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JP7777108B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体 - Google Patents
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JP7777108B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体

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JP7777108B2 JP2023171144A JP2023171144A JP7777108B2 JP 7777108 B2 JP7777108 B2 JP 7777108B2 JP 2023171144 A JP2023171144 A JP 2023171144A JP 2023171144 A JP2023171144 A JP 2023171144A JP 7777108 B2 JP7777108 B2 JP 7777108B2
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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体に関する。
電子機器用ディスプレイ等の光学部材においては、視認性向上等の観点から透明基材の層間に透明な樹脂組成物が充填される。また、自動車部品等の接合部には、部品間の隙間を埋める目的で液状ガスケットが充填されるが、視認性や外観の観点から、透明な液状ガスケットが用いられる。このような、光学部材用樹脂組成物や液状ガスケットには、透明性の他、柔軟性に優れ、かつ耐熱性も良好な硬化物を形成できる樹脂材料が求められている。
特許文献1には、透明性の高い樹脂材料として、水添ポリブタジエンポリオール系ウレタン(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物(例えば、特許文献1等)が提案されている。また特許文献2には、ポリプロピレングリコール系ウレタン(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物が提案されている。
特開2010-265402号公報 国際公開第2009/142237号
水添ポリブタジエンポリオール系ウレタン(メタ)アクリレートは粘度が高く、粘度調整のために多量のモノマーを添加する必要がある。モノマーの配合量が多くなると、硬化物の凝集力が弱まり得られる塗膜の柔軟性が低下してしまう。そのため、塗膜の柔軟性を維持しつつ、低粘度の硬化性組成物を得ることは難しい。
一方、ポリプロピレングリコール系ウレタン(メタ)アクリレートは低粘度であるため、モノマーの配合量は少なくて済むが、硬化物の耐熱性が低いという問題がある。
本開示は、低粘度な活性エネルギー線硬化性組成物であって、透明性に優れ、かつ柔軟性及び耐熱性にも優れる硬化物が得られる活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体を提供することを課題とする。
本願発明者らは鋭意検討した結果、ファルネセン由来の構造単位を含むウレタン(メタ)アクリレート(X)と、前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)以外の(メタ)アクリレート(Y)と、光重合開始剤(Z)とを含む、活性エネルギー線硬化性組成物であれば、前述の課題を解決できることを見出した。
本開示によれば、低粘度な活性エネルギー線硬化性組成物であって、透明性に優れ、かつ柔軟性及び耐熱性にも優れる硬化物が得られる活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体を提供できる。
実施例の透明性評価用の試験片を示す概略図である。 実施例の耐熱性評価用積層体20の上面図である。 実施例の耐熱性評価用積層体20の側面図である。
以下、本開示の一実施形態について詳細に説明するが、本開示の範囲はここで説明する一実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。また、特定のパラメーターについて、複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値の内、任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。また、本開示に記載されている数値範囲の下限値及び/又は上限値は、その数値範囲内の数値であって、実施例で示されている数値に置き換えてもよい。数値範囲を示す「1~10」との表現は、「1以上10以下」であることを意味している。一実施形態について記載した特定の説明が他の実施形態についても当てはまる場合には、他の実施形態においてはその説明を省略している場合がある。
各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはない。
本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
[活性エネルギー線硬化性組成物]
本開示における第1の実施形態は、活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
第1の実施形態に係る活性エネルギー線硬化性組成物は、ファルネセン由来の構造単位を含むウレタン(メタ)アクリレート(X)と、前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)以外の(メタ)アクリレート(Y)と、光重合開始剤(Z)とを含む。第1の実施形態に係る活性エネルギー線硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」と記載する)によれば、低粘度でありながら、透明性、柔軟性及び耐熱性に優れる硬化物が得られる。
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、ファルネセン由来の構造単位を含むウレタン(メタ)アクリレート(X)(以下、「(X)成分」と記載することもある)を含む。ファルネセン由来の構造単位を含むウレタン(メタ)アクリレート(X)は、側鎖の分子量が小さく、分子間相互作用が小さいことから、高粘度化しにくい。そのため、少ないモノマー配合量で、低粘度な硬化性組成物を得ることができる。さらに驚くべきことに、該(X)成分に、(X)成分以外の(メタ)アクリレート(Y)(以下、「(Y)成分」と記載することもある)を組み合わせて低粘度化した硬化性組成物は、柔軟性及び耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。また、このような(X)成分と(Y)成分を含む硬化性組成物から得られる硬化物は、透明性も良好である。
<ウレタン(メタ)アクリレート(X)>
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、(X)成分を含む。前述の通り、(X)成分は、その構造に由来して高粘度化しにくい。(X)成分は1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
(X)成分は、ファルネセン由来の構造単位と、1以上のウレタン結合と、1以上のアクリロイル基とを含む化合物である。一実施形態において、(X)成分は、ファルネセン由来の構造単位と、2以上のウレタン結合と、1以下のアクリロイル基とを含む化合物であることが好ましい。
(物性)
・粘度
一実施形態において、(X)成分の60℃における粘度は、硬化性組成物の低粘度の観点からは、10~10,000mPa・sが好ましく、100~8,000mPa・sがより好ましく、500~5,000mPa・sがさらに好ましく、1,000~4,000mPa・sが特に好ましい。(X)成分の粘度は、E型粘度計(例えば、東機産業(株)製、製品名「TV-25型」)により、60℃の条件にて測定することができる。
・重量平均分子量(Mw)
一実施形態において、(X)成分の重量平均分子量(Mw)は、5,000~30,000が好ましく、5,000~20,000がより好ましく、8,000~18,000がさらに好ましい。Mwが5,000以上であれば、硬化物の柔軟性が良好となりやすい。また、(X)成分の製造時に副生成物が少なくなり、硬化性組成物の外観が良好となりやすい。また、Mwが30,000以下であれば、架橋密度の低下による、硬化性の悪化や形状変化(メルト)が起きにくい。(X)成分の「重量平均分子量(Mw)」は、GPCの測定によるポリスチレン換算の値であり、具体的には、後述する方法にて測定した値である。
一実施形態において、(X)成分のMwは12,000超であってもよく、12,000超30,000以下であってもよく、12,000超18,000以下であってもよい。(X)成分のMwが12,000超であれば、硬化性組成物の外観がより良好となりやすく、硬化物の柔軟性がより良好となりやすい。
