JP7777108B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体 - Google Patents
活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに積層体Info
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Description
本開示における第1の実施形態は、活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
第1の実施形態に係る活性エネルギー線硬化性組成物は、ファルネセン由来の構造単位を含むウレタン(メタ)アクリレート(X)と、前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)以外の(メタ)アクリレート(Y)と、光重合開始剤(Z)とを含む。第1の実施形態に係る活性エネルギー線硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」と記載する)によれば、低粘度でありながら、透明性、柔軟性及び耐熱性に優れる硬化物が得られる。
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、(X)成分を含む。前述の通り、(X)成分は、その構造に由来して高粘度化しにくい。(X)成分は1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
・粘度
一実施形態において、(X)成分の60℃における粘度は、硬化性組成物の低粘度の観点からは、10~10,000mPa・sが好ましく、100~8,000mPa・sがより好ましく、500~5,000mPa・sがさらに好ましく、1,000~4,000mPa・sが特に好ましい。(X)成分の粘度は、E型粘度計(例えば、東機産業(株)製、製品名「TV-25型」)により、60℃の条件にて測定することができる。
一実施形態において、(X)成分の重量平均分子量(Mw)は、5,000~30,000が好ましく、5,000~20,000がより好ましく、8,000~18,000がさらに好ましい。Mwが5,000以上であれば、硬化物の柔軟性が良好となりやすい。また、(X)成分の製造時に副生成物が少なくなり、硬化性組成物の外観が良好となりやすい。また、Mwが30,000以下であれば、架橋密度の低下による、硬化性の悪化や形状変化(メルト)が起きにくい。(X)成分の「重量平均分子量(Mw)」は、GPCの測定によるポリスチレン換算の値であり、具体的には、後述する方法にて測定した値である。
一実施形態において、(X)成分のMwは12,000超であってもよく、12,000超30,000以下であってもよく、12,000超18,000以下であってもよい。(X)成分のMwが12,000超であれば、硬化性組成物の外観がより良好となりやすく、硬化物の柔軟性がより良好となりやすい。
また、(X)成分は、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、1つの水酸基を有するアルコール(D)との反応物であってもよい。
ポリオール(A)は、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオールである。本開示において、「ポリオール」とは、構造内に2以上の水酸基を有する化合物を意味する。
ポリオール(A)としては、α-ファルネセン及び/又はβ-ファルネセン由来の構造単位を含むジオールが好ましい例として挙げられる。製造容易性の観点からβ-ファルネセン由来の構造単位を含むことが好ましい。なお、α-ファルネセンとβ-ファルネセンとは併用してもよい。
一実施形態においては、ポリオール(A)のMwは2,000未満であってもよく、1,000以上2,000未満であってもよい。ポリオール(A)のMwが2,000未満であれば、より粘度の低い(X)成分が得られやすく、硬化性組成物の粘度調整がより容易となりやすい。
一実施形態において、(X)成分は、ポリオール(A)以外のその他のポリオールを原料として含んでいてもよい。その他のポリオールとしては、例えば、ポリオレフィンポリオール、水添ポリオレフィンポリオール、ポリエステルポリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、及びこれらの変性化合物等が挙げられる。より低粘度の(X)成分が得られやすい観点からは、ポリオール(A)のみを含むことが好ましい。
本開示において「ポリイソシアネート」とは、構造内に2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。ポリイソシアネート(B)は特に限定されず、例えば、脂環式ジイソシアネート、分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族ジイソシアネートを水添して得られるジイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1つのジイソシアネートが好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
