[第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図14を用いて説明する。
以下の説明において、前後方向は、車両の前後方向を意味し、上下方向は、車両の上下方向を意味し、左右方向は、車両の幅方向を意味する。左右方向は、後述するラック軸11およびラック収容部14の軸方向に一致する。ラック軸11およびラック収容部14の軸方向に関して一方側は、図1、図3、図4、および図8における左側であり、ラック軸11およびラック収容部14の軸方向に関して他方側は、図1、図3、図4、および図8における右側である。
本例の電動パワーステアリング装置1は、デュアルピニオン式である。すなわち、本例の電動パワーステアリング装置1は、1本のラック軸11、および、2本のピニオン軸である操舵側ピニオン軸10およびアシスト側ピニオン軸13を備え、操舵側ピニオン軸10からラック軸11に操舵力を入力し、アシスト側ピニオン軸13からラック軸11にアシスト駆動力を入力する形式の電動パワーステアリング装置である。
本例の電動パワーステアリング装置1は、図1に全体構成を示すように、ステアリングホイール2と、ステアリングシャフト3と、ステアリングコラム4と、1対の自在継手5a、5bと、中間シャフト6と、ハウジング7(図1では図示省略、図2参照)と、操舵機構部8と、アシスト機構部9とを備える。
ステアリングシャフト3は、車体に支持されたステアリングコラム4の内側に、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト3の後端部には、運転者が回転操作するステアリングホイール2が取り付けられている。ステアリングシャフト3の前端部は、自在継手5a、中間シャフト6および別の自在継手5bを介して、操舵機構部8を構成する操舵側ピニオン軸10に接続されている。このため、操舵側ピニオン軸10には、ステアリングホイール2の回転運動が伝達される。操舵側ピニオン軸10の回転運動は、操舵機構部8を構成するラック軸11の軸方向の直線運動に変換される。これにより、左右の操舵輪12に、ステアリングホイール2の回転操作量に応じた舵角が付与される。電動パワーステアリング装置1は、アシスト機構部9を構成するアシスト側ピニオン軸13を介してラック軸11にアシスト駆動力を付与することにより、運転者がステアリングホイール2を回転操作するのに必要な操舵力を軽減する。
本例では、ハウジング7は、アルミニウム合金などの軽合金をダイキャスト成形することにより一体的に造られた鋳造品であり、車体に固定される。本発明を実施する場合には、ハウジングを、複数の部品を互いに結合固定して構成することもできる。本例では、ハウジング7は、図2に示すように、ラック収容部14と、操舵側ピニオン収容部15と、アシスト側ピニオン収容部16と、操舵側ガイド収容部17と、アシスト側ガイド収容部18と、ギヤハウジング部19と、複数の取付部20a、20bとを備える。
ラック収容部14は、操舵機構部8を構成するラック軸11の軸方向中間部を収容する部分であって、円筒形状を有しており、左右方向に伸長している。
操舵側ピニオン収容部15は、操舵側ピニオン軸10の先半部を収容する部分であって、ラック収容部14の軸方向一方側部分の周方向一部に配置されている。より具体的には、操舵側ピニオン収容部15は、ラック収容部14の軸方向一方側部分の前側部に配置されており、上側の端部のみが開口した有底円筒形状を有する。操舵側ピニオン収容部15は、ラック収容部14に対し、ねじれの位置関係に配置されている。つまり、操舵側ピニオン収容部15の中心軸とラック収容部14の中心軸とは、ねじれの位置関係にある。ラック収容部14の中心軸と操舵側ピニオン収容部15の中心軸とのいずれにも直交する方向である前後方向から見て、操舵側ピニオン収容部15の中心軸は、ラック収容部14の中心軸に対して直交する方向には配置されておらず、該直交する方向に対し傾斜している。操舵側ピニオン収容部15の内部空間は、ラック収容部14の内部空間に連通している。
アシスト側ピニオン収容部16は、アシスト側ピニオン軸13を収容する部分であって、ラック収容部14の軸方向他方側部分の周方向一部に配置されている。より具体的には、本例では、アシスト側ピニオン収容部16は、ラック収容部14の軸方向他方側部分の前側部に配置されており、上下方向の両側の端部が開口した円筒形状を有する。アシスト側ピニオン収容部16は、ラック収容部14に対しねじれの位置関係に配置されている。つまり、アシスト側ピニオン収容部16の中心軸とラック収容部14の中心軸とは、ねじれの位置関係にある。ラック収容部14の中心軸とアシスト側ピニオン収容部16の中心軸とのいずれにも直交する方向である前後方向から見て、アシスト側ピニオン収容部16の中心軸は、ラック収容部14の中心軸に対して直交する方向には配置されておらず、該直交する方向に対し傾斜している。アシスト側ピニオン収容部16の内部空間は、ラック収容部14の内部空間に連通している。本発明を実施する場合には、アシスト側ピニオン収容部の中心軸を、ラック収容部の中心軸に対して直交する方向に配置することもできる。
