まず、図1乃至図8により、一実施の形態について説明する。図1乃至図8は本実施の形態を示す図である。
以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されず、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
また、以下の実施の形態において、「X方向」とは、画像表示装置の一辺に対して平行な方向である。「Y方向」とは、X方向に垂直かつ画像表示装置の他の一辺に対して平行な方向である。「Z方向」とは、X方向及びY方向の両方に垂直かつ画像表示装置の厚み方向に平行な方向である。また、「表面」とは、Z方向プラス側の面であって、画像表示装置の発光面側であり、観察者側を向く面をいう。「裏面」とは、Z方向マイナス側の面であって、画像表示装置の発光面及び観察者側を向く面と反対側の面をいう。なお、本実施の形態において、メッシュ配線層20が、電波送受信機能(アンテナとしての機能)を有するメッシュ配線層20である場合を例にとって説明するが、メッシュ配線層20は電波送受信機能(アンテナとしての機能)を有していなくても良い。
[画像表示装置の構成]
図1及び図2を参照して、本実施の形態による画像表示装置の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による画像表示装置60は、画像表示装置用積層体70と、画像表示装置用積層体70に積層された表示装置(ディスプレイ)61と、を備えている。このうち画像表示装置用積層体70は、第1透明接着層(誘電体層)95と、第2透明接着層(接着層)96と、配線基板10と、を備えている。このうち配線基板10は、基板11と、プライマー層15と、メッシュ配線層20とを有する。基板11は、第1面11aと第1面11aの反対側に位置する第2面11bとを含む。プライマー層15は、基板11の第1面11a上に設けられている。メッシュ配線層20は、プライマー層15上に配置されている。また、メッシュ配線層20には、給電部40が電気的に接続されている。さらに、表示装置61に対してZ方向マイナス側には、通信モジュール63が配置されている。画像表示装置用積層体70と、表示装置61と、通信モジュール63とは、筐体62内に収容されている。
図1及び図2に示す画像表示装置60において、通信モジュール63を介して、所定の周波数の電波を送受信でき、通信を行うことができる。通信モジュール63は、電話用アンテナ、WiFi用アンテナ、3G用アンテナ、4G用アンテナ、5G用アンテナ、LTE用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC用アンテナ等のいずれかを含んでいても良い。このような画像表示装置60としては、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末機器を挙げることができる。
図2に示すように、画像表示装置60は、発光面64を有している。画像表示装置60は、表示装置61に対して発光面64側(Z方向プラス側)に位置する配線基板10と、表示装置61に対して発光面64の反対側(Z方向マイナス側)に位置する通信モジュール63と、を備えている。
表示装置61は、例えば有機EL(Electro Luminescence)表示装置からなる。表示装置61は、例えば図示しない金属層、支持基材、樹脂基材、薄膜トランジスタ(TFT)、及び有機EL層を含んでいても良い。表示装置61上には、図示しないタッチセンサが配置されていても良い。また、表示装置61上には、第2透明接着層96を介して配線基板10が配置されている。なお、表示装置61は、有機EL表示装置に限られるものではない。例えば、表示装置61は、それ自体が発光する機能を持つ他の表示装置であっても良く、マイクロLED素子(発光体)を含むマイクロLED表示装置であっても良い。また、表示装置61は、液晶を含む液晶表示装置であっても良い。また、配線基板10上には、第1透明接着層95を介してカバーガラス(表面保護板)75が配置されている。なお、第1透明接着層95とカバーガラス75との間には、図示しない加飾フィルム及び偏光板が配置されていても良い。
第1透明接着層95は、配線基板10をカバーガラス75に直接的又は間接的に接着する接着層である。この第1透明接着層95は、基板11の第1面11a側に位置している。第1透明接着層95は、光学透明性を有しており、OCA(Optical Clear Adhesive)層であっても良い。OCA層は、例えば以下のようにして作製された層である。まずポリエチレンテレフタレート(PET)等の離型フィルム上に、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を塗布し、これを例えば紫外線(UV)等を用いて硬化し、OCAシートを得る。このOCAシートを対象物に貼合した後、離型フィルムを剥離除去することにより、上記OCA層を得る。第1透明接着層95の材料は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等であっても良い。
また、第1透明接着層95は、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、第1透明接着層95の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。第1透明接着層95の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、画像表示装置用積層体70の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。なお、可視光線とは、波長が400nm以上700nm以下の光線のことをいう。また、可視光線の透過率が85%以上であるとは、公知の分光光度計(例えば、日本分光株式会社製の分光器:V-670)を用いて対象物に対して吸光度の測定を行った際、400nm以上700nm以下の全波長領域でその透過率が85%以上となることをいう。
配線基板10は、上述したように、表示装置61に対して発光面64側に配置されている。この場合、配線基板10は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に位置する。より具体的には、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間の一部領域に、配線基板10の基板11の一部領域が配置されている。この場合、第1透明接着層95、第2透明接着層96、表示装置61及びカバーガラス75は、それぞれ配線基板10の基板11よりも広い面積を有する。このように、配線基板10の基板11を、平面視で画像表示装置60の全面ではなく一部領域に配置することにより、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
配線基板10は、透明性を有する基板11と、基板11の第1面11a上に設けられたプライマー層15と、プライマー層15上に配置されたメッシュ配線層20とを有する。メッシュ配線層20には、給電部40が電気的に接続されている。給電部40は、通信モジュール63に電気的に接続されている。また、配線基板10の一部は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に配置されることなく、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間から外方(Y方向マイナス側)に突出する。具体的には、配線基板10のうち、給電部40が設けられている領域が外方に突出する。これにより、給電部40と通信モジュール63との電気的な接続を容易に行うことができる。一方、配線基板10のうち、メッシュ配線層20が設けられている領域は、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に位置する。なお、配線基板10の詳細については後述する。
第2透明接着層96は、表示装置61を配線基板10に直接的又は間接的に接着する接着層である。この第2透明接着層96は、基板11の第2面11b側に位置している。第2透明接着層96は、第1透明接着層95と同様に、光学透明性を有しており、OCA(Optical Clear Adhesive)層であっても良い。第2透明接着層96の材料は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等であっても良い。
