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JP7773067B2 - 無線通信装置及び起動方法 - Google Patents
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JP7773067B2 - 無線通信装置及び起動方法 - Google Patents

無線通信装置及び起動方法

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Description

本発明は、無線通信装置及び起動方法に関する。
IoT(Internet of Things)技術の発展により、各種センサを備えたIoT端末を様々な場所に設置することが検討されている。IoT端末は、例えば海上のブイや船舶、山岳地帯など、基地局の設置が困難な場所に設置される場合もある。そこで、様々な場所に設置されたIoT端末が収集したデータを、低軌道衛星に搭載された中継装置により地上に設置された基地局に中継するシステムが提案されている。
IoT端末は、電池から供給される電力により駆動するため、電池寿命を延ばすために省電力で動作させることが必要である。そのため、衛星センシングのプラットフォームでは、IoT端末の年単位の電池寿命を実現するために、IoT端末が、低軌道衛星が上空に到来したことを検知した際にデータをアップリンク送信することが必要である。IoT端末において低軌道衛星が上空に到来したことを検知するために、非特許文献1の技術のように、低軌道衛星から地上へのダウンリンク信号を観測する手段が考えられる(例えば、非特許文献1参照)。
F. Shu, X. Zhang, T. Kondo, "Development of correlator model for differential VLBI observations of satellites", 2008 International Conference on Microwave and Millimeter Wave Technology, ICMMT2008 Proceedings, Vol.1, pp.443-446, April 2008.
しかしながら、低軌道衛星は高速で移動するため、低軌道衛星から送信されたダウンリンク信号にフレーム内ドップラー変化が生じてしまう。そのため、復調可能となる許容範囲を超えるドップラー変化が生じる位置に設置されたIoT端末は、ダウンリンク信号の受信レベルが高くてもダウンリンク信号を復調することができずに、起動ができないという問題があった。このような問題は、低軌道衛星から送信される信号に限らず、上空を移動する無線通信装置から送信される信号においても生じる問題である。
上記事情に鑑み、本発明は、上空を移動する無線通信装置から送信された信号にドップラー変化が生じた場合であっても、地上に設置された通信装置を起動させることができる技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、地上に設置された1以上の通信装置と、移動する無線通信装置とを有する無線通信システムにおける前記無線通信装置であって、前記1以上の通信装置を起動するための起動信号を生成する起動信号生成部と、前記起動信号生成部により生成された前記起動信号に周波数変化を与える1つ以上の周波数変化付与部と、前記1つ以上の周波数変化付与部に周波数変化が与えられた起動信号を送信する送信部と、を備える無線通信装置である。
本発明の一態様は、地上に設置された1以上の通信装置と、移動する無線通信装置とを有する無線通信システムにおける前記無線通信装置が行う起動方法であって、前記1以上の通信装置を起動するための起動信号を生成し、生成した前記起動信号に周波数変化を与え、周波数変化が与えられた起動信号を送信する、起動方法である。
本発明により、上空を移動する無線通信装置から送信された信号にドップラー変化が生じた場合であっても、地上に設置された通信装置を起動させることが可能となる。
本発明における無線通信システムの概要を説明するための図である。 本発明における処理を行うことによって生じるフレーム内ドップラー変化及び端末局受信時のフレーム内の状態を示す模式図である。 本発明における処理を行うことによって生じるフレーム内ドップラー変化及び端末局受信時のフレーム内の状態を示す模式図である。 本発明における処理を行うことによって生じるフレーム内ドップラー変化及び端末局受信時のフレーム内の状態を示す模式図である。 本発明における処理を行うことによって生じるフレーム内ドップラー変化及び端末局受信時のフレーム内の状態を示す模式図である。 実施形態による無線通信システムの構成図である。 実施形態における付与テーブルの一例を示す図である。 実施形態における無線通信システムが行う端末局の起動処理の流れを示すシーケンス図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(概要)