前記分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物としては、特に制限されないが、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)(以下、「(メタ)アクリレート(C)」と記載することもある)としては、1以上の水酸基と、1以上のアクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されない。一実施形態においては、脂肪族アルコールの(メタ)アクリレートが好ましく、ポリオール(A)との相溶性が良好である観点からは、1つの水酸基と、1つのアクリロイル基とを有する、脂肪族アルコールの単官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。このような(メタ)アクリレート(C)の好ましい例としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-プロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)は1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
一実施形態において、(X)成分は、1つの水酸基を有するアルコール(D)(以下、「アルコール(D)」と記載することもある)を原料として含んでいてもよい。アルコール(D)を原料として含むことにより、後述する通り、(X)成分のアクリロイル基濃度を調整しやすくなる。このようなアルコール(D)としては、例えば、炭素数3以上の脂肪族又は脂環式の1級アルコール等が挙げられ、その分子量は70~400が好ましい。アルコール(D)の炭素数が3以上である、又は分子量が70以上であれば、(X)成分の合成中に揮発しにくいため好ましい。また、分子量が400以下であれば、ポリイソシアネート(B)との反応性が低下しにくく、製造時間が長くなりすぎない。また、脂肪族又は脂環式のアルコールであれば、(X)成分の色相が高くなりすぎず、また耐候性も良好となりやすい。
具体的な例としては、1-ブタノール、1-ヘプタノール、1-ヘキサノール、ノルマルオクチルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサンメタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコールやこれらの混合物があげられる。なかでも、2-エチルヘキシルアルコールが沸点、価格、入手容易性の観点から好ましい。アルコール(D)は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
(X)成分の製造方法は、ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリレート(C)とを反応(ウレタン化反応)させることを含む。
上記の反応方法としては特に限定されないが、一実施形態においては、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて、ウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した後(工程(1))、前記ウレタンイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート(C)とを反応させること(工程(2))により、(X)成分を得る方法が好ましい。なお、ウレタンイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート(C)とを反応させる際、(メタ)アクリレート(C)とアルコール(D)とを併用してもよい。
工程(1)は、例えば「ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、及び(メタ)アクリレート(C)、あるいは(A)~(C)及びアルコール(D)を一括混合して反応させる方法」や、「ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリレート(C)及びアルコール(D)とを反応させて、イソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成した後、該プレポリマーとポリオール(A)とを反応させる方法」等の、従来の製造方法に比べて、粘度増加防止、(X)成分の外観、副生成物抑制、硬化物の透明性、耐熱性等が向上しやすい。
すなわち、工程(1)に採用できる方法としては、さらに以下の方法1~3が挙げられる。
[方法1]ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)を一括混合して反応させる方法。
[方法2]ポリイソシアネート(B)の中にポリオール(A)を滴下しながら反応させる方法。
[方法3]ポリオール(A)の中にポリイソシアネート(B)を滴下しながら反応させる方法。
B-[A-B]n-A-B(n=1以上の整数)
このような副生成物を大量に含むウレタンプレポリマーに、(メタ)アクリレート(C)、アルコール(D)を反応させると、得られる(X)成分のアクリル密度が低くなり、硬化物が十分な架橋密度が得られにくくなる。
従って、柔軟性、耐熱性に優れる硬化物が得られやすくなる観点からは、[方法1]または[方法2]により、ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成することが好ましい。
反応器に、初めにポリオール(A)を仕込んで均一になるまで攪拌した後、ポリイソシアネート(B)をさらに仕込んで均一にする。なお、Mwの比較的大きな(X)成分を調製する場合等は、ポリオール(A)に、希釈剤として(メタ)アクリレート(Y)を添加したうえで、ポリオール(A)と(Y)成分とが均一になるまで撹拌した後、ポリイソシアネート(B)を仕込んでもよい。これにより、反応液の粘度を低く押さえることができる。その後、攪拌をしながら、必要に応じて昇温後、ウレタン化触媒を投入してウレタン化を開始する方法が望ましい。ウレタン化触媒を投入後に必要に応じて昇温しても良い。
反応器に、ポリイソシアネート(B)、ウレタン化触媒、及び必要により(メタ)アクリレート(Y)の一部を仕込み、均一になるまで攪拌する。攪拌をしながら、必要に応じて昇温し、ポリオール(A)と(メタ)アクリレート(Y)との均一混合液を滴下しながら反応させる。
