以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
〈実施の形態1〉
図1は、この発明の実施の形態1に係る電源電圧調整回路1の概略構成を示す図である。
実施の形態1に係る電源電圧調整回路1は、外部電源(図示していない)から外部電源電圧Vextの供給を受けて出力電圧Voutを出力するフィードバック機能を備える外部電源回路2側のフィードバック機構を構成する抵抗R1と接地側抵抗R2との間に配設されるフィードバック抵抗Rfb1と、出力電圧Voutに基づく内部電源電圧VDDの供給を受けるSoC3内に配設される可変抵抗を有するD/A変換回路36と、を有し、可変抵抗の抵抗値RDAC,IDACを変化させて出力電圧Voutを変化させることによって所定のターゲット電圧になるように内部電源電圧VDDを調整し、特に、BGR電圧VBGRを生成するバンドギャップリファレンス回路31を有し、SoC3がアイドル状態である時のBGR電圧VBGRとアクティブ状態である時のBGR電圧VBGRとを用いて可変抵抗の抵抗値RDAC,IDACを変化させる制御データを計算するようにしている。
電源電圧調整回路1は、外部電源回路2と、SoC3と、前記の外部電源回路2とSoC3との間に介在する複数の抵抗Rと、を備える。
(外部電源回路の構成)
図2,図3は、外部電源回路2に特に関係する部分の概略構成を示す図である。図2は、SoC3内にD/A変換回路36として抵抗型のD/A変換回路が配設される場合の概略構成であり、また、図3は、SoC3内にD/A変換回路36として電流型のD/A変換回路が配設される場合の概略構成である。
外部電源回路2は、当該外部電源回路2の外部電源(図示していない)から外部電源電圧Vextの供給を受けてp型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor の略)21を介して出力電圧Voutを出力する。
p型のMOSFET21は、ゲートにオペアンプ22の出力ピンが接続され、また、ソースに外部電源電圧Vextが印加される。
p型のMOSFET21のドレイン側に、端子11を介して抵抗R1(尚、抵抗の値もR1とする),フィードバック抵抗Rfb1(尚、抵抗の値もRfb1とする),および接地側抵抗R2(尚、抵抗の値もR2とする)がこの順に直列に接続される。
オペアンプ22の一方の差動入力ピン(-)には外部電源回路2の参照電圧Vfbが印加され、他方の差動入力ピン(+)にはフィードバック抵抗Rfb1と接地側抵抗R2との間の接続端子12における電圧(「フィードバック電圧VFB」と呼ぶ)が印加される。
上記の構成はすなわち、p型のMOSFET21,オペアンプ22,抵抗R1,および接地側抵抗R2によって構成される外部電源回路2側の一般的な低ドロップアウト (LDO:Low Drop Out の略) リニアレギュレータに対して、前記の抵抗R1と接地側抵抗R2との間にフィードバック抵抗Rfb1がさらに挿入されて配設される構成となっている。
外部電源回路2から出力される出力電圧Voutは、端子11ならびに直列に接続される抵抗R3および抵抗R5を介してSoC3へと内部電源電圧VDDとして供給される。
抵抗R1とフィードバック抵抗Rfb1との間の接続端子13における電圧を「制御電圧VFB Ctrl」と呼ぶ。制御電圧VFB Ctrlは、D/A変換回路36の制御値(「制御コード」と呼ぶ)によって決まる電圧であり、外部電源回路2から出力される出力電圧Voutに影響を与える電圧である。
接地側抵抗R2の、フィードバック抵抗Rfb1とは反対側の端子14から外部電源回路2側は、接地端子15を介して、外部電源回路2における基準電圧VGND(別言すると、グランド電圧)となる。また、前記端子14からSoC3側は、直列に接続される抵抗R4および抵抗R6を介してSoC3における接地電圧VSSとなる。
(SoCの構成)
図4は、SoC(System on a Chip の略:システムオンチップ)3の概略構成を示す図である。
SoC3は、主に、バンドギャップリファレンス回路31,温度計測回路32,プロセスモニタ回路33,マルチプレクサ34,A/D変換回路35,およびD/A変換回路36、ならびに、中央処理装置37,メモリ38,およびユーザインターフェース39を含む。マルチプレクサ34,A/D変換回路35,D/A変換回路36,中央処理装置37,メモリ38,およびユーザインターフェース39は、バス40を介してデータ等の授受が可能であるように相互に電気的に接続される。SoC3を構成する各部は、外部電源回路2からSoC3へと供給される内部電源電圧VDDの供給を受けて作動する。