また、第2透明接着層96は、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、第2透明接着層96の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。第2透明接着層96の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、画像表示装置用積層体70の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
このような画像表示装置用積層体70において、プライマー層15の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。また、プライマー層15の屈折率と、基板11の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。ここで、屈折率とは絶対屈折率をいい、JIS K-7142のA法に基づいて求めることができる。例えば、第1透明接着層95の材料がアクリル系樹脂(屈折率1.49)である場合、プライマー層15の屈折率を1.39以上1.59以下とする。このような材料としては、例えばフッ素樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等を挙げることができる。
このように、プライマー層15の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、プライマー層15と第1透明接着層95との界面B1での可視光の反射を抑え、プライマー層15が設けられた基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。また、プライマー層15の屈折率と、基板11の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、プライマー層15と基板11との界面B2での可視光の反射を抑え、基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。
また、画像表示装置用積層体70において、基板11の屈折率と、第1透明接着層95の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。また、第2透明接着層96の屈折率と、基板11の屈折率との差は、0.1以下であり、0.05以下となることが好ましい。さらに、第1透明接着層95の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差は、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。例えば、第1透明接着層95の材料と第2透明接着層96の材料とがアクリル系樹脂(屈折率1.49)である場合、基板11の屈折率を1.39以上1.59以下とする。このような材料としては、上述したように、例えばフッ素樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等を挙げることができる。
このように、第2透明接着層96の屈折率と、基板11の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、第2透明接着層96と基板11との界面B3での可視光の反射を抑え、基板11を観察者の肉眼で視認しにくくできる。さらに、第1透明接着層95の屈折率と、第2透明接着層96の屈折率との差を0.1以下に抑えることにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B4での可視光の反射を抑え、第1透明接着層95と第2透明接着層96とを観察者の肉眼で視認しにくくできる。
とりわけ、第1透明接着層95の材料と第2透明接着層96の材料とが、互いに同一の材料であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95と第2透明接着層96との屈折率の差をより小さくし、第1透明接着層95と第2透明接着層96との界面B4での可視光の反射を抑えることができる。
また、図2において、第1透明接着層95の厚みT3と第2透明接着層96の厚みT4とのうち少なくとも一方の厚みは、基板11の厚みT1の2倍以上であっても良く、2.5倍以上であることが好ましい。このように、基板11の厚みT1に対して第1透明接着層95の厚みT3又は第2透明接着層96の厚みT4を十分に厚くすることにより、基板11と重なる領域で第1透明接着層95又は第2透明接着層96が厚み方向に変形し、基板11の厚みを吸収する。これにより、基板11の周縁において第1透明接着層95又は第2透明接着層96に段差が生じることを抑え、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。
また、第1透明接着層95の厚みT3及び第2透明接着層96の厚みT4のうち少なくとも一方の厚みは、基板11の厚みT1の10倍以下であっても良く、5倍以下であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95の厚みT3又は第2透明接着層96の厚みT4が厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
また、図2において、第1透明接着層95の厚みT3と第2透明接着層96の厚みT4とが、互いに同一であっても良い。この場合、第1透明接着層95の厚みT3及び第2透明接着層96の厚みT4は、それぞれ基板11の厚みT1の1.5倍以上であっても良く、2.0倍以上であることが好ましい。すなわち、第1透明接着層95の厚みT3及び第2透明接着層96の厚みT4の合計(T3+T4)は、基板11の厚みT1の3倍以上となる。このように、基板11の厚みT1に対して第1透明接着層95及び第2透明接着層96の厚みT3、T4の合計を十分に厚くすることにより、基板11と重なる領域で第1透明接着層95及び第2透明接着層96が厚み方向に変形(収縮)し、基板11の厚みを吸収する。これにより、基板11の周縁において第1透明接着層95又は第2透明接着層96に段差が生じることを抑え、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。
また、第1透明接着層95の厚みT3と第2透明接着層96の厚みT4とが互いに同一である場合、第1透明接着層95の厚みT3及び第2透明接着層96の厚みT4は、それぞれ基板11の厚みT1の5倍以下であっても良く、3倍以下であることが好ましい。これにより、第1透明接着層95及び第2透明接着層96の両方の厚みT3、T4が厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。
具体的には、基板11の厚みT1は、例えば1μm以上200μm以下であっても良く、10μm以上50μm以下であっても良く、15μm以上25μm以下であることが好ましい。基板11の厚みT1を1μm以上とすることにより、配線基板10の強度を保持し、後述するメッシュ配線層20の第1方向配線21及び第2方向配線22が変形しにくいようにできる。また、基板11の厚みT1を50μm以下とすることにより、基板11の周縁において第1透明接着層95及び第2透明接着層96に段差が生じることを抑え、基板11の存在を観察者が認識しにくくできる。
第1透明接着層95の厚みT3は、例えば1μm以上500μm以下であっても良く、10μm以上250μm以下であることが好ましい。第2透明接着層96の厚みT4は、例えば1μm以上500μm以下であっても良く、10μm以上250μm以下であることが好ましい。
ここで、画像表示装置用積層体70のヘイズ値は、3%以下になっている。画像表示装置用積層体70のヘイズ値が3%以下であることにより、画像表示装置用積層体70の透明性を高めることができる。このため、画像表示装置60において、画像表示装置用積層体70の存在を観察者が認識しにくくできる。このため、配線基板10の基板11を肉眼で視認しにくくできる。この場合、ヘイズ値は、JIS K 7136に準拠した方法により、例えばヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、HM-150N)を用いて測定できる。
上述したように、配線基板10と、配線基板10の基板11よりも広い面積を有する第1透明接着層95と、基板11よりも広い面積を有する第2透明接着層96とにより、画像表示装置用積層体70が構成されている。本実施の形態において、このような画像表示装置用積層体70も提供する。
