本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。以下で説明される各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
§1 適用例
図1を参照して、本実施の形態に係る分析装置の適用例について説明する。図1は、実施の形態に係る分析装置が適用されるシステムの一例を示す図である。図1に示されるように、システム1は、分析装置10と、情報処理装置20と、制御装置30と、複数の機械40と、カメラ50と、を備える。
複数の機械40は、生産現場2に配置される。生産現場2は、複数の工程Prを含む。生産現場2では、例えば、各種の製品が、複数の工程Prを経て生産される。複数の工程Prは、例えば、「塗装」工程、「主要ワークの組み立て」工程、「主要ワークの本体への組み込み」工程、「検査」工程などを含む。複数の工程Prの各々を区別する必要がある場合には、符号に「(1)」、「(2)」、「(3)」、・・・、「(n)」等の添え字を付して区別する。例えば、「工程Pr(1)」,「工程Pr(2)」,・・・,「工程Pr(n)」と記載して区別する。複数の工程の各々を特に区別する必要がない場合は単に「工程Pr」と称する。
複数の機械40は、複数の工程Prにおいてそれぞれ用いられる。つまり、工程Prと機械40とは予め対応付けられている。複数の機械40を相互に区別する必要がある場合には、符号に「(1)」,「(2)」,・・・,「(n)」等の添え字を付して区別し、特に区別する必要がない場合は単に「機械40」と称する。例えば、工程Pr(m)の実施には1台以上の機械40(m)が用いられる。すなわち、工程Pr(1)の実施には1台以上の機械40(1)が用いられる。同様に、工程Pr(2)の実施には1台以上の機械40(2)が用いられる。
複数の工程Prは、サイクルごとに作業者と機械40との協調作業が繰り返し実施される協調工程を含む。本実施の形態では、複数の工程Prは、協調工程として工程Pr(1)を含む。以下、工程Pr(1)を「協調工程Pr(1)」と称する。協調工程Pr(1)の協調作業は、作業者による投入作業(機械40にワークを投入する作業)と、投入作業の後に機械40によって実施される本作業(ワークの加工など)と、を含む。
制御装置30は、生産現場2全体を制御し、複数の機械40の各々と通信可能に接続される。制御装置30は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)である。
制御装置30と複数の機械40とを通信可能に接続するネットワークとして、各種の産業用イーサネット(登録商標)が用いられる。産業用イーサネット(登録商標)としては、たとえば、EtherCAT(登録商標)、Profinet IRT、MECHATROLINK(登録商標)-III、Powerlink、SERCOS(登録商標)-III、CIP Motionなどが知られており、これらのうちのいずれを採用してもよい。さらに、産業用イーサネット(登録商標)以外のフィールドネットワークが用いられてもよい。例えば、モーション制御を行わない場合であれば、DeviceNet、CompoNet/IP(登録商標)などが用いられてもよい。
制御装置30は、マスタスレーブ制御システムにおけるマスタとして動作し、入力デバイス(計測デバイス)としての複数の機械40の各々からの情報を入力データとして取得する。制御装置30は、予め組み込まれたユーザプログラムに従って、取得した入力データを用いた演算処理を実行する。制御装置30は、演算処理の実行に応じて、マスタスレーブ制御システムに対する制御内容を決定し、その制御内容に対応する制御データを、複数の機械40の各々へと出力する。制御装置30は、複数の機械40の各々からの入力データの取得と、複数の機械40の各々への制御データの取得とを、所定の周期(制御周期)で繰り返し実行する。
複数の機械40の各々からの入力データには、当該機械40の作業開始を示すデータ、当該機械40の作業終了を示すデータ、当該機械40における異常発生の有無を示す異常フラグが含まれ得る。機械40は、何らかの異常を検出している間、オン状態の異常フラグを入力データに含め、異常が検出されない間、オフ状態の異常フラグを入力データに含める。
制御装置30は、各工程Prについて、当該工程Prの機械40による作業(機械40(1)の場合には上記の「本作業」)が実施された時間帯(以下、「稼働時間帯」と称する。)を示す機械作業情報を生成し記憶する。機械作業情報は、各稼働時間帯の開始時刻(以下、「作業開始時刻」と称する。)および終了時刻(以下、「作業終了時刻」と称する。)を示す。制御装置30は、図示しない時刻同期サーバと接続されており、時刻同期サーバに基づいて、稼働時間帯の作業開始時刻および作業終了時刻を特定する。例えば、制御装置30は、機械40から取得した入力データが作業開始を示す場合に、当該入力データを取得した時刻を時刻同期サーバから取得し、取得した時刻を作業開始時刻として記憶する。同様に、制御装置30は、機械40から取得した入力データが作業終了を示す場合に、当該入力データを取得した時刻を時刻同期サーバから取得し、取得した時刻を作業終了時刻として記憶する。
複数の機械40は、マスタスレーブ制御システムにおけるスレーブとして動作する。複数の機械40は、所定の制御周期ごとに繰り返し入力データを制御装置30へと送信する入力デバイスであり、または、所定の制御周期ごとに繰り返し制御データを制御装置30から受信し、受信した制御データにしたがって動作する出力デバイスである。複数の機械40は、例えば、制御装置30に検知結果等を送信する入力デバイスとしてのセンサ(例えば、光電センサ)、読み取り結果を送信するバーコードリーダ、検査結果を送信する検査機(テスター)などを含んでもよい。また、複数の機械40は、複数の入力デバイスが接続されたPT(Programmable Terminal)を含んでもよい。さらに、複数の機械40は、ネジ締め、ピッキング等を実行する出力デバイスとしてのロボット等を含んでもよい。
カメラ50は、生産現場2の全体を俯瞰できる位置(典型的には天井)に設置され、生産現場2の全体を撮像することにより動画データ(以下、単に「動画」と称する。)を生成する。カメラ50は、例えば広角カメラまたは超広角カメラである。
情報処理装置20は、制御装置30およびカメラ50と通信可能に接続される。情報処理装置20は、カメラ50から取得した動画を用いて、複数の工程Prの各々の作業現場に作業者が滞在していた時間帯(以下、「滞在時間帯」と称する。)を示す入退場情報を生成し記憶する。入退場情報は、各滞在時間帯の開始時刻(以下、「滞在開始時刻」と称する。)および終了時刻(以下、「滞在終了時刻」と称する。)を示す。滞在開始時刻は、作業者が作業現場に入場した時刻であり、滞在終了時刻は、作業者が作業現場から退場した時刻である。
分析装置10は、情報処理装置20および制御装置30と通信可能に接続され、複数の工程Prを含む生産現場2の作業状況を分析する。分析装置10は、例えば汎用のコンピュータであり、表示装置70に接続される。
