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JP7790582B2 - 操舵装置 - Google Patents
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JP7790582B2 - 操舵装置 - Google Patents

操舵装置

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JP7790582B2 JP2024543684A JP2024543684A JP7790582B2 JP 7790582 B2 JP7790582 B2 JP 7790582B2 JP 2024543684 A JP2024543684 A JP 2024543684A JP 2024543684 A JP2024543684 A JP 2024543684A JP 7790582 B2 JP7790582 B2 JP 7790582B2
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Description

本開示は、操舵装置に関する。
従来、貨物自動車のように運転席が前輪の車軸よりも前方に位置する、いわゆるキャブオーバ型の車両では、左右の車輪が車軸で連結される車軸懸架式のサスペンションが使用されることが多い。車軸懸架式のサスペンションを有する車両では、ボールねじ式のステアリングギヤボックスが多く使用される。ステアリングギヤボックスは、たとえば車体フレームに搭載される。
特許文献1の電動パワーステアリング装置は、モータおよびボールねじ式のステアリングギヤボックスを有している。ステアリングギヤボックスは、ステアリングシャフトの回転運動をピットマンアームの揺動運動に変換する。ピットマンアームに連動して転舵輪の向きが変更される。モータのトルクは、ウォーム減速機を介してステアリングギヤボックスのボールねじ軸に伝達される。これにより、ステアリングホイールの操舵が補助される。
国際公開第2021/0261188号
特許文献1を含め、ボールねじ式のステアリングギヤボックスを有する従来の電動パワーステアリング装置には、つぎの懸念事項がある。すなわち、ステアリングギヤボックスが車両に搭載されたとき、ボールねじ軸は、車両の上下方向に延びる姿勢に維持される。ボールねじナットは、車両の上下方向に延びるボールねじ軸に沿って移動する。このとき、ボールねじナットには、質量に応じた重力が作用する。このため、ボールねじ機構を単体でみたとき、ボールねじ機構の負荷トルクは、ステアリングホイールの操舵方向、すなわちボールねじナットの移動方向に応じて異なる。負荷トルクは、ボールねじナットとボールねじ軸との噛み合い部分にボールを介して発生する抵抗に応じて生じるトルクである。
本開示の一態様に係る操舵装置は、車両のステアリングホイールの操舵に応じたトルクを発生するように構成されるモータと、前記モータの回転を減速するように構成される減速機とを有するアクチュエータと、前記減速機を通じて付与される回転を転舵輪に連動する出力軸の回転に変換するように構成されるボールねじ機構と、を備える。前記減速機と前記ボールねじ機構とは、前記ステアリングホイールが操舵される際に生じる操舵方向に対する負荷トルクの増減特性が前記減速機と前記ボールねじ機構とで互いに逆になるように構成される。
一実施の形態にかかる操舵装置の模式図である。 図1のステアリングギヤボックスの断面図である。 図2の減速機をウォームホイールの軸線に直交する方向に切断した断面図である。 図3A中の符号3Bで示される部分の拡大断面図である。 図3Aの減速機であって、第1の向きに設けられたウォームを有する減速機の模式図である。 図3Aの減速機であって、第2の向きに設けられたウォームを有する減速機の模式図である。 図2のステアリングギヤボックスであって、右ねじタイプのボールねじ軸を有するステアリングギヤボックスの断面図である。 図2のステアリングギヤボックスであって、左ねじタイプのボールねじ軸を有するステアリングギヤボックスの断面図である。
一実施の形態に係る操舵装置を説明する。操舵装置は、電動パワーステアリング装置である。
<全体構成>
図1に示すように、操舵装置20は、たとえばキャブオーバ型の車両10に搭載される。車両10は、車軸懸架式のサスペンション11を備えている。サスペンション11は、前車軸12を支持する。前車軸12の両端には、前輪である転舵輪13が連結されている。サスペンション11は、板ばね14を有している。板ばね14は、一例として前車軸12の上側に位置している。板ばね14は、車両の前後方向へ延びている。板ばね14の両端は、シャックルなどの支持部材15を介して車体フレーム16に取り付けられている。
操舵装置20は、ステアリングシャフト21、ステアリングギヤボックス22、モータ23、トルクセンサ24、および減速機25を有している。ステアリングシャフト21およびステアリングギヤボックス22は車両10の操舵機構を構成する。ステアリングシャフト21の第1の端部は、ステアリングホイール26に連結されている。ステアリングシャフト21の第2の端部は、トルクセンサ24および減速機25を介して、ステアリングギヤボックス22に連結されている。モータ23は、減速機25を介してステアリングギヤボックス22に連結されている。ステアリングギヤボックス22は、たとえばRBS式(リサーキュレーティングボールスクリュー式)である。