バンドギャップリファレンス回路(BGR:Band Gap Reference の略)31は、BGR電圧VBGRを生成してマルチプレクサ34へと出力する。
バンドギャップリファレンス回路31は、内部電源電圧VDDがその動作電圧よりも十分に高い場合には内部電源電圧VDDに依存しない一定の電圧(「基準電圧」などとも呼ばれる)を出力し得るものの、内部電源電圧VDDがその動作電圧よりも低い場合には安定した動作ができないために出力する電圧が不定となる。
温度計測回路32は、環境温度(即ち、SoC3を含むパッケージの周囲の温度)または接合温度(即ち、SoC3の接合部の温度)を計測してマルチプレクサ34へと出力する。
プロセスモニタ回路33は、SoC3内部のプロセスの状態を認識するための仕組みであり、SoC3内部のプロセスの状態に対応するモニタ信号をマルチプレクサ34へと出力する。プロセスモニタ回路33から、具体的には、SoC3が低速で動作するときはモニタ信号として出力されるクロックの周期が長くなって低い周波数のクロックが出力され、また、SoC3が高速で動作するときはモニタ信号として出力されるクロックの周期が短くなって高い周波数のクロックが出力される。
マルチプレクサ(MUX:multiplexer)34は、バンドギャップリファレンス回路31によって生成されるBGR電圧VBGR,温度計測回路32によって計測される環境温度または接合温度,プロセスモニタ回路33から出力されるモニタ信号,および外部電源回路2からSoC3へと供給される内部電源電圧VDDの計測値VDDsenseの入力を受ける。
そして、マルチプレクサ34は、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいて、上記のBGR電圧VBGR,環境温度/接合温度,モニタ信号,および内部電源電圧の計測値VDDsenseのうちのいずれかをA/D変換回路35へと出力する。
A/D変換回路(ADC:Analog-to-Digital Converter)35は、マルチプレクサ34から出力される上記のBGR電圧VBGR,環境温度/接合温度,モニタ信号,および内部電源電圧の計測値VDDsense(のうちのいずれか)の入力を受け、アナログ-デジタル変換処理を施して前記のBGR電圧VBGR,環境温度/接合温度,モニタ信号,および内部電源電圧の計測値VDDsense(のうちのいずれか)をデジタル化したADCDataを出力する。
D/A変換回路(DAC:Digital-to-Analog Converter)36は、抵抗R1とフィードバック抵抗Rfb1との間の接続端子13と接続する、可変抵抗を有する抵抗型のD/A変換回路または電流型のD/A変換回路によって構成される。前記の接続端子13における電圧は前述のとおり制御電圧VFB Ctrlである。
D/A変換回路36は、バス40を介してDACDataの入力を受ける。DACDataは、具体的には、当該D/A変換回路36の可変抵抗を制御するためのコード(「D/A変換回路36の制御コード」と呼ぶ)である。
(抵抗型のD/A変換回路である場合)
D/A変換回路36が抵抗型(「はしご型」や「ラダー型」などとも呼ばれる)のD/A変換回路によって構成される場合(図2参照)、可変抵抗の抵抗値をRDACとすると、外部電源回路2から出力される出力電圧Voutの値は下記の数式1に従う。
上記の数式1における可変抵抗の抵抗値RDACが低インピーダンスのとき、出力電圧Voutの値は可変抵抗の項(即ち、「R1/RDAC(Rfb1/R2+1)」)の分だけ大きくなる。このため、外部電源回路2側の一般的な低ドロップアウト (LDO) リニアレギュレータを構成する抵抗R1と接地側抵抗R2との間にフィードバック抵抗Rfb1を挿入して配設するとともに、SoC3内に抵抗型のD/A変換回路を配設することにより、IR-Drop(即ち、電流(I)が流れることにより外部電源回路2からSoC3へと供給される内部電源電圧VDDがパッケージやSoC3内部の配線抵抗などの抵抗成分(R)によって発生する電圧降下)に対応する電源電圧制御が可能となり、小型の回路で電圧制御を実現することが可能となる。
(電流型のD/A変換回路である場合)
D/A変換回路36が電流型(「電流加算型」などとも呼ばれる)のD/A変換回路によって構成される場合(図3参照)、可変抵抗の抵抗値をIDACとすると、外部電源回路2から出力される出力電圧Voutの値は下記の数式2に従う。