分析装置10は、制御装置30から、協調工程Pr(1)の機械40(1)の稼働時間帯を示す機械作業情報を取得する(ステップS1)。さらに、分析装置10は、情報処理装置20から、複数の工程Prの各々の作業者の滞在時間帯を示す入退場情報を取得する(ステップS2)。
分析装置10は、機械作業情報および入退場情報を用いて、生産現場2の作業状況を分析する(ステップS3)。そして、分析装置10は、分析結果を示す画面を提供する(ステップS4)。例えば、分析装置10は、当該画面を表示装置70に表示する。
協調工程Pr(1)において、作業者は、機械40(1)による前サイクルの本作業の終了前に協調工程Pr(1)の作業現場に到着すると、当該本作業が終了するまで、次のサイクルの投入作業を開始できない。作業者が機械40(1)による前サイクルの本作業の終了を待機している時間は、作業者にとって無駄な時間である。一方、作業者の投入作業の開始が遅れると、機械40(1)による本作業の開始も遅れる。機械40(1)が投入作業の開始を待機している時間は、機械40(1)にとって無駄な時間である。そこで、ステップS3において、分析装置10は、サイクルごとに、作業者が本作業の終了を待機している第1待機時間と、機械40(1)が本作業の終了後に作業現場への作業者の到着を待機している第2待機時間とを算出する。これにより、ステップS4において提供される画面は、第1待機時間と第2待機時間とを示す。
本実施の形態によれば、ユーザは、画面を確認することにより、協調工程を含む生産現場の作業の改善のために第1待機時間と第2待機時間とのどちらを削減するように対策を取るべきかを認識できる。このように、分析装置は、協調工程を含む生産現場の作業の改善に適した情報を提供できる。
§2 具体例
<情報処理装置のハードウェア構成>
図2は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。情報処理装置20は、典型的には、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有する。図2に示されるように、情報処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、カメラインターフェイス24と、通信インターフェイス25と、を含む。これらの各部は、バスを介して、互いにデータ通信可能に接続される。
プロセッサ21は、ストレージ23に記憶されている各種のプログラムをメモリ22に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。
メモリ22は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、ストレージ23から読み出されたプログラム、カメラ50から受けた動画などを記憶する。
カメラインターフェイス24は、プロセッサ21とカメラ50との間のデータ伝送を仲介する。より具体的には、プロセッサ21からカメラインターフェイス24を介してカメラ50に撮像指示が出力される。カメラインターフェイス24は、撮像指示に応じてカメラ50から受けた動画をプロセッサ21に出力する。
通信インターフェイス25は、プロセッサ21と外部デバイス(例えば制御装置30、分析装置10)との間のデータ伝送を仲介する。通信インターフェイス25は、典型的には、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)などを含む。
ストレージ23は、典型的には、ハードディスクトライブなどの不揮発性の磁気記憶装置である。ストレージ23は、プロセッサ21で実行される入退場情報生成プログラム26と、入退場情報生成プログラム26の実行によって生成された入退場情報27と、を記憶する。
図3は、入退場情報の一例を示す図である。図3に例示される入退場情報27は、テーブル形式で表される。当該テーブルの各レコードは、工程Prを識別する工程IDと、当該工程IDで識別される工程Prの作業現場に作業者が滞在していた滞在時間帯の開始時刻(滞在開始時刻)および終了時刻(滞在終了時刻)とを対応付ける。生産現場2では、製品が1つずつ生産される。そのため、複数個の製品が順次生産される場合、複数の工程Pr(1)~Pr(n)における作業が繰り返し実施される。従って、入退場情報27は、同一の工程IDを示す複数のレコードを含む。
<入退場情報の生成方法>
次に、情報処理装置20のプロセッサ21による入退場情報27の方法について説明する。
図4は、カメラから取得した動画に含まれるフレームの一例を示す図である。図4には、5つの工程Prを含む生産現場2を撮像することにより得られる動画のフレームが示される。図4に示されるように、動画の各フレームには、生産現場2と、生産現場2において作業している作業者Peとが写る。なお、動画の各フレームは、図示しない時刻同期サーバを用いて特定された撮像時刻と対応付けられている。
5つの工程Prの各々の作業現場に対して、監視領域Arが予め設定される。具体的には、工程Pr(1)~Pr(5)に対して、監視領域Ar(1)~Ar(5)がそれぞれ設定される。監視領域Ar(1)~Ar(5)は、動画のフレーム内の領域であり、作業現場に対応する。監視領域Ar(1)~Ar(5)は、例えば矩形であり、4つの頂点の座標によって定義される。
情報処理装置20のプロセッサ21は、公知の物体認識技術を用いて、フレームにおいて作業者Peの写る位置を検出する。具体的には、プロセッサ21は、公知の物体認識技術を用いて、作業者Peの写る1以上の画素を検出する。プロセッサ21は、検出した1以上の画素を含む矩形領域Apを特定し、矩形領域Apの中心を作業者Peの位置Ppとして決定する。図5に示す例では、作業者Pe(1),Pe(2)の位置Pp(1),Pp(2)がそれぞれ検出されている。
プロセッサ21は、各フレームの撮像時刻において、各工程Prに対して設定された監視領域Arに作業者Peが存在するか否かを判定する。具体的には、プロセッサ21は、監視領域Ar内に作業者Peの位置Ppが含まれることに応じて、監視領域Arに作業者Peが存在すると判定する。
プロセッサ21は、各工程Prについて、動画の中から、当該工程Prに対応する監視領域Arに作業者Peが存在すると判定された、連続する複数のフレームを特定する。プロセッサ21は、特定した複数のフレームに対して、当該工程Prを識別する工程IDを含むレコードを作成する。プロセッサ21は、特定された複数のフレームのうちの1番目のフレームの撮像時刻を当該レコードの滞在開始時刻として決定し、かつ、特定したフレームのうちの最後のフレームの撮像時刻を当該レコードの滞在終了時刻として決定する。プロセッサ21は、このようにして作成されたレコードを含む入退場情報27を生成する。
<制御装置のハードウェア構成>
図5は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。図5に示されるように、制御装置30は、CPUやMPUなどのプロセッサ31と、チップセット32と、主メモリ33と、ストレージ34と、制御系ネットワークコントローラ35と、情報系ネットワークコントローラ36と、USBコントローラ37と、メモリカードインターフェイス38と、を含む。