ステアリングギヤボックス22は、リンク機構30を介して転舵輪13に連結されている。リンク機構30は、ピットマンアーム31、ドラグリンク32、およびタイロッド33を有している。ピットマンアーム31の基端は、ステアリングギヤボックス22の側部に連結されている。ピットマンアーム31は、その基端を中心として車両の前後方向に揺動可能である。ドラグリンク32の第1の端部は、ピットマンアーム31の先端に回転可能に連結されている。ドラグリンク32の第2の端部は、右の転舵輪13のナックルアーム34に回転可能に連結されている。タイロッド33の両端は、タイロッドアーム35を介して左右の転舵輪13に連結されている。
ステアリングホイール26の回転は、ステアリングシャフト21を介してステアリングギヤボックス22に伝達される。ステアリングギヤボックス22は、ステアリングシャフト21の回転運動をピットマンアーム31の揺動運動に変換する。ピットマンアーム31の揺動運動により、ドラグリンク32が車両の前後方向に駆動される。ドラグリンク32に連動してナックルアーム34が揺動することにより、転舵輪13が転舵される。
モータ23は、トルクセンサ24を通じて検出される操舵トルクに応じて、ステアリングホイール26の操舵方向と同じ方向のトルクを発生する。モータ23のトルクは、減速機25を介してステアリングギヤボックス22に伝達される。すなわち、減速機25は、ステアリングギヤボックス22にトルクを付与するように構成される。ステアリングギヤボックス22に操舵方向と同じ方向のトルクが付与されることにより、ステアリングホイール26の操舵が補助される。モータ23および減速機25は、アクチュエータを構成する。
<ステアリングギヤボックス22の構成>
図2に示すように、ステアリングギヤボックス22は、第1のハウジング40を有している。第1のハウジング40の内部には、ボールねじ軸41、ボールねじナット42、複数のボール43、セクターシャフト44、およびセクターギヤ45が設けられている。
ボールねじ軸41は、ステアリングギヤボックス22を車両10に搭載したとき、車両10に対する上下方向に延びる姿勢に維持される。ボールねじ軸41は、第1の軸受46および第2の軸受47を介して第1のハウジング40に対して回転可能に支持されている。ボールねじ軸41の第1の端部は、第1のハウジング40を貫通した状態で、減速機25およびトルクセンサ24を介してステアリングシャフト21に連結される。第1の端部は、ステアリングギヤボックス22を車両10に搭載したときに車両10の上方を向く側のボールねじ軸41の端部である。第1の端部と反対側のボールねじ軸41の第2の端部は、ステアリングギヤボックス22を車両10に搭載したときに車両10の下方を向く側のボールねじ軸41の端部である。第2の端部は、第1のハウジング40の端壁に対向している。
ボールねじ軸41は、第1のねじ溝41Aを有している。第1のねじ溝41Aは、ボールねじ軸41の外周面に設けられた螺旋状の溝である。第1のねじ溝41Aを設けることにより、ねじ部が構成される。ボールねじ軸41は、右ねじタイプ、または左ねじタイプである。右ねじタイプのボールねじ軸41のねじ部は右ねじであって、第1のねじ溝41Aの巻き方向は第1の端部側からみて時計回り方向である。左ねじタイプのボールねじ軸41のねじ部は左ねじであって、第1のねじ溝41Aの巻き方向は第1の端部側からみて反時計回り方向である。
ボールねじナット42は、筒状であって、第2のねじ溝42Aを有している。第2のねじ溝42Aは、ボールねじナット42の内周面に設けられた螺旋状の溝である。第2のねじ溝42Aは、径方向に第1のねじ溝41Aに対向している。ボールねじナット42は、複数のボール43を介して、ボールねじ軸41に螺合されている。第1のねじ溝41Aと第2のねじ溝42Aとにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール43が転動する転動路として機能する。ボールねじ軸41、ボールねじナット42、およびボール43は、ボールねじ機構48を構成する。
ボールねじナット42は、複数のラック歯42Bを有している。ラック歯42Bは、ボールねじナット42の外周面に設けられている。ラック歯42Bは、ボールねじナット42の軸方向に並んでいる。
セクターシャフト44は、ボールねじナット42の軸線に対して直交する方向(図2の紙面に対する直交方向)に延びている。セクターシャフト44は、図示しない軸受を介して第1のハウジング40に対して回転可能に支持されている。セクターシャフト44は、第1のハウジング40を貫通して外部に露出する外端部を有している。セクターシャフト44の外端部には、ピットマンアーム31の基端が固定されている。セクターシャフト44は、ステアリングギヤボックス22の出力軸であって、転舵輪13に連動する。
セクターギヤ45は、セクターシャフト44に対して一体回転可能に設けられている。セクターギヤ45は扇形の歯車であって、複数の歯45Aを有している。セクターギヤ45の歯45Aは、ボールねじナット42のラック歯42Bに噛み合っている。
ステアリングホイール26の回転は、ステアリングシャフト21および減速機25を介してボールねじ軸41に伝達される。ボールねじ軸41の回転に伴い、ボールねじナット42は、ボールねじ軸41に対して軸方向に移動する。これにより、セクターギヤ45は、セクターシャフト44を中心として揺動する。セクターギヤ45の揺動に伴いセクターシャフト44が回転することにより、ピットマンアーム31はセクターシャフト44を中心として揺動する。