図1は、本発明における無線通信システム1の概要を説明するための図である。本発明における無線通信システム1では、図1に示すように、少なくとも移動中継局2と、1以上の端末局3とを有する。図1では、一例として、2台の端末局3-1~3-2が備えられている場合を示している。端末局3-1と端末局3-2とは、異なるエリアに配置されている。例えば、端末局3-1はエリアA1に配置され、端末局3-2はエリアA2に配置されている。
移動中継局2は、高速で移動するため、移動中継局2が送信した起動信号が各エリアに配置された端末局3で受信された際にはフレーム内ドップラー変化が生じる。起動信号とは、端末局3を起動させるための信号である。起動信号にフレーム内ドップラー変化が生じると、各エリアに配置された端末局3のうち一部の端末局3が、起動信号を復調及び復号できない場合がある。例えば、移動中継局2から送信された起動信号をエリアA1に位置する端末局3-1と、エリアA2に位置する端末局3-2とで受信したとしても、各端末局3で受信した起動信号には異なるフレーム内ドップラー変化が生じており、端末局3の設置場所によっては起動信号を復調及び復号できない場合がある。
そこで、本発明における移動中継局2では、起動信号を送信する際、移動中継局2から見た地上の各エリア(例えば、図1におけるエリアA1、A2、A3)に適したフレーム内周波数変化を与えた各起動信号を多重して送信する。各エリアに適したフレーム内周波数変化は、移動中継局2の高度((より具体的には高度によって定まる移動中継局2の移動速度)と、下り送信周波数と、移動中継局2とエリアの位置とに基づいて事前に決定されているものとする。
より具体的な処理として、移動中継局2は、起動信号を分配して、分配した起動信号それぞれに各エリアに適した周波数変化を与えた後に合成して送信する。これにより、移動中継局2から送信された起動信号にフレーム内ドップラー変化が生じた場合であっても端末局3を起動させることができる。
例えば、移動中継局2の高度が570kmで、400MHz帯の起動信号で移動中継局2真下付近のエリア(図1では、エリアA3)の端末局3を起動したい場合、移動中継局2は、約130Hz/sの周波数変化を起動信号に付与して送信することで、端末局3が起動信号を復調及び復号可能になる。さらに、移動中継局2真下からの距離が300km付近のエリアの端末局3を起動したい場合、移動中継局2は、約90Hz/sの周波数変化を起動信号に付与することで、端末局3が起動信号を復調及び復号可能になる。
図2~図5は、本発明における処理を行うことによって生じるフレーム内ドップラー変化及び端末局3受信時のフレーム内の状態を示す模式図である。図2に示すように、移動中継局2が、起動信号51と、起動信号52とを合成した起動信号を送信したとする。起動信号51は、エリアA1に配置された端末局3-1を起動するために起動信号に周波数変化F1の値が与えられた信号を表し、起動信号52は、エリアA2に配置された端末局3-2を起動するために起動信号に周波数変化F2の値が与えられた信号を表す。ここで、周波数変化F1及びF2は、移動中継局2の高度と下り送信周波数とに基づいて事前に決定された、エリア毎に適する周波数変化の値である。
エリアA1に配置された端末局3-1で受信される起動信号には、図3に示すようなドップラーシフトが生じる。その結果、エリアA1に配置された端末局3-1における受信時の起動信号は、図4に示す状態となる。図5には、図4に示した例を、周波数軸で見た例を示している。異なる周波数変化が与えられた起動信号同士が干渉することにはなるが、フレーム内ドップラー変化により、図5に示すようにエリアA1に適した周波数変化付与後の起動信号51のみが強調され、他の周波数変化付与後の起動信号52は周波数拡散される。そのため、周波数変化F1の値が付与された起動信号51が復調及び復号可能になっていることがわかる。その結果、端末局3-1を起動させることができる。
図2~図5では、エリアA1に配置された端末局3-1をメインに説明したが、エリアA2に配置された端末局3-2においても同様である。例えば、エリアA2に配置された端末局3-2においては、エリアA1に配置された端末局3-1で受信される起動信号に生じるドップラーシフトと異なるドップラーシフトが生じる。この場合、エリアA2に配置された端末局3-2における受信時の起動信号は、周波数変化F2が付与された起動信号が強調され、他の周波数変化付与後の起動信号51は周波数拡散される。そのため、周波数変化F2の値が付与された起動信号52が復調及び復号可能になる。その結果、端末局3-2を起動させることができる。