プロセッサ31は、ストレージ34に格納された各種プログラムを読み出して、主メモリ33に展開して実行することで、制御対象を制御するための制御演算を実現する。チップセット32は、プロセッサ31と各コンポーネントとのデータ伝送などを制御する。
ストレージ34には、基本的な処理を実現するためのシステムプログラム341と、制御演算を実現するためのユーザプログラム342と、管理プログラム343と、が格納される。なお、管理プログラム343は、ユーザプログラム342の一部であってもよい。さらに、ストレージ34は、管理プログラム343の実行によって生成される機械作業情報344およびエラー情報345を記憶する。ストレージ34は、工程Prごとに機械作業情報344およびエラー情報345を記憶する。エラー情報345は、機械40から出力される異常フラグがオン状態である時間帯(以下、「異常時間帯」と称する。)を示す。
制御系ネットワークコントローラ35と、制御系ネットワークを介して、機械40とのデータのやり取りを制御する。
情報系ネットワークコントローラ36は、情報系ネットワークを介して、外部の装置(例えば分析装置10、情報処理装置20など)とのデータのやり取りを制御する。
USBコントローラ37は、USB接続を介した外部の装置(例えば、サポート装置)とのデータのやり取りを制御する。
メモリカードインターフェイス38は、メモリカード228を着脱可能に構成されており、メモリカード228に対してデータを書き込み、メモリカード228から各種データ(ユーザプログラムやトレースデータなど)を読み出すことが可能になっている。
図6は、機械作業情報の一例を示す図である。図6に例示される機械作業情報344は、協調工程Pr(1)に対応する。機械作業情報344は、テーブル形式で表される。当該テーブルには、協調工程Pr(1)の機械40(1)において繰り返し実施される本作業ごとにレコードが追加される。レコードは、対応する本作業が開始された時刻(作業開始時刻)と対応する本作業が終了した時刻(作業終了時刻)とがそれぞれ記述される2つのフィールドを含む。
制御装置30のプロセッサ31は、協調工程Pr(1)の機械40(1)から取得した入力データが作業の開始を示す場合に、協調工程Pr(1)に対応する機械作業情報344に新たなレコードを追加する。プロセッサ31は、当該入力データを取得した時刻を時刻同期サーバから取得し、取得した時刻を作業開始時刻として新たなレコードに記述する。その後、プロセッサ31は、機械40(1)から取得した入力データが作業の終了を示すことに応じて、当該入力データを取得した時刻を作業終了時刻としてレコードに記述する。
図7は、エラー情報の一例を示す図である。図7に例示されるエラー情報345は、協調工程Pr(1)に対応する。エラー情報345は、テーブル形式で表される。当該テーブルには、協調工程Pr(1)の機械40(1)からの異常フラグがオン状態である期間ごとにレコードが追加される。レコードは、異常フラグがオフ状態からオン状態に切り替わった時刻(エラー開始時刻)と、異常フラグがオン状態からオフ状態に切り替わった時刻(エラー終了時刻)とがそれぞれ記述される2つのフィールドを含む。
制御装置30のプロセッサ31は、協調工程Pr(1)の機械40(1)から取得した異常フラグがオフ状態からオン状態に切り替わると、協調工程Pr(1)に対応するエラー情報345に新たなレコードを追加する。プロセッサ31は、異常フラグがオフ状態からオン状態に切り替わった時刻を時刻同期サーバから取得し、取得した時刻をエラー開始時刻として新たなレコードに記述する。その後、プロセッサ31は、機械40(1)から取得した異常フラグがオン状態からオフ状態に切り替わった時刻を時刻同期サーバから取得し、取得した時刻をエラー終了時刻として新たなレコードに記述する。
<分析装置のハードウェア構成>
図8は、実施の形態に係る分析装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。図8に示されるように、分析装置10は、典型的には、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有する。
具体的には、分析装置10は、CPUやMPUなどのプロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、表示コントローラ14と、入力インターフェイス15と、通信インターフェイス16と、を含む。これらの各部は、バスを介して、互いにデータ通信可能に接続される。
プロセッサ11は、ストレージ13に記憶されている各種のプログラムをメモリ12に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。
メモリ12は、典型的には、DRAMなどの揮発性の記憶装置であり、ストレージ13から読み出されたプログラムなどを記憶する。
ストレージ13は、典型的には、ハードディスクトライブなどの不揮発性の磁気記憶装置である。ストレージ13は、プロセッサ11で実行される分析プログラム17と、情報処理装置20から取得した入退場情報27と、制御装置30から取得した、工程Prごとの機械作業情報344およびエラー情報345と、を記憶する。ストレージ13にインストールされる分析プログラム17は、メモリカードなどに格納された状態で流通する。
表示コントローラ14は、表示装置70と接続されており、プロセッサ11からの内部コマンドに従って、各種の情報を表示するための信号を表示装置70へ出力する。
入力インターフェイス15は、プロセッサ11とキーボード、マウス、タッチパネル、専用コンソールなどの入力装置75との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、入力インターフェイス15は、ユーザが入力装置75を操作することで与えられる操作指令を受け付ける。
通信インターフェイス16は、プロセッサ11と外部デバイス(例えば情報処理装置20、制御装置30)との間のデータ伝送を仲介する。通信インターフェイス16は、典型的には、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)などを含む。なお、分析プログラム17は、通信インターフェイス16を介して、配信サーバなどからダウンロードされてもよい。
上述のような汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有するコンピュータを利用する場合には、本実施の形態に係る機能を提供するためのアプリケーションに加えて、コンピュータの基本的な機能を提供するためのOS(Operating System)がインストールされていてもよい。この場合には、本実施の形態に係るプログラムは、OSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の順序およびタイミングで呼出して処理を実行するものであってもよい。すなわち、本実施の形態に係るプログラム自体は、上記のようなモジュールを含んでおらず、OSと協働して処理が実行される場合もある。