カバーガラス(表面保護板)75は、第1透明接着層95上に直接的又は間接的に配置されている。このカバーガラス75は、光を透過するガラス製の部材である。カバーガラス75は、板状であり、平面視で矩形状であってもよい。カバーガラス75の厚みは、例えば200μm以上1000μm以下であっても良く、300μm以上700μm以下であることが好ましい。カバーガラス75の長手方向(Y方向)の長さは、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは100mm以上200mm以下であっても良く、カバーガラス75の短手方向(X方向)の長さは、20mm以上500mm以下、望ましくは50mm以上100mm以下であっても良い。
図1に示すように、画像表示装置60は、平面視で全体として略長方形状であり、その長手方向がY方向に平行であり、その短手方向がX方向に平行となっている。画像表示装置60の長手方向(Y方向)の長さL4は、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは100mm以上200mm以下の範囲で選択でき、画像表示装置60の短手方向(X方向)の長さL5は、例えば20mm以上500mm以下、望ましくは50mm以上100mm以下の範囲で選択できる。なお、画像表示装置60は、その角部がそれぞれ丸みを帯びていても良い。
[配線基板の構成]
次に、図3乃至図6を参照して、配線基板の構成について説明する。図3乃至図6は、本実施の形態による配線基板を示す図である。
図3に示すように、本実施の形態による配線基板10は、上述した画像表示装置60(図1及び図2参照)に用いられ、表示装置61よりも発光面64側であって、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間に配置されるものである。このような配線基板10は、透明性を有する基板11と、基板11上に設けられたプライマー層15と、プライマー層15上に配置されたメッシュ配線層20と、を備えている。また、メッシュ配線層20には、給電部40が電気的に接続されている。
このうち基板11は、平面視で略長方形状であり、その長手方向がY方向に平行であり、その短手方向がX方向に平行となっている。基板11は、透明性を有するとともに略平板状であり、その厚みは全体として略均一となっている。基板11の長手方向(Y方向)の長さL1は、例えば10mm以上200mm以下の範囲で選択でき、基板11の短手方向(X方向)の長さL2は、例えば3mm以上100mm以下の範囲で選択できる。なお、基板11は、その角部がそれぞれ丸みを帯びていても良い。
基板11の材料は、可視光線領域での透明性と電気絶縁性とを有する材料であればよい。
基板11の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいは、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、PTFE、PFA等のフッ素樹脂材料等の有機絶縁性材料を用いることが好ましい。あるいは、基板11の材料としては、シクロオレフィンポリマー(例えば日本ゼオン社製ZF-16)、ポリノルボルネンポリマー(住友ベークライト社製)等の有機絶縁性材料を用いても良い。また、基板11の材料としては、用途に応じてガラス、セラミックス等を適宜選択することもできる。なお、基板11は、単一の層によって構成された例を図示したが、これに限定されず、複数の基材又は層が積層された構造であってもよい。また、基板11はフィルム状であっても、板状であってもよい。
また、基板11の誘電正接は、0.002以下であることが好ましい。基板11の誘電正接が上記範囲であることにより、とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。
基板11の比誘電率は、2以上10以下であることが好ましい。基板11の比誘電率が2以上であることにより、基板11の材料の選択肢を多くできる。また、基板11の比誘電率が10以下であることにより、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。すなわち、基板11の比誘電率が大きくなった場合、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響が、大きくなる。また、電磁波の伝搬に悪影響がある場合、基板11の誘電正接が大きくなり、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失が大きくなり得る。これに対して、基板11の比誘電率が10以下であることにより、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響を小さくできる。このため、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。
基板11の誘電正接及び比誘電率は、IEC 62562に準拠して測定できる。具体的には、まず、メッシュ配線層20が形成されてない部分の基板11を切り出して試験片を準備する。又は、メッシュ配線層20が形成された基板11を切り出し、エッチング等によりメッシュ配線層20を除去しても良い。試験片の寸法は、幅10mmから20mm、長さ50mmから100mmとする。次に、IEC 62562に準拠し、誘電正接又は比誘電率を測定する。基板11の誘電正接及び比誘電率は、ASTM D150に準拠して測定しても良い。
また、基板11は、透明性を有している。本明細書中、「透明性を有する」とは、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であることを意味する。基板11は、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、基板11の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。基板11の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、配線基板10の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
次に、プライマー層15について説明する。プライマー層15は、メッシュ配線層20と、基板11との密着性を向上させる役割を果たす。本実施の形態では、プライマー層15は、基板11の第1面11aの略全域に設けられている。これにより、プライマー層15のパターニングが不要になる。このため、プロセス工程数を削減できる。なお、プライマー層15は、基板11の第1面11aのうち、メッシュ配線層20が設けられる領域のみに設けられていてもよい。
このプライマー層15は、高分子材料を含んでいる。これにより、メッシュ配線層20と、基板11との密着性を効果的に向上させることができる。この場合、プライマー層15の材料としては、無色透明の高分子材料を用いることができる。
プライマー層15は、アクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、メッシュ配線層20と、基板11との密着性をより効果的に向上させることができる。プライマー層15がアクリル系樹脂を含んでいる場合、アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体をモノマー成分とするポリマーが挙げられる。例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、2-エチルへキシルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ヒドロキシルアクリレート等を主成分として、これらと共重合可能なモノマー(例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、アクリロニトリル等)を共重合したポリマーを用いることができる。また、上記モノマーの他にアクリル基やメタクリル基を1分子に2個有するダイマーや、多官能ウレタンアクリレート等を添加したり、エポキシ基を1分子に2個以上有する有機分子を添加したりすることで、アクリル系樹脂を架橋することで硬化させることができる。硬化形成したプライマー層は、密着性に優れている。また、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性又は耐溶剤性、あるいはこれらの組合せに優れた機能の発現も可能である。このため、密着性が配線形成時や経時的に低下してしまうことを抑制できる。