一実施形態において、(X)成分は、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物であることが好ましい。また、(X)成分は、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物である、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物であってもよい。
また、(X)成分は、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、1つの水酸基を有するアルコール(D)との反応物であってもよい。
(ポリオール(A))
ポリオール(A)は、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオールである。本開示において、「ポリオール」とは、構造内に2以上の水酸基を有する化合物を意味する。
ポリオール(A)としては、α-ファルネセン及び/又はβ-ファルネセン由来の構造単位を含むジオールが好ましい例として挙げられる。製造容易性の観点からβ-ファルネセン由来の構造単位を含むことが好ましい。なお、α-ファルネセンとβ-ファルネセンとは併用してもよい。
ポリオール(A)は、ファルネセン由来の構造単位以外の構造単位(その他の構造単位)を含むことができる。その他の構造単位としては、例えば、炭素数12以下の共役ジエン由来の構造単位が挙げられる。好ましい一実施形態において、ポリオール(A)は、ファルネセン由来の構造単位と炭素数12以下の共役ジエン由来の構造単位とを含むポリオールであってもよい。
炭素数12以下の共役ジエンとしては特に限定されないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-ブタジエン、2-フェニル-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、2-メチル-1,3-オクタジエン、1,3,7-オクタトリエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエンは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一実施形態において、ポリオール(A)は、下記式(1)で表されるジオール又はこれを還元(水素化)したジオールであること好ましく、下記式(1)で表されるジオールであることがより好ましい。
上記式(I)中、m及びnは、それぞれ独立して、1~7の整数を表す。
上記式(I)で表されるポリオール(A)としては、ポリファルネセングリコールが好ましい。ポリファルネセングリコールとしては市販品を用いてもよく、例えば、Cray Valley社製の製品名「KRASOL(登録商標) F3000」が挙げられる。
一実施形態において、ポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000~4,000が好ましく、1,000~3,000がより好ましい。ポリオール(A)のMwが1,000~4,000であれば、(X)成分のTgが高くなりすぎず、硬化物の柔軟性が良好となりやすい。また、(X)成分中の副生成物も少ない傾向にある。さらに、(X)成分と(Y)成分を含むその他の成分との相溶性が悪化しにくい。ポリオール(A)の「重量平均分子量(Mw)」は、GPCの測定によるポリスチレン換算の値であり、具体的には、後述する方法にて測定した値である。
一実施形態においては、ポリオール(A)のMwは2,000未満であってもよく、1,000以上2,000未満であってもよい。ポリオール(A)のMwが2,000未満であれば、より粘度の低い(X)成分が得られやすく、硬化性組成物の粘度調整がより容易となりやすい。
(その他のポリオール)
一実施形態において、(X)成分は、ポリオール(A)以外のその他のポリオールを原料として含んでいてもよい。その他のポリオールとしては、例えば、ポリオレフィンポリオール、水添ポリオレフィンポリオール、ポリエステルポリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、及びこれらの変性化合物等が挙げられる。より低粘度の(X)成分が得られやすい観点からは、ポリオール(A)のみを含むことが好ましい。
(ポリイソシアネート(B))
本開示において「ポリイソシアネート」とは、構造内に2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。ポリイソシアネート(B)は特に限定されず、例えば、脂環式ジイソシアネート、分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族ジイソシアネートを水添して得られるジイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1つのジイソシアネートが好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
前記分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物としては、特に制限されないが、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
(水酸基を有する(メタ)アクリレート(C))
水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)(以下、「(メタ)アクリレート(C)」と記載することもある)としては、1以上の水酸基と、1以上のアクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されない。一実施形態においては、脂肪族アルコールの(メタ)アクリレートが好ましく、ポリオール(A)との相溶性が良好である観点からは、1つの水酸基と、1つのアクリロイル基とを有する、脂肪族アルコールの単官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。このような(メタ)アクリレート(C)の好ましい例としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-プロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)は1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
(1つの水酸基を有するアルコール(D))
一実施形態において、(X)成分は、1つの水酸基を有するアルコール(D)(以下、「アルコール(D)」と記載することもある)を原料として含んでいてもよい。アルコール(D)を原料として含むことにより、後述する通り、(X)成分のアクリロイル基濃度を調整しやすくなる。このようなアルコール(D)としては、例えば、炭素数3以上の脂肪族又は脂環式の1級アルコール等が挙げられ、その分子量は70~400が好ましい。アルコール(D)の炭素数が3以上である、又は分子量が70以上であれば、(X)成分の合成中に揮発しにくいため好ましい。また、分子量が400以下であれば、ポリイソシアネート(B)との反応性が低下しにくく、製造時間が長くなりすぎない。また、脂肪族又は脂環式のアルコールであれば、(X)成分の色相が高くなりすぎず、また耐候性も良好となりやすい。
具体的な例としては、1-ブタノール、1-ヘプタノール、1-ヘキサノール、ノルマルオクチルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサンメタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコールやこれらの混合物があげられる。なかでも、2-エチルヘキシルアルコールが沸点、価格、入手容易性の観点から好ましい。アルコール(D)は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
<ウレタン(メタ)アクリレート(X)の製造方法>
(X)成分の製造方法は、ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリレート(C)とを反応(ウレタン化反応)させることを含む。
上記の反応方法としては特に限定されないが、一実施形態においては、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて、ウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した後(工程(1))、前記ウレタンイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート(C)とを反応させること(工程(2))により、(X)成分を得る方法が好ましい。なお、ウレタンイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート(C)とを反応させる際、(メタ)アクリレート(C)とアルコール(D)とを併用してもよい。