なお、代替的に、分析プログラム17の実行により提供される機能の一部もしくは全部を専用のハードウェア回路として実装してもよい。
<分析装置の機能構成>
図9は、実施の形態に係る分析装置の機能構成の一例を示す図である。図9に示されるように、分析装置10は、第1取得部101と、第2取得部102と、分析部103と、提供部104と、記憶部110と、を備える。第1取得部101および第2取得部102は、通信インターフェイス16と分析プログラム17を実行するプロセッサ11とによって実現される。分析部103は、分析プログラム17を実行するプロセッサ11によって実現される。提供部104は、表示コントローラ14と分析プログラム17を実行するプロセッサ11とによって実現される。
第1取得部101は、複数の工程Prの各々について、機械40の稼働時間帯を示す機械作業情報344を制御装置30から取得する。さらに、第1取得部101は、複数の工程Prの各々について、機械40の異常時間帯を示すエラー情報345を制御装置30から取得する。第1取得部101は、取得した機械作業情報344およびエラー情報345を記憶部110に格納する。
第2取得部102は、情報処理装置20から、複数の工程Prの各々の作業現場に作業者が滞在していた滞在時間帯を示す入退場情報27を取得する。第2取得部102は、取得した入退場情報27を記憶部110に格納する。
分析部103は、機械作業情報344、エラー情報345および入退場情報27を用いて、生産現場2の作業状況を分析する。
提供部104は、入力装置75への入力に応じて、分析結果を示す画面を提供する。具体的には、提供部104は、当該画面を表示装置70に表示する。
<分析部>
次に、分析部103によって実行される分析処理について説明する。当該分析処理は、分析プログラム17に含まれる命令によって定義され、プロセッサ11によって実行される。
(協調工程における稼働時間帯と滞在時間帯との関係)
図10は、協調工程における、機械の稼働時間帯と作業現場での作業者の滞在時間帯との関係を示す図である。機械40(1)の稼働時間帯は、協調工程Pr(1)に対応する機械作業情報344の各レコードの作業開始時刻から作業終了時刻までの時間帯である。作業者の滞在時間帯は、入退場情報27における、工程Pr(1)に対応する各レコードの滞在開始時刻から滞在終了時刻までの時間帯である。
図10の上段には、作業者が作業現場に滞在し続けるときのパターンが示される。図10の上段に示されるように、作業者は、時刻t1において、協調工程Pr(1)の作業現場に到着し、投入作業を開始する。作業者は、時刻t2において、投入作業を終了する。その結果、機械40(1)は、時刻t2に本作業を開始し、時刻t3に本作業を終了する。作業者は、機械40(1)の本作業が終了した時刻t3において、次のサイクルのための投入作業を開始する。作業者は、時刻t5において、投入作業を終了する。その結果、機械40(1)は、時刻t5に本作業を開始し、時刻t7に本作業を終了する。このように、協調工程Pr(1)の作業現場に作業者が滞在し続けるため、機械40(1)の本作業が終了したタイミングで、作業者は、次のサイクルの投入作業を開始できる。その結果、機械40(1)の稼働率は、最大となる。
ただし、図10の上段に示されるパターンでは、作業者は、機械40(1)が本作業を実施している間、待機する必要がある。すなわち、機械40(1)が本作業を実施している間の作業者の労力が無駄となる。そのため、作業者の労力を効率的に利用するために、作業者は、協調工程Pr(1)の機械40(1)が本作業を実施している間、別工程で作業を行なうことが好ましい。
図10の中段には、協調工程Pr(1)の機械40(1)の稼働率を最大に維持した状態で、作業者の労力を最大限に利用するときの理想的なパターンが示される。すなわち、作業者は、協調工程Pr(1)における投入作業が終了した時刻t2において、別工程に移動し、別工程の作業を行なう。その後、作業者は、機械40(1)の本作業が終了する時刻t3において、別工程から協調工程Pr(1)に移動し、次のサイクルの投入作業を開始する。その結果、機械40(1)は、図10の上段のパターンと同様に、投入作業の終了する時刻t5に本作業を開始できる。これにより、工程Pr(1)の機械40(1)の稼働率を最大に維持した状態で、作業者の労力が最大限に利用される。
しかしながら、作業者の別工程での作業状況に応じて、協調工程Pr(1)への作業者の到着タイミングは、機械40(1)の本作業の終了タイミングと異なり得る。
図10の下段には、協調工程Pr(1)への作業者の到着タイミングと機械40(1)による本作業の終了タイミングとがずれたときのパターンが示される。実際の生産現場2における機械40(1)の稼働時間帯と作業者の滞在時間帯とは、図10の下段に示すパターンのように表される。
図10の下段に示すパターンでは、作業者は、機械40(1)の本作業が終了した時刻t3より遅れた時刻t4において、別工程から協調工程Pr(1)に移動し、次のサイクルの投入作業を開始する。そのため、時刻t3から時刻t4までの時間は、機械40(1)が投入作業の開始を待機している時間(第2待機時間)に相当する。当該第2待機時間が長くなるほど、機械40(1)の稼働率が低下する。
また、図10の下段に示すパターンでは、作業者は、機械40(1)による前サイクルの本作業が終了する時刻t9より前の時刻t8において、別工程から協調工程Pr(1)に戻っている。そのため、時刻t8から時刻t9までの時間は、作業者が機械40(1)による前サイクルの本作業の終了を待機している時間(第1待機時間)に相当する。当該第1待機時間が長くなるほど、作業者の稼働率が低下する。
機械40(1)による本作業の終了タイミングは、協調工程Pr(1)に対応する機械作業情報344の作業終了時刻によって特定される。一方、協調工程Pr(1)の作業現場への作業者の到着タイミングは、入退場情報27における協調工程Pr(1)に対応するレコードの滞在開始時刻によって特定される。
そのため、分析部103は、機械作業情報344および入退場情報27を用いて、各サイクルについて、当該サイクルの前のサイクルの本作業の終了タイミングT1と、当該サイクルの投入作業のための、協調工程Pr(1)の作業現場への作業者の到着タイミングT2とを特定できる。分析部103は、各サイクルについて、終了タイミングT1と到着タイミングT2との時間差(T1-T2)に基づいて、第1待機時間および第2待機時間を算出できる。時間差(T1-T2)は、終了タイミングT1よりも到着タイミングT2が前である場合、プラスの値を示す。一方、時間差(T1-T2)は、終了タイミングT1よりも到着タイミングT2が後である場合、マイナスの値を示す。すなわち、時間差(T1-T2)がプラスの値である場合、時間差(T1-T2)の絶対値は、作業者が機械40(1)による前サイクルの本作業の終了を待機している時間、すなわち第1待機時間である。一方、時間差(T1-T2)がマイナスの値である場合、時間差(T1-T2)の絶対値は、機械40(1)が作業者による投入作業の開始を待機している時間、すなわち第2待機時間である。