ボールねじ軸41が右ねじタイプである場合、ボールねじ軸41が、第1の端部側からみて時計回り方向へ回転すると、ボールねじナット42が上方へ移動する。また、ボールねじ軸41が右ねじタイプである場合、ボールねじ軸41が、第1の端部側からみて反時計回り方向へ回転すると、ボールねじナット42が下方へ移動する。
ボールねじ軸41が左ねじタイプである場合、ボールねじ軸41が、第1の端部側からみて反時計回り方向へ回転すると、ボールねじナット42が上方へ移動する。また、ボールねじ軸41が左ねじタイプである場合、ボールねじ軸41が、第1の端部側からみて時計回り方向へ回転すると、ボールねじナット42が下方へ移動する。
なお、操舵中立位置を基準として、ステアリングホイール26が右に操舵される場合、ボールねじ軸41が、第1の端部側からみて時計回り方向へ回転する。また、操舵中立位置を基準として、ステアリングホイール26が左に操舵される場合、ボールねじ軸41が、第1の端部側からみて反時計回り方向へ回転する。操舵中立位置は、車両の直進状態に対応するステアリングホイール26の位置である。
<減速機25の構成>
図2に示すように、減速機25は、ボールねじ軸41の第1の端部に連結されている。減速機25は、ボールねじ機構48にトルクを付与するように構成される。減速機25は、第2のハウジング50を有している。第2のハウジング50は、ステアリングギヤボックス22の第1のハウジング40に連結されている。第1のハウジング40の内部と、第2のハウジング50の内部とは、互いに連通している。第2のハウジング50の外部には、モータ23が取り付けられている。モータ23の出力軸23Aは、たとえば、ボールねじ軸41の軸線に対して直交し、かつセクターシャフト44の軸線と平行な方向に延びている。出力軸23Aは、第2のハウジング50を貫通して第2のハウジング50の内部に挿入されている。
第2のハウジング50の内部には、シャフト51、ウォームホイール52、およびウォーム53が設けられている。ウォームホイール52は、ボールねじ軸41の第1の端部に一体的に回転可能に連結されている。具体的には、つぎの通りである。すなわち、シャフト51は、第3の軸受54および第4の軸受55を介して第2のハウジング50に対して回転可能に支持されている。シャフト51の第1の端部は、第2のハウジング50を貫通した状態で、トルクセンサ24を介してステアリングシャフト21に連結される。シャフト51の第2の端部は、ボールねじ軸41の第1の端部に対して一体回転可能に連結されている。ウォームホイール52は、シャフト51の外周面に装着されている。ウォームホイール52は、シャフト51と一体的に回転可能である。ウォーム53は、モータ23の出力軸23Aに対して一体回転可能に設けられている。出力軸23Aの軸線とウォーム53の軸線とは互いに一致する。ウォーム53は、ウォームホイール52と噛み合っている。ウォーム53とウォームホイール52との軸角は、たとえば90°である。
モータ23のトルクは、減速機25を介してボールねじ軸41に伝達される。ボールねじ軸41にステアリングホイール26の操舵方向と同じ方向のトルクが付与されることにより、ステアリングホイール26の操舵が補助される。
図3Aに示すように、第2のハウジング50は、ウォーム収容部61、およびウォームホイール収容部62を有している。ウォーム収容部61は、ウォーム53が収容される円柱状の空間であって、ウォーム53の軸方向に延びている。ウォームホイール収容部62は、ウォームホイール52が収容される円柱状の空間であって、ウォーム53の軸方向に対して直交する方向に延びている。ウォームホイール収容部62は、ウォーム収容部61と連続している。
ウォーム収容部61の第1の端部は、第2のハウジング50の外面に設けられた凹状のモータ取付部63と連通している。モータ23は、モータ取付部63に固定されている。モータ23の出力軸23Aは、ウォーム収容部61の第1の端部に挿入されている。ウォーム収容部61の第2の端部は、第2のハウジング50の外部に開口している。開口は、エンドカバー64によって閉塞されている。
ウォーム53は、第5の軸受65および第6の軸受66を介して、ウォーム収容部61の内周面に対して回転可能に支持されている。ウォーム53の第1の端部は、第5の軸受65によって支持されている。ウォーム53の第2の端部は、第6の軸受66によって支持されている。ウォーム収容部61の第1の端部には、円筒状の固定プラグ54Aが装着されている。固定プラグ54Aの端壁は、第5の軸受65の外輪に軸方向に当接している。これにより、第5の軸受65、ひいてはウォーム53のモータ23に近づく方向への移動が規制される。
<軸継手70>
ウォーム53の第1の端部は、軸継手70を介して、モータ23の出力軸23Aに連結されている。軸継手70は、第1の継体71、第2の継体72、および弾性体73を有している。弾性体73は、第1の継体71と第2の継体72との間に介在されている。
第1の継体71は、ウォーム53の第1の端部に一体回転可能に連結されている。第1の継体71は、複数の第1の係合爪71Aを有している。第1の係合爪71Aは、弾性体73に接触する側の第1の継体71の側面に設けられている。複数の第1の係合爪71Aは、周方向に等間隔で設けられる。