図6は、実施形態による無線通信システム1の構成図である。無線通信システム1は、移動中継局2と、1以上の端末局3と、基地局4とを有する。無線通信システム1が有する移動中継局2、端末局3及び基地局4それぞれの数は任意である。端末局3の数は、多数であることが想定される。図6では、無線通信システム1が、2台の端末局3-1及び3-2を有している場合を示している。以下の説明では、端末局3-1及び3-2について特に区別しない場合には、単に端末局3と記載する。
移動中継局2は、移動体に搭載され、通信可能なエリアが時間の経過により移動する無線通信装置の一例である。移動中継局2は、データ収集エリアの上空に到達すると、端末局3を起動させるための起動信号を送信する。データ収集エリアは、端末局3が取得したデータを収集するためのエリアである。移動中継局2は、例えばデータ収集エリアの上空に到達したか否かを移動中継局2の軌道情報と、時刻情報とに基づいて判定する。
本実施形態の移動中継局2は、LEO(Low Earth Orbit)衛星に備えられる。LEO衛星の高度は2000km以下であり、地球の上空を1周約1.5時間程度で周回する。端末局3及び基地局4は、地上や海上など地球上に設置される。以下、端末局3から移動中継局2へ送信される無線信号を端末アップリンク信号と記載し、移動中継局2から端末局3及び基地局4に送信される信号をダウンリンク信号と記載する。
LEO衛星に搭載された移動中継局2は、高速で移動しながら通信を行うため、個々の端末局3や基地局4が移動中継局2と通信可能な時間が限られている。具体的には、地上で見ると、移動中継局2は、数分程度で上空を通り過ぎる。そこで、端末局3は、センサが検出した環境データ等のデータを収集し、記憶しておく。端末局3は、収集したデータが設定された端末アップリンク信号を、移動中継局2と通信可能なタイミングにおいて送信する。移動中継局2は、地球の上空を移動しながら、複数の端末局3それぞれから送信された端末アップリンク信号を受信する。移動中継局2は、端末局3から端末アップリンク信号により受信したデータを蓄積し、蓄積しておいたデータを、基地局4との通信が可能なタイミングでダウンリンク信号により基地局4へ無線送信する。基地局4は、受信したダウンリンク信号から、端末局3が収集したデータを取得する。
移動中継局2は、端末局3との無線通信に使用するアンテナと、基地局4との無線通信に使用するアンテナとを有している。そのため、移動中継局2は、端末局3との無線通信、及び、基地局4との無線通信を並行して行うことも可能である。
移動中継局として、静止衛星や、ドローン、HAPS(High Altitude Platform Station)などの無人航空機に搭載された中継局を用いることが考えられる。しかし、静止衛星に搭載された中継局の場合、地上のカバーエリア(フットプリント)は広いものの、高度が高いために、地上に設置されたIoT端末に対するリンクバジェットは非常に小さい。一方、ドローンやHAPSに搭載された中継局の場合、リンクバジェットは高いものの、カバーエリアが狭い。
さらには、ドローンにはバッテリーが、HAPSには太陽光パネルが必要である。本実施形態では、LEO衛星に移動中継局2を搭載する。よって、リンクバジェットは限界内に収まることに加え、LEO衛星は、大気圏外を周回するために空気抵抗がなく、燃料消費も少ない。また、ドローンやHAPSに中継局を搭載する場合と比較して、フットプリントも大きい。
端末局3は、センサが検出した環境データ等のデータを収集する。端末局3は、移動中継局2から送信された起動信号に基づいて起動して、収集したデータを移動中継局2へ無線により送信する。例えば、端末局3は、移動中継局2から送信タイミングが指示されている場合には、指示された送信タイミングで、収集したデータを移動中継局2へ無線により送信する。端末局3は、通信装置の一態様である。
基地局4は、移動中継局2から端末局3が収集したデータを受信する。
端末局3及び基地局4は、地上や海上等の地球上の特定の位置に設置される。
各装置の構成を説明する。
移動中継局2は、1本のアンテナ21と、端末通信部22と、記憶部23と、制御部24と、基地局通信部25と、1本のアンテナ26とを備える。なお、移動中継局2は、複数本のアンテナ21を備えてもよい。このように構成される場合、移動中継局2は、MIMO(multiple-input and multiple-output)による受信処理を行う。
