JP7754479B2 - 平行フラックスゲートセンサ及びその製造方法 - Google Patents
平行フラックスゲートセンサ及びその製造方法Info
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Description
フラックスゲート方式の磁気センサは、微小な静磁界でも検出できるため、高感度な磁気センサなどに利用されている(例えば特許文献1に開示)。このうち平行フラックスゲートセンサは、高透磁材料からなる磁芯の周囲に励磁コイルを巻き、励磁コイルに通電することで発生する磁界によって、磁芯を磁気飽和させるので、磁芯に何等かの電気的な接合は必要なく、励磁コイル及び検出コイル(ピックアップコイルともいう)が同じ形態であるため製造が容易である利点がある。
通常、高透磁材料であるアモルファスのフィルムやワイヤなどによる磁芯は、何らかの方法で保持されており、これにコイルが回巻きされる。
同様に保持方法が適正でない場合は、外部から印加される振動、又は励磁コイルから印加される電磁力による振動が磁芯に生じる。磁芯の振動は、磁芯の局所部分に断続的にたわみを生じさせることとなり、磁芯の磁歪特性に影響を及ぼし、その結果、磁性体の磁気特性を変化させてセンサの出力が安定しないなど微小磁界の検出に支障を来たしてしまう。また、磁芯が振動すると、検出磁界との相対位置が変化するため、センサ出力に磁芯の振動によるノイズが重畳されて微小磁界の検出に支障を来たしてしまう。
また高透磁材料であるアモルファスのフィルムやワイヤなどによる磁芯を備えた小型の平行フラックスゲートセンサは、構成部品が小さく製造する際に位置合わせ等が困難であった。
また本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、平行フラックスゲートセンサの製造が容易な平行フラックスゲートセンサの製造方法を提供することにある。
前記磁芯は、たわみ又は振動を抑制する大きさの非磁性物質の支持体の間に挟持して前記支持体の両端から前記励磁コイル及び前記検出コイルを差し込んだのみであり、
前記支持体の端部は、センサ構成部材の取付溝の縁に掛ける支持片を備えたことを特徴とする平行フラックスゲートセンサを提供することにある。
上記第1の手段によれば、磁芯を支持する支持体により磁芯のたわみ又は振動を抑制できる。また支持体は、前記励磁コイル又は前記検出コイルが巻き回されたボビン、空芯に巻き回された前記励磁コイル又は前記検出コイルの取り付けガイド、保持具のいずれかの役割を果たすことができる。また、磁芯及び支持体を基板等のセンサ構成部材に容易に取り付けて位置合わせすることができる。
上記第2の手段によれば、磁芯を確実に挟持することができ、磁芯のたわみ又は振動を抑制できる。
上記第3の手段によれば、磁芯のたわみ又は振動を十分に抑制できる。
上記第4の手段によれば、支持体及び磁芯に取り付ける励磁コイル及び検出コイルの位置合わせを容易に行うことができる。
上記第5の手段によれば、励磁コイル及び検出コイルを同一部品とすることができ、励磁コイル及び検出コイルが同一部品でない場合のように、制作時に励磁コイルと検出コイルを混同する事態の防止となり、また部品点数の削減による低コスト化を実現できる。
上記第6の手段によれば、励磁コイルによって磁芯を逆方向に励磁した際に、検出コイルを並列接続して、それぞれの検出コイルに発生する誘導起電力の平均値を得ている。このため2個の磁芯の磁束変化による誘導起電力の励磁磁界成分を打ち消し、外部印加磁界を十分な精度で検出できる。
上記第7の手段によれば、励磁コイルによって磁芯を逆方向に励磁した際に、検出コイルを直列接続して、それぞれの検出コイルの発生する誘導起電力の和を得ている。このため2個の磁芯の磁束変化による誘導起電力の励磁磁界成分を打ち消し、外部印加磁界を十分な精度で検出できる。
上記第8の手段によれば、外部印加磁界を十分な精度で検出できる。
上記第9の手段によれば、磁芯の端部に発生する反磁界の効果に影響されることなく、外部印加磁界を十分な精度で検出できる。
支持体の両端から励磁コイル及び検出コイルを差し込んで中心の突き当て部に突き当てるまで移動するコイルの装着工程と、
支持体の支持片をセンサ構成部材の取付溝の縁に掛けて支持体の下部を取付溝に収納する実装工程と、
を有することを特徴とする平行フラックスゲートセンサの製造方法を提供することにある。
上記第10の手段によれば、支持体に差し込むコイルの位置合わせが突き当て部に突き当てるだけで容易に行える。また支持体を基板に実装するときには、支持体の本体から突出した支持片を引っ掛けるだけで容易に位置合わせができる。
また支持体は、前記励磁コイル又は前記検出コイルが巻き回されたボビン、空芯に巻き回された前記励磁コイル又は前記検出コイルの取り付けガイド、保持具のいずれかの役割を果たすことができる。
[平行フラックスゲートセンサ10]