[方法2]は、ポリオール(A)が高粘度である場合に適した方法である。ポリオール(A)と(メタ)アクリレート(Y)との均一混合液を調製して低粘度の混合液とし、これをポリイソシアネート(B)中に滴下することで、[方法3]で説明した副生成物が生成しにくくなる。
上記の工程(1)で得られたウレタンイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート(C)(一実施形態においては、(メタ)アクリレート(C)及びアルコール(D))とを反応させて、(X)成分を得る。このとき、反応液中に未反応のイソシアネート基が多量に残存すると、ゲル化が起こったり、塗膜の硬化不良となったりするなどの不具合が生じる可能性がある。
これらの不具合を避けるため、工程(2)は、ウレタンイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基のモル数に対して、(メタ)アクリレート(C)の水酸基のモル数が過剰となるように反応させ、かつ、反応液中の残存イソシアネート基濃度が0.05重量%以下に達するまで反応を継続することが好ましい。なお、前記反応において、ウレタンイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基のモル数1モルに対する、(メタ)アクリレート(C)の水酸基のモル数は、1.005~1.1モルが好ましく、1.01~1.05がより好ましい。
一実施形態において、ポリイソシアネート(B)と(メタ)アクリレート(C)のモル比((B):(C))は、3.00:2.00~3.00:2.09であってもよい。
アクロイリル基濃度(moL/kg)=(メタ)アクリレート(C)の重量(g)×(メタ)アクリレート(C)分子中の(メタ)アクリロイル基数÷(メタ)アクリレート(C)の分子量×1000÷(X)成分の重量(g) ・・・(3)
ここで、(メタ)アクリレート(C)のアクリロイル基数は、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレートの場合、アクリロイル基数が1であり、ペンタエリスリトリールトリアクリレートの場合は、アクリロイル基数が3となる。
一実施形態において、(X)成分のアクリロイル基濃度を低く抑えつつ(好ましくは、1.0moL/kg未満としつつ)、塗膜硬度の低下を防ぐ観点から、前述のアルコール(D)を(X)成分とを反応させて、(X)成分の末端アクリロイル基の一部をアルコキシ変性してもよい。
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、(X)成分以外の(メタ)アクリレート(Y)を含む。(Y)成分は、硬化性組成物の粘度及び硬化物の諸物性調整の観点から選択される。
一実施形態において、粘度調整、硬化性組成物の外観、副生成物抑制、硬化物の透明性、耐熱性等が向上しやすい観点からは、(Y)成分は単官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、光重合開始剤(Z)(以下、「(Z)成分」と記載することもある)。(Z)成分は、活性エネルギー線の種類や、(X)成分によって、公知の光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を用いることができる。
(Z)成分としては、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2-クロルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等が挙げられる。これら(Z)成分は1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、必要に応じて種々の添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、例えば、有機及び/又は無機フィラー、染顔料、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。これら添加剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、硬化性組成物100重量部に対して、0~10重量部であってもよく、0.05~5重量部であってもよい。
一実施形態において、硬化性組成物を以下の条件で硬化させて得られる硬化物の、波長400nmにおける透過率は95%以上であることが好ましい。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:5m/分
照射回数 :2回
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、前述の(X)~(Z)成分と、前述の添加剤とを混合することにより製造できる。混合の手段としては、公知乃至慣用の手段、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザー等の各種ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、自公転式攪拌装置等を使用できる。混合の際の温度、回転数等の条件は、特に限定されず、適宜設定可能である。
一実施形態においては、硬化性組成物の製造方法は、(X)成分に(Y)成分を配合して、粘度調整液を得ること、前記粘度調整液に(Z)成分を配合して硬化性組成物を得ることを含む方法であってもよい。
第1の実施形態に係る硬化性組成物は、(Y)成分の配合量が少なくとも粘度が低いという特徴を有する。さらに該硬化性組成物は、透明性、柔軟性及び耐熱性に優れる硬化物が得られる。このような硬化性組成物は、例えば、光学部材用途や、液状ガスケット用の硬化性組成物として好適に用いることができる。なお、当然のことながら、硬化性組成物の用途はこれら光学部材用及び液状ガスケット用に限定されない。