上記の数式2における可変抵抗の抵抗値IDACが大きくなると、出力電圧Voutの値は可変抵抗の項(即ち、「R1IDAC」)の分だけ大きくなる。このため、外部電源回路2側の一般的な低ドロップアウト (LDO) リニアレギュレータを構成する抵抗R1と接地側抵抗R2との間にフィードバック抵抗Rfb1を挿入して配設するとともに、SoC3内に電流型のD/A変換回路を配設することにより、IR-Dropに対応する電源電圧制御が可能となり、小型の回路で電圧制御を実現することが可能となる。
中央処理装置(CPU:Central Processing Unit の略)37は、内部電源電圧VDDの調整に纏わる演算処理を行うように、SoC3を構成する各部の処理の開始,内容,および終了を統制して制御する。
メモリ38は、中央処理装置37が内部電源電圧VDDの調整に纏わる演算処理を行う際に生成されるデータや情報などを一時的に記憶などするための作業領域となったり各種の情報,プログラム,およびデータなどを記憶して格納などするための記憶領域となったりする機能を備え、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶素子によって構成される。
ユーザインターフェース(User I/F)39は、作業者などによる操作を受けてSoC3へと各種の情報や指示などを入力する機能を備えるインターフェースである。
図5は、外部電源回路2側の一般的な低ドロップアウト (LDO) リニアレギュレータを構成する抵抗R1と接地側抵抗R2との間にフィードバック抵抗Rfb1を挿入して配設するとともに、SoC3内に電流型のD/A変換回路もしくは抵抗型のD/A変換回路を配設することにより、電源の負荷が同一の場合に、出力電圧Voutの値が企図したように変化する(具体的には、可変抵抗の項の分だけ上昇する)ことを確認するためのシミュレーションの結果を示す図である。電流型のD/A変換回路が配設される場合と抵抗型のD/A変換回路が配設される場合とで、出力電圧Voutの変化は同様の結果となる。
図5から、D/A変換回路36の制御コード(図中、「DACの制御コード」と表記)を0.0から変更することにより、可変抵抗の抵抗値RDAC,IDACが変化することによって出力電圧Voutの値が変化することが確認される。そして、外部電源回路2から出力される出力電圧Voutが変化することにより、SoC3へと供給される内部電源電圧VDDが変化する。したがって、適当な制御コードをD/A変換回路36に対して与えることにより、内部電源電圧VDDを適切に調整し得ることが確認される。
(内部電源電圧の調整の手順)
図6は、内部電源電圧VDDの調整の手順のフロー図である。なお、システム(具体的には、SoC3を含む)のアイドル状態とアクティブ状態との間の遷移は、中央処理装置37から出力される制御信号に従って行われる。
予め、SoC3を設計する際に設定されたSoC3の最適な動作電圧(「ターゲット電圧」と呼ぶ)がメモリ38に保持される。
ここで、SoC3のアクティブ時の動作速度が最低(SS:最低速度),最速(FF:最高速度),および代表的(TT:代表値)のプロセスの状態各々に対応する最適な動作電圧は、例えば10~20mV程度ずつ異なる。
上記もふまえ、内部電源電圧VDDの調整は、SoC3内部のプロセスの状態に関係なく行われるようにしてもよく、或いは、SoC3内部のプロセスの状態としての動作速度が最低(SS:最低速度),最速(FF:最高速度),および代表的(TT:代表値)のそれぞれについて行われるようにしてもよい。
そして、内部電源電圧VDDの調整がSoC3内部のプロセスの状態に関係なく行われる場合には、SoC3内部のプロセスの状態によらない(例えば、アクティブ時の代表的な状態における)1つのターゲット電圧が設定されてメモリ38に予め保持される。
一方で、内部電源電圧VDDの調整がSoC3内部のプロセスの状態としての動作速度が最低(SS:最低速度),最速(FF:最高速度),および代表的(TT:代表値)のそれぞれについて行われる場合には、SoC3内部のプロセスの状態としての動作速度が最低(SS:最低速度),最速(FF:最高速度),および代表的(TT:代表値)ごとにターゲット電圧が設定されてメモリ38に予め保持される。
SoC3内部のプロセスの状態は、プロセスモニタ回路33からモニタ信号として出力されるクロックの周期/周波数に基づいて判別される。なお、内部電源電圧VDDの調整がSoC3内部のプロセスの状態に関係なく行われる場合は、SoC3内部のプロセスの状態を検出する必要が無いので、プロセスモニタ回路33が備えられないようにしてもよい。
内部電源電圧VDDの調整として、まず、システムがアイドル状態である時の測定およびデータの保持が行われる(ステップS1)。