操舵側ガイド収容部17は、後述の操舵側ラックガイド24を収容する部分であって、ラック収容部14のうち、操舵側ピニオン収容部15に対して直径方向反対側となる部分に配置されている。すなわち、本例では、操舵側ガイド収容部17は、ラック収容部14のうち、操舵側ピニオン収容部15と同じ軸方向位置の後側部に配置されている。操舵側ガイド収容部17は、円筒形状を有しており、ラック収容部14の中心軸を中心とする放射方向に伸長している。すなわち、本例では、操舵側ガイド収容部17は、前後方向に伸長している。操舵側ガイド収容部17の内部空間も、ラック収容部14の内部空間に連通している。
アシスト側ガイド収容部18は、後述のアシスト側ラックガイド37を収容する部分であって、ラック収容部14のうち、アシスト側ピニオン収容部16に対して直径方向反対側となる部分に配置されている。すなわち、本例では、アシスト側ガイド収容部18は、ラック収容部14のうち、アシスト側ピニオン収容部16と同じ軸方向位置の後側部に配置されている。アシスト側ガイド収容部18は、円筒形状を有しており、ラック収容部14の中心軸を中心とする放射方向に伸長している。すなわち、本例では、アシスト側ガイド収容部18は、前後方向に伸長している。アシスト側ガイド収容部18の内部空間も、ラック収容部14の内部空間に連通している。
ギヤハウジング部19は、アシスト機構部9を構成する後述のウォーム減速機38を収容する部分であり、ウォーム収容部21とホイール収容部22とを備える。
ホイール収容部22は、ウォーム減速機38を構成するウォームホイール50を収容する部分であって、アシスト側ピニオン収容部16と軸方向に隣接して配置されている。具体的には、本例では、ホイール収容部22は、アシスト側ピニオン収容部16の上側に配置されている。ホイール収容部22は、略円筒形状を有しており、アシスト側ピニオン収容部16と同軸に配置されている。
ウォーム収容部21は、ウォーム減速機38を構成するウォーム49を収容する部分であって、ホイール収容部22の周方向一部に配置されている。具体的には、本例では、ウォーム収容部21は、ホイール収容部22の前側部に配置されている。ウォーム収容部21は、有底円筒形状を有しており、本例では、ラック収容部14の軸方向に関して一方側の端部に開口部を有する。ウォーム収容部21は、開口側の端部、すなわち、ラック収容部14の軸方向に関して一方側の端部に、径方向外側に向けて突出した取付フランジ23を有する。ウォーム収容部21の内部空間とホイール収容部22の内部空間とは、互いに連通している。
複数の取付部20a、20bは、ハウジング7を車体に固定するために用いられる。本例では、複数の取付部20a、20bは、ラック収容部14の軸方向両側の端部の前側に配置された2つの取付部20a、および、ラック収容部14の軸方向中間部の後側に配置された2つの取付部20bからなる。ハウジング7は、取付部20a、20bのそれぞれを挿通したボルトやスタッドなどの固定部材を利用して、車体に固定される。
操舵機構部8は、操舵側ピニオン軸10と、ラック軸11と、操舵側ラックガイド24とを有し、ステアリングホイール2の回転運動を、ラック軸11の軸方向の直線運動に変換する。
操舵側ピニオン軸10は、炭素鋼などの金属製の軸部材である。操舵側ピニオン軸10は、図1および図5に示すように、先半部の外周面に、ラック軸11の操舵側ラック28と噛合する操舵側ピニオン25を有する。
本例では、操舵側ピニオン25は、少なくとも操舵側ラック28と重なる歯幅方向範囲α(図5参照)において、歯の歯面のうち少なくとも歯筋方向の片側(操舵側ピニオン軸10の先端側、図5における下側)の半部に、クラウニング加工が施されている。この点について、図6(a)および図6(b)を用いて説明する。
図6(a)は、歯幅方向範囲αにおいて、操舵側ピニオン25を構成する歯55を径方向外側から見た図であり、図6(b)は、図6(a)のB-B断面図である。なお、図6(a)では、実際には螺旋方向に伸長する歯55を、便宜的に、直線方向に伸長する態様で描いている。操舵側ピニオン25は、所定の大きさのねじれ角を有する。すなわち、歯55の歯筋方向は、操舵側ピニオン軸10の軸方向に対して該ねじれ角の分だけ傾斜している。本例では、歯55の歯厚方向両側の側面である歯面56は、歯元側から歯先側に向かうにしたがって歯55の歯厚が小さくなる方向に曲線的に傾斜している。特に、本例では、歯面56は、歯幅方向範囲αにおいて、歯筋方向の片側(図6(a)における下側)の半部にクラウニング加工が施されている。