第2の継体72は、モータ23の出力軸23Aに一体回転可能に連結されている。第2の継体72は、複数の第2の係合爪72Aを有している。第2の係合爪72Aは、弾性体73に接触する側の第2の継体72の側面に設けられている。複数の第2の係合爪72Aは、周方向に等間隔で設けられる。
弾性体73は、複数の第1の係合凹部73A、および複数の第2の係合凹部73Bを有している。第1の係合凹部73Aは、第1の継体71に接触する側の弾性体73の側面に設けられている。第2の係合凹部73Bは、第2の継体72に接触する側の弾性体73の側面に設けられている。第1の係合凹部73Aと、第2の係合凹部73Bとは、弾性体73の周方向に交互に設けられる。
第1の係合爪71Aは、第1の係合凹部73Aに噛み合っている。第2の係合爪72Aは、第2の係合凹部73Bに噛み合っている。第1の係合爪71Aが第1の係合凹部73Aに対して周方向に係合するとともに、第2の係合爪72Aが第2の係合凹部73Bに対して周方向に係合する。このため、ウォーム53と出力軸23Aとの間のトルク伝達が可能である。
弾性体73は、第1の継体71と第2の継体72とによって若干圧縮された状態に維持される。ウォーム53に外力が径方向に付与される場合、弾性体73が弾性変形することにより、出力軸23Aに対するウォーム53の傾動が許容される。第5の軸受65は、内部隙間を有している。内部隙間は、第5の軸受65の外輪、内輪、およびボールの間の遊び量である。ウォーム53は、第5の軸受65に支持されたウォーム53の部分を中心として、出力軸23Aの軸線に対して傾いて動くことが可能である。ウォーム53の揺動中心Oは、ウォームホイール52の軸方向からみて、第5の軸受65の中心と一致する。
<付勢機構80>
図3Aに示すように、減速機25は、付勢機構80を有している。付勢機構80は、ウォーム53をウォームホイール52に向けて弾性的に付勢することにより、減速機25のバックラッシを調整するための構成である。
図3Bに示すように、付勢機構80は、ボルト81、圧縮コイルばね82、および押圧部材83を有している。ボルト81は、頭部81A、および軸部81Bを有している。軸部81Bは、第2のハウジング50のねじ孔50Aに締め付けられている。ねじ孔50Aは、第2のハウジング50の周壁を貫通する円柱状の孔であって、第6の軸受66に対応するウォーム収容部61の内周面に開口する。圧縮コイルばね82は、軸方向に圧縮された状態で、軸部81Bと、押圧部材83との間に介在されている。押圧部材83は、軸部81Bと反対側の圧縮コイルばね82の端部に固定されている。
圧縮コイルばね82は、押圧部材83を介して、第6の軸受66、ひいてはウォーム53の第2の端部をウォームホイール52へ向けて常時付勢する。このため、ウォーム53の第2の端部には、ウォーム53の揺動中心Oを中心として、図3A中の反時計回り方向のモーメントが作用する。ウォーム53の反時計回り方向の傾動は、ウォーム53がウォームホイール52に当接することにより規制される。
ウォーム53がウォームホイール52に押し付けられることにより、ウォーム53とウォームホイール52との噛み合い部分におけるバックラッシ量を少なくすることが可能となる。また、ウォーム53の歯、およびウォームホイール52の歯の経年的な摩耗が想定される。しかし、この場合であれ、歯が摩耗した分だけ、ウォーム53が傾動することにより、ウォーム53とウォームホイール52との噛み合い部分のバックラッシの増大が抑制される。
<ボールねじ機構48の負荷トルク>
つぎに、ボールねじ機構48の負荷トルクについて補足説明する。
ステアリングギヤボックス22が車両10に搭載されたとき、ボールねじ軸41は、車両10の上下方向に延びる姿勢に維持される。ボールねじナット42は、車両10の上下方向に延びるボールねじ軸41に沿って移動する。このとき、ボールねじナット42には、質量に応じた重力が作用する。このため、ボールねじ機構48を単体でみたとき、ボールねじ機構48の負荷トルクは、ステアリングホイール26の操舵方向、すなわちボールねじナット42の移動方向に応じて異なる。負荷トルクは、ボールねじナット42とボールねじ軸41との噛み合い部分にボール43を介して発生する抵抗に応じて生じるトルクである。
<右ねじタイプの負荷トルク>
図6に示すように、右ねじタイプのボールねじ軸41を使用する場合のボールねじ機構48の負荷トルクについて検討する。
この場合、ステアリングホイール26が右に操舵されるとき、ボールねじ軸41は第1の端部側からみて時計回り方向DR2へ回転する。このため、ボールねじナット42は、ボールねじ軸41に沿って上昇する。すなわち、ボールねじナット42は、重力が作用する方向と反対の方向へ移動する。このため、ボールねじ機構48の負荷トルクが増加する。
ステアリングホイール26が左に操舵されるとき、ボールねじ軸41は第1の端部側からみて反時計回り方向DL2へ回転する。このため、ボールねじナット42は、ボールねじ軸41に沿って下降する。すなわち、ボールねじナット42は、重力が作用する方向と同じ方向へ移動する。このため、ボールねじ機構48の負荷トルクが減少する。
したがって、次式(3)に示すように、ステアリングホイール26を右に操舵するときに生じる負荷トルクTbrの絶対値が、ステアリングホイール26を左に操舵するときに生じる負荷トルクTblの絶対値よりも大きくなる。
│Tbl│<│Tbr│ …(3)
<左ねじタイプの負荷トルク>
つぎに、図7に示すように、左ねじタイプのボールねじ軸41を使用する場合のボールねじ機構48の負荷トルクについて検討する。