図1は、本発明の平行フラックスゲートセンサの概略図である。図2は支持体及び磁芯の正面図である。図示のように本発明の平行フラックスゲートセンサ10は、フィルム又はワイヤ状の磁性金属からなり直線状の磁芯12を2個平行に配置し、それぞれの磁芯12に励磁コイル14及び検出コイル16を設けている。各磁芯12は、たわみ又は振動を抑制する大きさの非磁性物質の支持体20で支持されている。励磁コイル14は直列で互いに逆極性となるように接続され、駆動電源17により電流を流すと互いに磁界は逆向きとなるようになっている。また検出コイル16同士は並列又は直列接続され、それらは検出器18によって検出できるようになっており、励磁電流で誘起される磁界を検知できる。例えば磁性体が近くを通ることにより磁界の変動が生じて、この変動成分を検出できる。
磁芯12は、高透磁率、かつ軟磁性のアモルファス金属を用い、その形状は、フィルム又はワイヤ状である。磁芯12に対して周期的に磁気非飽和状態(=高透磁率)と、磁気飽和状態(磁気非飽和状態よりも著しく小さい透磁率)または、磁気飽和に近い状態(磁気非飽和状態に比較し、小さい透磁率)を繰り返し発生させて、磁芯12に通過する周辺磁界による磁束通過と排出を繰り返し発生させることで、周辺磁界の変化量を磁束の通過と排出の変化量に変換し、これを検出コイル16の誘導起電力の変化量に変換することで、周辺磁界の変化を検出することができる。
支持体20は、磁芯12を両側からサンドイッチ状に挟む非磁性物質である樹脂板である。支持体20は、素材に一例として安価、入手容易、加工容易性を考慮してガラスエポキシ板を用いることができる。
また支持体20は、非磁性物質である樹脂板と、絶縁性の樹脂材料を成形、塗布などの手法により樹脂モールド状に形成したものとの組み合わせとしても良い。
支持体20の厚みに関して、支持体20の厚みが大きすぎると、励磁コイル14及び検出コイル16のコイル径が大きくなりセンサ全体の小型化が図れない。一方、支持体20の厚みが小さすぎると、強度が弱く磁芯12のたわみ又は振動を抑制できないばかりか、磁芯12を支持体20で挟持して基板上に組み付けることが困難となる。
そこで本発明の支持体20の厚みは、磁芯12の厚みよりも3倍以上大きく設定している。磁芯12は通常アモルファスフィルムなどで構成され、これらアモルファスフィルムのヤング率E(a)は通常100Gpa程度である。一方、支持体20は例えばガラスエポキシ板で構成され、ヤング率E(g)は、通常20Gpa程度である。したがって、支持体20の厚みを磁芯12の厚みの3倍以上とすると、外部応力が加わった場合のひずみ量が半分以下となり、支持体を用いる効果が顕著になる。これにより、磁芯12のたわみ又は振動を十分に抑制できる。
また支持体20は、磁芯12のたわみ又は振動を抑制できるように、長さ寸法及び幅寸法の少なくとも一部、換言すると最大長が同等以上の大きさに設定している。
図3はコイル内径dと、支持体の幅寸法b、磁芯及び支持体の厚み寸法(m、l)の関係を示す説明図である。ここで励磁コイル14及び検出コイル16の内径をd、支持体20の幅寸法をb、支持体20の厚み寸法をl、磁芯12の厚み寸法をmとする。磁芯12を支持体20で挟持したときの厚み寸法をxとする。x=2l+m、かつl>3mを満たす必要がある。
またd2≧b2+x2を満たすように設定すると良い。
励磁コイル14及び検出コイル16は、同一方向及び同一回数で巻き回されている。これにより励磁コイル14および検出コイル16を同一部品とすることができ、励磁コイル14及び検出コイル16が同一部品ではない場合のように、制作時に励磁コイル14と検出コイル16を混同する事態の防止となり、また部品点数の削減による低コスト化を実現できる。
また励磁コイル14及び検出コイル16は、磁芯12の長手方向の中心Oを基点として、磁芯12の端部までの距離(L0/2)の7割以下の範囲に設置している。これにより磁芯の端部に発生する反磁界の効果に影響されることなく、外部印加磁界を十分な精度で検出できる。
図5は変形例の平行フラックスゲートセンサの説明図である。同図(A)に示す平行フラックスゲートセンサ10Aは、突き当て部24を除き支持体20と磁芯12の長さ寸法及び幅寸法を同じ長さに設定している。
同図(B)に示す平行フラックスゲートセンサ10Bは、支持体20の長さ寸法が磁芯12よりも大きく、幅寸法が一部(両端及びコイル内部)磁芯12と同じ長さに設定している。
同図(C)に示す平行フラックスゲートセンサ10Cは、支持片22の形状が同じであり、支持体20の長さ寸法の一部が磁芯12よりも一部大きく形成している。また支持体20の長手方向の一部に凹部40を設けている。凹部40は、支持体20に挟持された磁芯12が見える覗き窓、はみだし等の位置ズレを確認することができる。また突き当て部24は上部のみ形成した構成であっても良い。
上記構成による本発明の平行フラックスゲートセンサの製造方法について以下説明する。図4は本発明の平行フラックスゲートセンサの製造工程図である。
フィルムまたはワイヤ状の磁芯12と、ガラスエポキシ板を加工して長短の支持片22A,22B及び突き当て部24を備えた支持体20を用意する(図4(1)参照)。