すなわち、該歯面56の歯筋方向の片側の半部は、歯筋方向の片側に向かうにしたがって歯厚が曲線的または直線的(図示の例では曲線的)に減少する方向に傾斜したクラウニング形状を有する。したがって、本例では、歯55の歯厚は、歯幅方向範囲αにおいて、歯筋方向の他側(図6(a)における上側)の半部では一定であり、歯筋方向の片側では歯筋方向の片側に向かうにしたがって減少している。歯面56は、歯幅方向範囲αにおいて、歯筋方向の全長にわたり滑らかに連続しており、片側の半部と他側の半部との境界部を含めて、歯筋方向の途中に尖った角部を有していない。なお、操舵側ピニオンの歯の歯面に関しては、歯筋方向の両側の端部のうち、片側(操舵側ピニオン軸の先端側)の端部にしかクラウニング加工を施すことができず、他側(操舵側ピニオン軸の基端側)の端部にはクラウニング加工を施すことができない。このため、本例では、歯幅方向範囲αにおいて、操舵側ピニオン25の歯55の歯面56のうち、歯筋方向の片側(操舵側ピニオン軸の先端側)の半部にのみ、クラウニング加工を施している。
操舵側ピニオン軸10は、操舵側ピニオン収容部15の内側に、軸受26a、26bを用いて回転自在に支持されている。操舵側ピニオン軸10の中心軸は、操舵側ピニオン収容部15の中心軸と同軸に配置されている。操舵側ピニオン軸10は、ステアリングホイール2に対し、自在継手5a、5bおよび中間シャフト6などを介して接続されており、ステアリングホイール2の回転操作により回転駆動される。操舵側ピニオン軸10の回転運動は、ラック軸11の直線運動に変換され、ラック軸11の軸方向両側の端部に接続されたタイロッド27を押し引きする。これにより、左右の操舵輪12に舵角が付与される。
ラック軸11は、炭素鋼などの金属製の棒状部材である。ラック軸11は、軸方向を左右方向に向けて配置される。ラック軸11は、図7および図8に示すように、軸方向一方側部分の外周面の周方向一部に、操舵側ピニオン軸10の操舵側ピニオン25と噛合する操舵側ラック28を有し、かつ、軸方向他方側部分の外周面の一部に、アシスト側ピニオン軸13のアシスト側ピニオン41と噛合するアシスト側ラック29を有する。本例では、操舵側ラック28とアシスト側ラック29との、ラック軸11の周方向に関する配置の位相は、製造誤差による位相ずれを除き、実質的に互いに等しい。具体的には、本例では、操舵側ラック28およびアシスト側ラック29は、ラック軸11の前側面に配置されている。ただし、本発明を実施する場合には、操舵側ラック28とアシスト側ラック29との、ラック軸11の周方向に関する配置の位相を、製造誤差による位相ずれを超える大きさで、互いに異ならせることもできる。
本例では、操舵側ラック28は、操舵側ピニオン25と重なる歯幅方向範囲α(図5参照)、すなわち、歯幅方向の全範囲において、歯の歯面にクラウニング加工が施されていない。この点について、図9を用いて説明する。
図9は、操舵側ラック28を構成する歯57の斜視図である。操舵側ラック28は、所定の大きさのねじれ角を有する。すなわち、歯57の歯筋方向は、ラック軸11の軸方向に対して直交しておらず、ラック軸11の軸方向に直交する方向(図8における上下方向)に対し、該ねじれ角の分だけ傾斜している。本例では、歯57の歯厚方向両側の側面である歯面58は、歯元側から歯先側に向かうにしたがって歯57の歯厚が小さくなる方向に直線的に傾斜している。本例では、歯面58は、全体的に、クラウニング加工が施されていない。すなわち、歯面58は、歯筋方向に対して傾斜していない。このため、歯57の歯厚は、歯筋方向の全長にわたり一定である。
本例では、アシスト側ラック29は、アシスト側ピニオン41と重なる歯幅方向範囲β(図11参照)、すなわち、歯幅方向の全範囲において、歯の歯面にクラウニング加工が施されていない。この点について、図10を用いて説明する。
図10は、アシスト側ラック29を構成する歯59の斜視図である。本例では、アシスト側ラック29も、所定の大きさのねじれ角を有し、歯59の歯面60が、歯元側から歯先側に向かうにしたがって歯59の歯厚が小さくなる方向に直線的に傾斜している。また、歯面60は、全体的に、クラウニング加工を施されておらず、歯筋方向に対して傾斜していない。
ラック軸11は、軸方向両側の端部のそれぞれに、軸方向端面に開口するねじ孔30を有する。