また、プライマー層15がポリエステル系樹脂を含んでいる場合、プライマー層15は、例えば、水酸基含有ポリエステル系樹脂を、水酸基と反応する硬化剤により架橋することで硬化させて形成できる。水酸基含有ポリエステル系樹脂としては、ポリエステルポリオールが挙げられ、硬化剤としては、ポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーが挙げられる。ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーを硬化させて形成したプライマー層15は、密着性に優れている。また、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性又は耐溶剤性、あるいはこれらの組合せに優れた機能の発現も可能である。このため、密着性が経時的に低下してしまうことを抑制できる。また、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーを硬化させて形成したプライマー層15は、耐熱性に優れている。このため、プライマー層15の形成後に行われる各成膜工程等で発生する熱の影響を受けにくくすることができ、熱によるプライマー層15の白化やクラック等の発生を抑制できる。
また、好ましいポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーの例として、IPDI系、XDI系、HDI系のポリイソシアネート及び/又はポリイソシアネートプレポリマーが挙げられる。これらを用いることにより、プライマー層15が黄変してしまうことを抑制できる。ここで、IPDI系とは、イソホロンジイソシアネートとその変性形態を意味し、XDI系とは、キシリレンジイソシアネートとその変性形態を意味し、HDI系とは、ヘキサメレチンジイソシアネートとその変性形態を意味する。変性形態の例として、トリメチロールプロパン(TMP)アダクト体、イソシアヌレート体、ビュレット体、アロファネート体等が挙げられる。
また、プライマー層15の高分子材料は、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線などを高分子材料に対して照射することにより架橋することで硬化されていてもよい。これにより、プライマー層15の耐傷性及び耐熱性を向上させることができる。
また、プライマー層15は、可視光線(波長400nm以上700nm以下の光線)の透過率が85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。なお、プライマー層15の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下であっても良い。プライマー層15の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、配線基板10の透明性を高め、画像表示装置60の表示装置61を視認しやすくできる。
プライマー層15の厚みT2(Z方向の長さ、図5参照)は、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。プライマー層15の厚みT2が0.05μm以上であることにより、メッシュ配線層20と、基板11との密着性を効果的に向上させることができる。また、プライマー層15の厚みT2が0.5μm以下であることにより、配線基板10の透明性を確保できる。
次に、メッシュ配線層20について説明する。本実施の形態において、メッシュ配線層20は、アンテナとしての機能をもつアンテナパターンからなっている。図3において、メッシュ配線層20は、基板11上に1つ形成されている。また、図3に示すように、メッシュ配線層20は、基板11の全面に存在するのではなく、基板11上の一部領域のみに存在していても良い。このメッシュ配線層20は、所定の周波数帯に対応している。すなわち、メッシュ配線層20は、その長さ(Y方向の長さ)Laが特定の周波数帯に対応した長さとなっている。なお、対応する周波数帯が低周波であるほどメッシュ配線層20の長さLaが長くなる。メッシュ配線層20は、電話用アンテナ、WiFi用アンテナ、3G用アンテナ、4G用アンテナ、5G用アンテナ、LTE用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC用アンテナ、ミリ波用アンテナ等のいずれかに対応していても良い。なお、基板11上に、複数のメッシュ配線層20が形成されていても良い。この場合、複数のメッシュ配線層20の長さが互いに異なり、それぞれ異なる周波数帯に対応しても良い。あるいは、配線基板10が電波送受信機能を有していない場合、各メッシュ配線層20は、例えばホバリング(使用者がディスプレイに直接触れなくても操作可能となる機能)、指紋認証、ヒーター、ノイズカット(シールド)等の機能を果たしても良い。
メッシュ配線層20は、給電部40側の基端側部分20aと、基端側部分20aに接続された先端側部分20bとを有する。基端側部分20aと先端側部分20bとは、それぞれ平面視で略長方形状を有している。この場合、先端側部分20bの長さ(Y方向距離)は基端側部分20aの長さ(Y方向距離)よりも長く、先端側部分20bの幅(X方向距離)は基端側部分20aの幅(X方向距離)よりも広い。
メッシュ配線層20は、その長手方向がY方向に平行であり、その短手方向がX方向に平行となっている。メッシュ配線層20の長手方向(Y方向)の長さLaは、例えば3mm以上100mm以下の範囲で選択でき、メッシュ配線層20(先端側部分20b)の短手方向(X方向)の幅Waは、例えば1mm以上10mm以下の範囲で選択できる。とりわけ、メッシュ配線層20が、ミリ波送受信機能(ミリ波用アンテナとしての機能)を有するメッシュ配線層20である場合、メッシュ配線層20の長さLaは、1mm以上10mm以下、より好ましくは1.5mm以上5mm以下の範囲で選択できる。
メッシュ配線層20は、それぞれ金属線が格子形状又は網目形状に形成され、X方向及びY方向に繰り返しパターンを有している。すなわちメッシュ配線層20は、X方向に延びる部分(第2方向配線22)とY方向に延びる部分(第1方向配線21)とから構成されるパターン形状を有している。
図4に示すように、メッシュ配線層20は、アンテナとしての機能をもつ複数の第1方向配線(アンテナ配線(配線))21と、複数の第1方向配線21を連結する複数の第2方向配線(アンテナ連結配線(配線))22とを含んでいる。具体的には、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とは、全体として一体となって、格子形状又は網目形状を形成している。各第1方向配線21は、アンテナの周波数帯に対応する方向(長手方向、Y方向)に延びており、各第2方向配線22は、第1方向配線21に直交する方向(幅方向、X方向)に延びている。第1方向配線21は、所定の周波数帯に対応する長さLa(上述したメッシュ配線層20の長さ、図3参照)を有することにより、主としてアンテナとしての機能を発揮する。一方、第2方向配線22は、これらの第1方向配線21同士を連結することにより、第1方向配線21が断線したり、第1方向配線21と給電部40とが電気的に接続しなくなったりする不具合を抑える役割を果たす。
メッシュ配線層20においては、互いに隣接する第1方向配線21と、互いに隣接する第2方向配線22とに取り囲まれることにより、複数の開口部23が形成されている。また、第1方向配線21と第2方向配線22とは互いに等間隔に配置されている。すなわち複数の第1方向配線21は、互いに等間隔に配置され、そのピッチP1は、例えば10μm以上1mm以下の範囲であっても良く、10μm以上80μm以下の範囲であることが好ましい。また、複数の第2方向配線22は、互いに等間隔に配置され、そのピッチP2は、例えば10μm以上1mm以下の範囲であっても良く、10μm以上80μm以下の範囲であることが好ましい。第1方向配線21のピッチP1及び第2方向配線22のピッチP2が、それぞれ10μm以上であることにより、第1方向配線21及び第2方向配線22を肉眼で視認しにくくできる。また、第1方向配線21のピッチP1及び第2方向配線22のピッチP2が、それぞれ80μm以下であることにより、アンテナ性能が低下することを効果的に抑制できる。また、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とがそれぞれ等間隔に配置されていることにより、メッシュ配線層20内で開口部23の大きさにばらつきがなくなり、メッシュ配線層20を肉眼で視認しにくくできる。また、第1方向配線21のピッチP1は、第2方向配線22のピッチP2と等しい。このため、各開口部23は、それぞれ平面視略正方形状となっており、各開口部23からは、透明性を有するプライマー層15及び透明性を有する基板11が露出している。このため、各開口部23の面積を広くすることにより、配線基板10全体としての透明性を高めることができる。なお、各開口部23の一辺の長さL3は、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲であっても良い。なお、各第1方向配線21と各第2方向配線22とは、互いに直交しているが、これに限らず、互いに鋭角又は鈍角に交差していてもよい。また、開口部23の形状は、全面で同一形状同一サイズとするのが好ましいが、場所によって変えるなど全面で均一としなくても良い。