(工程(1))
工程(1)は、例えば「ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、及び(メタ)アクリレート(C)、あるいは(A)~(C)及びアルコール(D)を一括混合して反応させる方法」や、「ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリレート(C)及びアルコール(D)とを反応させて、イソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成した後、該プレポリマーとポリオール(A)とを反応させる方法」等の、従来の製造方法に比べて、粘度増加防止、(X)成分の外観、副生成物抑制、硬化物の透明性、耐熱性等が向上しやすい。
具体的には、「ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、及び(メタ)アクリレート(C)、あるいは(A)~(C)及びアルコール(D)を一括混合して反応させる方法」で製造すると、得られる(X)成分は高粘度となりやすい。その結果、硬化性組成物の粘度調整のためにモノマーを多く配合する必要がある。また、攪拌が困難となる、又は反応が不均一に進行し、部分的なゲル化の確率が高くなりやすい。また、ポリオール(A)を骨格に有さない化合物の副生量が多くなりやすく、透明性が低下したり、柔軟性が低下しやすくなる。また、複雑な各種の化合物が不規則に生成しやすいため、(X)成分を含む硬化性組成物の品質管理が難しい。
また、「ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリレート(C)及びアルコール(D)とを反応させて、イソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成した後、該プレポリマーとポリオール(A)とを反応させる方法」の場合、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基全てが、(メタ)アクリレート(C)やアルコール(D)と反応した化合物が副生しやすい。この副生成物は、ポリオール(A)骨格を含まないため結晶性を示し、その結果、透明性が低下しやすく、ゲル化の可能性も高くなる。
上記の観点から、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて、ウレタンイソシアネートプレポリマーを形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート(C)とを反応させる方法が好ましい。
すなわち、工程(1)に採用できる方法としては、さらに以下の方法1~3が挙げられる。
[方法1]ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)を一括混合して反応させる方法。
[方法2]ポリイソシアネート(B)の中にポリオール(A)を滴下しながら反応させる方法。
[方法3]ポリオール(A)の中にポリイソシアネート(B)を滴下しながら反応させる方法。
[方法3]の場合、大量のポリオール(A)の中にポリイソシアネート(B)を滴下しながら反応させることにより、ポリイソシアネート(B)の両側のイソシアネート基が2モルのポリオール(A)の水酸基とウレタン化して、模式的に書くと、A-B-A型の、両末端が水酸基のジオールが副生しやすい。該ジオールに、さらに、2モルのポリイソシアネート(B)が反応すると、模式的に書くと、B-A-B-A-B型の両末端がイソシアネート基の化合物が副生しやすくなる。同様の反応が繰り返されると、模式的に書くと、以下の構造の化合物が大量に副生する場合がある。
B-[A-B]n-A-B(n=1以上の整数)
このような副生成物を大量に含むウレタンプレポリマーに、(メタ)アクリレート(C)、アルコール(D)を反応させると、得られる(X)成分のアクリル密度が低くなり、硬化物が十分な架橋密度が得られにくくなる。
従って、柔軟性、耐熱性に優れる硬化物が得られやすくなる観点からは、[方法1]または[方法2]により、ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成することが好ましい。
[方法1]によりウレタンイソシアネートプレポリマーを製造する場合の好ましい方法は以下のとおりである。
反応器に、初めにポリオール(A)を仕込んで均一になるまで攪拌した後、ポリイソシアネート(B)をさらに仕込んで均一にする。なお、Mwの比較的大きな(X)成分を調製する場合等は、ポリオール(A)に、希釈剤として(メタ)アクリレート(Y)を添加したうえで、ポリオール(A)と(Y)成分とが均一になるまで撹拌した後、ポリイソシアネート(B)を仕込んでもよい。これにより、反応液の粘度を低く押さえることができる。その後、攪拌をしながら、必要に応じて昇温後、ウレタン化触媒を投入してウレタン化を開始する方法が望ましい。ウレタン化触媒を投入後に必要に応じて昇温しても良い。
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とが均一となる前にウレタン化触媒を初めから投入すると、ポリイソシアネート(B)の仕込み段階で、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とが不均一な状態でウレタン化反応が進行することになり、得られるウレタンプレポリマーの分子量や粘度が変化し、未反応のポリイソシアネート(B)が系中に残存した状態で反応が終結する場合がある。このような場合には、後で使用する(メタ)アクリレート(C)及びアルコール(D)と残存したポリイソシアネート(B)とが反応して、副生成物が生じやすくなり、得られる硬化物の透過率が低くなりやすい。
一実施形態において、(X)成分中の前述のような副生成物の含有量は、(X)成分の総重量に対して、7重量%未満が好ましい。副生成物の含有量が7重量%未満であれば、硬化物の透明性が良好となりやすい。
なお、[方法1]は、高粘度であるポリオール(A)や、ポリイソシアネート(B)が固体である場合に、これら原料をそのまま反応器に仕込める点、ワンポットで(X)成分を製造できる点で好ましい。
[方法2]によりウレタンイソシアネートプレポリマーを製造する場合の好ましい方法は、以下のとおりである。
反応器に、ポリイソシアネート(B)、ウレタン化触媒、及び必要により(メタ)アクリレート(Y)の一部を仕込み、均一になるまで攪拌する。攪拌をしながら、必要に応じて昇温し、ポリオール(A)と(メタ)アクリレート(Y)との均一混合液を滴下しながら反応させる。
[方法2]は、ポリオール(A)が高粘度である場合に適した方法である。ポリオール(A)と(メタ)アクリレート(Y)との均一混合液を調製して低粘度の混合液とし、これをポリイソシアネート(B)中に滴下することで、[方法3]で説明した副生成物が生成しにくくなる。
なお、いずれの方法でも、工程(1)は、全ての水酸基がウレタン化するまで反応を行うことが好ましい。反応の終点は、反応液中のイソシアネート基濃度(以下、「NCO基濃度」ということもある)を測定し、系内に仕込んだ水酸基の全てがウレタン化した時のイソシアネート基濃度(理論NCO濃度)以下となったことや、イソシアネート基濃度が変化しなくなったこと等により確認できる。
一実施形態において、ポリオール(A)の水酸基1モルに対する、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル比は、1.1~2.0モルが好ましく、1.1~1.6モルがより好ましい。
一実施形態において、工程(1)は重合禁止剤の存在下で行われることが好ましい。重合禁止剤の好ましい例としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等が挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの重合禁止剤の添加量は、得られる(X)成分に対して、1~10,000ppm(重量基準)となる量が好ましく、100~1,000ppmがより好ましく、400~1,000ppmがさらに好ましい。重合禁止剤の添加量が前記範囲内であれば、十分な重合禁止効果が得らやすく、かつ(X)成分の諸物性に悪影響を及ぼしにくい。
(工程(2))
上記の工程(1)で得られたウレタンイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート(C)(一実施形態においては、(メタ)アクリレート(C)及びアルコール(D))とを反応させて、(X)成分を得る。このとき、反応液中に未反応のイソシアネート基が多量に残存すると、ゲル化が起こったり、塗膜の硬化不良となったりするなどの不具合が生じる可能性がある。