本開示における第2の実施形態は、第1の実施形態に係る硬化性組成物の硬化物である。第1の実施形態に係る硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射により、硬化物とすることができる。なお、第2の実施形態に係る硬化物には、前述の硬化性組成物に後述する活性エネルギー線を照射して硬化反応を促進させたもの、活性エネルギー線を照射して完全に硬化させたものの両方が含まれる。また、硬化性組成物の流動性が無くなる程度まで硬化させた状態の「半硬化物」も、本実施形態の硬化物に含まれる。
活性エネルギー線としては、紫外線や電子線等が挙げられる。
紫外線照射を行う際の光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯等が用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、長くとも数十秒であり、通常は数秒である。通常、ランプ出力80~300W/cm程度の照射源が用いられる。
電子線照射の場合は、50~1000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2~5Mradの照射量とすることが好ましい。活性エネルギー線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の促進を図ってもよい。
本開示の第3の実施形態は、第1の実施形態に係る硬化性組成物及び第2の実施形態に係る硬化物から選択される1以上を含む層を備える、積層体である。一実施形態においては、該積層体は、第1の実施形態に係る硬化性組成物及び第2の実施形態に係る硬化物から選択される1以上を含む層と、2以上の透明基材とを備えていてもよい。また、2以上の透明基材の間に、第1の実施形態に係る硬化性組成物及び第2の実施形態に係る硬化物から選択される1以上を含む層を有していてもよい。
積層体が透明基材を備える場合、該透明基材としては、透明ガラス板等のガラス基材の他に透明プラスチックフィルム等のプラスチック基材を使用することができる。
第3の実施形態に係る積層体の製造方法としては、第1の実施形態に係る硬化性組成物を、1以上の基材上に塗工することを含む方法が挙げられる。一実施形態においては、硬化性組成物の塗工後、該硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することを含んでいてもよい。また、基材として前述の透明基材を用いる場合、透明基材側から活性エネルギー線を硬化性組成物に対して照射することを含んでいてもよい。硬化性組成物の塗工方法及び活性エネルギー線としては、硬化物の欄で説明したものを好ましく採用できる。
イソシアネート基濃度は、以下のように測定した。なお、測定は100mLのガラスフラスコでスターラーによる攪拌の下で行った。
・ブランク値の測定
15mLのTHFに、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)15mLを加え、さらにブロモフェノールブルー(1%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた。その後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVb(mL)とした。
・実測イソシアネート基濃度の測定
サンプルをWs(g)秤量し、15mLのTHFに溶解させ、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)を15mL加えた。溶液化したことを確認した後、ブロモフェノールブルー(1%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた。その後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVs(mL)とした。
以下の計算式により、サンプル中のイソシアネート基濃度を算出した。
イソシアネート基濃度(重量%)=(Vb-Vs)×1.005×0.42÷Ws
・ウレタン(メタ)アクリレート(X)
ウレタン(メタ)アクリレート(X)の粘度は、E型粘度計(東機産業(株)製、製品名「TV-25型」)により、60℃の条件で測定した。
・硬化性組成物
硬化性組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業(株)製、製品名「TV-25型」)により、25℃の条件で測定した。
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーション・ガスクロマトグラフィー)法により、下記の測定条件で、標準ポリスチレンを基準にして求めた。
使用機器 :高速GPC装置(東ソー(株)製、製品名「HLC-8220GPC」)
ポンプ :DP-8020
検出器 :RI-8020
カラムの種類:Super HZM-M,Super HZ4000,Super HZ3000,Super HZ2000
溶剤 :テトラヒドロフラン
相流量 :1mL/分
カラム内圧力:5.0MPa
カラム温度 :40℃
試料注入量 :10μL
試料濃度 :0.2mg/mL
実施例及び比較例で用いた材料は以下のとおりである。
・ポリオール(A)
(A1):ポリファルネセングリコール(Cray Valley社製、製品名「KRASOL F3000」(Mw:1488、水酸基価:0.672mmoL/g、不揮発分:99.91%)。
・ポリオール(A’)
(A’1):ポリプロピレングリコール(三洋化成工業(株)製、製品名「サンニックス(登録商標)PT2001」、Mw:1964、水酸基価:57.1mgKOH/g)。
