JP7750226B2 - 電極、蓄電デバイス及び電極の製造方法 - Google Patents
電極、蓄電デバイス及び電極の製造方法Info
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蓄電デバイスに用いられる電極であって、
集電体と、
集電体上に形成され活物質と結着材と繊維径Dが1μm以上20μm以下繊維長さLが5μm以上500μm以下の範囲の炭素繊維とを含む電極合材層と、を備え、
前記電極合材層は、電極表面に露出している前記炭素繊維に基づいて求められた電極の厚さ方向に配向した炭素繊維の配向度が50%以上であるものである。
蓄電デバイスに用いられる電極の製造方法であって、
集電体の表面との間へ静電場を発生させ、活物質と結着材と繊維径Dが1μm以上20μm以下であり繊維長さLが5μm以上500μm以下の範囲の炭素繊維とを含む原料を前記集電体の表面へ塗布する塗布工程と、
前記原料が塗布された集電体を加熱し電極合材層として固定化する固定化工程と、
を含むものである。
本実施形態の電極は、蓄電デバイスに用いられるものであって、集電体と電極合材層とを備えている。蓄電デバイスは、リチウム二次電池やリチウムイオン二次電池、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、空気電池などのうちいずれかであるものとしてもよい。電極は、活物質の電位に対して対極の電位に基づいて正極又は負極のいずれかとなる。活物質は、蓄電デバイスのキャリアイオンを吸蔵放出する。キャリアイオンは、蓄電デバイスに用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属イオンや第2族元素イオンなどが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオンやナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。第2族元素イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどが挙げられる。ここでは、リチウムイオンをキャリアとするリチウムイオン二次電池を主たる一例として以下説明する。
本開示の蓄電デバイスは、上述した電極を備えたものである。この蓄電デバイスは、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極とを備え、正極及び負極のうち1以上が上述した電極であるものとしてもよい。この蓄電デバイスは、正極と、負極と、正極及び負極の間に介在しキャリアイオンを伝導するイオン伝導媒体とを備えるものとしてもよい。
本開示の蓄電デバイスに用いられる電極の製造方法は、上述した電極を製造する方法であるものとしてもよい。この製造方法において、上述した電極で説明した内容、例えば、各部材の材質や配合比の範囲などを適宜適用するものとして、その詳細な説明を省略するものとする。この製造方法は、塗布工程と、固定化工程とを含む。図2は、蓄電デバイス10に用いられる電極の製造方法の一例を示す説明図であり、図2Aが混合処理、図2Bが塗布処理、図2Cが固定化処理の一例を示す説明図である。
[1] 蓄電デバイスに用いられる電極であって、
集電体と、
集電体上に形成され活物質と結着材と繊維径Dが1μm以上20μm以下であり繊維長さLが5μm以上500μm以下の範囲の炭素繊維とを含む電極合材層と、を備え、
前記電極合材層は、電極表面に露出している前記炭素繊維に基づいて求められた電極の厚さ方向に配向した炭素繊維の配向度が50%以上である、電極。
[2] 前記配向度は、60%以上である、[1]に記載の電極。
[3] 前記配向度は、前記電極表面に露出している全ての前記炭素繊維の個数Nと、前記電極合材層に含まれる炭素繊維のメディアン長さLmと、前記電極表面に露出している長さが3/7×Lm以下である炭素繊維の個数nとしたとき、配向度(%)=n/N×100で求められる、[1]又は[2]に記載の電極。