これらの不具合を避けるため、工程(2)は、ウレタンイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基のモル数に対して、(メタ)アクリレート(C)の水酸基のモル数が過剰となるように反応させ、かつ、反応液中の残存イソシアネート基濃度が0.05重量%以下に達するまで反応を継続することが好ましい。なお、前記反応において、ウレタンイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基のモル数1モルに対する、(メタ)アクリレート(C)の水酸基のモル数は、1.005~1.1モルが好ましく、1.01~1.05がより好ましい。
一実施形態において、ポリイソシアネート(B)と(メタ)アクリレート(C)のモル比((B):(C))は、3.00:2.00~3.00:2.09であってもよい。
また、同様の目的で、(X)成分の製造は、分子状酸素含有ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素濃度は安全面を考慮して適宜選択される。
一実施形態において、十分な反応速度を得るために、触媒(ウレタン化触媒)を用いてもよい。触媒としては、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、塩化スズ、ネオデカン酸ビスマス(III)、2-エチルヘキサン酸ビスマス(III)、ネオデカン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等を用いることができるが、反応速度の観点からは、ジブチルスズジラウレートが好ましい。これらの触媒の添加量は通常、得られる(X)成分に対して、1~3,000ppm(重量基準)が好ましく、50~1,000ppmがより好ましい。触媒添加量が前記範囲内であれば、十分な反応速度が得られやすく、かつ(X)成分の諸物性に悪影響を及ぼしにくい。
(X)成分の製造は、公知の揮発性の有機溶剤の存在下で行うことができる。揮発性の有機溶剤は、(X)成分の製造後、減圧により留去することができる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に残った揮発性の有機溶剤を透明基材に塗布した後、乾燥により除去することもできる。なお、揮発性の有機溶剤とは、沸点が200℃を超えない有機溶剤を意味する。
一実施形態において、密閉化で硬化を行う分野に応用する場合、(X)成分の製造時から最終的に得られる硬化性組成物の調製まで、揮発性の有機溶剤を実質的に使用しないことが好ましい。すなわち、このような分野に応用される場合、第1の実施形態に係る硬化性組成物中に含まれる揮発性有機溶剤の割合は、硬化性組成物の総重量に対して、0.5重量%以下が好ましく、0.1重量%以下がより好ましい。
一実施形態において、工程(1)及び/又は工程(2)における反応温度は、130℃以下が好ましく、40~130℃がより好ましい。反応温度が前記範囲内であれば、実用上十分な反応速度を維持しつつ、ゲル化物の発生を抑制しやすい。
工程(2)は、残存イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になるまで行うことが好ましい。残存イソシアネート基濃度はガスクロマトグラフィー、滴定法等で分析することができる。
一実施形態において、下記式(3)より算出される、(X)成分中のアクリロイル基濃度は、0.10moL/kg以上1.0moL/kg未満が好ましく、0.2moL/kg以上0.60moL/kg未満がより好ましい。
アクロイリル基濃度(moL/kg)=(メタ)アクリレート(C)の重量(g)×(メタ)アクリレート(C)分子中の(メタ)アクリロイル基数÷(メタ)アクリレート(C)の分子量×1000÷(X)成分の重量(g) ・・・(3)
ここで、(メタ)アクリレート(C)のアクリロイル基数は、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレートの場合、アクリロイル基数が1であり、ペンタエリスリトリールトリアクリレートの場合は、アクリロイル基数が3となる。
アクリロイル基濃度が0.10moL/kg以上であれば、活性エネルギー線を照射した際に十分に硬化しやすく、また凝集力が低下しにくく、基材との初期密着性が低下しにくい。また、1.0moL/kg未満であれば、得られる硬化物の耐熱性が低下しにくい。なお本開示において「耐熱性に優れる」とは、硬化物を95℃、1000時間の条件で保管した際に、塗膜硬度の上昇を引き起こし、基材との密着性が低下する、及び硬化収縮を引き起こし、塗膜の形状が変化する不具合が生じないことを意味する。すなわち、得られる硬化物の耐熱性を向上させる観点からは、(X)成分中のアクリロイル基濃度を低く抑えて、硬化収縮を小さくすることが有効である。しかしながらこの場合、塗膜硬度の低下を伴うことになり、基材との密着性が低下しやすい。
一実施形態において、(X)成分のアクリロイル基濃度を低く抑えつつ(好ましくは、1.0moL/kg未満としつつ)、塗膜硬度の低下を防ぐ観点から、前述のアルコール(D)を(X)成分とを反応させて、(X)成分の末端アクリロイル基の一部をアルコキシ変性してもよい。
<(メタ)アクリレート(Y)>
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、(X)成分以外の(メタ)アクリレート(Y)を含む。(Y)成分は、硬化性組成物の粘度及び硬化物の諸物性調整の観点から選択される。
一実施形態において、粘度調整、硬化性組成物の外観、副生成物抑制、硬化物の透明性、耐熱性等が向上しやすい観点からは、(Y)成分は単官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、粘度調整や硬化物の諸物性を調整しやすい観点からは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート(オクチル(メタ)アクリレートとデシル(メタ)アクリレートの混合物)、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、シクリヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。このうち、希釈効率が高く、硬化性組成物の粘度調整が容易となりやすい観点からは、アルキル基の炭素数が1~15の脂肪族(メタ)アクリレートが好ましく、n-オクチル(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレートがより好ましく、n-オクチルアクリレート(NOA)を含むことがさらに好ましい。また、硬化物の靭性、延伸性が向上しやすい観点からは、脂環式(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレートがより好ましく、イソボルニルアクリレート(IBOA)を含むことがさらに好ましい。一実施形態において、(Y)成分は、n-オクチルアクリレート(NOA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、及びオクチル/デシル(メタ)アクリレートから選択される1以上を含んでいてもよい。
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、(Y)成分の配合量が少なくとも低粘度を実現できる。一実施形態において、硬化性組成物の25℃における粘度は600mPa・s以下であってもよい。また、このときの硬化性組成物中の(Y)成分の含有量は、硬化性組成物の総重量に対して、90重量%以下が好ましい。一実施形態においては、硬化性組成物の総重量に対する(Y)成分の割合は、60重量%以下であってもよく、55重量%以下であってもよい。また一実施形態において、(Y)成分として、NOA及びIBOAから選択される少なくとも1つを含む場合においては、前述の粘度を有する硬化性組成物の総重量に対する該(Y)成分の割合は、20~55重量%であってもよく、25~55重量%であってもよい。
<光重合開始剤(Z)>
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、光重合開始剤(Z)(以下、「(Z)成分」と記載することもある)。(Z)成分は、活性エネルギー線の種類や、(X)成分によって、公知の光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を用いることができる。
(Z)成分としては、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2-クロルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等が挙げられる。これら(Z)成分は1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
(Z)成分の含有量は特に限定されない。一実施形態においては、(X)成分及び(Y)成分の合計100重量部に対して、1~20重量部が好ましく、1~5重量部がより好ましい。(Z)成分の含有量が前記範囲内であれば、硬化不良が起きにくく、また(Z)成分由来の臭気の少ない硬化性組成物が得られやすい。