この場合、ステアリングホイール26が左に操舵されるとき、ボールねじ軸41は第1の端部側からみて反時計回り方向DR2へ回転する。このため、ボールねじナット42は、ボールねじ軸41に沿って上昇する。すなわち、ボールねじナット42は、重力が作用する方向と反対の方向へ移動する。このため、ボールねじ機構48の負荷トルクが増加する。
ステアリングホイール26が右に操舵されるとき、ボールねじ軸41は第1の端部側からみて時計回り方向DR2へ回転する。このため、ボールねじナット42は、ボールねじ軸41に沿って下降する。すなわち、ボールねじナット42は、重力が作用する方向と同じ方向へ移動する。このため、ボールねじ機構48の負荷トルクが減少する。
したがって、次式(4)に示すように、ステアリングホイール26を左に操舵するときに生じる負荷トルクTblの絶対値が、ステアリングホイール26を右に操舵するときに生じる負荷トルクTbrの絶対値よりも大きくなる。
│Tbl│>│Tbr│ …(4)
<ウォーム53に加わる反力>
つぎに、ウォーム53に加わる反力について説明する。
ウォーム53の歯面は、ウォーム53の軸線に対して捻れている。ウォームホイール52の歯面は、ウォームホイール52の軸線に対して捻れている。ウォーム53の歯面およびウォームホイール52の歯面には、圧力角が存在する。ウォーム53の軸方向において互いに反対側に位置するウォーム53の歯の2つの歯面の圧力角は、互いに同じである。ウォームホイール52の回転方向において互いに反対側に位置するウォームホイール52の歯の2つの歯面の圧力角は、互いに同じである。このため、ウォーム53の回転に伴い、ウォームホイール52からウォーム53に対して反力が加わる。反力が加わる位置は、ウォーム53とウォームホイール52との噛み合い部分である。
図4に示すように、ウォームホイール52からウォーム53に作用する反力は、ウォーム53の軸方向に加わる力である軸方向分力F1と、ウォーム53の径方向に加わる力である径方向分力F2とを含む。ステアリングホイール26を操舵するとき、軸方向分力F1と径方向分力F2とを含む反力が抵抗となる。
径方向分力F2の方向は、ステアリングホイール26が右に操舵されたときと、左に操舵されたときとで同じである。ステアリングホイール26に加えられるトルクの大きさが同じである場合、径方向分力F2の大きさは、ステアリングホイール26が右に操舵されたときと、左に操舵されたときとで同じである。
軸方向分力F1の方向は、ステアリングホイール26が右に操舵されたときと、左に操舵されたときとで互いに反対である。ステアリングホイール26に加えられるトルクの大きさが同じである場合、軸方向分力F1の大きさは、ステアリングホイール26が右に操舵されたときと、左に操舵されたときとで同じである。
ステアリングホイール26が右に操舵されるとき、ウォームホイール52は、軸方向からみて時計回り方向DR1へ回転する。このとき、図4に実線で示すように、軸方向分力F1の方向は、ウォーム53とウォームホイール52との噛み合い部分からウォーム53の第1の端部へ向かう方向(図4中の右方)となる。ステアリングホイール26が右に操舵されるときに生じる軸方向分力F1が、たとえば正の値となる。
ステアリングホイール26が左に操舵されるとき、ウォームホイール52は、軸方向からみて反時計回り方向DL1へ回転する。このとき、図4に破線で示すように、軸方向分力F1の方向は、ウォーム53とウォームホイール52との噛み合い部分からウォーム53の第2の端部へ向かう方向(図4中の左方)となる。ステアリングホイール26が右に操舵されるときに生じる軸方向分力F1が正の値となるとき、ステアリングホイール26が左に操舵されるときに生じる軸方向分力F1は負の値となる。
ウォームホイール52からウォーム53に反力が加わる位置は、ウォーム53とウォームホイール52との噛み合い部分である。噛み合い部分は、ウォーム53の軸線からウォームホイール52に向かってずれた位置である。このため、ウォーム53の揺動中心Oがウォーム53の軸線上に位置する場合、軸方向分力F1により、ウォーム53に揺動中心Oを中心とするモーメントが作用する。揺動中心Oを中心とするモーメントの方向は、ウォームホイール52の回転方向に応じて逆になる。
このため、減速機25の負荷トルクが、ステアリングホイール26の操舵方向、すなわちウォームホイール52の回転方向に応じて異なるおそれがある。負荷トルクは、ウォームホイール52とウォーム53との間の噛み合い部分に発生する抵抗に応じて生じるトルクである。
<ウォーム53の向きが第1の向きの場合の減速機25の負荷トルク>
まず、ウォーム53が図4に示される第1の向きに設けられる場合に生じる減速機25の負荷トルクについて検討する。第1の向きは、ステアリングシャフト21が連結されるシャフト51の第1の端部側からみて、ウォーム53の第2の端部がウォームホイール52の中心線L1よりも左側に位置するウォーム53の向きである。中心線L1は、ウォームホイール52の軸方向からみて、ウォームホイール52の中心を通り、かつウォーム53の中心線L2に直交する直線である。すなわち、ウォーム53の第2の端部は、ウォーム53の軸方向においてウォームホイール52の中心よりも左側に位置する。付勢機構80は、ウォーム53の第2の端部に予圧F0を付与する。予圧F0は、付勢機構80の圧縮コイルばね82によってウォームホイール52に向かう方向に発生する弾性力である。