(A’2):ポリエステルポリオール(三井化学(株)製、製品名「タケラック(登録商標)U2710」、Mw:988、水酸基価:113.5mgKOH/g)。
(A’3):水素化ポリブタジエングリコール(日本曹達(株)製、製品名「NISSO PB GI3000」(Mw:3965、水酸基価:28.3mgKOH/g)。
なお、上記ポリオール(A)及びポリオール(A’)のMwは、水酸基価を元に下記式(4)又は(5)より算出した値である。
Mw=56.1÷水酸基価(mgKOH/g)×2,000 ・・・(4)
Mw=2,000÷水酸基価(mmoL/g) ・・・(5)
(B1):イソホロンジイソシアネート(IPDI)(エボニック(株)製、製品名「VESTANAT(登録商標)IPDI」、Mw:222)。
(B2):ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(東ソー(株)製、製品名「HDI」、Mw:168)。
(B3):2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)(エボニック(株)製、製品名「TMDI」、Mw:210)。
(B4):ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(東ソー(株)製、製品名「MDI」、Mw:250)。
(B5):メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)(エボニック(株)製、製品名「DESMODUR(登録商標)W」、Mw:262)。
(B6):トルエンジイソシアネート(TDI)(東ソー(株)製、製品名「TDI」、Mw:174)。
(C1):2-ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒(株)製、製品名「HEA」)。
・1つの水酸基を有するアルコール(D)
(D1):2-エチルヘキシルアルコール(三協化学(株)製、製品名「2-エチルヘキサノール」)。
・(メタ)アクリレート(Y)
(Y1):n-オクチルアクリレート(NOA)(大阪有機化学(株)製、製品名「NOAA」)。
(Y2):イソボルニルアクリレート(IBOA)(ダイセル・オルネクス(株)製、製品名「IBOA-B」)。
・光重合開始剤(Z)
・1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IGM社製、製品名「Omnirad(登録商標)184」)。
(合成例1/(X-1))
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A1)(ポリファルネセングリコール)303.0gと、800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、系内を均一化させた後、ポリオール(B1)(IPDI)34gを投入した。その後、300ppmのウレタン化触媒(ジブチルスズジラウレート(DBTDL))を加え、内温を70℃に設定してウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。なお、反応が完結したことは、反応液中のイソシアネート基濃度が、理論NCO濃度以下となったことで確認した(他の合成例も同じ)。本例では、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度(1.27重量%)以下であることを確認した後、次の操作へ移行した。なお、理論NCO濃度(プレポリマー)の算出は、以下の式(6)より行った。
理論NCO濃度=42×2×100÷(ポリオールのMw×2+イソシアネートのMw×3) ・・・(6)
反応液中のイソシアネート基濃度を確認した後、(メタ)アクリレート(C1)12.4gを反応液中に一括投入した。2時間熟成させた後、イソシアネート基濃度が0.05重量%未満であることを確認してから、反応を終了させ、ウレタン(メタ)アクリレート(X-1)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-1)のアクリロイル基濃度は、1,918g/moL(0.52moL/kg)であった。
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B2)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-2)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-2)のアクリロイル基濃度は、1,838g/moL(0.54moL/kg)であった。
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B3)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-3)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-3)のアクリロイル基濃度は、1,901g/moL(0.53moL/kg)であった。
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B4)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-4)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-4)のアクリロイル基濃度は、1,950g/moL(0.51moL/kg)であった。