本例では、ラック軸11の製造のしやすさを考慮して、ラック軸11を2つの軸部に分けて製造できる構造を採用している。具体的には、本例では、ラック軸11は、外周面の周方向一部に操舵側ラック28を有する操舵側軸部61と、外周面の周方向一部にアシスト側ラック29を有するアシスト側軸部62と、操舵側軸部61の軸方向端部とアシスト側軸部62の軸方向端部とを接続する接続部63とを備える。すなわち、本例のラック軸11は、操舵側ラック28を有する操舵側軸部61と、アシスト側軸部62を有するアシスト側軸部62とを、別々に造った後、操舵側軸部61の軸方向端部とアシスト側軸部62の軸方向端部とを接続部63により接続してなる。本例では、接続部63は、摩擦圧接部により構成されている。ただし、本発明を実施する場合には、接続部63に必要な強度を確保できる限り、接続部63として、溶接による接合部、摩擦攪拌接合部、かしめ付けによる接続部などの、任意の接続部を採用することができる。ラック軸11の軸方向両側の端部に備えられるねじ孔30は、接続部63を構成する前に形成することもできるし、接続部63を構成した後に形成することもできる。本発明を実施する場合には、ラック軸を、1本の棒状素材から造ることもできる。
ラック軸11は、軸方向両側の端部をラック収容部14の左右方向両側の開口から突出させた状態で、ラック収容部14の内側に軸方向に関する往復移動を可能に支持されている。ラック軸11の軸方向両側の端部は、球面継手31を介してタイロッド27に接続される。すなわち、ラック軸11の軸方向両側の端部に備えられたねじ孔30のそれぞれに、球面継手31の基部に備えられた雄ねじ部32が螺合され、かつ、球面継手31の先端部に、タイロッド27の基端部が揺動可能に支持されている。ラック軸11は、球面継手31およびタイロッド27を含むリンク機構を介して、左右の操舵輪12に連結されている。
操舵側ラックガイド24は、ラック軸11を操舵側ピニオン軸10に向けて押圧するガイドであり、操舵側ガイド収容部17の内側に配置されている。すなわち、操舵側ラックガイド24は、操舵側ピニオン軸10との間でラック軸11を挟むように配置されている。本例の操舵側ラックガイド24は、図3および図5に示すように、滑り式のラックガイドであり、パッド33と、弾性部材34とを備える。
パッド33は、略円柱形状を有しており、操舵側ガイド収容部17の内側に、ラック軸11に対する遠近移動を可能に配置されている。パッド33は、ラック軸11の凸円筒面状の後側面に対向する面に、ラック軸11の後側面に合致した形状を有する凹円筒面状の押圧面35を有する。押圧面35は、滑り性に優れた合成樹脂などから構成されている。弾性部材34は、図示の例ではねじりコイルばねであり、パッド33と、操舵側ガイド収容部17の開口部を塞ぐ操舵側キャップ36との間に、弾性的に圧縮された状態で挟持されている。これにより、弾性部材34は、パッド33をラック軸11に向けて押圧する。
操舵側ラックガイド24は、ラック軸11を操舵側ピニオン軸10に向けて押圧することで、操舵側ピニオン25と操舵側ラック28との噛合部のバックラッシュを低減する。これにより、操舵側ピニオン25と操舵側ラック28との噛合部で、異音が発生することを抑制している。
アシスト機構部9は、ラック軸11にアシスト駆動力を付与することにより、運転者がステアリングホイール2を回転操作するのに必要な操舵力を軽減する。アシスト機構部9は、アシスト側ピニオン軸13と、アシスト側ラックガイド37と、ウォーム減速機38と、電動モータ39と、トルクセンサ40とを備える。
アシスト側ピニオン軸13は、炭素鋼などの金属製の軸部材である。アシスト側ピニオン軸13は、図1および図11に示すように、先半部の外周面に、ラック軸11のアシスト側ラック29と噛合するアシスト側ピニオン41を有する。
本例では、アシスト側ピニオン41は、少なくともアシスト側ラック29と重なる歯幅方向範囲β(図11参照)において、歯の歯面にクラウニング加工が施されていない。この点について、図12(a)および図12(b)を用いて説明する。
図12(a)は、歯幅方向範囲βにおいて、アシスト側ピニオン41を構成する歯64を径方向外側から見た図であり、図12(b)は、図12(a)のD-D断面図である。なお、図12(a)では、実際には螺旋方向に伸長する歯64を、便宜的に、直線方向に伸長する態様で描いている。アシスト側ピニオン41は、所定の大きさのねじれ角を有する。すなわち、歯64の歯筋方向は、アシスト側ピニオン軸13の軸方向に対して該ねじれ角の分だけ傾斜している。本例では、歯64の歯厚方向両側の側面である歯面65は、歯元側から歯先側に向かうにしたがって歯64の歯厚が小さくなる方向に曲線的に傾斜している。本例では、歯面65は、歯幅方向範囲βにおいて、歯筋方向の全範囲にクラウニング加工が施されていない。すなわち、歯面65は、歯筋方向に対して傾斜していない。このため、歯64の歯厚は、歯筋方向の全長にわたり一定である。
アシスト側ピニオン軸13は、アシスト側ピニオン収容部16の内側に、軸受42a、42bを用いて回転自在に支持されている。アシスト側ピニオン軸13の中心軸は、アシスト側ピニオン収容部16の中心軸と同軸に配置されている。アシスト側ピニオン軸13は、ウォーム減速機38を介して、電動モータ39により回転駆動される。本例では、アシスト側ピニオン収容部16のうち、軸方向に関してホイール収容部22と反対側の開口部は、キャップ51により塞がれている。