はじめに、中央処理装置37から出力される制御信号に基づいてシステムがアイドル状態にされる。アイドル状態の消費電力は例えば数mWまでであり、アイドル状態では流れる電流が微小であるためにIR-Dropは無視できる程度に小さい。
そのうえで、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいてマルチプレクサ34がバンドギャップリファレンス回路31のアイドル時のBGR電圧VBGRを出力し、A/D変換回路35を介して、前記アイドル時のBGR電圧VBGRの値がメモリ38に保持される。
また、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいてマルチプレクサ34がアイドル時の内部電源電圧の計測値VDDsenseを出力し、A/D変換回路35を介して、前記アイドル時の内部電源電圧の計測値VDDsenseがメモリ38に保持される。
さらに、アイドル時のD/A変換回路36の特性データが計算される。具体的には、中央処理装置37により、メモリ38に保持されているアイドル時のBGR電圧VBGRの値および内部電源電圧の計測値VDDsenseが用いられて、下記の数式3に従ってアイドル時のD/A変換回路36の特性データDBGRが計算される。
上記の数式3において、Vrefはアイドル時の内部電源電圧の計測値VDDsenseであり、NはD/A変換回路36の分解能(別言すると、ビット数;以下同じ)である。
そして、上記の数式3に従って計算されるアイドル時のD/A変換回路36の特性データDBGRがメモリ38に保持される。
次に、システムがアクティブ状態である時の測定およびデータの保持が行われる(ステップS2)。
はじめに、中央処理装置37から出力される制御信号に基づいてシステムがアクティブ状態にされる。アクティブ状態の消費電力は例えば1Wまでであり、アクティブ状態では流れる電流が大きいためにIR-Dropが大きい。
そのうえで、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいてマルチプレクサ34が温度計測回路32によって計測される環境温度/接合温度を出力し、A/D変換回路35を介して、前記環境温度/接合温度の値がメモリ38に保持される。
また、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいてマルチプレクサ34がバンドギャップリファレンス回路31のアクティブ時のBGR電圧VBGRを出力し、A/D変換回路35を介して、前記アクティブ時のBGR電圧VBGRの値がメモリ38に保持される。
また、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいてマルチプレクサ34がアクティブ時の内部電源電圧の計測値VDDsenseを出力し、A/D変換回路35を介して、前記アクティブ時の内部電源電圧の計測値VDDsenseがメモリ38に保持される。
さらに、アクティブ時のD/A変換回路36の特性データが計算される。具体的には、中央処理装置37により、メモリ38に保持されているアイドル時のBGR電圧VBGRの値ならびにアクティブ時のBGR電圧VBGRの値および内部電源電圧の計測値VDDsenseが用いられて、下記の数式4に従ってアクティブ時のD/A変換回路36の特性データDBGR#IRが計算される。
上記の数式4において、Vrefはアクティブ時の内部電源電圧の計測値VDDsenseである。また、VIRはアイドル時のBGR電圧VBGRの値とアクティブ時のBGR電圧VBGRの値との差であり、すなわち、VIR=(アイドル時のBGR電圧VBGRの値)-(アクティブ時のBGR電圧VBGRの値) として計算される。VIRのことを「降下電圧」と呼ぶ。
そして、降下電圧VIRの値および上記の数式4に従って計算されるアクティブ時のD/A変換回路36の特性データDBGR#IRがメモリ38に保持される。
次に、D/A変換回路36の制御データが計算される(ステップS3)。具体的には、中央処理装置37により、メモリ38に保持されている、アイドル時のD/A変換回路36の特性データDBGRと、アクティブ時の内部電源電圧の計測値VDDsenseおよびD/A変換回路36の特性データDBGR#IRと、降下電圧VIRの値と、が用いられて、下記の数式5に従って制御参照電圧Dvdd senseが計算される。
上記の数式5において、VrefとVDDsenseとはアクティブ時の内部電源電圧の計測値VDDsenseである。