ウォームホイール52が時計回り方向DR1に回転するとき、軸方向分力F1によって、ウォーム53に揺動中心Oを中心とする反時計回り方向のモーメントM1が作用する。モーメントM1は、揺動中心Oを中心として、ウォーム53をウォームホイール52に近づく方向に傾けるように作用する力である。このため、ウォーム53とウォームホイール52との歯面同士が押し付け合う力が大きくなることにより、減速機25の負荷トルクが増加する。
ウォームホイール52が反時計回り方向DL1に回転するとき、軸方向分力F1によって、ウォーム53に揺動中心Oを中心とする時計回り方向のモーメントM2が作用する。モーメントM2は、揺動中心Oを中心として、ウォーム53をウォームホイール52から遠ざかる方向に傾けるように作用する力である。このため、ウォーム53とウォームホイール52との歯面同士が押し付け合う力が小さくなることにより、減速機25の負荷トルクが減少する。
すなわち、減速機25は、ボールねじナット42が下降する操舵方向であるときに付勢機構80がウォーム53に付与する予圧F0が、ボールねじナット42が上昇する操舵方向であるときに付勢機構80がウォーム53に付与する予圧F0よりも大きく作用するように構成されている。
したがって、次式(1)に示すように、ステアリングホイール26を右に操舵するときに生じる減速機25の負荷トルクTdrの絶対値が、ステアリングホイール26を左に操舵するときに生じる減速機25の負荷トルクTdlの絶対値よりも大きくなる。負荷トルクは、ステアリングホイール26を操舵するときに生じるロストルクでもある。
│Tdr│>│Tdl│ …(1)
このように、減速機25の負荷トルクが、ステアリングホイール26の操舵方向に応じて異なる場合、運転者がステアリングホイール26を操作するために必要とされる力が操舵方向によって異なるおそれがある。すなわち、ステアリングホイール26を右に操舵するために必要とされる力と、ステアリングホイール26を左に操舵するために必要とされる力との差が大きくなることが懸念される。
<ウォーム53の向きが第2の向きの場合の減速機25の負荷トルク>
つぎに、ウォーム53が、図4に示される第1の向きと反対の第2の向きに設けられる場合の減速機25の負荷トルクについて検討する。
図5に示すように、第2の向きは、ステアリングシャフト21が連結されるシャフト51の第1の端部側からみて、ウォーム53の第2の端部がウォームホイール52の中心線L1よりも右側に位置するウォーム53の向きである。すなわち、ウォーム53の第2の端部は、ウォーム53の軸方向においてウォームホイール52の中心よりも右側に位置する。
ウォームホイール52が時計回り方向DR1に回転するとき、軸方向分力F1によって、ウォーム53に揺動中心Oを中心とする反時計回り方向のモーメントM1が作用する。モーメントM1は、揺動中心Oを中心として、ウォーム53をウォームホイール52から遠ざかる方向に傾けるように作用する力である。このため、ウォーム53とウォームホイール52との歯面同士が押し付け合う力が小さくなることにより、減速機25の負荷トルクが減少する。
ウォームホイール52が反時計回り方向DL1に回転するとき、軸方向分力F1によって、ウォーム53に揺動中心Oを中心とする時計回り方向のモーメントM2が作用する。モーメントM2は、揺動中心Oを中心として、ウォーム53をウォームホイール52に近づく方向に傾けるように作用する力である。このため、ウォーム53とウォームホイール52との歯面同士が押し付け合う力が大きくなることにより、減速機25の負荷トルクが増加する。
すなわち、減速機25は、ボールねじナット42が下降する操舵方向であるときに付勢機構80がウォーム53に付与する予圧F0が、ボールねじナット42が上昇する操舵方向であるときに付勢機構80がウォーム53に付与する予圧F0よりも大きく作用するように構成されている。
したがって、次式(2)に示すように、ステアリングホイール26を左に操舵するときに生じる負荷トルクTdlの絶対値が、ステアリングホイール26を右に操舵するときに生じる負荷トルクTdrの絶対値よりも大きくなる。
│Tdr│<│Tdl│ …(2)
ウォーム53が第2の向きに設けられる場合、ステアリングホイール26を右に操舵するときに生じる負荷トルクTdrの絶対値と、ステアリングホイール26を左に操舵するときに生じる負荷トルクTdlの絶対値との大小関係は、ウォーム53が第1の向きに設けられる場合のそれと逆になる。
この場合であれ、減速機25の負荷トルクが、ステアリングホイール26の操舵方向に応じて異なることにより、運転者がステアリングホイール26を操作するために必要とされる力が操舵方向によって異なるおそれがある。すなわち、ステアリングホイール26を右に操舵するために必要とされる力と、ステアリングホイール26を左に操舵するために必要とされる力との差が大きくなることが懸念される。
そこで、本実施の形態では、ステアリングホイール26の操舵方向に応じて、ボールねじ機構48の負荷トルクにも差が生じることに着目して、ウォーム53の向きと、ボールねじ軸41のタイプとの組み合わせを決定している。組み合わせには、2つのパターンがある。
<第1の組み合わせ>
表1に示すように、ウォーム53の向きが図4に示される第1の方向に設定される場合、図7に示される左ねじタイプのボールねじ軸41を使用する。
