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JP7757698B2 - 流体デバイス - Google Patents
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JP7757698B2 - 流体デバイス - Google Patents

流体デバイス

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Description

本発明は、流体デバイスに関する。
従来、流体中の微粒子を音響集束させる流体デバイスが知られている。
例えば、非特許文献1に開示される流体デバイスは、流路が形成された流路基板(ガラス基板)と、流路基板に設けられた圧電素子とを備えている。圧電素子で生じた超音波は、流路基板を介して流路内に伝達され、流路内の流体に定在波を生じさせる。流体中の微粒子は、定在波により形成される流体の圧力勾配により、流路内の所定範囲に捕捉される。
太田亘俊(Nobutoshi Ota)、他6名、"マイクロ流体デバイスの薄化によるマイクロナノ粒子の音響集束の強化(Enhancement in acoustic focusing of micro and nanoparticles by thinning a microfluidic device)"、2019年12月、ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス(Royal Society Open Science)、第6巻、第2号、記事番号181776
上記非特許文献1に記載の流体デバイスは、超音波による定在波によって流体中の微粒子を収束させるものであるが、外乱により定在波の発生条件が変動するため、安定的に所望の位置で微粒子を捕捉できる流体デバイスを構成することは困難であった。
本発明に係る第一態様の流体デバイスは、流体が流通する流路と、超音波を送信する超音波素子と、を備え、前記流路は、前記流路を構成する流路壁面として、前記超音波素子から送信された前記超音波を前記流体に印加する超音波印加面と、前記超音波印加面から前記流体に印加された前記超音波を反射する反射面と、を有し、前記反射面は、凹曲面形状を有する。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記反射面は、前記流体の流通方向に対して交差する面での断面視で、前記流路内に焦点を形成する放物線形状を有することが好ましい。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記超音波印加面は、前記反射面に対向していることが好ましい。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記超音波印加面は、前記反射面に対向しており、前記超音波印加面および前記反射面は、前記流体の流通方向に対して交差する面での断面視で、前記流路内の仮想点を中心とする同心の円弧形状を有することが好ましい。
第一態様の流体デバイスにおいて、複数の前記超音波素子を備え、前記流路は、複数の前記超音波素子からの各超音波を前記流体に印加する複数の前記超音波印加面と、複数の前記超音波印加面にそれぞれ対向する複数の前記反射面と、を有し、複数の前記超音波印加面および複数の前記反射面は、前記断面視で、同一の前記仮想点を中心とする同心の円弧形状を有することが好ましい。
第一態様の流体デバイスにおいて、複数の前記超音波素子から送信される超音波の位相は、互いに一致していることが好ましい。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記流路は、円形状の流路断面を成しており、前記流路断面の直径をDとし、前記超音波の周波数をfとし、前記超音波の音速をcとするとき、前記超音波印加面の幅wは、
を満たすことが好ましい。
第一実施形態の流体デバイスの一部を模式的に示す断面図。 図1のA-A線矢視断面図。 第一実施形態の流体デバイスにおける流路の収束領域を概略的に示す斜視図。 第二実施形態の流体デバイスの一部を模式的に示す斜視図。 第二実施形態の流体デバイスを模式的に示す断面図。 第二実施形態の流体デバイスにおける超音波のビーム幅を説明するための模式図。 第一実施形態の変形例に係る流体デバイスを説明する模式図。