分析部103は、以下のようにして、時間差(T1-T2)を算出すればよい。まず、分析部103は、工程Pr(1)に対応する機械作業情報344の各レコードの作業終了時刻を、前サイクルの機械40(1)による本作業の終了タイミングT1として特定する。
次に、分析部103は、入退場情報27から工程Pr(1)に対応するレコードを抽出する。分析部103は、各終了タイミングT1について、入退場情報27から抽出した各レコードによって示される滞在時間帯のうち当該終了タイミングT1を含む滞在時間帯が存在するか否かを判断する。
終了タイミングT1を含む滞在時間帯が存在しない場合、分析部103は、入退場情報27から抽出したレコードの中から、終了タイミングT1の直後の滞在時間帯を示すレコードを特定する。分析部103は、特定したレコードの滞在開始時刻を到着タイミングT2として特定し、時間差(T1-T2)を算出する。この場合、時間差(T1-T2)は、マイナスの値となる。
例えば、図10の下段に示すパターンでは、機械40(1)の本作業が終了した時刻t3を含む滞在時間帯が存在しない。そのため、分析部103は、協調工程Pr(1)に対応する機械作業情報344から、時刻t3の直後の滞在時間帯(時刻t4から時刻t6までの時間帯)を示すレコードを特定する。そして、分析部103は、時刻t3から時刻t4までの時間に(-1)を乗じた値を時間差(T1-T2)として算出する。
終了タイミングT1を含む滞在時間帯が存在する場合、分析部103は、当該滞在時間帯の滞在開始時刻を到着タイミングT2として特定し、時間差(T1-T2)を算出する。この場合、時間差(T1-T2)は、プラスの値となる。
例えば、図10の下段に示すパターンでは、機械40(1)の本作業が終了した時刻t9を含む滞在時間帯(時刻t8を滞在開始時刻とする時間帯)が存在する。そのため、分析部103は、時刻t8から時刻t9までの時間を時間差(T1-T2)として算出する。
なお、作業者が機械40(1)による前サイクルの本作業の終了を待機している時間(第1待機時間)の最大値は、本作業に要する時間である。そのため、分析部103は、上記のようにして算出された時間差(T1-T2)がプラスであり、かつ、時間差(T1-T2)が本作業に要する時間よりも大きい場合、算出された時間差(T1-T2)を本作業に要する時間に補正する。本作業に要する時間は、機械40(1)の性能、実験等に基づいて、予め定められる。
(分析処理全体の流れ)
図11は、分析処理の流れを示すフローチャートである。図11に示されるように、まず、分析部103は、協調工程Pr(1)の現状を分析する(ステップS11)。ステップS11において、協調工程Pr(1)の現状を示す特徴量(第1待機時間および第2待機時間を含む)の値が算出される。
次に、分析部103は、現状の分析結果を用いて、作業者の工程間の移動時刻を変更したときの特徴量の変動をシミュレートするシミュレーション処理を実行する(ステップS12)。
(ステップS11のサブルーチンの流れ)
図12は、図11に示すステップS11のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。まず、分析部103は、検索期間を決定する(ステップS21)。例えば、分析部103は、入力装置75への入力に従って、検索期間(例えば、2021年10月1日の9:00~14:00)を決定すればよい。
次に、分析部103は、検索期間のうち、分析対象期間を特定する(ステップS22)。例えば、分析部103は、生産計画情報に基づいて、検索期間から計画停止期間(例えば、2021年10月1日の昼休み12:00~13:00)を除いた期間を分析対象期間として特定する。分析部103は、入力装置75から生産計画情報を取得してもよいし、図示しない生産管理サーバから生産計画情報を取得してもよい。
次に、分析部103は、ステップS23の処理を行なう。ステップS23において、分析部103は、入退場情報27から、分析対象期間に含まれる滞在時間帯を示し、かつ、工程Pr(1)に対応するレコードを抽出する。また、分析部103は、工程Pr(1)に対応する機械作業情報344から、分析対象期間に含まれる稼働時間帯を示すレコードを抽出する。さらに、分析部103は、工程Pr(1)に対応するエラー情報345から、分析対象期間に含まれる異常時間帯を示すレコードを抽出する。
次に、分析部103は、分析対象期間において、協調作業が正常に実施された複数のサイクルを特定する(ステップS24)。具体的には、分析部103は、ステップS13において機械作業情報344から抽出されたレコードの作業終了時刻に基づいて、分析対象期間に実施された全サイクルを特定する。すなわち、分析部103は、連続する2つのレコードにそれぞれ記述された2つの作業終了時刻の間の期間を、協調作業が実施された1サイクルとして特定する。このようにして特定された全サイクルには、リトライ、チョコ停などの異常が発生したサイクルも含まれ得る。そのため、分析部103は、特定された全サイクルの中から、ステップS23においてエラー情報345から抽出されたいずれかのレコードによって示される異常時間帯と重なるサイクルを除外する。これにより、分析対象期間において、協調作業が正常に実施された複数のサイクルが特定される。
次に、分析部103は、協調作業が正常に実施された複数のサイクルの各々について、前サイクルの本作業の終了タイミングT1と、当該サイクルの投入作業のための協調工程Pr(1)への作業者の到着タイミングT2との時間差(T1-T2)を算出する(ステップS25)。時間差(T1-T2)の算出方法は、上述した通りである。
次に、分析部103は、分析対象期間における、機械40(1)の状態ごとの時間を算出する(ステップS26)。具体的には、分析部103は、分析対象期間における以下の時間を算出する。
・正常に本作業を実施した時間(以下、「本作業時間の合計」と称する。)、
・作業者による投入作業が開始されてから、投入作業の終了を待機している時間(以下、「投入終了までの待機時間の合計」と称する。)、
・作業者による投入作業の開始を待機している時間(つまり、「第2待機時間の合計」)、
・リトライ、チョコ停など、異常によって正常に動作していない時間(以下、「異常停止時間の合計」と称する。)、
・残りの非稼働時間(例えば、作業者による段取り作業、異常の修復作業などが開始されてから、当該作業の終了を待機している時間などが含まれる)。
分析部103は、ステップS24において特定されたサイクル数、すなわち協調作業が正常に実施されたサイクル数(以下、「正常サイクル数」と称する。)をカウントする。分析部103は、本作業に要する時間と正常サイクル数との積を「本作業時間の合計」として算出する。本作業に要する時間は、上述したように、予め定められる。
分析部103は、投入作業に要する時間と正常サイクル数との積を「投入終了までの待機時間の合計」として算出する。投入作業に要する時間は、例えばストップウオッチを用いた計測等により、予め定められる。