端末通信部22は、送受信部221と、端末信号復調部222と、起動信号生成部223と、分配部224と、周波数変化付与部225-1~225-N(Nは1以上の整数)と、合成部226とを有する。なお、周波数変化付与部225が1つの場合には、端末通信部22は、分配部224と合成部226とを備えなくてもよい。
送受信部221は、アンテナ21により端末アップリンク信号を受信する。このように、送受信部221は、アンテナ21により1以上の端末局3との間で通信を行う。
端末信号復調部222は、送受信部221が受信した端末アップリンク信号を復調し、復調結果を記憶部23に保存する。例えば、端末信号復調部222は、端末局3により収集されたデータが復調結果に含まれる場合には、復調結果を記憶部23に保存する。
端末信号復調部222が行う復調には、例えば、送受信部221によって受信されたRF(Radio Frequency)信号をベースバンド信号に変換する周波数変換、端末局3から送信されるアップリンク信号を検出するためのフレーム検出が含まれる。さらに、例えば端末信号復調部222でデジタル処理を行う場合には、端末信号復調部222はアナログデジタル変換を行う。
起動信号生成部223は、複数の端末局3を起動するための起動信号を生成する。
分配部224は、起動信号生成部223により生成された起動信号を分配する。
周波数変化付与部225-1~225-Nは、分配部224により分配された起動信号に周波数変化を与える。周波数変化付与部225-1~225-Nは、並列に配置され、分配部224により分配された起動信号に異なる周波数変化を与える。
合成部226は、周波数変化が与えられた各起動信号を合成して合成起動信号を生成する。
記憶部23は、少なくとも軌道情報231と、受信データ232と、付与テーブル233とを記憶する。軌道情報231は、移動中継局2を搭載しているLEO衛星の軌道に関する情報であり、例えば任意の時刻におけるLEO衛星の位置、速度、移動方向などを得ることが可能な情報である。受信データ232は、端末局3により収集されたデータであって、基地局4に送信すべきデータである。付与テーブル233は、周波数変化付与部225-1~225-Nで付与すべき周波数変化の値がエリア毎に登録されたテーブルである。
図7は、実施形態における付与テーブル233の一例を示す図である。付与テーブル233は、エリア毎に付与される周波数変化の値に関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、エリア、移動中継局からの距離及び付与変化周波数の各値を有する。エリアの値は、移動中継局2からの距離に応じて定められる領域を表す。移動中継局からの距離の値は、移動中継局2の真下の位置を基準位置とし、基準位置からの距離を表す。付与変化周波数の値は、周波数変化付与部225-1~225-Nが起動信号に付与する周波数変化の値である。なお、付与変化周波数は、0Hz/s以上である。ここで、0Hz/s以上としているのは、周波数変化の値が付与されていなくても(起動信号生成部223によって生成された起動信号のままでも)エリアによっては起動可能な場合があるためである。そのため、起動信号の周波数を実質的に変化させない0Hz/sの値を付与することで、周波数変化の値が付与無しで起動可能なエリアに配置されている端末局3を起動させることができる。付与テーブル233に登録されるエリアの数は、周波数変化付与部225-1~225-Nの数以下である。
図7に示す例では、付与テーブル233には、エリア毎の付与変化周波数が対応付けられている。例えば、付与テーブル233の最上段には、エリア“A1”、移動中継局からの距離“D1”、付与変化周波数“F1”が対応付けられている。これは、基準位置からの距離“D1”離れている領域がエリア“A1”であり、エリア“A1”に配置されている端末局3を起動させるために、起動信号に付与する周波数変化の値が“F1”であることを示している。
図7に示すように付与テーブル233には、各エリアに配置されている端末局3を起動させるために、起動信号に付与する周波数変化の値が対応付けられている。これらの周波数変化の値を起動信号に付与することにより、基準位置から見た各エリアに配置されている端末局3を起動させることができる。
制御部24は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサやメモリを用いて構成される。制御部24は、プログラムを実行することによって、動作制御部241及び設定部242の機能を実現する。これらの機能部のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。これらの機能の一部は、予め移動中継局2に搭載されている必要はなく、追加のアプリケーションプログラムが移動中継局2にインストールされることで実現されてもよい。