[第一実施形態]
以下、第一実施形態の流体デバイスについて説明する。
図1は、本実施形態の流体デバイス10の一部を模式的に示す断面図であり、図2は、図1のA-A線矢視断面図である。この流体デバイス10は、流路20を形成する流路基板30と、流路基板30に設けられた超音波印加装置40とを備える。以降の説明にあたり、流路20を流れる流体Sの流れ方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とする。
本実施形態の流体デバイス10では、流路20のX方向の一部領域である収束領域Rを流通する流体Sに対して、超音波印加装置40から送信された超音波が印加され、流体S中に分散している微粒子乃至は微小繊維(以下微粒子Mと称する)が収束する。流体Sは、特に限定されないが、例えば水である。
このような流体デバイス10では、例えば、流路20に対して、流体Sを流入させる流体入口と、流路20から流体Sを流出させる流体出口とを設けることにより、流路20内の微粒子Mを濃縮することができる。
あるいは、流路20に対して、収束した微粒子Mを含む流体Sを選択的に流通させる濃縮用流路と、それ以外の流体Sを選択的に流通させる排出用流路とを設けることにより、流体Sにおける微粒子Mを濃縮することができる。
なお、図1では、流路20内で収束される微粒子Mの様子を模式的に例示している。また、図2では、微粒子Mの図示を省略し、流路20内に入射される超音波の進行方向を矢印にて示している。
(流路基板30)
流路基板30は、図1および図2に示すように、ベース基板31と、リッド基板32(図2参照)と、壁部33とを備える。ベース基板31には、X方向に沿い+Z側に凹状となる凹溝311が設けられており、リッド基板32は、ベース基板31の凹溝311を覆うように配置されている。壁部33は、凹溝311内の一方の側面に沿って配置されており、流路壁面となる反射面331を有する。流路20は、主に、リッド基板32の下面と、ベース基板31の凹溝311内の他方の側面および底面と、壁部33の反射面331とによって形成されている。
また、流路20のX方向の一部領域である収束領域Rにおいて、ベース基板31の凹溝311は、他の部分よりもY方向の幅が大きく形成された部分を含んでおり、当該部分には、壁部33の反射面331に対向するように超音波印加装置40が配置されている。
ここで、図3は、流路20の収束領域Rを概略的に示す斜視図である。なお、図3では、壁部33および超音波印加装置40を実線にて示し、ベース基板31およびリッド基板32のうち、流路20に面する部分を破線にて示している。
図3に示すように、流路20の収束領域Rは、リッド基板32の下面と、ベース基板31の凹溝311内の底面と、壁部33の反射面331と、超音波印加装置40の超音波印加面41とによって形成されている。
(反射面331)
図2に示すように、反射面331は、流体の流通方向(X方向)に対して直交する面での断面視(すなわちYZ断面視)で、Y方向に平行な軸を対称軸SLとする放物線形状を有しており、この放物線形状は、流路20内に焦点Fを形成する。
例えば、反射面331のYZ断面が以下の式(1)で表される放物線形状を有する場合、当該放物線形状の原点Oから焦点Fまでの距離は1/4aとなる。ここで、流路20は、反射面331の放物線形状の原点Oに対応する部分(底部332とする)から超音波印加面41までの最短距離が、当該底部332から焦点Fまでの距離(すなわち1/4a)よりも大きくなるように形成される。
また、図3に示すように、反射面331は、上述した放物線形状の焦点FがX方向に連続した線状焦点FLを流路20内に形成する。
このような構成では、反射面331に対して対称軸SLに沿った方向(すなわちY方向)の超音波が入射した場合、当該超音波の入射角と反射角とが当該反射面331の法線に対して対称になり、反射面331で反射した超音波は、線状焦点FL上に集まる。
(超音波印加装置40)
超音波印加装置40は、1以上の超音波素子を含んで構成され、反射面331に対して平面波となる超音波を送信する。超音波素子は、例えば、圧電アクチュエーターまたは振動板を振動子として有する。
例えば、超音波素子は、振動子として圧電アクチュエーターを有する場合、圧電アクチュエーターに対して駆動電圧を印加することで、圧電アクチュエーター自体を振動させて音波を発生させる。