分析部103は、ステップS25において算出されたサイクルごとの時間差(T1-T2)のうち、マイナスの値をとる時間差(T1-T2)を選択する。分析部103は、選択した時間差(T1-T2)の絶対値の合計を「第2待機時間の合計」として算出する。
分析部103は、分析対象期間に含まれる異常時間帯の合計時間を「異常停止時間の合計」として算出する。
分析部103は、分析対象期間の総時間から「本作業時間の合計」、「投入終了までの待機時間の合計」、「第2待機時間の合計」、および「異常停止時間の合計」を除いた時間を「残りの非稼働時間」として算出する。
次に、分析部103は、「本作業時間の合計」を分析対象期間の総時間で除算することにより、分析対象期間において、協調工程Pr(1)において機械40(1)による本作業が実施された時間の割合を示す第1稼働率を算出する(ステップS27)。すなわち、第1稼働率は、機械40(1)の稼働率である。
次に、分析部103は、分析対象期間における、作業者の状態ごとの時間を算出する(ステップS28)。具体的には、分析部103は、分析対象期間における以下の時間を算出する。
・協調工程において投入作業を実施した時間(以下、「投入作業時間の合計」と称する。)、
・協調工程以外の工程での作業時間(以下、「他工程での作業時間の合計」と称する。)、
・協調工程において、段取りなどの投入作業以外の作業を行なっている時間(以下、「段取り等の作業時間の合計」と称する。)、
・協調工程において、機械40(1)の本作業の終了を待機している時間(つまり、「第1待機時間の合計」)。
分析部103は、事前作業に要する時間と正常サイクル数との積を「投入作業時間の合計」として算出する。そのため、「投入作業時間の合計」は、機械40(1)について算出された「投入終了までの待機時間の合計」と同じである。
分析部103は、ステップS23において入退場情報27から抽出されたレコードに基づいて、工程Pr(1)の作業現場に作業者が滞在していた時間の総計を算出する。分析部103は、分析対象期間の総時間から、工程Pr(1)の作業現場に作業者が滞在していた時間の総計を差し引くことにより、「他工程での作業時間の合計」を算出する。
分析部103は、ステップS25において算出されたサイクルごとの時間差(T1-T2)のうち、プラスの値をとる時間差(T1-T2)を選択する。分析部103は、選択した時間差(T1-T2)の合計を「第1待機時間の合計」として算出する。
分析部103は、分析対象期間の総時間から「投入作業時間の合計」、「他工程での作業時間の合計」および「第1待機時間の合計」を除いた時間を「段取り等の作業時間の合計」として算出する。
次に、分析部103は、「投入作業時間の合計」、「他工程での作業時間の合計」および「段取り等の作業時間の合計」の合計を分析対象期間の総時間で除算することにより、分析対象期間において、作業者が複数の工程Prのいずれかで作業を実施していた時間の割合を示す第2稼働率を算出する(ステップS29)。すなわち、第2稼働率は、作業者の稼働率である。
次に、分析部103は、分析対象期間の総時間を正常サイクル数で除算することにより、分析対象期間における協調工程Pr(1)の平均サイクルタイムを算出する(ステップS30)。平均サイクルタイムとは、繰り返し実施される協調作業のサイクルタイムの平均である。サイクルタイムとは、各サイクルの時間である。
(ステップS12のサブルーチンの流れ)
図13は、図11に示すステップS12のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
まず、分析部103は、予め定められた複数の変化量の中から1つの変化量を選択する(ステップS31)。複数の変化量は、プラスの値およびマイナスの値を含む。
次に、分析部103は、選択された変化量だけ、ステップS25において算出されたサイクルごとの時間差(T1-T2)を変更する(ステップS32)。すなわち、分析部103は、協調工程Pr(1)の作業現場への作業者の到着タイミングを変化させる。
次に、分析部103は、変更後の時間差(T1-T2)に基づいて、第1稼働率、第2稼働率および平均サイクルタイムを算出する(ステップS33)。すなわち、分析部103は、協調工程Pr(1)の作業現場への作業者の到着タイミングを変化させたときの、第1稼働率および第2稼働率の変動をシミュレートする。
図14は、ステップS32,S33の処理を説明する図である。図14には、ステップS25において算出された時間差(T1-T2)の度数分布200と、ステップS32において変更された時間差(T1-T2)の度数分布202と、が示される。図14に示されるように、全てのサイクルの時間差(T1-T2)が同じ変化量αだけ変更されているため、度数分布202の形状は、度数分布200の形状と同じである。ただし、階級の値が変化量αだけ異なる。
サイクルごとの時間差(T1-T2)は、協調工程Pr(1)の作業現場への作業者の到着タイミングに依存する。そのため、サイクルごとの時間差(T1-T2)が変更されたとしても、ステップS26において算出した「本作業時間の合計」、「投入終了までの待機時間の合計」、「異常停止時間の合計」、および「残りの非稼働時間」は維持される。また、「正常サイクル数」も維持される。
一方、ステップS26において算出した「第2待機時間の合計」は、サイクルごとの時間差(T1-T2)の変更に応じて変化する。そのため、分析部103は、変更後の時間差(T1-T2)のうち、マイナスの値をとる時間差(T1-T2)を選択し、選択した時間差(T1-T2)の絶対値の合計を「第2待機時間の合計」として算出し直す。図14において、領域210の面積は、「第2待機時間の合計」を表している。
分析部103は、変更後の時間差(T1-T2)を用いた算出した「第2待機時間の合計」を用いて、変更後の第1稼働率を算出する。なお、「第2待機時間の合計」が変化しているため、第1稼働率を算出するための分母、すなわち、分析対象期間の総時間も変更する必要がある。すなわち、分析部103は、変更後の時間差(T1-T2)を用いた算出した「第2待機時間の合計」と、ステップS26において算出した「本作業時間の合計」、「投入終了までの待機時間の合計」、「異常停止時間の合計」、および「残りの機械非稼働時間」との合計を分母(変更後の分析対象期間の総時間)として用いればよい。
さらに、分析部103は、変更後の分析対象期間の総時間を正常サイクル数で除算することにより、変更後の平均サイクルタイムを算出する。
同様に、サイクルごとの時間差(T1-T2)が変更されたとしても、ステップS28において算出した「投入作業時間の合計」および「段取り等の作業時間の合計」は維持される。
一方、ステップS28において算出した「第1待機時間の合計」は、サイクルごとの時間差(T1-T2)の変更に応じて変化する。そのため、分析部103は、変更後の時間差(T1-T2)のうち、プラスの値をとる時間差(T1-T2)を選択し、選択した時間差(T1-T2)の絶対値の合計を「第1待機時間の合計」として算出し直す。図14において、領域212の面積は、「第1待機時間の合計」を表している。