アシスト側ラックガイド37は、ラック軸11をアシスト側ピニオン軸13に向けて押圧するガイドであり、アシスト側ガイド収容部18の内側に配置されている。すなわち、アシスト側ラックガイド37は、アシスト側ピニオン軸13との間でラック軸11を挟むように配置されている。アシスト側ラックガイド37は、図4および図11に示すように、転がり式のラックガイドであり、ローラ43と、ホルダ44と、ピン45と、転がり軸受46と、弾性部材47とを有する。
ローラ43は、略円環形状を有しており、軸方向を上下方向に向けて配置されたピン45および転がり軸受46を介して、ホルダ44に対し回転自在に支持されている。これにより、ローラ43の外周面は、ラック軸11の後側面の幅方向中間部に対して転がり接触している。ローラ43の外周面は、ラック軸11の後側面の輪郭形状に略合致した凹円弧状の母線形状を有する。ホルダ44は、アシスト側ガイド収容部18の内側に、ラック軸11に対する遠近移動を可能に配置されている。弾性部材47は、図示の例では皿ばねであり、ホルダ44とアシスト側ガイド収容部18の開口部を塞ぐアシスト側キャップ48との間に配置されている。弾性部材47は、ホルダ44をラック軸11に向けて押圧している。
アシスト側ラックガイド37は、ラック軸11をアシスト側ピニオン軸13に向けて押圧することで、アシスト側ピニオン41とアシスト側ラック29との噛合部のバックラッシュを低減する。これにより、アシスト側ピニオン41とアシスト側ラック29との噛合部で、異音が発生することを抑制している。
なお、デュアルピニオン式の電動パワーステアリング装置1において、アシスト側ラック29とアシスト側ピニオン41との噛合部に作用するアシスト駆動力は、操舵側ラック28と操舵側ピニオン25との噛合部に作用する操舵力に比べて非常に大きい。このことに起因して、アシスト側ラックガイド37は、操舵側ラックガイド24に比べて、ラック軸11から非常に大きな負荷を受ける。このため、操舵側ラックガイド24およびアシスト側ラックガイド37のそれぞれの押圧部を、ラック軸11の外周面に対して摺動する摺動面により構成すると、ラック軸11の外周面とアシスト側ラックガイド37の押圧部との間に作用する摩擦力が大きくなりやすい。その結果、ラック軸11が軸方向に直線移動することに対する抵抗力が大きくなりやすく、また、ラック軸11およびアシスト側ラックガイド37の摺動面で摩耗が発生しやすい。そこで、このような問題を解消すべく、本例の構造では、操舵側ラックガイド24の押圧部を、ラック軸11の外周面に対して摺動する摺動面により構成する一方で、アシスト側ラックガイド37の押圧部を、ラック軸11の外周面に対して転がり接触する転動面により構成している。そして、このような構成を採用することにより、ラック軸11の外周面とアシスト側ラックガイド37の押圧部との間に作用する摩擦力を小さく抑えられるようにしている。
ウォーム減速機38は、図11に示すように、ウォーム49とウォームホイール50とを備え、電動モータ39の回転を減速、すなわち電動モータ39の駆動トルクを増大して、アシスト側ピニオン軸13に伝達する。
ウォーム49は、外周面にウォーム歯を有し、ウォーム収容部21の内側に回転可能に支持されている。ウォーム49の基端部は、電動モータ39のモータ出力軸に対し、図示しない継手などを介して、トルクの伝達を可能に接続されている。
ウォームホイール50は、外周面にウォーム歯と噛合するホイール歯を有し、ホイール収容部22の内側に配置されている。ウォームホイール50は、アシスト側ピニオン軸13の基端部に相対回転不能に外嵌固定されている。本例では、ホイール収容部22のうち、軸方向に関してアシスト側ピニオン収容部16と反対側の開口部は、キャップ52により塞がれている。
電動モータ39は、ウォーム収容部21の取付フランジ23に固定されている。
トルクセンサ40は、操舵側ピニオン軸10の周囲に配置されており、操舵側ピニオン軸10に入力されるトルクの大きさおよび方向を検知する。これにより、トルクセンサ40は、操舵側ピニオン軸10に入力されるトルクに対応した信号を、電動モータ39の電子制御ユニットへ出力する。トルクセンサ40としては、たとえば、磁歪効果を利用した非接触式トルクセンサなどの、各種のトルクセンサを使用することができる。
アシスト機構部9は、トルクセンサ40の出力信号に基づいて、電動モータ39を駆動制御する。これにより、電動モータ39が発生する駆動トルクを、ウォーム減速機38およびアシスト側ピニオン軸13を介してラック軸11に対し、アシスト駆動力として伝達する。この結果、運転者がステアリングホイール2を回転操作するのに必要な操舵力が軽減される。