動作制御部241は、軌道情報231及び時刻情報を参照し、移動中継局2を搭載しているLEO衛星が現在位置している場所が、データ収集エリア上空であるか否かを判定する。データ収集エリアである場合、動作制御部241は設定部242に対して周波数変化の値の取得を指示するとともに、端末通信部22に対して起動信号の送信を指示する。一方、データ収集エリアではない場合、動作制御部241は特に何もしない。
設定部242は、動作制御部241からの指示に応じて、付与テーブル233を参照し、各周波数変化付与部225-nが与える周波数変化の値を、周波数変化付与部225-n毎に設定する。具体的には、まず設定部242は、付与テーブル233を記憶部23から読み出す。次に、設定部242は、読み出した付与テーブル233を参照し、エリア毎の各付与変化周波数の値を取得する。この付与変化周波数の値が、周波数変化付与部225-nに設定すべき値である。設定部242は、取得したエリア毎の各付与変化周波数の値を異なる周波数変化付与部225-nに設定する。これにより、各周波数変化付与部225-nは、異なる周波数変化の値を与えることができる。
基地局通信部25は、記憶部23に記憶されている受信データを基地局4への送信データとしてデータ記憶部23から読み出す。基地局通信部25は、送信データの符号化及び変調を行い、基地局ダウンリンク信号を生成する。基地局通信部25は、基地局ダウンリンク信号をアンテナ26から送信する。
端末局3は、データ記憶部31と、送受信部32と、復調部33と、起動制御部34と、アンテナ35とを備える。なお、端末局3は、消費電力を抑制するため、移動中継局2からの起動信号を受信するまでは一部の機能を除きスリープ状態となっている。ここで、一部の機能とは、例えば図2に示しているデータ記憶部31、送受信部32、復調部33及び起動制御部34である。端末局3は、複数のアンテナ35を備えてもよい。
データ記憶部31には、センサが検出した環境データが記憶される。
送受信部32は、移動中継局2との間で通信を行う。例えば、送受信部32は、移動中継局2から送信されたダウンリンク信号を受信する。例えば、送受信部32は、通信制御部33の指示に応じてデータ記憶部31から環境データを端末送信データとして読み出す。送受信部32は、読み出した端末送信データを設定した端末アップリンク信号をアンテナ35から無線により送信する。
送受信部32は、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)により信号を送受信する。LPWAには、LoRaWAN(登録商標)、Sigfox(登録商標)、LTE-M(Long Term Evolution for Machines)、NB(Narrow Band)-IoT等があるが、任意の無線通信方式を用いることができる。送受信部32は、他の端末局3と時分割多重、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)などにより送受信を行ってもよい。送受信部32は、使用する無線通信方式において予め決められた方法により、複数本のアンテナ35から送信する信号のビーム形成を行ってもよい。
復調部33は、送受信部32によって受信されたダウンリンク信号を復調する。送受信部32によって受信されたダウンリンク信号は、異なる周波数変換が与えられた起動信号と、周波数変換が与えられていない起動信号とを合成した信号である。移動中継局2と、端末局3との距離に応じて、ダウンリンク信号にはドップラー変化が生じている。
起動制御部34は、復調部33により復調されたダウンリンク信号に含まれる起動信号に応じて、スリープ状態から起動状態にする。
基地局4は、アンテナ41を備える。基地局4は、アンテナ41により受信した端末ダウンリンク信号を、電気信号に変換した後に復調及び復号を行い、受信波形情報を得る。基地局4は、受信波形情報が示す端末アップリンク信号の受信処理を行う。このとき、基地局4は、端末局3が送信に使用した無線通信方式により受信処理を行って端末送信データを取得する。
無線通信システム1の動作を説明する。
図8は、実施形態における無線通信システム1が行う端末局3の起動処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図8に示す例では、端末局3‐1がエリアA1に配置され、端末局3‐2がエリアA2に配置されているものとして説明する。