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B5)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-5)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-5)のアクリロイル基濃度は、1,978g/moL(0.51moL/kg)であった。
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B6)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.02で反応させた以外は、合成例1と同じ合成手順で、ウレタン(メタ)アクリレート(X-6)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-6)のアクリロイル基濃度は、1,847g/moL(0.54moL/kg)であった。
ポリオール(A1)、ポリイソシアネート(B1)、(メタ)アクリレート(C1)及びアルコール(D1)を、モル比で、2.0:3.0:1.80:0.20で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A1)(ポリファルネセングリコール)404.1gと、800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、系内を均一化させた後、ポリオール(B1)(IPDI)34gを投入した。その後、300ppmのウレタン化触媒(ジブチルスズジラウレート(DBTDL))を加え、内温を70℃に設定してウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。なお、反応が完結したことは、反応液中のイソシアネート基濃度が、理論NCO濃度以下となったことで確認した(他の合成例も同じ)。本例では、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度(0.98重量%)以下であることを確認した後、次の操作へ移行した。なお、理論NCO濃度(プレポリマー)の算出は、上記の式(6)より行った。
反応液中のイソシアネート基濃度を確認した後、(メタ)アクリレート(C1)10.6gとアルコール(D1)1.3gを反応液中に一括投入した。2時間熟成させた後、イソシアネート基濃度が0.05重量%未満であることを確認してから、反応を終了させ、ウレタン(メタ)アクリレート(X-7)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X-7)のアクリロイル基濃度は、2,052g/moL(0.49moL/kg)であった。
ポリオール(A’1)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A’1)307.8g、ポリイソシアネート(B1)67.5g及び800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。1時間攪拌し、系内を均一化させた後、ウレタン化触媒(DBTDL)300ppmを投入した。内温が上昇していることを確認した後、70℃まで昇温させ、3時間熟成させて、ウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(2.27重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)24.7gを投入した。更に2時間熟成して、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-1)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-1)のアクリロイル基濃度は、2,303g/moL(0.43moL/kg)であった。
ポリオール(A’2)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A’2)269.1g、ポリイソシアネート(B1)22.6g、希釈モノマーとして、(メタ)アクリレート(Y1)129gを投入した。さらに、(メタ)アクリレート(Y1)を除く反応成分に対して、800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、1時間攪拌し、系内を均一化させた後、ウレタン化触媒(DBTDL)((メタ)アクリレート(Y1)を除く反応成分に対して300ppm)を投入した。内温が上昇していることを確認した後、70℃まで昇温させ、2時間熟成させて、ウレタンイソシアネートプレポリマーを調製した。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(0.68重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)8.3gを投入した。更に2時間熟成し、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-2)を得た。なお、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-2)中の(メタ)アクリレート(Y1)の割合は、30重量%((X’―2)/(Y1)=70/30)であった。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-2)のアクリロイル基濃度は、1,374g/moL(0.73moL/kg)であった。