[4] 前記電極は、(1)~(4)のいずれか1以上を満たす、[1]~[3]のいずれか1つに記載の電極。
(1)面積抵抗が32Ωcm2以下である。
(2)体積抵抗率が3.0×103Ωcm以下である。
(3)厚さが10μm以上500μm以下の範囲である。
(4)電極密度が2.0(g/cm3)以上3.5(g/cm3)以下の範囲である。
[5] 前記活物質は、リチウム及び遷移金属を含む複合酸化物である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の電極。
[6] [1]~[5]のいずれか1つに記載の電極、を備えた蓄電デバイス。
[7] 蓄電デバイスに用いられる電極の製造方法であって、
集電体の表面との間へ静電場を発生させ、活物質と結着材と繊維径Dが1μm以上20μm以下であり繊維長さLが5μm以上500μm以下の範囲の炭素繊維とを含む原料を前記集電体の表面へ塗布する塗布工程と、
前記原料が塗布された集電体を加熱し電極合材層として固定化する固定化工程と、
を含む電極の製造方法。
[8] 前記塗布工程では、溶媒を用いない、[7]に記載の電極の製造方法。
[9] 前記塗布工程では、静電場の強度が1kV/cm以上10kV/cm以下の範囲で前記原料を塗布する、[7]又は[8]に記載の電極の製造方法。
[10] 前記塗布工程では、静電場の強度が2kV/cm以上4kV/cm以下の範囲で前記原料を塗布する、[7]又は[8]に記載の電極の製造方法。
(1)電極粉末の混合処理
活物質としてニッケルコバルトマンガン酸リチウムを91g、導電材としてアセチレンブラック(デンカ工業製HS100)を3gと、炭素繊維(三菱ケミカル製K223HM(50μ))を3g、結着材としてポリフッ化ビニリデン(アルケマ製HSV900)を3g、乾式混合して正極用の電極粉末を得た。電極粉末の混合にはラボミル(大阪ケミカル製OML-1)を用い、活物質、導電材、結着材を5分間混合したあと、炭素繊維を加え、さらに1分間混合した。
使用した炭素繊維の繊維径、繊維長の分布を測定した。炭素繊維の長さに関する分布は、画像式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル製、CamseizerX2)を用いて、炭素繊維の繊維径D及び繊維長Lの分布を測定した。繊維径Dの分布は計測した粒子の最小径Xminを繊維径Dとして算出した。繊維長Xlengthの分布は計測した粒子の最小径Xminと最大フェレ径XFe maxを用いて次式(1)より算出した。図3は、炭素繊維の繊維径D及び繊維長Lの測定結果であり、図3Aが繊維径Dの分布図、図3Bが繊維長Lの分布図、図3Cが炭素繊維の撮像写真である。図3に示すように、用いた炭素繊維は、その繊維のメディアン径D50が12μmでありメディアン長さLmが70μmであった。
静電スクリーン印刷装置(ベルク工業製TS-1)を用いて、集電体であるアルミニウム箔(厚さ15μm)の上に電極粉末を塗布した。150線-60μm(目開き109μm)のスクリーンメッシュを用いた。スクリーン板と塗布面の間に0、0.6、1.3、2.5、3.8kV/cmの電場を印加した。得られた電極のそれぞれを実験例1~5とした。さらに、加熱ロールプレス機(タクミ技研SA6202)により集電体上に電極粉末を固定化させ、目付量30mg/cm2、厚さ約130μmの正極合材層が集電体の上に積層されてなる正極を得た。プレス温度は200℃、ロールの送り速度は0.2m/分、線圧は286kg/cmとした。
電極の電子抵抗を四端子法により測定した。二枚の電極を、銅箔を介して対抗させて圧子とロードセルで挟み、一方の電極にプラスの電圧線と電流線、他方の電極にマイナスの電圧線と電流線を接続した。銅箔は、電極-電極間の接触抵抗の影響を低減して電極の電子抵抗を測定するために配置した。面積2cm2の圧子に50kg(25kg/cm2)の荷重を印加したときの直流抵抗の値を電子抵抗とした。また、体積抵抗率Rv[Ωcm]、電極の電子抵抗Re[Ω]、測定面積S[cm2]、電極の厚さt[cm]としたときに、式(2)から電極の体積抵抗率を算出した。ここで測定面積は圧子の面積2cm2とした。