そして、上記の数式5に従って計算される制御参照電圧Dvdd senseに基づいてD/A変換回路36の制御コードが決定されてD/A変換回路36の制御データとして出力され(図中の「DACData」)、D/A変換回路36の可変抵抗が制御されて前記可変抵抗の抵抗値RDAC,IDACが変更される(ステップS4)。
D/A変換回路36の制御コードは、具体的には、ターゲット電圧Dtargetと制御参照電圧Dvdd senseとの差ΔD(即ち、ΔD=Dtarget-Dvdd sense)がゼロになるように決定される。そして、外部電源回路2から出力される出力電圧Voutがターゲット電圧Dtargetに近づくように制御電圧VFB Ctrlが制御される。
次に、D/A変換回路36の制御後の内部電源電圧の測定が行われる(ステップS5)。具体的には、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいてマルチプレクサ34が内部電源電圧の計測値VDDsenseを出力する。
次に、D/A変換回路36の制御後の内部電源電圧の計測値VDDsenseがターゲット電圧になっているか否かが判定される(ステップS6)。
例えば、ターゲット電圧の値を含む予め定められる所定の範囲にD/A変換回路36の制御後の内部電源電圧の計測値VDDsenseが入っている場合に前記内部電源電圧の計測値VDDsenseがターゲット電圧になっていると判断する。
D/A変換回路36の制御後の内部電源電圧の計測値VDDsenseがターゲット電圧になっていない場合(ステップS6:No)は、ステップS1に戻り、ステップS5までの処理が繰り返し行われて、D/A変換回路36の制御後の内部電源電圧の計測値VDDsenseがターゲット電圧になっているか否かがあらためて判定される(ステップS6)。
一方で、D/A変換回路36の制御後の内部電源電圧の計測値VDDsenseがターゲット電圧になっている場合(ステップS6:Yes)は、D/A変換回路36の制御コードがメモリ38に保持される(ステップS7)。
なお、内部電源電圧VDDの調整がSoC3内部のプロセスの状態に関係なく行われる場合には、SoC3内部のプロセスの状態によらない(例えば、アクティブ時の代表的な状態における)1つの制御参照電圧Dvdd senseが計算されてD/A変換回路36の制御コードがメモリ38に保持される。一方で、内部電源電圧VDDの調整がSoC3内部のプロセスの状態としての動作速度が最低(SS:最低速度),最速(FF:最高速度),および代表的(TT:代表値)のそれぞれについて行われる場合には、SoC3内部のプロセスの状態としての動作速度が最低(SS:最低速度),最速(FF:最高速度),および代表的(TT:代表値)ごとに制御参照電圧Dvdd senseが計算されてD/A変換回路36の制御コードがメモリ38に保持される。
制御参照電圧Dvdd senseが計算されてD/A変換回路36の制御コードがメモリ38に保持された後は、システム(具体的には、SoC3を含む)がアイドル状態からアクティブ状態へと遷移する際に、メモリ38に保持されているD/A変換回路36の制御コードが用いられて内部電源電圧VDDの調整が行われる。
図7は、D/A変換回路36が抵抗型のD/A変換回路によって構成される場合(図2参照)の、1回目の制御におけるD/A変換回路36の制御コードと内部電源電圧の計測値VDDsenseとの間の関係の例を示す図である。図7に示す例では、D/A変換回路36(即ち、抵抗型のD/A変換回路)の制御コードが最大値のときにD/A変換回路のインピーダンスが最大であるようにしている。図8は、D/A変換回路36が電流型のD/A変換回路によって構成される場合(図3参照)の、1回目の制御におけるD/A変換回路36の制御コードと内部電源電圧の計測値VDDsenseとの間の関係の例を示す図である。図8に示す例では、D/A変換回路36(即ち、電流型のD/A変換回路)の制御コードが最小値のときにD/A変換回路の電流が最小であるようにしている。なお、内部電源電圧VDDの値は、内部電源電圧の計測値VDDsenseと一定の間隔で変化する。図7,図8から、システム(具体的には、SoC3を含む)がアイドル状態からアクティブ状態へと遷移すると、IR-Dropが生じるものの、降下電圧VIRに対応してD/A変換回路36の制御コードが変更されて、内部電源電圧VDDが適切に調整されることが確認される。