表1に示される第1の組み合わせを採用する場合、ステアリングホイール26を右に操舵したとき、減速機25の負荷トルクが増加する一方、ボールねじ軸41の負荷トルクが減少する。また、ステアリングホイール26を左に操舵したとき、減速機25の負荷トルクが減少する一方、ボールねじ軸41の負荷トルクが増加する。すなわち、ステアリングホイール26を操舵する際に生じる負荷トルクの増減特性が、減速機25とボールねじ機構48とで互いに逆である。このため、減速機25およびボールねじ機構48で生じる総負荷トルクについて、ステアリングホイール26を右に操舵するときと、ステアリングホイール26を左に操舵するときとでの差が小さくなる。
<第2の組み合わせ>
表2に示すように、ウォーム53の向きが図5に示される第2の方向に設定される場合、図6に示される右ねじタイプのボールねじ軸41を使用する。
表2に示される第2の組み合わせを採用する場合、ステアリングホイール26を右に操舵したとき、減速機25の負荷トルクが減少する一方、ボールねじ軸41の負荷トルクが増加する。また、ステアリングホイール26を左に操舵したとき、減速機25の負荷トルクが増加する一方、ボールねじ軸41の負荷トルクが減少する。すなわち、ステアリングホイール26を操舵する際に生じる負荷トルクの増減特性が、減速機25とボールねじ機構48とで互いに逆である。このため、減速機25およびボールねじ機構48で生じる総負荷トルクについて、ステアリングホイール26を右に操舵するときと、ステアリングホイール26を左に操舵するときとでの差が小さくなる。
<実施の形態の効果>
本実施の形態は、以下の効果を奏する。
(1)減速機25およびボールねじ機構48は、ステアリングホイール26を操舵するときに生じる負荷トルクの増減特性が、減速機25とボールねじ機構48とで互いに逆になるように構成されている。このため、減速機25およびボールねじ機構48で生じる総負荷トルクについて、ステアリングホイール26を右に操舵するときと、ステアリングホイール26を左に操舵するときとでの差が小さくなる。したがって、ステアリングホイール26を右に操舵するために必要とされる力と、ステアリングホイール26を左に操舵するために必要とされる力との差を小さくすることができる。
(2)ウォーム53の向きが図4に示される第1の方向に設定される場合、図7に示される左ねじタイプのボールねじ軸41を使用する。このようにすれば、ステアリングホイール26を右に操舵するときと、ステアリングホイール26を左に操舵するときとの各々において、減速機25の負荷トルクの増減特性とボールねじ機構48の負荷トルクの増減特性とを互いに逆にすることができる。
(3)ウォーム53の向きが図5に示される第2の方向に設定される場合、図6に示される右ねじタイプのボールねじ軸41を使用する。このようにしても、ステアリングホイール26を右に操舵するときと、ステアリングホイール26を左に操舵するときとの各々において、減速機25の負荷トルクの増減特性とボールねじ機構48の負荷トルクの増減特性とを互いに逆にすることができる。
(4)操舵装置20の仕様に応じて、ウォーム53の向きとボールねじ軸41のタイプとの組み合わせとして、表1に示される第1の組み合わせ、および表2に示される第2の組み合わせのいずれか一方を選択することができる。操舵装置20の製品バリエーションを増やすことができる。
<他の実施の形態>
本実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・車両10に搭載されるときのステアリングギヤボックス22の姿勢は、ボールねじナット42の移動方向に重力が作用する姿勢であれば適宜変更してもよい。
・ステアリングホイール26が操舵される際に生じる操舵方向に対する負荷トルクの左右差をさらに低減し、理想的には0(零)にすべく、モータ23を、つぎのように制御してもよい。すなわち、ボールねじナット42が下降する操舵方向であるときにボールねじ機構48に付与されるトルクが、ボールねじナット42が上昇する操舵方向であるときにボールねじ機構48に付与されるトルクよりも小さくなるように、モータ23を制御する。モータ23は、たとえば、操舵装置20の制御装置により制御される。
このようにすれば、ステアリングホイール26が操舵される際にボールねじ機構48で生じる負荷トルクの左右差がより小さくなる。左右差は、ステアリングホイール26を右に操舵するときの負荷トルクと、ステアリングホイール26を左に操舵するときの負荷トルクとの差である。したがって、ステアリングホイール26を操舵するときに生じる負荷トルクの増減特性が、減速機25とボールねじ機構48とで互いに逆になるように構成するのみの場合に比べて、減速機25およびボールねじ機構48で生じる総負荷トルクの左右差をさらに小さくすることができる。
・減速機25として、付勢機構80を割愛した構成を採用してもよい。また、ウォーム53は、モータ23の出力軸23Aに対して傾動可能に設けなくてもよい。この場合、ステアリングホイール26が操舵される際に減速機25で生じる負荷トルクの左右差は、基本的には無視できる。このため、ステアリングホイール26が操舵される際にボールねじ機構48で生じる負荷トルクの左右差のみに着目すればよい。
そこで、ステアリングホイール26が操舵される際にボールねじ機構48で生じる操舵方向に対する負荷トルクの左右差を低減し、理想的には0(零)にすべく、モータ23を、つぎのように制御してもよい。すなわち、ボールねじナット42が下降する操舵方向であるときにボールねじ機構48に付与されるトルクが、ボールねじナット42が上昇する操舵方向であるときにボールねじ機構48に付与されるトルクよりも小さくなるように、モータ23を制御する。このようにすれば、ステアリングホイール26が操舵される際にボールねじ機構48で生じる負荷トルクの左右差を低減し、理想的には0にすることが可能である。ボールねじ機構48の負荷トルクの増減特性は、モータ23の制御によって生成される。