本例の構造は、ラック軸11を、ラック収容部14に対して、軸方向にがたつきなく変位できるように支持する1対のラックブッシュ53、54を備える。これらのラックブッシュ53、54は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの合成樹脂製で、略円筒形状を有する。
操舵側ピニオン軸10に近い、軸方向一方側に配置されたラックブッシュ53は、図3に示すように、ラック収容部14の軸方向一方側の開口部の近傍に内嵌されている。アシスト側ピニオン軸13に近い、軸方向他方側に配置されたラックブッシュ54は、図4に示すように、ラック収容部14の軸方向他方側の開口部の近傍に内嵌されている。ラックブッシュ53、54は、ラック軸11の外周面を軸方向の摺動可能に支持する。なお、ラック軸11を押圧する操舵側ラックガイド24は、滑り式のラックガイドであり、ラック軸11の幅方向(図5の上下方向)に関する保持力を十分に確保できるため、軸方向一方側に配置されたラックブッシュ53は、省略することもできる。
以上のように、本例の電動パワーステアリング装置1では、操舵側ラック28と操舵側ピニオン25とが互いに重なる歯幅方向範囲α(図5参照)において、操舵側ラック28と操舵側ピニオン25とのうちの少なくとも一方の歯の歯面が、クラウニング形状を有している。具体的には、本例では、操舵側ラック28と操舵側ピニオン25とのうち、操舵側ピニオン25の歯55の歯面56(図6(a)および図6(b)参照)のみが、歯筋方向の片側の半部にクラウニング形状を有しており、操舵側ラック28の歯57の歯面58(図9参照)は、クラウニング形状を有していない。一方、アシスト側ラック29とアシスト側ピニオン41とが互いに重なる歯幅方向範囲β(図11参照)において、アシスト側ラック29の歯59の歯面60(図10参照)とアシスト側ピニオン41の歯64の歯面65(図12(a)および図12(b)参照)とのそれぞれは、クラウニング形状を有していない。
このため、たとえば、ラック軸11の製造誤差により、ラック軸11の周方向に関する操舵側ラック28とアシスト側ラック29との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係からずれたり、あるいは、ハウジング7の製造誤差により、ラック軸11の周方向に関する操舵側ピニオン25とアシスト側ピニオン41との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係からずれたりした場合でも、図13(a)に示すように、アシスト側ラック29の歯先面S2と、アシスト側ピニオン41の中心軸線C2とが互いに平行になるように、アシスト側ラック29とアシスト側ピニオン41とを噛合させることができる。この場合には、図14(a)に示すように、アシスト側ラック29の歯59の歯面60を、アシスト側ピニオン41の歯64の歯面65に対し、広い接触面積で面接触させることができる。したがって、これらの歯59、64に作用する応力を小さく抑えることができる。このため、これらの歯59、64の歯厚を過度に大きくすることなく、これらの歯59、64の耐久性を確保することができる。
一方、前記位置関係のずれが生じた場合に、操舵側ラック28と操舵側ピニオン25とは、たとえば図13(b)に示すように、操舵側ラック28の歯先面S1と操舵側ピニオン25の中心軸線C1とが互いに傾斜するように噛合する。ただし、本例では、このような場合でも、操舵側ピニオン25の歯55の歯面56の歯筋方向の片側の半部がクラウニング形状を有するため、図14(b)に示すように、操舵側ラック28の歯57の歯面58は、操舵側ピニオン25の歯55の歯面56に対し、歯筋方向に関して中央部から片側に外れた部分において、或る程度広い接触面積で接触する。したがって、これらの歯55、57に作用する応力を小さく抑えることができる。このため、これらの歯55、57の歯厚を過度に大きくすることなく、これらの歯55、57の耐久性を確保することができる。
本例では、ラック軸11は、操舵側ラック28を有する操舵側軸部61と、アシスト側軸部62を有するアシスト側軸部62とを、別々に造った後、操舵側軸部61の軸方向端部とアシスト側軸部62の軸方向端部とを接続部63により接続してなる。このようなラック軸11では、特に接続部63を構成する際の製造誤差により、ラック軸11の周方向に関する操舵側ラック28とアシスト側ラック29との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係からずれやすい。したがって、上述のように操舵側ラック28と操舵側ピニオン25とのうちの少なくとも一方の歯の歯面に、クラウニング加工を施すことによって、操舵側とアシスト側との双方において、ラックとピニオンとの歯面間の接触面積を広く確保する技術は、特に有効となる。