また、超音波素子は、振動子として振動板を有する場合、振動板に形成された圧電薄膜に対して駆動電圧を印加することで、振動板を振動させて音波を発生させる。
あるいは、超音波素子は、振動子としての振動板と、当該振動板に対向配置された基板とを備え、振動板および基板のそれぞれに形成された電極が静電アクチュエーターを構成してもよい。この場合、超音波素子は、静電アクチュエーターに駆動電圧を印加することで、振動板を振動させて音波を発生させる。
なお、超音波印加装置40は、上述の超音波素子だけでなく、音響整合層や音響レンズなどを含んで構成されてもよい。
超音波印加装置40において超音波素子が発生させる超音波の周波数は、特に限定されないが、300kHzから50MHzの周波数帯域の超音波であることが好ましい。例えば、超音波の低周波域、具体的には10kHzから300kHzの周波数帯域では、流体Sにキャビテーションが発生するため、流体S中の微粒子Mの捕捉には不適切となる。このため、300kHz以上の周波数の超音波を利用することが好ましい。また、50MHz以下の周波数帯域の超音波を利用する場合には、超音波素子の駆動源として一般的な駆動源を利用できる。
本実施形態において、超音波印加装置40は、上述の超音波素子から送信された超音波を流体Sに印加する超音波印加面41を有する。ここで、超音波印加面41は、超音波素子を構成する振動板によって形成されてもよい。また、超音波印加装置40が音響整合層や音響レンズを含む場合、超音波印加面41は、音響整合層または音響レンズによって形成されてもよい。この超音波印加面41は、上述したように、流路20の収束領域Rを構成する流路壁面の一部となる。
また、本実施形態において、超音波印加装置40は、反射面331に向かって指向性の高い超音波を送信することが好ましい。具体的には、超音波印加装置40から送信される超音波の近距離音場限界Nは、超音波印加面41から反射面331の底部332までの最短距離よりも大きいことが望ましい。
ここで、本実施形態の超音波印加装置40から送信される超音波の近距離音場限界Nは、以下の式(2)または式(3)で表される。具体的には、超音波印加装置40の超音波素子を構成する振動板の振動領域(以降、振動部とする)の形状が円形である場合には、以下の式(2)が成り立ち、振動部の形状が矩形である場合には、以下の式(3)が成り立つ。
上記式(2)および式(3)では、超音波の周波数(Hz)をfとし、音速(m/s)をcとする。また、上記式(2)では、円形の振動部の直径(m)をdとし、上記式(3)では、矩形の振動部の長辺寸法(m)をLとする。また、上記式(3)における所定の係数kは、以下の表1ように定義される。以下の表1における寸法比は、振動部の長辺に対する短辺の寸法比であり、寸法比が1のとき、振動部の形状は正方形である。なお、寸法比の最大値は1となるため、所定の係数kの最大値は1.37となる。
(微粒子Mの捕捉)
以上の構成によれば、超音波印加面41から流体Sに印加された超音波は、反射面331に対して、対称軸SLに沿った方向(すなわちY方向)に入射する。反射面331で反射された超音波は、線状焦点FL上に集中し、互いに強め合う干渉を生じる。これにより、線状焦点FL上には音圧が集中し、微粒子Mが線状焦点FL上に留まるような音圧勾配が発生し、線状焦点FL付近に流体S内の微粒子Mが捕捉される。
(第一実施形態の効果)
本実施形態の流体デバイス10は、上述したように、流体Sが流通する流路20と、超音波を送信する超音波印加装置40と、を備え、流路20は、流路壁面として、超音波を流体Sに印加する超音波印加面41と、超音波印加面41から流体Sに印加された超音波を反射する反射面331と、を有し、反射面331は、凹曲面形状を有する。特に、本実施形態において、反射面331のYZ断面は、流路20内に焦点Fを形成する放物線形状を有する。
このような構成によれば、反射面331は、焦点Fが連続した線状焦点FLを流路20内に形成し、反射面331で反射された超音波は、流路20内の線状焦点FLに集中する。これにより、流路20内の線状焦点FL付近に強い音圧が作用する領域を生じさせ、当該領域に微粒子Mを捕捉することができる。
よって、本実施形態の流体デバイス10では、発生条件の厳しい定在波を生じさせる必要がなく、所望の位置で微粒子Mを捕捉することが容易である。