<添加剤>
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、必要に応じて種々の添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、例えば、有機及び/又は無機フィラー、染顔料、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。これら添加剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、硬化性組成物100重量部に対して、0~10重量部であってもよく、0.05~5重量部であってもよい。
上述の通り、第1の実施形態に係る硬化性組成物は低粘度であり、かつ透明性、耐熱性及び柔軟性に優れる硬化物を得ることができる。
一実施形態において、硬化性組成物を以下の条件で硬化させて得られる硬化物の、波長400nmにおける透過率は95%以上であることが好ましい。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:5m/分
照射回数 :2回
<硬化性組成物の製造方法>
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、前述の(X)~(Z)成分と、前述の添加剤とを混合することにより製造できる。混合の手段としては、公知乃至慣用の手段、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザー等の各種ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、自公転式攪拌装置等を使用できる。混合の際の温度、回転数等の条件は、特に限定されず、適宜設定可能である。
一実施形態においては、硬化性組成物の製造方法は、(X)成分に(Y)成分を配合して、粘度調整液を得ること、前記粘度調整液に(Z)成分を配合して硬化性組成物を得ることを含む方法であってもよい。
<硬化性組成物の用途>
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、(Y)成分の配合量が少なくとも粘度が低いという特徴を有する。さらに該硬化性組成物は、透明性、柔軟性及び耐熱性に優れる硬化物が得られる。このような硬化性組成物は、例えば、光学部材用途や、液状ガスケット用の硬化性組成物として好適に用いることができる。なお、当然のことながら、硬化性組成物の用途はこれら光学部材用及び液状ガスケット用に限定されない。
[硬化物]
本開示における第2の実施形態は、第1の実施形態に係る硬化性組成物の硬化物である。第1の実施形態に係る硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射により、硬化物とすることができる。なお、第2の実施形態に係る硬化物には、前述の硬化性組成物に後述する活性エネルギー線を照射して硬化反応を促進させたもの、活性エネルギー線を照射して完全に硬化させたものの両方が含まれる。また、硬化性組成物の流動性が無くなる程度まで硬化させた状態の「半硬化物」も、本実施形態の硬化物に含まれる。
第2の実施形態に係る硬化物は、例えば、第1の実施形態に係る硬化性組成物を、基材等の対象物に塗工した後、活性エネルギー線を照射して、硬化塗膜として得ることができる。
硬化性組成物を塗工する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用でき、例えば、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、ロールコート法、バーコート法、グラビア法等を用いることが可能である。中でも、ロールコート法が美観性、コスト、作業性等の観点から最も好ましく用いられる。なお、硬化性組成物の塗工は、プラスチックフィルム等の製造工程中で行う、いわゆるインラインコート法でもよいし、既に製造された基材に対して別工程で塗工を行う、いわゆるオフラインコート法でもよい。生産効率の観点からは、オフラインコート法が好ましい。
<活性エネルギー線>
活性エネルギー線としては、紫外線や電子線等が挙げられる。
紫外線照射を行う際の光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯等が用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、長くとも数十秒であり、通常は数秒である。通常、ランプ出力80~300W/cm程度の照射源が用いられる。
電子線照射の場合は、50~1000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2~5Mradの照射量とすることが好ましい。活性エネルギー線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の促進を図ってもよい。
硬化塗膜の厚さは特に限定されず、用途に応じて任意に調整できる。例えば、0.5~1,000μm、好ましくは2~500μmの範囲で調整してもよい。
硬化性組成物を塗工する対象物(被塗工物)としては特に限定されないが、例えば、プラスチック製の物品、上記物品のプラスチック表面に金属蒸着を行ったもの、ガラス、木材、金属板、紙等の各種物品が挙げられる。塗工面に離型処理が施されていてもよい。第1の実施形態に係る硬化性組成物を、光学部材用途、特に透明基材の層間充填剤(層間充填用硬化性組成物)として用いる場合は、透明基材に塗工することが好ましい。透明基材の詳細については後述する。
[積層体]
本開示の第3の実施形態は、第1の実施形態に係る硬化性組成物及び第2の実施形態に係る硬化物から選択される1以上を含む層を備える、積層体である。一実施形態においては、該積層体は、第1の実施形態に係る硬化性組成物及び第2の実施形態に係る硬化物から選択される1以上を含む層と、2以上の透明基材とを備えていてもよい。また、2以上の透明基材の間に、第1の実施形態に係る硬化性組成物及び第2の実施形態に係る硬化物から選択される1以上を含む層を有していてもよい。
<透明基材>
積層体が透明基材を備える場合、該透明基材としては、透明ガラス板等のガラス基材の他に透明プラスチックフィルム等のプラスチック基材を使用することができる。
プラスチック基材としては、既存の透明素材を用いることが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が例示される。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が特に好ましく用いられる。
<積層体の製造方法>
第3の実施形態に係る積層体の製造方法としては、第1の実施形態に係る硬化性組成物を、1以上の基材上に塗工することを含む方法が挙げられる。一実施形態においては、硬化性組成物の塗工後、該硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することを含んでいてもよい。また、基材として前述の透明基材を用いる場合、透明基材側から活性エネルギー線を硬化性組成物に対して照射することを含んでいてもよい。硬化性組成物の塗工方法及び活性エネルギー線としては、硬化物の欄で説明したものを好ましく採用できる。
一実施形態において、第3の実施形態に係る積層体の製造方法は、2以上の透明基材の間に、第1の実施形態に係る硬化性組成物を注入することを含む方法であってもよい。また、注入後に、透明基材側から活性エネルギー線を照射することを含んでいてもよい。この場合、気泡の発生を防ぐ観点から、カートリッジを使用することが好ましい。
積層体における、第1の実施形態に係る硬化性組成物及び第2の実施形態に係る硬化物から選択される1以上を含む層の厚みは、30~300μmが好ましく、50~200μmがより好ましい。層厚みが前記範囲内であれば、コストが高くなりすぎず、かつ層厚みが均一となりやすい。また、柔軟性も良好となりやすい。
以下に、合成例及び実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下に、合成例及び比較合成例について説明する。濃度表記の「ppm」、「重量%」は、特別な記載がない限り(理論的に)得られるウレタン(メタ)アクリレート(X)に対する濃度である。また、イソシアネート基濃度の測定方法、粘度の測定方法、重量平均分子量の測定方法について説明する。
(イソシアネート基濃度の測定)
イソシアネート基濃度は、以下のように測定した。なお、測定は100mLのガラスフラスコでスターラーによる攪拌の下で行った。
・ブランク値の測定
15mLのTHFに、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)15mLを加え、さらにブロモフェノールブルー(1%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた。その後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVb(mL)とした。
