前記塗工層が、前記紙基材側からクレーコート層および樹脂層をこの順に有し、
前記樹脂層および前記オーバーコート層が、水懸濁性高分子を含み、前記水懸濁性高分子が、ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含む、蒸着紙。 - JIS Z 0208:1976(カップ法)B法に準拠して測定される、温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度が1.0g/m2・day以下である、請求項1に記載の蒸着紙。
- 前記樹脂層に含まれる前記水懸濁性高分子が、ポリウレタン系樹脂およびポリ乳酸からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1または2に記載の蒸着紙。
- 前記クレーコート層が、無機顔料およびバインダーを含み、
前記無機顔料は、アスペクト比が50以下であり、平均粒子径が5μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の蒸着紙。 - 前記無機顔料が、カオリンである、請求項4に記載の蒸着紙。
- 前記クレーコート層に含まれるバインダーが、スチレン-ブタジエン系樹脂、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン-不飽和カルボン酸系共重合、及びポリ乳酸からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項4または5に記載の蒸着紙。
- 前記蒸着層が、無機酸化物を含む蒸着層であり、
前記無機酸化物が、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の蒸着紙。
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