さらに、サイクルごとの時間差(T1-T2)が変化量αだけ変更されることにより、変化量αと正常サイクル数との積だけ、協調工程以外の工程の作業時間が減少する。そのため、分析部103は、ステップS28において算出した「他工程での作業時間の合計」から当該積だけ差し引くことにより、変更後の「他工程での作業時間の合計」を算出する。
分析部103は、変更後の「他工程での作業時間の合計」とステップS28において算出した「投入作業時間の合計」および「段取り等の作業時間の合計」との合計を変更後の分析対象期間の総時間で除算することにより、変更後の第2稼働率を算出する。
次に、分析部103は、予め定められた複数の変化量の全てが選択済みか否かを判断する(ステップS34)。ステップS34でNOの場合、ステップS12のサブルーチンは、ステップS31に戻り、新たな変化量が選択される。ステップS34でYESの場合、ステップS12のサブルーチンは終了する。
<画面例>
図15から図17を参照して、提供部104によって提供される画面の例について説明する。
図15は、分析結果を示す画面の一例を示す図である。図15に示す画面60は、提供部104によって提供され、例えば表示装置70に表示される。図15に示されるように、画面60は、グラフ61~63と、ボタン64~66と、を含む。
グラフ61は、サイクルごとの第1待機時間および第2待機時間の経時変化を示す。グラフ62は、第1待機時間の累積値の経時変化を示す。グラフ63は、第2待機時間の累積値の経時変化を示す。グラフ61~63の横軸は、繰り返し実行される協調工程Pr(1)のサイクル累積数を示し、時間に対応する。
ユーザは、画面60を確認することにより、協調工程Pr(1)を含む生産現場2の作業の改善のために第1待機時間と第2待機時間とのどちらを削減するように対策を取るべきかを認識できる。このように、分析装置10は、協調工程Pr(1)を含む生産現場2の作業の改善に適した情報を提供できる。なお、画面60は、グラフ61~63のうちの少なくとも1つを含めばよい。
提供部104は、ボタン64がクリックされたことに応じて、表示装置70の画面を画面60から図16に示す画面に遷移させる。提供部104は、ボタン65がクリックされたことに応じて、表示装置70の画面を画面60から図17に示す画面に遷移させる。提供部104は、ボタン66がクリックされたことに応じて、画面60の提供を終了する。
図16は、分析結果を示す画面の第1の別の例を示す図である。図16に示す画面80は、提供部104によって提供され、例えば表示装置70に表示される。図16に示されるように、画面80は、グラフ81~84と、ボタン86と、を含む。
グラフ81は、分析対象期間における、ステップS26で算出された「投入終了までの待機時間の合計」(図中「投入作業」と表記)、「本作業時間の合計」および「第2待機時間の合計」(図中「作業者待ち」と表記)の各々の割合を示す。「投入終了までの待機時間の合計」は、分析対象期間において、作業者が投入作業を行なっている時間の合計である。「本作業時間の合計」は、分析対象期間において、本作業が実施された時間の合計である。「第2待機時間の合計」は、分析対象期間において、機械40(1)が前サイクルの本作業の終了後に協調工程の作業現場への作業者の到着を待機している時間の合計である。
グラフ82は、分析対象期間における、ステップS28で算出された「投入作業時間の合計」、「他工程での作業時間の合計」および「第1待機時間の合計」(図中「マシン待ち」と表記)の各々の割合を示す。「投入作業時間の合計」は、分析対象期間において、投入作業が実施された時間の合計である。「他工程での作業時間の合計」は、分析対象期間において、複数の工程Prのうち工程Pr(1)以外の工程における作業者の作業時間の合計である。「第1待機時間の合計」は、分析対象期間において、作業者が前サイクルの本作業の終了を待機している時間の合計である。
グラフ83は、サイクルタイムのヒストグラムである。提供部104は、分析対象期間に実施された全サイクルの時間(サイクルタイム)のヒストグラムを生成する。サイクルタイムは、前サイクルの本作業の終了時刻から対象サイクルの本作業の終了時刻までの時間である。グラフ83には、最頻値のサイクルタイムCT0が示されている。
グラフ84には、平均サイクルタイムの変化に応じた、第1稼働率および第2稼働率の変動を示す。線84aは、第1稼働率の変動を示し、線84bは、第2稼働率の変動を示す。グラフ84は、変化量を異ならせて上記のステップS32,S33を複数回実行することにより得られる。
ユーザは、グラフ84を確認することにより、第1稼働率と、第2稼働率との関係を把握できる。第1稼働率は、機械40(1)が投入作業の開始を待機している時間が長いほど低くなる。第2稼働率は、作業者が前サイクルの本作業の終了を待機している時間が長いほど低くなる。協調工程Pr(1)では、一般に、第2稼働率を高くするためには第1稼働率を低下させる必要が生じ得る。逆に、第1稼働率を高くするためには第2稼働率を低下させる必要が生じ得る。そのため、ユーザは、グラフ84を確認することにより、第1稼働率および第2稼働率が許容範囲内か否かを判断し、生産現場に応じた適切な対応を行なうことができる。
例えば、生産数が過剰である状態において第2稼働率が低い場合、ユーザは、第2稼働率を高めることが好ましいと判断する。そして、ユーザは、第1稼働率および第2稼働率の関係から、第1稼働率が許容範囲に収まる範囲で、第2稼働率をどこまで高めることができるかを容易に把握できる。
あるいは、生産数を増加させる必要がある繁忙期において、ユーザは、シミュレーション処理の結果を確認することにより、第1稼働率を高める余裕があるか否か、第1稼働率を高めるために新たな作業者の配置が必要か否か、などを判断できる。
提供部104は、ボタン86がクリックされたことに応じて、画面80の提供を終了し、図15に示す画面60を再度提供する。
図17は、分析結果を示す画面の第2の別の例を示す図である。図17に示す画面90は、図15に示す画面60のボタン65がクリックされたことに応じて提供される。図17に示されるように、画面90は、領域91,92と、ボタン93と、を含む。
領域91には、協調工程Pr(1)のサイクルタイムの経時変化を示すグラフが表示される。なお、提供部104は、分析対象期間に実施された全サイクルに基づいて、当該グラフを作成してもよいし、協調作業が正常に実施されたサイクルのみに基づいて当該グラフを作成してもよい。サイクルタイムの最小時間は、投入作業に要する時間と、本作業に要する時間との合計時間(MCT(マシンサイクルタイム))である。
領域92には、投入作業が実施された時間帯を示すガントチャート93aと、本作業が実施された時間帯を示すガントチャート93bと、が表示される。領域92において、破線94は、各サイクルの終了タイミングを示す。
破線94aによって示されるタイミングよりも前に、作業者が作業現場に到着している。そのため、作業者は、本作業が終了したタイミングで、次のサイクルのための投入作業を開始できる。その結果、次のサイクルの時間(サイクルタイム)(つまり、破線94aによって示されるタイミングから破線94bによって示されるタイミングまでの時間)は相対的に短い。