Rv[Ωcm]=(Re[Ω]×S[cm2])/t[cm] …式(2)
成膜した電極の表面の光学顕微鏡像をデジタルマイクロスコープ(キーエンス製VHX-7000)を用いて取得した。画素サイズは1μm/pixelとした。画像解析ソフトImage Jを用いて、得られた観察画像の輝度値から二値化処理により電極表面に露出している炭素繊維を抽出した。さらに、Image Jの粒子解析機能により、抽出した炭素繊維の長手方向の長さ(長径)のヒストグラムを取得した。表面に露出している炭素繊維のうち、その長径が30μm以下の炭素繊維は膜厚方向に配向しているとし、表面に露出している炭素繊維の全個数に対する長径が30μm以下の炭素繊維の個数の割合を、配向した炭素繊維の割合として算出した。即ち、電極表面に露出している全ての炭素繊維の個数N[個]と、電極合材層に含まれる炭素繊維のメディアン長さLm[μm]と、電極表面に露出している長さが3/7×Lm[μm]以下である炭素繊維の個数n[個]としたとき、配向度(%)は、次式(3)により求めた値とした。
配向度[%]=n[個]/N[個]×100 …式(3)
電極の透過3次元像から、配向度の妥当性について検討した。X線ラミノグラフィ測定により電極の3次元像を取得した。X線ラミノグラフィ測定は、大型放射光施設SPring-8BL33XU(豊田ビームライン)にて実施した。X線のエネルギーは16keVとし、回転軸の傾斜角は30°とした。検出器は、X線CMOSカメラ(浜松ホトニクス製ORCA-flush4.0)を用い、画素サイズ0.325μm/pixelで撮影した。回転角度0.1°ごとに露光時間100msecで撮影し、360°(3601枚)の透過像を得た。JASRI提供の再構成ソフトを用い、透過像から3次元像に再構成した。X線トモグラフィ用の解析ソフト(ボリュームグラフィックス社製VGSTUDIO MAX)により得られた電極の3次元像から炭素繊維部分を抽出し、配向解析を行い、電極の膜厚方向に対する偏差角度θのヒストグラムを取得した。実験例1、5を測定した。
図4は、実験例1、3、5の電極表面の光学顕微鏡像及び断面の概念図であり、図4Aが実験例1、図4Bが実験例3、図4Cが実験例5である。図5は、X線ラミノグラフィ測定より取得した炭素繊維の3次元像である。図6は、X線ラミノグラフィ測定より取得した実験例1、5の膜厚方向に対する偏差角度θのヒストグラムである。図4に示すように、静電スクリーン印刷において、電場を印加しなかった実験例1では、繊維の長手方向が露出した炭素繊維が多く観察されたのに対し、印加電場を1.3kV/cmとした実験例3、3.8kV/cmとした実験例5のように、印加電場を大きくするに従い、繊維の長手方向が露出した炭素繊維の数が減少し、点状に見える炭素繊維が多く観察された。また、図6に示すように、電場を印加しなかった実験例1と比較して、電場を3.8kV/cm印加して成膜した実験例5の電極では、偏差角度θが80°~90°である、面方向に沿って配向した炭素繊維が減少し、偏差角度θが80°以下である、厚さ方向に沿って配向した炭素繊維が増加した。このことより、光学顕微鏡像において、印加電場を大きくするほど長手方向が露出した炭素繊維の数が減少し、点状に見える炭素繊維が増加したのは、原料粉末を集電体へ塗布する際の電場により炭素繊維が厚さ方向に配向し、電極表面に露出する面積が減少したためであることがわかった。表面に露出している炭素繊維の長径が3/7Lm、即ち30μm以下のものは膜厚方向に配向しているものと定義し、表面に露出している炭素繊維の全個数Nに対する長さLが30μm以下の炭素繊維の個数nの割合を、配向した炭素繊維の割合として算出することとした。