また、本実施形態の流体デバイス10において、超音波印加面41は、反射面331に対向している。このような構成によれば、超音波印加面41から送信された超音波が反射面331に対して放物線形状の対称軸SLに沿って入射し易いため、超音波を流路20内の線状焦点FLに好適に集中させることができる。その結果、微粒子Mをより好適に捕捉することができる。
以上の流体デバイス10は、流体S中に含まれる微粒子Mを適切に分離可能であり、流体デバイス10の利用の幅を広げることができる。例えば、洗濯機や台所から排出される生活排水を流体デバイス10に流入させることで、生活排水に含まれる微粒子Mを分離することができる。この場合、洗濯水中に含まれる微細なプラスチック繊維や、台所の排水に含まれる洗剤の研磨紛等を分離することができ、プラスチックゴミ等の有害物質による環境被害を抑制することも可能となる。
また、流体デバイス10は、工業製品や医薬品等の媒質中に分散した微粒子Mの分離、および、液中の細胞やウイルスの分離などにも好適に利用できる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態の流体デバイスについて、図4~図6を参照して説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省略または簡略化する場合がある。
図4は、第二実施形態の流体デバイス10Aの一部を模式的に示す斜視図であり、図5は、第二実施形態の流体デバイス10Aを流体Sの流通方向に直交する面で切断した断面図である。
図4および図5に示すように、流体デバイス10Aは、筒部材50と、筒部材50に設けられた複数の超音波印加装置40と、を備え、流体SをX方向に流通させる流路20Aを形成している。この流体デバイス10Aでは、第一実施形態と同様、流路20のX方向の一部領域である収束領域Rを流通する流体Sに対して、超音波印加装置40から送信された超音波が印加されることで、流体S中に分散している微粒子Mが収束する。
筒部材50は、X方向に沿った中心軸Cを有する筒形状を有しており、流体デバイス10Aにおける流路20Aは、主に、筒部材50の内周面51によって形成される。筒部材50の内周面51は、流体Sの流通方向に直交する面での断面視(すなわちYZ断面視)で、中心軸Cを中心とする円形状を有する。
超音波印加装置40は、第一実施形態と同様の構成を有する。本実施形態において、超音波印加装置40は、筒部材50に形成された貫通孔内に配置され、流路壁面となる超音波印加面41を有する。すなわち、本実施形態では、流路20の収束領域Rは、筒部材50の内周面51と、超音波印加装置40の超音波印加面41とによって形成される。
また、複数の超音波印加装置40は、筒部材50の中心軸Cを中心とする同一の円周上の互いに異なる位置に配置され、互いに位相が揃った超音波を送信するものとする。
本実施形態において、複数の超音波印加装置40の各超音波印加面41は、流体Sの流通方向に直交する面での断面視(すなわちYZ断面視)で、筒部材50の内周面51と同一円の円弧形状を成していることが好ましい。このような超音波印加面41は、筒部材50の中心軸Cに向かって、筒部材50の径方向に超音波を印加する。また、このような超音波印加面41は、例えば、超音波印加装置40を構成する音響整合層や音響レンズなどによって形成されることが好ましい。
また、本実施形態において、超音波印加装置40は、指向性の高い超音波を送信することが好ましい。具体的には、超音波印加装置40から送信される超音波の近距離音場限界Nは、筒部材50の内周面51の直径(すなわち流路断面の直径)である流路径Dよりも大きいことが好ましい。なお、近距離音場限界Nを求める式は、上述の第一実施形態で説明した式(2)または式(3)を利用できる。
以上の構成によれば、超音波印加面41から流体Sに印加された超音波は、筒部材50の中心軸Cを通過し、超音波印加面41に対向する筒部材50の内周面51の領域(すなわち反射面511)に到達する。この超音波は、反射面511に対して入射角0°で入射し、当該反射面511で反射されることで、入射方向とは180°向きを変えて進み、再び、流路20A内の中心軸Cを通過する。このため、超音波印加面41から流体Sに印加された超音波、および、反射面511で反射された超音波のそれぞれは、中心軸C上に集中し、互いに強め合う干渉を生じる。