破線94cによって示されるタイミングよりも後に、作業者が作業現場に到着している。そのため、作業者は、本作業が終了したタイミングで、次のサイクルのための投入作業を開始できない。そのため、次のサイクルの時間(サイクルタイム)(つまり、破線94cによって示されるタイミングから破線94dによって示されるタイミングまでの時間)は相対的に長い。
提供部104は、ボタン93がクリックされたことに応じて、画面90の提供を終了し、図15に示す画面60を再度提供する。
<変形例>
上記の説明では、複数の工程Prは、協調工程として工程Pr(1)のみを含むものとした。しかしながら、複数の工程Prは、協調工程として2以上の工程Prを含んでもよい。この場合、提供部104は、協調工程である2以上の工程Prの各々の第1稼働率を算出すればよい。
図18は、分析結果を示す画面の第3の別の例を示す図である。図18には、協調工程として2つの工程Prが存在するときに提供される画面95が示される。図18に示されるように、画面95は、領域96~98を含む。
領域96には、分析対象期間における、協調工程である2つの工程Prのうちの一方について算出された「投入終了までの待機時間の合計」、「本作業時間の合計」および「第2待機時間の合計」の各々の割合を示すグラフが表示される。
領域97には、分析対象期間における、協調工程である2つの工程Prのうちの他方について算出された「投入終了までの待機時間の合計」、「本作業時間の合計」および「第2待機時間の合計」の各々の割合を示すグラフが表示される。
領域98には、分析対象期間における、協調工程である2つの工程Prの各々について算出された「投入作業時間の合計」(図中、「マシン1投入作業」、「マシン2投入作業」と表記)および「第1待機時間の合計」(図中、「マシン1待ち」、「マシン2待ち」と表記)の各々の割合を示すグラフが表示される。
§3 付記
以上のように、本実施の形態は以下のような開示を含む。
(構成1)
複数の工程(Pr)を含む生産現場(2)の作業状況を分析する分析装置(10)であって、
前記複数の工程(Pr)は、サイクルごとに作業者と機械(40(1))との協調作業が繰り返し実施される協調工程(Pr(1))を含み、
前記協調作業は、前記作業者による第1作業と、前記第1作業の後に前記機械(40(1))によって実施される第2作業と、を含み、
前記分析装置(10)は、
前記第2作業が実施された第1時間帯を示す第1情報(344)を取得する第1取得部(101,11)と、
前記協調工程の作業現場に前記作業者が滞在していた第2時間帯を示す第2情報(27)を取得する第2取得部(102,11)と、
前記第1情報(344)および前記第2情報(27)を用いて前記作業状況を分析する分析部(103,11)と、
前記分析部(103,11)による分析結果を示す画面(80,90,95)を提供する提供部(104,11)と、を備え、
前記画面(60)は、前記作業者が前記第2作業の終了を待機している第1待機時間と、前記機械(40(1))が前記第2作業の終了後に前記作業現場への前記作業者の到着を待機している第2待機時間とを示す、分析装置(10)。
(構成2)
前記画面(60)は、
前記第1待機時間および前記第2待機時間の経時変化を示す第1グラフ(61)と、
前記第1待機時間の累積値の経時変化を示す第2グラフ(62)と、
前記第2待機時間の累積値の経時変化を示す第3グラフ(63)と、の少なくとも1つを含む、構成1に記載の分析装置。
(構成3)
前記分析部(103,11)は、
分析対象期間において、前記第2作業が実施された時間の割合を示す第1稼働率を算出し、
前記分析対象期間において、前記作業者が前記複数の工程(Pr)のいずれかで作業を実施していた時間の割合を示す第2稼働率を算出し、
前記協調工程の前記作業現場への前記作業者の到着タイミングを変化させたときの、前記第1稼働率および前記第2稼働率の変動をシミュレートするシミュレーション処理を実行し、
前記画面は、前記シミュレーション処理の結果を示す、構成1または2に記載のする、分析装置(10)。
(構成4)
前記分析部(103,11)は、前記分析対象期間に含まれるサイクルごとに、前サイクルの前記第2作業の終了タイミングと、対象サイクルの前記第1作業のために前記協調工程(Pr(1))の前記作業現場へ前記作業者が到着するタイミングとの時間差を算出し、
前記シミュレーション処理は、
指定された変化量だけ前記サイクルごとの前記時間差を変化させたときの、前記第1稼働率および前記第2稼働率を算出する算出処理を含む、構成3に記載の分析装置(10)。
(構成5)
前記分析部(103,11)は、前記分析対象期間における、前記協調作業の平均サイクルタイムを算出し、
前記算出処理は、前記変化量だけ前記時間差を変化させたときの前記平均サイクルタイムを算出することをさらに含み、
前記分析部(103,11)は、前記変化量を異ならせて前記算出処理を複数回実行し、
前記画面(80)は、前記平均サイクルタイムの変化に応じた、前記第1稼働率および前記第2稼働率の変動を示す第1グラフ(84)を含む、構成4に記載の分析装置(10)。
(構成6)
前記画面(90)は、前記協調工程のサイクルタイムの経時変化を示す第5グラフを含む、構成1から3のいずれかに記載の分析装置(10)。
(構成7)
前記画面(90)は、前記第1作業が実施された時間帯を示す第1ガントチャート(93a)と、前記第2作業が実施された時間帯を示す第2ガントチャート(93b)と、を含む、構成1から6のいずれかに記載の分析装置(10)。
(構成8)
前記画面(80)は、前記第1作業が実施された時間と、前記第1待機時間の合計との各々の割合を示す第6グラフ(82)を含む、構成1または2に記載の分析装置(10)。
(構成9)
前記画面(80)は、前記第2作業が実施された時間と、前記第2待機時間の合計との各々の割合を示す第7グラフ(81)を含む、請求項1または2に記載の分析装置(10)。
(構成10)
複数の工程(Pr)を含む生産現場(2)の作業状況を分析する分析方法であって、
前記複数の工程(Pr)は、サイクルごとに作業者と機械(40(1))との協調作業が繰り返し実施される協調工程(Pr(1))を含み、
前記協調作業は、前記作業者による第1作業と、前記第1作業の後に前記機械(40(1))によって実施される第2作業と、を含み、
前記分析方法は、
前記第2作業が実施された第1時間帯を示す第1情報(344)を取得するステップと、
前記協調工程の作業現場に前記作業者が滞在していた第2時間帯を示す第2情報(27)を取得するステップと、
前記第1情報(344)および前記第2情報(27)を用いて前記作業状況を分析するステップと、
分析結果を示す画面(80,90,95)を提供するステップと、を備え、
前記画面(60)は、前記機械が前記第2作業の終了後に前記作業現場への前記作業者の到着を待機している第1待機時間と、前記作業者が前記第2作業の終了を待機している第2待機時間とを示す、分析方法。
(構成11)
構成10に記載の分析方法をコンピュータに実行させるプログラム。
本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。