図5に示すように、各第1方向配線21は、その長手方向に垂直な断面(X方向断面)が略長方形形状又は略正方形形状となっている。この場合、第1方向配線21の断面形状は、第1方向配線21の長手方向(Y方向)に沿って略均一となっている。また、図6に示すように、各第2方向配線22の長手方向に垂直な断面(Y方向断面)の形状は、略長方形形状又は略正方形形状であり、上述した第1方向配線21の断面(X方向断面)形状と略同一である。この場合、第2方向配線22の断面形状は、第2方向配線22の長手方向(X方向)に沿って略均一となっている。第1方向配線21と第2方向配線22の断面形状は、必ずしも略長方形形状又は略正方形形状でなくても良く、例えば表面側(Z方向プラス側)が裏面側(Z方向マイナス側)よりも狭い略台形形状、あるいは、長手方向両側に位置する側面が湾曲した形状であっても良い。
本実施の形態において、第1方向配線21の線幅W1(X方向の長さ、図5参照)及び第2方向配線22の線幅W2(Y方向の長さ、図6参照)は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば、第1方向配線21の線幅W1は0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。また、第2方向配線22の線幅W2は、0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。第1方向配線21の線幅W1及び第2方向配線22の線幅W2が、それぞれ0.2μm以上であることにより、アンテナ性能が低下することを効果的に抑制できる。また、第1方向配線21の線幅W1及び第2方向配線22の線幅W2が、それぞれ2.0μm以下であることにより、第1方向配線21及び第2方向配線22を肉眼で視認しにくくできる。
第1方向配線21の高さH1(Z方向の長さ、図5参照)及び第2方向配線22の高さH2(Z方向の長さ、図6参照)は特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。第1方向配線21の高さH1及び第2方向配線22の高さH2は、それぞれ例えば0.1μm以上5.0μm以下の範囲で選択でき、0.2μm以上1.0μm以下であることが好ましい。第1方向配線21の高さH1及び第2方向配線22の高さH2が、それぞれ0.2μm以上であることにより、アンテナ性能が低下することを効果的に抑制できる。また、第1方向配線21の高さH1及び第2方向配線22の高さH2が、それぞれ1.0μm以下であることにより、第1方向配線21及び第2方向配線22を肉眼で視認しにくくできる。
第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、導電性を有する金属材料であればよい。本実施の形態において第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は銅であるが、これに限定されない。第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄、ニッケルなどの金属材料(含む合金)を用いることができる。また第1方向配線21及び第2方向配線22は、電解めっき法によって形成されためっき層であっても良い。
メッシュ配線層20の全体の開口率Atは、例えば87%以上100%未満の範囲であってもよい。配線基板10の全体の開口率Atをこの範囲とすることにより、配線基板10の導電性と透明性を確保できる。なお、開口率とは、所定の領域(例えばメッシュ配線層20の全域)の単位面積に占める、開口領域(第1方向配線21、第2方向配線22等の金属部分が存在せず、基板11が露出する領域)の面積の割合(%)をいう。
なお、図示しないが、プライマー層15上であって、メッシュ配線層20を覆うように保護層が形成されていても良い。保護層は、メッシュ配線層20を保護するものであり、基板11のうち少なくともメッシュ配線層20を覆うように形成される。保護層の材料としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂とそれらの変性樹脂と共重合体、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニル樹脂とそれらの共重合体、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアミド、塩素化ポリオレフィン等の無色透明の絶縁性樹脂を用いることができる。
再度図3を参照すると、給電部40は、メッシュ配線層20に電気的に接続されている。この給電部40は、略長方形状の導電性の薄板状部材からなる。給電部40の長手方向はX方向に平行であり、給電部40の短手方向はY方向に平行である。また、給電部40は、基板11の長手方向端部(Y方向マイナス側端部)に配置されている。給電部40の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄、ニッケルなどの金属材料(含む合金)を用いることができる。この給電部40は、配線基板10が画像表示装置60(図1及び図2参照)に組み込まれた際、画像表示装置60の通信モジュール63と電気的に接続される。なお、給電部40は、基板11の第1面11aに設けられているが、これに限らず、給電部40の一部又は全部が基板11の周縁よりも外側に位置していても良い。また、給電部40を柔軟に形成することにより、給電部40が画像表示装置60の側面や裏面に回り込んで、側面や裏面側で電気的に接続できても良い。
[配線基板の製造方法]
次に、図7(a)-(f)及び図8(a)-(c)を参照して、本実施の形態による画像表示装置用積層体70の製造方法について説明する。図7(a)-(f)及び図8(a)-(c)は、本実施の形態による画像表示装置用積層体70の製造方法を示す断面図である。
まず、透明性を有する基板11を準備する。
次に、図7(a)に示すように、基板11上に、プライマー層15を形成する。この際、プライマー層15は、基板11の第1面11aの略全域に形成されてもよい。プライマー層15を形成する方法としては、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、ダイコート、ナイフコート、インクジェットコート、ディスペンサーコート、キスコート、スプレーコート、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷を用いてもよい。
次に、プライマー層15上に、複数の第1方向配線21と、複数の第1方向配線21を連結する複数の第2方向配線22とを含むメッシュ配線層20を形成する。
この際、まず、図7(b)に示すように、プライマー層15の表面の略全域に金属箔51を積層する。本実施の形態において金属箔51の厚さは、0.1μm以上5.0μm以下であっても良い。本実施の形態において金属箔51は、銅を含んでいても良い。
次に、図7(c)に示すように、金属箔51の表面の略全域に光硬化性絶縁レジスト52を供給する。この光硬化性絶縁レジスト52としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ系樹脂等の有機樹脂が挙げられる。
続いて、図7(d)に示すように、絶縁層54をフォトリソグラフィ法により形成する。この場合、フォトリソグラフィ法により光硬化性絶縁レジスト52をパターニングし、絶縁層54(レジストパターン)を形成する。この際、第1方向配線21及び第2方向配線22に対応する金属箔51が露出するように、絶縁層54を形成する。
次に、図7(e)に示すように、プライマー層15の表面上の、絶縁層54に覆われていない部分に位置する金属箔51を除去する。この際、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸・塩酸等の強酸、過硫酸塩、過酸化水素若しくはこれらの水溶液、又はこれらの組合せ等を用いたウェット処理を行うことによって、プライマー層15の表面が露出するように金属箔51をエッチングする。