ここで、本実施形態の筒部材50には、複数(例えば3つ)の超音波印加装置40が設けられており、筒部材50の内周面51は、各超音波印加面41に対向する複数(例えば3つ)の反射面511を含む。これら内周面51および反射面511の各YZ断面は、同一円の円弧形状を有する。
よって、本実施形態では、図5に示すように、1つの超音波印加面41からの超音波だけでなく、複数の超音波印加面41からの超音波が、中心軸C付近で重なり合う。さらに、複数の反射面511からの超音波も同様に、中心軸C付近で重なり合う。なお、複数の超音波印加面41からの超音波の位相は互いに揃えられているため、複数の超音波印加面41からの超音波、および、複数の反射面511からの超音波は、中心軸C付近で重なり合うことで、互いに強め合う干渉を生じる。
したがって、本実施形態では、流路20A内の中心軸C付近に音圧が集中し、微粒子Mが中心軸C付近に留まるような音圧勾配が発生し、流体S内の微粒子Mが捕捉される。
また、本実施形態では、超音波印加面41から印加される超音波のビーム幅として、好適なビーム幅の範囲が存在する。
具体的には、超音波印加装置40における円形の振動部の直径dまたは矩形の振動部の長辺寸法Lが超音波のビーム幅wに等しいとし、上記式(2)にてK=kf/4cとした場合(または上記式(3)にてK=f/4cとした場合)、以下の式(4)が成り立つ。
そして、流路径Dが近距離音場限界Nよりも小さいことを条件とした場合、以下の式(5)~(7)により、ビーム幅wの下限が規定できる。
また、任意の超音波印加面41からの超音波が入射波として反射面511に到達したとき、当該反射面511から出射する反射波が当該任意の超音波印加面41の隣の超音波印加面41に直接到達しないことを条件とした場合、ビーム幅wの上限が規定できる。
例えば、図6は、図中の真ん中に配置された超音波印加面41からの超音波の拡散を模式的に示す図である。
図6において、入射波が到達する反射面511が成す円弧の角度θは、幾何学的に以下の式(8)により表される。
また、図6において、反射波が到達する内周面51の領域が成す円弧の角度φoは、幾何学的に以下の式(9)により表される。
なお、上記式(9)中のφは、図6において反射面の両端を成す点A,Bと、反射波が一度収束する点Pとをそれぞれ結ぶことで形成される角度である。点Pでは、反射波が一度収束するが、互いの位相がずれているため、強め合う干渉は生じないものとする。
ここで、反射波が隣の超音波印加面41に直接到達しないためには、以下の式(10)を満たすことが必要である。なお、以下の式(10)において、φは、隣り合う超音波印加面41の中心軸同士が成す角度であり、超音波印加面41の中心軸は、円筒部の中心軸Cに交差するものとする。また、φの最大値は、2つの超音波印加装置40が円筒部の中心軸Cを挟んで対向する配置ときの角度、すなわち180°である。
上記式(8)~(10)によれば、以下の式(11)~(13)が成り立つ。
よって、上記式(7)および上記式(13)により、ビーム幅wは、以下の式(14)により表される。
ここで、上記式(14)を満たす一例について説明する。
ビーム幅wの下限である
について、K=kf/4c、k≦1.37とした場合、下記式(15)が成り立つ。
また、ビーム幅wの上限である
について、φの最大値は180°とした場合、下記式(16),(17)が成り立つ。
上記式(15),(17)を上記式(14)に代入すると、下記式(18)が成り立つ。
よって、本実施形態において、ビーム幅wは、上記式(18)を満たすことが好ましい。なお、ビーム幅wは、超音波印加面41の幅、具体的には超音波印加装置40における円形の振動部の直径Dまたは矩形の振動部の長辺寸法Lに等しいものとする。
(第二実施形態の効果)
本実施形態の流体デバイス10Aは、第一実施形態と同様、凹曲面形状の反射面511を有している。また、超音波印加面41は、反射面511に対向しており、超音波印加面41および反射面511は、YZ断面視で、流路20内の中心軸C(流路20内の仮想点に相当)を中心とする同心の円弧形状を有する。
このような構成によれば、超音波印加面41から印加された超音波および反射面511で反射された超音波のそれぞれが流路20内の中心軸C付近に集まることで、流路20内に強い音圧が作用する領域を生じさせ、当該領域に微粒子Mを捕捉することができる。