ポリオール(A’2)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリオール(A’2)269.1g、ポリイソシアネート(B1)22.6g、希釈モノマーとして、(メタ)アクリレート(Y2)129gを投入した。さらに、(メタ)アクリレート(Y2)を除く反応成分に対して800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を充填した。内温を50℃にし、1時間攪拌し、系内を均一化させた後、ウレタン化触媒(DBTDL)((メタ)アクリレート(Y2)を除く反応成分に対して300ppm)を投入した。内温が上昇していることを確認した後、70℃まで昇温させ、2時間熟成させた。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(0.68重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)8.3gを投入した。更に2時間熟成し、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-3)を得た。なお、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-3)中の(メタ)アクリレート(Y2)の割合は、30重量%((X’―3)/(Y2)=70/30)であった。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-3)のアクリロイル基濃度は、1,374g/moL(0.73moL/kg)であった。
ポリオール(A’3)、ポリイソシアネート(B1)及び(メタ)アクリレート(C1)を、モル比で、2.0:3.0:2.10で反応させた。実際の仕込み量、及び反応条件を以下に記載する。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(B1)103.9gと、反応成分に対して800ppmのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)と、ウレタン化触媒(DBTDL)(反応成分に対して300ppm)を充填した。内温を50℃にし、ポリオール(A’3)308.2gを4時間かけて滴下した。この時、内温が80℃を超えない様に、冷却水で徐熱しながら反応させた。ポリオール(A’3)の滴下終了後、2時間熟成させた。反応液中のイソシアネート基濃度が理論値(3.18重量%)以下であることを確認した後、(メタ)アクリレート(C1)38gを投入した。更に4時間熟成し、ウレタン(メタ)アクリレート(X’-4)を得た。得られたウレタン(メタ)アクリレート(X’-4)のアクリロイル基濃度は、4,209g/moL(0.24moL/kg)であった。
各合成例及び比較合成例で得られたウレタン(メタ)アクリレート(X)に、粘度調整用モノマーとして、(メタ)アクリレート(Y)を、硬化性組成物の25℃の粘度が600mPa・s以下になるまで配合した。その後、得られた混合液の総重量に対して、3重量%の光重合開始剤(Z)を配合して、各例の硬化性組成物を得た。表2~3に、(X)成分及び(Y)成分の配合割合を記載する。
各例で得られた硬化性組成物の粘度を上記に記載の方法で測定した。また各例で得られた硬化性組成物の外観、硬化物の透明性、耐熱性及び柔軟性を、以下の条件で評価した。結果を表2~3に示す。
各例で得られた硬化性組成物を、-30℃で1時間保管し、結晶化等による白濁、着色の有無を目視により以下の評価基準で評価した。
(評価基準:外観)
合格:目視により白濁、着色のいずれも確認されなかった。
不合格:目視により白濁及び/又は着色が確認された。
図1に示すように、マイクロガラス11(寸法:1.0×76×26mm)上に、シリコンラバー12で方形の枠を作り(内寸:1.0×40×10mm)、その枠の中に硬化性組成物13を1.0g滴下した。その後、70℃で加温し、表面が平滑になったところで、下記条件で紫外線を照射して硬化させて、硬化物の試験片を得た。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:5m/分
照射回数 :2回
次に、分光光度計((株)島津製作所製、製品名「UV-VISIBLE SPECTROPHOTO METER」)を用いて、マイクロガラスだけのものをリファレンスとして透過率を測定し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準:透明性)
合格:400nmにおける透過率が95%以上であった。
不合格:400nmにおける透過率が95%未満であった。
図2及び図3に示すような積層体20を作成して、耐熱性評価を行った。なお図2は、積層体20を真上から見た上面図であり、図3は、積層体20の側面図である。
まず、ガラス板21(厚さ1mm、5cm四方)の中心に、硬化性組成物0.50g(±0.01g)を正確に秤量して滴下した。さらにその上から同形状のガラス板21を被せて硬化性組成物を円状(4cm径)に広げて、ガラス積層体21/硬化性組成物13/ガラス積層体21の順に積層された積層体20を得た。その後、一方のガラス積層体21面から高圧水銀灯(アイグラフィックス社製)を用いて、下記の条件で紫外線照射を行って、硬化性組成物13を硬化させた。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:5m/分
照射回数 :8回(両面各4回)
次に、硬化後の積層体20を小型環境試験器(エスペック(株)製、製品名「SH-641」)中に、温度95℃の条件で1000時間保管した。保管後の積層体20の形状を以下の評価基準に沿って評価した。
(評価基準:耐熱性)
合格:保管後の積層体20の形状に変化がなかった。
不合格:保管後の積層体20の形状が変化していた(硬化物にしわが発生していた、及び/又はガラス板にズレが発生していた)。