また、図9は、D/A変換回路36が電流型のD/A変換回路によって構成される場合(図3参照)の、2回目以降の制御におけるD/A変換回路36の制御コードと内部電源電圧の計測値VDDsenseとの間の関係の例を示す図である。図9に示す例でも、D/A変換回路36(即ち、電流型のD/A変換回路)の制御コードが最小値のときにD/A変換回路の電流が最小であるようにしている。図9から、システム(具体的には、SoC3を含む)がアイドル状態からアクティブ状態へと遷移する際、D/A変換回路36の制御コードが既にメモリ38に保持されているので、D/A変換回路36の制御コードが即時に変更され、内部電源電圧VDDが迅速に調整されてIR-Dropの発生が回避されることが確認される。
また、制御参照電圧Dvdd senseが計算されてD/A変換回路36の制御コードがメモリ38に保持された後に、温度計測回路32によって計測される環境温度/接合温度が変動した場合に、制御参照電圧Dvdd senseの計算があらためて行われるようにしてもよい。この場合には、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいてマルチプレクサ34が温度計測回路32によって計測される環境温度/接合温度を例えば所定の時間間隔で(別言すると、定期的に)出力するとともに、前記環境温度/接合温度が上記のステップS2の処理においてメモリ38に保持される環境温度/接合温度の値と比較される。そして、計測された環境温度/接合温度とメモリ38に保持されている環境温度/接合温度との差が予め定められる所定の値よりも大きい場合に、ステップS1からステップS6までの処理があらためて行われて新たなD/A変換回路36の制御コードがメモリ38に保持される(ステップS7)。なお、環境温度/接合温度が変動しても制御参照電圧Dvdd senseの計算があらためて行われない場合は、環境温度/接合温度を計測する必要が無いので、温度計測回路32が備えられないようにしてもよい。
〈実施の形態2〉
図10は、この発明の実施の形態2に係る電源電圧調整回路1の概略構成を示す図であり、図11は、実施の形態2に係る電源電圧調整回路1のSoC3の概略構成を示す図である。実施の形態2に係る電源電圧調整回路1は、主に、バンドギャップリファレンス回路31を有しない点、およびBGR電圧VBGRではなくてフィードバック電圧VFBの計測値VFB senseが用いられる点で上記の実施の形態1と構成が異なるものの、その他の構成は上記の実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付することでその説明を省略する。
実施の形態2に係る電源電圧調整回路1は、外部電源(図示していない)から外部電源電圧Vextの供給を受けて出力電圧Voutを出力する外部電源回路2側の低ドロップアウトリニアレギュレータを構成する抵抗R1と接地側抵抗R2との間に配設されるフィードバック抵抗Rfb1と、出力電圧Voutに基づく内部電源電圧VDDの供給を受けるSoC3内に配設される可変抵抗を有するD/A変換回路36と、を有し、可変抵抗の抵抗値RDAC,IDACを変化させて出力電圧Voutを変化させることによって所定のターゲット電圧になるように内部電源電圧VDDを調整し、特に、フィードバック抵抗Rfb1と接地側抵抗R2との間における電圧VFBが計測され、SoC3がアイドル状態である時の前記電圧VFBとアクティブ状態である時の前記電圧VFBとを用いて可変抵抗の抵抗値RDAC,IDACを変化させる制御データを計算する、ようにしている。
実施の形態2では、マルチプレクサ34は、バンドギャップリファレンス回路31によって生成されるBGR電圧VBGRの入力を受ける代わりに、フィードバック抵抗Rfb1と接地側抵抗R2との間の接続端子12における電圧すなわちフィードバック電圧VFBの計測値VFB senseの入力を受ける。そして、マルチプレクサ34は、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいて、前記のフィードバック電圧の計測値VFB sense,環境温度/接合温度,モニタ信号,および内部電源電圧の計測値VDDsenseのうちのいずれかをA/D変換回路35へと出力する。
そして、実施の形態2に係る電源電圧調整回路1は、上記の実施の形態1におけるBGR電圧VBGRの値の代わりにフィードバック電圧VFBの計測値VFB senseを用いて、上記の実施の形態1に係る電源電圧調整回路1と同様の処理を行う。
具体的には、ステップS1の処理において、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいて、マルチプレクサ34が、バンドギャップリファレンス回路31のアイドル時のBGR電圧VBGRを出力する代わりに、アイドル時のフィードバック電圧の計測値VFB senseを出力し、A/D変換回路35を介して、前記アイドル時のフィードバック電圧の計測値VFB senseがメモリ38に保持される。そのうえで、上記の数式3について、アイドル時のBGR電圧VBGRの代わりにアイドル時のフィードバック電圧の計測値VFB senseが用いられて、下記の数式6に従ってアイドル時のD/A変換回路36の特性データDBGRが計算される。