・実測イソシアネート基濃度の測定
サンプルをWs(g)秤量し、15mLのTHFに溶解させ、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)を15mL加えた。溶液化したことを確認した後、ブロモフェノールブルー(1%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた。その後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVs(mL)とした。
以下の計算式により、サンプル中のイソシアネート基濃度を算出した。
イソシアネート基濃度(重量%)=(Vb-Vs)×1.005×0.42÷Ws
(粘度の測定方法)
・ウレタン(メタ)アクリレート(X)
ウレタン(メタ)アクリレート(X)の粘度は、E型粘度計(東機産業(株)製、製品名「TV-25型」)により、60℃の条件で測定した。
・硬化性組成物
硬化性組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業(株)製、製品名「TV-25型」)により、25℃の条件で測定した。
(重量平均分子量(Mw))
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーション・ガスクロマトグラフィー)法により、下記の測定条件で、標準ポリスチレンを基準にして求めた。
使用機器 :高速GPC装置(東ソー(株)製、製品名「HLC-8220GPC」)
ポンプ :DP-8020
検出器 :RI-8020
カラムの種類:Super HZM-M,Super HZ4000,Super HZ3000,Super HZ2000
溶剤 :テトラヒドロフラン
相流量 :1mL/分
カラム内圧力:5.0MPa
カラム温度 :40℃
試料注入量 :10μL
試料濃度 :0.2mg/mL
<材料>
実施例及び比較例で用いた材料は以下のとおりである。
・ポリオール(A)
(A1):ポリファルネセングリコール(Cray Valley社製、製品名「KRASOL F3000」(Mw:1488、水酸基価:0.672mmoL/g、不揮発分:99.91%)。
・ポリオール(A’)
(A’1):ポリプロピレングリコール(三洋化成工業(株)製、製品名「サンニックス(登録商標)PT2001」、Mw:1964、水酸基価:57.1mgKOH/g)。
(A’2):ポリエステルポリオール(三井化学(株)製、製品名「タケラック(登録商標)U2710」、Mw:988、水酸基価:113.5mgKOH/g)。
(A’3):水素化ポリブタジエングリコール(日本曹達(株)製、製品名「NISSO PB GI3000」(Mw:3965、水酸基価:28.3mgKOH/g)。
なお、上記ポリオール(A)及びポリオール(A’)のMwは、水酸基価を元に下記式(4)又は(5)より算出した値である。
Mw=56.1÷水酸基価(mgKOH/g)×2,000 ・・・(4)
Mw=2,000÷水酸基価(mmoL/g) ・・・(5)
・ポリイソシアネート(B)
(B1):イソホロンジイソシアネート(IPDI)(エボニック(株)製、製品名「VESTANAT(登録商標)IPDI」、Mw:222)。
(B2):ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(東ソー(株)製、製品名「HDI」、Mw:168)。
(B3):2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)(エボニック(株)製、製品名「TMDI」、Mw:210)。
(B4):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(東ソー(株)製、製品名「MDI」、Mw:250)。
(B5):メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)(エボニック(株)製、製品名「DESMODUR(登録商標)W」、Mw:262)。
(B6):トルエンジイソシアネート(TDI)(東ソー(株)製、製品名「TDI」、Mw:174)。
・水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)
(C1):2-ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒(株)製、製品名「HEA」)。
・1つの水酸基を有するアルコール(D)
(D1):2-エチルヘキシルアルコール(三協化学(株)製、製品名「2-エチルヘキサノール」)。
・(メタ)アクリレート(Y)
(Y1):n-オクチルアクリレート(NOA)(大阪有機化学(株)製、製品名「NOAA」)。
(Y2):イソボルニルアクリレート(IBOA)(ダイセル・オルネクス(株)製、製品名「IBOA-B」)。
・光重合開始剤(Z)
・1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IGM社製、製品名「Omnirad(登録商標)184」)。
<ウレタン(メタ)アクリレート(X)の合成>
(合成例1/(X-1))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A1)(ポリファルネセングリコール)303.0gと、800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、系内を均一化させた後、ポリオール(B1)(IPDI)34gを投入した。その後、300ppmのウレタン化触媒(ジブチルスズジラウレート(DBTDL))を加え、内温を70℃に設定してウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。なお、反応が完結したことは、反応液中のイソシアネート基濃度が、理論NCO濃度以下となったことで確認した(他の合成例も同じ)。本例では、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度(1.27重量%)以下であることを確認した後、次の操作へ移行した。なお、理論NCO濃度(プレポリマー)の算出は、以下の式(6)より行った。
理論NCO濃度=42×2×100÷(ポリオールのMw×2+イソシアネートのMw×3) ・・・(6)
反応液中のイソシアネート基濃度を確認した後、(メタ)アクリレート(C1)12.4gを反応液中に一括投入した。2時間熟成させた後、イソシアネート基濃度が0.05重量%未満であることを確認してから、反応を終了させ、ウレタン(メタ)アクリレート(X-1)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-1)のアクリロイル基濃度は、1,918g/moL(0.52moL/kg)であった。
(合成例2/(X-2))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B2)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-2)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-2)のアクリロイル基濃度は、1,838g/moL(0.54moL/kg)であった。
(合成例3/(X-3))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B3)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-3)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-3)のアクリロイル基濃度は、1,901g/moL(0.53moL/kg)であった。
(合成例4/(X-4))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B4)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-4)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-4)のアクリロイル基濃度は、1,950g/moL(0.51moL/kg)であった。
(合成例5/(X-5))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B5)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-5)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-5)のアクリロイル基濃度は、1,978g/moL(0.51moL/kg)であった。