また、この場合、ウォーム53の向きと、ボールねじ軸41のタイプ(左ねじタイプおよび右ねじタイプ)との組み合わせとして、先の表1および表2に示される組み合わせと異なる組み合わせを採用することができる。たとえば、ウォーム53の向きが第1の方向である場合において、右ねじタイプのボールねじ軸41を採用してもよい。また、ウォーム53の向きが第2の方向である場合において、左ねじタイプのボールねじ軸41を採用してもよい。
・ウォーム53の向きと、ボールねじ軸41のタイプ(左ねじタイプおよび右ねじタイプ)との組み合わせとして、先の表1および表2に示される組み合わせを採用しなくてもよい。この場合、ステアリングホイール26が操舵される際に生じる操舵方向に対する負荷トルクの左右差を低減し、理想的には0(零)にすべく、モータ23を、つぎのように制御してもよい。すなわち、ボールねじナット42が下降する操舵方向であるときにボールねじ機構48に付与されるトルクが、ボールねじナット42が上昇する操舵方向であるときにボールねじ機構48に付与されるトルクよりも小さくなるように、モータ23を制御する。このようにすれば、ステアリングホイール26が操舵される際にボールねじ機構48で生じる負荷トルクの左右差を低減し、理想的には0にすることが可能である。ボールねじ機構48の負荷トルクの増減特性は、モータ23の制御によって生成される。したがって、ボールねじ機構48で生じる負荷トルクの左右差が低減される分だけ、減速機25およびボールねじ機構48で生じる総負荷トルクの左右差を低減することができる。
・操舵装置20は、ステアバイワイヤ式の操舵装置であってもよい。操舵装置20として、ステアリングホイール26と転舵輪13との間の動力伝達が分離された、いわゆるリンクレス構造を採用してもよい。また、操舵装置20として、クラッチによりステアリングホイール26と転舵輪13との間の動力伝達を分離可能とした構造を採用してもよい。クラッチが切断されるとき、ステアリングホイール26と転舵輪13との間の動力伝達が切断される。クラッチが接続されるとき、ステアリングホイール16と転舵輪13との間の動力伝達が連結される。

Claims (3)

  1. 車両のステアリングホイールの操舵に応じたトルクを発生するように構成されるモータと、前記モータの回転を減速するように構成される減速機とを有するアクチュエータと、
    前記減速機を通じて付与される回転を転舵輪に連動する出力軸の回転に変換するように構成されるボールねじ機構と、を備え、
    前記減速機と前記ボールねじ機構とは、前記ステアリングホイールが操舵される際に生じる操舵方向に対する負荷トルクの増減特性が前記減速機と前記ボールねじ機構とで互いに逆になるように構成され、
    前記ボールねじ機構は、前記減速機を通じて回転が付与されるボールねじ軸であって、前記車両に対して上下方向に延びるボールねじ軸と、複数のボールと、前記ボールねじ軸に前記ボールを介してねじ込まれるボールねじナットと、を有し、
    前記減速機は、
    前記モータに傾動可能に連結される第1の端部、および、前記第1の端部とは反対側の第2の端部を有するウォームと、
    前記ボールねじ軸と一体的に回転可能に設けられるとともに、前記ウォームと噛み合うように構成されるウォームホイールと、
    前記ウォームの前記第2の端部に前記ウォームホイールに向かう方向の予圧を付与する付勢機構と、を有し、
    前記減速機は、前記ボールねじナットが下降する操舵方向であるときに前記付勢機構が前記ウォームに付与する予圧が、前記ボールねじナットが上昇する操舵方向であるときに前記付勢機構が前記ウォームに付与する予圧よりも大きく作用するように構成される操舵装置。
  2. 前記ボールねじ機構の負荷トルクの増減特性は、前記モータの制御によって生成され、
    前記ステアリングホイールが操舵される際に生じる操舵方向に対する負荷トルクの差を無くすべく、前記ボールねじナットが下降する操舵方向であるときに前記ボールねじ機構に付与されるトルクが、前記ボールねじナットが上昇する操舵方向であるときに前記ボールねじ機構に付与されるトルクよりも小さくなるように、前記モータが制御される請求項1に記載の操舵装置。
  3. 前記ウォームの前記第2の端部は、前記ウォームホイールが連結される前記ボールねじ軸の端部側からみて、前記ウォームの軸方向において前記ウォームホイールの中心よりも左側に位置し、前記ボールねじ軸は、左ねじタイプであって、前記ウォームホイールに連結される前記ボールねじ軸の端部側からみて反時計回り方向に巻く螺旋状のねじ溝を有する、または、
    前記ウォームの前記第2の端部は、前記ウォームホイールが連結される前記ボールねじ軸の端部側からみて、前記ウォームの軸方向において前記ウォームホイールの中心よりも右側に位置し、前記ボールねじ軸は、右ねじタイプであって、前記ウォームホイールに連結される前記ボールねじ軸の端部側からみて時計回り方向に巻く螺旋状のねじ溝を有する請求項1または請求項2に記載の操舵装置。
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