続いて、図7(f)に示すように、絶縁層54を除去する。この場合、過マンガン酸塩溶液やN-メチル-2-ピロリドン、酸又はアルカリ溶液等を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、金属箔51上の絶縁層54を除去する。
このようにして、基板11と、基板11上に設けられたプライマー層15と、プライマー層15上に配置されたメッシュ配線層20とを有する配線基板10が得られる。この場合、メッシュ配線層20は、第1方向配線21及び第2方向配線22を含む。その後、配線基板10が、所望の大きさに切断される。
次に、第1透明接着層95と、配線基板10と、第2透明接着層96とを互いに積層する。この際、まず、図8(a)に示すように、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)の離型フィルム91と、離型フィルム91上に積層されたOCA層92(第1透明接着層95又は第2透明接着層96)とを含むOCAシート90を準備する。このとき、OCA層92は、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を離型フィルム91上に塗布し、これを例えば紫外線(UV)等を用いて硬化した層であってもよい。この硬化性接着層用組成物には、極性基含有モノマーが含まれている。
次に、図8(b)に示すように、OCAシート90のOCA層92を配線基板10に貼合する。これにより、OCA層92によって配線基板10を挟み込む。
その後、図8(c)に示すように、配線基板10に貼合されたOCAシート90のOCA層92から離型フィルム91を剥離除去することにより、互いに積層された第1透明接着層95(OCA層92)、配線基板10及び第2透明接着層96(OCA層92)が得られる。
このようにして、第1透明接着層95と、第2透明接着層96と、配線基板10と、を備える画像表示装置用積層体70が得られる。
その後、画像表示装置用積層体70に表示装置61を積層することにより、画像表示装置用積層体70と、画像表示装置用積層体70に積層された表示装置61と、を備える画像表示装置60が得られる。
[本実施の形態の作用]
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図1及び図2に示すように、配線基板10は、表示装置61を有する画像表示装置60に組み込まれる。このとき配線基板10は、表示装置61上に配置される。配線基板10のメッシュ配線層20は、給電部40を介して画像表示装置60の通信モジュール63に電気的に接続される。このようにして、メッシュ配線層20を介して、所定の周波数の電波を送受信でき、画像表示装置60を用いて通信を行うことができる。
本実施の形態によれば、第1透明接着層95と第2透明接着層96との間の一部領域に、基板11の一部領域が配置されている。また、画像表示装置用積層体70のヘイズ値が、3%以下である。これにより、観察者が発光面64側から画像表示装置60を観察した際、画像表示装置用積層体70を肉眼で視認しにくくできる。このため、観察者が発光面64側から画像表示装置60を観察した際、配線基板10の基板11を肉眼で視認しにくくできる。とりわけ、第1透明接着層95と第2透明接着層96がそれぞれ基板11よりも広い面積を有する場合に、基板11の外縁を観察者の肉眼で視認しにくくでき、観察者が基板11の存在を認識しないようにできる。
また、本実施の形態によれば、配線基板10が、基板11と、基板11上に設けられたプライマー層15と、プライマー層15上に配置されたメッシュ配線層20とを備えている。また、基板11が、透明性を有する。さらに、メッシュ配線層20が、不透明な導電体層の形成部としての導体部と、多数の開口部とによるメッシュ状のパターンとを有している。このため、配線基板10の透明性が確保されている。これにより、配線基板10が表示装置61上に配置されたとき、メッシュ配線層20の開口部23から表示装置61を視認でき、表示装置61の視認性が妨げられることがない。
[変形例]
次に、画像表示装置用積層体70の変形例について説明する。
図9は、画像表示装置用積層体の変形例を示している。図9に示す変形例は、プライマー層15上に、メッシュ配線層20及び給電部40を覆うように保護層17が形成されている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図8に示す形態と略同一である。図9において、図1乃至図8に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示す変形例において、プライマー層15の表面上に、メッシュ配線層20及び給電部40を覆うように保護層(誘電体層)17が形成されている。保護層17は、メッシュ配線層20および給電部40を保護するものであり、プライマー層15の表面の略全域に形成されていても良い。
保護層17の厚みT5(図9参照)は、0.05μm以上1.8μm以下であっても良い。保護層17の厚みT5が0.05μm以上であることにより、保護層17の耐擦過性及び耐候性を高くできる。また、保護層17の厚みT5が1.8μm以下であることにより、画像表示装置用積層体70の厚みが厚くなりすぎることがなく、画像表示装置60の全体としての厚みを薄くできる。なお、本明細書中、保護層17の厚みT5とは、給電部40の表面から保護層17の表面までのZ方向距離をいう。
さらに、保護層17の誘電正接は、0.005以下である。これにより、保護層17がメッシュ配線層20における電波の送受信に影響を与えてしまうことを効果的に抑制できる。このため、アンテナ性能が低下してしまうことを抑制できる。なお、保護層17の誘電正接は、基板11の比誘電率を測定する方法と同様の方法により、IEC 62562又はASTM D150に準拠して測定できる。
保護層17の材料としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂とそれらの変性樹脂と共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニル樹脂とそれらの共重合体、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオレフィン等の無色透明の絶縁性樹脂を用いることができる。
保護層17は、特にアクリル樹脂又はポリエステル樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、第1方向配線21及び第2方向配線22との間の密着性、又は、プライマー層15との間の密着性をより向上ができ、第1方向配線21及び第2方向配線22の耐擦過性及び耐候性を高くできる。更には不可視性を維持し、アンテナ性能を維持できる。
さらに、保護層17は、二酸化ケイ素を含んでいることが好ましい。二酸化ケイ素は、粉末として樹脂に添加しても良い。または、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の手法により、樹脂を実質的に含有しない膜として形成しても良い。これにより、保護層17の表面の滑り性及び保護層17の反射防止性を向上できる。
このような保護層17を形成する方法としては、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、ダイコート、ナイフコート、インクジェットコート、ディスペンサーコート、キスコート、スプレーコート、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷を用いても良い。
本変形例においては、配線基板10と、保護層17と、基板11よりも広い面積を有する第2透明接着層96とにより、画像表示装置用積層体70が構成されている。本実施の形態において、このような画像表示装置用積層体70も提供する。
本変形例においても、画像表示装置用積層体70のヘイズ値が、3%以下であることにより、観察者が発光面64側から画像表示装置60を観察した際、画像表示装置用積層体70を肉眼で視認しにくくできる。これにより、観察者が発光面64側から画像表示装置60を観察した際、配線基板10の基板11を肉眼で視認しにくくできる。
次に、配線基板の変形例について説明する。
(第1変形例)