動作制御部241は、移動中継局2の現在位置が、データ収集エリアの上空であると判定する(ステップS101)。動作制御部241は、設定部242に対して周波数変化の値の取得を指示するとともに、端末通信部22に対して起動信号の送信を指示する。設定部242は、動作制御部241からの指示に応じて、付与テーブル233を参照して、エリア毎(例えば、エリア“A1”,“A2”,・・・)の付与変化周波数の値(例えば、付与変化周波数“F1”,“F2”,・・・)を取得する(ステップS102)。
設定部242は、取得したエリア毎の付与変化周波数の値を各周波数変化付与部225-nに設定する(ステップS103)。例えば、設定部242は、取得したエリア“A1”の付与変化周波数の値“F1”を周波数変化付与部225-1に設定し、取得したエリア“A2”の付与変化周波数の値“F2”を周波数変化付与部225-2に設定する。
起動信号生成部223は、動作制御部241からの指示に応じて起動信号を生成する(ステップS104)。起動信号生成部223は、生成した起動信号を分配部224に出力する。分配部224は、起動信号を入力とする。分配部224に入力された起動信号を分配する(ステップS105)。これにより、起動信号は、各周波数変化付与部225に入力される。
各周波数変化付与部225は、入力された起動信号に対して、設定部242により設定された付与変化周波数の値を付与する(ステップS106)。各周波数変化付与部225は、付与変化周波数の値を付与した起動信号を合成部226に出力する。合成部226には、各周波数変化付与部225-nから出力された起動信号が入力される。
合成部226は、入力された各起動信号を合成して合成起動信号を生成する(ステップS107)。合成部226は、生成した合成起動信号を送受信部221に出力する。送受信部221は、合成部226から出力された合成起動信号をダウンリンク信号としてアンテナ21を介して送信する(ステップS108)。移動中継局2から送信されたダウンリンク信号は、移動中継局2から送信された電波が届く範囲に位置する端末局3-1及び3-2で受信される(ステップS109、S110)。
端末局3-1の送受信部32は、受信したダウンリンク信号を復調部33に出力する。端末局3-1の復調部33は、ダウンリンク信号を復調する(ステップS111)。ここで、ダウンリンク信号には、異なる周波数変化が与えられた複数の起動信号が含まれる。異なる周波数変化を与えた信号同士が干渉することにはなるが、フレーム内ドップラー変化により、エリアに適した周波数変化付与後の信号のみが強調され、他の周波数変化付与後の信号は周波数拡散される。エリア“A1”に配置されている端末局3-1の復調部33は、付与変化周波数“F1”が付与された起動信号を復調することができる。
端末局3-1の起動制御部34は、復調部33により復調された起動信号に基づいて、スリープ状態から起動状態とするように制御する(ステップS112)。端末局3-1の送受信部32は、データ記憶部に記憶されている環境データに基づく端末アップリンク信号を送信する(ステップS113)。
端末局3-2の送受信部32は、受信したダウンリンク信号を復調部33に出力する。端末局3-2の復調部33は、ダウンリンク信号を復調する(ステップS114)。エリア“A2”に配置されている端末局3-2の復調部33は、付与変化周波数“F2”が付与された起動信号を復調することができる。端末局3-2の起動制御部34は、復調部33により復調された起動信号に基づいて、スリープ状態から起動状態とするように制御する(ステップS115)。端末局3-2の送受信部32は、データ記憶部に記憶されている環境データに基づく端末アップリンク信号を送信する(ステップS116)。
これにより、移動中継局2は、各端末局3から送信された端末アップリンク信号を受信することができる。なお、移動中継局2は、データ収集エリアの上空にいる間は、ステップS102からステップS108までの処理を繰り返し実行する。
以上のように構成された無線通信システム1によれば、移動中継局2が、起動信号に周波数変化を与え、周波数変化が与えられた起動信号を送信する。これにより、地上に設置された端末局3において受信された起動信号にドップラーシフトが生じたとしても、そのエリアに適した周波数変化が与えられているため、ドップラーシフトにより起動信号が強調される。そのため、端末局3において起動信号を復調することができる。その結果、端末局3を起動させることができる。このように、無線通信システム1では、上空を移動する移動中継局2から送信された信号にドップラー変化が生じた場合であっても、地上に設置された端末局3を起動させることが可能になる。