よって、本実施形態の流体デバイス10Aにおいても、第一実施形態と同様、発生条件の厳しい定在波を生じさせる必要がなく、所望の位置で微粒子Mを捕捉することが容易である。
本実施形態の流体デバイス10Aにおいて、流路20は、複数の超音波印加面41と、複数の超音波印加面41にそれぞれ対向する複数の反射面511と、を有しており、複数の超音波印加面41および複数の反射面511は、流路20内の中心軸C(同一の仮想点に相当)を中心とする同心の円弧形状を有する。このような構成によれば、複数の超音波印加面41から印加された各超音波と、複数の反射面511で反射された各超音波とが流路20内の中心軸C付近に集まることで、より強い音圧が作用する領域を流路20内に生じさせることができ、微粒子Mを好適に捕捉することができる。
本実施形態の流体デバイス10Aにおいて、複数の超音波印加面41から流体Sに印加される超音波の位相は、互いに一致している。このような構成によれば、流路20内の中心軸C付近に集まる超音波は、互いに強め合う干渉を好適に生じることができる。
本実施形態の流体デバイス10Aにおいて、超音波印加面41の幅(すなわちビーム幅w)は、上述の式(14)、特に上記式(18)を満たすことが好ましい。このような構成によれば、隣接する超音波印加面41同士が悪影響を及ぼすことなく、かつ、対応する反射面511に向かって指向性の高い超音波を出射することができる。これにより、微粒子Mを好適に捕捉することができる。
[変形例]
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、および各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
第一実施形態および第二実施形態では、超音波印加装置40が流路壁面となる超音波印加面41を有するが、超音波印加装置40と流体Sとの間に壁部材が配置され、当該壁部材が流路壁面となる超音波印加面を有してもよい。すなわち、超音波印加装置40から送信された超音波が壁部材を介して流体Sに印加されてもよい。
第一実施形態の流体デバイス10では、平面状の超音波印加面41を有する1つの超音波印加装置40が設けられている。この変形例として、図7の模式図に示すように、流路壁面を成す壁部材60を採用し、この壁部材60に対して複数の超音波印加装置40が設けられてもよい。この場合、壁部材60は、複数の超音波印加装置40から送信される各超音波を流体Sに印加する超音波印加面61を有している。また、複数の超音波印加装置40は、それぞれの位置に応じて送信波の位相を互いにシフトさせることにより、超音波印加面61から反射面331に向かう平面波Wを形成することが好ましい。
第二実施形態では、超音波印加面41および反射面511が同一円の円弧形状を有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、超音波印加面41および当該超音波印加面41に対向する反射面511は、互いに径の異なる同心円の円弧形状を有していてもよい。
また、第二実施形態の流体デバイス10Aは、複数の超音波印加面41と、各超音波印加面41に対向する複数の反射面511を有するが、本発明はこれに限られず、1つの超音波印加面41と、当該超音波印加面41に対向する1つの反射面511を有してもよい。
第一実施形態では、流路壁面となる反射面331がYZ断面視で放物線形状を有しており、第二実施形態では、流路壁面となる反射面511がYZ断面視で円弧形状を有しているが、本発明はこれらに限られない。すなわち、第一実施形態の反射面331または第二実施形態の反射面511は、任意の凹曲面形状を有するものであればよい。
[本開示のまとめ]
本発明に係る第一態様の流体デバイスは、流体が流通する流路と、超音波を送信する超音波素子と、を備え、前記流路は、前記流路を構成する流路壁面として、前記超音波素子から送信された前記超音波を前記流体に印加する超音波印加面と、前記超音波印加面から前記流体に印加された前記超音波を反射する反射面と、を有し、前記反射面は、凹曲面形状を有する。