ところで、操舵側ラックの歯の歯面と操舵側ピニオンの歯の歯面との接触面積を十分に確保し、かつ、アシスト側ラックの歯の歯面とアシスト側ピニオンの歯の歯面との接触面積を十分に確保する方法として、アシスト側ラックとアシスト側ピニオンとのうちの少なくとも一方の歯の歯面にクラウニング加工を施す方法も考えられる。
しかしながら、アシスト側ラックとアシスト側ピニオンとの噛合部に作用するアシスト駆動力は、操舵側ラックと操舵側ピニオンとの噛合部に作用する操舵力に比べて非常に大きく、具体的には、たとえば、該操舵力の10倍~20倍程度の大きさとなる。このため、アシスト側ラック29およびアシスト側ピニオン41は、操舵側ラック28および操舵側ピニオン25に比べて、歯の耐久性が重視される。
一方、歯の歯面にクラウニング加工を施すと、該歯の歯筋方向の端部において、該歯の歯厚が小さくなる。このため、歯の歯面にクラウニング加工を施すと、該歯の歯面にクラウニング加工を施していない場合に比べて、該歯の耐久性が低下する。したがって、アシスト側ラックの歯およびアシスト側ピニオンの歯の耐久性を重視する観点、すなわち、該歯の耐久性を確保しやすくする観点から、アシスト側ラックの歯の歯面およびアシスト側ピニオンの歯の歯面にクラウニング加工を施すことは、適切ではない。
この点に関して、本例では、操舵側ラック28と操舵側ピニオン25とのうちの少なくとも一方の歯の歯面にのみ、クラウニング加工を施し、アシスト側ラック29の歯59の歯面60およびアシスト側ピニオン41の歯64の歯面65のそれぞれに、クラウニング加工を施していない。このため、アシスト側ラック29の歯59およびアシスト側ピニオン41の歯64の耐久性を確保しやすい。
さらに、本例では、アシスト側ラック29とアシスト側ピニオン41との噛合部に作用するアシスト駆動力が、操舵側ラック28と操舵側ピニオン25との噛合部に作用する操舵力に比べて非常に大きくなる状況下で、図14(a)に示すように、クラウニング加工が施されていないアシスト側ピニオン41の歯64の歯面65が、アシスト側ラック29の歯59の歯面60に対し、傾いて片当たりすることなく、広い接触面積で面接触する。したがって、この面からも、アシスト側ラック29の歯59およびアシスト側ピニオン41の歯64の耐久性を確保する上で有利となる。
本例では、操舵側ラック28および操舵側ピニオン25のうち、操舵側ピニオン25の歯55の歯面56にのみ、クラウニング加工を施している。このため、操舵側ラック28および操舵側ピニオン25の加工コストを抑えることができる。すなわち、操舵側ピニオン25の歯55の歯面56にクラウニング加工を施す作業は、低コストな加工方法であるホブ切り加工で行えるが、操舵側ラック28の歯57の歯面58にクラウニング加工を施す作業は、ホブ切り加工では行うことができず、高コストな鍛造加工で行う必要がある。この点に関して、本例では、操舵側ラック28の歯57の歯面58にクラウニング加工を施さないため、操舵側ラック28の形成作業を、ホブ切り加工で行える。このため、操舵側ピニオン25および操舵側ラック28の加工コストを抑えることができる。
なお、操舵側ラック28の歯57の歯面58にクラウニング加工を施す作業を、ホブ切り加工で行うことができない理由は、操舵側ラック28の歯57がねじり角を有しており、かつ、これらの歯57の歯面が同一の仮想平面上に配置されているためである。すなわち、このような操舵側ラック28の歯57の歯面58に、ホブ切り加工でクラウニング形状を付与しようとすると、隣り合う歯57の間で、歯厚が最大となる歯幅方向の位置が互いに異なってしまい、それぞれの歯57の歯面58に対して、同一のクラウニング形状を付与することができなくなるためである。
[第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図15を用いて説明する。
図15は、本例に関する、図6(a)に相当する図である。本例では、操舵側ピニオン25aを構成する歯55aの歯面56aのうち、歯筋方向の片側(図15の下側)の端部67aにのみ、クラウニング加工が施されている。すなわち、本例では、操舵側ピニオン25aを構成する歯55aの歯面56aのうち、歯筋方向の中間部66および他側(図15の上側)の端部67bには、クラウニング加工が施されていない。つまり、本例では、中間部66および他側の端部67bは、歯筋方向に対して傾斜しておらず、片側の端部67aのみが、歯筋方向の片側に向かうにしたがって歯55aの歯厚が曲線的または直線的(図示の例では曲線的)に減少する方向に傾斜したクラウニング形状を有する。したがって、本例では、歯55aの歯厚は、歯筋方向に関して片側の端部67aと同じ範囲で、歯筋方向の片側に向かうにしたがって減少している。歯面56aは、歯筋方向の全長にわたり滑らかに連続しており、中間部66と片側の端部67aとの境界部を含めて、歯筋方向の途中に尖った角部を有していない。