さらに、無線通信システム1では、起動信号生成部223により生成された起動信号を分配部224で分配して複数の周波数変化付与部225それぞれに出力し、複数の周波数変化付与部225によって周波数変化が与えられた各起動信号を合成部226により合成した後に送信する。これにより、複数の周波数変化を与えた起動信号を合成して送信することができる。異なる周波数変化が与えられた起動信号同士が干渉することにはなるが、フレーム内ドップラー変化により、各エリアに配置された端末局3が受信する軌道信号では、各エリアに適した周波数変化付与後の起動信号のみが強調され、他の周波数変化付与後の起動信号は周波数拡散される。そのため、各エリアに配置された端末局3が起動信号を復調することができ、起動することが可能になる。
以下、無線通信システム1の変形例について説明する。
上述した実施形態では、移動中継局2が、軌道情報231と時刻情報とに基づいて、移動中継局2がデータ収集エリアの上空にいるか否かを判定する構成を示した。移動中継局2は、他の方法で、移動中継局2がデータ収集エリアの上空にいるか否かを判定するように構成されてもよい。具体的には、移動中継局2は、端末局3からデータ収集を行う開始時刻と終了時刻とを基地局4からの上り通信で把握し、開始時刻から終了時刻までの間、データ収集エリアの上空にいると判定してもよい。
上述した実施形態では、移動中継局2が、電波の届く範囲の各エリアに配置されている端末局3を起動させる構成を示した。移動中継局2は、特定のエリアに配置されている端末局3を起動させるように構成されてもよい。図7に示すように、付与テーブル233には、エリア毎の付与変化周波数の値が登録されている。そのため、移動中継局2は、端末局3を起動させたいエリアに対応する付与変化周波数の値のみを起動信号に付与して送信すればよい。具体的には、まず設定部242は、特定のエリアに設置されている端末局3を起動させる指示が入力された場合、付与テーブル233を参照し、特定のエリアに対応する付与変化周波数の値を取得する。例えば、特定のエリアが1つのエリアである場合、設定部242は付与テーブル233を参照し、1つの特定のエリアに対応する付与変化周波数の値を取得する。次に、設定部242は、取得した付与変化周波数の値を全ての周波数変化付与部225に設定する。これにより、合成部226により生成される合成起動信号には、特定のエリアに対応する付与変化周波数の値のみが付与された起動信号が含まれる。そして、送受信部221は、生成された合成起動信号を送信する。これにより、特定のエリアに対する起動信号がより強調されることになる。その結果、特定のエリアに配置されている端末局3がより確実に起動信号を復調及び復号することができる。その結果、特定のエリアに配置されている端末局3のみを起動させることができる。そのため、起動不要な端末局3を起動させることがなく、消費電力を抑制することができる。なお、特定のエリアは、1つ以上であればよい。例えば、特定のエリアが2つのエリア(例えば、エリアA1,A2)である場合、設定部242は付与テーブル233を参照し、2つの特定のエリアに対応する付与変化周波数の値をそれぞれ取得する。次に、設定部242は、取得した付与変化周波数の各値を、周波数変化付与部225に設定する。この際、設定部242は、取得した付与変化周波数の各値を、周波数変化付与部225に均等に設定してもよいし、予め定められた割合で設定してもよい。周波数変化付与部225の数が4台として、取得した付与変化周波数の各値を周波数変化付与部225に均等に設定する場合、設定部242はエリアA1に対応する付与変化周波数の値を周波数変化付与部225-1~2に設定し、エリアA2に対応する付与変化周波数の値を周波数変化付与部225-3~4に設定すればよい。周波数変化付与部225の数が4台として、取得した付与変化周波数の各値を周波数変化付与部225に予め定められた割合(例えば、エリアA1とエリアA2との割合が3:1)で設定する場合、設定部242はエリアA1に対応する付与変化周波数の値を周波数変化付与部225-1~3に設定し、エリアA2に対応する付与変化周波数の値を周波数変化付与部225-4といったように、割合に応じて設定すればよい。