2枚の支持体20の間に磁芯12を差し込み、磁芯12が支持体20からはみ出ないように長さ方向及び幅方向の位置合わせを行う。
磁芯12を挟持した支持体20の両端からコイルを差し込む(図4(2)参照)。支持体20両端の支持片22A,22Bは突出長さが異なり、励磁コイル14及び検出コイル16を差し込む側を任意に決められる。
差し込んだ励磁コイル14及び検出コイル16を支持体20の中心に設けた突き当て部24に突き当たるまで移動させる。これにより容易に位置合わせができる。
励磁コイル14及び検出コイル16を組み上げた支持体20を基板30の取付溝32に実装する(図4(3)参照)。
基板30の取付溝32は、あらかじめ支持体20の支持片22A,22Bを除く本体とコイルが嵌る大きさに設定してあり、鍵状の支持片22A,22Bの凸部分を取付溝32の縁に引っ掛けて支持体20の下部及び励磁コイル14及び検出コイル16を溝内に収容する。必要があれば、突出長さが異なる支持片22A、22Bの向きを確認することで、支持体20の取り付け方向を揃えることができる。
励磁コイル14及び検出コイル16のリード線を基板30の端子(不図示)に半田付けする。センサの動作確認をした後、支持体20と磁芯12の位置合わせ、すなわち磁芯12が支持体20からはみ出していないかを確認し、励磁コイル14及び検出コイル16が突き当て部24に接触しているかなどを確認する。このような位置合わせ確認をした後、シリコン樹脂34を支持体20の所定箇所に塗布して固定する(図4(4)参照)。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
12 磁芯
14 励磁コイル
16 検出コイル
17 駆動電源
18 検出器
20 支持体
22,22A,22B 支持片
24 突き当て部
30 基板
32 取付溝
34 シリコン樹脂
40 凹部
Claims (10)
- フィルム又はワイヤ状の磁性金属からなり直線状の磁芯を2個平行に配置し、それぞれの前記磁芯に励磁コイル及び検出コイルを設けた平行フラックスゲートセンサにおいて、
前記磁芯は、たわみ又は振動を抑制する大きさの非磁性物質の支持体の間に挟持して前記支持体の両端から前記励磁コイル及び前記検出コイルを差し込んだのみであり、
前記支持体の端部は、センサ構成部材の取付溝の縁に掛ける支持片を備えたことを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
前記磁芯は、長さ寸法及び幅寸法の少なくとも一部が同等以上の大きさの前記支持体で挟持されていることを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1又は請求項2に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
前記支持体の厚みは、前記磁芯の厚みよりも3倍以上大きいことを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
前記支持体は、前記励磁コイルと前記検出コイルを取り付け位置に位置合わせする幅方向に突出した突き当て部を備えたことを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
前記励磁コイル及び前記検出コイルは、同一方向及び同一回数で巻き回されていることを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
2個の前記磁芯のそれぞれに設置された前記検出コイルは、並列接続されることを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
2個の前記磁芯のそれぞれに設置された前記検出コイルは、直列接続されることを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
前記磁芯に設置された前記励磁コイル及び前記検出コイルは、前記磁芯の全長の1/10以下の距離で設置されていることを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1に記載された平行フラックスゲートセンサであって、
前記励磁コイル及び前記検出コイルは、前記磁芯の長手方向中心から前記磁芯の端部までの距離の7割以下の範囲に設置されていることを特徴とする平行フラックスゲートセンサ。 - 支持体の間に磁芯を差し込んで挟持する挟持工程と、
支持体の両端から励磁コイル及び検出コイルを差し込んで中心の突き当て部に突き当てるまで移動するコイルの装着工程と、
支持体の支持片をセンサ構成部材の取付溝の縁に掛けて支持体の下部を取付溝に収納する実装工程と、
を有することを特徴とする平行フラックスゲートセンサの製造方法。
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