(合成例6/(X-6))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B6)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-6)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-6)のアクリロイル基濃度は、1,847g/moL(0.54moL/kg)であった。
(合成例7/(X-7))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B1)、(メタ)アクリレート(C1)及びアルコール(D1)を、モル比で、2.0:3.0:1.80:0.20で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A1)(ポリファルネセングリコール)404.1gと、800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、系内を均一化させた後、ポリオール(B1)(IPDI)34gを投入した。その後、300ppmのウレタン化触媒(ジブチルスズジラウレート(DBTDL))を加え、内温を70℃に設定してウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。なお、反応が完結したことは、反応液中のイソシアネート基濃度が、理論NCO濃度以下となったことで確認した(他の合成例も同じ)。本例では、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度(0.98重量%)以下であることを確認した後、次の操作へ移行した。なお、理論NCO濃度(プレポリマー)の算出は、上記の式(6)より行った。
反応液中のイソシアネート基濃度を確認した後、(メタ)アクリレート(C1)10.6gとアルコール(D1)1.3gを反応液中に一括投入した。2時間熟成させた後、イソシアネート基濃度が0.05重量%未満であることを確認してから、反応を終了させ、ウレタン(メタ)アクリレート(X-7)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-7)のアクリロイル基濃度は、2,052g/moL(0.49moL/kg)であった。
(比較合成例1/(X’-1))
ポリオール(A’1)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A’1)307.8g、ポリイソシアネート(B1)67.5g及び800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。1時間攪拌し、系内を均一化させた後、ウレタン化触媒(DBTDL)300ppmを投入した。内温が上昇していることを確認した後、70℃まで昇温させ、3時間熟成させて、ウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(2.27重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)24.7gを投入した。更に2時間熟成して、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-1)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-1)のアクリロイル基濃度は、2,303g/moL(0.43moL/kg)であった。
<比較合成例2/X’-2>
ポリオール(A’2)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A’2)269.1g、ポリイソシアネート(B1)22.6g、希釈モノマーとして、(メタ)アクリレート(Y1)129gを投入した。さらに、(メタ)アクリレート(Y1)を除く反応成分に対して、800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、1時間攪拌し、系内を均一化させた後、ウレタン化触媒(DBTDL)((メタ)アクリレート(Y1)を除く反応成分に対して300ppm)を投入した。内温が上昇していることを確認した後、70℃まで昇温させ、2時間熟成させて、ウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(0.68重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)8.3gを投入した。更に2時間熟成し、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-2)を得た。なお、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-2)中の(メタ)アクリレート(Y1)の割合は、30重量%((X’―2)/(Y1)=70/30)であった。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-2)のアクリロイル基濃度は、1,374g/moL(0.73moL/kg)であった。
<比較合成例3/X’-3>
ポリオール(A’2)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A’2)269.1g、ポリイソシアネート(B1)22.6g、希釈モノマーとして、(メタ)アクリレート(Y2)129gを投入した。さらに、(メタ)アクリレート(Y2)を除く反応成分に対して800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、1時間攪拌し、系内を均一化させた後、ウレタン化触媒(DBTDL)((メタ)アクリレート(Y2)を除く反応成分に対して300ppm)を投入した。内温が上昇していることを確認した後、70℃まで昇温させ、2時間熟成させた。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(0.68重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)8.3gを投入した。更に2時間熟成し、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-3)を得た。なお、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-3)中の(メタ)アクリレート(Y2)の割合は、30重量%((X’―3)/(Y2)=70/30)であった。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-3)のアクリロイル基濃度は、1,374g/moL(0.73moL/kg)であった。
<比較合成例4/X’-4>
ポリオール(A’3)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(B1)103.9gと、反応成分に対して800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)と、ウレタン化触媒(DBTDL)(反応成分に対して300ppm)を充填した。内温を50℃にし、ポリオール(A’3)308.2gを4時間かけて滴下した。この時、内温が80℃を超えない様に、冷却水で徐熱しながら反応させた。ポリオール(A’3)の滴下終了後、2時間熟成させた。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(3.18重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)38gを投入した。更に4時間熟成し、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-4)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-4)のアクリロイル基濃度は、4,209g/moL(0.24moL/kg)であった。
各合成例及び比較合成例で得られたウレタン(メタ)アクリレートの粘度(60℃)、及びMwを、上記に記載の方法で測定した。各例のまとめを表1に記載する。
[実施例1~8及び比較例1~7]
各合成例及び比較合成例で得られたウレタン(メタ)アクリレート(X)に、粘度調整用モノマーとして、(メタ)アクリレート(Y)を、硬化性組成物の25℃の粘度が600mPa・s以下になるまで配合した。その後、得られた混合液の総重量に対して、3重量%の光重合開始剤(Z)を配合して、各例の硬化性組成物を得た。表2~3に、(X)成分及び(Y)成分の配合割合を記載する。
各例で得られた硬化性組成物の粘度を上記に記載の方法で測定した。また各例で得られた硬化性組成物の外観、硬化物の透明性、耐熱性及び柔軟性を、以下の条件で評価した。結果を表2~3に示す。
<硬化性組成物の外観評価>
各例で得られた硬化性組成物を、-30℃で1時間保管し、結晶化等による白濁、着色の有無を目視により以下の評価基準で評価した。