図10は、配線基板の第1変形例を示している。図10に示す変形例は、メッシュ配線層20が、アレイアンテナとして機能する点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図9に示す形態と略同一である。図10において、図1乃至図9に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示す配線基板10において、メッシュ配線層20は、アレイアンテナとして機能する。このように、メッシュ配線層20が、アレイアンテナとして機能する場合、直進性の高いミリ波を送受信するミリ波用アンテナ性能を高めることができる。
図10に示すように、メッシュ配線層20は、基板11上に4つ形成されている。また、メッシュ配線層20は、基板11上の一部領域のみに存在している。各々のメッシュ配線層20は、互いに同一形状を有していても良い。この場合、各々のメッシュ配線層20は、その長さ(Y方向の長さ)La及び幅(X方向の長さ)Waの誤差が、それぞれ10%内であることが好ましい。これにより、ミリ波用アンテナ性能を効果的に高めることができる。
(第2変形例)
図11は、配線基板の第2変形例を示している。図11に示す変形例は、第1方向配線21及び第2方向配線22の断面形状が、略長方形形状又は略正方形形状でない点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図10に示す形態と略同一である。図11において、図1乃至図10に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示す配線基板10において、第1方向配線21及び第2方向配線22の断面形状は、表面側(Z方向プラス側)が裏面側(Z方向マイナス側)よりも狭い略台形形状となっている。この場合、第1方向配線21(第2方向配線22)は、基板11の第1面11aと対面する第3面25aと、第3面25aの反対側に位置する第4面25bとを含んでいる。
本変形例では、第1方向配線21(第2方向配線22)の長手方向に垂直な断面(X方向断面(Y方向断面))において、第1方向配線21(第2方向配線22)の第4面25bの幅をWxとし、第1方向配線21(第2方向配線22)のうち最も幅が広い部分(以下、単に幅広部と記す)26の幅をWyとした場合に、
Wy≦1.15Wx
という関係を満たすことが好ましい。これにより、第1方向配線21(第2方向配線22)の長手方向に垂直な断面(X方向断面(Y方向断面))において、第4面25bと幅広部26との間に広がる面25cのX方向(Y方向)に沿った長さを短くできる。このため、第4面25b側から第1方向配線21(第2方向配線22)に入射する可視光が、面25cで散乱することを抑制できる。この結果、画像表示装置用積層体70のヘイズ値が大きくなることを抑制できる。
なお、図11に示す例においては、幅広部26は、第3面25aを構成している。しかしながら、これに限られない。例えば、図12に示すように、幅広部26が、Z方向において、第3面25aと第4面25bとの間に位置していても良い。
本変形例によれば、画像表示装置用積層体70のヘイズ値が大きくなることを抑制できるため、観察者が発光面64側から画像表示装置60を観察した際、画像表示装置用積層体70を肉眼で視認しにくくできる。このため、観察者が発光面64側から画像表示装置60を観察した際、配線基板10の基板11を肉眼で視認しにくくできる。
(第3変形例)
図13及び図14は、配線基板の第3変形例を示している。図13及び図14に示す変形例は、メッシュ配線層20の周囲にダミー配線層30が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図12に示す形態と略同一である。図13及び図14において、図1乃至図12に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示す配線基板10において、メッシュ配線層20の周囲に沿ってダミー配線層30が設けられている。このダミー配線層30は、メッシュ配線層20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
図14に示すように、ダミー配線層30は、所定の単位パターン形状をもつダミー配線30aの繰り返しから構成されている。すなわち、ダミー配線層30は、複数の同一形状のダミー配線30aを含んでおり、各ダミー配線30aは、それぞれメッシュ配線層20(第1方向配線21及び第2方向配線22)から電気的に独立している。また、複数のダミー配線30aは、ダミー配線層30内の全域にわたって規則的に配置されている。複数のダミー配線30aは、互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。すなわち各ダミー配線30aは、メッシュ配線層20、給電部40及び他のダミー配線30aから電気的に独立している。各ダミー配線30aは、それぞれ平面視略L字状である。
この場合、ダミー配線30aは、上述したメッシュ配線層20の単位パターン形状(図4参照)の一部が欠落した形状をもつ。これにより、メッシュ配線層20とダミー配線層30との相違を目視で認識しにくくでき、基板11上に配置されたメッシュ配線層20を見えにくくできる。ダミー配線層30の開口率は、メッシュ配線層20の開口率と同一であっても良く、異なっていても良いが、メッシュ配線層20の開口率に近いことが好ましい。
このように、メッシュ配線層20の周囲に、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30が配置されていることにより、メッシュ配線層20の外縁を不明瞭にできる。これにより、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線層20を見えにくくでき、画像表示装置60の使用者がメッシュ配線層20を肉眼で認識しにくくできる。
なお、図15に示すように、メッシュ配線層20が、基板11上に複数(4つ)存在する場合、各々のメッシュ配線層の周囲に、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30が配置されていてもよい。また、図16に示すように、ダミー配線層30が、複数のメッシュ配線層20を取り囲むように設けられていてもよい。図示された例においては、単一のダミー配線層30が、全て(4つ)のメッシュ配線層20を取り囲んでいる。なお、図示はしないが、複数のダミー配線層30が設けられていても良い。この場合、各々のダミー配線層30が取り囲むメッシュ配線層20の個数は、互いに異なっていても良い。
(第4変形例)
図17及び図18は、配線基板の第4変形例を示している。図17及び図18に示す変形例は、メッシュ配線層20の周囲に互いに開口率が異なる複数のダミー配線層30A、30Bが設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図16に示す形態と略同一である。図17及び図18において、図1乃至図16に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図17に示す配線基板10において、メッシュ配線層20の周囲に沿って互いに開口率が異なる複数(この場合は2つ)のダミー配線層30A、30B(第1ダミー配線層30A及び第2ダミー配線層30B)が設けられている。具体的には、メッシュ配線層20の周囲に沿って第1ダミー配線層30Aが配置され、第1ダミー配線層30Aの周囲に沿って第2ダミー配線層30Bが配置されている。このダミー配線層30A、30Bは、メッシュ配線層20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
図18に示すように、第1ダミー配線層30Aは、所定の単位パターン形状をもつダミー配線30a1の繰り返しから構成されている。また、第2ダミー配線層30Bは、所定の単位パターン形状をもつダミー配線30a2の繰り返しから構成されている。すなわち、ダミー配線層30A、30Bは、それぞれ複数の同一形状のダミー配線30a1、30a2を含んでおり、各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれメッシュ配線層20から電気的に独立している。また、ダミー配線30a1、30a2は、それぞれダミー配線層30A、30B内の全域にわたって規則的に配置されている。各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれ互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれメッシュ配線層20、給電部40及び他のダミー配線30a1、30a2から電気的に独立している。また各ダミー配線30a1、30a2は、それぞれ平面視略L字状である。