本例の構造では、ラック軸11の周方向に関する操舵側ラック28とアシスト側ラック29(図1参照)との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係にあり、かつ、ラック軸11の周方向に関する操舵側ピニオン25とアシスト側ピニオン41(図1参照)との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係にあるように製造された場合には、操舵側ピニオン25aの歯55aの歯面56aを、中間部66において、操舵側ラック28の歯57の歯面58(図9参照)に対し、より広い接触面積で接触させることができる。その他の構成および作用効果は、第1例と同様である。
[第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図16を用いて説明する。
本例では、操舵側ラック28aと噛合する図示しない操舵側ピニオンは、図12(a)および図12(b)に示したアシスト側ピニオン41と同様、歯の歯面の全体に、クラウニング加工が施されていない。すなわち、該歯面は、歯筋方向に対して傾斜していない。このため、該歯の歯厚は、歯筋方向の全長にわたり一定である。
その代わりに、本例では、図16に示すように、操舵側ラック28aは、歯57aの歯面58aの全体に、クラウニング加工が施されている。すなわち、歯面58aは、歯57aの歯筋方向の中央部から両側に向かうにしたがって歯57aの歯厚が曲線的または直線的(図示の例では曲線的)に減少する方向に傾斜したクラウニング形状を有する。したがって、本例では、歯57aの歯厚は、歯筋方向の中央部で最大であり、歯筋方向の両側に向かうにしたがって減少している。歯面58aは、歯筋方向の全長にわたり滑らかに連続しており、歯筋方向の途中に尖った角部を有していない。
本例の構造では、操舵側ラック28aの歯57aの歯面58aにクラウニング加工が施されているため、ラック軸11の製造誤差により、ラック軸11の周方向に関する操舵側ラック28aとアシスト側ラック29(図1参照)との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係からずれたり、あるいは、ハウジング7(図2参照)の製造誤差により、ラック軸11の周方向に関する操舵側ピニオンとアシスト側ピニオン41(図1参照)との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係からずれたりした場合でも、操舵側ラック28aの歯57aの歯面58aを、歯筋方向に関して中央部から外れた部分において、操舵側ピニオンの歯の歯面に対し、或る程度広い接触面積で接触させることができる。その他の構成および作用効果は、第1例と同様である。
[第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図17を用いて説明する。
本例では、操舵側ラック28bを構成する歯57bの歯面58bのうち、歯筋方向の中間部68にはクラウニング加工が施されておらず、歯筋方向の中間部68を挟んだ両側の端部69にのみ、クラウニング加工が施されている。すなわち、本例では、中間部68は、歯筋方向に対して傾斜しておらず、両側の端部69のみが、歯筋方向の中央側から両側に向かうにしたがって歯57bの歯厚が曲線的または直線的(図示の例で曲線的)に減少する方向に傾斜したクラウニング形状を有する。したがって、本例では、歯57bの歯厚は、歯筋方向に関して中間部68と同じ範囲で最大であり、歯筋方向に関して端部69と同じ範囲で、歯筋方向の中央側から両側に向かうにしたがって減少している。歯面58bは、歯筋方向の全長にわたり滑らかに連続しており、中間部68と端部69との境界部を含めて、歯筋方向の途中に尖った角部を有していない。
本例の構造では、ラック軸11の周方向に関する操舵側ラック28bとアシスト側ラック29(図1参照)との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係にあり、かつ、ラック軸11の周方向に関する操舵側ピニオンとアシスト側ピニオン41(図1参照)との互いの位置関係が設計で定められた所定の位置関係にあるように製造された場合には、操舵側ラック28bの歯57bの歯面58bを、中間部68において、操舵側ピニオンの歯の歯面に対し、より広い接触面積で接触させることができる。その他の構成および作用効果は、第3例と同様である。
[第5例]
本発明の実施の形態の第5例について説明する。本例の構造では、操舵側ピニオン25の歯55の歯面56(図6参照)と、操舵側ラック28aの歯57aの歯面58a(図16参照)との双方に、クラウニング加工が施されている。その他の構成および作用効果は、第1例と同様である。
本発明は、上述した各実施の形態の構造を、矛盾を生じない範囲で、適宜組み合わせて実施することができる。