(評価基準:外観)
合格:目視により白濁、着色のいずれも確認されなかった。
不合格:目視により白濁及び/又は着色が確認された。
<硬化物の透明性評価>
図1に示すように、マイクロガラス11(寸法:1.0×76×26mm)上に、シリコンラバー12で方形の枠を作り(内寸:1.0×40×10mm)、その枠の中に硬化性組成物13を1.0g滴下した。その後、70℃で加温し、表面が平滑になったところで、下記条件で紫外線を照射して硬化させて、硬化物の試験片を得た。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:5m/分
照射回数 :2回
次に、分光光度計((株)島津製作所製、製品名「UV-VISIBLE SPECTROPHOTO METER」)を用いて、マイクロガラスだけのものをリファレンスとして透過率を測定し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準:透明性)
合格:400nmにおける透過率が95%以上であった。
不合格:400nmにおける透過率が95%未満であった。
<硬化物の耐熱性評価>
図2及び図3に示すような積層体20を作成して、耐熱性評価を行った。なお図2は、積層体20を真上から見た上面図であり、図3は、積層体20の側面図である。
まず、ガラス板21(厚さ1mm、5cm四方)の中心に、硬化性組成物0.50g(±0.01g)を正確に秤量して滴下した。さらにその上から同形状のガラス板21を被せて硬化性組成物を円状(4cm径)に広げて、ガラス積層体21/硬化性組成物13/ガラス積層体21の順に積層された積層体20を得た。その後、一方のガラス積層体21面から高圧水銀灯(アイグラフィックス社製)を用いて、下記の条件で紫外線照射を行って、硬化性組成物13を硬化させた。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:5m/分
照射回数 :8回(両面各4回)
次に、硬化後の積層体20を小型環境試験器(エスペック(株)製、製品名「SH-641」)中に、温度95℃の条件で1000時間保管した。保管後の積層体20の形状を以下の評価基準に沿って評価した。
(評価基準:耐熱性)
合格:保管後の積層体20の形状に変化がなかった。
不合格:保管後の積層体20の形状が変化していた(硬化物にしわが発生していた、及び/又はガラス板にズレが発生していた)。
<硬化物の柔軟性評価>
ガラス板上に、シリコンラバーで正方形の枠を作り(内寸:7×40×40mm)、その枠の中に硬化性組成物を空隙容量いっぱいになるように投入した。この時、なるべく気泡が発生しないように、硬化性組成物は予め加温しておき、ゆっくりと投入した。なお、硬化性組成物に気泡が発生していた場合は、80℃のオーブン中で気泡が抜けるまで保管した。サンプルを80℃で加温し、表面が平滑になったところで、下記の条件で紫外線を照射して硬化させた。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:3.5m/分
照射回数 :5回
硬化後、シリコンラバーから硬化物を取り外し、該硬化物を裏返しにして上記と同じ条件でさらに紫外線を照射した。これにより、厚み約7mmの硬化物の試験片を調製した。その後、自動定圧荷重器((株)テクロック製、製品名「GS-610」)を用い、JIS K 6253に準拠して、硬度測定を行った。この時、タイプAの硬度計を用いた。この時の荷重は500g、荷重降下速度は9mm/sとした。除荷後、押針が接触した跡を観察し、以下の評価基準に沿って評価した。
(評価基準:柔軟性)
合格:押針との接触部にワレ等の損傷がなかった、又は押針との接触部にワレ等の傷があったが、24時間以内に回復した。
不合格:押針との接触部にワレ等の傷があり、24時間以内に回復しなかった。
表2に示す通り、第1の実施形態の構成を満たす実施例1~8の硬化性組成物は、少ないモノマー量((Y)成分)で低粘度の硬化性組成物を得ることができ、外観も良好であった。さらに該硬化性組成物から得られた硬化物は、透明性、耐熱性及び柔軟性にも優れていた。
一方、表3に示す通り、ファルネセン由来の構造単位を含まないウレタン(メタ)アクリレートを含む比較例1~4の硬化性組成物は、比較的少ないモノマー量((Y)成分)で低粘度の硬化性組成物調製でき、かつその外観も良好であったが、硬化物の耐熱性又は柔軟性に劣っていた。また比較例5、6の硬化性組成物は、白濁及び経時で相分離を示したため、硬化性組成物の粘度測定、硬化物評価を実施することができなかった。なお、表3に示すように、これら比較例5、6において、(Y)成分の配合量を30重量%未満とすると外観は良好となったが、硬化性組成物の粘度が非常に高く、粘度測定、硬化物評価のいずれも実施できなかった。
また、ウレタン(メタ)アクリレート(X-1)と光重合開始剤(Z)のみを含む比較例7の硬化性組成物は、粘度(25℃)が非常に高く、ハンドリングが悪かった。
以上の結果より、第1の実施形態に係る硬化性組成物は、低粘度な活性エネルギー線硬化性組成物であって、透明性に優れ、かつ柔軟性及び耐熱性にも優れる硬化物が得られることが分かった。
本開示の例示的な実施形態及び例示的な実施形態の組み合わせの非限定的なリストを以下に記載する。
[1]ファルネセン由来の構造単位を含むウレタン(メタ)アクリレート(X)と、
前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)以外の(メタ)アクリレート(Y)と、
光重合開始剤(Z)とを含む、活性エネルギー線硬化性組成物。
[2]前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)が、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物である、[1]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[3]前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)の重量平均分子量(Mw)が、5,000~30,000である、[1]または[2]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[4]前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)が、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物であり、
前記ポリオール(A)が、下記式(I)で表されるジオールを含む、[1]から[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(式(I)中、m及びnは、それぞれ独立して、1~7の整数を表す。)
[5][1]から[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物の、硬化物。
[6][1]から[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物及び[5]に記載の硬化物から選択される1以上を含む層を備える、積層体。
11:マイクロガラス
12:シリコンラバー
13:活性エネルギー線硬化性組成物
20:積層体
21:ガラス板

Claims (5)

  1. ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物であり、重量平均分子量が12000超30000以下のウレタン(メタ)アクリレート(X)と、
    アルキル基の炭素数が1~15の脂肪族(メタ)アクリレート及び脂環式(メタ)アクリレートから選択される1以上の単官能(メタ)アクリレート(Y)と、
    光重合開始剤(Z)とを含み、前記ポリオール(A)が、下記式(I)で表される、重量平均分子量が1000以上2000未満のジオールを含む、活性エネルギー線硬化性組成物。
    (式(I)中、m及びnは、それぞれ独立して、1~7の整数を表す。)
  2. 前記単官能(メタ)アクリレート(Y)が、n-オクチルアクリレート(NOA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、及びオクチル/デシル(メタ)アクリレートから選択される1以上を含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 前記硬化性組成物の総質量に対する前記単官能(メタ)アクリレート(Y)の割合が20~55質量%である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の、硬化物。
  5. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物及び請求項4に記載の硬化物から選択される1以上を含む層を備える、積層体。

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