このような構成によれば、凹曲面形状の反射面で反射された超音波は、流路内に互いに強め合う干渉を生じることで、強い音圧が作用する領域を生じさせ、当該領域に微粒子を捕捉することができる。よって、発生条件の厳しい定在波を生じさせる必要がなく、所望の位置で微粒を捕捉することが容易な流体デバイスを提供できる。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記反射面は、前記流体の流通方向に対して交差する面での断面視で、前記流路内に焦点を形成する放物線形状を有することが好ましい。このような構成では、反射面は、焦点が連続した線状焦点を流路内に形成し、反射面で反射された超音波は、流路内の線状焦点に集中する。これにより、流路内の線状焦点付近に強い音圧が作用する領域を好適に生じさせることができる。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記超音波印加面は、前記反射面に対向していることが好ましい。このような構成によれば、超音波印加面から送信された超音波が反射面に対して放物線形状の対称軸に沿って入射し易いため、超音波を流路内の線状焦点に好適に集中させることができる。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記超音波印加面は、前記反射面に対向しており、前記超音波印加面および前記反射面は、前記流体の流通方向に対して交差する面での断面視で、前記流路内の仮想点を中心とする同心の円弧形状を有することが好ましい。このような構成によれば、超音波印加面から印加された超音波および反射面で反射された超音波のそれぞれが流路内の仮想点付近に集まることで、流路内に強い音圧が作用する領域を生じさせ、当該領域に微粒子を捕捉することができる。
第一態様の流体デバイスは、複数の前記超音波素子を備え、前記流路は、複数の前記超音波素子からの各超音波を前記流体に印加する複数の前記超音波印加面と、複数の前記超音波印加面にそれぞれ対向する複数の前記反射面と、を有し、複数の前記超音波印加面および複数の前記反射面は、前記断面視で、同一の前記仮想点を中心とする同心の円弧形状を有することが好ましい。このような構成によれば、複数の超音波印加面から印加された各超音波と、複数の反射面で反射された各超音波とが流路内の仮想点付近に集まることで、より強い音圧が作用する領域を流路内に生じさせることができる。
第一態様の流体デバイスにおいて、複数の前記超音波素子から送信される超音波の位相は、互いに一致していることが好ましい。このような構成によれば、流路内の仮想点付近に集まる超音波は、互いに強め合う干渉を好適に生じることができる。
第一態様の流体デバイスにおいて、前記流路は、円形状の流路断面を成しており、前記流路断面の直径をDとし、前記超音波の周波数をfとし、前記超音波の音速をcとするとき、前記超音波印加面の幅wは、
を満たすことが好ましい。このような構成によれば、隣接する超音波印加面同士が悪影響を及ぼすことなく、かつ、対応する反射面に向かって指向性の高い超音波を出射することができる。これにより、微粒子を好適に捕捉することができる。
10,10A…流体デバイス、20,20A…流路、30…流路基板、31…ベース基板、311…凹溝、32…リッド基板、33…壁部、331…反射面、332…底部、40…超音波印加装置、41…超音波印加面、50…筒部材、51…内周面、511…反射面、60…壁部材、61…超音波印加面、C…中心軸、D…流路径、F…焦点、FL…線状焦点、M…微粒子、R…収束領域、S…流体、SL…対称軸、w…ビーム幅。

Claims (2)

  1. 流体が流通する流路と、
    超音波を送信する複数の超音波素子と、を備え、
    前記流路は、前記流路を構成する流路壁面として、複数の前記超音波素子から送信された前記超音波を前記流体に印加する複数の超音波印加面と、複数の前記超音波印加面に対向し、複数の前記超音波印加面から前記流体に印加された前記超音波を反射する複数の反射面と、を有し、
    複数の前記超音波印加面および複数の前記反射面は、前記流体の流通方向に対して交差する面での断面視で、前記流路内の同一の仮想点を中心とする同心の円弧形状を有し、
    前記流路は、円形状の流路断面を成しており、
    前記流路断面の直径をDとし、前記超音波の周波数をfとし、前記超音波の音速をcとするとき、前記超音波印加面の幅wは、
    を満たす、流体デバイス。
  2. 複数の前記超音波素子から送信される前記超音波の位相は、互いに一致している、請求項に記載の流体デバイス。
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