上述した実施形態では、移動中継局2が、周波数変化の値が付与無しで起動可能なエリアに配置されている端末局3を起動させるために、周波数変化付与部225において0Hz/sの値を起動信号に付与する構成を示した。この場合、分配部224によりN個の経路に分配された起動信号それぞれに周波数変化の値を付与するために、N個の周波数変化付与部225が必要になる。それに対して、移動中継局2が、(N-1)個の周波数変化付与部225を備え、分配部224により分配されるN個の経路のうち、1個の経路が分配部224と合成部226とを直接結ぶ経路(周波数変化付与部225を介さない経路)となるように構成されてもよい。すなわち、移動中継局2が、分配部224によりN個の経路に分配された起動信号(N個の起動信号)のうち、(N-1)個の起動信号に対して(N-1)個の周波数変化付与部225により周波数変化の値を付与し、1個の起動信号を合成部226に直接入力するように構成されてもよい。この場合、(N-1)個の周波数変化付与部225は、0以外の周波数付与の値を付与する。そして、分配部224により分配されて合成部226に直接入力された起動信号が、周波数変化の値が付与無しで起動可能なエリアに配置されている端末局3を起動させるための起動信号となる。
このように構成されることによって、上述した実施形態の構成に比べて、移動中継局2の構成を削減することができる。
なお、上記実施形態において、移動中継局が搭載される移動体は、LEO衛星である場合を説明したが、静止衛星、ドローンやHAPSなど上空を飛行する他の飛行体であってもよい。
上述した実施形態における移動中継局2が行う一部又は全ての処理をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明は、移動中継局が搭載される移動体と通信を行う技術に適用できる。
1…無線通信システム,
2…移動中継局,
3…端末局,
4…基地局,
21…アンテナ,
22…端末通信部,
23…記憶部
24…制御部,
25…基地局通信部,
26…アンテナ,
31…データ記憶部,
32…送受信部,
33…復調部,
34…復調部,
35…アンテナ,
41…アンテナ,
221…送受信部,
222…端末信号復調部,
223…起動信号生成部
224…分配部
225-1~225-N…周波数変化付与部
226…合成部
241…動作制御部,
242…設定部

Claims (4)

  1. 地上に設置された1以上の通信装置と、移動する無線通信装置とを有する無線通信システムにおける前記無線通信装置であって、
    前記1以上の通信装置を起動するための起動信号を生成する起動信号生成部と、
    前記起動信号生成部により生成された前記起動信号に、ドップラーシフトの時変動を事前補償するための周波数変化を与える1つ以上の周波数変化付与部と、
    前記1つ以上の周波数変化付与部に周波数変化が与えられた起動信号を送信する送信部と、
    を備え
    前記1つ以上の周波数変化付与部は、複数の周波数変化付与部であり、
    前記起動信号生成部により生成された前記起動信号を分配して前記複数の周波数変化付与部それぞれに出力する分配部と、
    前記複数の周波数変化付与部によって前記周波数変化が与えられた各起動信号を合成する合成部と、
    をさらに備え、
    前記送信部は、前記合成部により合成された後の起動信号を送信し、
    前記複数の周波数変化付与部の少なくとも一部は、前記分配部により分配された前記起動信号に対して、設定された割合に応じて同一の前記周波数変化を与える、
    無線通信装置。
  2. 前記1つ以上の周波数変化付与部が与える前記周波数変化の値を、前記1つ以上の周波数変化付与部毎に設定する設定部、をさらに備え、
    前記設定部は、前記無線通信装置から見た地上のエリア毎に設定された前記周波数変化の値を、前記1つ以上の周波数変化付与部毎に設定する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記設定部は、特定のエリアに設置されている前記1以上の通信装置を起動させる指示が入力された場合、前記特定のエリアに対応する前記周波数変化の値を、前記1つ以上の周波数変化付与部に設定する、
    請求項に記載の無線通信装置。
  4. 地上に設置された1以上の通信装置と、移動する無線通信装置とを有する無線通信システムにおける前記無線通信装置が行う起動方法であって、
    前記1以上の通信装置を起動するための起動信号を生成し、
    生成した前記起動信号に、ドップラーシフトの時変動を事前補償するための周波数変化を与え、
    周波数変化が与えられた起動信号を送信
    生成された前記起動信号を分配して、前記起動信号に前記周波数変化を与える複数の周波数変化付与部それぞれに出力し、
    前記複数の周波数変化付与部によって前記周波数変化が与えられた各起動信号を合成し、
    合成された後の起動信号を送信し、
    前記複数の周波数変化付与部の少なくとも一部が、分配された前記起動信号に対して、設定された割合に応じて同一の前記周波数変化を与える、
    起動方法。
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