この場合、ダミー配線30a1、30a2は、上述したメッシュ配線層20の単位パターン形状(図4参照)の一部が欠落した形状をもつ。これにより、メッシュ配線層20と第1ダミー配線層30Aとの相違、及び、第1ダミー配線層30Aと第2ダミー配線層30Bとの相違を目視で認識しにくくでき、基板11上に配置されたメッシュ配線層20を見えにくくできる。第1ダミー配線層30Aの開口率は、メッシュ配線層20の開口率よりも大きく、第1ダミー配線層30Aの開口率は、第2ダミー配線層30Bの開口率よりも大きい。
なお、第1ダミー配線層30Aの各ダミー配線30a1の面積は、第2ダミー配線層30Bの各ダミー配線30a2の面積よりも大きい。この場合、各ダミー配線30a1の線幅は各ダミー配線30a2の線幅と同一であるが、これに限らず、各ダミー配線30a1の線幅は各ダミー配線30a2の線幅よりも太くても良い。また、互いに開口率が異なる3つ以上のダミー配線層を設けても良い。この場合、各ダミー配線層の開口率は、メッシュ配線層20に近いものから遠いものに向けて、徐々に大きくなることが好ましい。
このように、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30A、30Bが配置されていることにより、メッシュ配線層20の外縁をより不明瞭にできる。これにより、画像表示装置60の表面上でメッシュ配線層20を見えにくくでき、画像表示装置60の使用者がメッシュ配線層20を肉眼で認識しにくくできる。
なお、図示はしないが、メッシュ配線層20が、基板11上に複数存在する場合、各々のメッシュ配線層の周囲に、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30A、30Bが配置されていてもよい。また、ダミー配線層30A、30Bが、複数のメッシュ配線層20を取り囲むように設けられていてもよい。この場合、複数のダミー配線層30A、30Bが設けられていても良く、各々のダミー配線層30A、30Bが取り囲むメッシュ配線層20の個数は、互いに異なっていても良い。
(第5変形例)
図19は、配線基板の第5変形例を示している。図19に示す変形例は、メッシュ配線層20の平面形状が異なるものであり、他の構成は上述した図1乃至図18に示す形態と略同一である。図19において、図1乃至図18に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図19は、一変形例によるメッシュ配線層20を示す拡大平面図である。図19において、第1方向配線21と第2方向配線22とは、斜め(非直角)に交わっており、各開口部23は、平面視で菱形状に形成されている。第1方向配線21及び第2方向配線22は、それぞれX方向及びY方向のいずれにも平行でないが、第1方向配線21及び第2方向配線22のうちのいずれか一方がX方向又はY方向に平行であっても良い。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図2に示す構成をもつ画像表示装置用積層体を作製した。この場合、配線基板の基板としては、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート製基板を用いた。また、プライマー層としては、厚み0.1μmのポリエステル樹脂を用いた。また、第1方向配線及び第2方向配線として、線幅1.0μm、高さ1.0μmの銅配線を、ピッチが100μmとなるように、ポリエステル樹脂上に形成した。さらに、第1透明接着層95及び第2透明接着層96として、厚み25μmのアクリル樹脂製OCA層を用いた。このとき、第1方向配線及び第2方向配線において、Wy/Wxは、1.052であった。
(1)ヘイズ値測定試験
次に、ヘイズ値測定試験を行い、画像表示装置用積層体70のヘイズ値を測定した。この際、画像表示装置用積層体のヘイズ値は、JIS K 7136に準拠した方法により、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、HM-150N)を用いて測定した。
(2)視認性評価試験
次いで、画像表示装置用積層体における配線基板の視認性を確認した。この際、まず、10名の実験者を無作為に選出した。そして、選出された実験者が、画像表示装置用積層体を観察した。
(3)アンテナ性能評価試験
次いで、アンテナ性能評価試験を行った。この際、まず、ネットワークアナライザー(KEYSIGHT社製 E5080B ENAベクトル・ネットワーク・アナライザ)の入力端子に評価対象の配線基板を取り付け、出力端子に標準アンテナとして28GHz用ヘリカルアンテナ(キャンドックスシステムズ社製)を取り付けた。次に、28GHzにおけるS21を測定した。また、入力端子と出力端子とに上記標準アンテナを取り付け、28GHzにおけるS21を測定した。そして、入力端子と出力端子とに上記標準アンテナを取り付けた場合を基準として、入力端子に配線基板を取り付け場合に、S21がどの程度変化するかを評価した。
(実施例2)
Wy/Wxが、1.121であったこと、以外は、実施例1と同様にして画像表示装置用積層体を作製し、ヘイズ値測定試験、視認性評価試験及びアンテナ性能評価試験を行った。
(実施例3)
線幅が2.0μmであったこと、Wy/Wxが、1.138であったこと、以外は、実施例1と同様にして画像表示装置用積層体を作製し、ヘイズ値測定試験、視認性評価試験及びアンテナ性能評価試験を行った。
(実施例4)
ピッチが80μmであったこと、Wy/Wxが、1.144であったこと、以外は、実施例1と同様にして画像表示装置用積層体を作製し、ヘイズ値測定試験、視認性評価試験及びアンテナ性能評価試験を行った。
(実施例5)
高さが0.3μmであったこと、Wy/Wxが、1.022であったこと、以外は、実施例1と同様にして画像表示装置用積層体を作製し、ヘイズ値測定試験、視認性評価試験及びアンテナ性能評価試験を行った。
(実施例6)
高さが0.7μmであったこと、Wy/Wxが、1.030であったこと、以外は、実施例1と同様にして画像表示装置用積層体を作製し、ヘイズ値測定試験、視認性評価試験及びアンテナ性能評価試験を行った。
(比較例1)
高さが0.3μmであったこと、Wy/Wxが、1.180であったこと、以外は、実施例1と同様にして画像表示装置用積層体を作製し、ヘイズ値測定試験、視認性評価試験及びアンテナ性能評価試験を行った。
(比較例2)
ピッチが50μmであったこと、Wy/Wxが、1.086であったこと、以外は、実施例1と同様にして画像表示装置用積層体を作製し、ヘイズ値測定試験、視認性評価試験及びアンテナ性能評価試験を行った。
以上の結果を表1に示す。表1の視認性の欄において、「◎(excellent)」は、配線基板のぎらつきを感じた実験者が、10人中3人以下であったことを意味する。また、「×(poor)」は、配線基板のぎらつきを感じた実験者が、10人中7人以上であったことを意味する。
また、表1の性能の欄において、「◎(excellent)」は、28GHzにおけるS21が、標準アンテナに対してそれほど劣化しなかったことを意味する。また、「○(good)」は、28GHzにおけるSパラメータ(S21)が、標準アンテナに対して多少劣化したことを意味する。さらに、「×(poor)」は、28GHzにおけるSパラメータ(S21)が、標準アンテナに対して非常に劣化したことを意味する。
この結果、表1に示すように、比較例1および比較例2による画像表示装置用積層体では、ヘイズ値が3%以上であり、10人中7人以上の実験者が、配線基板のぎらつきを感じていた。これに対して、実施例1乃至実施例6による画像表示装置用積層体は、ヘイズ値が3%以下であり、配線基板のぎらつきを感じた実験者が、10人中3人以下であった。このため、本実施の形態による画像表示装置用積層体では、配線基板を肉眼で視認しにくくできることがわかった。
また、表1に示すように、比較例1による画像表示装置用積層体では、28GHzにおけるSパラメータ(S21)が、標準アンテナに対して非常に劣化していた。これに対して、実施例1乃至実施例6による画像表示装置用積層体では、標準アンテナに対する、28GHzにおけるSパラメータ(S21)の劣化を抑制できた。とりわけ、実施例1乃至実施例4による画像表示装置用積層体では、28GHzにおけるS21が、標準アンテナに対してそれほど劣化しなかった。このため、本実施の形態による画像表示装置用積層体では、アンテナ性能が低下することを効果的に抑制できることがわかった。
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。