また、ステップS2の処理において、中央処理装置37から出力される制御信号MUXctrlに基づいて、マルチプレクサ34が、バンドギャップリファレンス回路31のアクティブ時のBGR電圧VBGRを出力する代わりに、アクティブ時のフィードバック電圧の計測値VFB senseを出力し、A/D変換回路35を介して、前記アクティブ時のフィードバック電圧の計測値VFB senseがメモリ38に保持される。そのうえで、上記の数式4について、アクティブ時のBGR電圧VBGRの代わりにアクティブ時のフィードバック電圧の計測値VFB senseが用いられて、下記の数式7に従ってアクティブ時のD/A変換回路36の特性データDBGR#IRが計算される。なお、実施の形態2では、降下電圧VIRはアイドル時のフィードバック電圧の計測値VFB senseとアクティブ時のフィードバック電圧の計測値VFB senseとの差であり、すなわち、VIR=(アイドル時のフィードバック電圧の計測値VFB sense)-(アクティブ時のフィードバック電圧の計測値VFB sense) として計算される。
実施の形態1,2に係る電源電圧調整回路1によれば、外部電源回路2側の低ドロップアウト(LDO)リニアレギュレータを構成する抵抗R1と接地側抵抗R2との間にフィードバック抵抗Rfb1を配設するとともにSoC3内に可変抵抗を有するD/A変換回路36を配設して前記可変抵抗の抵抗値RDAC,IDACを変化させて内部電源電圧VDDを調整するようにしているので、回路構成を簡素化しつつも電源電圧を的確に調整して制御することが可能となり、延いては実装面積の削減や低コスト化を実現することが可能となる。実施の形態1,2に係る電源電圧調整回路1によれば、また、SoC3内に電圧調整回路としてのD/A変換回路36を組み込むことにより、外部の可変抵抗などの回路部品が不要であるため、小型かつ低コストのシステムを実現することが可能となる。
実施の形態1に係る電源電圧調整回路1によれば、特に、バンドギャップリファレンス回路31によって生成されるBGR電圧VBGRを用いてD/A変換回路36の制御データを計算するようにしているので、1つのBGR電圧VBGRを参照することにより、単一電源で精度の良い電圧測定を行うことが可能となる。
実施の形態2に係る電源電圧調整回路1によれば、特に、フィードバック抵抗Rfb1と接地側抵抗R2との間におけるフィードバック電圧の計測値VFB senseを用いてD/A変換回路36の制御データを計算するようにしているので、高い精度の参照電源が得られないシステム(例えば、バンドギャップリファレンス回路を有しないシステム)でも外部の電圧(具体的には、実施の形態2におけるフィードバック電圧VFB)を参照することにより、単一電源で精度の良い電圧測定を行うことが可能となる。
実施の形態1,2に係る電源電圧調整回路1によれば、また、メモリ38に保持されているD/A変換回路36の制御コードが用いられて2回目以降の内部電源電圧VDDの調整が行われるようにしているので、中央処理装置37から出力される制御信号に基づくシステムの状態に沿った迅速で適応的な電圧管理を行うことが可能となる。
実施の形態1,2に係る電源電圧調整回路1によれば、SoC3内部のプロセスの状態としての動作速度が最低(SS:最低速度),最速(FF:最高速度),および代表的(TT:代表値)のそれぞれについて内部電源電圧VDDの調整が行われるようにした場合には、プロセスの変動によるIR-Dropの変動に的確に追従した電圧管理を行うことが可能となる。
実施の形態1,2に係る電源電圧調整回路によれば、温度計測回路32によって計測される環境温度/接合温度が変動した場合にD/A変換回路36の制御データの計算があらためて行われるようにした場合には、温度の変動によるIR-Dropの変動に的確に追従した電圧管理を行うことが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では外部電源回路2側に一般的な低ドロップアウト (LDO) リニアレギュレータが構成される場合を例に挙げて説明しているが、この発明は、フィードバック機能を備えるスイッチングレギュレータに対しても適用可能であり、さらに言えば、フィードバック機能を備える外部電源回路側のフィードバック機構に対して適用可能である。