ガラス板上に、シリコンラバーで正方形の枠を作り(内寸:7×40×40mm)、その枠の中に硬化性組成物を空隙容量いっぱいになるように投入した。この時、なるべく気泡が発生しないように、硬化性組成物は予め加温しておき、ゆっくりと投入した。なお、硬化性組成物に気泡が発生していた場合は、80℃のオーブン中で気泡が抜けるまで保管した。サンプルを80℃で加温し、表面が平滑になったところで、下記の条件で紫外線を照射して硬化させた。
(紫外線照射条件)
照射強度 :120W/cm
照射距離 :10cm
コンベア速度:3.5m/分
照射回数 :5回
硬化後、シリコンラバーから硬化物を取り外し、該硬化物を裏返しにして上記と同じ条件でさらに紫外線を照射した。これにより、厚み約7mmの硬化物の試験片を調製した。その後、自動定圧荷重器((株)テクロック製、製品名「GS-610」)を用い、JIS K 6253に準拠して、硬度測定を行った。この時、タイプAの硬度計を用いた。この時の荷重は500g、荷重降下速度は9mm/sとした。除荷後、押針が接触した跡を観察し、以下の評価基準に沿って評価した。
(評価基準:柔軟性)
合格:押針との接触部にワレ等の損傷がなかった、又は押針との接触部にワレ等の傷があったが、24時間以内に回復した。
不合格:押針との接触部にワレ等の傷があり、24時間以内に回復しなかった。
一方、表3に示す通り、ファルネセン由来の構造単位を含まないウレタン(メタ)アクリレートを含む比較例1~4の硬化性組成物は、比較的少ないモノマー量((Y)成分)で低粘度の硬化性組成物調製でき、かつその外観も良好であったが、硬化物の耐熱性又は柔軟性に劣っていた。また比較例5、6の硬化性組成物は、白濁及び経時で相分離を示したため、硬化性組成物の粘度測定、硬化物評価を実施することができなかった。なお、表3に示すように、これら比較例5、6において、(Y)成分の配合量を30重量%未満とすると外観は良好となったが、硬化性組成物の粘度が非常に高く、粘度測定、硬化物評価のいずれも実施できなかった。
また、ウレタン(メタ)アクリレート(X-1)と光重合開始剤(Z)のみを含む比較例7の硬化性組成物は、粘度(25℃)が非常に高く、ハンドリングが悪かった。
以上の結果より、第1の実施形態に係る硬化性組成物は、低粘度な活性エネルギー線硬化性組成物であって、透明性に優れ、かつ柔軟性及び耐熱性にも優れる硬化物が得られることが分かった。
[1]ファルネセン由来の構造単位を含むウレタン(メタ)アクリレート(X)と、
前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)以外の(メタ)アクリレート(Y)と、
光重合開始剤(Z)とを含む、活性エネルギー線硬化性組成物。
[2]前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)が、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物である、[1]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[3]前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)の重量平均分子量(Mw)が、5,000~30,000である、[1]または[2]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[4]前記ウレタン(メタ)アクリレート(X)が、ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物であり、
前記ポリオール(A)が、下記式(I)で表されるジオールを含む、[1]から[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[5][1]から[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物の、硬化物。
[6][1]から[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物及び[5]に記載の硬化物から選択される1以上を含む層を備える、積層体。
12:シリコンラバー
13:活性エネルギー線硬化性組成物
20:積層体
21:ガラス板
Claims (5)
- ファルネセン由来の構造単位を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、水酸基を有する(メタ)アクリレート(C)との反応物であり、重量平均分子量が12000超30000以下のウレタン(メタ)アクリレート(X)と、
アルキル基の炭素数が1~15の脂肪族(メタ)アクリレート及び脂環式(メタ)アクリレートから選択される1以上の単官能(メタ)アクリレート(Y)と、
光重合開始剤(Z)とを含み、前記ポリオール(A)が、下記式(I)で表される、重量平均分子量が1000以上2000未満のジオールを含む、活性エネルギー線硬化性組成物。
(式(I)中、m及びnは、それぞれ独立して、1~7の整数を表す。) - 前記単官能(メタ)アクリレート(Y)が、n-オクチルアクリレート(NOA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、及びオクチル/デシル(メタ)アクリレートから選択される1以上を含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記硬化性組成物の総質量に対する前記単官能(メタ)アクリレート(Y)の割合が20~55質量%である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の、硬化物。
- 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物及び請求項4に記載の硬化物から選択される1以上を含む層を備える、積層体。
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