図7は、実験例1~5の静電印刷時の電場に対する面積抵抗との関係図である。図8は、実験例1~5の配向度に対する面積抵抗との関係図である。また、実験例1~5の静電印刷時の電場[kV/cm]、電極厚さ[μm]、電極合材の目付量[mg/cm2]、電極密度[g/cm3]、配向繊維の割合[%]、面積抵抗[Ωcm2]、体積抵抗率[Ωcm]をまとめて表1に示した。図7、8、表1に示すように、実験例1~5において、静電印刷時の電場が大きくなるに従い、配向度がより向上する、即ち、炭素繊維が電極厚さ方向に沿って並ぶことがわかった。また、この配向度がより高くなると、面積抵抗や体積抵抗率などがより低減することがわかった。また、この理由は、例えば、導電材としての炭素繊維が電極の厚さ方向に配向させると、電極厚さ方向に効率的に電子を伝導させる経路を形成することができるため、蓄電デバイス用の電極の電子抵抗をより低減することができるものと推察された。静電印刷時の電場は、1.0[kV/cm]以上が好ましく、2.0[kV/cm]以上がより好ましいことがわかった。また、この電場は、10[kV/cm]以下の範囲が好ましいものと推察された。また、電極表面に露出している炭素繊維に基づいて求められた電極の厚さ方向に配向した炭素繊維の配向度は、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましいことがわかった。また、この配向度は、100%以下、90%以下でもよいものと推察された。
Claims (9)
- 蓄電デバイスに用いられる電極であって、
集電体と、
集電体上に形成され活物質と結着材と繊維径Dが1μm以上20μm以下であり繊維長さLが5μm以上500μm以下の範囲の炭素繊維とを含む電極合材層と、を備え、
前記電極合材層は、電極表面に露出している前記炭素繊維に基づいて求められた電極の厚さ方向に配向した炭素繊維の配向度が50%以上であり、
前記配向度は、前記電極表面に露出している全ての前記炭素繊維の個数Nと、前記電極合材層に含まれる炭素繊維のメディアン長さLmと、前記電極表面に露出している長さが3/7×Lm以下である炭素繊維の個数nとしたとき、配向度(%)=n/N×100で求められる、電極。 - 前記配向度は、60%以上である、請求項1に記載の電極。
- 前記電極は、(1)~(4)のいずれか1以上を満たす、請求項1又は2に記載の電極。
(1)面積抵抗が32Ωcm2以下である。
(2)体積抵抗率が3.0×103Ωcm以下である。
(3)厚さが10μm以上500μm以下の範囲である。
(4)電極密度が2.0(g/cm3)以上3.5(g/cm3)以下の範囲である。 - 前記活物質は、リチウム及び遷移金属を含む複合酸化物である、請求項1又は2に記載の電極。
- 請求項1又は2に記載の電極、を備えた蓄電デバイス。
- 請求項1又は2に記載の蓄電デバイスに用いられる電極の製造方法であって、
集電体の表面との間へ静電場を発生させ、活物質と結着材と繊維径Dが1μm以上20
μm以下であり繊維長さLが5μm以上500μm以下の範囲の炭素繊維とを含む原料を前記集電体の表面へ塗布する塗布工程と、
前記原料が塗布された集電体を加熱し電極合材層として固定化する固定化工程と、
を含む電極の製造方法。 - 前記塗布工程では、前記原料に溶媒を加えない、請求項6に記載の電極の製造方法。
- 前記塗布工程では、静電場の強度が1kV/cm以上10kV/cm以下の範囲で前記原料を塗布する、請求項6に記載の電極の製造方法。
- 前記塗布工程では、静電場の強度が2kV/cm以上4kV/cm以下の範囲で前記原料を塗布する、請求項6に記載の電極の製造方法。
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| JP2013122883A (ja) | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Toyota Industries Corp | 電極とその製造方法および製造装置、その電極を用いた蓄電装置、その蓄電装置を搭載した車両 |
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